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知的障害者の住生活環境と福祉就労施設に関する研 究

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(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

知的障害者の住生活環境と福祉就労施設に関する研 究

鈴木, 義弘

https://doi.org/10.11501/3154840

出版情報:Kyushu University, 1999, 博士(人間環境学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)

4章. 通所授産施設における面積と用途構成の分析

4

- 1

. はじめに

①研究の背景

②研究の目的

4-2. 対象施設の特徴

①大分県における援護施設整備状況

②対象施設の特徴 1)調査概要 2)施設活動形態

③平面計画と使われ方による分類

1 )全体平面構成 2)作業室用途構成 3)会議室の設置形態 4-3 用途構成に関する分析

①面積構成の分析

1)定員あたりの延床面積 2)部門別面積構成による分析

②主要室面積と用途構成の分析

1)作業室 2)食事室

③配置計画についての考察

1)配置計画の分類 2)各タイプの特徴

3)増築に伴う配置構成の考察 4)施設利用者のアプローチ

4 - 4. まとめ

4章の補注・ 引用文献

(3)

4意. 通所漫産第訟における面破と用途偶成の分析 4 - 1 . はじめに

①研究の背景

ノーマライゼーションの普及に基づく施設福祉から地域福祉への移行は、 その理念のみならず行財政的観 点からも趨勢であり、 知的ハンディキャップを持つ人たちにとっても、 殊に通所施設の重要性は益々高まる と考えられる。 さらに、 社会参加の重要な契機としての就労の場の保障は、 単に賃金取得を目的とした経済 的側面に限らず、 QOL向上のための社会生活の場として一層充実が図られて行く必要があるといえる。

本章は、 知的障害者福祉就労施設のうち、 通所型慢産施設(以下、 通所段産) を対象とする・l。

現状での知的障害者通所授産の利用 者実態からは、 顕著な重度化・滞留化を示す施設が数多く認められ、

本来の目的である就労援助機能のみに特化する事は早計には困難であるといえる・2。 従って、 あくまで従来 の就労援助機能を基本としながらも、 活動の自由度が施設の実情に応じて確保されるべきであるといえる。

さらに通所授産は、 一部の自治体を除き民間主導型の小規模な社会福祉法人による自助的・篤志的努力に よって施設建設・運営が行われているのが実状であり・3、 施設建設時には、 精神薄弱者福祉法に基づく国庫 補助基準面積や所要室の規定、 あるいは施設設立認可・建設時の行政指導が行われてはいるものの、 基本的 には設置主体である法人お よび設計者の個別的対応・裁量に委ねられているといってよい。 このため、 必ず しも施設活動方針を反映しているとは考えにくい面積構成の個別化・格差や当初から想定していない別棟増 築に伴う動線の混乱が散見される。 また、 同一法人による複数施設建設の事例の少ない小規模な体制に起因 して、 新規建設の際に既存施設の問題点を改善するというフィードパック ・システムが成立していないこと も挙げられる。 施設における利用者の障害程度や社会経済状勢・受容環境の変化に対応して、 活動形態の変 容や業容拡大が逐次繰り返されている施設活動において、 建築的側面がその際の制約となっている可能性も 指摘できる。

こうした施設適正化のための拠り所となる建築計画研究 は、 限られた先駆的研究者による成果叫が見られ るが、 その計画理念が確立しているとはいい難く、 設計資料も充分ではない。 「新障害者プランJ (1995.12) による通所施設を中心とした施設拡充施策も示される状況下、 これら問題点を解決しないままの施設再生産 は回避される必要もあり、 計画研究もまた急務であるといえる。

②研究の目的

こうした背景に基づき、 次の2段階による通所授産施設活動実態の把握と分析を行っている。

1)通所授産の建築的諸項目すなわち所要室の面積構成・平面構成・配置構成、 さらに日常的活動の観察と その活動内容を反映するものとしての家具レイアウトなどによる室の用途構成を捉え、 これによる施設分類 と問題点の解明

2)施設利用者・指導員の施設生活(作業活動・休憩時間の遂行行為) を追跡調査し、 個人・集団・ 施設の 各レベルでの行動特性分析を通しての使われ方の傾向と利用者ニーズの解明

これらの考察から、 今後多様な展開が求められる施設の適正化と活動の自由度を保障するための足掛かり として、 現状における施設活動を分析し建築計画的知見を得ることを目的とするもので、 本章ではまず前者 を扱い、 後者については次章で分析・考察を行うこととする。

(4)

4.. 通所綬産経訟における面積と用途織成の分析

4-2. 対象施設の特徴

①大分県における援護施設整備状況

精神薄弱者盛護施設の施設種別(更生・授産)、 および利用形態別(入所・通所 )設置状況の経年変化を く図4-1>に示す。 法改正 と福祉施策方針の変化の なか、更生施設 が先 行して建設 および増員されながら、

徐々に授産施設 が伸長している。 ま た、 未だ入所施設中心の現状から、 今後 は通所施設へ重心移行する必要 の あることが、施設 整備実態から も指摘できる。 因みに「新障害者プラン」では、 緊急に整備すべき障害者 (知的障害者に限らず)施策の うち働く場の確保として、授産施設・福祉工場を原則「通所型Jとし、 1.7

