九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
プレファブ鋼床版を用いた橋梁床版架け替え工法に 関する研究
中村, 聖三
https://doi.org/10.11501/3105032
出版情報:Kyushu University, 1995, 博士(工学), 論文博士 バージョン:
権利関係:
第6章 実橋梁への適用と現場実験
6 .
1 緒 言
第4章では、 本工法における既設主桁と鋼床版、 既設主桁と増設支持横桁、 鋼床版と支持横 桁などの連結部の構造詳細を決定すべく実施した部分模型実験について、 実験方法と結果を概 説した。 また、 第5章では、 全体構造模型を用いた施工試験および載荷試験により、 本工法の 施工性、 耐久性を含めた力学特性について検討した結果を述べた。 以上の検討により、 本プレ ファプ鋼床版工法の基本部材構成や主桁と鋼床版との一体化の方法、 補修後の耐久性の確認な ど構造的な問題に関する技術的な検討をほぼ終え実橋への適用が可能となった。
本章では、 本工法の実橋への適用例を2例紹介し、 それぞれの橋梁で実施したいくつかの現 場実験について概説する。 1 例目は本工法の初の施工実績となった東名高速道路における合成 桁橋の床版架け替え工事であり、2 例目は川崎製鉄(株)千葉工場内の橋梁の拡幅・補強工事で ある。 前者は工事用車両を通しながら分割施工で行われており、 本工法の本来の目的である床 版架け替え工事に対する典型的な適用例であると考えられる。 現場実験としては、 床版架け替 え前後で静的載荷試験、 荷重車走行試験、 および応力頻度測定を行い、 床版架け替えによる力 学特性の変化を調査した。 また後者は、 当該橋梁の交通容量および耐荷力の向上を意図して実 施されたものであり、 本工法の種々の改築に対する適用の自由度の高さを示す好例であると考 える。 本橋梁においては、 設計荷重など特殊な条件下での工事であるため、 改築設計の妥当性 と補強効果を検証することを目的として、 改築工事施工中および完成後に静的載荷試験を実施
するとともに供用後に応力頻度測定を行った。
6 . 2
東名高速道路における損傷RC床版の架け替え例と現場実験
6 . 2 . , 工事の背景1)
東名高速道路は昭和44 年の全線供用開始以来、 既に20年以上が経過しており、 鋼橋のRC 床版には疲労による2方向のひび割れや貫通ひび割れなど各種の損傷が見られるようになって きている。 このような背景から、 東名高速道路の大井松田~御殿場I.C.聞においては、 平成 3 年3月に開通した上り3車線の新線供用開始と同時に、 これまで供用していた上下各2車線の リフレッシュ工事が行われたO リフレッシュ工事は都夫良野トンネルの改築から舗装の改良、
交通安全・管理施設の改築、 橋梁床版の改良までに及ぶ大規模なものである。 このうち、 橋梁 床版の改良は上面増厚工法による10橋の改良、 および全面打ち替え工法による4 橋の改良か らなる。 全面打ち替えによる改良は東名高速で初めての試みであり、 鋼床版、 鋼・ コンクリー ト合成床版(コンポスラプ)、 現場打ちI型鋼格子床版の各床版が用いられ、 このうちのl橋に 本工法が採用され、 初の施工実績となった。
本橋における床版架け替え工法の選定に際しては、 以下に示す項目に配慮して、 現在提案さ れている種々の床版架け替え工法の特徴が比較検討された。
① 現床版が旧設計基準で設計されているため床版厚が薄く、RC 床版に打ち替える場合 には現行の基準に準拠した床版の増し厚が必要となる。 つまり、RC床版を用いる場合 には死荷重の増加による主構造への悪影響は不可避であり、 別途対策が必要となる。
また、 死荷重の増加が二次部材へ与える影響についても検討する必要がある。
② 本橋付近は地形が急峻であり、 迂回路の設置が困難である。 また、将来の交通規制 を実施しながらの床版架け替え工事を想定し、 所要工期、 特に高速道路上の交通規制 期間ができるだけ短く、 梨け替えにともなう付帯工事の少ない工法が望まれる。
その結果、(a )主構造の補強を兼ねて床版架け替えを行い得ること、(b ) 工事用に1車線 を確保し半幅段階施工が容易に行えること、 などの鋼床版工法の優位性と、(c )将来におい て増加が予想される床版の全面架け替えに対する検討対象工法を増やす必要がある、(d) RC 床版への打ち替えは主構造へ悪影響を与えかねないこと、 などの理由から本工法が採用された。
6.2.2 床版架け替え工事の概要
( 1 ) 対象橋梁
本橋梁は、 東名高速道路旧上り線の66.1kpに位置する橋長4O.0m、 有効幅員12.3mの単純活 荷重合成桁橋である。 図-6.1 に床版 改良前の構造諸元を示す。
本橋の構造的な特徴として、 以下の項目を挙げることができる。
① 主桁間隔が3.4m とかなり大きい。
② 主桁には、 昭和42 年に鋼道路橋追補として鋼道路橋への適用が認められたSM570 材が用いられており、 主構造の薄肉軽量化が図られたためたわみ易い。
① 旧示方書(昭和 39年度版)に基づき設計されているため、 圧縮部材や床組系において 現行道路橋示方書(当時平成2年度版)における許容応力度の超過が大きい。
以上のような構造的な特徴に加え、 本橋は我国でも有数の重交通路線に位置するため、 床版 の損傷が著しく、 縦桁、 対傾構の増設や床版の部分打ち替えなどの補修が実施されてきた。 し かし、 これまでに 実施された対策のみでは、 抜本的な解決策になっていない状況であった。 さ らに、 昭和 62-63 年に床版の損傷度調査が行われ、 図-6.2 に示すように損傷度A、 B(表- 6.1参照)にランクされるパネルが21パネル中10 パネルで全体の 47%に達し、 床版の状態が悪 いことが改めて明らかとなった2)。 このような状況から、 床版が全面架け替えされることとな った。
