(東京女医大誌6第25巻第4号頁156−162・昭和30年4月)
本邦心臓疾悪死亡率の研究第1報
一昭和(戦後)における死亡率について一
東京女子医科大学衛生学教室(主任 吉岡博人教授) 1 緒 言 安 ア 樂 ラ 城 キ 元 ハジメ(受付 昭和29年12月21日)
近代の治療及予防医学の発達は急性及慢性の伝 染病による死亡を激減させ,その結果平均余命は 延長し,必然的に老人性疾患によ.り死亡する、もの が増加した。これにより:交明諸国における保健対 策は,専ら心臓疾患を含む老人病に向けられるご ととなろう。我が国に於てはユ930年代の半ばま で,我が国民死因の首位は所謂「下痢,腸炎,腸 潰瘍」という消化器疾患によって占められてい た。以後消化器疾患は急降下的に減少することに よって,はじめて首位よりおち,之にかわって, ながい間国民死亡原因の首位をしめたのは結核で あった。結核は1930年(昭和10年)以後つねに国 民死因の第1位に坐していたが,今次大戦後急激 に減少を始め,1952年(昭和27年)には首位より 第2位に転落し,1位は”頭蓋内血管の損傷”に図一1
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最1。。 o ゆすることとなり,2位は”結核”,3位”癌及び その他の悪性腫瘍”,4位”老衰”,5位”心臓疾 息”とV、うように,結核を除いては老人性疾患が 死亡の大多数を占めるようになった(1)。アメリカ に於ては国民死因の首位}ま心臓疾患による死亡と なっている(2)(3)。その他の医学の進歩せる丈明諸 国でも,心臓疾患死亡率は高率と轍っている。 今,日本とアメリカの心臓疾患による死亡率を 比較すると図一1の如くであり,その差の著しく 大なのを知る。他の丈明諸国の心臓疾患死亡率の 状態も図一∬に示した。 以上の如く近代医学の進歩により,心臓疾患を 含む老人性疾患による死亡率が高くなったことに 注目し,老人性疾患の一一つの心臓疾患につき,戦 後の動向をみるべく,主として国勢調査の行われ た昭和22年及昭和25年の本邦心臓疾患死亡率につ 畿、両年の年次による変化を観察して見た。 図一一■ 世界二二門下蕨疾患死亡率 /一一’一“K\楓》〆・:二===・鶉秀 .__._。. 一一.・一._._+ 一一 フランス 一一一 .一. 一/
日本(軍民時中)ノ日京 _._.,_.____・一・一・一一」セイロン 1939 aO 41 42 43. 44 年 )欠 45 46 1en7 ll 資料及び研究方法 資料:昭和22年及昭和25年国勢調査報告,昭和22年 ∼昭和26年人ロ動態統計。 研究方法:昭和22年より昭和26年三七年度の全国, 一一 156 一府県別の総数及男女別粗死亡率を計算し,そのうち昭 和22年及昭和25年はそれぞれ国勢調査入口が判明せる ため前記計数に加えて全国及府県別訂正死亡率,並び に性別年令別死亡率を観察した。筒訂正死亡率は昭和 5年度全国入口を標準入口として計算した。
皿 研 究結果
1.全国総数:及男女別粗死亡率 表一1 心臓疾患による粗死亡率(人口10万対) 1・召・・22年・・禾・23年;縣・2黒和25年iB召禾・26年 総剃・2・・1・…164・・「65.・「・4.・工臨・・96・・1[亜・4・・1・3・・
客.子.L・2・・1…5「・5・・65・・1・5・・ 表一1に昭和22年より昭和26年までの総数,:男 子及女子の粗死亡率を示した。総数及男女とも昭 和23年は昭和22年より僅か乍ら低率となっている が,昭和24年,25年と年次を経るにしたがい高率 となってくる。昭和26年は昭和25年号比し僅かに 低率となっているが,女子は昭和24年以後3力年 は同率を示している。注目されることは昭和24年 .は昭和23年目比し,著るしく死亡率が上昇してい ることである。性別については各年度共,女子の 方が男子より高率となっている0 2.府県脚死亡率 表一一に昭和22年及昭和25年の全国,府県別の 粗死亡率及訂正死亡率を総数並びに男女別に示し た。 表一1 心臓疾患による組死亡率及訂正死亡率(入口100,000対)丁 昭和22年
