九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
ペロブスカイト型酸化物触媒を用いたガス拡散型酸 素電極に関する研究
清水, 陽一
https://doi.org/10.11501/3064628
出版情報:Kyushu University, 1992, 博士(工学), 論文博士 バージョン:
権利関係:
第3章 酸素還元電極 における触媒の添加効果
第1節 緒言
アルカリ溶液中での酸素の電気化学的還元反応を円滑に進める高性能 な酸素還元電極は、 種々のエネルギ一変換デバイスに応用可能な重要な デバイスである。 ただし、 最近特に注目されている電気自動車用電池 の 一つである金属一空気電池[1、2Jや、 省エネルギー型の新型食塩電解
槽[3、4Jなどの酸素還元電極として使用するには、 数100 mA/cm2以上 の高電流密度が要求される。 このような用途に使用可能な酸素電極の高 電流密度化のためには優れた電極触媒を用いることが第一の要件であり、
これまでに種々の電極触媒を用いたガス拡散型カーボン電極が研究され てきた が、 高電流密度が得られる実用可能な高性能な酸素電極は、 白金 系の貴金属触媒を用いた もの[5Jを除いてほとんど開発されていない。
従って、 白金系の貴金属触媒に代わる安価で高活性な触煤の探索、 およ びそれらを用いたガス拡散型駿素電極の高性能化(高電流密度化)は、
これらのデバイスの実用化のために最も重要なテーマとなっている。
第2章では、 高活性な電極触媒の探索を目指し、 ランタンー遷移金属 系べロブスカイト型酸化物触媒について回転リング ・ ディスク電極(R
R D E)法等により カーボン電極中での酸素還元の反応機構を検討した。
その結果、 これらペロブスカイト型酸化物の中には酸素の直接4電子還 元活性、 あるいは主にカーボン上での酸素の2電子還元による中間生成 物である過酸化水素イオン(H02一)の分解活性を有した 優れた電極触奴作 用を有するものがあることが明らかになった。 ベロブスカイト型酸化物 は、 このように酸素還元に対して優れた 電極触媒作用を示すことがわか ったが、 実際のガス拡散型カーボン電極に適用した場合、 これらの触媒 活性が、 電極性能にどのような影響を及ぼすかは、 実際に酸化物触媒を 添加したガス拡散型電極を作製して検討する必要がある。 さらに、 酸化 物触媒は、 白金[5 , 6 J銀[7 t 8 Jなどの貴金属系の電極角11奴と比較して 触媒自身の大きさがカーボン基体に比べてかなり大きいため[ 9J、 酸
- 53 -
化物触媒のカーボンへの添加法によっては電極性能が大きく異なると考
(a)
Glass tube/↓
Cu-wire大三 v \さげ は り問 的n
.-士 �ÞC. _
carbonト+oxide
/ : JJ ' ンl yLJ
+p宵E/
Dmm/ /
9孔1 NaOH (800C) えられる。
そこで、 本章では、 ガス拡散型政素電極の高電流密度化に関する指針 を得るために、 一連のランタン系ぺロブスカイト型械化物を電極触媒と して用いて、 実際にテフロン結石型のガスi広散型カーボン電極を試作し、
電極性能に及ぼす電極触媒の添加効果を系統的に調べた。
Ni-mesh 第2節 実験方法
2. 1 ';{l極触媒
本立で用いた電極触媒は、 次の一連のランタン系ぺロブスカイト型酸 化物(5系統13夜類)を用いた。
( 1 ) (2) ( 3) (4)
(5) Lao 8A・O.2C003 (A' = La, Sr, Ca, Ba)
\、‘.,,ノhu /dE\
LaB03 (B = Cr, Mn, Fe, Co, Ni)
Lal-xSrxCo03 (x = 0, 0.2, 0.4, 1.0) Lal-xSrxMn03 (x = 0, 0.2, 0.4)
Lal-xSrxFe03 (x = O. 0.2)
試料の羽�は第2章と同様の酢酸担分解(A D)法で行なった。
なお、 酸化物の表面観察は走差型電子顕微鏡(日本電子製、 JSM-50A) により、 比表面積は通常のI3 E T ?去により測定した。
2. 2 ガスi広散型電極の作製法
木章では、 図3
-
1 ( a)に示すような、 半疎水型の単層式ガス拡散カ ーボン電極[ 10]について検討した。 電極は 、 電極担体用カーボンとし て、 キシダ化学製の元素分析用炭素(比表面積: 128 rn2/g)に、所定量(主 に20wt%)の触媒を添加したのち、 ポリ(テトラフルオロエチレン)(以下 PTFEと略記する)の懸濁液(ダイキン工業製、 D-1)と混練してぺースト状 にしたものCPTFE;混合量30wt%)を100メッシュのニッケル網に塗布した後、窒素中で3000C、 30分間熱処理することにより、PTFE結着型ガス拡散型炭
02
Gas-diffusion type carbon electrode
:・9MNaOH(80oCY : : : : : Glass cell
Fig. 3-1 Measuring systern for oxygen reduction on gas-diffusion type carbon electrode.
(a) Gas-diffusion type carbon electrode.
(single layer, serni-hydrohobic type) (b) Structure of electrolytic cell
- 54 -
素電極を作製した。
2. 3
酸素還元特性測定
作製したrLt極をガラス管の先にエポキシ樹脂で践者し、 図3
-
1 (b)に示すように800C、 9 MのNaOH水溶液表面に軽く接触させ(フローティン
グ法[
11] )、 電極裏而に純酸素(80 cm3/mi n)を流しながら、 半電池 法によりポテンシ ョスタット(北斗電工製、 HA-303型)を用いて陰極特 性を調べた。 なお対極には4cm2の平行7白金板を、 参照同としては同溶液 のHg/HgO電極を用いた。 参照、恒からの電位はルギン菅(パイレ ックスガ ラス製)により検知極に導き、 ルギン菅の先端は電極に粍く民触させた。なお、 電断!氏抗は、j夜j氏抗補正恭(Jヒ斗電工製、 HI-201)を用いて測定し た液j底抗仰を用いた。
叩(600 .ε三 YA1400
\完200 主?
。
(>0←.0!
?ευ・《ε\
ロわ864
10 20 30 40 50
LaCo03 content / wt%
2'_'�
。
Fig. 3-2 Electrode performance as a function of LaCo仏 content.
第3節 電極性能に及ぼす触媒の添加効果
3. 1
触燥添加呈
í1J極触媒としてLaC o 03を取り上げ、 カーボンに対する添加尽を郁々の 主11合で変化させたときの電同性能を図3 - 2に示した。 低7E流密度成で はfE極性能は酸化物の添加量の増加に伴い向上している。 これは、 触媒
添加により反応の活性点が増加することに起因すると考えられる。 一方、
高電流密度域では、 添加量20 wt%で性能は極大を示した。 図3 - 3には 電極抵抗と触媒添加量との関係を示したが、 添加査とともに電極限抗は 単調に増加していることがわかる。 したがって、 高電流宮皮域では酸化 物の添加量が20 wt%を越えるとかえって性能が低下するのは、 主に電極 抵抗の増大によるものと考えられる。 このようなことから以下では触媒 添加量はいずれも20 wt%とした。
RJ ハ) バua
h、、
�O.10
C
↓J の
-虫0.05
(1J Cζ
。 20 30 40 50
Fig. 3-3 Electrode resistance as a function of LaCo03 content.
