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氏 名・(本籍) 山

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Academic year: 2021

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氏 名・(本籍) 山

やま

もと

(秋田県)

専 攻 分 野 の 名 称 博士(医学)

学 位 記 番 号 医博甲第 851 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 26 年 3 月 22 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項該当 研 究 科 ・ 専 攻 医学研究科内科系専攻

学 位 論 文 題 名 Adiponectin attenuates human eosinophil adhesion and chemotaxis:

implications in allergic inflammation

(adiponectin はヒト好酸球の接着能と遊走能を抑制する:アレルギー炎症に 関連して)

論 文 審 査 委 員 (主査) 教授 山 田 祐一郎

(副査) 教授 眞 鍋 求 教授 石 井 聡

Akita University

(2)

学 位 論 文 内 容 要 旨

Adiponectin attenuates human eosinophil adhesion and chemotaxis:

implications in allergic inflammation

(adiponectin は ヒ ト 好 酸 球 の 接 着 能 と 遊 走 能 を 抑 制 す る : ア レ ル ギ ー 炎 症 に 関 連 し て )

申 請 者 氏 名 山 本 梨 絵

研 究 目 的

近 年 、 先 進 国 を 中 心 に 肥 満 人 口 の 増 加 は 社 会 問 題 に な っ て お り 、 さ ら に 喘 息 の 罹 患 率 も 増 加 傾 向 に あ る 。 疫 学 的 研 究 で は

body mass index(BMI)

と 喘 息 の 発 症 に 相 関 性 が み ら れ 、 さ ら に 肥 満 に よ っ て 気 道 過 敏 性 が 悪 化 す る こ と や 、 喘 息 治 療 の 効 果 が 減 弱 す る こ と 、 肥 満 の 改 善 に よ り 喘 息 症 状 も 改 善 す る こ と が 知 ら れ て い る 。 一 方 、 脂 肪 組 織 は ア デ ィ ポ サ イ ト カ イ ン と 呼 ば れ る 機 能 性 分 子 を 分 泌 す る 内 分 泌 器 官 と し て 働 き 、 免 疫 反 応 に 影 響 を 及 ぼ す こ と が 明 ら か に な っ て き た 。

adiponectin

は 血 中 に 多 量 に 存 在 し 、 肥 満 で 血 中 濃 度 が 低 下 す る ア デ ィ ポ サ イ ト カ イ ン で あ る 。 抗 炎 症 分 子 と し て 機 能 す る

adiponectin

は 、 肥 満 に よ る イ ン ス リ ン 抵 抗 性 の 改 善 効 果 を 有 し 、 ア テ ロ ー ム 性 動 脈 硬 化 症 に 対 し て は 保 護 的 役 割 を も つ こ と が 知 ら れ て い る 。 近 年 の 研 究 か ら 、

adiponectin

が 喘 息 の 病 態 を 改 善 す る 可 能 性 が 示 唆 さ れ て い る が 、 そ の 詳 細 な メ カ ニ ズ ム に つ い て は 不 明 で あ る 。 そ こ で 、 喘 息 の 病 態 に 重 要 な 働 き を も つ 好 酸 球 の 機 能 に 対 し 、

adiponectin が 何 ら か の 影 響 を 及 ぼ し て い る 可 能 性 を 検 討 す る た め 、

本 研 究 を 行 っ た 。

研 究 方 法

ヒ ト 末 梢 血 か ら

CD16 negative selection

法 に よ り 高 純 度 分 離 し た 好 酸 球 を 用 い 、 2 つ の

adiponectin

受 容 体 で あ る

AdipoR1

AdipoR2

の 発 現 を

RT-PCR

法 と

flow cytometry

で 検 討 し た 。 な お 、 こ れ ま で に 受 容 体 の 発 現 が 報 告 さ れ て い る ヒ ト 単 球 を 末 梢 血 か ら 高 純 度 分 離 し 、 ポ ジ テ ィ ブ コ ン ト ロ ー ル と し て 用 い た 。 次 に 、

