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高齢者における定期的なダーツトレーニングが認知機能に及ぼす影響

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Academic year: 2021

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(1)

Effects of Habitual Darts Training on Cognitive Function in Elderly People

Masaki TAKEDA*,Nao YASUDA*,Satsuki ITO*,Masato ABE*,Yohei TAKAMICHI*, Kazuma YANAGISAWA*,and Zsolt RADAK**

(Received April 19, 2017)

This study examined the effects of 2 months of habitual darts training on cognitive function in elderly people. Totally 51 elderly people consisting 17 men and 34 women,aged 70.8 ± 4.8 years old,were randomly divided into darts training group (13 men,22 women,71.4±4.5 years old) and control group (4 men and 12 women,aged 69.8±6.6 years old) depending their own schedule. Before initiating darts training,subjects were asked to conduct three different kinds of cognitive function tests,i.e.,1) simple cognitive test (card selecting test depending on the color and shape),2) short-term memory test,and 3) subtraction test consisting 30 sets of double to triple digits. Same tests were conducted after 1 and 2 months after the darts training. Darts training was consisted from 1) supervised training for 60 minutes/day and 1 day/week and 2) self-selected darts training at home for 30 minutes/day,2-3 days/week. On average of both trainings,one darts game was 15 minutes,6 darts game/week. This means 7 times subtraction/1 game and 42 subtraction/week during darts game. Two ways ANOVA tests revealed no significant interaction in simple cognitive function test and subtraction test between two groups,however,significant interaction between groups was found in short-term memory test. It increased significantly from pre to 1 month and 2 months later. The magnitude of improvement short-term memory test in darts training group was higher than that of control group. These results suggested that 2 months of habitual darts training may improve short term (working) memory, one of the executive function,in elderly people.

.H\ZRUGV: cognitive function,elderly,darts,exercise キーワード:認知機能,高齢者,ダーツ,運動

高齢者における定期的なダーツトレーニングが認知機能に及ぼす影響

竹田正樹,安田菜生,伊藤咲月,阿部真人,高道陽平,柳沢和磨,Zsolt RADAK

緒 言

一般的に総人口に占める 㻢㻡 歳以上の人口の割合

㻔高齢化率㻕が㻣%を超えると「高齢化社会」,㻝㻠%を超え

ると「高齢社会」と呼ばれている.我が国では,㻝㻥㻣㻡 年

には㻤%であった高齢化率も,㻞㻜㻜㻡年には㻞㻜%を超え,

㻞㻜㻝㻟 年現在,㻞㻡㻚㻝%となっており,他の先進国に比べ

ても急速なスピードで超高齢社会へと進んでいる.また 㻞㻜㻢㻜年には高齢化率が㻟㻥㻚㻥%に達し,㻞㻚㻡人に㻝人が 㻢㻡 歳以上になると予想されている.平均寿命は,㻞㻜㻝㻝 年現在,男性㻣㻥㻚㻠㻠年,女性㻤㻡㻚㻥㻜年と,世界でも有数 の長寿国家となっている㻝㻕.このような高齢化と平均寿命 の延びに伴い,認知症の患者数は年々増加し,㻞㻜㻝㻜年

*Faculty of Health and Sports Science, Doshisha University, Kyoto Telephone: +81-774-65-6707, E-mail: [email protected]

**University of Physical Education, Hungary

(2)

現在では 㻞㻜㻜 万人程度といわれてきたが,専門家の間 では,すでに㻢㻡歳以上人口の㻝㻜㻌 㻑㻌 㻔㻞㻠㻞万人程度㻕に 達しているという意見もある.今後も,高齢者人口の急 増とともに認知症患者数も増加し,㻞㻜㻞㻜 年には 㻟㻞㻡 万 人まで増加するとされている㻞㻕.㻌

そもそも認知機能とは,“知覚から判断に至るすべて の情報処理の過程を包括するもの”と定義されており㻟㻕

「覚醒/注意」,「記憶」,「高次の遂行機能(実行機能)」

という 㻟 つの広範な認知領域がある 㻠㻕.これらの機能は 日常生活において必要不可欠なものであり,加齢に伴 いこのような認知機能が低下していくことは,様々な重 大な問題を引き起こす原因となる可能性がある.その一 例として,自動車運転の事故が挙げられる.高齢者の 自動車乗車中の事故は,歩行中や自転車乗車中に比 べ,件数としては少ないものの,増加率では極めて高い 値を示しており,出合い頭事故や右折事故などの単純 な事故,判断系の事故が多くなっている 㻡㻕.これは記憶 や視空間認知,見当識等の認知機能の低下が原因で あると考えられている 㻢㻕.その他には,寝たきりの原因の 一つである転倒が挙げられる.高齢者の転倒は,身体 機能の低下によるだけでなく,注意力の低下も転倒を 引き起こす重大な要因となっていることが実証されてい る㻣㻕.㻌

こうした状況の中,認知機能の低下を防ぐ方法として,

様々な日常生活での活動に注目が集まっている.最近 の研究では高齢期における生活スタイルが認知機能や 身体機能に関係することが報告されている㻤㻘㻥㻕.中でも運 動は認知機能の維持や認知機能の加齢による低下の 予防に効果があるとされている.しかし,運動や身体活 動の種類は多岐にわたる上に,その強さ,頻度,継続な どは様々である.加齢に伴って身体機能が低下していく 高齢者では,一定の運動を行い,それを持続するのは 必ずしも容易ではない㻝㻜㻕.こうした運動を長く続けるため にも,同じ目的を持った人が同じ場所に集まり,楽しくコ ミュニケーションを取りながら行うことはとても重要である㻝㻝㻕. またその他にも認知機能を向上させる方法として多くの 関心が寄せられているのが,認知トレーニングである.

認知トレーニングとは,構造化された認知的な課題(トレ

ーニング)を繰り返し実施し,認知機能の維持・向上を 目指す介入のことを指す㻝㻞㻕.その中でも高齢者にとって 簡便で効果的な高齢者向けの認知トレーニングの一つ として,音読・計算トレーニングがある㻝㻟㻕.この音読・計算 トレーニングが高齢者の認知機能を維持・向上させるこ とができることは,ランダム化比較試験によって証明され ている㻝㻠㻕.また近年の研究により,“計算しながら歩く”な どといった二つの課題を同時に遂行するトレーニング,

すなわち二重課題(㼐㼡㼍㼘㻌 㼠㼍㼟㼗)トレーニングが認知機能 に効果的であるという報告もなされている 㻝㻡㻕.以上より,

運動課題,認知課題それぞれの単一課題として認知機 能向上に効果のある二つの課題を同時に行う二重課題 では,単一課題と比較してより前頭前野の活動を高め,

認知機能を向上するのに有効であると考えられる.㻌 そこで本研究では,“ダーツゲーム”を用いたトレー ニングに着目した.ダーツは世界で唯一の引き算ゲー ムで,持ち点から自分が得た得点を引いていき㻜にする ゲームである.計算という行為は作業記憶に分類される ものであり㻝㻢㻕,計算能力は㻠㻜歳以降加齢とともに著しく 低下していくことが分かっている㻝㻣㻕.ダーツは,計算の中 でも引き算を多用する特徴があり,作業記憶と密接に関 係していると考えられる引き算能力を高める可能性があ る.またダーツは手先を使って矢を投げるだけでなく,

