ドローンの自律飛行のための制御器設計とシミュレ ーション
その他のタイトル Control design and simulations for the autonomous flight of a drone
著者 本仲 君子
雑誌名 理工学と技術 : 関西大学理工学会誌 =
Engineering & technology
巻 24
ページ 19‑22
発行年 2017‑12‑20
URL http://hdl.handle.net/10112/12457
関西大 学 理 上 学 会 誌 理 工 学 と 技 術 V o I . 2 4 ( 2 0 1 7 )
解 説
ドロ ーン の 自律飛行のための制御器設計とシミュレーション
. ヽ オ
ィ q , 君 子 *
C o n t r o l d e s i g n and s i m u l a t i o n s f o r t h e autonomous f l i g h t of a drone Kimiko MOTO NAKA
は じ め に
物の述搬やレスキュー 、監視などの目的で、
ンの目祁飛行が注目されてい る ' I ] 。本米ド ロー ンとは 無人航空機の総称であるが、本柏では 4 つのプロペラ を持つクワッ ドロータのことをドローンと 呼ぶこと に する 。 ドローンに 限 らず 、何 らかの対象のふるまいを 見たいときには、対象の 「モデル化」 を行う 。 モデル 化にも様々な慈味合いがあるが、」̲ : 学 で言う ところの モデル化 とは 、時変な ( 時 間により変化する) 観測対 象を数式(動力学モデ ル)で表すことを 指すことが多 い。身近な例を挙げると、祐j 校物別で裕下す るボール や滑車を数式によりモデル化して、時間によ ってどの よ う な 動 き を す る か 求 め た 経 験 が あ る か も し れ な い。
対象を動) J 学 モ デルで表すことの利 点 は 大 きく、モノ を使 って実験を しなくてもシミュ レ ーション上でふる まいを確認、できたり 、対象 に 所 招 の 動作 をさせるため の制御器が設汁できたりする 。落下するポールの例で 言 うと、動) J 学モデルがあれば実際にボールを沿とし て速 1 文を測らなくても時刻 I 、 におけるボールの述炭を 知 ること ができたり 、所甘{の辿炭で飛ばすための打 ち 出し述度を社籾で きたりする 。本稿では ドロー ンを例 に、 ドローンのモデル化および,~ 訊り物を避けながら 1 T :
慈 の U 概 ' ・ 閲へ移動するための制 御 器の設計について述 べ、設計した制御器を) I J いて ドローンを移動 させた場 合のふるまいをシミュレーションにより確認、する 。
ドロー
原 稿受付 平 成 2 9 年 9 J ‑ ‑ J 2 9 n
* システム f り [ T ̲ 学部 軍気 地 チ ' h ' i や UT 学科. l l ) J 教 図 2
図 1 クワッドロ ー タ 2 ドローンのモデル化
図 l はドローンの実機である 。 これ を校式図で前渇 的に表すと図 2 のようになる 。 図中の矢印はローター の同転プ j 1 , , j であり 、 X . Y Z か ら な る 座 椋 B は 機 体 に固定された脱椋、 E r . E / 1 , E , か らなる躯椋 E は地 l f l i に, , , , , 定された座椋 ( グローバル 1 巫椋)である。 また、
機体を r n [ kg ] とすると i T U J J J I I 辿 炭 g [ m / s ' ] の影押で、
* ‑ ) r
2 2
﹄ < i
X J ﹄
> z
) >
) > mg
← E
c / E x
E y E
り んヽ `ノ~
クワッ ド ロータの模式図
図の通り機体には 常に下向きに mg[N] の力が加わる ことになる 。 このとき、 ドロ ー ンの動) J 学モデル は 、
冗.
