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雑誌名 同志社スポーツ健康科学

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(1)

都市型市民マラソンにおけるスポーツ消費者行動 : 奈良マラソン2018参加者のクチコミ行動の分析

著者 徐 嘉楓, 二宮 浩彰, 備前 嘉文, 胡 威

雑誌名 同志社スポーツ健康科学

号 11

ページ 7‑15

発行年 2019‑06‑20

権利 同志社大学スポーツ健康科学会

URL http://doi.org/10.14988/pa.2019.0000000258

(2)

都市型市民マラソンにおけるスポーツ消費者行動:

奈良マラソン 2018 参加者のクチコミ行動の分析

徐 嘉楓

1

,胡 威

2

,備前 嘉文

3

,二宮 浩彰

4

Sports Consumer Behavior in an Urban Marathon:

Analysis of Word-of-Mouth Behavior in Nara Marathon 2018 Runners

Jiafeng Xu

1

, Wei Hu

2

, Yoshifumi Bizen

3

, Hiroaki Ninomiya

4

 This study clarified sports consumer behavior based on an analysis of a sports event. After extensive Web investigation identifying runners in the Nara Marathon 2018, results from 2,278 runners were compiled from valid responses. The research items include those related to sports consumer behavior and tournaments such as individual attributes, running participation, marathon participation, residential information, satisfaction and demand of the Nara Marathon, comprehensive evaluation and intention to revisit, and word-of-mouth of the Nara Marathon. A simple summary for each item or cross tabulation by gender and age is provided in this paper.

Analysis clarified consumer behavior of participatory sports by demonstrating the actual condition of runners such as individual attributes, running participation, and the reception and transmission of word-of-mouth.

Additionally, depending on marathon participation, event satisfaction, and intention to revisit, we were able to indicate issues for future event management. From the analysis of the reception and transmission route of word- of-mouth, and the influence of word-of-mouth, we believe that more effective public relations activities will be possible for event organizers. This research will provide basic material leading for improving event management of the Nara Marathon.

【Key words sports event, running participation, word-of-mouth

 本研究は,奈良マラソン2018ランナーを対象とし,個人属性,大会参加状況,大会に対する評価,クチコミ 情報についての分析を行い,スポーツ消費者行動を明らかにすることを目的とした.調査については,奈良マ ラソン2018終了後に,ランナーを対象にウェブ調査を行い,有効回答は2,278票となった.調査項目は個人属性,

ランニング実施状況,大会参加状況,宿泊,奈良マラソンについての満足度と要望,総合的な評価と再参加意図,

奈良マラソンについてのクチコミ情報といったスポーツ消費者行動や大会運営に関する項目とした.分析方法 については,項目ごとに単純集計または性別および年代によるクロス集計を行った.本研究の結果として,個 人属性,ランニング実施状況,クチコミ情報の受信・発信といったランナーの実態を把握することで,参加型 スポーツの消費者行動を明らかにすることができた.また,大会参加状況と満足度,再参加意図の分析結果によっ て,今後の大会運営の課題を挙げることができた.ランナーのクチコミ情報の受信・発信経路,クチコミ情報 の影響の分析結果を踏まえ,イベントの運営側がより効果的な広報活動ができると考える.本調査研究の成果 は大会運営の向上につながる基礎資料となるであろう.

【キーワード】スポーツイベント,ランニング実施状況,クチコミ情報

1 同志社大学大学院スポーツ健康科学研究科博士前期課程(Graduate School of Health and Sports Science, Doshisha University)

2 同志社大学大学院スポーツ健康科学研究科博士後期課程(Graduate School of Health and Sports Science, Doshisha University)

3 國學院大學人間開発学部(Faculty of Human Development, Kokugakuin University)

4 同志社大学大学院スポーツ健康科学部(Faculty of Health and Sports Science, Doshisha University)

Ⅰ.緒言

 奈良マラソンは,奈良県奈良市と天理市で開催され る大規模な市民参加型マラソン大会である.2010年 に「平城遷都1300年記念事業」の一環として,平城

宮跡を舞台とした第1回大会が開催された.奈良県,

奈良市,天理市,(一財)奈良陸上競技協会で構成さ れた奈良マラソン実行委員会が主催している.

