乳牛スラリー嫌気処理によるバイオガスからの炭酸 ガス(CO2)の分離
その他(別言語等)
のタイトル
Removal of carbon dioxide (CO2) from the biogas produced by a cow slurry anaerobic digester
著者 梅津 一孝, 高畑 英彦, 干場 秀雄, 山本 智久
雑誌名 帯広畜産大学学術研究報告. 第I部
巻 17
号 3
ページ 299‑303
発行年 1991‑11‑30
URL http://id.nii.ac.jp/1588/00002004/
29訂
雄大研儲l,17(1991)二299〜3旧
乳牛スラリー嫌気処理によるバイオガス からの炭酸ガス(CO2)の分離
梅津 一孝〜・高畑 英彦l・干場 秀雄−・山本 智久1
く受王【l!ニ199ト隼5月31日)
Removalofcarbondioxi〔】e(CO2)fromthcbiog■aS producedbyacov′Slurryと1naerObicdigestcr
KazutakaUトⅢ・rSUl,‖idehikoT∧K∧帖ゝ 「A▲
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摘 要
乳牛スラリーを嫌気発酵させ生成したバイオガスのカロリーアップをl冥lる′ために水を吸収剤 として炭椴ガス(CO2)を除去した。高圧タンクとコンプレッサーから成る実験装置を試作し・
炭酸ガス分離効果について検討を行ったっ実験の義賊より吸収タンク内圧力(6気斤)▼水温 0ウC,ガス注入速度32D、ゼ//分の条件で炭酸ガス除去率は59.8%、となり,吸収前のメタン濃度5 摘に対し73%のバイオガスを綜た。
キーワード バイオガス,メタンガス.炭酸ガス除去乳牛スラリー
を行う場合は炭懐ガスを除ムした高カロリーのガスが
必嚢となる。
ニのバイオガス中に含まれる炭磯ガスの除去方法に
っいては,(重アルカリ溶液に吸収させる方法l∴②水 に対する溶解度の遠いを利用した分離方法,ぼシリコ
ンゴムなどの機能性陰による分離2r,などが考えられ るが,本嚢破では腐食性が小さく,毒性がない水を吸 収剤とした。水を吸収剤とする方式は占く,アンモニ 7台成工業などの炭懐ガスの吸収に見られた,今日で は標高差などを利用し,勤ノ」を最小にできるような場 合以外は剛、られていないが,構造が極めてシンプル
精
乳牛スラリーを嫌気発酵させて得られるバイオガス
はメタンガス5日〜6(槻,坂恨ガス(COど)40〜5けワbを 土成刃とし微量貯水素,窄熟硫化水素を含んだ混合 ガスである。純粋なメタンガスの低位発熱量ほ8,550 加al/正であるが,イこ燃ガスである炭懐ガス濃度が 増すに従いバイオガスの『.味発熱毒は減少する。メタ
ン頻度が6晒の場今p〕バイオガスの【=.昧低位発熱竜ほ 5.130kCaレNポと都市ガスの6C(4.500kcaレーN相◆〕
に比較して大きいもののガスエンジンによる発電など
【帯広畜産入学草地畜腫磯腑学講座畜産機械学研究室
ILaboratoryorMachineryforAniT∫ユalHusbandry,Department()fAgricultuTalMachinery,ObjhiTO UniversityorAgriculturearld VeterinaryMcdicin・?
109
J(10 梅津・孝・高畑英彦・干場秀雄・山本智久 で,熱交換器やリボイラーが不要であるという利点竜
持つ。
また吸収装叢については工業的なガス吸収装置とし
てほ塔型式のものが多く.充堀割を用いる場合の充填 j乱 ノズルから液を噴務させガスと接触させるスプレ ー堵,ガスを多数の細気泡にして底部から吹き込み.