( 2 ) 工事の概要
床版架け替え工事の概要は以下の通りである。
・新 設 床 版:バトルデッキ型プレフアプ鋼床版(デッキプレート厚16mm) -施 工 形 式:半幅施工(登坂車線側一期施工)
-部材の撤去・ 増設:縦桁撤去、 横桁およびプラケット新設
.橋梁の死荷重変化;・163toぱ(・31 %)
-施 工 期 間:平成3年 8月22日~平成3年 12月1日
床版架け替え工事は、 常時工事車両の通行が可能であるよう、 片側l車線を降保しながら半 幅施工方式で行われた。
橋 格 一等橋(設計荷重:Tし20) 40000
橋 長 L=40.0 m 39 200
毛主5芭:;-1>>
支 間 長 S=39.2 m
_JL -一
-h----�J� 員 車道有効幅員 12.3 m
全 幅 13.95 m
形 式 単純活荷重合成桁 平面線形 斜角 87.08' 横断勾配 5.691%片勾配(最大) 床 版 RC床版(床版厚: 18cm) 命日 装 アスブアルト舗装(舗装厚: 7.5crn) 使用鋼材 主桁部:SM570, SM490, SS4∞
・ーーー -ーーーー ・司・・ー -・・園町・・・・・‘・.-・_ ・圃ー ・F圃_-圃'
側面図
13959.7 '
950
,
4 12 305.1 700.3~開司h lg
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適用示方書 昭和39年 鋼道路橋示方書
断面図
名古屋
名古屋
図-6.1 改築前の橋梁諸元
B D D D C
A B C A B C B 東京
C B C B B A D
(路肩側) ( a ) パネル別床版損傷度
3.83 4.06 3.59 4.95
8.81 6.26 6.43 5.79 5.71 東京
6.08 7.52 7.02 7.42 7.12
(路肩側) ( b ) 平成3年度床版撤去時のパネル別ひぴ、割れ密度(p=LlA rnIrn2)
図-6.2 RC床版損傷度調査結果2)
表-6.1 RC床版損傷度の判定規準3)
( a ) パネル別床版(主桁×横桁)の損傷度判定基準(遊離石灰)
損傷度 床版の状況 判定の標準
一 遊離石灰が2方向に発生しており、 両方向ともその間 損傷が著しい。
般 隔が50cm以下で、 かつ、 遊離石灰が泥水、 錆汁で変色緊急な補修が必要。
A 部している。 また、fBJでその進行が早いもの。
継 施工継目部において、 遊離石灰が泥水、 錆汁で変色し 目ている。
部
一 遊離石灰が2方向に発生しており、 両方向ともその間 損傷が大きい。
般 隔が 50cm 以下で、 その色が白いもの。 また、fcJでそ早急な補修が必要。
B 部の進行が早いもの。
継 施工継目部において、 遊離石灰が発生しており、 その 目 色が白いもの。
部
遊離石灰が2方向に発生しており、 いずれかの方向の間隔損 傷 が 大 き く な り つ つ あ
C が50cm以上となっている。 る。
(亀甲状となっていない、またはその間隔が大きい。) 適時な補修が必要。
また、fDJの損傷度でその進行が早いもの。
D 遊離石灰が1方向に発生している。 損傷は小さい。
定期的な点検が必要。
E 遊離石灰が認められない。
( b ) スパン別床版(支間×幅員)の損傷度判定基準
損傷度 床版の状況 判定の標準
t員傷が著しい。
床版パネルの40%以上にB以上の損傷がある。
緊急な補修が必要。
床版ノfネルの30%以上にB以上の損傷がある。 損傷が大きい。
E 早急な補修が必要。
床版パネルの40%以上にD以上の損傷がある。 損傷が大きくなりつつある。
皿 適時な補修が必要。
床版パネルの30%以上にD以上の損傷がある。 損傷は小さい。
W j高時な補修が必要。
床版パネルの30%未満にD以上の損傷がある。 損傷は小さい。
V 部分的な補修が必要。
( c ) スパン別床版の損傷度と全面補修工法
全面補修工法
損傷度 床版の状況 全面打替
あるいは 縦桁増設 防水工 上面増厚
床版パネルの40%以上にB以上の損傷がある。 。 。 。 E 床版パネルの30%以上にB以上の損傷がある。 。 。 。
回 床版パネルの40%以上にD以上の損傷がある。 。 W 床版パネルの30%以上にD以上の損傷がある。 。 V 床版パネルの30%未満にD以上の損傷がある。
※ 各補修工法でO印のものは、 合わせて行うものとする。
また、 増桁は床版厚が薄い場合(S.47以前の示方書適用分)に採用する。
( 3 ) 設計
1 ) 設計条件
本床版架け替え工事においては、 以下の設計条件のもとで既存主桁、 鋼床版、 増設支持横桁 などの部材応力の照査を行った。
① 橋 格 : 一等橋
② 設計荷重 TL-20(鋼床版π-43考慮)
③ 橋 長 L=40.0m
④ 支間長 S==39.2m
⑤ 幅 員 : 車道有効幅員 12.3m /全幅13.95m
⑥ 形 式
⑦ 平面線形
③ 縦断勾配
① 横断勾配
⑬ 床 版
⑪ 舗 装
⑫ 添加物
⑬ 使用鋼材
⑭ 適用基準
単純支持プレフアプ鋼床版橋 斜角 右 88011・31"
1.8025%
7.0-2.0%
バトルデッキ型プレファプ鋼床版 デッキプレートt=16mm 縦リプ CT-250X2∞X lOX 16
基層 硬質エポキシアスフアルト舗装 40mm 表層 アスフアルトコンクリート舗装 40mm 照明・ 通信ケープル(鋼製地覆内)
主桁部 SS4∞、SM490、SM570 鋼床版部 SM490
T橋床版工事 特記仕様書 H3.1.
