「
人 ず 二 翼、
」格4
理 論
に就いて
津久井佐喜男
一二
三 序
ゲシタルト心理学派の人格理論
就会主義肚会に於ける人格理論
人格理論の批判と其稜展的方向
序
人聞乃至人格を塞間的︑質料的に捉亮て行こうとする限り︑それは何塵迄も肉艦自禮となる︒これに反し︑時間
的︑形相的に杷えられゐ時には︑それは意識自艦となる︒
鼓に人間が身禮自膣的な實在と考えられる立論の根擦と共に︑意識を以て唯一の實在なりとする考え方の根擦が見
出さ乖る︒
實在を室間的契機に於て把握することは︑輩にそれ自身に於て在るものが把えられたに過ぎない︒過程自膣や意昧
﹁人格﹂理論に就いて
一69一
人丈研究第五輯.︑
自膣の世界は︑察間や時間が夫々濁立して蔭に湊し去り︑爾者の或る結合丈けが存在するという︑所謂自貯犀o毛︒︒ぽ
的室間のこと製考えられる︒か﹂る態度を以て臨むならぱ︑塞間的なものは何庭迄も時間的な︑夫自身に於て動くも
のを包藏していること﹂なる︒︑而して斯かる契機を最もよく代表しているものが人附に於ける意識であると考えられ
る︒量子力学に於ける﹁歌態﹂と稽せられるもの玉波動的側面が人間に於ては進化的ズ意識となつている︒この黙に
於て物質と生物との存在構造の根本は異つてはいない︒從つて生物は全て.,粒子︑波動的な︑身膣︑意識的實在であ
惹ということ以上に㍉るの實在に迫ることは出來ない︒"︑一\
入格とは︑斯様な實在が環境と相互制約的に︑夫自身を維持している姿態であると考えられる︒人格が此の様に措
定されるとすれば・其の具禮的形威はどの様にしてなされるものであろうか︒﹁ペースチ'リテイー人︑格﹂概念の中に兎舟探り入
ロバさスナリテイロれられて考慮され易い}切の〃倫理的贋値〃は︑心理学的人間豫として捉えようとする限りの[人格﹂概念の
中には含まれないことを断つて︑その形成過程に就いて考察を進めて行くこと﹂する︒﹁
O グ シ タ ル ト 心 理 學 派 の 人 格 理 論
ノアリストテレス的概念からガリレオ的概念之の推移を内容的に考察するならば︑事攣の原因を孤立した事物の性質
に求めすして︑事物とその周園との關係の中に求める様になつたことである︒
個人の環境に於ても︑それを先天的に賦與された傾向を生じ易くさせたり︑阻止したりする慰のとは考えない︒此
を表現する際には︑心理学的全事態を包括するヒとによつ℃のみ︑行動を支配する力を理解することが出來るのであ
る︒
ち 心理学に於ては︑全睡事態を人と環境とに分けて︑心理学的事攣は全て人の歌態と同時に環境に依存している︒そ
もへの何れに重みが置かれるかは︑その都度の事態であり︑爾者に依存する事實には攣〃はないとされる︒
全︑ての心理学的事攣に鷹する法則を次の様な函籔方程式によつて捉えようとする︒
即ち弱11h(国国)
但し働は行動を︑の砿個罷的條件を﹁働は瑛境的條件を示す記號とする︒
へもヘヘへしもも而して一定時に於ける個人の行動を規定する事實の総盟を示す場合︑てれを心理学的生活室間と稽する︒
旭じ個髄的條件と環境的條件とは︑實瞼的塵理に於ては︑猫立攣数とルて攣化ぜしみられるのであるが.實際の働