塔内郡の棚を伝わり流れる液と接触きせる棚段渚など
がある。8}
また,高圧タンク内の水にバイオガスを吹き込む方 式として入江2)らほ豚糞尿を原料としたバイオガスを 用いノ.加圧タンクと減圧タンクから成る装置巻試作し−
実験を行っているが装置が複雑であることとメタン濃
度のL昇に従い減圧タンクからメタンガスの一部が放
出されるという欠点を指摘している。
本実験では棚段塔の変形塾のノズルと高圧タンケに
よる最も簡単な吸収装置を試作し.′そイオガス中¢炭 酸ガスの.分線効果について実験的検甜を行づた′。
実験の方法
装置の構造装置はメタンガスの水に対する溶解度が炭酸ガスに
比べ約30分の1と小きいことを利用し考案したもので Scrub t且nk
ある。図Ⅰに実験装置の概略を表1にその仕様を 示す。バイオガスは日本甜菜鰍脚鮒訓l農場に設置し た/ヾイオガスプラント4〉・即 8)より発生したものを 1.餌絶域スバッケに舗集し,実験に供した。吸収タ ンク内の水煮ほ508月としコンプレッサーで圧棺した
バイオガスをタンクの底部のノズルを適し水中に吹き 込みバイオガス巾の炭酸ガスを水に吸収させる万墜と
した。ノズルはガス気泡が細気泡化するよう確気専用 エゼククーを試作し用いた。
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美談の手順
実験i
タンク内圧力と炭酸ガス吸収量の関係を明らかにす
るために,タンクに安全弁を取り付けた壌合(6気圧)
と取り付けない場合(1責ほ)について比較を行うた。
この時のバイオガス注入速度はコンプレッサー内でガ
11()
バイオガスからの炭酸ガス(C仇)の分離 3(Il
弁を成り付けた場合,吹き込まれたガスはタンク内が 6気圧に達するまでタンクから排出されず.安全弁が
ない場合は吹き込まれたガスは直ちに排出されタンク
内は常に1気圧であった。
囲2に吸収タンク内圧力が1気圧と6気圧の場合 のバイオガスのメタン濃度の経時変化を示すn安全弁 を取り付けないタンク内圧力が1気圧の場合はガス注 入開始後約8分で最高値67.5%となったが,その後急 激に下庫し,約20分後60%以卜となった。炭酸ガス除 去率は25.5%,平均メタン濃度は00.3%と注入前のバ
イオガス中のメタン濃度と比較し,乙8タ6の上昇に留 まった。
安全弁を取り付け吸収タンク内圧力を6女i圧とした 場合は高いメタン濃度を示し.バイオガス注入開始後 約25分で最高値71.5%となり.約15分間この値を維持
L.その後徐々に下降した。炭酸ガス除ム率は引.g%,
排出ガスの平均メタンガス濃度は69.5タ名と注入前のメ タン濃度より13、3%の上昇となった。
実験後の吸収タンク内の水は,1気圧の場合は透明 な状態であったが,6気圧の場和ま乳白色の炭酸水と なっていた。
以上の結果より,溶解度と圧力の関係を示Lたヘン
リーの法則に従いバイオガス中からの炭酸ガス分離に ついても高は条件が不可欠であることが明らかとなっ
た。
スを10気圧まで圧縮し.排日コックを全開にしコンプ レッサー内の圧力が8気圧になるまで注入する方法
(320β/分)を繰り返した。タンク内の水はバルク クーラーを用い冷却し水温は5℃とした。
実額Ⅲ
吸収タンクへのガス注入速度と炭酸ガス吸収量の関
係を明らかにするために,コンプレッサー側圧力10丁・−
8気圧,320ゼ/分と,10〜6気圧.270ゼ/分につい て比較を行った。実験1の結盟より吸収タンクの安全 弁動作圧は勘気圧としたごブタンク内の水温は5℃とし た。
実験Ⅱ
タンク内水濫と炭酸ガス吸収寮の関係を明らかにす
るために,タンク内水温を0℃と20℃について比較を 行った。実験1,実験uの結果よりタンク内圧力を6 気圧,ガス住人速度を320戚/分とした。
実験Ⅳ
供試方法による奴酸ガス吸収量の上限を明らかにす
るために,実験mの0℃で行った排出ガスを再度吸収 させメタン濃度の上限を求めた。タンク内圧月は6気 圧,ガス注入速度328月/分,水温0己cとした。
測定項R及び測定方法 1.メタンガス墳度
吸収前と吸収後のバイオガス巾のメタンガス濃度を
メタンガス濃度計(東村椿機GC707)を用い測定 した。吸収前のメタンガス濃度は,ガスバッタ交換毎
〔約川−15分間隔)に吸収後は吸収タンクのガス緋丑 口での磯度(5分間隔)を測定した。バイオガス中の メタンガスによる発熱睾は低位発熱量8.550kcal/ポ を採用し.ガス量にメタン濃度を乗じて求めた。