(日本道路公団東京第一管理局御殿場管理事務所)
設計要領 第二集 S55.4. (日本道路公団)
維持修繕要領(橋梁編) S63.5. (日本道路公団)
道路橋示方書・同解説I共通編、 E鋼橋編 H2.2. (日本道路協会)
平面図および標準断面図を、 それぞれ図-6.3および図-6.4 に示す。
間床版ハ・H聞紙手 既存ヂ1傾情 SPL
・一一-一一一一一一.._.. S唱AY 既存主桁
I曾設績桁 G
て 阿国段以品川店低騒 2 ) 鋼床版の設計
増設横桁と既存主桁により構成される一種の床組上に支持される縦リプ主体の鋼床版として、
活荷重および死荷重に対して応力の照査を行った。 具体的には、 以下に示す2通りの方法で床 版の断面力を求め、 大きい方の断面力で照査を行った。
「直交異方性版理論による鋼床版実用設計法J4)に基づき、 鋼床版縦リプ及び横桁(横 リプと見なす)の断面力の最大値(縦リプ横桁間中央Mrc、 縦リプ横桁上: Mrs、 横桁;
①
Mr)を計算図表を用いて算出する。
G
縦リプとデッキプレートの有効幅からなるI形梁を横桁で剛に支持された無限数連 続梁と仮定した場合の縦リプの断面力の最大値を求め、 横桁については、 主桁位置で 支持された連続梁として最大断面力を算出する。
なお、 張り出し部の縦リプの断面力は、 安全側の仮定として横桁位置で剛に支持された無限数
。
②G山川 G
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旬
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TOKYO 94-
連続梁として求めた。
図-6.5に仮定した鋼床版の標準パネル構造モデルを示す。
主桁の設計
3 ) 7(ô) 5 ffJJ = 392∞
392CO
』一
鋼床版に架け替え後の主桁は、 有効幅を考慮した鋼床版デッキプレートと縦リブ断面を上フ 改築後の平面図
図-6.3
ランジとし、 主桁上縦リプと主桁上フランジが長尺ボルトにて連結(完全結合)された鋼床版桁 と考えた。 また、 断面力の算定は既存対傾構と増設横桁を荷重分配桁とし、 単純格子桁として 変形法により行った。
断面力は、 一期、 二期床版撤去、 鋼床版載荷の各ステップごとの荷重と剛度を用いて算出し、
集計した。 図-6.6には、 今回考慮した6段階の施工段階と断面構成を示す。
施工
作業工程の概要 ( 4 )
1 )
本工事が大井松田I.C.----御殿場I.c.間の反転リフレッシュ工事に伴う約4ヶ月の全面通行止 めを利用して行うことから、 本橋に隣接する他の改良工事の工事用車両通行を確保する必要が あった。 そのため、 常時片側一車線を供用可能な状態にすることを制約条件として、 半幅段階 施工を基本に作業工程を立案した。
改築後の標準断面図 図-64.
工程的には、 現地工事に約4ヶ月と鋼床版工法の工期としては十分なものであったため、 本
=1:去の標準的な手順とは若干相違する作業方法、 施工手順を採用した。 図-6.7には、 施工手 )Imを模式I�Iにして示すれ また、 計画工程の概要を表-6.2に、 施工手)IINの詳細を図-6.8に示す。
さらに、 施工状況を写真-6.1に示す。
2 ) 支持横桁関係部材の施工
鋼床版を支持するために増設する横桁の取付に先立ち、 取付に支障となるRC床版補強縦桁 の撤去を行った。縦桁の取り外しはチェーンプロックで吊った状態で、 インパクトレンチにて 高力ボルトを弛緩、 撤去した後、 チェーンプロックを用いて、 足場上に下ろした。 その後、 こ れを台車で山側の足場張り出し部に移動させ、 橋面上のクレーンで撤去した。縦桁撤去後、 横 桁の増設を次の手順で実施した。①塗膜除去→②罫書き→③孔明け→④補剛材( 横桁取り付け プラケット)取り付け→⑤横桁取り付け→⑤TCボルト締め付け
以下に、 各作業の詳細を示す。
① 塗膜除去および罫書き:ウェプ面の補剛材取り付け 位置の塗膜をディスクグライン ダーを用いて除去し、 図面に基づき罫書き棒、 ポンチにて取り付け位置、 穿孔位置を 罫書く。
② 孔明け及び補剛材取り付け:電気ドリルを用いてウェプに穿孔し、 補剛材(横桁取り 付けプラケット)をTCボルトで取り付ける。
① 横桁取り付け:RC床版撤去前に横桁をチェーンプロックにて懸架した状態で、 TC ボルトを用いてウェプに取り付ける。 上フランジとの接合は、 主桁孔明けと同時に実 施した。
3) R C床版撤去工
下記手順で、 既存RC床版の撤去を行った。 なお、 当初計画では床版の小ブロック割りはジ ャイアントプレーカーを用いる予定であったが、 撤去後の床版を疲労試験などの調査に用いる ため、 全てカッターを用いた。
① 床版カッター工:一次、 二次施工部の境界線を、 カッターにて全線切断した。
② 舗装撤去工:引き続きプレーカーおよびトラクターシャベルを用いて舗装の撤去を 行った。
① RC床版撤去工:床版の解体は、 高欄をカッターにて切断撤去後、 予め決められた供 試体寸法に応じて橋軸直角方向にカッターを入れ、 最後にラフタークレーンにて而っ た状態で主桁上フランジ線に沿って切断、 撤去した。 なお、 最終的に残った主桁上の 床版は、 プレーカーを用いて手作業にて解体、 撤去し、 床版撤去工を終了したO
4 ) ブロックジベルの切断および上フランジ穿孔
制床版と主桁聞の連結には、 長尺ボルトによる連結と無収縮モルタル充墳の併用法を採用し た。 基本的には、 既存のプロックジベルはアンカー用ループ筋を切断するのみで、 鋼床版への 架け替え後もズレ止めとして再利用したが、 長尺ボルトによる連結部と干渉する部分(32ケ所/
桁)では撤去した。 この際、 プロックジペルを根元の約5mmを残しガス切断した後、 グライン ダーで平滑な状態となるよう仕上げた。
主桁の上フランジは、 鋼床版パネル設置後、 ボルトおよびズレ止めと無収縮モルタルにて両 者を一体化する必要があることから、 ディスクサンダーを用いて第3種ケレンを行った。 また、
鋼床版との連結部は、 図面上の配置位置に基づき、 電気ドリルを用いて孔明けした。 横桁取り 付けの孔明けは、 RC床版撤去後の主桁の横方向変位などの影響による寸法誤差を現地で吸収 する必要があることから、 横桁添接板を取り付けた状態でアテモミ(リーマ通し)を行った。
5 ) 銅床版パネル設置工、 施工基面の管理