倍増の目標値を示している。

②対象施設の特徴

分析と考察に先立つて、 対象施設 についての 施設概要・活動内容・ 建築的特徴について概説する。

1)調査概要

大分県内においては、 1980年度から1996年度までに1 5施設(定員430名)の通所授産が設置されてい る。 く表4-1> 各 施設 定員は、 2 5名5施設 ・ 30名9施設・ 35名1施設(2 5名定員を2段階で増 員したもの )である。 設立経緯は様々であるが、 全て社会福祉法人の運営によるもので、 公立施設 は存在し

ていない。 ま た、 施設利用者の障害判定では、重度最重度者 が半数を上回る重度 化 施設から、中軽度者中心 の施設まで多岐にわたっている。(これらの点については、 前章で詳述したが、 96年4月開設の1施設を追加 した。 ま た、このほか授産施設分場 が3カ所設置されており、 入所 授産定員40名に通所10名を加えた施 設 も 存在しているが、 今回の 考察から は除外している。 )

これらに関 して、 下記の調査を実施 した。

a.プランおよび家具レイアウト採取・設計図入手 b.施設 活動内容に関するヒアリング

C.施設生活実態 観察調査

1995年度から各施設 に数回にわたって訪問の 上採取した本研究の データ は、 特定の調査当日1日断面のみ の ものではなく、 季節変動や一過的な活動の排除などの補正を行っている。

係取した基礎的データから、 作業形態(作業種目・作業領域などの 特徴 )や指導方式(作業班編成・指導 形態 など) およびその他の施設生 活を含めた施設活動形態 に関 する特性を抽出 し、こ れらを規定する建築的 諸条件(面積構成・平面構成・配置構成など )の把握を行った上で、 それらから見出される施設の 面積条件 と使われ方の特徴(用途構成) に ついて分析・考察した。

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- 94 -

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図4 - 1 . 施設整備の経年変化

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4章ー 通所授産施設における面積と用途織成の分析

表4 - 1. 対象施設概要表

記号 所在地獄立年定員実員

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1.R 主たる作家種目

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2)施設活動形態

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作業種目は、 作業室で行う室内作業を中心としながら、 屋外での良作業さらに施設外で、の?庁長,}やリサイク ル などが行われている。 作業選定 にあたっては、 利用者への適応性*5を基本 にしながらも 、 受注の安定性・

収益性などが考慮されて決定されている。 就労施設であることによる収益性重視から、 近年では就労するこ と 自体への充実感重視へ 、 納期の厳格な製造業 などによる下請け作業から自主製M,へ移行する傾向もみられ る。 また、 市町村からの委託業務(公園清帰・ リサイクル作業など) も増加しつつあり、 作業縄fl数の単純 平均で1施設5.1種目である*6。 いずれにしても 、 各施設の創意・努力 により実に多彩な作業活動が行われ

ているため、 これらを特徴づける観点として、 作業活動領域の違いにより、室内作業中心 施設(室内中心)

・屋外 作業中心施設(屋外中心)・日常的に両者 を併用している施設(室内+屋外)の3タイプに大別して 捉える。

b)作業指導の形態(作業集団編成・指導形態)

上述の 作業種目を行う にあたって構成される作業集団の編成の仕方、 そ れぞれに対する指導員の関与の形 態などは、施設の 基本方針に作業種目や利用者の障害程度や精神的・体力的条件などが考慮されながら、 利 用者の 作業能力別編成 あるいは、 障害の程度や男女ができるだけ均等に配置 する混合構成、 同一作業を多人 数で行う一斉作業 などの形態をとる。 利用者相互の人間関係(相性 ) なども大きな要点である。 こ れに対応 し指導員は、 各班に専担の指導員が随伴して作業 を行う場合、 自主作業を基本としながら逐次指導員が対応

する場合、 作業能力の高い利用者 が指導を行う 利用者相互 補助のタイプなどがみられる。 さらにとれらを、

年度単位で固定して行う ものから、 数ヶ月のローテーションする場合、 施設によっては、 午前と午後さらに は時間単位で練密に組み合わせて日課を構成している事例も ある。 この結果、 実に多様な指導方式によって 活動 が行われているといえる。

また、 併設の 精神薄弱者小規模作業所を設置している施設の うち、 一体的に施設活動(行事のみならず日 常的作業・食事 )を行っているもの が3施設くH[M.YAM'UBA)存在している。

なお、 施設活動の 行動 特性の 分析で論述 する用語については、 次章で改めて概念規定を行うこ ととする。

③平面計画と使われ方による分類

通所授産は、 施設活動の中心である作業活動を行う作業 部門(作業室・ 作業倉庫)、 昼食(給食が義務づ けられている)の ための食事室・調理室 などからなる給食部門 、 管理部門(事務室・応接室・医務室・静養 室・会議室 など)、 これらを補完する生活部門(衛生設備諸室) と共用 部門(玄関・通路など) から構成さ

れている$70

施設の全体平面構成を捉える分類の指標として、 活動の拠点となる作業室とくつろぎの場である食事室の

- 95 -

(5)

4量l. i丞所慢lt施E量における商慣と用途+賛成の分析 通所侵産経設における面積と用途持層成の分析

4章

監 最 適

両翼型

一日四 日 開 一一醐富 山

イ立間関係に.ff日した。 所要宝・部門配置は、 施設における生活訓練の側面からは各行為の場面転換を空間的 方、 利用者の重度化や限られた面積 を考慮すると、 それらの位置関係が問題 一方で転用性を内在させていること縁日、 内部動線tの に実射させるkで「機能分化の明確イヒ」が効呆的であると考えられる