「競τ』率 証死亡率 粗死亡率
綴剃男隊擁数認諾麟男菱
昭和25年
訂正死亡率
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和歌山
烏 取 島 根 岡 山 広 島 山 三 徳 島 香 川 愛 媛 高 知 福 岡 佐 賀 長 崎 熊 本 大 分 宮 崎 62.5’ 62.1 59.3 70.9 63.1 63.6 75.5 59.5 69.2 70.8 92.3 64.6 62.5 50.8 52.8 6Z9 66.7 65.2 64.4 60.4 62.5 62.2 57.5 76.2 61.5 61,3 69. .3 57.0 64.5 70.6 62,5 61.9 61.1 65.9 64.6 65.8 81.2 61.7 73.6 71.1 61.3 68.1 58.2 69.5 58.0 53.1 62.5 5L3 62.5 65.0 90.6 1 93.8 65.2 1 64.0 61・7「63・1 53.1 1 48.7 54.7 1 50.9 E 82.3 59.0 57.or 43.3 52.5 67.3 64.1 68.9 ’ 61.9 54.3 68.3 69.3 61e8 66.6 66.3 67.9 74.9 60.1 77.0 58.1 56.8 59.8 49.5 62.0 64.6 56.9 64.2 rJ7.3 63.7 56.9 56.5 66.0 5L7 64.7 62.4 s4.6 1 s2.o E 61.2 i 57.9 59.2 i 56.2 4ZO F 40.7 62.o 1 rJo.o 59.0 53.7 55.2 67.0 60.9 57.3 56.0 56.4 65.6 60.7 51.6 53.9 68.4 s3.2 1 s7.2 65.0 [ 63.5 73.3 1 76.3 68.0 1 70.5 62.6 1 63.3 66.7 1 66.3 68.3 70.5 65.6 62.0 67.1 54.9 58.4 54.0 58.7 47.9 86.7 69.9 63.7 58.4 58.0 66.3 」 65.9 ) 63.4 ).71.0 65.2 1 6S.4 1 64.0 [ 67.9 60.8 1 68.5 1 .4.5.3 1 6Z8 58.7 1 58.6 1 57.4 F 70.8 60.1 1 s[o’.7 1 64.6 1 66.g 85.8 68.3 58.6 56.3 58.3 65.8 65.3 64.9 65.1 67.7 87.6 71.3 68.6 50.3 57.6 75.8 70.4 70.or 75ユ 66.1 56.6 57.2 56.3 53.5 59.4 73.4 61.6 57.0 46.3 61.1 67,8 65.3 612 62.4 66.2 59.3 67.3 60.7 6L3 48.8 61.1 64.0 62.2 58.9 64.2 76.5 629 55.7 47.2 68.3 68.7 7L1 63.5 61.3 7i.3 52.6 52.1 49.7 57.6 48.1 54.4 52.2 52.2 50.7 56.9 72.3 62e1 59.6 44ユ 56.5 68.8 63.7 60.4 64.9 63.5 ..蹴副、62・・1・4・・.mi6・r?Of15.5.1・.・・rL竪.・劉皿解』161:1111・r:旦L塑1三・2 (1)総数の観察 図一皿及び図一1Vに昭和22年及び昭和25年の粗 及訂正死亡率を棒図表に示し比較観察してみ る。 心 藏 疾 患 死 亡 率 谷 男 彗 ioo府縣別
両年とも大体同様な状態がみられる。即ち粗死 亡率}C *6 XAて一般に低率である近畿,中国及四国 地方に於V・て滋賀及徳島の両県が他に比しかなり 高率であることが注目される。東京,神奈川,京 図一皿ノじ嚇疾患による死亡率入臼10力対
日召…和22年d947≦手) 〔=コ粗死亡率 團二王死亡率 一*且死亡率 (f国) “訂正死亡率(主国)車掌謙撃墜癬麟鑛姦羅 、蜘榊蝋
一158一都,大阪及福岡等の都会地方の死亡率は低くなっ てV、る。これを年令構成を考慮に入れた訂正死亡 率につbて観察すると,両年とも北海道,東北地 t¢ 80
