機械的過渡現象の多重写真撮影法
(昭和47年10月19日 原稿受理)
機械工学教室熊谷岩雄
〃 高 藤 和 樹 〃 盛 中 清 和 〃 和 田 知 之
Measurements of Mechanical Transient Deformation by Multiplex Photographing
by Iwao KUMAGAE Kazuki TAKAFUJI Kiyokazu MORINAKA,
T◎m◎yuki WADA
By this meth◎d, the h逗h speed and transie就phe刀omen◇n caロbe m沮tiplex−ph()t◎.
graphed. This method, was developed uエ1der the study of high energy deformations,
is used tw◇Reぬys,◎ne Gate and◎ne Oscillator, which can be set up any relay−times and frequency. ,
tはじめに x滅管普馴〆ラ
釆 溌光用
高速度および過渡現象の観察,測定を写真撮影 電源
已賄な肪湖繰より枇考案されぴ、 籔羅 ・ 瀬物蹴励
後者は過渡現象の解析に便利であるが高価であ 図1 多重写真撮影の機器配置 る。そこで,欠点は多々あるが,市販のストロボ 任意数発生させ,発光露光させる方法である。
スコープに自作の補助装置を用い,多重写真撮影
を行なう事により過渡現象の解析を行なう事がで 5 遅延パルス発生法及び装置
きたので,ここに報告する。本方法は放電成形加 図2に遅延パルス発生装置の構成を示す。装置 工の研究中,その手段として開発した方法であ は2個のモノステーブル・マルチバイブレータ,
る。 1個のゲート,1個のアンステーブル・マルチバ イブレータから成っている。
2・多重写鄭撮影法 (1)のモノステ_カレ.マ,レチバイブレ_タ
写真撮影は図1に示す配置で行なった。撮影に に現象の開始信号を入れ,開始信号より任意設定 はシャックを開放しておき,万θ発光装置に,新 時間遅延したパルスを取り出す。次に(∬)のモ たに自作した遅延パルス発生装置を用い現象発生 ノステーブル・マルチバイブレータにより任意の 後任意時間遅らせた後,任意時間間隔のパルスを 設定時間(皿) のゲートを開いて (皿)の任意
T− 1 1.5μsec(入力コンデソサ0.07μF)
ロエH]コニ②鑑邊鑑サα゜2鍋
竃レ蹴+ト鵜獣癒㌫繋管入力電力5w
図2 遅延パルス発生装置の構成
4. 精度の検定
に時間間隔を設定できるアンステーブル゜マルチ 現象の開始から発光の始まるまでの時間間隔,
バ・fブレータを発振させる・(皿)により発生し 発光数および発光の時間間隔の精度,誤差が主要 たパルスをストロボスコープの外部信号同期回路 である。図4の方法で使用範囲を測定し各要素の に入れて発光させる。 パルスの時間間隔および周波数を検定した。
各要素中のパルス波形は図3に示す。現象が開
始するときの信号を取り出し,図2の(1),(H), 超鯛波発振器醍」M剖縄発牌電源Xe放謡
(皿)はあらかじめ観測したい現象に応じてτ1, 二 太 陽 丁,,τ、の時間を設定する。トリガパルスが遅延 蒐 パルス発生装置に入ると万e放電管はτ、時間後
に発光を開始しτ、の時間間隔で,r,時間発光 ○
させる。
ブラウン管才三ロスコー7°
、1 図4 検定の機器構成溌光ヒルス
起動パル
w
毛 た
超低周波発振器よりの起動パルスを遅延パルス 発生装置の入力端に入れその出力と起動パルスを ブラウン管オシロスコープで観測し,各要素の時 間間隔を測定した。また遅延パルス発生装置の出 ス カをストロボスコープに接続しXθ放電管の発光 図3 各要素のパルス を太陽電池で調べその両方をブラウン管オシロス 、 コープで観測し遅延パルス発生装置の出力パルス
、三鷲爲灘発光亘鷺蕪璽r、 と糊離の発光とが一致しているかを調べ
・へ@ ㌧畷▽ぢ 撫ぜぶ・パ,・㍉ メペ㌘ 。藩
工 丑 皿
写真1 遅延パルス発生装置とストロボスコープ
写真2(a)は起動パルスと遅延ハルス発生装置 の出力パルスの開始までの時間遅れであり,写真 2(b)はこの装置の出力パルスとXβ放電管の発 光を太陽電池で測定した一例である。
ブラウン管オシロスコープで各要素の時間間隔 を測定した結果を図5に,また使用範囲は表1に
示す。
写真1が遅延パルス発生装置で(1),(n), 誤差はブラウン管オシロスコープの最小目盛と
(皿)がそれぞれT、,τ,,r、時間の粗および微 図5によって表1に示す。なお数回の測定を繰り 調整用ツマミである。 返した結果表1の誤差範囲内にあることが解っ なおストロボスコープは(株)菅原研究所製, た。
出力パルス 出力パルス 起動パルス
発光パルス
(a)起動パルスと出力パルス (b)出力パルスと発光パルス 写真2 検 定
100
鶴80
?60
主
臥40 20
0
● ①
o /●
/
/o Φ
^
Φ
ー←
●
レヒ
Φレ oAレンヅ怩aレンヅ
@Cレンヅ
LL.
