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竹富方言の敬語動詞「オールン」のタ形

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−37−

竹富方言の敬語動詞「オールン」のタ形

Ta

-forms of the Honorific Verb "o ruN" in the Taketomi Dialect 

西 岡   敏

            NISHIOKA Satoshi

1.はじめに

 竹富 方言 の尊敬動詞「オールン」(いらっしゃる)は、日本古語「おはす」、沖縄古 (注1)

語「おはる」と歴史的に対応する。『おもろさうし』などの琉球古文献では、「おわ す」から「おわる」へとラ行四段動詞化している姿が見出せる(仲宗根政善 1987a

[1976a]:245、高橋俊三 1991a:241-245、沖縄古語大辞典編集委員会 1995:145)。

また、「おわる」は補助動詞「よわる」となって、尊敬の意を表わす(高橋 1991b:

187)沖縄方言では『おもろさうし』の時代に尊敬語として盛んに用いられたが、そ の後、敬意が逓減した(仲宗根政善 1987b[1976b]:231)。しかし、竹富方言をはじ め、八重山諸方言では「おはる」に対応する語形が尊敬動詞として現在でも勢力を誇っ て いる 。 (注2)

 さて、竹富方言の動詞では、完了の助動詞「たり」と歴史的に対応する「タ」の付 く形式、いわゆる「タ形」が二つある。連用形に付いて言い切りが「タ  ー」となる形<

と、連体形に付いて言い切りが「タン」となる形で ある 。例えば、「飲む」という動(注3)

詞「ヌムン」numuN であれば、次の二つの形である。

  ヌミタ  ー。 numi-ta:. 飲んだ。 連用形+タ<   ー。<

  ヌムタン。 numu-t N. 飲んだ。 連体形+タン。 

 これら二つの形式の違いは、強変化動詞(Ⅰ類)において明確に 現れ 、意味も異な (注4)

るようである。『竹富方言辞典』の「竹富方言の音韻・文法概説」(以下、「竹富方言 概説」)から引用する。

(2)

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 [「タ」は、(筆者補)]連用形に付くときと連体形に付くときとで、若干意味が異なる。たとえば、ホー ン(食べる)というⅠ類の動詞には、連用形に「タ  ー」が付いた形である「ホイタ<   ー」(食べた)と連<

体形に「タン」が付いた形の「ホッタン」(食べた)がある。次の文では「ホイタ  ー」と「ホッタン」<

の両方が使える。昼の午後1時に聞いたというところがポイントである。

 (昼食時が済んですぐの午後1時に聞くとき)

 〇メーシェー   ホイタ  ーダ<   ー?(昼御飯は食べたか?)<

 〇メーシェー   ホッタンダ  ー?(昼御飯は食べたか?)<

 これに対して、次の文では「ホッタン」のみ使え、「ホイタ  ー」は使えない。夜の午後8時に聞いた<

というところがポイントである。

 (夜の午後8時に聞くとき)

 ×メーシェー   ホイタ  ーダ<   ー?<

 〇メーシェー   ホッタンダ  ー?(昼御飯は食べたか?)<

 すなわち、「ホイタ  ー」は、その文の出来事が、発話の現在と近くつながっているときに使える表現<

であるが、その出来事が現在とつながらない完全な過去のものになると、使うことができなくなる。そ れに対して、「ホッタン」は、より意味が広くて、絶対的な過去であれば、その文の出来事が、発話の 現在に、近くであれ遠くであれ、使用することができる(西岡敏・小川晋史2011:24 -25、一部改)。

 これらの文法的な意味の違いについて、「竹富方言概説」では、「ホイタ  ー」を完了<

形、「ホッタン」を過去形とし、それぞれを区別する形で活用表などを提示している。

 このことに関連して、本稿では、尊敬動詞「オールン」(いらっしゃる)の「タ形」

に焦点を当て、それらの分析から得られたことを提示し たい 。 (注5)

2.「行った」「来た」「いた」と「オールン」のタ形

 尊敬動詞「オールン」は、現代日本語の「いらっしゃる」と同様、「行く」「来る」

「いる」の尊敬語として、それ単独で使用できる。

(3)

−39−

シンシーヤ カ  ー<〜  イ〜

   オールンダ  ー?(先生は向こうにいらっしゃるの?)<

  iN  i:-j  ka : - - o:ruN-da:?