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府細別
図一▽肥韓疾患による死亡率 方及東京,神奈川,大阪の都会地方は訂正すると 粗死亡率より高率となる。 昭和22年では関東地方の大部分は訂正死亡率は:10万対
日召側目25#c1950年) 〔コ粗舜亡率mu訂正死弊
・・一・一一全国訂正死ご畢 一2国租死亡率 欝/疇岩野畑灘扁山王棟麟富縦長融俵岐斉擾三滋京大真撫躍欄購羅1
聡蒲漁礁淋町流記酬井鰹輌締看礁
粗死亡率より高率であったが,昭和25年は関東地 方は東京,紳奈川を除きすべて訂正死亡率は粗死 亡率より低率となっている。即ち昭和25年は昭巧ミロ 22年に比し訂正死亡率が粗死亡率よ1)低率である 府県が多く,昭和22年目全国の中28府県が訂正す ると粗死亡率よ1)低率となるのに比し,開催P25年 IOO 90心80
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は34府県と増加している。しかし両年とも北海 道,東北地方及都会地方の訂正死亡率は粗死亡率 より高率となっており,その他の大部分の地方は 両年とも訂正すると粗死亡率より低率となってい る。北海道,東北地:方の訂正死亡率が粗死亡率よ lP高率であることは,都会地方と同様にその人口 一一 /59 一構成は老入の人口が若年層に比し少いため,かか る結果が生じたものと思われる。 帰一Vについて,昭和22年と昭和25年の各府県 別総数の訂正死亡率を比較すると,大部分の府県 において,昭和25年は昭和22年より死亡率は上昇 している。即ち全国の中30府県が昭和25年は昭和 22年より死亡率が上昇している。しかし近畿及中 国地方では昭和25年は昭和22年より死亡率が低下 しているのが注目される。 (2)男女別による老察 男女とも総数の揚合と同様,争覇訂正死亡率と も昭和25年忌昭和22年より上昇している。 昭和22年及昭和25年の男女別心臓疾患死亡率を 専一亜にて観察すると,全体的にみて両年とも大 体同様な傾向を示している。即ち男女とも総数の 揚合と同様に都会地方は低率を示してv・る。 昭和22年につV・てみると,ます粗死亡率で男子 と女子を比較すると,女子の方が男子より高率の 県が僅かながら多い。全国の中27府県で女子が男 子より高率となってv・る。これを訂正死亡率で比 較してみると,逆に男子が女子より遙かに多くの 府県で高率となる。即ち40府県で男子が女子より 高率となる。つ蓉に訂正死亡率が粗死亡率より低 率となるのは,女子の方が男子より多く,男子に おいて訂正死亡率が粗死亡率より低率であるの は,全国の中20府県であるのに比し,女子は36府 県となってV、る。 昭和25年につV・て観察すると,粗死亡率におい ては全国の中24府県で女子が男子より高率であ る。これを訂正死亡率にて観察すると,逆に多く の府県にわたり男子が女子より高率となる。即ち 訂正死亡率では40府県が女子より高率となる。又 訂正死亡率が粗死亡率よIP低率となるのは,昭和 22年と同様に女子の方が男子より多く,男子は21 府県で女子は38府県となっている。 両年とも,心臓疾患死亡率は全国において粗死 亡率では女子が男子より高率であるが,訂正する と男子が女子よりも高率となる。両年を通じ,男 女とも訂正死亡率にて観察すると,総数の揚合と 同様な傾向を示し,北海道,東北地方及都会地方 は訂正死亡率は粗死亡率より高率となっている。 訂正死亡率では女子が男子より多くの府県にお いて粗死亡率よ1)低率となる。これは女子の人口 において高年屡の割合が多い府県が多数なるため と考えられる。 次に男子について観察すると,訂王死亡率にお いて中部,近畿地方の一結及び四国地方の17府県 を除いた他の29府県が,昭和25年は昭和22年よIJ) 死亡率は上昇している。最高は昭和22年では山形 県の人口10万に対し89.5で,昭和25年は秋田県の 88.9となっている。最低は両年を通じ高知県で, 昭和22年は47.0,昭和25年は47.2となっている。 