y . z 方向のカ I I 辿炭と各軸周り の 回転角 < / I . 0 . ゆ方 向 の 町 ) I速度を I 使 って以下のよ うに氾述することがで
きる 叱
x ( s i l l O COS < / J COS ↓ + s i n < / > s i n e f ; ) ‑Ui 1
7 1 1
i l
i
= ( s i n O s i n 1 / ; c o s c p ‑s i n c p c o s ゆ)ーU r , , i z = ( c o s < t > c o s O 1 ) ‑ U 1 ‑g
m
・・ ( Y) J , . . I
¢ O w 一 f ー x 0 1 1 + ‑ f x U2
・ ・ ・ ・ C " ‑ f x ) J . , . l
0 = < P 心 F ) ' ‑ ‑ ) ' T r p r l + ‑ F ) ' U : 3
¢ > < / 。 J c x ‑ f y ) + ‑ U 1 、 1 ん F Z
ただし 、 仏 は X. Y . Z h 向に移動するための制御入力、
U 2 . U J . U 4 は 、 ロール ¢(X哨 i I 回 りの l ! ! I 転角 ) 、ピッ チ 0( Yi l q l J 回 りの回転灼) 、 ヨー 心 (Z庫 I i i 回りの回転角)
の 姿 勢 角 を 制 御 す る た め の 制 御 入力である 。 また 、 f r . J y . I こ は そ れ ぞ れ X .Y. Z 軸 周 り の 恨 性 モ ー メ ント、みはロ ー タの慨性モ ー メント、 Q は全ロ ー タ の阿転速度の合計、 l は機休の中 心 からロータの 中心 までの長さで あり、 実機か ら実測した値を代 入して J T j いる 。
3 制御入力の設計
3 . 1 ホパリングのための制御入力
式 ( 1 ) の U i ‑ l んに何らかの制御 入力を 加 えると 、 ド ローン を制御することができる。 ここで、以下の 人力 を代入すると 、 ド ローンは砧度 を保 ったままホパリン グできる こ とが知られている [ 3 ¥
mg mU1
Ucl = ‑
c o s < / > c o s 0 c o s < / > c o s 0 I x
厨=― T他ー糾)—蒻 ( 1 )
[
Uc3 = ‑ + ( 0 ‑ o c t ) ‑k 没
Uc~= ‑ l z (w ‑炉) ‑ k 3 炒
ただし、釦ょ
。!=似 ( z ーゲ) +k 豆 ( 2 )
で あ り 、 炉 が. 糾、ゴ はそれぞれ r p , 0 . t / ; および Z 軸) J l i 1 J の 1
二1 標伯である 。例えばド ロー ンをホパリング させたい場合には、角製の目標値は 0 とし 、ゲ に目標
, 心 j 炭を 代入 す れ ば 良 い。 また、 k , ―知は 制御の幼き具
2 0
目標位置
図 3 m 桜梢報から ' ‑ 1 ' . } J X した勾配ペクトル
合を調整するための値 ( ゲイン )であり、 f f : 、 さの正の 定数を設定する 。
3 . 2 障害物を避けながら移動するための制御入力 前述の制御入力ではドロ ー ンを X‑Y } j i / 1 ] に移動さ せることができない。 そ こで 、 1 究杏物を避けながら H
椋位骰へ向かうための制御入力を 追加する 。 このとき 、 悶 , 『物や 目 椋 地点 といった政凜梢報を数値と して式に 組み込むために、ボテンシャルフィールドの勾配を J T J いる い ] 。 本稿で川 いるポテンシャルフィールドでは、
整や 1 硲忠物といった . W J ‑ f l の様界からの斥力(反発する カ) と任慈に設定した I I 椋位附からの引力から、各場 所での勾配ベク トルを, { I ‑ 符 す る。 図 3に実際に生成し た勾配ベクトルの例を, ' i ' 色の矢印で示す。 この勾配ベ ク ト ルを 使 うことで、どちらの方 向へ向かえば1 窃也物 を避けながら且椋位 i n へ向かえるかという梢報を制御 入力に組み込むことができる 。 実際に設計した、防害 物 を 避 け な が ら 移 動 す る た め の 制 御 入 力 を 以 下 に 示す。
. y
. e
b e
b e
l‑
f l l f
X k u
似
︒ ︱ l o
==== lLlguJ5
△
△
△
△
, V ︑
^
U 1 = ‑ k . , f z + k 豆
( 3 )
た だ し 仙 お よ び b , . はゲインであり 、任 慈 の 正 の 定 数 を設定する 。 f ェおよび J y はドロ ー ンの現在位骰 (x . y ) における勾配ベクトルを Xお よ び Y 方向に分割した 値であり 、 ドロ ー ンがどちらの方向に動けばよいかを 表している。 また 、砂 お よ び b 心 の 項 は 述 度 を 抑 制 するために付加 されており 、速度が上がるほど制御入 ) J を小さくする働きがある 。 更に、Z方向についても 勾配ベクトル J こ に応じて高度を制御するため、 0 は 以ドの ように設定する 。
( 4 )
表 1 クワッドロータのパラメータ
P a i a 1 1 1 c L c r Dcs c r i p l i on V a l u e U n i L . 9 G r a v i t y 9 . 8 0 G G 5 1 1 1 / s 2 n i Mass 0 . 4 k g
I D 1 s , t a 1 1 c c 0 248 I l l I x R o l l i n e r t i a 0 . 0 1 1 1 G 7 k g ‑ 1 1 1 2 1 ッ P i L c h i n e r t i a 0 . 0 1 4 6 7 kg ‑ r n 2 I , Yaw i n c r l i n 0 . 0 2 3 3 [ k g ‑ 1 1 1 2 J . , R o t o r i 1 1 e r t , i a 1 7 5 . 6 9 X 10 ‑ G k ゜
か1 1 i 2
こ の △ 7 1 = [ △ 1 1 , △ L t , △
,ll 3 △ l l . 1 J T を前述した 11c= [ u 、 , .