 「奈良マラソン2018」は9回目となり, 平城宮跡を はじめ,奈良が世界に誇る数々のロケーションがコー

(3)

8 Doshisha Journal of Health & Sports Science

スに設定されており,マラソンを通してスポーツの振 興を図るとともに,魅力ある観光地域のアピールとなっ ている(奈良マラソン2018ホームページ,2018).

 「奈良マラソン2018」は2018年12月8日・9日の 二日間にわたって,ならでんフィールド(奈良市鴻ノ 池陸上競技場)で開催された.8日に3kmジョギング,

9日に10kmレースとマラソンが行われ,ランナー1

万7,494人(出走者数)が健脚を競った.マラソンコー

スは定員12,000人で,制限6時間である.大会は奈

良県内から8,041人,大阪府から4,417人,京都府か

ら1,354人が参加し,近畿を中心に,北海道や沖縄ま

で全国47都道府県からエントリーがあった.海外か らのランナーは台湾,香港,中国,イギリス,タイなど,

665人がエントリーした(奈良新聞,2018).ボラン ティア,競技役員,救護スタッフ,行政職員,ガード

マン等,6,800人以上が運営にあたって,沿道からは

約22,000人の観衆が声援を送った.バルセロナ五輪

で銀メダル,アトランタ五輪で銅メダルを獲得した有 森裕子氏のランニングクリニックも行われた(朝日新 聞,2018).特設会場では地元名物,特産品などが並 び,「奈良マラソン2018EXPO」が開催された.実行 委員会はFacebook,Instagram,YouTubeなどのSNS で大会に関する情報を投稿しており,ランナーが情報 に接することができ,多くのコメントも寄せられた.

奈良マラソンに関する投稿を「いいね」と評価したり,

シェアをしたりすることで,ランナーが情報の発信者 になって,奈良マラソンの認知度が上がることにつな がっている.

 昨今のランニングブームを背景として,主催する 自治体は知名度向上,経済的効果や地域活性化を期 待してマラソン大会を開催するようになった(二宮,

2014).矢野経済研究所(2013)は,大会当日,多く のランナーや応援者が来訪し,地元のコンビニ,飲食 店,ショッピングセンターなどの売上増加に関係して いる.また,県外ランナーの参加により宿泊施設の稼 働率の上昇もみられる.さらに,来訪者が開催地域で の楽しい思い出から,再び訪れたい気持ちが,持続的 な地域活性化を可能にするという市民マラソン大会が 地域に与える影響を指摘した.

 参加型スポーツサービス,または観戦型スポーツ サービスを消費する「スポーツ参加者」と「スポーツ 観戦者」がスポーツ消費者と定義され,松岡(2018) はスポーツ消費者の意思決定過程も一般の消費者のそ れと同様に,基本的な五つのステージ「ニーズの認知」

「情報探索」「購買前の代案評価」「購買・消費(参加)」

「購買(参加)後の評価」といった一連の流れで,スポー ツ参加の意思決定プロセスが起動すると指摘した.ま た,二宮(2016)はスポーツ消費者の心理局面にお

いて,家族,仲間集団,学校,コミュニティ,マスメディ アなどが,スポーツに参与するようになるきかっけを 個人に与えることをスポーツへの社会化理論によって 説明している.

 日本でのランニングイベントの開催数が増加する一 方,スポーツ消費者の行動実態を把握して大会運営の 質をさらに向上させることが求められる.消費者・顧 客行動を理解することができれば,商品を魅力的にす るヒントが見えてくる(平久保,2017).また,濱岡

(2009)は,クチコミによって伝えられた情報は,消 費者の意思決定に大きな影響を与えることを指摘し

た.Asada(2016)は,クチコミがスポーツ観戦にお

けるスポーツ消費者の知覚に影響を与えることを指 摘している.マラソン大会においても,SNSの普及 に伴い,ランナー個人のクチコミ力を利用することが 新たな価値を生み出すことが指摘されている(坂牧,

2014).

 そこで本研究では,奈良マラソン2018ランナーを 対象とし,個人属性,大会参加状況,大会に対する評 価,クチコミ情報についての分析を行い,スポーツ消 費者行動を明らかにすることを目的とする.また,調 査結果をマラソン大会の実行委員会にフィードバック することで,今後の大会運営の質の向上の一助となる であろう.

Ⅱ.研究方法

1.調査項目の設定

 本調査では,個人属性,ランニング実施状況,大会 参加状況,宿泊,奈良マラソンについての満足度と要 望,総合的な評価と再参加意図,奈良マラソンについ てのクチコミ情報といったスポーツ消費者行動や大会 運営に関する調査項目とした.