- 56 -
LaCo03 content / wt%
- 57 -
3. 2 fTI々のペロブスカイト型酸化物の屯極触媒活性
宅医触収としてLaB03 (B = Cr, Mn, Fe, Co, Ni)を20wt先添加した電 極の分極rlll線を図3 -4 (a)に示す。 いずれの場合も械化物の添加によ り電極性能はカーボン単独の場合よりも大きく向上していることがわか る。 図3 -4 (b)には高電流及び低電流密度領域でのTLi同性能を比較し て示したが、 両傾城ともしaCo03添加のH与が性能がiRも日く、 以下LaNi03、
LaMn03 のJl国となりLaFe03、 LaCr03では性能はかなり低いことがわかる。
このことは、 第2章で示したようにグループII (酸素の4電子還元活性 のみが優れるもの)および、 グループIII (酸素の4電子還元活性、 過酸 化水素分解活性の両者ともに優れるもの)に含まれる酸化物触媒の酸素 還元活性が高かったことと一致している。 また、 Bサイト元素を変えた ぺロブスカイト型酸化物を添加した75憶の性能のこのような序列は図3 -5に示すTasc inらにより報告[12 ]されたこれら酸化物系のcoの完 全酸化活性の序列と非常によく対応していることがわかった。 このこ とは、 酸素の電気化学的還元とcoの気相酸化に対する酸化物の触媒活 性が同践であること、 すなわち活性サイトが同じであることを示してい る。
次に、 最も触u': 活性の高かったLaCo03 について、 AサイトのLaの一部 をSr, Ca, Ba のアルカリ土瓶金属で20%置 換した械化物触媒についての -0.18Vにおける電極性能を図3 - 6に示す。 これより、 SrやCaを置換す ると電極性能は向上し、 特にLao. sSro. 2C003ではLaCo03 の約1 .4倍の電
流密度が得られた。 一方、 Baを置換したものでは電流密度は低下するこ とがわかる。 この場合、各電極のほ抗はSrの場合に58mQ、Caで30mQであ ったが Baの置換には120mQと大きな怖を示した、 したがってLao. sBao. 2 C003 を添加した電極の性能が低いのは主に電極低抗の増大によると考え られる。 さらに、置換効果の大きかったSrについて置換呈の効果をLa l-x SrxB03 (B = CO,Mn)について調べたところ、 図3 - 7に示すようにいず
れも x = 0.2で極大となることがわかった。 この場合も Lal-xSrXC003 を用いた電極の電気抵抗は、 x = 0 : 45 mQ、 x = 0.2 : 57 mQ、 x =
0.4 : 77 mQ、 x = 1.0 :79 mQ となりSrの添加とともに噌大すること
5∞ (a)
4∞r \れ\/co
い∞(
bl r�\ \\6\/ Mn 引\ 二
〈E工 2∞
-- -‘
100
-0.3 。
-0
.2 -0.1
( E
vs.Hg I HgO) / V
4
Lower c.d.( b) 400
れl 戸-、、
?(
1,. >
ε← ε乙
υ 。�
2 200γ。
《l 〈工l
ε� ε-+-'
\の --...__ (ぢ
-'-' 0 。
-ー晴 、、__,Cr Mn Fe Co Ni
Fig. 3-4 Comparison of performances of carbon electrodes with 20 wt% LaB03 (B = Cr, 地1, Fe, Co, Ni).
(a): Polarization curv es for various electrodes.
(b): Current density at -0.1 and -0.2 V for various electrodes.
- 59 -
La I _xSr x CoOヨ
La I _xSr XMn03
7400
仁Jε
q E
-300
0 σ1 工
ワ1 (j)
200
〉
〉 αコ
6
100
}巾)
:'1σら
C\J ú)
lε 『 -o10f
斗四Jω ω > -Q
510
uu
O Z1σ9
ε
0.4 1.0
X
0.2
。 。
N d
Co d
6〉d民 J )
Mn R.d
d
4「3cd
Electrode performance as a function of x in Lal-XSrxBOa (B = Co, 陥1).
3-7
Fig
Catalytic activity pattern of LaBOa perovskites for CO oxidation (J.M.D. Tascin et a1. [12J ).
Fig. 3-5
400
C\J
ευ・4ξ~
がわかった。 したがって、 Laの一部をSrで置換する ことにより触版活性図3 - 3
に同時に電極奴抗も 大きくなってしまうため、
は増加するが、
Lao. aSr 0・2Co03
0 示した触媒添加量を変えた場合と同桜に電極性能に極大があらわれるも
(Oσ
300ト O Lao gQozCb 03 のと考えられる。 このように、酸化 物
を添加
した屯 極
の性 能
は、 特に電一-0-一一一一一一一一一一一一一
工\σ工
極抵抗により大きく影響される ことがわかった。 したがって、ガス拡散
LaCo03
200ト その電極抵抗を増す ことなく、 優れ
た触奴を多く添加させることが主要であるといえる。
型 電
極の高 電 流 密度化
のためには、(j) 。
〉
La_ 【B3._ 門CoO�り d リ ζ J 100い
〉∞-.0ー
過酸化水素分解能と電極性能との相関 3 3
carbon
Oト一一一一一一一一一一一一一一-1 -4)
第2章で示したようにカーボン上では(3-1)式のような椴素の2電子
した
FZ『l」 『4134円べU
このH02ーの分解反応は(3-2)式で表される。
がって(3-1), (3-2)を合わせれば(3-3)式の4電子反応がfつられる 還元が支配的である。
Cornparison of perforrnances of carbon e1ectrodes with Lal-xA'xC003 (A' = Ca, Sr, Ba).