投げたダーツを抜いて戻ってきて得点を書きに行くなど,

適度に歩く低強度な㼐㼡㼍㼘㻌㼠㼍㼟㼗運動である.もっと正確に 言 え ば , い わ ゆ る 決 め ら れ た 運 動 を 繰 り 返 し 行 う

㼑㼤㼑㼞㼏㼕㼟㼑 ではなく,楽しさやゲーム性を求めた 㼟㼜㼛㼞㼠 の

一つであり,㼐㼡㼍㼘㻌㼠㼍㼟㼗㻌㼟㼜㼛㼞㼠と言える.楽しさがあり,加え て,ダーツはゲーム性があり,チーム戦で行えば人との 交流をしながら楽しく実施できて社会性の向上にも貢献 できる可能性がある.ダーツは 㼟㼜㼛㼞㼠 としての要素を兼 ね備えており,長く運動を続けることが肝要な健康運動 として大変優れている.㻌

そこで本研究は,このような特徴のあるダーツゲーム は高齢者の認知機能の改善に有効であるとの仮説の元 に,ダーツトレーニングが認知機能の中の作業記憶を 反映すると考えられる「引き算能力」および「短期記憶能 力」,そして実行機能のひとつである「認知的柔軟性」の

(3)

㻟 つの認知機能を向上させるか否かを検討することを目 的とした.㻌

方 法

被験者

認知機能は 㻠㻜 歳以降低下すると考えられており,

㻢㻜 歳以上の高齢者になればよりそれが顕著になってく ると言える㻝㻣㻕.従って,高齢者ではダーツトレーニングの 効果が出やすいと考えられるため,本研究では㻢㻜歳以 上の高齢者 㻡㻝 名を対象とした.この被験者を対象にト レーニング時期の希望のみを優先し,ダーツ群とコント ロール群に振り分けた結果,トレーニング群は男女 㻟㻡 名㻔男性㻝㻟名,女性㻞㻞名,平均年齢㻣㻝㻚㻠±㻠㻚㻡歳㻕,コ ントロール群は男女㻝㻢名㻔男性㻠名,女性㻝㻞名,平均 年齢㻢㻥㻚㻤±㻢㻚㻢歳㻕となった.なお,実験終了後,コントロ ール群にもダーツトレーニングの機会を与えるため,ダ ーツトレーニングを行ってもらったが,本研究の結果に は含めていない.なお,両群の年齢に有意差は認めら れなかった.いずれの群も健康上とくに大きな問題のな いものとした.㻌

実験は,実験の目的,内容およびリスクを本人に説 明し,同意を得た上で実施した.なお,本研究は同志社 大学「人を対象とする研究」に関する倫理審査委員会の 規定に基づく審査の結果,承認(申請番号 㻝㻠㻜㻤㻠)され たものである.㻌

ダーツトレーニングの方法㻌

ダーツゲームは世界で唯一の引き算ゲームであり,

持ち点から自分が得た得点を引いていき 㻜 にするゲー ムである.足し算では㻝+㻢+㻝㻞=㻝㻥という答えしかない が,㻝㻥を㻟本の矢で㻜にするのは幾通りもある.このよう にダーツは,ゲームを楽しみながら引き算をする,また は㻝投目が狙いと違った場合でも狙いを次々と修正し㻜 に近づけていくといったことを無意識に行っていくスポ ーツである.またダーツは体力や瞬発力も必要なく,ケ ガや疲労の少ないスポーツの代表的なものである.矢を 投げること,投げたダーツを抜いて戻ってくること,また

得点を書きに行くなど適度に歩いて行われる低強度な スポーツであるといえる.㻌

本研究では,高齢者向けのウエルネスダーツ(㻲㼕㼓㻚㻝)

を用いてダーツトレーニングを行った.公式のダーツ競 技規則では,ダーツボードを設置する高さはボードの中 心から床までの高さを 㻝㻣㻟㼏㼙とし,スローイングラインは ダーツボードから 㻞㻟㻣㼏㼙の位置に設置する.しかしウエ ルネスダーツでは,ダーツボードを設置する高さはボー ドの中心から床までの高さを 㻝㻡㻤㼏㼙としており,またスロ

ーイングラインはダーツボードから㻞㻝㻜㼏㼙の位置に設置 するようにしている.また公式のダーツボードは,㻝~㻞㻜 までの点数が割り振られているが,ウエルネスダーツで は 㻝~㻝㻜 までの点数を割り振り,計算の難易度を低くし 高齢者でも行いやすいように設定されている.またウエ ルネスダーツの矢の先端部分は,プラスティックで作ら れており安全性も考慮されている.本研究でのダーツゲ ームは,ウエルネスダーツのスタンダードな公式ゲーム である「ゼロ・ワンゲーム 㻞㻡㻝」を行った.このゲームは最 初の持ち点を㻞㻡㻝点とし,自分が投げて刺さった㻟本の 矢の得点を足して,持ち点から引き算していくものであ る.通常フィニッシュ(持ち点を最後 㻜 にする時)は偶数 の数字を残してダブルリング(㻲㼕㼓㻚㻌 㻝㻚㻌ダーツボードの一 番外側の青色とピンク色の部分),またはブルの内側,

Fig. 1. Wellness darts board developed for elderly people.

現在では 㻞㻜㻜 万人程度といわれてきたが,専門家の間 では,すでに㻢㻡歳以上人口の㻝㻜㻌 㻑㻌 㻔㻞㻠㻞万人程度㻕に 達しているという意見もある.今後も,高齢者人口の急 増とともに認知症患者数も増加し,㻞㻜㻞㻜 年には 㻟㻞㻡 万 人まで増加するとされている㻞㻕.㻌

そもそも認知機能とは,“知覚から判断に至るすべて の情報処理の過程を包括するもの”と定義されており㻟㻕

「覚醒/注意」,「記憶」,「高次の遂行機能(実行機能)」

という 㻟 つの広範な認知領域がある 㻠㻕.これらの機能は 日常生活において必要不可欠なものであり,加齢に伴 いこのような認知機能が低下していくことは,様々な重 大な問題を引き起こす原因となる可能性がある.その一 例として,自動車運転の事故が挙げられる.高齢者の 自動車乗車中の事故は,歩行中や自転車乗車中に比 べ,件数としては少ないものの,増加率では極めて高い 値を示しており,出合い頭事故や右折事故などの単純 な事故,判断系の事故が多くなっている 㻡㻕.これは記憶 や視空間認知,見当識等の認知機能の低下が原因で あると考えられている 㻢㻕.その他には,寝たきりの原因の 一つである転倒が挙げられる.高齢者の転倒は,身体 機能の低下によるだけでなく,注意力の低下も転倒を 引き起こす重大な要因となっていることが実証されてい る㻣㻕.㻌

こうした状況の中,認知機能の低下を防ぐ方法として,

様々な日常生活での活動に注目が集まっている.最近 の研究では高齢期における生活スタイルが認知機能や 身体機能に関係することが報告されている㻤㻘㻥㻕.中でも運 動は認知機能の維持や認知機能の加齢による低下の 予防に効果があるとされている.しかし,運動や身体活 動の種類は多岐にわたる上に,その強さ,頻度,継続な どは様々である.加齢に伴って身体機能が低下していく 高齢者では,一定の運動を行い,それを持続するのは 必ずしも容易ではない㻝㻜㻕.こうした運動を長く続けるため にも,同じ目的を持った人が同じ場所に集まり,楽しくコ ミュニケーションを取りながら行うことはとても重要である㻝㻝㻕. またその他にも認知機能を向上させる方法として多くの 関心が寄せられているのが,認知トレーニングである.