主桁の上フランジ整斉終了後、 支持横桁に計算にて求めた厚みのライナープレートを仮置き し、 鋼床版パネルの設置を行った。 鋼床版パネルは35toぱ吊りラフタークレーンで吊り上げ、
レバープロックを操作し所定の位置に架設した。 図-6.9には、 鋼床版パネル架設における施 工機械の配置状況と施工要領を示す。
STEP-l 床版架け替え前 MO. SO.Õo Ios, Iov, IOQ
STEP-4 2期分床版撤去時 MO. SO. õo
10s, 11V, �
L 卜\パ�/卜\パ 4 L
卜マ?て外、ァ4
l期分床版撤去時
STEP-2 STEP-5 2期分鋼床版敷設時
40∞ M1• SI, ÒI MJ, S}t ÒI
Ios, 1ov, 10Q 1os, 1ov. 10Q
L l
代プ?てプ代プ|
」一J1 4
k/T'V小\パ
デッキプレート厚 縦リプ
横桁
STEP-3 1期分銅床版敷設時 STEP-6 活荷重載荷時
t
=
16mm (SM490)CT・250x2∞xlOx16 (SM490)
H - 4∞x2∞x8xl3 (SM490)
MIs, SIS, ÒIS
ゐs' Iov, 1OQ, 1vQ σlV) 舗装、 壁高欄、 防音壁
L l
代プ「てプ代プ|
図-6,5 仮定した標準版構造(主桁問)
L 4
代プ代プ卜マペ
図-6.6 主桁断面力を算定した施工段階とその断面構成
S T E P 1
縦桁1敏去 S T E P 4
問先パーパよ
IEー2期施工卦モー
S T E P 2 t業桁架設
舗装!敬去
S T E P 3 一工
エ パAザ
糊去タ去高価問ツ
徹
笠 壁
力 側
立回
阪高 遮床壁
量E奮� tQ:.I
図-6.7 施工手順の概要
表-6.2 概略作業工程
8月 9月 10月 11月 12月
一期施工: 二期施工寸→
準備(足場、 防護工)
RC床版、 壁高欄撤去 -
鋼床版設置 _._ -
壁高欄、 地覆設置 - -・・・・・ l
遮音壁の設置、 舗装等 -圃・・・
現場塗装工
{一期施工}
[二期施工]
図-6.8 施工手順のフローチャート
⑤ RC床版カッタ一切断
⑨ ライナープレート設 ⑬
⑬ 現場舗装状況
@ 地設支持横桁取付完了
写真-6.1(a) 施工状況(その1 )
@ ⑪ 銅製高欄設組作‘“ ⑮ 工事完了
写真一6.1(b ) 施工状況(その2)
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予定 m:
35t77j-り-ï/作業半径(最大) 9. 0 m;吊能力(中間張出し5. 4m)8. 4 t
図-6.9 鋼床版パネル架設要領
ミと=:::::::::
6.2.3 静的載荷試験
( 1 ) 試験方法
1 ) 計測項目と計測位置
プレフアプ鋼床版によるRC床版の打ち替え工法を適用した場合の力学的特性の変化を調査 することを主目的とするため、 静的載荷試験、 荷重車走行試験、 および頻度測定においては以 下に示す橋梁各部のたわみ ・応力を計測した。 また、 測定断面は活荷重による応答値が大きく なるスパン中央付近とした。 図-6.1 0にたわみ・応力の測定位置を示す。
① 主桁および縦桁(施工後は横桁)のたわみ
② 主桁の応力
③ 対傾構取り付け部の応力
④ 対傾構各部の応力 施工後のみ
⑤ 鋼床版(デッキプレートおよび縦リプ)の応力
⑤ 横桁およびテンションプレートの応力
2 ) 計測方法
主桁および縦桁(施工後は横桁)のたわみは、 地上から2m前後の高さまで組み上げた銅製パ イプに、 電気式変位計(Imm : 500μ出力)を取り付け測定し、 各部の応力については主桁ウエ プは3軸ひずみゲージで、 その他の部位(鉄筋も含む)はl軸ひずみゲージで測定した。
施工前後とも載荷は総重量20tonf(前輪:約4.5tonf、 後輪:約15.5tonf)の荷重車を用い、 登 坂・ 走行・追い越しの各車線中央に17点ずつ、 図-6.11 に示すような位置に後輪中央が載る ように行った。 また、 施工後については、 横桁・添接板など着目する測点直上にも載荷した。
写真-6.2に載荷試験状況を示す。
( 2 ) 試験結果と考察
ここでは、 施工後の静的載荷試験の結果の一例を示し、 主として新設部材の挙動について考 察するとともに、 計測された応力を設計値と比較することにより、 設計の妥当性を検証する。
図-6.12 には走行車線載荷時の横桁と縦リプの代表点について、 発生応力を影響線様式で、示 し、 図-6.13には測定断面立I�に載荷したときの断面の応力分布を示す。 さらに、 表-6.3 に は各部材で計測された応力の最大値を設計値と比較して示す。 これらの図表から、 以下のよう
なことが言える。
① 活荷重の影響を受けて応力が急激に上昇する範囲は、 横桁で約12m(測定断面の両側 各6m)、 縦リプで約5m(測定断面の両側各2.5m)である。 測定断面近傍の横桁間隔が 3-4 mであり、 縦リプ応力測定位置が縦リプ支問中央(横桁間隔中央)部であることを考 えると、 縦リプについては着目点前後1支間ずつ、 計3支関上の荷重のみが影響する ものと考えられる。 横桁については、 縦リプの影響線長よりかなり長いと言える。
② 縦リプの応力は輪荷重近傍で大きく、 それ以外の縦リプも若干荷重を負担している。
また、 横桁は載荷支聞に発生する応力が際立って大きいものの、 隣接する支聞にも応 力が発生しており、 若干連続梁的な挙動をしているものと思われる。
③ 実測値と設計値とを比較すると、 実測応力は設計応力の1割程度の値である。 設計
値には衝撃(縦リプに対して0.4、 横桁に対して0.375)および交通量による断面力の割 り増し係数(1.2)が考慮されていること、 荷重条件が実験と設計とで異なることなどに より、 単純に比較することはできないが、 今回用いた手法で設計を行えば十分安全な 構造になると言える。
至
5
般測定断面
L!_____j一一一一 間体胤即/)刷ι刷出 ー」
nG
1 i � 11 11
7@5,600=39,200
。I 3,360 I 3,360 13,360J' 4,000 1
2,9�盟_fu竺
4,0∞I 3,360 I 3,360 I 3,360 I k6(
/
lf-
追起車線
3,600
G
2走行革路
3,600
一般測定断面
口 口
萱坂車綜
3.600
横桁応力・たわみ測定断面
鋼床版応力測定断面
図-6.10 たわみ ・応力の測定位置
fil.