Fig. 3-6
。
60 6 1
O2 + H20 + Ze- →OH- + H02- (3 -1) H02- →1/2 O2 + OH- (3-2)
O2 + 2H20 + �e- →40H- (3-3)
そこで以下でi、(3-1) の酸素の2電子還元がカーボン上で進み、生成 したH02ーが(3-2) のように酸化物触媒上で 分解されるという2段反応で 酸素の還元が進行すると考える[14,15J 0 (3-1)式の平衡電位(E)は
E = EO RT 唱 [OH-][H02-]
2F ムn [02][H20] (3-4)
Ner nstの式より(3-4)式で与えられる。 ここでRは気体定数、Fはファ ラデ一定数、[ ]は各成分の活量を示す。 次に閉回路定圧(OCP)において
も微少電流i[A/cm�Jが流れるとすると,H02ーの単位時間あたりの発生量 は, FaradayDrJよりi/(2F) となる。 よって,電極の単位而積あたりの触媒
号をM(g/cm2) とすると、定常状態でのH02-濃度は、
[H02-] = i / 2FkwM (3-5)
で与えられる。 よっては-4) (3ーのよりOCPでの電位を(Eocp) とすると
RT . [OH-] RT
Eo c p = E 0 - 一一一ln 一 一一一 ln(i/2FMkw) (3-6)
2F ... .. [02][H20J 2F
で与えられる。[OH-J, [02J, [H20Jをこの条件で一定と仮定すると(3-6) 式は(3-7) 式のように簡素化できる。
Eocp = Const. + 2.3 一一一RT log kw 2F
したがって電位Eocpとlog kwの聞には
2.3 x RT
傾き = 3 5m V / d e c a d e ( 8 0 oc ) 2F
(3 -7)
を持つ直線関係が成り立つはずである。 そこで種々のぺロブスカイト型
- 6 2 -
LaO.6SrO.4Mn03 LaO.gSrO.ZCoり3/ �
H一円\ '-.1 kシLa" "Ba 仁o(ì
,-...
o
:F60
Mnn\ � Aン....�uO.8uuO.2
LョO.,8SrO.ZMnO丸 、m
名 :
ヨ\。
も
/デ
'-\...lLi3.0 内ρ03手。
一 .,/ /' OLaNiO"
。 ー/'" ー" ,.. ,.. "
J A..、
LaMr103イ
エ
13Lao 山内srC66 ; 7 i
〉
� 20 �
Feo< QLaO.8srO.2Feo3、、ー...
�
35mV/d吋しog kw 10
0.1
Fig. 3-8 Relationship between open circuit potential (ECOD)
and catalytic activity for H202 decornposition (kw)
Table 3-1 Comparison of particle size and specific surface area for carbon and various perovskite oxides
Sarnples
Carbon
Particle
μm
0.04
size 1)
ー・ーー・・・・・・.._---・・・・・ーー---・ーーーーーーーー司圃---・・ーーー----_ーー----ーーー一ー一ー一ー一-一d〒h一T一-一ーー一ー一 ,
LaCr03 LaMn03 LaFe03 LaCo03 LaNi03
L a o. 8 S r 0 2 CoO 3 Lao. 6SrO. 4C003 SrCo02. 5
0.3---0.6 0.1---0.3 0.1 ---0.2 0.4-0.6 0.2-1.0 0.1---0.2 0.1---0.2 0.1---5.0
1) Measured by SEM analysis
2) BET rnethod at 77K
Surface area 2)
rn2/g
128
ー・・・・』・ーー・・ー--ー...ーーーーー・・・・・・ーーーーiー一ー一ー一ー一ー,一T一'一ーー一ー一,一 ----
1.9 4.6 4.4 2.2 4.8
5 . 2 5. 7 13.4
kwとそれらを添加した電極のEocpとの関係を図3 - 酸化物に対するlog
お 図のなかに35mV/decadeの傾きの直線を示しているが、
8に示した。
Eュ叶
T114
的ω℃一一KOωコO
吋い伺〉℃口吋CO(七回ハ)・HOM
ωω凶吋E吋E…ぉ
(E
ュ山J叶)
ザヲ 仁コN u 。 uコL
EュH
Tlよ
(Eュm.0tH.。)
叩.ou.0ccu」ω0」
すなわち過酸化水素分解能が良 おまかな対応がみられることがわかる。
LaNi03やSrCoO2. 5 ところで\
いもの程毛怪 性 能がよい傾向がみられた。
では過酸化水素分解能が高いのに宅悟性能はあまり高くなく図の直線か これら酸化物の表而稲測定およびS E ら大きくはずれている。 そこで、
ß E T法により求めた表面積
一部の酸化物について、
M観察を行った。
2---6 m2/gであったが、
表而積はほとんどのものが を表3 - 1に示す。
図3 - 9にLaNiOJ-,.
rn2/gと最も大きな値を示した。 また、
5は、13 SrCo02
(元素分析用炭素) の各粉末 Lao. 5SrO. 4C003およびカーボン
SrCoO 2. 5、
カーボンは粒子が0.04μmと非常に小さ のSEM写真を比較して示す。
5SrO.4Co03は0.1--0.3μmと比較的均ーであるのに対し、LaNi03 La 。
1.,,\0
またSrCo02. 5では0.1--5μmと相当不 0.2--1.0μmと不均ーであり、
は、
Eュ叶
c::n cv:>
(E
ュ0.HtN.。) 凶吋'山
内()}ア一口」
EュHT|ム
(Eュゴ0.。)
C02」ロυ
表3 - 1に平均粒子径も 平均粒子径は0.1'"'"'0.6μm 均ーであり粒径の大きなものが混入している。
ほとんどのものは、
まとめて示しているが、
したがって上述 であったがLaNi03とSrCo02. 5はかなり不均ーであった。
SrCo02. 5を用いた電極の性能が低いのは、 これ LaNi03や、
しfこように、
カーボン粉末巾での分散がかなり らの酸化物の粒子径が大きいために、
このことより電極触媒 悪くなっているためであると考えられる。 また、
すなわち微細な酸化物を使用すればさらに電極性 を高分散させること、
(x二0,
Lat-xSrxMn03 能を向上させることができると考えられる。 また、
過 酸化水素分解 活 性が低いのに電 極性能がかなり 第2章でも示したように酸素の直接4電子還元活 性がかなり
|奇いためと考えられる。
0.4)系では、
高いのは、
o .2,
64 65
3. 4 酸素還元カーボン75恒における触媒の作用
以上の結果より、 ペロブスカイト引酸化物触煤を用いたガスj広散型電 極上での政素還元モデルを図3 - 1 0 に示す。 こ こでは 、 直肢反応に関 与しないテフロン粘着剤は行時した。 LaMn03系(グルー プrr ) ,LaNi03, La Co03系(グループill)触媒は直後4定子還元能があるため、 これらの酸化 物上に直接低投してきた駿玄(八)は、 4電子還元されると考えられる。
また、 カーボン上に広放してきた酸素( B )は、 2íli子還元によりH02ーを 生 じる。 酸化物触媒が過酸化水素分解能を有する もの( グルー プ ill)であ る場合には、 この辺酸化物イオンが械化物上に述ばれるとさらに民触分
科を受 けるものと考 えられる。 木章で用いた電恨の大部分は炭素で ある ためグループ旧の出嫁を用いた場合には電極反応は主に械素( T3 )の関与
するよ うな過酸化水素生成ルートでi並 行する ものと考えられる。
第4節 本章のまとめ
Gos
本章では、 La系のべロブスカイト型酸化物を電極触媒として取り上げ、
Bサイトに一連の遷移金属を用いたり、 Laの一部を純 々のアルカ リ 土類 金属で百放して行た種々の械化物について、 酸素還元反応に及ぼすíì1怪
削!奴添加効果を系統的に調べたところつぎのよ うな知見が行られた。 (1)右恒触似の添加長は低7E流密度以では、 添加日が多いほどfE14R性能
は向上したが高電流密度域では、 Q!極抵抗が大き くなるために電極 性能は逆に低下し、 最適添加J71.:は20wt%付近で あ った。
(2 )ガス拡散型芯極の性能はLaB03(B = Cr. Mn, Fe, Co, Ni)系では、
B = Co. Mn. Niのぞt能が良く、 B = Cr. Fe系では低かった。 すなわ
ち、 第2=0:の反応際情の結束;より、 国政4電子還元j百十tあるいは過 酸化水素分解活性にすぐれた触媒が高活性である。
(3)Lal-xA・xCo03 (A'= Sr. Ca. Ba)系ではA'= Sr, Caで:は無添加系に 比べてíli極性能は向上し、 置換効果がみられたが、 A' 二 Baでは逆 に電極性能は低下した。 また、 A'のi宣 換量Xは、 いずれのアルカ リ 土煩金属の場合にもx = 0.2で恒大となった。 これは、 いずれも円安
化物自身の7E気抵抗によるものと考えた。
(4 )電極性能と酸化物の過R変化水素分解能の問には大まかな州問がみら れた。 すなわ ち 、 過酸化水素分解能の良い ものほど芯極性能が良い 傾向 がみられた。
したがって、 高性能な酸素還元電極開発のための霊安な設計指針と し Corbon
Gos
つ』ハU
て、 まず第ーには、 過R変化水素分解日性の高い酸化物をカーボ ン 1\ 体巾 /// に高分散 させること、 第二には 直接 4 1TI子還元日性を有する 械化物をカ
ーボンに対する添加量をその電恢}氏抗を増すことなく多くすることの2 点が重要で あることが明らかとなった。
Fig. 3-10 Model for oxygen reduct ion on electrode.