認知トレーニングとは,構造化された認知的な課題(トレ

ーニング)を繰り返し実施し,認知機能の維持・向上を 目指す介入のことを指す 㻝㻞㻕.その中でも高齢者にとって 簡便で効果的な高齢者向けの認知トレーニングの一つ として,音読・計算トレーニングがある㻝㻟㻕.この音読・計算 トレーニングが高齢者の認知機能を維持・向上させるこ とができることは,ランダム化比較試験によって証明され ている㻝㻠㻕.また近年の研究により,“計算しながら歩く”な どといった二つの課題を同時に遂行するトレーニング,

すなわち二重課題(㼐㼡㼍㼘㻌 㼠㼍㼟㼗)トレーニングが認知機能 に効果的であるという報告もなされている 㻝㻡㻕.以上より,

運動課題,認知課題それぞれの単一課題として認知機 能向上に効果のある二つの課題を同時に行う二重課題 では,単一課題と比較してより前頭前野の活動を高め,

認知機能を向上するのに有効であると考えられる.㻌 そこで本研究では,“ダーツゲーム”を用いたトレー ニングに着目した.ダーツは世界で唯一の引き算ゲー ムで,持ち点から自分が得た得点を引いていき㻜にする ゲームである.計算という行為は作業記憶に分類される ものであり㻝㻢㻕,計算能力は㻠㻜歳以降加齢とともに著しく 低下していくことが分かっている㻝㻣㻕.ダーツは,計算の中 でも引き算を多用する特徴があり,作業記憶と密接に関 係していると考えられる引き算能力を高める可能性があ る.またダーツは手先を使って矢を投げるだけでなく,

投げたダーツを抜いて戻ってきて得点を書きに行くなど,

適度に歩く低強度な㼐㼡㼍㼘㻌㼠㼍㼟㼗運動である.もっと正確に 言 え ば , い わ ゆ る 決 め ら れ た 運 動 を 繰 り 返 し 行 う

㼑㼤㼑㼞㼏㼕㼟㼑 ではなく,楽しさやゲーム性を求めた 㼟㼜㼛㼞㼠 の

一つであり,㼐㼡㼍㼘㻌㼠㼍㼟㼗㻌㼟㼜㼛㼞㼠と言える.楽しさがあり,加え て,ダーツはゲーム性があり,チーム戦で行えば人との 交流をしながら楽しく実施できて社会性の向上にも貢献 できる可能性がある.ダーツは 㼟㼜㼛㼞㼠 としての要素を兼 ね備えており,長く運動を続けることが肝要な健康運動 として大変優れている.㻌

そこで本研究は,このような特徴のあるダーツゲーム は高齢者の認知機能の改善に有効であるとの仮説の元 に,ダーツトレーニングが認知機能の中の作業記憶を 反映すると考えられる「引き算能力」および「短期記憶能 力」,そして実行機能のひとつである「認知的柔軟性」の

(4)

ダブルリングであるダブルブル(㻲㼕㼓㻚㻌 㻝㻚㻌ダーツボードの 中央青色の部分)で終了しなければならないというルー ルがある.しかしダーツ初心者の被験者にはこのルー ルは難易度が高く,㻝ゲーム全㻟㻢投のうちに終わること が難しいと判断したため,本研究ではフィニッシュはシ ングル・ダブル・トリプルのいずれでも,ちょうど 㻜 点とな れば終了とした.本実験ではトレーニング群に約 㻞 ヵ月 間にわたり,ダーツトレーニングを行わせた.ダーツトレ ーニングは,㻝回あたり㻝時間程度,週に㻝回の頻度で トレーニング群が一堂に会して実施し,またそれ以外に 各自自宅において自主的にダーツトレーニングを実施 させた.コントロール群はダーツトレーニングを一切せず,

日常的な生活を送ってもらった.㻌

ダーツのトレーニング日誌を全ての被験者に記入し てもらい,その結果に基づいて計算した結果,今回の 㻞 ヶ月間にわたるダーツトレーニング量を計算すると,1ゲ ームあたり平均㻝㻡分として,㻝人あたり㻝週間で平均㻢 回のダーツゲームとなった.㻝 ゲームあたり平均 㻣 回引 き算を行っているので,㻝 週間で平均 㻠㻞 回の引き算を 行ったことになる.㻌 㻌

認知機能検査㻌

認知機能検査は研究開始前(以下,㼜㼞㼑),㻝 ヶ月後

(以下,㼙㼕㼐)および㻞ヶ月後(以下,㼜㼛㼟㼠)の計㻟回にわ たって同様の認知機能課題を行った.測定時には室内 の空調を利用して,一定環境になるよう整えた.検査前 には水分補給ができるような環境作りを行い,全員が万 全の体調で臨めるよう配慮した.認知機能課題は 㻟 種 類(計算力検査,ワーキングメモリ下位検査,認知的柔 軟性検査)とし,被験者の体力的負担を考慮し,課題の 難易度が低いと思われる順に実施した.それぞれの検 査の具体的方法は以下の通りである.㻌

(1) 計算力検査㻌 㻙㻌引き算㻌

課題は合計 㻟㻜 問,前半は㻞 桁同士の引き算,後半 は 㻟 桁同士の引き算で,制限時間 㻞 分とした.問題は

①~③の㻟種類用意し,トレーニング群,コントロール群

ともに㼜㼞㼑,㼙㼕㼐,㼜㼛㼟㼠 で,回答の順序を①,②,③,また

は②,③,①,または③,①,②のいずれかに無作為に 振り分けた.なお,大学生 㻝㻝 名に事前試験を実施し,

①,②,③それぞれの問題の難易度に統計的有意差が ないように設定し㻔一元配置分散分析,㻲㼕㼓㻚㻌 㻞㻕,各計算 問題を配置した.㻌

(2) ワーキングメモリ下位検査‐㻿㼀㻹㻌㼠㼑㼟㼠㻌

ワーキングメモリの評価を行うため,㻮㼍㼐㼐㼘㼑㼥 の 㻿㼀㻹㻌 㼠㼑㼟㼠(㻿㼔㼛㼞㼠㻌 㼀㼑㼞㼙㻌 㻹㼑㼙㼛㼞㼥㻌 㼀㼑㼟㼠)を日本語版に修正して 㻯㼑㼐㼞㼡㼟 社 の 心 理 学 テ ス ト 作 成 ソ フ ト 㻿㼡㼜㼑㼞㻸㼍㼎㻠㻚㻡

(㼃㻵㻺㻰㻻㼃㻿㻌版)上で行った.まず,「数字を順番に暗 記してください」という画面が呈示された後,「よーい」

「スタート」で無秩序な数字㻥個が㻝字/秒の速度,イン ターバルなしでパソコンスクリーン上に呈示され,その後 に 㻞㻜 秒間「数字を順番通りに書いてください」と呈示さ れている間に,暗記した数字を紙に鉛筆で記入させた.