のなかでの施設活動の自由度の確保すなわち「用途転用の可能性J となる。 給食のための専用利用傾向が強い食事室は、

Î:要宅であることなどが、 分類指標として抽出した理由である。

さらに、 作業室白体においても、 そこで展開される主要行為と家具レイアウトの特徴から利用上のニーズ 日常的には施設利用者の活用を想定して計画さ が見山される。 また、 管理部門に分煩されるべき会議室は、

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乍ぷ完 冨 圃

これについても配置によって使われ方の特徴が異なることがうかがえる。

これらの各観点から、 対象施設の特徴について言及する。

1 )全体平面構成 れている事例が多いが、

施設平面構成を、 作業室と食事室の位置関係により以下の3タイプに分類した。 管理部門とその他は、 結 果的にこれら主要宅との関係の中で定められると考えられる事9。

中央部に玄関・管理室・設備諸宅が位置し、 通路で 近後型 b)近接型:作業空と食堂が近接して配置されているもの

型:作業室と食事室が施設の両翼に設けられ、

結ぼれているもの a)両

c)積層型: 2階建施設で、 両者が各階に分散配置されているもの

曹 司司

そのうち敷地条件によってL字型に屈曲している事例が5例みら また、 近接型は4例、 積層型が2例である本100 <図4-2>

対象施設のうち9施設が両翼型であり、

れるが、 当該施設の典型例といえる。

2)作業室用途構成

施設活動の主要室である作業室は、 確保された面積的条件下で作業内容の応じた家具配置を基本にしつら

図4 - 2. 平面構成類型図 の遂行形態も同時

ここで行われる集会(朝礼・終礼・体操・楽器演奏・イベントその他) えられているが、

これらの関係性を考察するため、 作業及び集会の場のしつらえられ方から、

に規定していると捉えられる。

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対象施設を以Fのように分類した。 <図4-3>

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a)くW+A>

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(4施設) b) < (W)→A>:作業スペースの一部のデスクを片づけて集会に転用しているもの

作業時

:作業スペース全体のデスクを片付けてオープン化し集会を行う( 1施設) c)くW→A>

:作業時のレイアウトのままデスクに着席して集会を行うタイプ(5施設)

:尾外作業あるいは増棟作業のため空室化した作業室で集会を行うタイプ(4施設) d)くW=A>

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3)会議室の設置形態

施設設置)�t1ßにも所民室として挙げられている会議室は、 文字通り職員会議や保護者との会合などを想定

集ソ強時

して定められているが、 その設置のされ方において各施設での独自性の最も強いものとなっている。 独立設 その他のタイプは、 施設利用者の休憩(余暇 同刑のJ劫合は、 純然たる会議室を意図した計画もみられるが、

このため、 小規模室ではあるが、 平

11寺I1JI利)IJ)スペースとしての活用を念頭に置いたものであるといえる。

これらは、 次の4タイプに大別することができる。

而構成分析のl:での着目すべき構成要素といえる。

室続問型和室(5施設) a)食

作業室の用途構成 図4

-

3.

b)作業室続問型和室(2施設)

c)食事室・作業室続問型和室( 1施設)

d)独立設置型和室・洋室(7施設=和室3施設+洋室4施設)

- 97 -

- 96 -

(6)

4.. 通商時綬産施設における面積と用途栂成の分析 4章. 通所侵産施E主における面積と用途術成の分析

表4 - 2. 対象施設面積表

1・民の内銀

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用途構成に関する分析

①面積構成の分析

4-3

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各施設の面積哀をく表4-2>に示す。

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1)定員あたりの延床面積

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これに対して、 施設設立時の延床 江主所授産施設における国庫補助基準面積は、 定員あたり15.8ばである。

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221.

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125 11 31 42白

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これに、 建設後増築を行っているものが半数を上回る8施設で、 その増築分の面積を加えると平均で17.5 m'/人となり、 20rri/人を越える施設も3例くOIT'UBA'NOB)存在している*I 20 <図4-4>

2)部門別面積構成による分析

各室の部門別面積構成を比較考察する。 <図4-5>

作業部門は、 構成比24.0---41.4%に幅広く分布し、 平均30.1%である。 噌築にあたっては、 主としてこの これらなかには構成比の低い上位5施設 この狭臨化解消のための作業室 が含まれていることからも、 設立当初の見込みに反し作業室が手狭となり、

8施設中7施設がこれに該当する。

作業室の拡張が図られており、

これに伴い、 作業部門は35.5%を占める結果となっている。

拡張と考えられる。

.. 5 6 7

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また管理部門 逆に、 設立n寺の作業部門の占める面積の大きな2施設くYAY.MOゅでは増築を行っておらず、

図4-6. 作集室面積と勉般活動の関係

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これを圧縮して作業室に充当した計画であるといえる。

梢成比の低さとも対応しており、

②主要室面積と用途構成の分析

1)作業室

�II寺における定員あたりの作業室面積は、 3.49---6. 22m'にほぼ均等に分散しており、 最小値くOIT)と最 設

大イ)11くMOM)の特産は1.8倍にも達している。 平均値は4.42m'/人である。 <図4-6>

l門築によって作業宰面積の突出した2施設くUBA.NOB)は、 いずれも木工作業用の大型機器導入のための専

川宅を確保した業容拡大によるものであるが、 仙の増築5施設は屋外作業中心の1施設くSYU)を除くと全て 10 20 30 40 E白 60 70 定以あたり|面積の下位に集中している。 設立時に作業室の狭い施設が室内作業中心の施設にもみられ、 これ

