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身分法の基礎理論のため

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Academic year: 2021

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(1)

一一

一 一 一 一 、 一 ー 戸 一 一 一 一 = − − − − = 一 口 二 一 凸 = , ・ ロ 。 q , = ①

q ■ へ

一W$一一一

■■■

1go

一γ

わが親族法は︑家族成員個人の利益を家族集団そのものの利益か

ら分離し︑それを保護しようとするものであるが︑かような見解が

︑法典のなかに実を結ぶに至るまでには実に長い期間を必要とした︒

古口1マ法においては︑家族成員のあらゆる利益は家族の首長の

利益と見られた︒家族の首長は︑法律上の単位であった家族集団を

正式に代表するものであった︒したがってたとえば家族成員に対す

る侵害は︑法律的には首長に対する侵害とみられた︒

このような状態をせんじつめれば︑家族員の利益をもっぱら家族

の首長の個人的財産的利益と見る考え方に到達する︒﹁家族が社会

の単位である﹂とい5表現は︑・この段階においては︑家族の首長だ

けが自由人であるという意であり︑自由人である家族の首長は自己

の権力に服する人凌を統制する公の権限を与えられた︒〃昏目一旨︑

〃はオスク語の/昏目の一︑つまり僕碑︑奴隷︑所有物に由来する言葉で

ある︒・またざ罠の︑は所有者︑所持人︑●主人などの意走ある︒かく

て古口1マのざ自胃曾目農協︑︵家父︶は︑言葉の意義からいえば︑

奴隷の所有者であった︒︑彼は少くとも理論上は妻や子に対して︑そ

の動産や不動産に対するのと同様知絶対的な権利を有していたい︒

〃冒凄匡呂︑に服する妻jざ92井鼠︑に服する子および︑倉己§︒菅二日︑

身分法の基礎理論のため

Q

に服する奴隷は︑法律的に見れば︑他の所有物と同じく︑財産とし

て保護され︑誤渡されうるものであった︒

しかしながら︑やがて第二の段階においては︑妻および子の財産

権が承認されはじめ︑遥かにおくれて︑自然法の段階においては︑

法律上の単位を道徳上の単位と一致させようとする考え方が︑妻︑

子および奴隷の人絡権券承認させた︒妻および子の場合には︑その

人格権の承認によって︑家父がこれらの者に対して有する懲戒およ

び監禁の権利が制限されるに至った︒現在第四の段階においては︑

妻および子の個人的利益は完全に集団の利益から解放され︑そして

妻および子に人間らしい生活が法的に保障されるのである︵パウン

薦.︶跡◎

わが親族法は保族生活の規律に際して︑家族を統一的な全体とし

その成員を全体の部分と見る観点からではなく︑すべての家族員を

法的に平等な立場の上で結び合わされた個人と見る観点から出発す

る︵一条ノー︶︒したがって親族法は家族成員のもろ﹄︑の権利を相

互唯明硴にし︑保謹しようとする抑︒

D閥卑罵鯵島︼里のご貫言﹃管く巳自.弓.念当.

の閥ぎ二且︾旨忌ぐ菖匡昌旨8﹃①:旨ごC目の島︒胃冒冒晶︶

ぬ鳥貝2房︑震署︒ご冒巳ご官急︵翁︽︶冒昌aご雷mco旨昏冒

島津.一

(2)
(3)

− − − − − 一 ‐ F ← 一 一 . 一 ・ − ‐ ‐ ‐ ‑ − ー ‑ ‑ 一 一 − 一 一 一 一 一 一 ‐ − − − ‐ − , − ‐ 一 一 一 ̲