これを合計㻝㻜問行った.なお,メモを取るなどの不正が 起きないよう数字がスクリーン上に呈示されている間は 鉛筆を持たないよう指示した.㻌

(3) 認知的柔軟性検査‐㻿㼕㼙㼜㼘㼑㻌㻯㼛㼓㼚㼕㼠㼕㼢㼑㻌㼠㼑㼟㼠(㻿㻯㻌㼠㼑㼟㼠)㻌

認知的柔軟性評価を行うため,永田博一氏によって 作成された 㻿㻯㻌 㼠㼑㼟㼠 を用いた.㻿㻯㻌 㼠㼑㼟㼠は 㻹㼕㼚㼕㻌 㻹㼑㼚㼠㼍㼘㻌 㻿㼠㼍㼠㼑㻌㻱㼤㼍㼙㼕㼚㼍㼠㼕㼛㼚(以下,㻹㻹㻿㻱)や㻲㼞㼛㼚㼠㼍㼘㻌㻭㼟㼟㼑㼟㼟㼙㼑㼚㼠㻌

0 5 10 15 20 25 30 35

Drawing test

Drawing test

Drawing test

③ The results of statistical assessment of one-way analysis of variance in 3 different drawing tests using university students. No significant difference was found.

T he n um ber o f co rre ct an sw er s in 2 m in ut es

Fig. 2

n.s.

(5)

㻮㼍㼠㼠㼑㼞㼥(以下,㻲㻭㻮)と有意な相関を認めるが,より㻲㻭㻮 との関連が強く,㻹㻹㻿㻱 では発見できないような早期の 認知機能低下,特に前頭葉機能の低下に対して非常 に鋭敏である.また認知機能の低下がないと予想される 若年者ではほとんどが高得点を取ることから特異度も高 いものである.㻿㻯㻌㼠㼑㼟㼠の内容は,一番左端にある図形と は色も形もどちらも違うものを制限時間 㻟 分で選択する というものである.パソコン,紙面の両方で行え,満点は 㻡㻜点である㻞㻢㻕.本実験ではダーツ群は,パソコンで行っ たが,コントロール群は実験設備の関係上紙面で行っ た.㻌 㻌

㻌 統計処理㻌

本研究における分析の視点及び統計処理について 以下の通りである.ダーツトレーニング群およびコントロ ール群による㻞群について,トレーニング前,㻝ヶ月後,

および㻞ヶ月後における測定値に対して,㻞要因の対応 のある二元配置分散分析を行った.ここで独立変数を㻞 種の群および時間経過とし,従属変数を各測定値とし た.二元配置分散分析において有意な交互作用が認 められた項目については,要因ごと(それぞれの独立変 数)の単純主効果の検定を行った.さらに,それぞれの 要因において有意な単純主効果が認められた場合,

㻮㼛㼚㼒㼑㼞㼛㼚㼕 の多重比較検定を行った.㻌交互作用が認め

られなかった場合には主効果の検定を行った.統計的 有意水準は 㻡%に設定した.また,結果については各

群の平均値および標準偏差(M±SD)で示した.なお,

検定にはエクセル統計㻞㻜㻝㻡を用いた.㻌 㻌

結 果

本研究で測定した全ての結果を㼀㼍㼎㼘㼑㻌㻝に示した.㻌 㻌

計算力検査‐引き算㻌

引き算課題においてはトレーニング群,コントロール

群ともに㼜㼞㼑,㼙㼕㼐,㼜㼛㼟㼠のいずれ点数を比較しても統計

的有意差は認められなかった.また,両群の変化パタ ーンに交互作用は認められなかった.㻌

ワーキングメモリ下位検査‐㻿㼀㻹㻌㼠㼑㼟㼠㻌

ワーキングメモリ検査においては,トレーニング群とコ ントロール群において有意な交互作用(㼜㻨㻜㻚㻜㻡)が認め られた.交互作用が認められたので,単純主効果の検 定を行ったところ有意となり,㻮㼛㼚㼒㼑㼞㼛㼚㼕の多重比較検定 を行った.その結果,トレーニング群では㼜㼞㼑㻙㼙㼕㼐,㼙㼕㼐㻙 㼜㼛㼟㼠,㼜㼞㼑㻙㼜㼛㼟㼠においてそれぞれに点数の有意(㼜㻨㻜㻚㻜㻡)

な上昇が認められた.コントロール群では㼜㼞㼑㻙㼙㼕㼐,㼜㼞㼑㻙 㼜㼛㼟㼠において点数の有意(㼜㻨㻜㻚㻜㻡)な上昇が認められた

(㻲㼕㼓㻚㻌㻟).㻌 㻌

認知的柔軟性検査‐㻿㼕㼙㼜㼘㼑㻌㻯㼛㼓㼚㼕㼠㼕㼢㼑㻌㼠㼑㼟㼠(㻿㻯㻌㼠㼑㼟㼠)㻌 認知的柔軟性検査ではトレーニング群とコントロー ル群の間に有意な差は認められなかった.ただ,トレー ニング群においては 㼜㼞㼑㻙㼙㼕㼐,㼙㼕㼐㻙㼜㼛㼟㼠,㼜㼞㼑㻙㼜㼛㼟㼠 にお ダブルリングであるダブルブル(㻲㼕㼓㻚㻌 㻝㻚㻌ダーツボードの

中央青色の部分)で終了しなければならないというルー ルがある.しかしダーツ初心者の被験者にはこのルー ルは難易度が高く,㻝ゲーム全㻟㻢投のうちに終わること が難しいと判断したため,本研究ではフィニッシュはシ ングル・ダブル・トリプルのいずれでも,ちょうど 㻜 点とな れば終了とした.本実験ではトレーニング群に約 㻞 ヵ月 間にわたり,ダーツトレーニングを行わせた.ダーツトレ ーニングは,㻝回あたり㻝時間程度,週に㻝回の頻度で トレーニング群が一堂に会して実施し,またそれ以外に 各自自宅において自主的にダーツトレーニングを実施 させた.コントロール群はダーツトレーニングを一切せず,

日常的な生活を送ってもらった.㻌

ダーツのトレーニング日誌を全ての被験者に記入し てもらい,その結果に基づいて計算した結果,今回の 㻞 ヶ月間にわたるダーツトレーニング量を計算すると,1ゲ ームあたり平均㻝㻡分として,㻝人あたり㻝週間で平均㻢 回のダーツゲームとなった.㻝 ゲームあたり平均 㻣 回引 き算を行っているので,㻝 週間で平均 㻠㻞 回の引き算を 行ったことになる.㻌 㻌

