第三十巻 第四号
資 料
地方問屋の機能弱体化
−高松市繊維業者の第二回実態調査−
本調査報告ほ︑高松市と岡山市︵卸のみ︶の繊維業者につい
て試みた実態調査のうち︑店舗と業主︑問屋の機能と金融︑す
なわら経済調査を甲心とする部分をまとめたものである︒則応
整理を終えるにあたって︑今さらながら不備・欠陥を痛感する
次第であるが︑かかる資料が巷間にまばらなる事情に薄口して︑
あえて発表することにした︒次稿において︑労働調査と意識調
査とを発表することにしたい︒
なお本調査は︑日本商業学会関西部会の方々による﹁問屋商
社の共同研究﹂の仙端として企てられたものである︒したがっ はしがき 店舗と業主について
血 は し が き ︻日 橋 本
三 問屋の機能と金融について
四 要 約 ︵四三八︶ 八〇
て調査内容は︑〟応地方問屋の実態把握に零点がおかれている︒ だが他方では︑昭和三十年一月におこなわれた﹁高松市の繊維 業者についての実態調査﹂の継続調査としてもおこなわれてい
る︒したがって調査項目の範囲が広くなっている︒前回の調査 結果のうち経済調査の部分は﹁中小商業資本の動向﹂として香
川大学経済論叢 第二十八巻 第三号に︑意識調査の部分は﹁ 中小商人の意識調査﹂として同論叢 第二十八巻 第五号に発
表されている︒本調査と比較参照されたい︒
1・調査視点について︒前回同様全般的な観察を意図している が︑特に次の諸点には注意を払った︒第一に︑地方紙維問屋の 機能はいかに変化しているか︒第二に︑金融事情ほいかに変化 したか︒第三に︑大資本と中小資本の対立関係︑中小資本内部
での階層化はいかに変化しているか︒以上三点は何れも後半に
掲げられている︒したがって本稿の中心は後半の部分にある︒ 乱 調査対象と調査方法について︒高松市の卸商については︑
県下の卸売商七〇軒に対して全部調査票を配布したが︑市外ほ 郵送によったため回収率が悉く︑結局市内の級維業者のみが調
査対象となった︒七〇枚配布し︑四〇枚回収︵そのうち高松市
以外は孟枚回収︑︶回収率五七%︒岡山市の卸売商は︑主な卸
商三二軒に対して郵送で配布し︑一二枚回収︒回収率三八%︒
高松市の小売商については︑魔皆調査が困難なので︑四八枚配布
し︑四四枚の回収をえた︒回収率九二%︒その際調査員の分担 区域を定め︑調査対象が中心衝の上層小売商にかたよらないよ
う鱒注意した︒
調査票の記入ほ業主が直接古きこむように依頼した︒業主自
ら書きこんだものが多いが︑回収のために訪問した際に学生が 聴取しっつ記入したものも二︑三ある︒
31ト 調査時期について︒本調査は︑昭和三十二年一月十五日か
ら二十日の間に実施された︒前回の調査からまる二年産過した
全く同じ時期にあたる︒したがって︑季節的な条件の相違ほ一 応無視できる︒しかしながら︑景気変動の波についてほ全く対
照的である︒すなわち前回の昭和三十年山月は︑.いわゆる﹁デ フレ政策の危機﹂が叫ばれ︑金融引締めがおこなわれた直後で
あり︑いわば金詰りの時代であった︒しかるにまる二年後の一
月ほ︑いわゆる﹁神武以来の好景気﹂が謳われていた好況の絶 頂期にあり︑金融好転の時代であった︒その後数力凡を出でず
して﹁金融引締め政策﹂がおこなわれ︑織維巣者の倒産が急激
に増加したが︑ちょうどその崩壊直前にあたる対照的な絶頂期 であった︒
4.分類基準について︒前回同様︑調査結果は各項目毎に︑業
態別と規模別とに分類して集計した︒巣態別では︑岡山市の卸︑
高松市の卸︑同製造卸︑同小売の四項目払わけた︒規模別では︑
前回同様従業員数と取引高の二つの基準によって分類し︑次の
ように分類基準を設定した︒卸売業では両市とも︑従業員五人
以下︑取引高年額五千方円以下を小規模に︑それ以上を中規模
紅分類した︒小売業でほ従弟員五人以下︑取引高年額九〇〇万
地方問屋の機能弱体化
第1表A 企業形態 (業態別)
岡山卸 卸 製卸 小売 計 同%
円以下を小規模に︑それ以上を中規模に分類した︒なお﹁中規
模﹂と呼んでいるのは︑相対的には大規模の意味であるが︑誤
解を招くおそれがあるので﹁中規模﹂と呼ぶことにした︒
こ 店舗と英主について
L 企業形態︵第一表︶
前回の調査によれは︑全業態を通じて会社経営が八十%まで
占め︑個人経営は僅か
2 0 6 8 0 0 1 7
1
1 3 2 6 0 0 1 ︵J
1 2
1 0 6 1 0 0 1 9
0・0 9 7 0 0 61 1
14 15.3 3 3.3 33 36 3 32 35.1
0 0 0 0 9 99 91 個 人
組 合 株式会社 有限会社
/、 合名会社
四 合.資会社
.‡−:・.