いう願望の満足を社会的生産に参加することのアクセサリーだとみ

2ることが︑男僅にとってよりも遥かに困難だという事情にも由来す

るのではないだろうか︒

この第二の疑問は︑母性愛だけが深い意味で生物学的なものであ

って︑父性愛はそうではないという見解を基礎とする︒い上かえれ

ば︑母子の関係だけが生物学的存在であり︑男がその女性配偶者と

協力︑分業して子を謎育するという形は深い意味で生物学的なもの

ではない︑ということである︒⑳

.こうした見解は︑以前の反対説gリノフスキー︺副にもかLわ

らず︑現在は有力な学説︵ミード︺によって支持されている︒何が

生物学的なものであるかを究めるには︑社会的伝統のとりこになっ

ていない原始人よりももつと遡って構造上最もわれノ︑に近い同類

つまり霊長類の生態を調べればいLわけである︒ところがこの﹁霊

長類においては雄は雌を養わない︒幼い者を背負災苦労して困難

を排しながら雌は自活するのである﹂ぃ︒

一とするならば︑男が女とその子を謎5というのは人間に固有のこ

とである︒それは社会的発見であり︑社会的伝統だということにな

る︒母子の紐帯は明らかに妊娠︑分娩および授乳といった現実の生

物学的諸条件に深く根をおろしているものだから︑極めて堅く強い

ものであるのに対し︑男が他人を扶養するということは社会の伝統

であり︑学ばれるものであるから脆く弱いものである︒だから︑戦

争︑革命︑飢臓などの極度の社会不安の時期には︑社会的伝統を維

持してきた社会の諸条件が破壊され︑﹁人間は悪あがきをして︑本

来の単位が再び生物学的に与えられた母子となることがあるのであ一︸

,』・ロ

も一

る﹂帥︒/・

こういう観察が正しいならば︑家族の将来について次のような懸

念を生ずるのはもっともな話だ︒たとえば︑ソヴィエトにおいても

くろまれているように︑私生母子が陽当りのよい母子寮をもって酬

/いられ︑国家が完全に男の扶養義務を肩代りして引き受け︑しかも

﹁かかる手統が国家によって国民を以前のもしくは同時代の他の生

活様式に関する知識から孤立させうるほど長く固執されるならば︑

それが支配的にならないだろうなどと信ずべき理由はないのであ

︾︵︾﹂帥◎

もとよりソヴィエトにおいても︑私生母子を国家的に保護するか

たわら︑単婚家族の維持強化がはかられている︒いかなる国家と

いえども︑すべての母子を扶養しうるほど︑国家ば豊かな財力を持

ち合わせないであろう︒だが母子だけが深い意味で生物学的なもの

だという認識は︑私生母子の国家的保護︵私生母子の国家による扶

養と父に対する認知請求の禁止︶刀という立法による急進的解決を

理論上可能によるばかりでなく︑私生子に関する伝統的立法の解釈

にも微妙な影響をもつものと思う︒

D園.胃粥軍ご胃q2胃昌侭号弓冒目薑の︾自習雪・︾圏.

シロ室●︾ご麗管駅.臼も︵選集三三九三四○頁︶︒

の宛.讐匡患旨鴨周︾Q嵐昌唱侭営鼻昌⑦唾旨きく冒罰巨篭旨﹀

圏琶①弓陰旨昌夢己も︾や﹄い

の国富昌画C須勗震爵渕騨昌詞の胃の畠:旨殴ぐ畠のぎ⑦冒翠

忌日雪唱.国?閏﹈には︑次のような主張が見られる︒﹁わ

れ多Iは︵高等哺乳類では︺雄は峡くべからざるものである

(4)