(A) O2 + 2H20 t 4e- → 40H- (B) O2 + H20 t 2e- →OH- + H02-
H02一 →1/2 O2 + OH-
66 67
参考文献
1) G. Scamans, Chemistry and Industry, 11, 192 (1986).
2) 計良普也、 横田真男、 電化、 目、 601 (1985).
3) E.Yeager,ソーダと塩素、 日、 147 (1980).
4) E.J. Taylor, R. Waterhouse, A. Gelb, Chemtech., 1987, 316 5) S. Motoo, M Watanabe, N. Furuya, J. Electroanal. Chem., 160,
351 (1984).
6) P. Stonehart, Ber. Bunsenges. Phys. Chem., �, 913 (1990).
7) 三浦則雄、 後明和幸、 山添 昇、 清山哲郎、 日化、斗包、 732.
8) A. Kaisheva, 1. Iliev, S. Gamburzev, J. Power. Sources, 日3,
181 (1984).
9) M. Watanabe, S. Saegusa, P. Stonehart, Chem. Lett., 1988,
1487.
10) A.D.S. Tantram, A.C.C. Tseung, Nature, 221, 167 (1969).
11) J. Giner, J. M. Parry, S. Smith, M. Turchan, J. Electrochem.
Soc., 116, 1692(1969).
12) J. M. D. Tascin, L. G. Tejuca, React. Kinet. Catal. Lett.,
15, 185 (1980).
13) J.R. Goldstein, A.C.C. Tseung, J. Phys. Chem., 1.Q, 3646 (1972) .
14) 平井敏郎、 山木準一、 電化、 53、 145 (1985).
- 68 -
第4章 ガス拡散型酸素電極の至適構造の検討
第4章 ガス拡散型酸素電極の至適構造の検討
第1節 緒言
酸素還元用ガス拡散型カーボン屯恨の電極特性は添加した7l!椀触奴の 活性に大きく依存するのはいうまでもないが、 電傾触奴の選択と同様あ るいはそれ以上に至適電極構造aの設計は重要である。 ガス拡散型電慨は、
その名のとおり気休の反応物質を取扱うため、 その高7üi市街度化を図る には、 電極中にいかにうまく多くの反応サイト(三相界而)を作るかが 重要な要因となる。 第2章では 、 ペロブスカイト型酸化物が、 酸素還元 反応に対して酸素の直接4電子還元活性あるいは過般化水素分解活性を 持つ侵れた電極触奴であることを示した。 また、 第3ti:では、 ガス拡散 型カーボン右傾の性能に及ぼすべロブスカイト型般化物触収の添加効果 について検討し、 優れた電極性能を得るためには、 まず第一に、 過般化 水素分解能の高い酸化物触媒をカーボン基体中に日分散させること、 第 二には直接4電子還元活性を有する酸化物をカーボンに対する添加量を その電極抵抗を出すことなく多くすることの二点が霊安であるという電 極作製のための基本的な設計指針を行た。 従 って、 電極触奴の添加法ーの 検討、 それに関連した電極構造ーの電極性能に及ぼす影響を調べることに より、 高性能な酸素還元電極を設計 ・ 構築することが可能になると忠わ れる。 本 尼 ら [1 Jは、 白金触媒を用いたガス拡散型電械について、 す
べての触媒を反応層中の電解液ネットワーク(親水性部分)中に存在さ せて100%有効利用し、 他方、 ガスネットワークは完全な撒水性をもたせ て、 ぬれを進行させないような二層型電極とすることによりこれまでに ない高性能な電極を開発している。 ガス拡散型電極の構造に関連しては、
電極基材の種類[2-7J、 結才T tflJであり殻7k剤であるテフロンの添加52 [l,8,9J、 さらに電極構造および作製した電極の細孔分布等[3,9-11J が電極性能にかなりの影響を与えることなどの報告がある。 また、 本研 究で取り上げたぺロブスカイト型酸化物のようにカーボン基材と比較し てかなり粒径が大きく、 また電気j底抗もかなり問題となる酸化物電極触
- 69 -
媒を用いた場合は、 その添加方法も重要になると考えられる。
そこで、 木章ではぺロブスカイト型酸化物触媒を用いたガスj広散型屯
極について、 電極基材の極領、 触煤の添加法、 触媒やテフロンの添加畳、
電極の厚さ等の72極構造に関する諸因子について系統的に検討を加えた。
また、 これらの結果に基づいて、 高電流密度が得られる酸素還元川ガス 拡散型力ーボン電極の至適電極構造の設計法及びその作製方法について 検 討した。
第2節 実験方法
2. 1 fQ極触媒
本章では、 第2、 3章の結果より酸素還元電極触媒活性の特lこ高いこ
とが明らかとなった、Lao. aSro. 2B03 (B = Co, Mn), LaMn03, Lao. 6SrO. 4 Feo. 6Bo. 403 (B = Co, Mn)の試料を取り上げ、 第2章と同じ酢酸塩分解
(A D)法で調製した。
2. 2 電極作製法
ガス拡散型電極は、 単層式および二層式の2種類の府造のものを用い た。 単層構造の電極は、 第3章の方法(一部ホットプレス法)により作 製した。 一方、 二層階造のガス拡散型電極は、 図4 - 1 (a )に示すよう にガス供給層および反応層からなる二層構造のものを用いた。 ガス供給 層には、 カーボン粉末に ポリ (テトラフルオロエチレン)(ダイキン工 業製ポリフロンD - 1、 以下PTFEと略記)を混合したもの、 および 反応層としてカーボンと酸化物触媒の混合粉末にさらにPTFEを混合 したものを調製して積層し、 これら2層を100メッシュのニッケル網集 電休上にホットプレス( 370 oc、 64MPa、 10秒)することにより作担した
[1,12,13J。 なお、 電極基体用カーボンとしては種々の表而積を持つ 7種類のカーボンす なわち、 キシダ化学製元素分析用カーボン(以下 C L 1とする、 比表面積:128 m2/g)、 キャポット社製カーボンブラック
- 70
(NaOH)三E (Gas)
Ni mesh
(a) Cross section of the electrode
Electrode
(b) Assembly of the electrode
Fig. 4-1 Gas-diffusion type carbon electrode.