計 八
こ十%たらずにすぎな
かった︒すなわち会社
形態七七%︵禰式会社
四八%︑有限会社二九
%︶ に対して︑個人一
八%︵不明︑五%︶であ
っ︑た︒その後通商産業
省の調査統計部が発表
した﹁南米鎗計表﹂によ
れは︑卸売業︑小売業の
いずれにおいても法人
商店の増加が顕著であ
り︑とくに小売におい
て増加傾向が著しい︑
と報告されている︒と
企業形態 (規模別)
岡山卸 卸 製卸 小売 中 小 中 小 中 小 中 小 第1表B
ているものと考えられる︒
会社形態のなかでは︑やはり前回と同様に株式会社︵三六・ したがって実際には︑ 討 第三十巻 欝四号
5 5 5 3 0 0 7 ﹂ %2 同
5 5 0 5 0 0 5 5 7
中 a3
3 1 1 13 17
中 1 2 0 5 0 0 2 2 1
入U O 3 5 0 0 5
1 0 0 6 2 0 0 1
1
2 0 2 6 0 0 1
0 ∩︶ 4 2 0 0 0
1 1 8 5 0 0 1
︵U 2 4 1 0 0 0
0 0 0 1 0 0 0
1 0 6 0 0 0 1
個 人 組 合 株式会社 有限会社 合名会社 合資会社 不 明
計
たことにもとずく︒
やはり株式会社などの法人商店が増大し
1
5 0
▲八一
3
2 9
1 1
1 6
︵hU
1
7
1
8
ころが︑本調査では その増加傾向をほっ きりと認めることが できない︒すなわち︑ 個人経営は前風高二 八%から一五・・四% と︑僅かに減少して いるが会社経営もま た前回の七七%から 七−・由%と︑これ もまた僅か・に減少し でいる︒この減少は︑ ∵つほ不明と答えた ものの割合が増加し たためであるが︑さらには本調査の対象
が前回よりも拡大さ
れ︑小規模の商店が
前回よりも多くなっ
¢
︵四四〇︶ 八二
三%︶と有限会社︵三五・づ%︶が多く︑
ほ全然みられなかった︒
業態別にみると︑個人経営が多いのは小売であり︑卸︑製造
卸ははとんど法人組織である︒なかでも株式会社は卸に多く︑
有限会社ほ製造卸︑小売に多い︒
規模別にみると︑株式会社が多いのほ中規模であり︑規模が
小ざくなるにしたがって︑有限会社︑個人経営がしだいに増加
同族形態 (業態別)
岡山卸 卸 製卸 小売 討 欝2表A
% j ︹﹂ j9 同 24束13加
2 00 2 9
2 3 1 1
︵6 4 2 ︵M﹀
l 1
2 0 2 3
1
1 〇 一鐘 8
1
1 4 4 0
八億態明
個同非不
1
9
2
4 7
1
3
2
9
している︒しかしながら︑会社組織でほ
あっても実態は個人経営とはと
んどかわらない︒このことは次
の第二表虹よってあきらかであ
る︒ 2同族形態︵第二表︶
会社という形ほとっていても
同族会社が多く︑全業態を通じ
て︑会社形態の四分の三︵七六
%︶ほ同族形態である︒同族会社
が多いのほやはり小売で︑はと
んど同族会社であり︑製造卸で
も多いが︑卸では少くなってい
る︒又規模の小さい方が同族形
態が多い︒これらの傾向は何れ
第2表B 同族形態 (規模別)
岡山卸 卸 製卸 小売 中 小 中 小 中 小 中 小
式﹂に探ろうとしたのである︒
全体な通じて住宅と店舗と兼用するばあいが︑やほり多い︒
地方問屋の機能哀体化 ∵条件を︑ 釘
小 中 小 山T
3 2 9 6
5 7 7 9 3 3 1
5 5
0 ︻∴ 2 2 1 4 2 2
8 9 4 0 1 1 1
▲4 9 ︵‖0 9
1
5 7 0 1 1
3 7 2 7
2 4 2 3
0 6 0 0
1 7.2 6
0 3 2 2
0 1 0 0
1 3 4 0
人社態明
個同非不
﹁住宅と店舗との分離﹂および次表の﹁店舗所有様 計
8 1 7 16 6 1119 23 40 51
も前回同様の結果であった︒
乱︑住宅と店舗との関係
︵第三表︶
住宅と店舗との関係におい
て調べようとしたことは︑企
業経営における近代化という
ことであった︒すなわち︑近
代的な経営においては︑企業
と家庭とほ完全に分離され︑
家庭内において湿存されてい
る家父長的な封建的人格関係
やその家父長意識を経営内に
もちこむことは少い︒しかる
に︑経営と家庭とが分離され
ていないばあいには︑経営内
に家庭内の家族的な人格関係
がもちこまれ︑屈傭関係その
他において︑多くの前期的な
諸関係を残存せしめるとと
となる︒このような近代化の
第3表A 住宅との関係 (業態別)
岡山卸 卸 製卸 小売 計 同%
前回は全体の七三%までが住宅兼用であったが︑今回でも︑八
二%までが兼用であり︑店舗と家庭が分離しているのほ︑僅か
一八%にすぎない︒分離の程度が低いのは︑やほり小売である︒
3 6 2
7 1
3 8 1
3 6 1 0
1 8 4 1
1
6 3 ︵U
用み明
住店︑不
1
9
2
4 7
1 3
2 9
討
︵四四こ
住宅との関係 (規模別)
岡山卸 卸 製卸 小売 討 同%
中 小 中 小 中 小 中 小 中 小 中 小 第3表B
4 8 0 2 2 1
0 3 0 2
3 5 1 1
1 0 0 1
5 1 0
3 3 0 1
5 1 1
1 0 0
5 3 0
用み明 兼の 翫舗 住店不
2 8 0
のO 10 5 5 7 2 5 6 0 1
5
0
4 3
2 9 1
1
1 6