きに於ては︑夫々猫立ではなく︑Bの攣化は珊の鍵化を結果し︑珊の攣化はBの攣化を結果する庭の相互依存的關係くくくくにある︒か㌧る關係にあるBと珊とは︑從つて猫立の實艦ではなく︑爾者により︑同時に規定される﹁力の場﹂・の決(!置嵐
定 學 で あ り ︑ 曳 は 働 を 組 織 的 錘 化 す る こ と に よ つ 質 働 の 楚 を 明 澄 ル ︑ ︑湛 渦 の 攣 化 を 馨 と し て 留
くは陶の役割を艘系化しようとするものである︒勿論後者の場合︑正常な心理学的生活察間に於ける︑個に關する法く り則が判明になつていなけれぼならないことは勿論である︒ノ科学理論の襲展段階巴して︑その量︑範園︑性格に就いて︑物理学に於けるアリストテレス的概念から︑ガリレオ
的概念への推移に樹懸する︑現代心理学の襲達段階の主要特性は︑夫々の段階を﹁思錺的﹂︑﹁記述的﹂︑﹁溝成的﹂
と し て 嚢 の 様 に 簡 爵 圖 式 化 が 試 み ら 砦 ・
(日①ぐ冒国∴.弓ユ昌9覧$oh8噴90σq一〇筥甥同魯oざ∬q団︑︑お︒QO)
表工
心理学の獲展段階に鷹する概念叉び方法の性格
一71̲
﹁人格﹂理論に就いて
人交研究第五輯
1
時墨舞的(アリストテレス的)
目的 亭物の本質と全ての事實成立の背
後にあろ原因な襲見すろこと︒
心理學的概念が︑心理學的でない
概念から匿別されてい数い︒
II
III
記述的奮成的(がリソナ的)
概念構成の蝋般的性格
系
の
型
盟 歴 ・ 系 史
的
問的 題及
出來る限り多くの事實な集めて︑
それ准正確に記述すること︒
心理學姦︑軍なか法則なもっ猫立的な諸々の分野に分ける遭
理論に封し友好的(思辮的な型)
事實成立の問題と質か問題が匿別
されて.いない︒
歴史的起源と原因が別確に匿別さ
れていない︒じ
全てな包括する糠な髄系が︑.唯憎
つの概念或は二三の相互に闘聯の
ない論奮概象ら導畠され
る︒ 理論に⁝封し敵封的
㌔
︑
抽象によう記述的分類︒ー ∬ 法則な護見することo
個別的揚合な豫測する︑こ.と︒ /
心理學的でない概念の排除︒
心理學的諸現象に︑同一の法則髄
系にょり麦配される
のして取扱に︑れろ︒ 一つの世界と
理論に封し友好的(纏験的な型)
事實成立の問題と質の︑問題が匠別
される︒
歴典的起源と原因が明確に琶別さ
れる︒
構成的︒盤系は︑相互に關係のあ
る一群の概念求基礎なもち︑封立
する概念間には︑漸・次的な推移が︑
可曲85であ協︒壽
表11
法則性と力︑学的.概念
時期
法則性の性質
︑
特殊法則の謹明法・
概念構威の論理的性質 1
法則11規則︒個別的な揚合は法則
的でない︒
法則性は唯事心買成立の規則性のあ
る虚}にだけ存在する︒
個別的︒差異あ無覗して︑類似の
事憂が生起すろ頻度な示す︒頻度
が大で︑似ていれば似ていろ程︑
規則に確かなものとなろ︒
〃例外のあることが規則のあろ謹︑
櫨4
咲 ・11
●
差異の捨象にょる分類︒(統計的・再)謬の概念養勢・,
奪 現象型による分類︒
III
法則11規則り唯一回的な事墜も含
めて︑全ゆろ事墜が法則的であろ︒
事墜が法則的であることの経験的
確読は必要でない︒'
個別的な純粋な揚合な考究すろ︒
燈系的條件分析法︒
個別的特殊からα抽象しない︒
謹明の債値に︑惧物合め純皿粋性に依.