両年とも総数同様,男子におV・ても,四国地方に おいて徳島県のみかなり高率であるのが注目され る。訂正死亡率が粗死亡率より低いのは両年夫々 2Q及21府県で,その大部分が中国,四国地方で占 めている。全国の男子においては,昭和25年は昭 和22年よIJ粗死亡率において人口10万に対し, 3.0(64.9(昭和25年)一61.9(昭和22年)),訂正死 亡率では2.9(68・9(昭和25年)一66・0(昭利22年)) とそれぞれ死亡率が高くなっている。 女子について観察すると,全国において,昭和 25年は粗及訂正死亡率とも昭和22年より高くなっ ている。男子と同様に訂正死亡率において中部, 近畿及中国地方の19府県を除V・た27府県にわた 図¶ D召io2・,e.、nl) 1000。 肥確疾患による年錫り死亡率(全国) 1 goe 1巴 臓 疾 墨 {ξ刊。 率 ス rvm. 60e g g o 誓 4De 80fi}一
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L一一一Hi 日召和25年(女1 日召寺022斜三〔男) 目召柏22年(女) 30嘯T0撃7080eo田9
一 160 一一り,昭禾025年は昭和22年より高率となっている。 昭和22年における最高は徳島県で人口10万に対し 82.0で,昭和25年は:男子同様秋田県で78.9となっ てV・る。最低は男子と同じく両年とも高知で,昭 和22年は40.7,昭和25年は44.1となっている。女 子においても両年とも総数及男子と同様に,一般 に低率である近畿,四国地方に於て徳島県が他に 比し高率を示しているのが注目される。 女子は両年を通じ男子に比し,訂正死亡率が粗 死亡率より低率となる府県が多く,両年とも大体 同様な傾向を示している。即ち北海道,東北地方 及東京,神奈川の都会地方を除き他の府県は訂正 すると粗死亡率より低率となP,昭和22年は全国 の中36府県が,昭和25年はほぼ同数の38府県が粗 死亡率よIJ低率となっている。 全国の女子において昭和25年は昭和22年より粗 死亡率におV・て2.7(65。1(昭和25年)一62.4(昭和 22年)),訂正死亡率でぱ0.6(60.3(昭和25年)一 59.7(昭和22年)),それぞれ高くなっている。 3.性別年令別死亡率の襯察 叢 奮 髭 妄 父 巳 雪 ; り 暫 loo 900 8DD 7DS 6fje 5ca 400 鋤 200 ioo o 図一vn 肥藏疾馴こ鼻年今別死t率 徳島縣高知縣 日召和22年(1947年.} 、 .ハ、!ゾ $ N “ノr:)一ノ 徳島縣(男) ,徳島縣㈲ ノ「 ダ/ 1’ , ’ i i lあ iiNxN y・i ll\高知縣{男} 1β・一融日縣{如
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耳ニ マ (1)全国における観察 図一Wに示すごとく,全国においては昭和22年 及昭和25年両年とも殆ど同様な曲線をあらわして いる。即ち男女とも高年になるにつれ死亡率は高 率となる。注目される共通な点は,女子は45才前 後まで男子より高率を示し,その後は男子ぱ女子 よ1)も高率となlp,男女の死亡曲線は40∼50才の 間にて交叉している。若年層において女予が男子 より死亡率が高率であることは,妊娠可能年令の 若年層女子の妊娠,分娩,産褥等における種々の 合併症,特に出一血による心臓衰弱も心臓疾患死亡 率に影響あるものと老えられる(4)。 昭和25年と昭和22年を比較すると,昭和25年ぱ 若年層において男女とも昭和22年より低率となっ ているが,高年層では男女とも昭和22年よ1)高率 となっている。これは近年になるに伴い,老入性 疾患としての心臓疾慮死亡率が他の死因を凌駕し て表面に現われて来たためではなかろうか。 (2)各府県に於ける観察 以上の特殊死亡率を,今度は各府県について観 劃一v颪1暫麟1細別熱