6 1
7
1 8
第三十巻 第由骨
ついで︑製造卸︑卸の順に分離が進んでいる︒このように住宅
と店儲と兼用するものが小売において多いという事実は︑小売 に封建的属傭関係が多いという事実の背景をなしている︒さら
滞4表A 店舗所有形態 (業態別)
岡山卸 卸 製卸 小売 討 同%
4 7 1
7 1 9
7 5 2
.4 3
4 3 7
1 1
自分のもの 借りている
討
店舗所有形腰 (規模別)
岡山卸 卸 製卸 小売 討 中 小 中 小 中 小 中 小 中 小 第4表B
′
中
5 5 6 3 7 2 5 5
7ト ▲巳
00 1
9 2
3 1
5 5
3 9 4
1
8 1
1 0 1 1
4 2
9 7
6 1
1 0
7 1
自分のもの 借りている
計 8、1 716 61119/24 40 51
︵四四二︶ 八四
に︑規模別にみると︑やほり小規模に住宅と店舗との兼用が多
く︵八八・二%︶中規模になると分離が進み︵七〇%︶︑それだ
け近代化しているものと考えられる︒
も 店舗所有形態︵第四表︶
店舗の所有形態も︑前項と同じように自己所有のばあいより も︑借りた店舗のばあいが︑経営が近代化しているとみられる
であろう︒前回の調査でほ︑自分のものが八二%と︑圧倒的部
分を占めていたが︑今回も︑はとんど変化なく八州%までが自
分の店舗である︒この自己所有ほやはり小売に多く︵九割まで
自分のもの︶︑次いで︑製造卸が八割まで︑卸がもっともよく分 離しているが︑七割までは白分の店舗である︒規模別にみる
と︑白分のものは僅かながら中規模の方に多い︒︵中規模八七・
五%に対心︑小規模七六・五%︶
5・開 業 年 次︵第五表︶
全体を通じて︑やはり終戦後の開業が多い︒前回では五四%
であったが︑本調査では六〇・四%に増大している︒明治時代
は全体を通じて僅か一三%で︑前回の二〇%よりも減少してい る︒いわゆる老舗の割合が減少して︑新しい店が増加している
ことを鮮うことができる︒これは︑〟つにほ中小商業における 開靡率の高さを袈讃きするものであろう︒さらに︑老舗は一般
に暖簾が古いということにょって信用関係において有利な地位 を占めるものと考えられるが︑このような老舗の前近代的な利
点は次第に崩壊する傾向にあるものといえよう︒逆にいえぼ︑
第5費A 開業年次 (業態別)
岡山卸 卸 製卸 小売 討
は︑はるかに少くなっている︒また︑開業年次の苗い老舗の数
についてみても︑卸よりも小売の方が多くなっている︒このよ
うに︑高松市の地方問屋でほ︑岳い問屋の残存が少く︑老舗の
地位が弱体化したことほ注目すべき傾向である︒特に︑明治以
前から存続している問屋ほ僅か一軒にすぎない︒中小企業の転
変の激しさを物語るものであろう︒
規模別にみると︑戦後に開業したものは小規模に多い ︵中規
地方間屋の機能弱体化 ㌔ け︼ 3 ヰ 1 同 13 11 14 60 1
2 0 3 5 1 1
1 1 1 5 9
6 7 9 9 1 2
1
A一2 1 2 2 0 7 1 1
3 2 0 8 0 3
1 2
1 0 2 6 0 9
明治時代 大正時代 昭和終戦前 昭和終戦後 不 明
計
資本力や近代的経営方法など
の合理的な競争力が次第に重
要性を加えていることを示す
ものである︒
業態別にみると︑前回の調
査では︑終戦後に開業したも
のは小売に多かったが︑今回
では卸に多く︑製造部がこれ
についでいる︒︵卸は八割近く
まで︑製造卸は七割まで戦後
の閃巣︶田中啓一民と村石正
博氏の調査による﹁大分市に
おける卸商経営の実態﹂ ︵昭
和三十一年︶によれば︑紆商
で戦後開美したものほ半数足
らずの四八%で︑本調査より
開業年次 (規模別)
岡山卸 卸 製卸 小売 中 小 中 小 中 小 中 小 第5表B
も︑−開業年次のはあい上岡じ傾向である︒また規模別でみる
と︑自分でほじめたのは︑僅かながら小規模に多い∴中規模七
︵四四三︶ 八五 る︒新しい店が増大したのが︑ 引 ︵ひ 7 8 7 ︵U .ハ︸ 7 邑 9 6
1 6
55
中 0 5 0 a 2225
48 5 4 0 3
中 8 2 8 21 1
2 5 3 3 0
1
4 2 6 6 1
1 1 1︑8 0
1 0 1 4 0
1 2 0 3 0
1
2 0 0 5 0
0 0 1 0 0
1 0 1 6 0
明治時代
大正時代
昭和終戦前 昭和終戦後 不 明
討 1 5 0 4 3 2 19 1 1 6 6 1 7 1 8
模五二・五%に対し︑小規
模六六・七%︶︒これは前回
同様であるが︑小規模にお
ける関東率の高さを示すも
のであろう︒
6・世代転換数︵第六表︶
さきの開業年次について
いいうることは︑同時にこ
の世代転換数についてもあ
てはまる︒前回よりも開発
年次の新しい店舗が増えて
いたように︑この調査でも︑
﹁自分ではじめた﹂と答え
た新しい業主が増えてい
る︒自分ではじめた業主が
前回でほ六四%であったの
が︑今回は︑七六・九%に
増大した︒したがって︑二
代目︑三代目と答えた古い
業主ほ少くなってきてい
主として卸売︑製造卸であるの
第6表A 世代転換数 僕 綾
第三十巻 第四号
二・五%に対して︑小規模八〇・四%︶︒前回よりも︑規模別の