 先生は 向こうに いらっしゃるの      「行く」の尊敬語

シンシーヤ クマイ〜   オールンダ  ー?(先生はこちらにいらっしゃるの?)<

  iN  i:-j   kum  -  o:ruN-da:?

 先生は  こちらに いらっしゃるの     「来る」の尊敬語

シンシーヤ クマナ   ー  オールンダ(注6)<   ー?(先生はこちらにいらっしゃるの?)<

  iN  i:-j  kum -na: o:ruN-da:?

 先生は こちらに いらっしゃるの      「いる」の尊敬語

 「オールン」を先述の過去形(連体形+タン)にすると、「オーッタン」という形

(あるいは丁寧に言うと「オールッタン」)になる。「オーッタン」(ないしは「オー ルッタン」)は、「行った」「来た」「いた」、いずれの尊敬語としても使用できる。

シンシーヤ カ  ー<〜  イ〜   オーッタンダ  ー?(先生は向こうにいらっしゃったの?)<

  iN  i:-j  ka : - o:tt N-da:? 

 先生は 向こうに いらっしゃったの     「行った」(過去)の尊敬語

シンシーヤ クマイ〜

   オーッタンダ  ー?(先生はこちらにいらっしゃったの?)<

  iN  i:-j  kum  -  o:tt N-da:? 

 先生は こちらに いらっしゃったの     「来た」(過去)の尊敬語

シンシーヤ クマナ  ー オーッタンダ<   ー?(先生はこちらにいらっしゃったの?)<

  iN  i:-j  kum -na: o:tt N-da:? 

 先生は こちらに いらっしゃったの     「いた」(過去)の尊敬語

 これに対して、「オールン」を完了形(連用形+ッタ  ー)の「オーリッタ<   ー」にし<

たとき、「行った」「来た」の尊敬語としては使用できるが、「いた」の尊敬語として

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は使用できない。

シンシーヤ カー〜  イ〜

   オーリッタ  ーダ<   ー?(先生は向こうにいらっしゃったの?)<

  iN  i:-j  ka : - - o:ritta:-da:?

 先生は 向こうに いらっしゃったの     「行った」の尊敬語[その移動は完了したか?]

シンシーヤ クマイ〜

   オーリッタ  ーダ<   ー?(先生はこちらにいらっしゃったの?)<

  iN  i:-j  kum - -  o:ritta:-da:?

 先生は こちらに いらっしゃったの     「来た」の尊敬語[その移動は完了したか?]

×シンシーヤ クマナ  ー オーリッタ<   ーダ<   ー?<

* iN  i:-j  kum  -na: o:ritta:-da:?

 先生は こちらに いらっしゃったの     「いた」の尊敬語として不可

 この使用の可否には、運動を示す移動動詞(行く・来る)であるか、静態を示す存 在動詞(いる)であるかという動詞自体の持つ意味の違いが、大きく関わっている。

工藤真由美(1995:276)のアスペクト・テンス体系の論を参考に述べるとするなら ば、移動を表す「行く」「来る」は、内的限界動詞であり、その動作を完了させるこ とができる、すなわち、<終了限界達成性>を表しうるけれども、静態を示す存在動 詞「いる」は、その存在という静態的動作を完了させることはできない、すなわち、

<終了限界達成性>を表すことができない。ゆえに、「オーリッタ  ー」という形は、<

「行った」「来た」の意味としては使用できても、「いた」の意味では使用できないと いうことに なる 。 (注7)

3.「〜していた」の場合

 継続的なアスペクトが加わる「いらっしゃっていた」に相当する形式には、「オー リブッタン」「オーリッタン」「オーリータン」の諸形式がある。これらはそれぞれの 意味の違いによって使い分けられている。

 「いらっしゃっていた」のうち、「行っていた」の意味には、「オーリブッタン」と いう形式が用いられる。これは「オーリ」(いらっしゃって)と「ブッタン」(いた)

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の複合動詞と見ることもできる。

シンシーヤ カ  ー<〜  ナ  ー オーリ ブッタン。(先生は向こうにいらっしゃっていた。)<

  iN  i:-j  ka : -na:  o:ri  butt N. 