(Double l ayer, semi- hy drohobic type)
X C 7 2 R (C L 2 : 252 m2/g入 電気化学工業製デンカブラック( C L
3:74 m2/g)、 1.T. B aker Chemic a l社製カーボンブラック Nori t 211 (C M 1、 650 m2/g)三菱化成製カーボンブラック#3000I3(CHl、
830 m2/g)、 Ca b o t社製カーボンブラックBP2000(CH2、1475 m2 /g)、 日本黒鉛製Aup - gr ap hite(G 1、 262 m2/g)を用いた。
2. 3 陰極特性測定法
単層式電極については第3章と同じフローテイング法により、 また二 層式の電極については、 作製した電極を図4 - 1 (b)に示すようなテフ ロン製のセルに取り付け800C、 9 MのNa側、 あるいは250C、 7 MのKOH中
で電極裏面に酸素( 64 cm3/min)を流しながら、 ポテンシ ョスタット (北斗電工製、 HA- 305)を用いて陰極特性を調べた。 参照概には同一組
成溶液に浸した Hg/HgO電怪を、 また対慢には平滑白金販を用いた。
2. 4 空気透過率測定法
空気透過率の測定は、 種々の電極材料粉末のホットプレス肢を用い、
ガスビュレ ットを用いて試料の両面に圧力差を水圧により生じさせてお き、 空気透過量の時間変化を記録す ることにより(4 -1)式より空気透過 率(K)をn出した[ 14 ]。
V.L.t-1 ニ K・ムP • A (4 -1)
ここで、 K:空気透過率[cm3・cm・cm-2・S-1・atm-1J、 V :空気透過
量[cm3J、 L :試料の厚さ[cmJ、 A : 試料の断面積[cm2J 、 ムP: 圧力差 [atm], t :透過時間[sJ、
第3節 ガス拡 散型電極の最 適構造 の検 討
3. 1 カーボン基材
まず単!門式電極について電極担体となるカーボンの粍煩を変えた とき の電極特性について検討した。 カーボンには前述の4椅類(CL 1, C 1\1 1, C H 1 ,お よびG 1 )を用いた。 これらのカーボンに電極触奴とし
てLao. sSro. 2C003を20wt%添加 し て作製 し たガス拡散型電車重の性能を図 4-2に示す。 これより、 カーボンの前類によって電板性能が大きく異 なり、 低電流密度領域(50 mA/crn2以下)では、 CIT 1、 C1\1 1、 G 1の 高表面積炭素の性能が良 い が、 高電流密度領域(300 mA/cm2)ではC L
lのカーボンブラックが表面積は最も小さいにもかかわらず他よりも最 も特性がよいことがわかる。 カーボンフラックC:M 1、 グラファイトG 1ではCL 1より も表面積は大きいにもかかわらず、 高7t流密度i或での 電流特 性は極端に悪�,。 表面積が大きいカーボンほど触奴の分散性が良
く、 高い性能が期待されるが、 反応の場である気一液-聞の三和界面の できやすさは、 カーボン自身の親水性やガス透過性に も 左右される。 こ こでは単屑式電極を用いているの で、 特に、 カーボンの電解液との親水 性、 ガス透過性、 電極抵抗、 電械の 内部構造[ 15 ]などの特性[ 16 ]の
- 72 -
5∞
トー__.
1 00
- 0.4 O -0.3 -0.2 -0.1 0
( E
vs. Hg / HgO)
/ V0.1
Fig. 4-2 Polarization curves for various carbon electrodes with 20 wt% Lao sSro 2C003・
(Single layer type)
影響を特 に受けやす いため、 その総合的な結果 として図4 - 2が得られ ていると考えられる。
次に二回式電極の反応層!日体について検討した。 この場合、 種々のカ ーボンにLa o. sSro. 2C003を25 wt先(PTFE:15 wt%)添加した も のを反 応庖 に、 ま たガス供給層 にはPTFE を3 0 wt%含むC L 2を用いた。
その結果を図4 -3 に示す。 fô: 阪 j旦体 とし て比較 的 高 表而積 のCH 1、
C H 2が電極性能が高く、 一方、 親水性の よくないグラファイトG 1で は中 程 度 の表面 積を持 ってい るにも 関わ らず、 性能 が何 端 に悪 い。 し た がって、 二層式電恨の反応府立-材は、 単層式電極の場合とは全く72なり、
高表而磁のカーボンブラックが適していることがわかった。 これは、 日 表面積のカーボンブラックCH 1の親水性が強いこと[3 ,4]、また高表 面積であるため触媒を高分散させることができ[ 17]、 より多くの反応 サイトを作ることができたためであると考えられる。 なお、 単屑式の場
- 73 -
.",.ι
l 洲凶ω|
。
-0,1
-
0
,2
〉\(。∞司、E.∞〉凶)
Surface訂ea
(m2fg)。
-0, 1
〉\(O∞同\∞出.∞〉凶)
Corbon block
門口つ/-
11
↑|| L C
-0,2 CHl
-0,3
0 300 400 500
I/mA・cm-2
nu 司B'tム ハu
200
500 qOO
300
I/mA・cm-2
200 100
。
Polarization curves for two types of carbon e1ectrodes.
(a) Single layer type ,(b) Double 1ayer type F ig. 4-4
Polarization curves for various carbon electrodes wi th 25 wt% Lao. aSro.