差が著るしく接近してきているが︑やほり規模の小さい店が短 命であるという実情を反映するものであろう︒
%牒 ﹂ 502 同76155 2
討70 14 5 0 2 1 9
売8 8 50 1 2 4 r♪ 2
鐘 5 2 0 0 0 7 製1 1
卸20 3 00 0 3 2
卸 山7 1 0 0 1 9 岡
自分がほじめた
目目目明
代代代 引
二三四 不
B
表
6
第
世代転換数 (規模別)
岡山卸 卸 製卸 小売 中 小 中 小 中 小 中 小
計
小 中 小 小
4
9 6 3 0 2 2
5 6 2 0 0 1
3 2 3 0 1 1
0 1︑0 0 01
5 1 0 0 0
5 1 0 0 ︵U 1
5 2 0 0・∩︶
1 0 0 0 0
6 1 0 爪Y l
た 目目目明
め じ
は代代代分 自 二 三四不 2 5 7
7 1
1 8 2 0 0 1
5 .4 仇 8 5 7 9 0 0
︻鼠 31
5 0 5
0
4 3
2
︑リ︶ 1
1
1
6 6
1
7
1 8
討
発7表A 職業転換数 (業態別)
岡山卸 卸 製卸 小売 酎
︵四四四︶ 八六
㌣ 職業転換数︵第七表︶
さき紅鼠たように︑戦後紅なって︑しかも自分で開業した業
主が多いとすれば︑この新しい業主は︑この商売を始めるまで
に何度職業を変えたのであろうか︒職業移動の度数を問いてみ
ると︑全体としてほ︑職業を転換したことのない﹁はじめて﹂
のものが多く︑六二・四%までも占める︒しかレ︑あとの四剖
近くほいろいろと職業を変えてみたわけで︑二度目と答えたも
のが︑二三・二%で約四分の
% 間 6223 625
7 1 6 2 5 1
5 2 9
5 1 3 0 3 2
4 2 1
︵D 5 0 2 2 7
1
7 4 2 0 0 へ∂
1 2
7 1 1 0・0 9
はじめて ニ度目 三度 日 四度目 不 明 討
血近く︑三度も四度も職業を
変えたものが一割近くいるこ
とになる︒
このように職業転換数の多
い菓主は︑業態別紅みると︑
小売に最も多く︑ついで製造
卸に多い︒卸や岡山市の卸で
ほ少い
元来︑商業部門︑特に︑零
細商業部門ほ資本主我の発展
とともに次第に深刻化してき
た失業人口のほけロの一つに
なっているといわれる︒つま
り︑本来ならば︑工業部門の
生産人口として吸収されるぺ
(規模別)
小売 中 小 第7表B 職業転換数
岡山卸 卸 中 ′ト 中 小
とほ︑やほり小売業に︑いろいろな職業で生計を骨子ようと試
るたが︑思うようにゆかない人口︑すなわち失業問題を担って
地方問屋の機能弱体化 ともあれ︑ さ 6 ︵0 0 8
.パ. 2 99 7 % 1 1 同 5 5 5 5
製卸 中 小
封 中 小
中
2 6 2
2 0 5 0 /4
3 1
5 1 1 2 1
2 1
3 5 3 0 2
1 2 6 0 0 1
1 6 3 0 0 2
2 0 2 0 6
2 2 2 0 0 1
5 2 ︵U O O
1 0 0 0 0
6 1 1 0 0
あろちノ︒
調査の結果︑小売分野で職業転換数が多いというこ
ほじめて 二度 目 三度 目 四駄目 不 明 討
1
5
0
4
3
2
9
1 1
1 0
1
6 1
7
1
8
き人口も︑工業部門での吸 収力が相対的軋鈍化するた めに︑工業部門に吸収され ず︑それらの失業人口は︑ 商業その他のサーヴィス部 門に吸収されるようにな る︒このような失業問題の 仙つの結節点であり︑たま り場になっているのが零細 商業部門である︒この失業 問題のしわよせとして商業 部門に進出してき︑花米主の ばあいには︑職巣転換数も 多いものと思われる︒この 意味で︑職業転換数は︑失業問題との関連を掴む一指
標とも考えられるわけであ
るが︑他面︑また階層移動
の山指標とも考えられるで
第8表A 8.業主の前職︵第八乗︶ ︶ルと即断することは出来ないようである︒ この調査からほ直ちに小規模商業のみが失業人口の吸収屑であ 差がない︒規模別にほぼ同じ傾向を示している︒したがって︑ でおろう︒だが︑しかし規模別にみれぼ︑中規模も小規模も大 いる生活の不安定な人口が集りているという山資料になりうる
巣主の前職は一体何であろうか︒業主の職美的系譜を辿って
みると︑最
業主の前職 (業態別)
岡山卸 卸 製卸 小売 討 同 3620 14 4 4 2 1 12 4 も 2.9 3 止..J■ ▲ご 1 0 1 4
3 9 3 4 4 2 1.O 1 4 1
3 1 1 1ヰ 9
主員員変人員英美し明 美 杜 商店会官軍∫農漁な不
︵四四五︶ 八七
5 9 5 1 2 1 1 0 6 2
1 00 3 1 0 1 1 0 0 2 1
9 3 4 3 1 ︵U O O 2 1
1 4 3 0 0 0 0 0 1 0 2
4
7
1
3
2 9
討 も多いのは 前回と同様 商業主であ り︑全体を 通じて︑前 回は四六% であった が︑今回も 三六・二% を示してい る︒しかし︑ これらは職 業転換した とほいえな
いので前職
業主の前職 (規模別)
岡山卸 卸 製卸 小売 中 小 中 小 中 小 中 小 第8表B
賃金水準と低い労働条件の下で働いている店員にとって︑一つ
の夢みる出世コースであ㌃︒このような出世コ﹂ヌを一応実現
出来た者が二割もいるということは︑店員に業務見習という徒 討 第三十巻 第四号