翼民ひと柑島た世画担

A>, <W+A>)、 逆に狭くなると、 完全な家具移動による転用かあ

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-伺1m l'2Lヨ信制門 医国管理郵円 園4-5.ØII門>>1の面積術成

-食事軍扇司・ fZill・重重ほか 図4-8.総食官官門の面積率俊成

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らは悉く刷築対応を余儀なくさせられているといえる。 すなわち、 建設時において既に面積配分に問題があ

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ったと解釈できる。 戊作業中心の施設においても、 雨天時や農閑時には室内作業を行っており、 作業活動の Mト一一

一括して算入する.I Jと、 増築後の作業室面積は、 全施設平均で5.76 ための室而績が必要であることから、

n-i/人となる。

-4圏全記岨2H噌凸aM開

これと同時に若同すべきは、 作業室において見出された5タイプの用途構成が面積的条件ホ1�と顕著に相 関の強さのi認められることである。 く図4-7>

日常的にあるいは可変的作業スペースにおける家具移動により、 集会用オープン

|而禎が拡大するに従い、

量情 途 用

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の形態をとる傾向が示されている。 すなわ

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ち、 作業室には、 円滑な作業遂行というニーズのほかに、 集会のためのオープンスペースをしつらえるとい うfIJ途がニーズのひとつとして潜んでいるということができる。

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図4-4各施設の延床面積と定員あたり面積

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るいは作業台に者席したままの集会(<w→

スペースを確保しており

(7)

通所浸産施設における面積と用途術成の分析 通所侵産施E主における面積と用途偶成の分析 4章

4.

2)食事室

2)各タイプの特徴 ここでは併設する作業所利用者も同一食事室で昼食を行う一体型活動の

次に、 食事室についてであるが、

<G'P重合型>は、 両者を共有兼用することによって面積効率の向上が意図されたものといえるが、 手Ij 3施設を考慮し、 実員ベースで分析する。

用者のアプローチや黒外活動と車両動線(送迎車・職員来訪汗・物品搬出入)などあらゆる機能が集lドする 実員ひとりあたりの食事室面積においても、 作業室同様に施設問格差が大きい。 併設作業所利用者の顕著

ため、 動線の混乱のみならず安全性においてもさけられない問題点があるといえる。

で1.03rrl/人、 一体活動 に多い施設くYAM)は例外的としても1. 02rri/人、 施設くBEP)(定員35/実員39)

これに対し、 <G-P分離型>は、 歩車分離を配慮したという点においては評価されるが、 いずれかの部 ひとりあた

を行っていない施設くSAT)でも1. 07rri/人なのに対し、 2.0rri/人を越える施設が4例みられる。

また、 実際の運用においては、 <G>に,!IIJ!Îを乗り込 分が面積的制約によって狭隆化している場合が多い。

この部分を食事室 いずれも、 会議室が食事室続問型和室で、

りの食事室面積の極端に少ない上記3施設は、

んでの利用もみられている。

これが、 増築を伴わず人員増を実現している、 ある

<P隣地確保型>は、 <G' P重合型>から<P>を削除したタイプとみることができ、 従って作業所到j での搬出入や送迎車の乗り入れなどがみられる。 <G非設置型>は、 <c-P分離刑>からくG>を削除し

た得失点をもつものと捉えられる。

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4p 置型><P隣地確保型>の特殊な対応に l 戸�P

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|G-P分厳型 |

|G' P重合型|

| G非設置型 | l P隣地確保型|

との 関係をみると、 面積の狭小さがくG非設

反映していることが指摘されるものの、

広くなるとくG-P分離型>面積的制約 タイプ 別に敷地面積(施設用地) に充当して、 1.45'"'"' 1. 80ば/人の面積に拡張している。

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いは食事における一体行動を可能 にする要因となっているといえる・

150 <図4-8><図4-9>

食事室の平均面積は、 定員べー スで卜84ぱ/人・ 実員では1.74rri

会議室の拡張部分を算入 /人で、

.1It

すると、 1. 86rri/人となる。 また、

調理室その他(食品庫・調理士控室

配置構成と敷地面積 下ではくG ' P重合型>とはなっていな

-通路・便所 )部分は、 概ね食事室 厨'

図4-1 1

い。 <図4-1 1 >

図4-9. 食事室レイアウト(続間型和室) の8割程度が確保されている。

3)増築に伴う配置構成の考察

③配置計画についての考察

作業室増築の7施設中6施設が、 既存の作業室を延長する方向に別棟形式で設けられている。 <也14-2 一般的�:'は設置主

施設の建設用地確保は公費補助対象外であり、 公有地の無償貸与の事例がみられるが、

、 近接ゾーンには設置不 既存作業室と反対方向に増築した1事例(積層型)は、 配置・平面構成

参照>

体である法人の自己調達であるため、 農作業主体の活動を志向する施設は地価の安価な郊外地に、 市街楠を

また、 他の施設においても、 専用性・独立性の高い作業棟(木工機器・陶去問焼 可能であったものである。

いずれも限られた敷地面積・形状の制約下で施設配置を行ってい 求める施設においても取得可能な用地に、

を除いては、 作業活動の上で既存施設との往来が頻繁に行われており、 円滑な作業活動を行う宅 成窯など)