80閨 田 レミ60
ぶ一 1
40 20
「]o .一 1
ノL!
●^ Φ
1 /
● Φ
oDレンヅ■Eレンゾ
^() / ΦFレンヅ
o−● Φ
Tl 1ηsec ]乏 rη5ec
a b
100 80
皿会60
本40 20
0
o−○l I
戟@ l b 1
@1
〜D
ll−● Φ
㊥ 1
1 1 1 } l l
1 1一●一Φ Φ ●
l I
」 l
戟@l ∫ o〔㌃レンヅ
l l
@1 ●卜{レンヅ
一●一Φ 戟@l b ∫
E{p{1
●^ ● Φ1レ〉ヅ●Jレンジ1
怩jレ〉ヅ
O−●一Φ ⑲一Φ
1 ∫ P↓ ,| ,1{1
/
●
0 1 2 3 4 5 6 T3 msec
c
図5 検 定 グ ラ フ
表1 使用範囲と誤差
(単位msec) 5.撮影の例
τ1
r2
τ3
1,2〜5.5 0.4〜6.1 1.3〜5.3
5.1球の速度測定
±o 1 球を圧縮空気で吹き飛ばし速度を測定した。図
+0.ユ;0.1 6に示す装置で管の入口に球を詰め,圧縮機から のノズルを接続し,コックを開くことによって管 の中を球が通り,管の出口で起動パルスを取り出
む くハ む
d・ ハ遷鵠
遅延/、Ojレス 発光FR Xe放電管 圧 縮 機
発生装置 電 源
図6 球の速度測定
コ「1=
2.9msec
T「3=
1.4msec
T1二 5 4msec 写真4 多 重 写 真
丁3=
1.4msec
電による外乱を用いた。ピストンが加工物に接触 写真3球の多重写真 してから静止するまでの速度を測った。多重写真
し多重写真撮影をした。起動パルスからX6放電 撮影を写真4に示す。
管の発光までの時間間隔τ、_2.9msec,発光時 放電して最初の発光までの時間τ1=0・5msec・
間間隔τ、−1.4msec,発光数5ケで,多重写真 発光時間間隔「・=1・Omsec,発光の数5ケであ を写真3上に示す。次にτ、_5.4msecにして同 り・各発光間の速度は最初が15 m/sec・2番目 様の撮影を行なった。この写真を写真3下に示 が30m/sec・3番目が15 m/sec・4番目はピ す。この多重写真より球の速度は11m/secであ ストンが動いていない・
る。 実際には荷重計を取り付けて・力と発光のパル 5.2 ピストンの速度測定 スをブラウン管オシロスコープで測定し・荷重と シリンダとピストンからなる容器内に水を注入 変位の関係を調べる。この例を写真5に示す・
しその中に電極を設け,数十万ボルトで放電させ 1
置を放電成形機といい高エネルギ加工機の一つで ある。このピストンの速度を測定した。
測定は図7によるが,ピストソ下端に反射板を
発 光 下端を設置する。遅延パルス発生装置の入力は放
写真5 荷重と発光パルス 万テナ
へXe放電管
鳶本装置で高速度の変位測定は前述の放電成形機
電 に用いた。
○ 氾発光綱は今の装置で約・msecカ・最少であ
り,これはストロボスコープ電源の容量不足であ 7,ラゥン管 る。遅延パルス発生装置はμsecのオーダまで可 才シロスコー7° 能であり,また万e放電管の発光時間は0.7msec 図7ピストンの速度測定 であるから,充電回路の時定数1msecを改良す
れば発光間隔は数μsecまで可能となり,もっと 佐々木敏の両氏,卒論生黒岩豊君の協力を得たこ 速い現象を測定することができる。 とを附記し感謝の意を表わす。
き裂の進展,切削における切粉の様,高速流体
中の異物の運動非定常振動の測定等で高速カメ 参考文献
ラを使用して,現象の測定が荒くてよいものに本 1)谷ロ 修:機械計測法(昭35年)養賢堂 装置を恥ることができる・ 2)Ml;㌫獣t°n:Tms st°「C 「cu t Des gn
なお,本装置の検定および撮影の例は辻徳夫,