2 6 ︵=0 9 9 7 9
▼ペ 7 1
司
中
中
5 5 5 5 5 5
5 5 7 2 2 2 2 0 7 5 3 2 1
9 9 6 3 3 1 0 0 8 2 1
4 0 7 1 1 1一ュ 0 3 21 1
0 3 3 0 1 0 0 0 5 1 1
5 6 2 1 1 1 1 0 1 1
3 3 1 0 1 1 0 0 1 1
5 0 0 0 0 0 0 0 1 0
︵0 2 2 3 1 0 0 0 2 0
3 1 2 0 0 0 0 0 0 1
0 1 0 0 0 0 0 0 0 0
1 3 3 0 0 0 0 0 1 0
主員員変人員兼業し明 菜 杜 商店会官軍工農漁な不
9 1 7 16 6 11 19 23 40 51
討 にの考察 とっては 必要︑な い︒
次いで
多いのほ
店員から
業主に転 じた者
で︑前回
ほ仙四%
であった
が︑今回
も二〇・
九%に及
ん で い
る︒店員
から業主
へ の道
は︑低い ︵四四六︶ 八八
弟的な労働目的を抱かせ︑前近代的届傭関係を温存せしめる・山
つの条件をなしているものと思われる︒
第三に多いのほ︑会社員・銀行員から職業転換をしたもので︑
前回人一四%︶とはぼ同じ劃四・三%︒これほ退職金など一時
金を利用したものが多い︒このような会社員・銀行員からの転
換者ほ︑中規模に多い傾向がある︒これはホワイトカラー出身
の業主が成功率が高いということを示すものとも考えられる
が︑有意差というはどの開きでほない︒さらに︑官吏が四・四
%︑軍人が四・四%と︑サーヴィス部門出身者がつづき︑工員︑
農業出身者は︑それぞれ二・二%︑一・脚%と極めて僅かであ
り︑漁業出身者ほ皆無である︒
以上にみたように︑商業人口への流入は︑業主直かんするか
ぎり︑常山次部門の農林水産部門や︑第二次部門のエ美都門か
らの移動は極めて少く︑はとんどほ同じ第三次部門のサーヴィ
ス部門内での移動であることが示されている︒しかし前回の調
査と比較すると︑ほんの僅かであるが︑農業及び工員出身が増
加tている︒しかし大きい変化はみられなかった︒
9・創業時の自己資本︵第九表︶
職業転換をして︑新しく自分が創業したばあい︑その資本を
どのようにして調達したのであろうか︒先ず最初に創業時の資
本のなかで︑どの程度まで自分の資本に依存したかを尋ねてみ
ると︑全体を通じて半分以上の六割余りまでは借入資本に依存
し︑自己資本は三八こハ%にすぎない︒自己資本の多いのほ︑
第9表A 創業時の自己資本 (業態別)
岡山卸 卸 製卸 小売 平均 借入資本 723% 4声2% 77・4% 43.3% 61u4%
自己資本 277 51い8 22▲6 56.7 38.6
地方問屋の機能弱体化 B 表 9 第
創業時の自己資本 (規模別)
山 卸 製 小
、中小 中、中、、
借入資本 72・3%一−−46・6%48・7% 36.6%56.5% 523%254%48%469%
自己資本 27.7 ′− 53.4 51.3 63り4 43.5 47.7 74.6 52 53.1
やはり小売で︑五
六・七%︑ついで
卸の五一・八%︑
これに対して︑製
造卸や周山市の卸
ははとんどが他人
資本に依存し︑自
己資本は僅か二割
余り紅すぎない︒
この創共時の自
己資本の割合は︑
殆ど業主の記憶に
もとずくものであ
るから︑数字に多
くの信規をおくこ
とほできない︒し
かし︑小売では他
人資本の調達が賂
しいといちノこと︑
特に小売でも小規
模のばあいにその
困難が大きいとい
うことほ︑はっき A 表 0 1 第
自己資本の調達方法 (業態別)
岡山卸 卸 製卸 小売 封 同%
りとあらわれている︒
10 自己資本の調達方法︵第一○衷︶
でほ︑業主は創共時の自己資本をいかにして調達したのであ
ろうか︒﹁兼主の前職﹂を調べると︑四割近くが商業主であった
が︑この人々の自己資本は︑↓以前からの財産﹂︵四四%︶や﹁
前の商売からの資金﹂︵二八・五%︶となってあらわれているの
以前からの財産 4 ∴∴6 5、2a 40 44 前の商売からの
資 金
臨 時 一金 給料からの蓄積 四 そ の 他
4 8
5 3 1 3 0
9 26 28.5
0 3 2 2
一4 7 44 1 7 4
1
4 0 7 4 1
1 9
1 6 1 2
軍 票
封
2 4 7 1 3 2 9
である︒多くは既に蓄 積された財産が基礎と なっており︑新しく零 細な貨幣を蓄蔵するナ︺ とによって︑店員やエ 員などから業主に進出 しょうとする通が如何 に困難であるかは︑﹁給 料からの蓄積﹂を主な 資本の調達方法と答え た者が︑僅か一仙%紅 すぎないとうことが物 語っている︒給料から の蓄積によって業主に なったばあいでも︑その多くは小規模であ.っ
た︒このことは︑ヰ小
自己資本の調方遵法 (規模別)
岡山卸 卸 製卸 小売 討 同%
中 小 中 小 中 小 中 小 中 小 中 小
B 表 0 1 軍 11 仕 入 地
︵第一一乗︶
高松市の繊維問屋ほ︑どこから仕入れているのであろうか︒ 第三十巻 第四号
以前からの財産 312 6141112172342・545l1
前からの商売 4 0 2 6 資
5 8 7 9 9
3 7 3 ︼.〇 31
14 12 35
5