2.ガス量
ガスバッグからコンプレッサーへの経路(吸い込み 桝)と吸収タンクの排出口(排‥畑†り にそれぞれガス
流量計を設置し測定を行った。バイオガス組成をメタ ンガスと庚惚ガスと仮定L,メタンガス濃度とガス肯
から炭酸ガス最を算出し炭酸ガス除去率を求めた。
3.□ニカ
コンプレッサーと吸収タンクに付属している圧力ゲ
ージを用いそれぞれの圧力変動の測定を行った。
結果及び考案
】.吸収タンク内ほ力と炭酸ガス吸収量の関係 実験結果の要約を義一2に示す。吸収タンクに安食
Fig・2 ChangBSin methan8coTICentration(RunTI Scrubt8Jlkpressur808†m68tm
lng8CtionSpeed320月/min Wate「temp母r8ture5℃
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JO2 梅津一孝・高槻英彦・巨場秀雄・‥本智久
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Tankpressu陀 1atm 6aもm
Run山 花unⅢ 民unⅣ Jngectionspoed Water亡母mperatu代Frequefl叩 睾狛ゼ/min即0ど/min Oて7 20℃ 2pa月S Raw gas
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鱒.2 55.口 5三〉.n 55,1 73.0
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3,663 3.192 3一朗0 3,698 2,203 69.5 65.7 73.() ¢9.5 7乳6
21..766 17,930 告2.7用 21.974 14,804 51.8 46.4 5軋8 49.7 捨n.7
2,バイオガス柁人達匿と炭髄ガス吸収量由関係
吸収タンクに安全弁を照り付けた場合コンプレヅサ ー側壁力が10気圧から8気圧になるまでガスを注入す
るのに要する時間は平均2珊)であるのに対して8気圧 から6気圧ではヰ均亜秒を要した。
囲3にバイオガス注入速度が細山/分と2叩β/
分の場合のバイオガス中のメタン濃度の鍾博愛化を示 す。バイオガス注入速度3糾ゼ/分の値は,実験王(8
気圧)を用いた。ガス注入速度の高い遮0ゼ/分の鳩 舎は語高濃度が71.5%,注入適度270ゼ/分の場合は 68.0%であり注入速度の早い方が僅かでほあるが俊敏
ガス吸収率が高いことが明らかとなった。炭酸ガス除 去率では5.4軋、†均メタン濃度でほ3∴き%の差となっ
た。
注入速度が高いほど。ガス気泡が細分化し気礁接触 面積が拡大され】康に注人ガスが水を還拝する作用が 大き式なったため効果的ガス牧収か行われたものと考
3.吸収タンク内水濫と炭酸ガス吸収量の関係
・般に水に対する炭酸ガスの溶解度は低温であるほ
ど高く、ナンゼンの吸収係数をみると0℃と2椚:では 吸収量にほぼ倍の差があるユ):】
図−4に吸収タンク内の水滴が0℃と宮口℃の場合の バイオガス巾のメタン濃度の経略変化を示す。水温0
℃め場合バイオガス注入開始後約7分でピータに達L 約20分間最高濃度を維持した。水温20℃の場禽バイオ ガス注入開港後約ID分でメタン濃度はピークに達し,
その後徐々に下醸した。排出ガスの平均メタン濃度で は0℃む鳩舎18%の卜界であるのに対L2〈)℃では14.4
%であった。水温は炭酸ガス吸収を高めるため大きな 要栂であることが明らかとなった。
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Fig∴3 Ch8ng甲1nme(haneconcentration(RunⅢ)
lng8Ct10nSP舶d320月/mれ270月/min Scrub rsnk pressurs 6 atm
W8t¢rt8mP8憎tu柑5℃
112
バイオガスからの横磯ガス(CO2)の分離
くガス吸1Uほ行うことができることを明らかにした。
参 考 文 献
])NoR′1111.J、民.(1990):Fe江Sibilityoranlnte−
gratedBiog且SSCrubbeTrO王−aSWirle manure di酢ぎIer.ph、乃.11鮎sis−tT刀≦yビ∫SitvofIユ】iJ】0吋 Urbaれa,IL.