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10 20 30 co 50 60 宋 令 70 80 90 iJS 一 161 一察してみると,その死亡曲線は全国のようなきれ いな曲線はしめさないが,両年を通じ各府県とも 大体全国と同様な曲線を示している。即ち,45才 前後までの若年層においては女子が男子より死亡 率が高く,それ以後の高年層においては男子が女 子より高率となり,男女の死亡曲線は40∼50才の 間で交叉してbる。 叉各府県男女とも全国と同様に心臓疾患死亡率 は,高年層において昭和25年は昭和22年より高率 となっている。 図一泊及図一vmは昭和22年及昭和25年両年の 最高及最低死亡率を示すそれぞれの2県,即ち徳 島,高知及秋田,高知の各県を全府県の代表とし て示した。 IV 総 括 以上戦後における本邦心臓疾患死亡率について 述べたが,それを総括すると次の如くである。 (1)昭和22年より昭和26年までの全国総数,男子 及女子の粗死亡率は年次を経るにしたがい高率と なってくる。特に昭和24年は昭禾i123年に比し著し く死亡率が上昇している。しかし総数及男子にお いては昭和26年は昭和25年に比し僅かに低率とな ってv・る。女子は昭和24年以後3力年は同率を示 してv・る。性別につv・ては各年度共,粗死亡率で は女子の方が男子より高率となっている。 (2)昭和25年目昭和22年よlp,全国総数及男女 別,府県別総数及男女別とも粗及訂正死亡率にお いて心臓疾患死亡率は高くなっている。即ち昭和 25年は昭和22年より,全国総数では,粗死亡率に おいて,人口10万に対し2。8,訂正死亡率におv・ て1.9,それぞれ上昇している。叉全国の男子で は,粗死亡率において3.0,訂正死亡率では2.9, 女子では粗死亡率において2.7,訂正死亡率にお いてはO.6,それぞれ死亡率は上昇している。 〔3)総数の観察において,昭和25年忌昭和22年よ り,訂正死亡率が粗死亡率より低率である府県が 多い。 (4)両年を通じ共通な点は,総数曲馬男女とも,北 海道,東北地方及東京,神奈川,大阪などの都会 地方では,訂正死亡率は粗死’亡率より高率となっ てV、る。 ㈲ /司じ四国地方において,徳島県はかなり他に 比し高率を示し,無知隈は低率を示しているのが 両年を通じて注目される共通な点である。 〔6)男女別死亡率を比較すると,粗死亡率におい ては昭和22年前昭和25年両年とも女子は男子より 僅か乍ら高率となっているが,訂正死亡率におV・ ては両年とも,男子が女子より高率となり,その 差の著しいことが注目される。即ち訂正死亡率で は男子は女子より心臓疾患死亡率は高vo。 (7)陽解訂正死亡率の関係は,女子は男子より多 くの府県におV・て,訂正すると粗死亡率より低く なることは両年を通じ同様に観察し得たQ即ち昭 和22年目訂正死亡率が粗死亡率より低率である府 県は,男子では20府県,女子では36府県で,昭和 25年は男子は21府県,女子は38府県となってv・ る。 圖 性別年令別死亡率では,全国においては男女 とも高年層における死亡率の急激な上昇,若年層 における女・子の高率及高年層における男子の高 率,並に男女の死亡曲線の40∼50才における交叉 を両年を通じて襯察し得た。また昭和25年は老人 層において男女とも昭和22年より高率となってV・ る。 (9)各府県におV、ては,全国のようなきれいな死 亡曲線はしめさないが,両年を通じ各府県とも大 体全国と同様な曲線をしめしている。 また各府県男女とも全国と同様に心臓疾患死亡 率は,老人層におV・て昭和25年は昭和22年より高 率となっている○ 稿を終るに臨み終始御懇切なる御指導,御校閲を賜 つた吉岡博人教授,並に諸岡妙子助教授に謹んで謝意 を表す。 文 献 (1)吉岡博八・諸岡妙子: 本邦都榔別老年疾患死亡率について、日本入口学会 記要2号,頁50(昭和29年3月) (2)白石信尚・田多井吉之介共訳: 公衆衛生の原理,頁69,73,白揚社発行(昭和24年 11月) ノ
(RENE SAND:HEALTH AND HUMAN PROG− RESS) (3)田多井吉之介: 公衆衛生からみた合衆国における循環器病の諸問 題,ゑ衆衛生,14巻,2号,:頁3(昭和28年8月)