1 .4
1 3 1 2 0
4 0 0 1 0 0 5
7 0 5
1
4 7 3 2
0 3 4 2
1 3 0 2
0 3 1 0
0 3 1 0
0 0 1 2
0 0 0 0
0 0 1 0
臨 時 金 給料からの蓄積 そ の 他
不 明
8 1 716 61119 23 40 51
\
計 企業の店員が抱く業 主への夢が︑いかに 困難な道であるかを 物語っている︒
三 問屋の機能と
金融についで
/ 本節においては︑ 前節とは異って︑多
少焦点を七ぼりつつ
資料を追ってゆくヱ
とにしたい︒
本節の主要な問題
ほ︑地方問屋である
高松市の繊維卸商は
いかなる機能を担当
しているか︑又その
機能はいかに変化し
つつあるか︑という
問題である︒ ︵四四八︶ 九〇
仕入地についてみると︑殆ど大半の七㌻八%は阪神方面︑特
拡大阪から仕入れている︒京都の九・一%をあわせると︑実に
八割以上が大阪を中心とする京阪神市場に依存していることに
なる︒/そこで先ず︑高松市の繊維問屋と最も関係の深い大阪の 繊維市場についてふれておとう︒
大阪は︑東京︑名古屋︑京都とならんで伝統的に我が国の織
維商品流通市場の中心をなしている︒なかでも︑東京と大腰と は日本の繊維商品国内市場
(菜態別)
製卸 小売 平均
地・卸
入 仕
岡山卸 第11表A
49 5%52.3%
191.6 1517 5‖2 76 1。.9 5,5 23.5 17−.7
03 1.3 71.8%41n9%
91 135 7√0 13..7 5,2 9.8 60 20.5 0.9 0い6
大阪・神戸 366%
都 19 東京・名古屋 77
近 県 132
県 内 157
そ の 他 7…8
の二大中心地であり︑大阪
は西日本における求心的市
場をなし︑西日本の各市場一
は大なり小なり大阪の中心
市場と結びついている︒大
阪の織椎卸問屋は︑この中
心市場にあって︑集散地問
屋として機能し︑地方の卸
商ほ︑分散問屋として機能
しているとみることができ
るであろう︒
大阪の繊維問屋の販売先
を︑大阪商工会議所調査部
の調査資料﹁大阪繊維品市
場調査報告﹂︵昭和三十小年
B
表1 1
常仕 入 地 (規模別)
卸 製 卸 小 売
岡山卸 平 均 中 小 中 小、中 小 中 小 中 小
大阪・神戸 亭2い5%70%741%70・8%4ケ 5%3818%ち1‖1%48り1%508%535%
都 21」・4、 0 13・6 7 17 2、・0 32・9 8・2 22・3103 東京・名古屋 611 20 711 6・9 233 8・4 912 1・810」3 53
近 県14.9 0 07 713 9・2vlO2 0・6 3′1 4′8 60
県 内16・4 10 1.6 8 18り3 217 6写 38L3 93 24・5
そ の 他 8、7 0 2.9 0 0 0、、9 0 0‖5 23 04
地方問屋の機能弱体化 度調査資料男山八号︶に よってみれば︑次の如く になっている︒すなわち︑ 大阪市の繊維卸問屋の販 売先は︑西日本市場に重 点がおかれ︑全販売額の およそ七割は西日本市場 にむけられているといわ れる︒その西日本市場の うちには︑近畿︑中国︑ 四由︑九州︑北陸の各地 方が含まれているが︑そ のうち︑地方的な中心市 場をもつ地方もある︒例 えば︑中国地方の広島市 や岡山市︑九州地方の福 岡市が地方的な中心市場 であるが︑四国地方には このような中心市場はみ られない︒したがって大 阪の中央市場に対する依 存度が極めて高く︑それ だけに影響も一層強く受 けている︒
いま同報告書によって︑各地方都市の繊維問屋の大阪に対す
る集中度をみてみると︑関西の十斉都市のうち︑集中度の最も
高いのほ高松市であって︑その割合は︑九〇%に達している︒
︵本調査め結果よりも二〇%高い︑少し高すぎるように推定す
れる︹︶次いで集中度の高い都市としては︑倉敷市︵八四%︶高
知市︵八山%︶神戸市︵七二%︶さらに六〇%代になると︑岡
山市︵六四%︶松山市︵六二%︶徳島市︵五四%︶などがあげ
られる︒このように高松市の集中度が高いのにほ︑幾多の原因
が考えられるが︑一つには︑距離的に近く︑その上海上交通の
便が極めて良いこと︑また︑地元に繊維の生産地がないこと︑
などがあげられるであろう︒
︑さて︑本調査に眼を転ずると︑高松市の繊維卸問屋の主要な
仕入地ほ︑▲大阪の七㌻八%妃ついで︑京都必九・山%になっ
ている︒京都からの仕入は呉服が中心であるが︑同じ四国地方
においても︑徳島︑高知︑松山などの諸都市とくらぺると︑高
松は大阪への依存度が高いために︑京都への依存度は逆に他の
徳島や桧山などの諸都市よりは低い傾向にあるようである︒
次いで︑第三の重要なる仕入地ほ名古屋︑東京方面の七%で
あるが︑名古屋方面は主として洋品雑貨などが中心である︒
最も少いのは︑県内と近県であって ︵それぞれ六%︑.五・二
%︶︑これほ県内や近県に大きい生産地がないという事情による
ものではあるが︑逆に︑また︑大きい中心市場が近くにあるた
︵四四九︶ 九仙
第三十巻 第四骨
めにその求心市場に吸引される傾向があることを示している︒
以上︑繊維卸問屋の仕入地について明らかなことは︑京阪の
特に大阪の中心市場に対する集中度が圧倒的に甘同いということ