一﹃

1

21

ことを知っている︒なぜなら長期の妊娠︑授乳および幼い者

の養育のために︑雌や壬ほ関心を寄せる強い保護者を必要と

するからである︒この必要に応じて婚姻という反射活動が現

︲れる︒雄に妊娠した雌の惟話をさせるところの︑この活動は

出産によって弱められるどころか︑却って一層強くなりそし

て遂には雄の側に家族全体を保護しようとする顔向を生ぜし

める︒生物学的立場からは︑雄雌間の夫婦愛は︑父性愛に至

る中間段階とみなされなければならない﹂︒具.員畠胃︶畠蚕︾

注目目の︽昌員邑侭のご︾固冒昌呈.厚騨.︾隠凰.雪ぐこ.属︾や追戸

しかL︑かような見解は︑プリプォードにとっては﹁いかな

る動物生活の観察者にも全く未知である一つの自然観︲一であ

り︑﹁人間の属性を人間以外のものに滞するところの自然観

.﹂であった︒プリフォートは︑当時すでに次のごとく主張し

た︒.﹁子の配慮および養育のための特別の負担が動物の雄雌

間に分業ないし協同を持ち来すような事はなかった︒たとえ

ば︑マリノフスキー教授のごときは︑想像的な自然史のなか

でそれらの分業ないし協同の存在を描き出していたようであ

るが︑事実は︑子を生み育てるという特別な負坦にもか上わ

らず︑あらゆる動物の雌︑それは高等猿人頚ですら自ら食物

を探索するのであり︑なんら特別の援助を雄から受けること

なくその子を育て奥行く﹂︵富野訳﹁母性﹂一○五頁︶︒︽

の冨・旨①息︾冨昌の銭且国のBこの﹄らち︾や岳Pミードはか

.異る鶴識を有名な動物学者唇︒冨曽旨冒の固冒c蔵◎回旦鴬l

醗口晟困具冨§︾旨◎烏の鼠瞬且信患に負うとしている谷や

⑦︾︽・・眉︒cmo︶

印・旨①良書◎や骨●︾やらい︐・の筐茸P亨岳劃

の一九四四年七月八日ソ同盟最高ソヴィエト幹部会布告城島1

行昌侭①﹃︾名.◎津・︾弓.獣司g2.︺

第三条本布告の公布後出生した子を誕育するため︑次の額

の国家補助を独身︵未婚︶の母に支給する︒子一人月額百ルーブル子二人月額百五十ルーブル

子三人以王月額二百ルーブル

未婚の母に対する幽家補助は︑子が十二才に達するまで

支給される︒

三人以上の子を有する未婚の母は︑本布告によって多数

の子を有する母が受ける通常の補助に加えて︑本条に定め

られた国家補助を受ける︒

未婚の母は︑結婚後も︑本条に定められた補助を受ける

権利を失わない︒以下略︒

第二十条婚姻登録をせずに同感した者との間に生れた子を

扶養するために母に与えられた︑認知および扶養料請求の

訴を裁判所に提起する現行の権利は︑これを廃止する︒

一一一一

婚姻や家族はもと社会制度であって︑決して人間の内的自然や本

能からつくられたものではなかった︒ローマの法学者達の正砿な頭

(5)

− ー − ‐ 一 一 マ マ 盲 一 マ ー ー ▼ − − マ マ ー ー ー

一J

脳は︑人間の内的自然に属する事実と社会的伝統の所産との区別を

見逃さなかった︒彼等は︑母子の関係をたどる母系集団︹氏族︺は

自然的軌実であるが︑父子の関係を中心とする父系組織︵家族︺は

法的制度であると見た︒

家族は法律上の婚姻によってつくられる︒この婚姻をとり結ぶこ

とは︑古ローマにおいてはパトリキーの特権であった︒この特権は

父の身分︑財産を相税しうる嫡出の相緬人をうることを内容とし

た︒すなわち︑パトリキーは自己の財産を氏族にではなく家族に︑

母系の相税人ではなく父系の相税人に︑他ならぬ自分の子に相概さ

せるために︑婚姻および家族の制度をつくりあげたのである︵プリ

フォート︶幻︒

制度としての婚姻は二つの大きな機能をもつ︒一は性関係の安定

をはかり︑混乱を防ぐという機能であり︑他は生れて来た子が誰に

養い育てL貰今か︑誰の財産をどの程度相税L・・・るか︑ということ

などを定める機鮨である︒文明社会では︑多くの人為︑ことに法律

に暗い人々は前者の機能を通視するの老あるが︑婚姻の雁史才辿っ

てみると︑後者の機能が婚姻制度の主要な機能であり︑後者の機能

が明確な形をとった後に遥かにおくれて前者の機能が姿奇現したと

いうことがわかる︒性関係の規制者という役割は︑一般的な性倒動

が洗練されて個人的な性愛へと発展したことによって︑婚姻につけ

加えられたものである︒・だから﹁本来のそして基本的な婚姻の機能

は︑新に生れる各人が︑その中に生れてくる社会の社会機織におい

て占める場所の決定である﹂︹リヴァース︺訓︒

婚姻や家族は公の制度である︒したがって婚姻や家族に関する法

1︐

縄じて親族法は︑原則として強行規定である︒また親族法上の行為

の効果︑内容は定型化される︒親族法上の行為は必然的な定型行為

⑦冒冒c曹①巳碕2圏屠①長の鴬言↓薊である︒これらのことについて

有名なイギリスの判例がいつたことは︑そのまLわれ/︑にもあて

はまる︒﹁婚姻は独特の契約︒C昌冒員唾昌鳴冒①鳥であり︑ある点

においてすべての他の契約と異っている︒し弁がって他の契約を解

釈し︑適用するときに使用されぅる法の原則はこれに腱適用されえ

ない︒婚姻の身分は私法上のものであり︑その形成はすべての他の

契約のそれと同じく︑両当辨者の同意による︒しかしそれは他の契

約から次の点で拠る︒すなわちそれから生ずる権利義務罐両当事者

間の合意による規制に完全に委ねられるものではなく一定の範囲に

おいて公の規則Iそれに対して両当事者はその意思の何等かの表

示によって統制津加えることはできないIの事柄である︒それは

婚内子に摘出子たる身分と︑その結果生ずる︑あらゆる権利義務を

与・沁る︒それは血臓と姻族との関係非生ぜしめる︒簡単にぃ・平在︑.