認知機能検査㻌

認知機能検査は研究開始前(以下,㼜㼞㼑),㻝 ヶ月後

(以下,㼙㼕㼐)および㻞ヶ月後(以下,㼜㼛㼟㼠)の計㻟回にわ たって同様の認知機能課題を行った.測定時には室内 の空調を利用して,一定環境になるよう整えた.検査前 には水分補給ができるような環境作りを行い,全員が万 全の体調で臨めるよう配慮した.認知機能課題は 㻟 種 類(計算力検査,ワーキングメモリ下位検査,認知的柔 軟性検査)とし,被験者の体力的負担を考慮し,課題の 難易度が低いと思われる順に実施した.それぞれの検 査の具体的方法は以下の通りである.㻌

(1) 計算力検査㻌 㻙㻌引き算㻌

課題は合計 㻟㻜 問,前半は㻞 桁同士の引き算,後半 は 㻟 桁同士の引き算で,制限時間 㻞 分とした.問題は

①~③の㻟種類用意し,トレーニング群,コントロール群

ともに㼜㼞㼑,㼙㼕㼐,㼜㼛㼟㼠で,回答の順序を①,②,③,また

は②,③,①,または③,①,②のいずれかに無作為に 振り分けた.なお,大学生 㻝㻝 名に事前試験を実施し,

①,②,③それぞれの問題の難易度に統計的有意差が ないように設定し㻔一元配置分散分析,㻲㼕㼓㻚㻌 㻞㻕,各計算 問題を配置した.㻌

(2) ワーキングメモリ下位検査‐㻿㼀㻹㻌㼠㼑㼟㼠㻌

ワーキングメモリの評価を行うため,㻮㼍㼐㼐㼘㼑㼥 の 㻿㼀㻹㻌 㼠㼑㼟㼠(㻿㼔㼛㼞㼠㻌 㼀㼑㼞㼙㻌 㻹㼑㼙㼛㼞㼥㻌 㼀㼑㼟㼠)を日本語版に修正して 㻯㼑㼐㼞㼡㼟 社 の 心 理 学 テ ス ト 作 成 ソ フ ト 㻿㼡㼜㼑㼞㻸㼍㼎㻠㻚㻡

(㼃㻵㻺㻰㻻㼃㻿㻌版)上で行った.まず,「数字を順番に暗

記してください」という画面が呈示された後,「よーい」

「スタート」で無秩序な数字㻥個が㻝字/秒の速度,イン ターバルなしでパソコンスクリーン上に呈示され,その後 に 㻞㻜 秒間「数字を順番通りに書いてください」と呈示さ れている間に,暗記した数字を紙に鉛筆で記入させた.

これを合計㻝㻜問行った.なお,メモを取るなどの不正が 起きないよう数字がスクリーン上に呈示されている間は 鉛筆を持たないよう指示した.㻌

(3) 認知的柔軟性検査‐㻿㼕㼙㼜㼘㼑㻌㻯㼛㼓㼚㼕㼠㼕㼢㼑㻌㼠㼑㼟㼠(㻿㻯㻌㼠㼑㼟㼠)㻌

認知的柔軟性評価を行うため,永田博一氏によって 作成された 㻿㻯㻌 㼠㼑㼟㼠 を用いた.㻿㻯㻌 㼠㼑㼟㼠は 㻹㼕㼚㼕㻌 㻹㼑㼚㼠㼍㼘㻌 㻿㼠㼍㼠㼑㻌㻱㼤㼍㼙㼕㼚㼍㼠㼕㼛㼚(以下,㻹㻹㻿㻱)や㻲㼞㼛㼚㼠㼍㼘㻌㻭㼟㼟㼑㼟㼟㼙㼑㼚㼠㻌

0 5 10 15 20 25 30 35

Drawing test

Drawing test

Drawing test

③ The results of statistical assessment of one-way analysis of variance in 3 different drawing tests using university students. No significant difference was found.

T he n um ber o f co rre ct an sw er s in 2 m in ut es

Fig. 2

n.s.

(6)

いて点数の有意な(㼜㻨㻜㻚㻜㻡)上昇が認められた.コントロ ール群では 㼜㼞㼑㻙㼙㼕㼐,㼜㼞㼑㻙㼜㼛㼟㼠 において点数の有意な

(㼜㻨㻜㻚㻜㻡)上昇が認められた(㼀㼍㼎㼘㼑㻌㻝㻕㻚㻌

考 察

計算力に対するダーツトレーニングの効果㻌

引き算課題における有意差は両群ともどの期間を比 較しても認められなかった.㻟種類の認知機能評価課題 の中で引き算課題は,ダーツと最も関連する測定内容 であったため,効果が出やすいと予想されたが否定さ れた結果となった.しかし孫琴ら㻞㻠㻕は,㻟年間にわたって 音読と計算を行う学習群と何も行わない統制群とを比較 し,学習活動が認知機能にどのような影響をもたらすか を検討した結果,学習活動半年後には 㻲㻭㻮 の得点に 有意差が認められたと報告している.これより㻢か月,で きれば㻟 年間といった長期間にわたってダーツトレーニ ングを行えば,計算能力が改善する可能性があると推 測される.㻠㻜 歳以降計算能力が加齢とともに低下して 行くことが報告されているが,ダーツトレーニングはその 低下を食い止める可能性がある.しかし,本研究ではそ こまでは証明できなかった.㻌

短期記憶に対するダーツトレーニングの効果㻌

ダーツトレーニングの効果で唯一両群間に交互作用 が認められた項目は短期記憶であった.これはダーツト

レーニングの有無で短期記憶得点の向上変化パターン に差がみられたことを意味する.ダーツトレーニングの 中で点数を確認する際,被験者が自分の投げた㻟本の 矢の得点を声に出して読み,その 㻟 つの数字を覚えて 計算を行う人が多く見受けられた.自分の得点を瞬間 的に記憶する作業を無意識のうちに行うことが短期記憶 能力の向上に繋がったのではないかと考えられる.㻌

また計算という行為は,ある活動や課題の遂行に必 要な情報を必要な時間,能動的に保持する作業記憶

(ワーキングメモリ)に分類されるものであり,目の前に提 示された数字という短期記憶と,計算方法という長期記 憶を駆使して遂行されると考えられる 㻝㻢㻕.例えば引き算 をする場合,㻝の位の引き算ができない場合,㻝㻜の位か ら 㻝㻜 を借りてくるが,そのときに,借りてきたことを一瞬

(短期)覚えておかなければならない.その状態でまず㻝 の位を計算する.その後,㻝㻜 の位の計算をするときに,

先に㻝㻜を減じたことを思い出しながら計算しなければな らない.ダーツトレーニングではこのような作業記憶を働 かせる引き算を多用するという特徴がある.古橋㻞㻥㻕は㻢㻜

~㻤㻜歳の健康高齢者を対象とし,㻡週間毎日計算課題 を実行させる実験群㻝㻡名と計算課題を実行させない統 制群㻣 名を用いて,代表的認知課題である記憶課題を 計算訓練の前後に行うことで,記憶機能に改善効果が あるか検討した.その結果,短期記憶課題,長期記憶 課題,意味記憶課題には改善効果は見られなかったが,