2C003
(in reactive layer).(Double layer type) Fig. 4-3
6∞
5∞
単屑式の場合はガスの供給と反応を両方と も-�- 合と傾向が異なるのは、
� 4∞
u ε
〈土3∞
ε 例えば日表而和ーの電極で際能させていることに起囚すると思われる。
反応サイトは地やすことができるが、 ガス カーボンを用いた場合には、
の供給については高表市積カーボン(C
H
1 )では必ずしもうまくいかな 1[!極性能を向上させることができなかったものと考えられる。電極情造 いために、
3
2-- 200 だけを用いた郎防式および二回式のガ
( C II 1 ) 図4 - 4にカーボン
.... ・4
C
H
1に30 wt先テフロンを混 (a)は、ス拡散型電極の分極特性を示す。
100 wt%テフロンを合むCHlを反応、
(b)は15
合して作製した111層式電極、
wt%テフロンを合むC
II
1をガス供給層に用いた二回式電恨の分 庖に30+0.1
-0.3
- 0.2 -0.1 0( E
vs. Hg / HgO)
I V-0.4 Ol 単一カーボンを用いた場合でも二居式電杯にすることに
極特性である。
二層構造が非常に有効であるこ より電流密度が約2倍も向上しており、
Polarization curves for various electrodes at 800C
in 9 M
NaOH.(a) with 60 wt% LaMn03 (double layer type) (b) with 20 wt% LaMn03 (single layer type)
(c) without catalyst (single layer type)
これをホ さらに、 電同触政にLaMn03を用い、
。
「111Jnud 4EEA nHU 42』A「114L
とがわかった
Fig. 4-5 40 rn
Q
)と、トプレス法により60 wt%添加した二居式屯極(右傾択抗
、ゾ
の トプレス法(a)を用い
、、,JO一m
wt犯の_�í.wì式m傾 (80 これより、 ホッ
第2章の塗布法で作製した触収添加長20 性能を比較して同4 - 5に示す。
74 75
れば酸化物量60 wt%に増加しでも塗布法(b)での20 wt%添加より逆に電 極抵抗が低下し て おり、 活性サイトの増加とあいまっ て 屯極性能は大柄 に向上し て いる。 したがっ て 、 二府防活電極を用いること、 ホットプレ ス法を用いることは酸化物のような比較的電気祇抗の大きな触似を用い る場合の高性能nJ:恒作製のために非常に有効であるといえる。
以下ではすべ て 、 ホットプレス法により作製した二府式電極を用い て 検討した。
3. 3 m極材料組成
3. 3. 1 反応居への触媒添加呈※
電極触媒とし て La 0 8 S r 0 2 Mn 03を取り上げ、 反応陪巾でのカーボン基 体( C H 1 )に 対する添加置を程々 の211合で変化させたときの電続性能 について検討した。 なお、 ガス供給居には30 wt%PTFEを添加したC L 3
を用いた。 800C、 9M NaOH中、 純円安素に対する電流需度前の触 煤添加知:
依存性を図4 - 6に示す。 �同性能は酸化物の添加:甲;が多くなるととも に低電流需度域では向上し て いる。 一方、 高電流子再度i或では25wt%と40
,...__ 50 wt%に極大が見られた。 この場合、 抵抗補正を行えは、、 電流密度は
ほぼ単調に増加することがわかった。 ただし、抵抗補正後も添加豆35 wt
%付近で電極性能がやや低下し て いること、 また電極抵抗はjド居式電極 では添加!0:2 0 -- 5 0 w t %の問で80--150 mQと大きく変わったのに対し、 こ の場合は20--30 mQとあまり大きな変化ではないことを考慮すると、 本
二庖式電極の高1tl流密度域での右傾性能は、 電極低抗だけでなく他の要 因(電極内部の微細構造など)もかなり影響を与え て いると考えられる。
※ ここで触奴添加量(wt%)とし て は反応居に使用した材料(触媒、 テ フロン、 カーボン)に対するさIJ合で示した。 したがっ て 、 電恒全体 に占める触政の割合ではない。 なお、 電極の単 位而積当りの触奴使 用塁は、 添加量25 wt%のとき、 3.53 mg/cげ である。
- 76 -
o I 川 o
o 10 20 30 40 50
LaO.8SrO.2Mn03 content I wt%
Fig. 4-6 Electrode perfonna nce as a function of Lao. 8SrO. 2Mn03 content in the reactive l ayer at 800C in 9 M NaOH.
さらに、 反応層 への触媒添加量依存性を電解液を25 oC、 7 M KOHにした 時の結果で示す(図4 - 7 )。 この場合、 電極触媒にはLao. 6S r O. 4Feo . 6 COO.403を用いた。 図4 - 6のNaOHの場合とは大きく異なり、25 wt%で極 大が得られた。 この時の電極沢抗も19----24 mQと大きく変わっていない ことより、 木ílJ:恒の電極性能はil!慢ほ坑ではなく主にíli同内祁の微細情 造に起因していると考えられる。 NaOHとKOHの電解液によって触媒添加 歪依存性が異なるのは、 200Cにおける粘度[20]は25wt%、NaOHが7 . 4 cp、
30wt%、KOHが2.4 cpと差があるため、 KOH中の方がより高い濡れ性を 示す ことによると考えられる。 以上の結果は、 電極の濡れ性は電極 内 部の微 細防 iiEと大きく関連 し ており、 これは酸 化 物の添 加 長によ っ て変 わ り 得 ることを示している。 また、 ホットプレスによる二扇情活形成という本
- 77 -
".._
nu nu nu NlEυ・〈g
の72流?密度で示した。 図4 - 8
(a) 、 (b)に反応局 、 ガス供給府に対す
る結果をそれぞれ示した。 ただし、 PTFE添加lJ1:10wt%以下では屯怪 作製が囚燥であったので、 PTFE添加量は15---40 wt%で変化させてい る。 反応wìに対しては25 wt%添加の時が最も電慢性能が良かったが
、
そ 1000...__
(〉巴
6008
4001-
800-IH何
nu 門U FO N15υ・〈E
、、、
'--" 2 0 0 ト田ベ
。 o 20 40 60
LaO.6Sr0.4FeO.6CoO.403 content / wt�
(〉呂町一ニー AU‘
Fig. 4-7 Electrode performance as a fünction of La o. 6Sr o. 4 Feo. 6 COo. 403 conten t in the reactive layer at 250C in 7 M KOH.