9存すろのであり︑頻度に依存しな
い︒
實甑騒"純継⁝な橘狸々の揚合な愼重に
一作り閏す︑︑と︒
構成にょる概念形成(分類に反
封)︒"︒
塞的定義・騨鍵の概念が働摯,
函敷的條件登生的概念︒
﹁人格﹂理論.に就いて '
一73一
人丈研究第五輯 力
學 原因に︑方向付りられ液要因(傾
向)てある︒事物自髄の本質が行
動の原因であろ︒行動は過去乃至
未來によつて規定される︒
嚢 〆 原因は方向付けられ穴要因でる︒
薮個の事實間の闘係だけが︑事墜
の原因糞りうる︒̀ヘヘヘヘヘヘヘへ事墜は♂全て同時的事態の総髄に︑
依存していろ︒
精紳的行動の個膣的條件の総膣を人格(団①毎oβ鎗津団)と綱し︑心理学上︑素質と習慣をこの中に含ましめるが餌
前述の如く︑倫理的慣値は全く排除される︒而して通例︑人格の心理学的側面として︑知能H暮Φ罠σqΦβ︒o性格
O昼霧讐審霧氣質日①塁娼①影膏o暮が墨・げられる︒ごれらは統一的人格の異る側面として︑相互關聯的で,あり分離猫立
して取扱はれることもあり得す︑且つ素質と輕瞼の合膿として︑其の成熟位相によつて必すしも一様性を欠き︑複雑・
微妙な構成をなすものとされる︒特に性格と氣質の匠分は分明ではないが︑性格は入格の意欲的構成契機をなすもの
へとして︑欲求艘系の基底をなし︑欲求嚢動の強度︑活澄性︑及び欲求間の卒衡に規定される︒然かのみならす︑身艦
的︑精紳的内部機制や︑目的達成に必要な身膣的︑精神的手段の實現可能性にも依存する︒前者の生理的基礎をなす
ものは︑自律神経系に支配される内臓的調節作用と︑ζれに連なる感情的感受性とであ.る︒
粍此に衡し︑後者の夫れは︑感畳蓮動輔経系に支配される虚の蓮動艦制︑及び知識艦制である︒この人格の感情的契
ヘへもも機を氣質と稽し︑手段的機能を知能と稽する︒・・●貸
むむ
知能は先行経験の上に立つて︑新事態に適懸する能力として︑過去経瞼なる知識︑脅慣に規定されると井に︑現前︑事態の要請に規定されること㌧なる︒勿論能力とは︑何らの貴禮概念の謂いで砿なく︑可攣.的可能性として措定され
た庭の機能的概念であることは噺る迄もない︒
目①ミ冒図.の見解を中心として︑個艘的條件︑環境的條件に關するゲシタルト心理学派の見解を尚暫くたどつて見よう︒
前述の如く個鎧的條件に野懸するものとしての環境的條件は︑爾者の緊密な相關關係的位置附けから︑共に}膿と
なつて︑生軌学的﹁力の場﹂を構成していると考えられ︑物理学に於ける﹁力の場﹂を室間と繕するのと同様な意味
もへもヘヘヘヘへ合いで︑それを心理学的生活室聞と稽することは前述した通りである︒
從つて環境的條件の基本的なものは︑生活的瑛境條件であるが︑この條件に個禮が反臨する時は︑個燈内に或種の
攣化を惹起する︒然し乍ら︑この攣化も︑個艦の欺態的性質の攣化として見られた場合にな︑個燈的條件と考えら・れうそれが個鎧の行動に影響を及ぼすと考之られΣば︑環境的條件と考えられる︒即ち主鎧と環境,の位置關係は︑全
く相劉的なものであり︑行動の條件を分析する場合の二つの極概念に過ぎない︒
むむむ斯くして行動成立の條件としては︑個盟に於ける欲求鎧系と︑環境の機う要講的性格の〜刀学的場に於ける行動憤
むタむ 乃至誘意性ハく箪①βo①)の概念の中に解滑されるゆ即ち誘意性は︑相反方向性を有ち︑欲求の昂進がなけれぱ成立し
ないと同時に︑其時の事態の中に欲求的緊張を解滑せしめる様な可能性が含まれない限り成り立たない︒可能性には
種々な程度が考えられ︑不可能な事態は何らの可能性を有た・ず︑現實の欲求が充足される育︑能性の低い場合には︑現
實度の低い次元に於ける欲求解消の方向を求めるこ乏﹂なる︒\︑
更に欲求實現手段として︑感畳器官︑蓮動器官︑知識鐙制などが考慮されるが︑欲求と猿境とが相劉的なものであ
る限り︑媒介手段も亦不攣の實禮性を有ち得ないこと玉なる︒即ち︑手段は薪しい課題歌況に態じて薪しく創造され
む なくてはならす︑斯かる創造の結果は傾性として保持され︑既成手段の膣系化現象を起す︒︑既成手段は︑現實的手段
の淺津であり︑新手段構成の基礎となゐに過ぎない︒從つて︑.斯かる基礎の上に行はれる行動は︑本來の意味の手段
であると考えられる︒手段はこれを生理的(生命的)段階にあるものと︑心理的(就会的︑文化的︑精神的)段階に
一﹁人格﹂理論に競いて
一75一