l l r o 1 l r 3 1 / q ] T に 加 え る こ と で 1 」 椋 位 i i ' , ' . までの , ・ , w , 1 も行 が 1 1 ] 能 となる 。 つまり 1 立終的な制御入力は
1 1 1 , . 9 mU1
u , = ‑
COS < / > C ' O S 0 COS c p COS 0
[
伍=ーデ(¢‑ < ! > c l ) ‑ k, d1 — k.,f11 ‑/ J 改 1 j '
伍 = ー 一( 0 ‑0 " ) ‑k 2 0 ‑k , . J , . ‑/ J . , : i ‑ l
U 、 I = ‑ / 心 ー 糾 ) ー k 砕 1 / 1 = ‑ k ふ +I 心
( 5 )
( 6 )
となる 。 ここで) I)j 向 の 勾 配 を 比 に、 X } j l f りの勾配 を仏に) J I ! えているのは、 ドローンの動) J 学 特 性 に ・ ) , し づくものである 。 ( A l ) を見ると 、仏 は ドローン の¢
角 を 制 御 す る も の で あ る 。 つまり仏に制御人))を) J I ! え る と ド ロ ー ン は X 刺l を中心 に 削 く こ と に な る 。 ド ローンは姿勢が傾いた) j 向に移動するため 、X 軸を q ,
心 に傾くと Y•llh 方向に移動することになる 。 この特 性 を利) l l して 、のお よ び Of りの制御人) J である U 2 、 u 3 に、勾 配 ベ ク ト ル か ら 符 l i ' r した y , ぉ) j J i りの移動― , : : l
を加 えることで P?h 物を避けながら I I 椋 位 1 i ' . ' , へ移動す ることが 1 1 ) 能 と な る 。
4 飛行シミ ュ レーション
4 . 1 実 験 環 境
前 述 し た 式 ( 5 ) の制御入力を) J I いて、 MJ ¥ T L J . ¥ B に よる J I を行シミュレーションを行う 。本シミュレーショ ンでは、まず似 I , 1 にポすような 4 種類の玖 t ' 様において
ドローンが図中 に示したスター 1 、地、 1 ば から I I 椋 地 ・ ' れ ま で, ・ : : 渡 z を一 定に 1 妓ちながら移動で きる ことを確認す る。 次に、 1 叉 1 5 にぷす政 ' U J とにお し ヽ て 、 スタート地、 1 ・ ' , , : か ら n 椋 地 、 1 位 まで ( : j ) 文変化 を伴 った 3 次元 的な移動が 1 1 f 能であることを確認する。 シミュレーションの際に川 いたパラメータを 表 1 にぷす。 これらの 1 1 / [ は l ' X I l の尖 機 か ら 実測 し た 値である。 また 、 各 ゲ イ ン は 経 験則 よ
り k 1 = 0 . 0 1 5 . k 1
=0 . 015 . k 3
=0 . 007 . / , . ,
=O . O O l . / J , .
=0 . 0005
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船)( 2 S , 3 J )
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u , ( ? S . 1 8 )
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富 『• l p o , m
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. ( I O ‑ . , O ) . .
. . 湯 鴫 鴫 ゞ
X
( c l ) E n v i r o nm e n t 4 図 4 4 釉類の珠境 (X-Y 半 fffj~I)
50 4 0
0 0 5 0 0 0 3 2 1 I E
N ]
図 5 3 次元的な 1 旅古物の存在する棗橙
に設定した。
4 . 2 結 果 と 考 察
各政 1 炭 に お け る 結果 を 図 6 および図 7 に示す。 固 6 中の破線と図 7 中 の 実 線 が 1 前述した手法を用いた場合 の X ‑ Y ' J C 1 1 ( j におけるドローンの移動軌道である 。 なお 、 図 6 中の実線は別の制御入力を I l l いた楊合の結果であ るが、本稿では説明を ' . ' i J l 愛する 。以上の結果よ り 、 提 案手法を 川 い る こ と で 邸 度 変化 を伴 う楊合を含むすべ ての政 l ' 様 に お い て ド ロ ー ン は 1 ; ; 訊杯物を避け、 1—1 標地、I訊 まで移動 l l j 能 であることが確認された。 この制御器を
1
1 J い た 実 機 実 験 に つ い て は 文 献 [ 6 ] を参照されたい。
5 ま と め
本稿では ドロ ーンの 1 : 1 f j t 飛行を目 的 として 、 ドロ ー ンのモデル 化お よ びj ( l 料り物 を避けながら任滋の目椋点 へ移動するための制御器の設計について 述 べ た。 また、
設けした制御器を川いることで実際にドローンの誘禅
`"囀””n”""·~‘
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( a ) En v i r o nm e n t l
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( c ) E n v i r o m 1 1 < . ! n t 3
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( d ) E n v i r o n m e n t , 4 図 6 X‑Y 平而 J ‑ . の移動帆跡
図 7
合•`心鱒"•".`"",
‑ E ) uo n ~ od
9
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