2
3
既設対傾1湾 士普段支持楠桁
荷重車
(単位: n )
ロ -
HNJ O凶GNu-J
二コ・2
3230
モルタル モルタル 完成時 充填前 充填後
L(mm) 2 050 2 050 1870 総重量(tonη 20.1 20.0 20.3
前 輪 4.6 4.1 4.4
f変 前 軸 8.3 7.9
後 軸 8.2 7.9
輪 合 計 15.5 16.5 15.8
( a ) 荷重車の諸元
( a ) 施1_ jÌíj
至 名古屋 ⑪ ⑮ ⑮ ⑪ ⑬ ⑫⑪⑩@@ ⑦ ⑤ ⑤ ① ③ ② ① 至 東京 巴
ム
G 1
追越中心
坂 、じ中 na4 3
円U ' 戸U
-A lli--
5@2,800=14,OOO 4@1,400--5,6oo 7@2,800=1 9 ,600
対傾1湾 7@5,600=39,200
(b) 荷重車の載荷位置 図-6.11 荷重車と載荷位置
( b )施T佼
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mm ) ( b ) 縦リプ図-6.13 断面の応力分布 (b) 縦リプ
図-6.12 横桁・縦リプの応力(影響線、様式)
表-6.3 実測応力と設計応力との比較(単位:応力kgf/cm2、 たわみmm)
実測値 設計値 計算モデル 設計荷重 縦リプ下フランジ応力 130 1260 無限数連続梁 死荷重+T-20
棋桁下フランジ応力 160 1870 単純梁 死荷重+TI43 横桁のたわみ 0.29 2.8 単純梁 TI43
6. 2. 4 荷重車走行試験
( , ) 試験方法
施工前後とも静的載荷試験と同じ荷重車を登坂・走行・追い越しの各車線中央を、 5kn叫1お よび70kmlhで走行させ、 そのときの各測点における変位あるいはひずみの出力をダイナミツ クアンプを介してAfD変換器に入力し、 AfD変換後のデジタルデータをフロッピイディスク に記録した。 試験状況を写真一6.3に示す。
( 2 ) 試験結果と考察
荷重車走行試験の一例として、 動的応答最大値を用いて整理した桁のたわみ分布を図-6.14
に、 施工前後における主桁および垂直補剛材の応力変化を表-6.4に示す。 ただし、 桁のたわ み分布は動的な増幅の影響を消去して比較するため、 スムージング処理を施している。 これら の図表から読み取れる橋梁の力学特性の変化をまとめると、 以下のようになる。
① 主桁のたわみは全体的に1-2割減少したが、 主桁下フランジの応力レベルには著し い変化は認められない。 設計においても、 合成桁としての断面剛性は増加するものの、
下フランジに着目した場合の断面性能はそれほど増加しないことになっており、 この ことが確認されたと言える。
② 主桁のたわみ差が滅少しており、 本工法による床版の全面打ち替えでは増設する支 持横桁の影響で、 既設の構造よりも荷重分配機能が向上している。
① 垂直補剛材の応力は著しく減少し、 特に5∞kgf/cm2以上の応力がl∞kgf/cm2にまで 低減した。 当該部位についてこれまでに疲労損傷の報告が数多くなされているが、 こ のような疲労損傷の発生を防止する意味で大きな効果が期待できるものと考えられる。
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針 ・ 同解説J5)によると、 主桁下フランジ応力範囲はフランジで疲労損傷が考えられる継手形 式に対する疲労限以下であり、 垂直補剛材応力範囲も荷重非伝達型すみ肉溶接継手に対する疲
しかし、 既設部材と同様値そのものは小さく、 当該部材で疲労に対する照査をすべき継手 囲の最大値は、 20tonf荷重車による静的載荷試験で得られた応力値(表-6.4参照)の約2-6倍 しかし、 何れにしても施工後の発生応力は全般的に小さく、「鋼構造物の疲労設計指
したがって、 橋梁本体に関する疲労損傷の発生の可能性は小
うに約4∞kgf/cm2であり、 概ね20tonf荷重車による値(図-6.13参照)の 2-3倍程度に相当す これらの位置での応力変動範 施工前後における主桁下フランジ応力と垂直補剛材応力の応力頻度を図-6.15に示し、 施工
図-6.15 から分かるように、 24時間の計測で観測された主桁下フランジ応力範囲は施工前 後ともに大部分が約::t 200kgf/cm2 以内であるのに対して、 垂直補剛材応力範囲は施工前で約 後における横桁および縦リプの応力頻度を図-6.16に示す。 なお、 主桁下フランジ応力はピー
増設部材である横桁および縦リプで観測された応力範囲の最大値も、 図-6.16から分かるよ ひずみの出力を
ひずみ(応力)にはピークバレー法あるいはレインフ
クバレー法で繰り返し数をカウントし、 その他についてはレインフロー法で繰り返し数をカウ ヒストグラムレコーダーに入力して頻度をカウントした。 頻度をカウントするアルゴリズムと
に関する疲労限以下であり、 疲労損傷が問題になるようなことはないものと思われる。
静的載荷試験で用いた変位計およびひずみゲージを用いて測定された変位、
800kgf/cm2以内、 施工後で約6∞kgf/cm2以内である。 すなわち、
たわみにはレベルクロッシング法、
労限(一定振幅応力)以下である。
応力頻度測定
測定結果と考察
さいと考えられる。
ロ一法を用いた。
測定方法
ントしている。
6.2. 5
である。
して
( 2 )
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る。
測定位置 施工前 施工後 変化率 kgf/cm2 kgf/cm2
Gl(G2側) - 112 - 56 0.50 G2(Gl側) 195 94 04.8 G2(G3側) - 489 84 ー0.17 G3(G2側) - 521 100 ー0.19 G3(G4側) 158 83 0.53 G4(G2側) - 129 40 -0.31