1)個人属性

 個人属性は,性別,年代,職業,世帯所得,最終学 歴,といったランナーのプロフィールに関する項目で ある.

2)ランニング実施状況

 ランニング実施状況は,1年間のランニング大会の 出場回数,ランニング歴,月間走行頻度,月間走行距 離,フルマラソン完走回数,フルマラソンの完走タイム,

といったランニングへの取り組みに関する項目である.

3)大会参加状況

 大会参加状況は,エントリー種目,下車した駅,利 用した路線,駅からの交通手段,会場到着時刻,といっ

(4)

た大会参加に伴うランナーの会場までのアクセスに関 する項目である.

4)宿泊

 宿泊は,宿泊の有無,宿泊の場所,宿泊数,といっ た奈良県内外における宿泊に関する項目である.

5)奈良マラソンについての満足度と要望

 奈良マラソンについての満足度と要望は,給水・給 食所で良かった提供物,ビニールウェアの配布や防寒 用衣類の回収などの大会運営のサービスに関する項目 である.

6)評価と再参加意図

 評価と再参加意図は,総合的な評価,期待と比べた 評価,再参加意図,知人の勧誘,といった大会への評 価および再参加意図に関する項目である.

7)奈良マラソンについてのクチコミ情報

奈良マラソンについてのクチコミ情報は,クチコミ情 報の入手経路,体験の発信,クチコミ情報の影響の有 無,に関する項目である.

2.データの収集

1)調査期間: 2018年12月9日から12月18日までの 10日間である.

2)調査方法:奈良マラソン2018実行委員会から,ラ ンナーに調査票URLリンクが記載した メールを送信し,ランナーがウェブ調査 を回答することで,調査が実施された.

3)調査対象: RUNNET(インターネット申込)にてエ ントリーしたランナー(13,999人)を調 査対象として調査が行われ,2,701票の 回答を得た.

3.分析方法

 収集したデータのクリーニング(外れ値および回答 を中断している回答の削除)を行ったところ,有効回

答は2,278票となった.分析方法については,項目ご

とに単純集計または性別および年代によるクロス集計 を行い,図を用いて結果を示した.

Ⅲ.結果と考察

1.個人属性 

 回答者における性別の内訳は,男性が1,734名

(76.1%),女性が544名(23.9%)である.奈良マラ ソン2018のフルマラソンの出走者データでは,男性

が80.1%,女性が19.9%であることから,本調査の サンプルとほぼ同じ割合となっている.年代について は,40歳代が40.4%で最も多かった.次いで50歳代 は30.9%,30歳代は14.4%であった.10・20歳代は 5.6%と最も少なかった.職業では,会社員が62.6% と最も多く,次いで公務員と自営業・自由業が2番目 と3番目多いという結果であった.世帯所得について は,1000万円~1500万円の回答者数がおよそ10% で最も多く,400万円~700万円と回答したランナー は全体のおよそ4分の1であった.最終学歴では,大 学・大学院卒業または在学中と回答したランナーは全 体の6割以上を占めた.

図1 性別

10

1

性別

2

年代

3

職業

10

1

性別

2

年代

3

職業

図2 年代

10 図1 性別

図2 年代

図3 職業

図3 職業

10 図1 性別

図2 年代

図3 職業

(5)

10 Doshisha Journal of Health & Sports Science

2.ランニング実施状況 

 ランニング実施状況については,過去1年間のラン ニング大会の出場回数を2~4回目と回答したランナー は全体の4割超と最も多かった.フルマラソン完走回 数については,50歳代,60歳代以上の男性および50 歳代の女性においては,10回以上完走したランナーは 50%以上を占めた.10歳代から30歳代の若年層にお いては,完走経験なしおよび1回完走した割合が高かっ

た.フルマラソン完走タイムには,男女とも50歳代の ランナーの平均値が一番速いことが分かった.

 ランニング歴,月間走行頻度,月間走行距離では,

男性の方が高い値を示しており,年代が高くなるに連 れて,平均値が高くなる傾向がみられた.