で考察するが、 やはり面積格差が多大であ る。 施設問比較の上で、 敷地面積として施設用地(農地は除外)

構成になっているとは言い難い。

る。 <表4-1参照>

4)施設利用者のアプ口ーチ

1)配置計画の分類

入りさせてい (玄関)からが一般的であるが、 作業主からの

施設利用者のアプローチは、 エシトランス 敷地における施設の配置構成の特徴をみる上で、 本体施設とグラウンド<G>および駐車場<P>の位置

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この21J'Jはどち らも工ントランスからは遠い位置に設け る施設が2例みられる。

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ており、 動線の短縮化のためではなく、

靴箱と履替えスペースの狭さおよび床の 汚損対策あるいは障害の重度化による機

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ある$160 屋外作業に伴う汚損対応とし

て、 作業用の靴箱と通用口を別途設けて

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対応している施設が51JIJである。

Aメインエントランス ...国E出入動線

4・ 4作集動織

これら配置計画上指摘した諸項目にお /

|G

P重合型

BEP' YAM' NOB' YAY' UBA

関係によって大別して捉えることが できる。 すなわち、 <G>と<P>

をそれぞれ独立して確保するタイプ くG-P分離型>と、 <G><P>

を重合させてとるタイプ<G' P重

能の単純化などの複合要因によるもので 合型>である。 さらに、 用地取得や

増築による土地利用によってくG>

を確保 していないくG非設置型>

や、 <P>を借地などで別途隣地に 設けたくP隣地確保型>と呼ぶこと

ムws直入りの利用者エントランス

ける問題点を複合してもつ事例を図示し

t:-. ws直入りの利用者エントランス Aメインヱントランス

の出来るバリエーションも存在して

一101 -

図4-1 2, くG . P重合型>配置構成の事例 た。 <図4-12>

配置構成モデル図 図4 - , 0"

いる。 く図4-10>

一100 -

(8)

4重f. 通所綬産施設における面積と用途構成の分析

4 - 4. まとめ

知的障害者の通所綬定施設には、 これまで充分な建築設計指針 ・資料が整えられているとはいえず、 施設 を運営する社会制祉法人の個別性も高いことなどから、 施設計画にあたっては設置主体側あるいはこれに関 わる設計者の個別的・恋意的裁量に依拠する側面が強く、 従って利用者にとっての主要居室である作業室や 食事宅においても大きな面積格差が生じていることを確認した。

このため、 当初から宅内作業中心の活動を実施しながら作業室面積の狭い施設においては、 増築によって これを補っており、 I面積格差が施設活動方針を反映した結果ではないことが指摘できる。

分析の中で明らかにした概算値では、 増築後の作業室の平均値が5.76m'/人(作業用倉庫O.47rrì/人を加 えて、 作業部門6.23ぱ/人=延床面積の35.8%)、 延床面積17.5rri/人であり、 このあたりがひとつの目安 となる数値と捉えることができる。 これは、 国庫補助基準面積を約1.7ní/人上回る数値である。

また作業主における用途構成の考察から、 主たる作業活動と共に集会形態と家具レイアウトとの関連性が 凡出され、 これは而i積条件によって規定される傾向が読みとれる。 すなわち、 集会のためのオープンスペー スの確保が、 作業主に見出される潜在的ニーズのひとつであるといえる。

作業室の止まらず、 限られた面積的条件下での施設利用者空間充実の計画的な試みとして挙げられるのが 会議室の確保のされ方で、 管理部門に分類される機能を利用者の日常生活空間として活用することが想定さ れている点において、 用途転用による有効性向上の萌芽が見出せるといえる。 本章では、 食事室続問型和室 の場合、 昼食時の利用者増員への対処の面で効果的であることを示した。

配間構成における特徴と問題点の考察からは、 現状においては、 利用者をはじめ構成諸要素の動線計画が 充分検討された計画ではなく、 設立後の業容変更や施設拡充が必ずしも考慮されていないため、 施設活動の 円滑性・安全性の面で多くの問題点を指摘した。

4章の補注・引用文献

ヰl小胤傑作業所は財政的基盤が制度上充分の保障されておらず、 その強化が国の行政施策にも盛り込まれている課題である。

そのため、 m動拠点である施設は、 賃貸住吉・アパートあるいはプレハブ舎などで対応しているのが一般的である。 一方、 般就労形態に近い保護居川の場である福祉工場は、 それぞれの業態に応じた固有の施設建設が行われており、 施設数もそう多 くはない。 これらについても建築計画研究が求められるが、 ここでは最も主要な福祉就労施設と位置づけることができ、 施設 建設凶庫補助のための施設設世基準が定めらた綬産施設に絞って担っている。

ヰ2授産施設の法制定では「雇用に凶難なものを入所させて、 自活に必要な訓練を行うとともに. 職業を与えて自活させること を口的とした施設Jと明文化されている。 このことから、 これまでは授産活動の収益性・効率性(=自活のための労働報酬の 確保)が屯盟視されてきたが、 作業指持・生活指噂における訓練主義の弊害が指摘されるとともに、 文頭にも記述したように QOL向iτのための社会生活の湯として多様な活動形態を保障する施設として位置づけられるべきであるという見方が一般的 となっている。

