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九州大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

低酸素誘導因子HIF-1αは悪性末梢神経鞘腫瘍の予 後不良因子であり治療標的となり得る

福島, 俊

https://doi.org/10.15017/1931802

出版情報:Kyushu University, 2017, 博士(医学), 課程博士 バージョン:

権利関係:© 2017 Fukushima et al. This is an open access article distributed under the terms of the Creative Commons Attribution Licecse.

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(別紙様式2)

氏 名 福島 俊

論 文 名 Hypoxia-inducible factor 1 alpha is a poor prognostic factor and potential therapeutic target in malignant peripheral nerve sheath tumor

論文調査委員 主 査 九州大学 教授 飯原 弘二 副 査 九州大学 教授 吉良 潤一 副 査 九州大学 教授 中島 欽一

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)は稀な軟部肉腫の一つであり、5年生存率40%と予後不良 である。従来型の化学療法の奏効率は21%と低く、新規治療標的や薬剤の同定が必要であ る。

近年、低酸素誘導因子-1(HIF-1)が様々な癌種において低酸素環境に対する細胞応答にお いて重要な役割を担い、腫瘍の進展に関与する複数の遺伝子発現を制御していることが報 告されている。しかしながらMPNSTにおけるHIF-1の重要性については未解明である。

本研究ではMPNSTにおいて、予後予測因子と治療標的としてのHIF-1α可能性について 検討した。

まず MPNST臨床検体82例においてHIF-1αの発現を免疫組織化学染色によって確認 した。続いてヒト MPNST 細胞株に対して、低酸素環境においてsiRNA を使用した特異 的なHIF-1αの発現抑制が及ぼす影響を検証した。さらに362種の化合物からなるスクリ ーニングキットを使用し、低分子化合物によるHIF-1αの阻害効果も検討した。

免疫染色の結果、MPNST 臨床検体におけるHIF-1αの発現率は75.6 %(62/82例)であ った。単変量及び多変量解析においても、HIF-1αの発現は有意に予後不良と相関してい た。また、siRNAによるHIF-1αの抑制はヒトMPNST細胞株の成長を抑制し、アポトー シスを誘導した。さらに低分子化合物の内、HIF阻害剤であるケトミンはMPNST細胞株 のアポトーシスを惹起した。これらの結果からHIF-1αはMPNSTにおける予後不良因子 の一つであり、HIF経路の阻害が治療標的となる可能性が示唆された。

以上の成績はこの方面の研究の発展に重要な知見を加えた意義あるものと考えられる。

本論文についての試験はまず論文の研究目的、方法、実験成績などについて説明を求め、

各調査委員より専門的な観点から論文内容及びこれに関連した事項について種々質問を行 ったが適切な回答を得た。

よって調査委員合議の結果、試験は合格と決定した。

なお本論文は共著者14名であるが、予備調査の結果、本人が主導的役割を果たし ていることを確認した。

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