図4 世帯所得

図6  1年間のマラソン大会の出場回数

図7 ランニング歴の平均値(年目)

図8 月間走行頻度の平均値(回)

図9 月間走行距離の平均値(㎞)

図10 フルマラソン完走回数 11

4 世帯所得

5 学歴

12 6 1年間のマラソン大会の出場回数

7 ランニング歴の平均値(年目)

12 6 1年間のマラソン大会の出場回数

7 ランニング歴の平均値(年目)

13 8 月間走行頻度の平均値(回)

9 月間走行距離の平均値(㎞)

14 10 フルマラソン完走回数

11 フルマラソン完走タイムの平均値(時間:分)

図5 学歴

11 4 世帯所得

5 学歴

13 8 月間走行頻度の平均値(回)

9 月間走行距離の平均値(㎞)

(6)

3.大会参加状況 

 エントリー種目では,マラソンの参加者が8割以 上を占めて最も多かった.次いで10kmの参加者が 16.3%となった.

 下車した駅については,電車を利用しなかったラン ナーが多かったほか,近鉄奈良線を利用して近鉄奈良 駅で下車したランナーが一番多かった.そして,半分 以上のランナーは,近鉄奈良駅から徒歩で会場まで移 動している.

 会場到着時刻には,10km参加者の大多数は7時30 分から8時30分の間に到着したのに対して,マラソ ン参加者の70%が7時から8時の間に到着しており,

10km参加者よりも早く現地入りしている.

4.宿泊 

 宿泊については,自宅から日帰りの参加者が回答者 全体の73.0%で最も多かった.次いで20.6%の参加 者が奈良県内の宿泊施設に泊まっている.奈良県内で 宿泊したランナーのうち,1泊の参加者が8割以上で あった.奈良県外に泊まったランナーのほとんどが大 図11 フルマラソン完走タイムの平均値(時間:分)

図14 利用した線路(第2日目)

14 11 フルマラソン完走タイムの平均値(時間:分)

16 14 利用した線路(第2日目)

15 駅からの交通手段(第2日目)

図15 駅からの交通手段(第2日目)

16 図14 利用した線路(第2日目)

図15 駅からの交通手段(第2日目)

図16 会場到着時刻

17 16 会場到着時刻

17 宿泊の有無及び場所

18 奈良県内での宿泊数 図12 エントリー種目

15 図12 エントリー種目

図13 下車した駅(第1日目)

図13 下車した駅(第1日目)

15 12 エントリー種目

13 下車した駅(第1日目)

(7)

12 Doshisha Journal of Health & Sports Science

阪府,または京都府内で1泊の宿泊であった.

5.奈良マラソンについての満足度と要望 

 給水・給食所で良かった提供物については,ヴァーム ウォーター,ぜんざい,バナナ,フィニッシュ後の温か いお茶などの水分や糖分を補給できるものが多くのラン ナーに好まれている.特にレース中でのヴァームウォー ターやフィニッシュ後の温かいお茶は人気が高かった.

 大会満足度では,完走証,完走タオルに満足してい る割合が高かった.また,運営スタッフ・ボランティ アの対応,沿道からの応援について,満足と回答した ランナーは90%以上であった.一方,参加のご案内,

トイレの数・場所,更衣所などの項目に対して,不満

足またはやや不満足と回答したランナーが多いことか ら,今後の改善が望まれる.

 奈良マラソンについての要望では,ビニールウェアの 配布や防寒用衣類の回収で実現/継続してほしいと回答 したランナーがおよそ9割を占めた.一方で,入浴施設 へのバス送迎やEXPOスポーツ体験コーナー・せんとく んエアー遊具では,4分の1のランナーが必要ないと感じ ていることから,これらに対する調整も課題となっている.