� 200
、、_./
』・4
(a)
。
電極作成法は、 �!同抵抗をあまり大きくすることなく般化物触奴の添加
畳を増加させる方法として有効であることが明らかとなった。
工o 20 30
PTFE content
/
wtσ/1500
3. 3. 2 PTFE添加畳の効果
PTFE結着型カーボン電極において、 PTFEは電極基材の粘着斉1J である
と
同時に、
電極の援水斉IJと
して機能す
る。 渡辺らは、
P T f Eは o . 1μm 以下の細孔( 1次孔)には全く入らず、 0.1μm (1000A)以上の 細孔(2
次孔)にすべ
て姉入されること 、
掻水性PTFEの存在す
るこ の 2次孔がガスネットワークを形成し、 PTFE の 存花しない1次孔が 電解液ネットワークを形成すると報告している[1,21J。 したがって、こ
の よ う に電 極 内 部
の微
細構 造
に大
きく 関 与
しているPT FE添加
歪に ついて、 反応居およびガス供給層における最適侃の検討を行なった。 反 応屑月]のカーボン基材にはC II 1を、触媒にはLao. 6SrO. 4Feo. 6 COo 403(添加市25
w
t引を、 ま
たガス
供給 居
間のカーボン忍材
にはCL 3を 使用
した。 7主同性能は、 25 oC、7 M KO Hrllでの純酸素に対する間々のむ仇で
nu F「J
「ノ』1ム
N1 5 υ・ 〈 巴 ーム
\(〉gom--
定 750
"-'
� hu /'t\ \EF/
500 10 20 30 40
PTFE content
/
wt%50
Fig. 4-8 Electrode performance as a function of PTFE content in the reactive layer (a) and the gas supply layer
(b)
at250C i n 7 M K 0 H .
- 78 - - 79 -
PTFE添力[1:ftlによ したがって、
の添加量依存性は単調ではなかった。
一方、 ガス り内部構造にも大きな変化が起こっているものと思われる。
(a) 工400
トl
E
u
21200
、、、
〉E
tn 口1000
<:cs
�
PTFE添加呈が増加すると電極性能は急激に低下 供給屑に対しては、
w t% Lao. 6
反応居用粉末(25
23wt%が最適添加歪であった。 次に、
し、
C }I 1 )あるいはガス供給居川粉末(C L 3 )に間々の長の
Cao 4C003 +
図 PTFEを添加して作出したホットプレス肢の空気透過不を測定し、
どちらの場合も空気透過率はPTFE 添加!
これより、
4 - 9に示した。
同じPTFE添加量ではガス供給Jfrìの方が反 歪が多くなるほど低下し、
応居よりも約2倍も空気透過率が高いことがわかった。
18 Thickness of reactive layer / mg・cm-2 2000
1500
14 16 10 工2
800 8
1000 NIEυ・〈E\(〉gmUN--百)日
0.15
\、,f' hu /41、
(a)
0.10
0.05
(-l E
百・7∞・N15υ-EU・m一
E υ)凶
40 50 20 30
Aυ Aυ AV AV
10f'\ LU 、、.,ノ
PTFE content / wt%
8 10 12 14 16
Thickness of gas supply layer / mg・cm-2
Electrode performance as a function of the thickness of the reactive layer (a) and the gas supply layer (b) at 250C in 7 M KOH.
Fig. 4-10
500
Relationship between air permiability (K) and PTFE content in the reactive layer (a) and the gas supply layer (b) at 250C.
Fìg. 4-9
電同の厚さの検討 3. 3
3.
ガス供給屑について 電極の厚さの電極性能に及ぼす影特を、 反応層、
wt%用いて検討し M NaOH中、 Lao. 6SrO. 4Feo. 6COO 403触媒を25
800C ,9
ガス供給府ともに 9
.
5mg/cm2、
トプレスに用いた粉末歪がそれぞれ1 1 反応用、
その結果を図4
-
1 0 (a), (b)に示す。根大が表れ、ホッ fこ。
8 1 80
....--
力、 600 このときの反応層の厚さは約200μ臥
mg/cm2が最適使用 量であった。
ス供給居は約200μmであることを走査電子顕微鏡( S E 1\,1 )観察により はガス拡散型電極の厚さに関して詳しく検討し 500
「1ElJnuU 4EE-.
ri--L 確かめた。 見城ら
件。。
多孔質酸素電極には厚さ方向に一定の幅をもっ反応帯があり、
ており、
この値は、 本 その厚さは活性炭電極で約200μm以下であるとしている。
図4 - 1 0 300 研究における最適な反応層厚さとほぼ一致している。 なお、
ガス供給層ともに電 において極大値が表われた原因としては、 反応層、
極があまり厚すぎる場合にはガスの肱散性が悪くなるとともに電極の電 200
。 ガス供給層ともに7E極があま
また、 逆に反応層、
気抵抗が地加するし、
ユ,0 x in Lal-xSrxFeO.6CoO.403
0,8 0,6
0.2 0,件
。 り薄くなりすぎると電極を通しての電解液の浸透が起こりやすくなって
しまい、 反応の活性サイトである三和界面ができにくくなるためである
Electrode performance as a function of x in Lal-xSrxFeo. 6COO. 403
a t 80 oC i n 9 M N aO H . Fig. 4-11
と考えられる。
穏々の酸化物触蝶の添加効果 3. 4
酸化物触燥の添加効果については、 単庖式電極の場合はすでに第3
20
15 宇田『I
b心
�
αつ
10 __
�
,ム4
「ヘJ
ここでは二層式電極における効果について検討 ヰで検討しているので、
を加えた。
25
20 15
-i∞・5υ寸。- 過酸化水素分解能が高いため炭素系電極の電極触媒として注目
まず、
添加量を25 wt%とした時の 6COO.403系について、
Lal-XSrX Feo される
図4 - 1ユには
9 M NaOH中)を調べた。
ガス拡散型電極の特性( 80 oC ,
Hg/HgO)における電流宮度とSr添加量xとの相関を示した。
(vs.
-1 50 mV
極大{î[Iを
x = 0.4の触媒を添加した電極の性能が最も日く、
これより、
一一v-\ ユ0
また、 x2::0.2の場合にはいずれも400 mA/cm2以上の 示すことがわかる。
x = 0では性能はかなり低い、 以前に示し
電流密度が得られているが、
たRRDE法及び過酸化水素分解速度の測定より求めた各酸化物触奴の FhJ しはX� 0.2ではいずれも8(s - 1 k1およびkwの値を図4 - 1 2に示した。
。 1,0 0.8
0,6 0.2 0.4
G G 電極
o . 4で最大値を示している。
k 1 はx =
• g - 1 )以上の高い値を示し、
x in Lal_xSrxFeO.6CoO.403 kw値の大きさとほぼ相関が見られ、 特にしとk 1の値
性能と比較すると、
k1 and kw for Lal-xSrxFeo. 6COO. 403 as a function of x . Fig. 4-12
0.4の時に最も高い性能が得られていることがわかる。
sFeo 2)およ
Nlgυ・〈g\(〉gcmu--ち)同
Mn 。
Co, sSro. 2B03 (B = Mn
電極触煤としてLa。 とも大きし\ X =
さらに 、
82 83
0,1
つ」
『J
内U ハU λ日当 A斗- nu nu
nu 門ハ FlU M門 fo rb
nu nu ρ」
ρu
「pit
A叫- AH.