刊|日1 -市町村で、 白治体の社会福祉事業団あるいは社会福祉協議会が運営する公立の通所授産が複数設置されているのは、

戸rli . 岡崎市. ttllμrlî・福岡市などである。 このほかに、 保護者組織である育成会(手をつなぐ親の会)による同一自治体複 数設置の'JJ例としては、 仙台市・東京都大田区・名占屋市・北九州市などが挙げられる。 これ以外の多くの施設が、 組織の必 ずしも大きくない白助的で個別性の強い社会福祉法人の運営であるといえる。 先行して設立され建設後の経過年数の長い入所 型(収容型)施設においては、 更生施設や児積施設、 通勤袋、 特別養護老人ホームなどとの複合施設化(いわゆるコロニー化) を閃っている事例が多く存在している。

ヰ1新建築学大系32く文)ー18>4章. 精神神弱児x-施設の計画(萩田秋雄著)、 および、 建築設計資料14く文)-19>巻頭「心身 障害者�h'J祉施設の計画と設計J(野村松著)において、 施設計画の参考となるデータが示されている。

ヰ5農作業は、 市場t'� . 地域性(特姥品)と同時に利用者にとっては、 一般就労に耐えうる体力確保のために採用されている場合 (このぬ合は施設全体が農作業中心)や室内作業のなかに活動内容に幅を持たせるために農作業を取り入れている家庭菜園的

4量r. j並所f受産施設における面積と用途構成の分析

なものもある。 また、 重度化の傾向に伴って、 平易な閣はを新たに追加していゐ事例も多い。

本6作業種目は常に変動するものである。 本文中にも触れているように、 施設を取り巻く環境や与えJjの変化、 障害程度の屯J臭 化などのほか、 設立時には農作業主体で発足したものの、 技術的問題から室内作業の大きく変!J!した')'r例もみられる。 従って、

ここではヒアリング調査時点で日常的に実施されている作業のみを抽出し、 週l巨l程度以ドの頻度の少ない活動、 季節特イlの 作業などはカウントしていない。 また、 同一作業においてもいくつかのE料に分業して行い、 実質的には惇数作業と凡なせる ものの、 その境界が必ずしも明確でない場合も多いため1作業として記載しているものもある。

キ7 5部門の設定にあたっては、 前掲書(叫)および. 心身障害者復fT慢姥研究会編r�I�;:作x-樫合照J本のあり}iに閲する報店占j

(愛知県民生部発行・1982.3)などを参考としながら、 着目点のひとつである食事室および調瑚宅ほかの諸室を給食部門と胤定 し集計している。

時給食の際の準備として、 食卓の指定席に事前に配膳する施設(なかには、 食事のi止を3段階に分けて配膳する事例もある) と、 当事者自身によるカウンターからの配膳・下膳するものがみられるが、 障害の程度に対応しているという傾向は見出され ない。 いずれの場合も、 特定時間内のみの室空間利用にとどまっており、 手Ij用本が高くはない。 衛生条件に関してより偵主に 配意する必要はあるが、 学校建築におけるランチルームの集会室化・リソースセンター化の与え方を盛岡すると、 陣ih: ðï施投 の食事室が専用室化すべきであるとはいえない。 調査対象施設のなかでは、 作業・集会活動に利mしているものが3例確認さ れた。

刊このことは、 必ずしも施設利用者にとっての主要居室である作業室・食事室の配置が先行して計阿され、 これに管理諸宗.な どがそれに応じて計画されるという設計プロセスを意味しているわけではない。 すなわち、 典型例といえる「両�1'Uは. r管 理部門中心型Jと呼ぶこともできる。

叫O入所型の施設(授産および更生)では、 作業種目に応じてそれぞれの作業練を持つ「分散型」と呼ぶことの出来るパピリオ ン配置が見られる。 障害の程度が軽度で、 作業内容の専用性が高いこと・人員が多いこと・入所施設では居室(住生活の場所) と作業室(就労の場所)を分離する志向がみられることなどが、 このタイフの成立要因と考えられる。 本稿の対象施設におい ては存在していない。

叫!この中には、 建設時において国庫補助および県費補助を受けず、 自己資金のみで設立したI例(SYU: 12. 3 m/人〉や、 プラス 5名分の面積を法人負担で予め確保している1例(IKI:1 6. 6m/人〉を含んでいる。

判2増築に際しての資金は、 各種団体からの助成金によるものが殆どを占めている。 なお、 農作業のための農機具庫や選呆場に 類する施設、 駐車場などは他施設との面積的比較を行うヒで特殊な部分であると判断し、 考察からは除外している。

叫3 このほか、 イベント時のバザー用製品の手作りも、 殆どの施設で行われている活動である。 低水準のまま作業宅拡慌を実施 していないくSYU)の存在の一方、 同じく農作業中心施設<NOB)では、 作業室の大規模な噌築を行っている。 これらを考え合わせて 一括算定した。 参考までに、 農作業中心の3施設<SYU'NOB. M lD)を除いた作業室面積は、 設立時 4.46m/人. m築部分: 1. 38 m /人・計5.84m'/人で、 全施設平均と殆ど同じ数値となる。

判4ここで扱う作業室面積は、 設立時のものである。(増築部分は算入していない。)また、 当初から大小2室の作業宅を設けて いる1施設くHAP)については、 集会の行われる主作業室面積を採用している。

叫5ここでは、 食事室続問型和室の奏功面を指摘した。 しかし、 設計意図および施設でのしつらえ(T V'ビデオ・3架など)から は、 昼食に続く昼休みを過ごす休憩・娯楽スペースとしての日常的活用を想定したものとして設置されていると考えられるが.