 先生は  向こうに いらっしゃって いた  「行っていた」の尊敬語

 「いらっしゃっていた」のうち、「来ていた」の意味には、「オーリッタン」という 形式が用いられる。

シンシーヤ クマイ〜

   オーリッタン。(先生はこちらにいらっしゃっていた。)

  iN  i:-j   kum  -  o:ritt N. 

 先生は こちらに いらっしゃっていた    「来ていた」の尊敬語

 「いらっしゃっていた」のうち、「いた」の意味(「いていた」に相当)には、「オー リータン」という形式がある。「ずっといらっしゃっていた」の意味で、「いた」の意 味で用いられる「オーッタン」よりも、存在の継続性が強調さ れる 。 (注8)

シンシーヤ クマナ  ー オーリータン。(先生はこちらに(ずっと)いらっしゃっていた。)<

  iN  i:-j   kum  -na: o:ri:t N. 

 先生は こちらに いらっしゃっていた    「いていた」の尊敬語

 「行っていた・来ていた・いた(いていた)」の尊敬語について、標準語ではみな

「いらっしゃっていた」が用いられるが、竹富方言の場合は、「オーリブッタン」(行っ ていた)、「オーリッタン」(来ていた)、「オーリータン」(いていた)という使い分け が行われている。これら諸形式の元の形式は、共通して「オーリ+ヲゥタン」[o:ri +  wut N]  (「ヲゥタン」は「いた」の意味)であった可能性があり、敬語表現の発達の 過程で意味の違いに応じた各形式に分かれていったのかもしれない。

4.条件節となる場合

 複文の条件節で、「オールン」のタ形を用いた表現(「〜したら」の表現)としては、

(6)

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「オーッタ  ー」(あるいは「オールッタ<   ー」)がある。「オーッタ<   ー」(オールッタ<   ー)<

は「行ったら・来たら・いたら」のそれぞれの意味になりうる。

カー〜  イ〜

   オールッタ  ー、デンワシ トー< 〜  リ。(向こうにいらっしゃったら、電話してください。)

 ka : - - o:rutta:,  deNw -  i  to :   〜 ri.

 向こうに いらっしゃったら 電話して ください。   「行ったら」の意味

クマイ〜

   オールッタ  ー、デンワシ トー< 〜  リ。(こちらにいらっしゃったら、電話してください。)

 kum -   o:rutta:,  deNw -  i  to :   〜 ri.

 こちらに いらっしゃったら 電話して ください    「来たら」の意味

クマナ  ー オールッタ<   ー、デンワシ トー< 〜  リ。(こちらにいらっしゃったら、電話してください。)

 kum -na: o:rutta:, deNw    - i  to :   〜 ri.

 こちらに いらっしゃったら、電話して ください    「いたら」の意味

 次に、継続過去の条件形を考えてみた場合、まず「オーリブッタ  ー」という形式が<

「行っていたら」の意味になりそうであるが、そういう形自体がないとのことである。

 また、「オーリッタ  ー」が、「来ていたら」に相当しそうであるが、これもそういう<

言い方はしないと言うことである。これは「完了形」言い切りの「オーリッタ  ー」と<

同形になっているためであろうか。 

 「オーリータ  ー」という形式は存在する。ただし、「行っていたら」「来ていたら」の<

意味にはならず、もっぱら「いていたら」の意味(存在の意味)のときに用いられる。

クマナ  ー オーリータ<   ー、デンワシ トー< 〜  リ。(こちらに(ずっと)いらっしゃって  kum -na: o:ri:ta:,  deNw    - i  to :   〜 ri.        いたら、(ときどき)電話を下さい。)

 こちらに いらっしゃったら、電話して ください

 「オーッタ  ー(オールッタ<   ー)」と「オーリータ<   ー」とを比べてみると、< 「オーリータ  ー」<

のほうが、先ほどの「オーリータン」と同じく、存在の継続性が強調されており、「ずっ といていたら」の意味を備えている。

(7)

