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Plasmalogen乳化液の静脈内注入による血漿Plasmalogenの変動について 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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札幌医誌  0.(3),101〜103(1956)

1 lasmalogen乳化液の静脈内注入による

   .血i 漿Plasmalogellの変動について

     笠 間 将 栄

札幌医科大学生化学教室 (主任 大野教授)

S七udies on七he Changes of Plasmalongen Con七en七in   Blood Plasma Following lntravenous lnjection

         of Plasmalogen Emulsion

      By

       MAsAyOsHI KAsAMA

 Department of B ioehemtb $try, Sapporo University of Medicine        (Chief: PTof. K Oewo)

 As part of a series of studies on phospholipid metabolism the author investigated the changes of plas・

malogen content in blood serum f6110wing intravenous injection of emlsified plasmalogen.

 The results obtained were as fo110w.s:

  i)In the experiments on rabbits the plasmalogen content returned七〇mrmal Ievel at 90 minutes after

injection of 30 mg/kg of body weight.

 ii)Rats were injected separately at the following rate,70 mg/kg,210 mg/kg and 300 mg/kg. W ith 70

       ロ

mg the plasmalogen value returned to normal level at 5 and wi七h 210 mg 15 hours were required. The time for l mg/kg of body weight plasmalogen七〇disappear from blood stream was about 45 minutes.

 In comparison to the above in the case of 300 mg 45 hours was required to return to normal level and 七he vanishing time for l mg/kg of body weight plasmalogen to disappear from blood s七ream was 90 min−

utes. Hence, it may be said』七hat the limit of plasmalogen uptake of tissue at a constant rate does not ex−ceed 210 mg/kg oC body weight.

 先にplasmalogenの微量定量法を考案したが,この方 法を用いて複合脂質の研究の一環として人脳より分離漏る plasmalogenを生理的食塩水にて乳化して瀞脈内に注入

した後血漿中で姐何なる変動々示すか追求した。

 その結果を報告する。

        実験動物並びに方法

 動物は家兎(2〜3 kg)及び白鼠(120〜1509)を用い,

plasmalogen乳化液を,家兎でに耳,白鼠では股静脈にそ れぞれ注射した。撃t化液は生理的食塩水で1.5%の液とし

て調製した。

 定量は先に報告した微量法1)にて行なった。なお,注射 前の血漿中plasmalogen最を測定し,以.下注射後それぞ

れ,時間をおいて採血し,血漿中の.濃度を測定した。

      実験成綾

 1.家:菟: 60mg注射した結果は第1〜3図にそれぞ れ示される。3例共に同一の経過を示し,注射後30分まで

に急速に減少し,以後緩除に下降し,何れも90分後には正

常値に復している。

11.白鼠:i)12mg注射した例では第4図の如く注

射後1時間まで急速に減少し以後除々に下降し5時閲後で 完全に正常値に復しているe

 ii)36 mgl注射した例では第5図に示す如く3時間まで は減少度が大で以後除目に下降し15時間後に正常値に復

している。

 iii).60 mg注射した例では第6図の如く注射後5時間ま      ,.L

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第1図 Plasmalogen注射後の家兎血漿中(0.1 cc)

     のPlasmalogen含有量の変動

101

(2)

102

笠間一血漿Plasmalogenの変動

札幌医誌1956

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第2図 Plasmalogen注射後の家兎血漿中(0.1 cc>

    のPlasmalogen含有量の変動

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第3図Plasmalogen注射後の家兎血漿中(0.1 cc)

    のPlasmalogen含有量の変動

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第5図 白鼠血漿(0.1cc)中Plasmalogen    含有量の変動 (36mg注射)

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第4図 自鼠血漿(0.1cc)中Plasmalogen    含有量の変動 (12mg注射)

で急速に滅配するが,以後下降は除々で40時間後には正

常値に復している。.