6.評価と再参加意図 

 大会に参加する前の期待と比べた大会の評価につい ては,期待より良いと回答したランナーが大部分を占 図17 宿泊の有無及び場所

17 16 会場到着時刻

17 宿泊の有無及び場所

18 奈良県内での宿泊数

図18 奈良県内での宿泊数

17 16 会場到着時刻

17 宿泊の有無及び場所

18 奈良県内での宿泊数

図19 奈良県外での宿泊数

18 19 奈良県外での宿泊数

20 給水・給食所で良かった提供物

図21 大会満足度

3.4%

5.1%

2.0%

3.7%

2.2%

9.6%

4.4%

2.2%

1.7%

0.9%

0.8%

8.8%

0.7%

0.7%

1.0%

1.3%

3.6%

3.6%

3.0%

16.0%

1.6%

1.3%

1.9%

1.9%

1.5%

3.1%

4.8%

3.0%

12.3%

6.5%

19.3%

10.7%

7.9%

3.0%

1.8%

7.0%

2.1%

12.1%

15.4%

17.4%

13.4%

15.8%

11.5%

11.8%

12.9%

7.0%

9.3%

12.4%

21.3%

8.1%

4.5%

6.5%

14.0%

25.3%

20.7%

17.5%

8.8%

12.9%

10.9%

13.2%

13.3%

11.6%

9.0%

8.6%

5.5%

3.0%

12.5%

20.6%

9.1%

30.3%

15.5%

16.5%

28.4%

27.9%

26.6%

28.1%

28.5%

21.4%

24.0%

29.6%

29.4%

15.0%

14.1%

19.2%

14.4%

18.8%

26.9%

17.1%

28.7%

27.9%

26.7%

27.2%

23.9%

30.7%

27.1%

14.6%

17.8%

15.0%

6.2%

37.1%

30.5%

50.3%

25.1%

22.8%

45.9%

44.6%

57.0%

54.5%

55.2%

64.6%

60.9%

47.9%

27.4%

56.3%

62.9%

69.5%

25.4%

17.6%

39.6%

55.0%

58.3%

36.0%

50.1%

27.8%

31.5%

44.4%

59.2%

44.9%

73.7%

80.2%

12.6%

33.3%

57.4%

5.1%

42.9%

42.3%

0.1%

10.9%

4.0%

4.6%

1.9%

1.6%

0.9%

6.5%

0.8%

17.8%

16.7%

2.4%

43.2%

36.5%

8.3%

3.6%

0.3%

7.2%

3.6%

3.0%

16.2%

3.1%

0.9%

31.4%

0.8%

0.6%

68.1%

0.7%

0.3%

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更⾐所

⼿荷物預かり所 トイレ(会場)の 数・場所 トイレ(コース)の

数・場所 給⽔・給⾷

サイン表⽰

(コース沿道)

救護体制 運営スタッフ・

ボランティアの対応 沿道からの応援

マッサージ

ランナーのマナー

奈良らしさ

不満⾜ やや不満⾜ どちらでもない やや満⾜ 満⾜ 当該せず/利⽤していない

図20 給水・給食所で良かった提供物

18 19 奈良県外での宿泊数

20 給水・給食所で良かった提供物

図22 奈良マラソンについての要望

20 図22 奈良マラソンについての要望

図23 合的な評価の平均値(1:非常に不満足~7:非常に満足)

(8)

めた.一方で,少ない割合であるが,10・20歳代と 女性の30歳代において,期待より悪いという回答が みられた.

 回答者の9割以上は今後も奈良マラソンに参加した いと回答した.男女ともに10・20歳代は再参加意欲 が比較的低い傾向にある.また,奈良マラソンを友人・

知人に勧めたいかについてはすべての年代で勧めたい と回答したランナーは85%以上であり,60歳代以上 のランナーは他の年代と比べると,友人・知人への推 奨の意欲が低いことが分かった.

 総合的な評価および再参加意図からみると,奈良マ ラソンは非常に高い評価を受けており,再参加意図の 高い大会といえる.

図23 総合的な評価の平均値

(1:非常に不満足〜7:非常に満足)

20

23 合的な評価の平均値(1:非常に不満足~7:非常に満足)

図24 期待と比べた評価

21 24 期待と比べた評価

25 再参加意図 図25 再参加意図

21 24 期待と比べた評価

25 再参加意図

図26 友人・知人への推奨

22 26 友人・知人への推奨

27 クチコミ情報の入手経路

(9)

14 Doshisha Journal of Health & Sports Science

7.奈良マラソンについてのクチコミ情報  1)クチコミ情報の入手経路 

 奈良マラソンについてのクチコミ情報の入手経路に ついては,45.7%の回答者が「ランニングサイトの個 人による投稿」で入手している.次いで「ランニング 仲間と関係者との会話」,「家族や友人との会話」をク チコミの入手経路としたランナーはそれぞれ回答者の 31.1%,29.5%であった.性別からみると,女性は「家 族や友人との会話」,「ランニング仲間や関係者との 会話」,この2項目からクチコミ情報を多く入手して いる一方,男性は女性より,「ランニングサイトの個 人による投稿」,「SNSの個人による投稿」からクチ

コミ情報を入手する割合が高くなっている.女性は会 話関係のクチコミにより多くの情報を入手し,男性は ネットやSNSでのeクチコミにより多くの情報を入 手する傾向がみられた.年代別では,10歳代から30 歳代の若年層は「家族や友人との会話」から多くの情 報を入手し,40・50歳代の中年層と60歳代以上の高 年齢層とも「ランニング仲間や関係者との会話」,「ラ ンニングサイトの個人による投稿」から多くの情報を 入手している.そして,高年層は「SNSの個人によ る投稿」から情報を入手することが他の年齢層より少 ない.また,年代が高くなると,「クチコミ情報を入 手しなかった」と回答するランナーが多くなっている.