であるが︑これを卸問屋の規模別にみるならば︑規模の大きい
問屋はど大阪の中心市場との結びつきが強いという傾向がみら
れる︒すなわち︑大阪京都への依存率は︑小規模七〇・八%に
対して︑中規模七四・一%︑京都への依存率ほ小規模七%に対
して︑中規模一三・六%と︑いずれも僅かながら規模の大きい
問屋の方が集中度が高い︒逆にいうならば︑小規模の問屋は︑
− 阪神からの直接仕入が少く︑近県各地や県内からの仕入れが多
くなっているわけである︒
次に岡山市の卸問屋について︒岡山市についてほ︑既に昭和
二十八年に岡山滴工会議所が調査した資料︵﹁周山における卸売
商について﹂︶がみられるが︑その報告書虹よれば︑岡山十九社
の仕入地ほ︑京阪神地方五〇二三%︑関東地方一七・四七%
名古屋地方一九・八九%︑岡山地方一二・五%となっている︒
この調査から約五年距てた本調査の結果では︑京阪神地方から
の仕入が五五・六%で︑梢集中度が強まっているようでおる︒
他方では名古屋︑東京方面の割合が減少し︑県内や近県からの
仕入が増大しているが︑本調査の回収数が少いのでこの傾向を
はっきりと断定することはできない︒ともあれ︑岡山市は高松
市にくらぺて京阪神に対する依存度が低く︑地元からの仕入が
多いのが特徴である︒これは︑仰つには︑交通上の事情︑すな ︵四五〇︶ 九二
わち高松からほ海上交通が発達し︑京阪地方へ仕入に行きやす
いという事情があるが︑さらには︑岡山県ほ︑古くから級維県
として知られ︑地元に生産地があるという事情もあげられるで
あろう︒
製造卸について︒製造卸でほ︑阪神への依存率が卸問屋より
も小さく︑県内での仕入が多いよ㌢でいる︒
最後に︑小売の仕入地について︒注目すべ︑きことは︑小売業
+ 者の仕入の四九・五%が阪神から︑一九・六%が京都から︑あ
わせて︑七割せでが直接京阪神の集散地問屋から仕入れている
という七とである︒卸問屋の集中度八割にくらぺて殆ど差がな
いはど高い︒▼特に︑小売の中規模は︑八割以上が京阪神から直
接仕入れている実情である︒さらに︑東京︑名古屋を含めると︑
小売の七割五分までが直接に中心市場から中でも規模の大き
い小売でほ九軋以上が.中央市場の集散地問屋かち直接仕入れて
いることになる︒他方︑高松市の地方卸問屋の手を経て仕入れ
られるのほ︑僅かに四分の︷たらずであって︵二三・五%︶特
に規模の大きい小売商ほ僅か六%しか地元の問屋の手を経ない
ことになる︒このような実情から︑高松市の地方織推卸問屋の
分散機能ほ︑高松市内の小売商についてみれば︑はとんど機能
を失っているといってもよいはどである︒然し︑市内の小売訝
でも小規模の小売商は市内の分散問屋を利用しているようで︑
四割近くは県内の卸問屋から仕入れられていることになってい
る︒だが小規模といえども半分以上の六割までが直接︑集散地
問屋から仕入れられているのであって︑市内の分散卸問屋が次
第に大阪の中央問屋に圧迫されていることは明白であ嵐︒
要するに︑仕入地調査の結果は︑第一幣高船市の地方分散
卸問屋ははとんど京阪神の中央市場に依存し︑その仕入の集中
度は最も高い地方であること︑第二に︑市内の小売商も七五%
までも︑京阪神の中央市場から直接仕入れるという高い集中度 ヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽ を示しているのでへ市内の地方分散卸問屋の機能は次第に鍔体 ヽヽヽヽヽ 化しているということであった︒
12 仕 入 先︵第一二乗︶
仕入地調香蔽よって明らかになった諸傾向は︑また仕入先調
査からも競うことができる︒
先ず高松市の繊維卸売問屋についてみれば︑最も主要な仕入
先ほ中央問屋で︑約半分近くの四一・三%を占めているが︑こ
れに大手筋の五棉商社を加えると五三・六%までほ︑中央の集
散地問屋から仕入れていることになる︒このよう牲集散地問屋
から仕入れた商品を地元の小売商紅販売するのが従来の基本的
な配給経路であり︑その意味において地方分散機能が成立して
いたのであるが︑今や仕入地調査でみるよシに高松市の小売商
は七割以上までも京阪神から直接に仕入れていた︒したがって
市内の小売商に対しては分散機能を果しているとはいえない実
情であった︒このことほ︑小売の最も主要な仕入先が中央問屋
で︑仕入の五︼.%までも占められていることによって裏番きさ
れている︒それでは︑高松市の卸問屋ほどこに売捌いているの
地方問屋の機能弱体化 であろうか︒次表の販売先調査でみると︑売上の七一%までほ 地方小売商になっている︒したがって︑高松市の繊維卸問屋の 機能は︑中央の集散地問屋から仕入れ︑地方︵郡部︶の小規模 小売商に販売するという分散横能を担当しているのである︒
次紅注目すべき点は︑メーカーからの直接仕入が四〇・叫%
軋まで及んでいるということである︒岡山においても三八・四
%までがメーカーからの仕入れであり︑さらに大分市の卸商に
ついての田中喜一氏と村石
第12表A 仕 < 先 (業態別)
岡山卸 卸 製卸 小売(平均)
巨大メー・・カーー 1.2% 6.1%5.7%6・6% 5り7%
機 業 ′家13い 8.5 20 17 8…0 ニ次点メL−・カ叫 23り9 25.5 9.7 71、5 14.4 五 綿 商 社 0.