      考   案

 既に燐脂質(Lecithin及びCephalin>の乳化液の注射後 の血漿申の変動については研究が行なわれている。即ち

Pasternak&. Page(1932)fi)は懸濁より抽出せるCephalin

を家兎蔚脈内に注射して血漿の燐脂質:量は大量注射時は長 時聞高値を示し,小量では急速に減少することを認め,ま たHeaven&Bale(1929)fs)は放射性Pを持つ燐脂質を白

.鼠の股静脈内に注射して同様の結果を得ている。また更に 坂上(1954)4)は人脳より抽出せる燐脂質を家兎に静脈注射

した結果注射量が小の場合は30!後に正常に復し,大なる 時は60!後でもなお高値を示すことを認めている。

 plasmalogen乳化液の注射においても注射量の大小に より血漿申よりの消退時間も変動する。

 家兎では60mg注射したが,これはほぼ30 mg/kg注入

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第6図 白鼠血漿(0.1cc)中Plasmalogen     含有量の変動 (60mg注射)

したことになり,また血漿中のPlasmalogen総量の15〜

20倍量に相当しているが,注射後90分において1血漿値は 正常に戻る故,何れもこの間に血液中より組織に分布した

と考え得る。

 白鼠においてはそれぞれ,12,36,60mg注射したが,12 mg注射の時は体重1kg当り70 mgの注射に相当してい

るがこの際は並1液中のP1量は注射後1時聞の間に急速に 減少し〔正常値のほぼ1.8倍)以後除々に下降し5時間後に 正常値に復する。また36mg注射では210 mg/kg注射に 相当し,この際は血中Pl量の注射後初期には急速に減少 するも完全に正常値に復するには15時間を要する。即ち 注射量に血中よりの消失時闇は比例して延長することが知

られる。

 しかも家兎も白鼠と同様の結果を示すのが認められた。

 しかし,更に多量の60mg注射時(300 mglkg)には上述 の結果の如く比例すれば22時聞で正常値に復し得べき で ある渉,実験成績ではこの時間においてなお大なる血中Pl 値が得られ,正常値に復するまで追求した結果は45時間

後にこれを認めた。

 従って或る量(恐らくは組織の収容し処理しうる最大許

容量)までは一過性に』笠中にPlが増加しても,組織への血

(3)

10巻3号

笠間一一血漿Plasmalogenの変動 le3

中よりの移行は一定の速度で行なわれる。しかし,その量 を超えた場合には著1.く移行速度が減ずることが知られ る。即ち200mg/kgまで注射しても一定の速度(45 min/

1mg/kg)で血中より組織に移行するが移行には注入量が 300mg/kgに至ると移行速度は注射後短時間には急激な滅 少を示すも,以後は極めて緩除になるので完全に正常に復 するには45時間を要し従って11ng/kg当り, go分を要す ることになり,全組織のPI一定の速度で血中より摂取可 能な限界は200〜300mg/kgの内にあるものと考えられる。

 1.燐脂質代謝の研究の一環としてPlasmalogenを乳 化して血液申に注入後の血申Plasmalogen量の変動を追

求した。

 2.家兎では30mg/kg注射したが90分後に正常値に 復した。注入された1mg/kg Plasmalogenの血液よりの

消失速度は平均35分であった。

 3.白鼠ではそれぞれ70,210,300 mg/kg注射した。前 の2例ではそれぞれ正常値に復するに5時聞及び15時閻 を要し,1mg/kgのplasmalogen消失速度は平均45分で あった。 しかるに300mg/kg注射した場合では正常値に 復するまでは45時聞を要し1mg/kg plasmalogen消失 速度は90分にも及ぶ。従って全組織が一定の速度で血中

よりplasmalogenを摂取出来る限界はこの間に存するも

のと考えられる。

       (昭禾031.9.11受付)

1)坂上・笠間:前報.

2) Pasternak & Page: Biochem, Z. 252, 254(1932).

3) Heaven & Bale: 」. Biol. Chein. 129, 23 (1929).

4)坂上:ホL幌医誌5,224 (1954).

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