2)大阪府メタン発酵研究委邑会(柑85):廃棄物の
メタン発酵システムに関する研究報告書
3)恩田格三郎(1972):ガス吸収,科学工兼杜.
4)T∧KAHATA,tL,攻入WÅ一拍 1tr】,Tand し丁二ゝIETSし∴Ⅹ_(1989〕:8logaspr(1duct拍n Fr(−m dairycowslurrノy.JSASJZO(2)こ11柑・
5)TAK∧‖ATA,IT,,kA削ゝMOTO,T[Lnd Uh川TSしT,K.(1990):Erf ectornlulLiplereeding onl)iog鎮S PTO〔Iuetion using aconlpartme山
rtl・r】eplugrrow〔王将βSter.
,JSASJ21〔1):2329.
6)高畑英彦,梅津一考,川本恒美〔199り:寒冷地
型バイオガス生席システムの開発
畜人研報Ⅰ,17.:149〜ユ54.
Stlmmary
Be∫lChsiヱeeXperiment6ⅥrereCOndlユ鵬dto岳tud)・
a scr止bing system for山βre】nO、・al()f■鴎帝叩
dioxidt](CO2)fromthebio綱SprOd11Ced bya eow slurryan邑rロbiedigest即. rhe biogaswが passed血rollghw且ter(H20)inthヒSCrubしa血 The〔:02WOuldtbembeal】SOrbedrr〔lmtbe暮)10gaS Stream,PrOducingahigherqualiLygasinterms
(】rt11ethaneconte姉
Tlle eXper血entaldeviとe蝕nSis樋d ora scrt】b l且nk,anifりeCtion爪Qヱ1eandaconlpreSSOr.The Criticalparameters studierl\㈹re the ser再=加減 pres3ure,l)iogasin〕eetionspeed,WaLcrtcmpera Lureandthe†rやquemCyPrOpeでation
TheexperimentalrestIltぢghg)WedけはL沌eJ118ズ imlJmCOヱrenlO17allやa5all()ut滑8%,COrreSpOnd jnどtOaSerubtan】くpreR511re(Jl6alnl,anlれ】eCtjr)n
5p鱒星山r∂2ロゼ/旬血即か糾呼止抽如止血憮⊃】
0C.
月p点.几上丑〔〕玩んiro亡′r几iu.′Ⅰノ7r上汐β卯二gタβ〜・邪道 4.供試方饉でのメタン濃度の上昇限外
実額1,□,川の結架から,タンク内を高圧に保ち.
高い流速でバイオガスを注入し∴訂こタンク内水温を 低く保つことが炭醒ガス吸収率を高めるのに必要であ
ることが明らかとなった。
実験Ⅳでは,1回の処躍を行った排出ガスを再度処 理し,メタン濃度の上限を求めた。
本笑顔では,実験川(0℃)の排出ガスを住いた。
【粥5にメタン感度の経躇は化をノラけ。注入前のガス濃 度が一定Lないロ)は実験mで排出されたガスを3袋に 分けて採現したためである。
図に示すように最高凄度即.摘の高濃度ガスを楓 炭酸ガス除去率も当初の生ガスと比較すると80.7%と
なった。しかし,当机のバイオガス妾5.437忍は実験 肌 Ⅳを錘て2.3旧ゼに減少した(ノ正味発熱量で比較 すると実験前は25,5椚kcalであったものが,1回処 理後22,719kcal,2匝]目処瑠後は14,別4kealと再処
理により多貴のメタンガスが水に吸収され後発熱邑を
減じていることが明らかとなった∩
∴こ﹁・て﹂一こ︑:﹂■: ここーェ∵ワリ
S(:王 ubbedgas(2pとしSS)
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