作業記憶課題には改善の傾向が見られたと報告してい る.すなわち計算課題を行うことで,作業記憶能力が向 上したと考えられ,本研究でも計算を行うダーツトレーニ ングにより同様に作業記憶能力を向上させることに繋が ったと推測される.㻌

また,㻷㼍㼣㼍㼟㼔㼕㼙㼍㻌 㼑㼠㻌 㼍㼘㻚㻝㻟㻕および吉田ら 㻟㻜㻕は,認知機 能は前頭前野の支配下にある機能であり,前頭前野を 活性化することが可能であれば,加齢に伴う認知機能 の進行をある程度遅らせることができるという仮定の下,

認知症高齢者を対象にして,音読と易しい計算問題を 㻝 日に㻞㻜 分前後,㻝 週間では㻟~㻡 日間遂行させ,半 年間または 㻝 年間にわたって介入を行い,介入前後の 変化を観察した.その結果,音読や易しい問題の計算

(7)

といった課題の遂行によって,前頭葉機能に有意な改 善が示され,認知機能の低下を防止することができたと 報告している.本研究でもダーツトレーニングによって 計算課題を繰り返し行ったことが,わずか 㻞 ヶ月間の介 入ではあったが,前頭葉機能を高め,認知機能の一つ である作業記憶能力の向上がもたらされた可能性があ ると推察できる.㻌

認知的柔軟性検査‐㻿㼕㼙㼜㼘㼑㻌 㻯㼛㼓㼚㼕㼠㼕㼢㼑㻌 㼠㼑㼟㼠(㻿㻯㻌 㼠㼑㼟㼠)に 対するダーツトレーニングの効果㻌

実行機能の中でも認知的柔軟性を反映すると考えら れる 㻿㻯 テストの変化には,交互作用が認められなかっ た.よってダーツトレーニングの有無が点数のパターン や伸び方に影響を与えないということが言える.ただし,

両群の点数の時間経過には主効果が認められた.すな わち,時間経過とともに増加することが明らかとなったが,

交互作用は認められなかったため,両群それぞれ独立 して変化していると読み取ることができる.山本ら 㻞㻢㻕によ ると,㻿㻯 テストが作成された目的は認知機能低下の早 期発見であり,㻹㻹㻿㻱 では発見できないような早期の認 知機能低下,特に前頭葉機能の低下に対して非常に 鋭敏であるとしている.また,同開発者は短期記憶能力 と㻿㻯テストの相関関係は弱い,またはほとんどないと述 べている.従って,㻿㼀㻹 テストに交互作用が認められ,

㻿㻯 テストで認められなかった点においては一定の納得 を得ることができる.ただし,㻿㻯 テストを使用した認知機 能検査の効果はまだ実験的に証明されておらず,この 先ダーツトレーニングを継続して行うことで有意に点数 が伸びる可能性も考えられる.両群ともに改善したこと で,課題に対する慣れの影響があることは否定できない が,測定の期間を半年にするなど長期にわたって観察 すれば,慣れの影響を抑えることができ,ダーツトレーニ ングの好影響を観察できるかも知れない.この点は今後 の課題である.㻌

結 論

本研究では,運動中,算数計算をたくさん行うダー ツゲームを用いたトレーニングが認知機能㻔短期記憶能

力,引き算能力,前頭葉や海馬の機能低下㻕を向上させ るかどうかを㻞ヶ月間の効果として検討した.㻌

本研究で得られた主な知見は以下の通りである.㻌 ダーツトレーニングは 㻝㻕計算能力の向上には貢献し ないこと,㻞㻕短期記憶能力を高めること,さらに㻟㻕認知的 柔軟性はダーツトレーニングの有無では差が出ないこと が明らかとなった.以上のことから,ダーツトレーニング は高齢男女の短期記憶能力を高めることが明らかにな った.㻌 㻌 㻌

本研究に参加していただいた被験者の皆様に心より 御礼申しあげる.本研究は㻞㻜㻝㻢年度同志社大学ハリス 理化学研究助成金を受けて実施された.㻌

参考文献

㻝㻕㻌 内 閣 府 , 平 成 㻞㻡 年 版 高 齢 社 会 白 書 , 㼔㼠㼠㼜㻦㻛㻛㼣㼣㼣㻤㻚㼏㼍㼛㻚㼓㼛㻚㼖㼜㻛㼗㼛㼡㼞㼑㼕㻛㼣㼔㼕㼠㼑㼜㼍㼜㼑㼞㻛㼣㻙

㻞㻜㻝㻟㻛㼦㼑㼚㼎㼡㼚㻛㼟㻝㼋㻝㼋㻝㼋㻜㻞㻚㼔㼠㼙㼘㻘(最終検索日:㻞㻜㻝㻡年㻝㻞 月㻝㻡日)㻚㻌

㻞㻕㻌 厚 生 労 働 省 , み ん な の メ ン タ ル ヘ ル ス , 㼔㼠㼠㼜㻦㻛㻛㼣㼣㼣㻚㼙㼔㼘㼣㻚㼓㼛㻚㼖㼜㻛㼗㼛㼗㼛㼞㼛㻛㼟㼜㼑㼏㼕㼍㼘㼕㼠㼥㻛㼐㼑㼠㼍㼕㼘㼋㼞㼑㼏㼛㼓㻚 㼔㼠㼙㼘㻘(最終検索日:㻞㻜㻝㻡年㻝㻞月㻝㻡日)㻚㻌

㻟㻕㻌 中澤謙,スポーツ心理学事典健康スポーツの心理,日 本スポーツ心理学編㻘(大修館書店 ,東京,㻞㻜㻜㻤) , 㼜㼜㻚㻡㻜㻟‐㻡㻜㻠㻚㻌

㻠㻕㻌 森悦郎㻌監訳,臨床家のための高次脳機能のみかた,

第 㻝 章㻌潜在性認知機能㻚㻌 㻔振興医学出版社,東京,

㻞㻜㻝㻝㻕,㼜㼜㻚㻌㻝‐㻞㻠㻚㻌

㻡㻕㻌 木村一裕,清水浩志郎,“高齢ドライバーの運転能力と 走 行 環 境 評 価 に 関 す る研 究 ” , 土 木 学 会 論 文 集 , 㻝㻥㻥㻡㼇㻡㻝㻤㼉,㻢㻥‐㻣㻣㻔㻝㻥㻥㻡㻕.㻌

㻢㻕㻌 荒井由美子,水野洋子,“認知症高齢者の自動車運転 を考える家族介護者のための支援マニュアル”,公衆 衛生,㻣㻡㼇㻠㼉,㻟㻝㻜‐㻟㻝㻞㻔㻞㻜㻝㻝㻕.㻌

㻣㻕㻌 村田伸,津田彰,“在宅障害高齢者の身体機能・認知 機能と転倒発生要因に関する前向き研究”,㻟㻟㼇㻟㼉,㻥㻣‐

㻝㻜㻠㻔㻞㻜㻜㻢㻕.㻌

㻤㻕㻌 伊藤恵美,八田武志,伊藤保弘,永原直子,八田武 俊,川口潤,唐澤かおり,豊沢純子,“レジャー活動へ の参加は認知機能に影響を与えるのか?”,人間環境 学研究,㻝㼇㻞㼉,㻝㻡‐㻞㻜㻔㻞㻜㻜㻟㻕.㻌