それは文明社会の全組織に浸透す渓こ駒︒

一般に身分行為は﹁独特﹂の法律行為であり︑それから生ずる効

果は﹁公の規則﹂によって定型化されている︒つぎに身分行為の定

型化を行わねばならぬ根拠とそれを許す根拠とに分けて考察を進め

ることに一・.る︒/

定型化寺行わねばならぬ根拠は︑いうまでもなく家族の維持︑強

化という社会目的恋ある︒前述のごとく︑家族は私有財産制に対応

して制匪としてつくられたものであるならば︑私有財産制が廃止さ

れるとき家族もまた消滅一︐ろであろうか︑とい月疑問が生ずる︒こ

(6)

r ' 5

『 一

・ 、

一● 一 一 ー 一 ̲ =

の疑問に対しては︑l完全な共産社会は論外としてl生産手段

の私有制が廃止された社会においてもなお家族は社会の基礎として

残る︑と答えなければならない︒そのような社会においてすら︑父

は母と協力︑分業して子を養育する壷任を免れえないであろう︒家

族の社会的意義は︑私有財産制の擁護につきるものではない︒父が

・右の義務を分担しないとすれば︑健全︑有能な社会人は減り︑国家

は浮浪児の多きになやむに違いない︒かくて︑国家は全社会構造の

基礎としての家族の安定に強い関心を有するわけである︒縁組︑認

知といった身分行為を要式行為とし︑戸籍管掌者に対する届出によ

らしめることにしたのも︑当事者の真意を硴保し︑それを公示させ

ることによって︑子の父に対する相統権の確保もさることながら︑

社会の基礎としての家族関係の安定︑明確化をはかったからだと言

えよう伽︒

他方われノ1は身分行為の定型化を許す根拠をも考えてみなけれ

ばならない︒その答は︑身分行為の意思と財産行為の意思とを比較

検討することによってえられる︒買物をするときなどは︑その物が

高いか安いか︑他の店ではどうか︑果Lてそれだけの価値があるか

などを考慮する︒選択と打算とを重ねるのである︒財産行為の意思

は一般にかような性質をもっており︑意思が感情を抑制統御するよ

うな意思だといえよう︒これに反し︑婚姻の意思は感情もしくは愛

憎に動かされた意思であり︑感情や愛楠が自己を実現するために働

かせる意思である︒それは時として盲目的であることさえあり︑そ

鱈こには選択才斌の余地はない︒義子縁組の場合は︑多少の例外で︑

謎親の方では老後を見て貰うとか︑謎子の方では財産の相統をねら

IL

I

うとか︑大部打算が働いてくるが︑家や親のための菱子から子のた

めの養子ということになり︑それが文字通り実現されるとするなら

ば︑養子の養育も始めから愛憎なしにはできぬことであろう︒養子

縁組はそれによって親子関係の成立を擬制するものであるが︑親子

関係となるともはやそこには何の選択の余地もなくなる︒このよう

に身分行為には選択才量の余地がない︑あるいは少いのであるから

法律はあらかじめその効果︑内容を規定し︑準備しておくことがで

きるのであって︑こ上に身分行為が定型行為であることを可能にす

る根拠が与えられる両︒

民法総則編の規定の殆んど全部が親族法に適用されえないという

ことは︑実質的には︑かような身分行為の独特の性質︑すなわち定

型行為であること︑.および選択才量の余地が少ない行為であること

に由来すると考えられる︒一般的にいえば︑身分法の原理は︑事実

︵正確にいえば意思と血縁︶のうえに社会目的を生かして行く︑と

いうことでなければならぬと思う剛︒

D胃罠豊展名.⑦写︶言︶一自曹弓.︑国風め2.プリブォート

は典拠として己狩①晩冨︾写参茸.輿︼凰貸員ざ口陽﹄匿面を

挙げる︒

の切再罵昏ロ展名.・旨雲ご巳.弓層.四這禺醜2.プレープスは

例外的にしか〃⑦弓⑦い︑になれなかったがPざ旨堕︾ざ.s︽言い︲

宮①ロ眉冒の・は疹昌3m︑の間においてだけ行われえたこと︵白l

冨昌冒一厚侭目●管q●e︑また十二表法追加表に〃8巨号旨日冒l

菖冒四2日豆号の眉︒p①呉壺とあることなどを︑プⅦラォートは

合法婚姻がパトリキ・︲の特権であったことの論拠とL・さら

1

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参照

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