こうした一般住宅イメージの食事室→続き間和室(居間・団雛室)としては、 必ずしも利用されていない側面も指摘すること ができる。 また、 同じ食事室続間型和室をもつの他の2施設での昼食利用は行われていない。

川6農作業中心施設で、 やはり玄関の汚損(来訪者への配慮)から利用者のアブローチ変更を検討しながら、 施設の利用主体は 障害当事者たちであるという観点から、 玄関入りを継続し、 清掃を丹念に行うことで対応している施設がヒアリングで確認さ れた。 また、 本稿の対象外ではあるが、 大分県内で唯一設置されている通所型の更生施設(定員30名)では、 顕著な重度化を主 たる理由として、 作業室直入り型をとっている。 知的障害者施設においては、 こうした点についても充分検討された上での計 画が必要であるといえる。

(9)

5章. 通所型授産施設利用者の行動特性と平面情成の分析

5 - 1 . はじめに

①研究の目的

②研究の方法 1 )調査槻要

2)研究の枠組みと呼称の概念規定 5 - 2. 対象施設の概要

①対象施設の慨要

1 )作業行動分析対象施設の概要 2)休憩時間行動分析の対象施設の概要

②作業活動内容と作業領域 5 - 3. 作業活動の行動特性分析

①作業活動における利用者の行動特性 1)個人レベルの行動特性

2)作業集団別行動特性 3)施設別行動特性

②作業活動特性と作業室の用途構成 1 )能力別編成・随伴型施設 2)能力混合編成・自律作業型施設 3)能力別編成・能力別指導型施設

③行動特性に基づく領域情成の志向性 1 )作業領域構成の類型

2)作業収納スペース

5 - 4. 休憩時間の行動特性分析

①休憩時間の主要行為

②施設利用者個人別の滞在場所と特徴 1)食事の所要時間

2)休憩時間の滞在場所と施設別の特徴

③施設平面・用途構成による規定要因の考察 1 )滞在場所の推移による特徴

2)行為内容・遂行形態と施設平面・用途構成の関係 3)休憩時間の行動特性と規定要因

5 - 5. まとめ

①作業・休憩行動を通した施設生活行動特性からの問題点

②通所型授産施設の計画要件

③施設の将来像を展望した課題

5章の補注・ 引用文献

(10)

5:1置 利用者の行動特性と平面憎成の分析 5 - 1 . はじめに

①研究の目的

本章では、 通所型授産施設における利用主体(施設利月l者・指導員)の行動分析からその特性(行動特性) を捉え、 前章で明らかにした面積・用途構成に基づく施設特性との関係のなかから、 施設計四上の問題点を 実証し、 計画要件を提示することを目的とする。

施設活動は、 主として 作業活動と休憩時間行動に分けられる。

このうち、 施設の制度的根拠となる主要目的としての作業活動の利用主体としての行動特性は、

a)施設利用者個人レベルの行動特性 b)作業集団としての行動特性 c)各 施設全体としての行動特性

の3つのグルーピングで捉える。 また、 これら各レベルにおける行動を規定する要ぷとして、 面積・月!途桝 成などの建築的条件と共に、

a)作業集団の編成方針と各集団の行う 作業種目・遂行場所

b)施設利用者の 作業への自立性の程度とこれに対する指導員の関与 c)逆に、 指導員の使役による利用者の行動規定

などが挙げられ、 これらが複合して行動特性として現れるといえる。

また休憩行動は、 日中の大半を過ごす 施設生活における重要な要素であるが、 授産施設は作業習得を目的 とした施設であるという機能分化主義的、 あるいは訓練主義的認識下で、 必ずしも着目されていない部分で ある* J。 休憩時間における行動特性・利用者のニーズの把握と、 空間的条件との関連性の解明も看過できな い考察項目であると考えられる。

こうした諸側面を考慮しながら、 施設利用主体の 点を明らかに

すると同時に、 通所型授産施設のあり方を提示する。 また、 これが広く通所 施設全般のあり方をみる上での 基礎的知見となることも企図している。

なお施設名は、 文中記述の場合には大文字(ex.<Y A Y>)、 付記・例示の場合は小文字(ex.くMOM))で

表記している。

②研究の方法

1)調査概要

本研究では、 大きく2段階の調査によって分析・考察を行っている。

a) 施設生活全 日 の 「行動追 跡調査」

-始業時から終礼・帰宅までの全利用者・指導員の行動を追跡・記録

・先行して実施した調査による 施設類型化(第3章) および数次の観察調査に基づきながら、 室内

作業を中心とし、 障害判定構成および指導の方針に違いのみられる6施設を抽出 b) r休憩時間行動調査j

-休憩時間の滞在場所と遂行行為を記録

-作業室の用途構成(屋外作業中心施設を含む)や会議室配置形態の違いに配意しつつ、 上記6施設 に加えてさらに6施設を抽出・2

一107 -

(11)