中 央 問 屋 41.4 41 3 40.6 51,.9 46 地 方 間 巌 9−5 5.515−6 26.9 17ハ3
そ の 他 10.6 1‖3 06 1.2 2.1
︵四五こ 九三 正博氏の調査報告番︵﹁大分 市における卸商経営の実 態﹂昭和三十一年︶ によれ ば︑同地でほ四六・山%に まで及んでいる︒これは中 ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ 問商人排除傾向の進展を示 すものである︒特に巨大メ ーカーとの直接取引が六% もあるのは︑大資本の進出 として注目される数字であ る︒
規模別にみれば︑五棉商
社や巨大メーカーなどの大
資本との薗按取引ほやはり
中規模の方が多いが︑機業
第12表B 仕 入 先 (規模別)
岡山卸 卸 製
中 小 中 小 中 巨大メ⊥・カー OL・1%10% 8巾6%5ル0%10%
機 業 家12・5 20 1・411133
ニ次品メーカ− 2ヰ4 20 243 26 167 五 綿 商 社 0・1 0 20 8√√712ノ5 中 央 問 屋 416 40 41・3 413 2117 地 方 問 屋 9り4 10 44 6 258
そ の
0﹂
バ中
卸﹂ 均﹂
乎 中
第三十巻第四号
∴卜I′ 6 9 7 8 1▲ 0 2 5 8 0 1
1 1 3 3
7 5 5 3
% 0 4 0 L 2 1〇7 2
5
ニ∴ 53 4 5 5 2 9 1 5 2
33%74%
6L9 8..9 129 15..5
:〉【・ノ澤戦 67 65
512 422 162 181
28 1.6
家との直接取引が小規模紅
多い傾向にある︒
次に︑岡山市の繊維卸問
屋勘ついて︒岡山市につい
てほさきに掲げた昭和二十
八年の調査結界があるの
で︑左に場げると︑製造業
老三二・二仙%︑中央卸商
六六・四七%︑その他l㌻
三二%︑計血DO%となっ
ていを︒本調査と比較する
と︑製造業者との直接取引
が三二%から三八・四%に
増大し︑中央卸商との取引
が逆に六六%から元二・四
%把大きく減少しているの
が特徴である︒ここにも︑
メーカーとの壇按取引︑す
なわち中間商人排除傾向が
ほっきりと認められる︒
製造㈲について?機業家
からの仕入が多いという特
徴のほかは大きい特徴はみ ︵四五二︶ 九四
られない︒
最後紅小売について︒市内の小売の最も重要な仕入先が︑既
にみたように︑地方問屋︵二六・九%︶ではなく︑中央問屋︵
五㌻九%︶であり︑しかもその中央問屋に対する依存率が地
方問屋よりも大きいという零落は︑地方分散問屋の機能弱体化
を示す最も畳要な指標である︒特に市内の小売商でも中規模の
店は七二・五%まで中央の集散地問屋から仕入れている︒しか
しながら小規模の店になると︑集散地問屋からの直接仕入ほ三
八%に落ちていて︑地方問屋の仕入が三〇・七%に伸びている
ところから市内の卸問屋も︑小規模の店に対してほある程度分
散機能を果しでいるようである︒
小売といえども︑巨大メーカーを含む生産者との直接取引が
一五・八%まで占められていること︑叉︑五棉商社などの大手
筋との取引がみられること︑いずれも中間商人の排除と大資本
の進出を示す指標であり︑市内卸問屋笹とっては大きな圧迫と
なっている︒
要するに︑仕入先調査の結果は︑第仙に地方分散開屋の分散
機能は︑市内の小売商が直接中央問屋や生産者から仕入れるた
めに溺体化し︑その機能は︑集散地問屋や生産者から仕入れて
郡部の小規模小売商や市内の小規模小売店に販売する分散機能
が中心となっているということ︑第二紅︑直接生産者と取引す
る傾向が増大し︑中間商人排除傾向がみられること︑第三に︑
メーカーや大手筋などの大資本の進出がみられること︑であっ
欝13衷A 嫉売先 (業態別) 13宅 先
地 岡山卸 卸 蜘′鳩平均 已去尖歪芸取
1機 業 家 9% 0% 0% 5%15% 商議商〈松売
屋2ニ次晶メーカー 0 1い9 3・7 01・√4 常遠雲雷先
晶 3市内卸商 23 0 2い7 0510 の調か・卸(
能4地方卸商 22 3l6 丁7 2 3巾8 雷雲右左富讐 5百 貨 店 83 016 01 ・5 のよ・)に三
化 6市内小売商181817い920・324u720l7 販れ九でつ表 売 ば % あ い )
7地方小売商 658 71.156 8・3\47.7 地〈 に る て
8生協購買部216
9その他0 51
は て て 、 、 ○ 卸 も る 散が 部 知合徳 割○ 他七 大 地
帯13表B 販 売 先 (規模別)
岡山卸 卸 製卸 小 売 平均
中 小 中 小 中 小 小
1機 共 家 0% 0% 0% 0%0%0% 0% 7.・7%0% 2・0 2ニ次晶メー・カー 0 0 0 2911 0 0 0 2り0 ユ.0
3市 内 卸 商 2い6 0 0 0 0 4 1・5 0 111・0
4地 方 卸 商 2.5 0 0・7 5 111 5.7 0 2.6 47
′、 四 5百 貨 店 8・110 0 01 2 0 0 216 0。8 垂 6市内小売商17.4 30122 20.71025.5 25 24け616.6 23.5
7他方小売商 67.85077・86787745・511・4 6‖557‖540い5
8生協鰯買部1・610 641・4 0 2 5 0 3い413 九 五 9そ の イ也 0 0 2、9 2.2 010 51.4(汀.214‖0 243
小 て る 散 小 さ さ 小 る が %ニ % にの し ○ と 中 六売 ち 裔
雷忘常態雷臣裏窓ご奮苧9語義莞毒突姦震乍望碧冨
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