垂直補剛材の応力
円 追越車線 走行車線 登坂車線 円
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G1 G2 G3 G4 床版架け替え前後の主桁のたわみ分布口:登坂車線戦荷 圃:萱塩車線制荷
床版架け替え前後の応力変化
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0:走行車線載荷
・:走行車線載荷
測定位置 施工前 施工後 変化率 kgf/cm2 kgf/cm2
Gl 77 54 0.70
02 96 81 0.84
03 97 84 0. 87
G4 77 77 1.00
ム:追越草緑載荷 ...:追越車線由主荷
主桁下フランジの応力 表-6.4 図-6.14
5
施工前 施工後 2 3 4 (EE)トZUE凶O〈」止ω一口 。
( a )
製鉄所における橋梁の拡幅・補強工事への適用例と現場実験 6 . 3
改築工事の概要6)
6 . 3. 1
概要
本橋梁の 改築工事は、 千葉製鉄所内の物流を合理化するため計画された鋼橋のリフレッシュ 工事の一環として実施されたものであり、 図-6.17に示す支間長21.5m、 有効幅員10.0mの合 成桁橋を隣接の鉄道橋を撤去後 、 主桁3本を増設した上で有効幅員16.8mに拡幅するとともに 、 800
200tonfキャリアパレット(以下CPと略記)の通行が可能となるよう補強するものである。 図ー 6.18には概略の施工手順を示す。 改築工事前の本橋梁は昭和31年から供用されており、 60tonf
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10 105
口施工前関施工後
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COUNTS
トレーラーを活荷重として設計されている。 また 、 昭和 56 年に床版の増厚補強が施され床版 厚が約40cm となっており、 死荷重による断面力の割合が大きい。 今回の拡幅・補強工事にお いては、 死荷重の軽減による活荷重に対する余剰耐力の増加、 分割施工時の安全性などの観点 主桁(02)の垂直補剛材応力(G3側)
既設部材の応力頻度測定結果の一例
、、,,J LU ,11
主桁(01)下フランジ応力 図-6.15 ( a )
から、 バトルデッキ型プレファプ鋼床版を用いた床版架け替え工法が採用されたものである。
設計 設計条件 ( 2 )
1 )
。
3 100 5
。
3 100 5
本 改築工事においては、 以下の設計条件のもとで既存主桁 、 鋼床版 、 増設支持横桁などの部 材応力の照査を行った。 図-6.19には改築後の橋梁一般図を示す。
2∞tonf(ごP
S=21.5m W=16.8m L=22.5m 特殊橋 設計荷重
格
支関長 有効幅員 長 橋
橋
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②
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15 19
単純支持プレファプ鋼床版橋 式
⑥ 形
81-30'00"
バトルデッキ型プレブアプ鋼床版
縦リプ CT-250X200X 10X 16 デッキプレートt =16mm 1.5%凸勾配
右 斜角 水平 平面線形
縦断勾配 横断勾配 床 版
⑦
③
①
⑬
〆dE、 'hu 、、I,r
縦リプ新設部材の応力頒度m!JÆ結果の一例 支持横桁
図-6.16 ( a )
⑪ 舗 装
⑫ 添加物
⑬ 使用鋼材
基層 硬質エポキシアスフアルト舗装 40mm 表層 アスフアルトコンクリート舗装 40mm ガス管等のパイプライン
主桁部 SS4∞、 SM4∞、 SM490 鋼床版部 SM4∞
⑭ 適用基準 : 道路橋示方書・同解説I共通編、 E銅橋編 H2.2. (日本道路協会) なお、 橋面は図-6.20に示すような幅員構成とし、 主桁の設計においてはそれぞれの走行車 線に図-6.21 に示す 2∞tonfCP荷重、 120tonfCP荷重、 およびL-20荷重(一般走行車線)を設計 部材に最も不利な条件となるように載荷した。 なお、 2∞tonfおよび120tonfCP は各車線に1 台のみ負載するものとした。 一方、 鋼床版の設計においては 2∞tonfCPを活荷重とし、 着目部 位に最も不利な条件となるよう載荷した。
2 ) 銅床版の設計
一般に鋼床版の床版作用による応力は直交異方性版として解析される。 しかし、 本銅床版は 橋軸直角方向の剛性をほとんど持たず、 新たに増設する横桁にて支持されるため、 従来の解析 法を直接適用することは必ずしも適当ではないと考えられることから、 安全側の設計として、
デッキプレートの有効幅を考慮、した縦リプを 1 本の梁と考え、 支持横桁位置で弾性支持された 連続梁(図-6.22(a )参照)として解析を行った。 弾性支承のパネ定数は、 単純支持された横桁 の支間中央部におけるたわみに対する値を用いた。 また、 床版作用による支持横桁の応力も、
横桁を主桁位置を支点とする連続梁(図-6.22( b)参照)とみなし、 鋼床版縦リプからの反力を 載荷して解析することにより求めた。 鋼床版縦リプ、 支持横桁ともに、 得られた床版作用によ る応力と主桁作用による応力とを重ね合わせた応力に対して照査を行ったo
3 ) 主桁の設計
単純格子桁として、 変形法により断面力を算出した。 この際、 活荷重合成桁と考え、 死街重 は基本的に合成前の主桁のみの断面で受け持ち、 活荷重は主桁と鋼床版との合成断面が受け持 つものとした。 解析モデルにおいては、 対傾構の剛度は無視し、 主桁と支持横桁のみを考慮し た。 その結果、 G2-G4 の 3 主桁については下フランジの補強が必要であることが判明し、 既 存主桁下フランジに補強材としてCT形鋼を現場溶接することとした。