㻥㻕㻌 堀田亮,藤原大樹,橋本公雄,“高齢者の認知機能は 日常生活での活動と関連するのか?”,スポーツ心理 学研究,㻟㻤㻌㼇㻝㼉,㻝‐㻝㻝㻔㻞㻜㻝㻝㻕.㻌

いて点数の有意な(㼜㻨㻜㻚㻜㻡)上昇が認められた.コントロ ール群では 㼜㼞㼑㻙㼙㼕㼐,㼜㼞㼑㻙㼜㼛㼟㼠 において点数の有意な

(㼜㻨㻜㻚㻜㻡)上昇が認められた(㼀㼍㼎㼘㼑㻌㻝㻕㻚㻌

考 察

計算力に対するダーツトレーニングの効果㻌

引き算課題における有意差は両群ともどの期間を比 較しても認められなかった.㻟種類の認知機能評価課題 の中で引き算課題は,ダーツと最も関連する測定内容 であったため,効果が出やすいと予想されたが否定さ れた結果となった.しかし孫琴ら㻞㻠㻕は,㻟年間にわたって 音読と計算を行う学習群と何も行わない統制群とを比較 し,学習活動が認知機能にどのような影響をもたらすか を検討した結果,学習活動半年後には 㻲㻭㻮 の得点に 有意差が認められたと報告している.これより㻢か月,で きれば㻟 年間といった長期間にわたってダーツトレーニ ングを行えば,計算能力が改善する可能性があると推 測される.㻠㻜 歳以降計算能力が加齢とともに低下して 行くことが報告されているが,ダーツトレーニングはその 低下を食い止める可能性がある.しかし,本研究ではそ こまでは証明できなかった.㻌

短期記憶に対するダーツトレーニングの効果㻌

ダーツトレーニングの効果で唯一両群間に交互作用 が認められた項目は短期記憶であった.これはダーツト

レーニングの有無で短期記憶得点の向上変化パターン に差がみられたことを意味する.ダーツトレーニングの 中で点数を確認する際,被験者が自分の投げた㻟本の 矢の得点を声に出して読み,その 㻟 つの数字を覚えて 計算を行う人が多く見受けられた.自分の得点を瞬間 的に記憶する作業を無意識のうちに行うことが短期記憶 能力の向上に繋がったのではないかと考えられる.㻌

また計算という行為は,ある活動や課題の遂行に必 要な情報を必要な時間,能動的に保持する作業記憶

(ワーキングメモリ)に分類されるものであり,目の前に提 示された数字という短期記憶と,計算方法という長期記 憶を駆使して遂行されると考えられる 㻝㻢㻕.例えば引き算 をする場合,㻝の位の引き算ができない場合,㻝㻜の位か ら 㻝㻜 を借りてくるが,そのときに,借りてきたことを一瞬

(短期)覚えておかなければならない.その状態でまず㻝 の位を計算する.その後,㻝㻜 の位の計算をするときに,

先に㻝㻜を減じたことを思い出しながら計算しなければな らない.ダーツトレーニングではこのような作業記憶を働 かせる引き算を多用するという特徴がある.古橋㻞㻥㻕は㻢㻜

~㻤㻜歳の健康高齢者を対象とし,㻡週間毎日計算課題 を実行させる実験群㻝㻡名と計算課題を実行させない統 制群 㻣名を用いて,代表的認知課題である記憶課題を 計算訓練の前後に行うことで,記憶機能に改善効果が あるか検討した.その結果,短期記憶課題,長期記憶 課題,意味記憶課題には改善効果は見られなかったが,

作業記憶課題には改善の傾向が見られたと報告してい る.すなわち計算課題を行うことで,作業記憶能力が向 上したと考えられ,本研究でも計算を行うダーツトレーニ ングにより同様に作業記憶能力を向上させることに繋が ったと推測される.㻌

また,㻷㼍㼣㼍㼟㼔㼕㼙㼍㻌 㼑㼠㻌 㼍㼘㻚㻝㻟㻕および吉田ら 㻟㻜㻕は,認知機 能は前頭前野の支配下にある機能であり,前頭前野を 活性化することが可能であれば,加齢に伴う認知機能 の進行をある程度遅らせることができるという仮定の下,

認知症高齢者を対象にして,音読と易しい計算問題を 㻝 日に 㻞㻜分前後,㻝 週間では㻟~㻡 日間遂行させ,半 年間または 㻝 年間にわたって介入を行い,介入前後の 変化を観察した.その結果,音読や易しい問題の計算

(8)

㻝㻜㻕㻌 小長谷陽子,渡邉智之,太田壽城,“地域在住高齢者 の認知機能と身体活動との関連性―㻠年間の縦断調査 の結果から―”,日本老年医学会雑誌,㻠㻥㼇㻢㼉,㻣㻡㻞‐

㻣㻡㻥㻔㻞㻜㻝㻞㻕.㻌

㻝㻝㻕㻌 木場田昌宜,松本祐樹,本山貢,”高齢者における体 力向上トレーニングプログラムが認知機能に及ぼす効 果について”,和歌山大学教育学部紀要㻌 人文科学,

㻢㻟,㻝㻜㻝‐㻝㻜㻢㻔㻞㻜㻝㻟㻕.㻌

㻝㻞㻕㻌 野内類,川島隆太,“脳トレゲームは認知機能を向上さ せることができるのか?”,高次脳機能研究,㻟㻠㼇㻟㼉,

㻟㻟㻡‐㻟㻠㻝㻔㻞㻜㻝㻠㻕.㻌

㻝㻟㻕㻌 㻾㻚㻌 㻷㼍㼣㼍㼟㼔㼕㼙㼍,㻷㻚㻌 㻻㼗㼕㼠㼍,㻾㻚㻌 㼅㼍㼙㼍㼦㼍㼗㼕,㻺㻚㻌 㼀㼍㼖㼕㼙㼍,㻴㻚㻌 㼅㼛㼟㼔㼕㼐㼍,㻹㻚㻌 㼀㼍㼕㼞㼍,㻷㻚㻌 㻵㼣㼍㼠㼍,㼀㻚㻌 㻿㼍㼟㼍㼗㼕,㻷㻚㻌 㻹㼍㼑㼥㼍㼙㼍,