円u nu rl rl 戸\U
rb
F\u円U fo 門υ ハu nu
!」 lL
/ん
0,1
〉
、、、、
包-0,1
z
、、、む心 同
υつ〉 凶
。
-0,2 Lo" ,-Sr" 0.60'0.4' .Fe" "Mn" '"'0.61!1'0.4\..13 . 0
Lo" rSr" .Fe" "[0,, AO 0.60'0.4' '"'0. 6,",\..10.4\..13 Lo" oSro . 8 v 1 O. 2"11 \..1 3 門n 0
「J 可d
ハU
門/】 ハU
・ 門U nu ptし ρレ フ』
にl
・ no nu
・ ri nu ハ\u nH no M川
・
つ』 nv
・ 門U O IL
rl ハ\u
nu
nu 門ull」G
-0,1
-0,3 -0,2
〉\(O∞エ\∞2.∞〉凶)
-0,3 -0,4
O 0,2 0,件 0,6 0,8 1,0 1.2
-0,4
1/ A・cm-2 O
1.2 0,8 ユ,0
0.4 0,6
1/ A・cm-2
0,2
carbon electrodes with in 9 M NaOH.
ρU+L 円b nHυ p十ムハU 「Lo
庁ハし
v a
r
U1ノ
cvm4lb
n w
0
.,iFhlu +しnL
ndf1、ヴ心
・1よ 円、u
r e a句G
1i
・1
0
nrA
x Fig. 4-13ハU
Polarization curves for carbon electrodes with oxides (40 wt%) at 800C in 9 M NaOH.
Fig. 4-14 wt%添加した電 恒の分恒 巾
Co)を25 びLao. 6SrO. 4Feo. 6B'o. 403(B'= Mn.
k1値が大 きいBサ イ ト に を図4 - 1 3に示す。
9 M NaOH中) 紋(80 oc
,
ン上でも酸素の2電子還元が起こる比較的卑な電位である と考えられる。
6SrO. 4Feo. 6 特にLa。
Mnを含 む 円安化物では電極性能はいずれも高く 、
I\Feo 6B・o 1\03 (B・=
つぎに高電流街度での性能が優れていたLao. 6Sr。
mA/cm2もの値が行られた。 こ�'l Hg/HgO)で500
mV(vs.
MnO.403では-125
添加量を40 wt%と附加したと Co)およびLao. aSro. 2Mn03について、
Mn 2C003は過般化水素分解能が比較的大きいにもかかわら
8Sr 。 に比べLao
Lao. aSro. 2Mn03の場合には口市流 きの分怪1111線を図4- 1 4に示した。
kwの{位がとも これら触収の 巾では電 極 性能は低い方であ っ た。 k1、
ず
6B'o.1\03 密度での性能はあまり改善されなかったが、 Lao. 6SrO. 1\ Feo
一口問
に大きいLao. 6SrO. I\Feo. 6COO. 403は低電流密度域でのぞI�能 は低いが、
wt%のときより数倍向上した。 すなわ Co)では電 極 性能は25
Mn 403と同 程 度の高い性能が得られた。 (B・
電流密度域ではLao. 6SrO. 4Feo. 6Mno
Mnでは950 mA/cm2、B・ Coで Hg/HgO)において、 B'二
mV (vs 一125 他の触媒を用いた湯合の ち、
mQであ り 、 この触媒を用いた電極の抵抗は15
これ これらの値は、
は1600mA/cm2もの高電流密度を得ることができた。
高電流街度成で の 特性が良い らべるとやや低いため、
約20----30 mQとく
とほぼ同じ
「tl」円/“ 円/】「llL
までに報告されている最も高活性な白金系電極の性能 H02-
この酸化物の過酸化水素分解能は非 常に日いので、 と考えられる。
403を用いた電極 Lao. 6SrO. 4Feo. 6Mn 。
このとき、
それ以上である。
k 1 {ill か、
経由の2電子還元反応、もかなり進行している可能性がある。 また、
mQよりもやや高いにもか 2Mn03の23
Lao. 8Sr 。 mQであり、
の抵抗は26 電極右位が
の大きい酸化物がいずれも優れた7L!極性能を示すことから、
Lao. 6SrO. 4Feo. 6COO. 4
ー
mQとかなり低いことがわかった。 」ー
高電流密度域での性能が高い。 一方、
03を用いた場合には電同ほ抗は15 かわらず、
比較的責な条件ではこ の 酸化物 の 4íU子還元活性が電杯性能に主として 過目変化水素 分解能が作用するのは、 カーボ
貢献していると考えられる。
85 84
の3つの試料の過酸化水素分解能(kw)の序列はLao 6SrO. 4Feo. 6COO. 4 03 (16 S-l・g-l) > Lao. 6SrO. 4Feo. 6Mno. 403 (2.7 S-l・g-l) > Lao. 8
Sro. 2Mn03(O.5 S-l・g-l)であり、 高屯流密度域での1Gr�性能と一致し
た。 前述したように、 電極右位が_!;)1.な条件で高ffi流密度を作る場合には、
過酸化水素の分解活性が電極性能に主な影響を与えていると考えられる。
以上のことから、 酸素還元用電極触奴としては4電子還元を進めやす く、 また2電子還元反応生成物であるH02ーの分解能が高いことが望まし く、 その添加量は電極の電気抵抗が問題にならない限度内でできるだけ 多くした方が望ましいことがわかった。 さらに、 本章では、 ホットプレ ス法で作製した二信i.tm造の電怪においては、 反応居中に触奴を40 wt%と かなりの量添加しでも、 電極}底抗を増加させることなく高活性なガス拡
散型電極を作製し得ることを見出した。
第4節 高性能ガス拡散型電極の設計指針
第2、 第3章で示したように、 いくつかのペロブスカイト型酸化物は 優れた酸素還元用触媒として有効である。 ただし、 電極の市電流?再度化 を図るためには、 電極抵抗を増加させることなく添加畳を多くするか、
あるいは触媒を高分散させることによって、 いかに電極中に活性サイト (三相界面[23] )を多く作ることができるかが重要である。 図4 - 1 5
に三和界而の概念、図を示す。 気相の酸素は回相の触奴上で還元されるが、
電気化学的駿素還元反応が起こるのは酸素が液相に溶存した後であるの で、 液相に接しているEの部分の触奴だけが反応に関与し、 Iの部分の 触媒は全く反応に関与しないと考えられる。 したがって、 抵抗の大きな 酸化物触媒をIの部分から排除することにより、 電極抵抗の低減化を図 ることができる。 すなわち、 電解液に濡れやすい親水性の反応用にすべ ての触媒を存在させるこ層構造の電極は、 電極?氏抗の低減化の而でも有 利である。 さらに、 三相界面における反応が律速になるのは、 気相隙素 が電解液に溶け込む段階であるので、 気相酸素は三和界而の近傍まで気
86
Gas phase Liquid phase
I E
Solid phase (Catalyst)
Fig. 4-15 Schemat ic diagram of three-phase interface.
Active layer Gas supply layer
/一---へ一一一\
üz
O2
Fig. 4-16 Schematic model for O2 reduction on a gas I
diffusion electrode [lJ .
I
87