一一一一一一一 ー量量 一一一軍扇面扇面薗画面薗薗圏直面直面��-===薗圃圃ーー

51量. 利用者の行動特性と平面偶成の分析 5章 利用者の行動特性と平面編成の分析

各施設の特徴については、 本章 2項②で詳述する。

5

-2. 対象施設の概要

2)分析の枠組みと呼称の概念規定

まず、 施設活動の「行動追跡調査J: 6施設についての作業活動の行動特性の分析を行う( 5-2.)。

次に、 休憩時間(昼休み時間) の行動を捉える( 5-3.) が、 1日に充当される時間が限られているこ とや、 作業活動とは異なり指導員による使役の要素が少なく、 より自由度の高い行動が予想されたこと、 屋 外作業中心で卜1中空室化している作業室の使われ方についても捉える必要性から、 b) í休憩時間行動調査J を6施設に実施し、 計] 2例による考察を行った。

作業活動の行動特性分析にあたっては、 以下に示す概念規定に基づいた呼称を用いる。

<作業活動領域> : 作業活動は、 一般に複数の作業種同が並行して実施されている。 これに関して、 各作 業の遂行場所がすべて施設室内で行われている場合(室内中心)、 主として屋外の場合(屋外中心)、 これら の併HI (室内+屋外) などがみられる。 これを、 <作業活動領域>と呼称する。

<作業集団編成方針>:各作業種目の担当者で構成される作業集団(あるいは、 作業班) は、 作業能力・

担当種目の固定性の程度・ 構成人数などによって特徴づけられる。 能力別少人数の分化型集団から、 比較的 多人数での一斉作業の集団を編成している例まで、 利用者の障害判定構成や採用されている作業種目、 指導 )5針などによって決定されている。 これらを<作業集団編成方針>とする。

<指導員随伴形態> : これら作業活動に対して、 直接処遇の指導員の利用者に対する関与の仕方を<指導 員随伴形態>と呼称する。 程度の差はあるが、 概ね次の 3タイプに分けられる。 すなわち、 指導員が作業集 団にほぼ完全に随伴して作業指導を行うタイプ、 複数の利用者と共同で作業を行いながら逐次指導を行うタ イプ、 基本的には利用者の自律的作業に委ねて指導員の随伴性の低いタイプである。

利用者の作業能力からみると、 簡単な補助・助言程度で作業が遂行可能な自律的利用者、 適宜の指導員援 助が必要な利用者、 指導員の随伴がなければ作業遂行が困難な利用者のやはり 3タイプに大別して捉えるこ とができるが、 この利用者の要随伴性と実際の<指導員随伴形態>は、 施設の指導方針をはじめとして、 作 業の難易度・収-6�性などの要素が加わるため必ずしも一致はしない。

く指導方式> : これら作業遂行上の指導のための諸規定全体を<指導方式>と総称する。

各施設における作業行動特性と指導方式の関係、 これを規定するあるいはその反映としての見出される建 築的諸条件の解明が、 分析の枠組みである。 <図 5-1>

①対象施設の概要 <表 5- 1>

1 )作業行動分析対象施設の概要

作業活動の特徴を考察する「行動追跡調査」対象として、 施設選定の際に間,註した項円と、 抽出した6施 設の各項目における特徴を列記する。

a)施設室内作業中心であること

・「室内中心J: 3施設 くBEP)くI!AP)くYAY), í室内+屋外J : 3施設くKINI2)くYAM)くSAT) b)障害判定構成類型別に分散するとと

・「重度化J : 2施設くBEP)くHAP), í重軽度混在J : 3施設くKINI2)くYAM)くYAY). í中軽度者J : 1施設くSAT) c)全体半面構成が典型例であるとと(í積層型」は除外)

・「両翼型J: 5施設 くBEP)くHAP)くYAM)くYAY)くSAT)・「近接型J : 1施設(KIN12) d)指導方針に相違があり比較対照による特徴が認められると考えられる施設ホ3

2)休憩時間行動分析の対象施設の概要

休憩時間行動を分析するために加えた「休憩時間行動調査J対象施設は、 「行動追跡調査」対象施設を補 うものとして下記の選定基準によって抽出した6施設である。

a)障害判定構成類型別に分散すること

・「重度化J: 2施設くIKI)くUBA), í重軽度混在J: 3施設くKIN09)くMOM)くMIO), ír11軽度者J: 1施設くSYU) b) í行動追跡調査J対象施設のみでは不充分な作業室用途構成・会議室配置形態・休憩時間の遂行内容 などに違いがみられること

- 屋外作業および別棟作業棟中心で、 主作業室が空室化している事例<A> : 3施設くUBA)くMIO)くSYU)

・ 主作業室に、 常時集会スペースを確保している事例<W+A> : 1施設く! K!) -会議室が「作業室続問型和室」である事例 : 2施設くMOM)くMIO)

・ 休憩時間に「午睡Jを行っている(夏季のみ) 事例: 1施設くKIN09)

施般レベル 集団レベノレ

個人レベル

BEP

I 1982

行1

HAP 1 1982 : I K IN1 211卿

: I YAM 11卿

査IYAY SAT 1

I

1980 1985 休 11KI 1 1987

強|叩:A I 1988

問I

K 1 N09

I

1988 : 鵠110110 1 酬 11附 1 1986

査 I SYU I 1982

17

表5-1 . 対象施設の概要

建困 ↑一一園 件 目

指導貝随伴形態

〈指導方式〉

図5-1. 行動特性分析スキーム

Eヨ 婦除 更衣

ー108 - 一109 -

参照

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