2)クチコミ情報の発信経路 

 奈良マラソンの体験をクチコミとして発信する経路 については,「家族や友人との会話」を通して発信し たいと回答したランナーは69.8%と高くなっている.

次いで「ランニング仲間や関係者との会話」,「SNS の個人による投稿」を通して発信するとした回答者は それぞれ52.6%,21.4%であった.また,「全く体験 を伝えようとは思わない」と回答したランナーはわず か3.3%であることから,ほとんどのランナーは参加 の体験を誰かに伝えたいということが分かった.

 性別については,女性は男性に比べ,「家族や友人

との会話」,「ランニング仲間や関係者との会話」,「SNS の個人による投稿」を通して発信する割合が高く,男 性はランニングサイトにクチコミ情報を発信する傾向 があることが分かった.年代別にみると,年代が若い ほど「家族や友人との会話」,「SNSの個人による投稿」

を選択する傾向があり,年代が高いほど「ランニング 仲間や関係者との会話」を通してクチコミ情報を発信 する傾向がみられた.40歳代および50歳代は「ラン ニングサイトの個人による投稿」を通じて,よりクチ コミ情報を発信することが分かった.

図28 クチコミ情報の発信経路

23 28 クチコミ情報の発信経路

29 クチコミ情報の影響

図27 クチコミ情報の入手経路

22 26 友人・知人への推奨

27 クチコミ情報の入手経路

(10)

3)クチコミ情報の影響 

 奈良マラソンについてのクチコミ情報は,奈良マラ ソンに出場することを決断する際に,影響したかとい う質問に対して,「非常にそう思う」,「そう思う」,「や やそう思う」という肯定的な回答をしたランナーは,

いずれの年代においても50%を超えている.特に40 歳代,60歳代以上の女性および10・20歳代の男性に おいて,高い割合になった.このように,クチコミ情 報が出場の意思決定にプラスの効果があることが分

かった.性別からみると,肯定的に回答した女性の割 合が男性より高いことから,クチコミ情報は女性の大 会出場の意思決定を後押ししていることが分かった.

年代別にみると,年代の若いほど,クチコミ情報に影 響されやすい傾向がみられた.以上のことから,女性 ランナーや若年層のランナーをターゲットに,クチコ ミ情報を広く拡散することによって,女性と若年層か らの参加を増加させる可能性があると言えよう.

Ⅳ.まとめ

 本研究では,奈良マラソン2018ランナーを対象と して,個人属性,大会参加状況,大会に対する評価,

クチコミ情報についての分析を行い,スポーツ消費者 行動を明らかにすることを目的とした.

 結果として,個人属性,ランニング実施状況,クチ コミ情報の受信・発信など,ランナーの実態を把握 し,参加型スポーツの消費者行動を明らかにした.ま た,大会参加状況と満足度,再参加意図の分析結果に よって,今後の大会運営の課題を挙げることができた.

ランナーのクチコミ情報の受信・発信経路,クチコミ 情報の影響についての分析結果を踏まえて,イベント の運営側がより効果的な広報活動が行えると考えられ る.以上のように,本調査研究の成果は奈良マラソン 大会運営の向上につながる基礎資料となるであろう.

謝辞

 データ収集においては,奈良マラソン実行委員会事 務局の協力のもと,多くのランナーの方から回答をい ただいた.ここに記して感謝の意を表する.

参考文献

Asada, A., and Ko, Y. J. (2016) Determinants of word-of-mouth

influence in sport viewership. Journal of Sport Management, 30(2): 192-206.

朝日新聞(2018)奈良マラソン号砲控え開会式.2018年129

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図29 クチコミ情報の影響

23 28 クチコミ情報の発信経路

29 クチコミ情報の影響

参照

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