4 ) 架設時の検討
本工事においては車両の全面通行止めは困難なため、 片側に車両を通行させながら工事を実 施する必要があったO そのため、 各架設ステップごとの構造系に対して活荷重(π-43)を載荷 して格子解析を実施し、 安全性を照査した。 架設時の検討であることから、 許容応力度の割り 増し係数1 .25を考慮、した。 検討の結果、 完成系での断面力が卓越し、 架設時においては十分 に安全であることが確認された。
( 3 ) 施工
1 ) 作業工程の概要
本橋の改築工事は、 前述した如く支関長21.5m、 有効幅員10.Omの合成桁橋を隣接の鉄道橋 を撤去後、 主桁 3本を増設した上で有効幅員16.8 mに拡幅するとともに、 2∞tonf(ごPの通行が 可能となるよう補強するものである。 したがって、 主桁の増設および新設主桁と既設主桁との 連結など通常の床版架け替え工事とは異なる作業が必要となった。 また、 本橋は、 千葉製鉄所 において本工場と生浜工場とを結ぶ橋梁であり、 全面通行止めとすることはできないため、 増 設主桁を利用して常時 2 車線を確保するよう施工計画を立案した。 現地工事は表-6.5に示す ように、 平成 5年4月中旬----8月中旬の約4ヶ月間で行われた。 図-6.23には施工手順の詳細 をフローチャートにして示し、 写真-6.4 には代表的な作業の施工状況を示す。
2 ) 準備工
本工事は既設橋梁の改築工事であるため、 既設橋梁の状況をできるだけ正確に把握しておく 必要があることから、 既設桁の各寸法(桁の通りや曲がりを含む)、 キャンパー量、 床版のハン チ寸法と床版厚さ、 添架物や障害物などに関して事前調査を行った。 その後、 以下に示す制約 条件を考慮し、 本工事の架設計画を立案した。
① 本橋梁は本工場・生浜工場を結ぶ幹線道路に位置するため、 常時片側1車線を確保 しなければならない。
② 本橋西側には鉄道橋・燃料配管ゾーンがあり、 立入禁止である。
③ 東側上空には特高送電線があり、 千葉製鉄所内のクレーン作業許可申請が必要であ る。
④ 既設1:桁には、 水道・電気・通信などの配管類がある。
特に、 クレーンおよびその設置位置の選択においては、 作業時間の短縮を図るとともに車線確 保の制約条件を満足するよう配慮し、 そのために必要な工事を先行させた。 また、 既設主桁に
添架されている配管類については、 切り回しおよび不要配管類の撤去を行った。 また、 施工時 の配管保護のため、 必要配管についてはシート養生、 吊り防護を橋梁スパン全長にわたって実 施した。
3 ) 新設桁架設工
製鉄所内の工場で製作された新設桁は、 工場仮組検査後、 本組立され、 大型トレーラーにて 現地まで運搬された。
現場 におい ては、 図-6.24に示すように既設線 路撤去跡地 ( 本工場側) に ト レ ー ラ ー と lOOtonf クレーンを配置し、 トレーラーから桁を前取りした後、 海側を旋回し橋台上に架設し た。 新設桁の重量は1本当たり7.5tonfとそれほど重いものではないが、 長さが22.4mと長い ため、 必要とする作業半径から1∞tonf クレーンを用いることとした。 また、 特高送電線 (
153,∞0ボルト)に対して、 クレーンの配置位置・ ブームの高さなどを届けるなど、 作業許可 を得るために必要な諸手続きを行うとともに、 通行車両が減少する時間帯の調査を実施し、 そ の結果をもとに新設桁の架設時間を決定した。
4 ) 銅床版架設工
本改築工事では、 部材の製作工場が製鉄所内に位置し、 鋼床版を製作工場から現場まで輸送 するにあたり利用するのは所内の道路だけである。 したがって、 一般道路上を運搬する際の法 的規制を受けることなく、 大型部材の運搬が比較的容易となるため、 鋼床版パネルを作業性を 損なわない範囲で大型化することによりパネル間継手を減少させ、 現場作業の軽減を図ること とした。
改築後の本橋の橋面を構成するのは、 幅3.9-4.9 m、 長さ23 m、 重量23-30tonfの鋼床版パ ネル4枚であるが、 全ての鋼床版パネルは特殊運搬車両で現地まで搬入され、 図-6.25に示す ようにl∞tonfクレーン2 台の共吊りで架設された。 この際、 既設主桁と鋼床版とで連結用の ボルト孔が合わず、 一部ボルトが入らないなどの問題も発生し、 ボルト孔の調整が必要となっ た。 また、 既設RC床版撤去時のキャンパーが設計時に見込んだ値の60%程度しか戻らなかっ たため、 鋼床版パネルの架設に先立ち、 主桁・鋼床版連結部の必要ブイラー厚を再度計算し、
不足分については追加製作しなければならなかったO
5 ) 既設RC床版撤去工
既設RC床版の切断にはロードカッターを使用し、 橋軸方向には床版下筋を残して切断し
橋軸直角方向には約2mピッチで床版全厚を切断した。 主桁とRC床版とはジベルで合成され ているため、 図-6.26に示すようにジャッキビームとセンターホールジャッキを使用して床版 を主桁から切り離した後、 25tonfクレーンにより吊り上げ、 トラックにて搬出した。
6 ) 舗装工
本舗装には、 重交通路線であることを考慮し、 耐流動性に優れ、 高たわみ性を有するエポキ シアスフアルト混合物を用いた。 なお、 バトルデッキ型プレファプ鋼床版では標準的に一次舗 装(基層)を工場舗装としているが、 今回のように鋼床版パネルが大型になると床版パネル本体 の重量が大きく、 基層を工場施工とすることによる重量の増加が現地架設時の作業性を大きく 損なうことが予想されたため、 基層・表層ともに現場施工とした。