adiponectin

の 好 酸 球 機 能 へ の 影 響 を 検 討 す る た め 、生 存 能 は

annexinV

propidium iodide

染 色 を 用 い て 行 っ た 。さ ら に 、eotaxin の 細 胞 接 着 増 強 効 果 に 対 す る

adiponectin

の 影 響 を 検 討 す る た め 、

adiponectin

前 処 理 後

ICAM-1

で コ ー テ ィ ン グ さ れ た プ レ ー ト を 用 い 、接 着 し た 好 酸 球 を ラ イ ト -ギ ム ザ 染 色 後 、顕 微 鏡 下 で 観 察 ・カ ウ ン ト し た 。

eotaxin

に 対 す る 好 酸 球 遊 走 活 性 へ の 影 響 は 、

Boyden chamber

法 と 細 胞 動 態 測 定 装 置 (

TAXIScan

法 ) を 用 い て 検 討 し た 。

eotaxin

の 細 胞 機 能 を 抑 制 す る 経 路 を 確 認 す る た め 、

eotaxin

の 受 容 体 で あ る

CCR3

の 好 酸 球 表 面 発 現 と 細 胞 内 Ca

2 +

変 化 を

flow cytometry

で 測 定 し た

研 究 成 績

ヒ ト 単 球 と 同 様 に 、ヒ ト 好 酸 球 に お い て 、adiponectin 受 容 体 の

AdipoR1

お よ び

AdipoR2

mRNA

、 蛋 白 レ ベ ル で 発 現 し て い る こ と が 明 ら か に な っ た 。

adiponectin

の 存 在 下 で 好 酸 球 を 培 養 し た と こ ろ 、 生 存 能 に は 影 響 を 認 め な か っ た 。 一 方 で 、

eotaxin

に よ り 増 強 さ れ た 接 着 能 は 、

1~20g/ml の adiponectin

で 1 時 間 前 処 理 す る こ と で 有 意 に 抑 制 さ れ た 。 さ ら に 、

Byden chamber

法 で

eotaxin

に 対 す る 遊 走 活 性 を 測 定 し た と こ ろ 、

adiponectin

で 前 処 理 す る こ と で

eotaxin

に 対 す る 遊 走 能 が 抑 制 さ れ 、

TAXIScan

法 に よ っ て 細 胞 遊 走 の 速 さ と 方 向 性 を 測 定 し た 結 果 、 好 酸 球 の 遊 走 速 度 と 遊 走 の 直 線 性 を 妨 げ て い る こ と が 観 察 さ れ た 。

adiponectin

前 処 理 に よ り

CCR3

の 表 面 発 現 に 変 化 は み ら れ な か っ た た め 、 細 胞 内 シ グ ナ ル を 検 討 し た と こ ろ 、

eotaxin

濃 度

0.1nM

で 誘 導 さ れ た 細 胞 内

Ca2+

流 入 は 、

adiponectin

前 処 理 し た 場 合 は 減 弱 し 、

eotaxin

濃 度

50nM

で 誘 導 さ れ た 細 胞 内

Ca2+

流 入 は 、

adiponectin

前 処 理 で 明 ら か な 変 化 を 認 め な か っ た 。

結 論

今 回 の 検 討 か ら 、生 理 的 血 中 濃 度 の

adiponectin

は ヒ ト 好 酸 球 生 存 能 に 影 響 す る こ と な く 、

eotaxin に よ っ て 誘 導 さ れ た 好 酸 球 接 着 能 と 遊 走 能 を 抑 制 す る こ と が わ か っ た 。 こ の 抑 制 効

果 は 、細 胞 表 面 の

eotaxin

受 容 体 で あ る

CCR3

の 発 現 を 変 化 さ せ る こ と な く 、細 胞 内

Ca2+

シ グ ナ ル の 反 応 性 を 減 弱 す る こ と が 関 連 し て い る も の と 考 え ら れ た 。 ア レ ル ギ ー 性 炎 症 に お い て 、 好 酸 球 は

eotaxin

に よ り 選 択 的 に 組 織 に 遊 走 し 、 接 着 能 の 増 強 な ど の 細 胞 活 性 化 を お こ す こ と で 、 炎 症 の 増 悪 に 寄 与 し て い る 。 こ れ ら の 好 酸 球 機 能 に 対 し て ア デ ィ ポ サ イ ト カ イ ン の 影 響 を 検 討 す る こ と は 、 喘 息 と 肥 満 の 関 連 を 解 明 す る た め に 重 要 で あ る 。 喘 息 マ ウ ス モ デ ル で は 、