㻺㻚㻌 㼁㼟㼡㼕,㻷㻚㻌㻿㼡㼓㼕㼙㼛㼠㼛,“㻾㼑㼍㼐㼕㼚㼓㻌 㻭㼘㼛㼡㼐㻌 㼍㼚㼐㻌 㻭㼞㼕㼠㼔㼙㼑㼠㼕㼏㻌 㻯㼍㼘㼏㼡㼘㼍㼠㼕㼛㼚㻌 㻵㼙㼜㼞㼛㼢㼑㻌 㻲㼞㼛㼚㼠㼍㼘㻌 㻲㼡㼚㼏㼠㼕㼛㼚㻌 㼛㼒㻌 㻼㼑㼛㼜㼘㼑㻌 㼣㼕㼠㼔㻌 㻰㼑㼙㼑㼚㼠㼕㼍”,㻶㻚㻌 㻳㼑㼞㼛㼚㼠㼛㼘㻚㻌 㻭㻌 㻮㼕㼛㼘㻚㻌 㻿㼏㼕㻚㻌 㻹㼑㼐㻚㻌 㻿㼏㼕㻚,㻢㻜,

㻟㻤㻜㻙㻟㻤㻠㻔㻞㻜㻜㻡㻕㻚㻌

㻝㻠㻕㻌 㻿㻚㻌 㼁㼏㼔㼕㼐㼍,㼍㼚㼐㻌 㻾㻚㻌 㻷㼍㼣㼍㼟㼔㼕㼙㼍,“㻾㼑㼍㼐㼕㼚㼓㻌 㼍㼚㼐㻌 㻿㼛㼘㼢㼕㼚㼓㻌 㻭㼞㼕㼠㼔㼙㼑㼠㼕㼏㻌 㻼㼞㼛㼎㼘㼑㼙㼟㻌 㻵㼙㼜㼞㼛㼢㼑㼟㻌 㻯㼛㼓㼚㼕㼠㼕㼢㼑㻌 㻲㼡㼚㼏㼠㼕㼛㼚㼟㻌 㼛㼒㻌 㻺㼛㼞㼙㼍㼘㻌㻭㼓㼑㼐㻌㻼㼑㼛㼜㼘㼑㻦㻌㼍㻌㻾㼍㼚㼐㼛㼙㼕㼦㼑㼐㻌㻯㼛㼚㼠㼞㼛㼘㼘㼑㼐㻌㻿㼠㼡㼐㼥”,

㻭㼓㼑(㻰㼛㼞㼐㼞),㻟㻜,㻞㻝‐㻞㻥㻔㻞㻜㻜㻤㻕㻚㻌

㻝㻡㻕㻌 佐藤慎,重森健太,大城昌平,“通所リハビリテーション 利用者における二重課題を用いた自主トレーニングの 効果”,第㻠㻡回日本理学療法学術大会抄録集,セッシ ョン㻵㻰㻦㻌㻻㻞㻙㻞㻝㻢㻔㻞㻜㻝㻜㻕.㻌

㻝㻢㻕㻌 大森肇,澤入正通,窪田辰政,村上繁,“運動が計算 課題遂行に及ぼす影響と脳機能計測法によるメカニズ ムの検討”,「海―自然と文化」東海大学紀要海洋学部,

㻡㼇㻞㼉,㻠㻣‐㻡㻠㻔㻞㻜㻜㻣㻕.㻌

㻝㻣㻕㻌 宮崎利行,高齢者の職業能力発揮サポートシステムに 関する調査研究,高齢・障害・求職者雇用支援機構編 㻔㻞㻜㻝㻞㻕.㻌 㻌

㻝㻤㻕㻌 本 松 良 太 郎 , 総 合 心 理 相 談 , 㼣㼣㼣㻡㼒㻚㼎㼕㼓㼘㼛㼎㼑㻚㼚㼑㻚㼖㼜㻛㼪㼙㼕㼚㼐㻛㻘(最終検索日:㻞㻜㻝㻡 年 㻝㻞 月㻝㻢日)㻚㻌

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㻞㻝㻕㻌 服部光男,全部見える脳・神経疾患㻦㻌第㻠章㻌認知症,

㻔成美堂出版,東京㻘㻌㻞㻜㻝㻠㻕,㼜㼜㻚㻝㻢㻤‐㻝㻣㻜.㻌

㻞㻞㻕㻌 谷口優,小宇佐陽子,新開省二,上松志乃,永沢文 子,青木政勝,武藤伸洋,阿部匡伸,深谷太郎,渡辺 直紀,“身体活動ならびに知的活動の増加が高齢者の 認知機能に及ぼす影響㻌東京都杉並区における在宅 高齢者を対象とした認知症予防教室を通じて”,日本 公衛誌,㻡㻢㼇㻝㻝㼉,㻣㻤㻠‐㻣㻥㻠㻔㻞㻜㻜㻥㻕.㻌

㻞㻟㻕㻌 川島隆太,高次機能のブレインイメージング,㻔医学書 院,東京㻘㻌㻞㻜㻜㻞㻕,㼜㼜㻚㻝㻠㻜‐㻝㻠㻝,㻞㻜㻝‐㻞㻜㻟.㻌

㻞㻠㻕㻌 孫琴,吉田甫,土田宣明,大川一郎,“㻟年間での認知 症高齢者の変化過程に関する介入研究―㻹㻹㻿㻱 と 㻲㻭㻮を中心とした検討―”,立命館人間科学研究,㻞㻜,

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㻞㻡㻕㻌 島浩人,池添冬芽,“加齢による二重課題バランス能力 低下と転倒及び認知機能との関連について”,理学療 法科学,㻞㻠㼇㻢㼉,㻤㻠㻝‐㻤㻠㻡㻔㻞㻜㻜㻥㻕.㻌

㻞㻢㻕㻌 山本泰雄,坂口隆一,永田博一,“早期の認知機能低 下を発見する新しいテスト―㻿㼕㼙㼜㼘㼑㻌 㻯㼛㼓㼚㼕㼠㼕㼢㼑㻌 㼠㼑㼟㼠―”,

日本老年医学会雑誌,㻠㻣㼇㻟㼉,㻞㻟㻡‐㻞㻠㻞㻔㻞㻜㻝㻜㻕.㻌 㻞㻣㻕㻌 公 益 社 団 法 人 日 本 ダ ー ツ 協 会 , ダ ー ツ に つ いて ,

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㻞㻤㻕㻌 㻺㻼㻻 法人日本ウエルネスダーツ協会,ウエルネスダー ツ,㼔㼠㼠㼜㻦㻛㻛㼣㼣㼣㻚㼣㼑㼘㼘㼐㼍㼞㼠㼟㻚㼛㼞㼓,(最終検索日:㻞㻜㻝㻡年㻝㻞 月㻝㻡日)㻚㻌

㻞㻥㻕㻌 古橋啓介,“高齢者の記憶機能に及ぼす計算訓練の 効果”,福岡県立大学人間社会学部紀要,㻝㻢㼇㻝㼉,㻤㻡‐

㻤㻥㻔㻞㻜㻜㻣㻕.㻌

㻟㻜㻕㻌 吉田甫,川島隆太,杉本幸司,前山克次郎,沖川克 夫,佐々木丈夫,山崎律子,田島信元,泰羅雅登,“学 習課題の遂行が老年期痴呆患者の認知機能に及ぼす 効果”,老年精神医学雑誌,㻝㻡,㻟㻝㻥‐㻟㻞㻡㻘㻔㻞㻜㻜㻠㻕.㻌

Fig. 1. Wellness darts board developed    for elderly people.

参照

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