実施工においては、 改築工事の最終段階における本舗装に先立ち、 新設部の主桁および鋼床 版の架設後、 当該部に仮舗装を行った。 この際、 本舗装時の撤去作業を容易にするため、 デッ キプレート上面を無処理のまま施工したが、 重車両の通行により舗装材と鋼床版デッキプレー トとの間の滑りに起因する大きなクラックが発生することとなり、 数回の補修を余儀なくされ た。 一方、 本舗装においては、 デッキプレート表面の下地処理(ショットプラスト)を行い、 プ ライマーを塗布した後、 エポキシアスフアルト混合物による一次舗装を施工したため、 現在ま でに仮舗装時のようなクラックの発生は認められていない。
道路橋
STEPl
鉄道橋撤去・新設桁架設
1次施工部
•
2次施工部
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橋長
21 500
支間長
STEP3
鋼床版架設・交通切換え
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STEP4 RC床版撤去
2-回Mロロ』白骨円
STEP5
鍋床版架設・完成
九一一ミミ、ミ 下フランジ補強材
概略施工手順の模式図 図-6.18
改築前の橋梁一般図 図-6.17
00寸∞
120tonfCP走行車線図説lu明随時Q泌縦揺
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200tonfCP走行車線
2.u|図 ーーーーーーーー一一一一ー一一一ーー一一一一一一
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一般車両走行車線7 4日一 一三
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幅員構成 +一一一 生浜地区
図-6.20
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区一7i G1 G2
玄 玄 玄
G3 G4 G5
( a ) 縦リプ (b) 支持横桁
準備(足場、 防護工) 新 設 桁 架 設 新設部鋼床版架設 桁 ( G 4 ) 補 強 G4.G5桁間
対傾構、 横桁架設
R C床版、 高欄撤去 桁( G 2・G 3 )補強 鋼床版設置(ク。うウト含) 高 欄 、 地覆設 置 伸縮継手、 仮舗装 等 現 場 塗 装 工 '
図-6.22 縦リプ・横桁の解析モデル
表-6.5 概略作業工程
4月 5月
一
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//
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ーー・ーー
G3�G5問
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一、 ー - - - 一守e 、
図-6.23 施工手順のフローチャート
桁間連結部(モルタJ
写真-6.4(a) 施工状況(その1 ) 写真-6.4(b) 施工状況(その2 )
、、、
生浜工場 本工場
ーーーーーーーーー�
図-6.24 新設桁架設要領
100tonfク fクレーン
生浜工場 本工場
ー一一ーーーーー-・�
図-6.25 鋼床版架設要領
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図-6.26 主桁とRC床版との剥離方法
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6. 3. 2 静的載荷試験7),8)
( , ) 目的
重量が既知の荷重車を用いた静的載荷試験を実施することにより、 バトルデッキ型プレフア プ鋼床版を用いた床版架け替え工法を適用した橋梁の施工途中、 ならびに完成時の力学的挙動 に関して検討するとともに、 本改築工事の安全性および設計法の妥当性を検証することを目的 とした。
( 2 ) 試験方法
, ) 実施時期
改築工事施工中:新設部工事終了後、 既設部床版撤去時(7/15,20:10-20:30) 改築工事完成時:供用開始後(9/17, 20: 10- 20:40)
2 ) 荷重車と載荷方法
設計荷重が120tonfおよび2∞tonf(ごPであるため、 栽荷試験にもこれらの車両を荷重車とし
て用いることが望ましい。しかし、 2∞tonf(ごPは今後導入が予定されている車両であり、 現在 使用されていないこと、 また、 CPにコイルを積載した状態で各車輪重量を測定することが困 難なことなどから、 今回は荷重車として 80toぱ吊りのトラッククレーンを用いることとした。
本トラッククレーンの車輪配置および軸重の計測結果を図-6. 27に示す。載荷位置は、 施工中
の載荷試験においては図-6. 28( a)に示す18箇所、 完成時の試験においては図-6.28(b)に示 す30箇所とし、 トラッククレーンの後軸中心を図中に示した位置に合わせるようにした。載 荷試験の状況を写真-6.5に示す。
3 ) 測定項目と測定位置
主桁と鋼床版との合成作用・主桁の補強効果を確認すること、 および鋼床版縦リプ・支持横 桁の設計法の妥当性を検証することを目的とするため、 測定項目を以下のように定めた。
① 主桁、 横桁、 縦リプのひずみ(約100点)
② 可動支承の移動量(G3�G 5)
主桁、 横桁、 および縦リブのひずみの測定位置を図-6.29に示す。
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図-6.27 荷重車の車輪配置と輪重(a) 施工中の載荷試験
(b) 完成時の載荷試験
図-6.28 静的載荷試験における載荷位置
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