adiponectin

を 投 与 す る こ と で 病 態 の 改 善 が 認 め ら れ 、 ヒ ト で は

adiponectin

を 増 加 す る と さ れ る

PPARγ

ア ゴ ニ ス ト が 喘 息 の 症 状 を 改 善 す る こ と が 報 告 さ れ て い る 。 こ れ ら の こ と を ふ ま え る と 、肥 満 を 伴 う 喘 息 患 者 に お い て 血 中 の

adiponectin

を 増 加 さ せ る こ と は 、 過 剰 な 好 酸 球 の 活 性 化 を 抑 制 す る 新 し い 治 療 戦 略 に な る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。

Akita University

(3)

学位(博士―甲)論文審査結果の要旨

主 査:山田祐一郎 申請者:山本 梨絵

論 文 題 名 : Adiponectin attenuates human eosinophil adhesion and chemotaxis: implications in allergic inflammation ( adiponectin はヒト好酸球 の接着能と遊走能を抑制する:アレルギー炎症に関連して)

要旨

先進国を中心に肥満人口の増加と喘息の罹患率の増加傾向があり、 BMI と喘 息の発症に疫学的研究では相関性が認められる。著者の研究は、論文内容要旨 に示すように、脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインの一つである

adiponectin が喘息の病態に重要な働きをもつ好酸球に対し、その接着能や遊走

能を抑制することを明らかにした。すなわち、 adiponectin が肥満と喘息を結び つける一つの因子であることを明らかにし、 adiponectin を増加させることは過 剰な好酸球の活性化を抑制する新たな治療戦略となる可能性を示した。

本論文の斬新さ、重要性、実験方法の正確性、表現の明瞭さは以下の通りで ある。

1)斬新さ

先進国を中心に肥満人口の増加と喘息の罹患率の増加傾向があり、 BMI と喘 息の発症に疫学的研究では相関性が認められるが、この分子機構は十分に解明 されていない。 Adiponectin は脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインの 一つであるが、 その血中レベルは BMI と逆相関することがわかっている。 また、

adiponectin は動脈硬化に対して保護的に作用することも明らかになっている。

本研究では、 adiponectin が喘息の病態に関連するのではないかとの仮説を、ヒ ト好酸球に 2 種類の adiponectin 受容体がいずれも発現すること、 eotaxin で活 性化された好酸球の接着能が adiponectin の前処理によって有意に抑制される こと、好酸球の eotaxin に対する遊走能が adiponectin の前処理によって有意に 低下すること、 eotaxin で誘導される細胞内カルシウム濃度の上昇を抑制するこ とで検証した。このように、正常血中レベルの adiponectin がヒト好酸球の機能 を直接作用で抑制することを示した点に斬新さがある。

Akita University

(4)

2)重要性

アレルギー性炎症において、好酸球の接着能や遊走能は、炎症の増悪に寄与 している。今回の研究において、生理的血中濃度の adiponectin が eotaxin によ って誘導される好酸球の接着能と遊走能を抑制することが明らかにされた。肥 満を改善することや、 PPAR γアゴニストの投与は喘息の症状を改善することが 示されているが、これらはいずれも adiponectin の血中レベルを増加させること がわかっている。肥満を伴う喘息患者において血中の adiponectin を増加させる ことが、過剰な好酸球の活性化を抑制する新しい治療戦略になる可能性を示し た点で重要である。

3)実験方法の正確性

健常人から採取した血液から、既報に基づき好酸球を単離し、 RT-PCR 法や フローサイト法を用いた adiponectin 受容体の遺伝子ならびに蛋白発現の検討、

ICAM-1 でコーティングしたプレートを用いた接着能の検討、 Boyden chamber

や細胞動態測定装置を用い遊走能の検討、フローサイト法を用いた細胞内カル シウム濃度の検討を行っている。研究のプロトコールは倫理委員会で承認され たものであり、的確に統計学的検討が行われており、正確性があると考えられ る。

4)表現の明瞭さ

これまでの問題点の解決に向けた、研究目的、方法、実験結果、考察を明瞭 に記載している。

以上述べたように、本論文は学位を授与するに十分値する研究と判定された。

Akita University

参照

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