−43−

5.結びに

 竹富方言の「いらっしゃった」「いらっしゃっていた」に当たる表現は、言い切り 形で次のように表示することができる。

         過去      完了      継続過去

「行った」の尊敬  オーッタン(オールッタン)   オーリッタ  ー <  オーリブッタン

「来た」の尊敬  オーッタン(オールッタン)   オーリッタ  ー <  オーリッタン

「いた」の尊敬  オーッタン(オールッタン)   ―――     オーリータン

 「いらっしゃったら」「いらっしゃっていたら」の条件形は次のように表示すること ができる。

         過去       継続過去

「行ったら」の尊敬  オーッタ  ー(オールッタ<   ー) < ―――

「来たら」の尊敬  オーッタ  ー(オールッタ<   ー) < ―――

「いたら」の尊敬  オーッタ  ー(オールッタ<   ー) < オーリータ  ー<

 本稿では、八重山語の竹富方言における「オールン」(いらっしゃる)のタ形では、「行 く・来る・いる」の意味の違いによって、形式が使い分けられることを見てきた。特 に、動作性の「行った・来た」の意味と状態性の「いた」の意味との間で、形式が分 かれるものがあることに注目しておき たい 。すなわち、「オーリッタ (注9)   ー」(完了言い切<

り形)は、もっぱら動作性の「行った・来た」の尊敬語を表しているのに対して、

「オーリータ  ー」(継続過去条件形)は、状態性の「(いて)いたら」の尊敬語を表し<

ている。さらに、竹富方言では「いらっしゃっていた」については、「オーリ ブッタ ン」(「行っていた」の尊敬語)、「オーリッタン」(「来ていた」の尊敬語)、「オーリー タン」(「いていた」の尊敬語)という3種の形式を区別している。「いらっしゃった」「い らっしゃっていた」に相当する尊敬語の形式について、こうした使い分けが他の琉球 諸方言についてもあるのかどうか、注視していかなければならないだろう。

(8)

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注1 竹富方言は八重山諸方言に属する。本稿を記すにあたり、竹富方言の話者とし て、崎山三郎氏(1934年生、男性)にたいへんお世話になった。感謝申し上げた い。

注2 奄美諸方言でも、たとえば与論方言では「おわる」に直接由来する「イェン」

(否定形:ウヮンヌ、接続形:ウヮーチ)が「いらっしゃる」を意味する語とし て機能している(菊千代・高橋俊三2005:54、岡村隆博2007:105-10 6)。また、喜 界方言にも「オーレ」(いらっしゃい)がある(岡村隆博2007:104)。

注3 「タ  ー -ta:」「タン-t < N」の発音は「ッタ    ー -tta:」「ッタン -tt < N」となることも  ある。後者の喉頭化音ないしは促音の問題は、久野眞1991、加治工真市199 6、西 岡2010などで扱われており、語形の由来などのめぐって議論の対象となりそうで あるが、本稿では詳しく踏み込めなかった。また、曖昧母音の/  /を認めるか いなかも、久野1991、ローレンス・ウエイン1999、西岡2010で扱われているが、

本稿では/  /を認めて表記している。本稿で用いるカナ表記は、広い/ a /に は、カナ文字の上に谷文字の「∨」を添え、鼻母音はカナ文字の上に「〜」を添 えた。

注4 「完了形」が語根-i の形に、「連体形」では語根 -u の形に付くが、弱変化動詞(Ⅱ 類)の場合、例えば、「染める」では、「完了形」が sumita:、「過去形」が sumitt N  

(< sumirut N、r 語幹の sumir に-u が付いて-t   N)となるため、両者の語形の  判別がたいへん難しくなっている。言い切り形の語尾が長音であるか N である かどうかも判別のポイントと言えそうである。

注5 竹富方言における他の敬語動詞や敬語補助動詞に関しては、西岡2011:56を参 照されたい。

注6 標準日本語では行き着く先も存在する所も両方「に」で表現されるが、竹富方 言では行き着く先は「イ〜  」、存在する所は「ナ  ー」で厳密に区別される。こうし<

た格助詞からも、「オールン」(いらっしゃる)の意味が「行く・来る」なのか、

(9)

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「いる」なのかが判別できる。

注7 下地賀代子(2007:191)によれば、多良間方言にもタ形(テンス・アスペクト の形式)として、「普通過去」と「直前過去」の2種の区別がある。「普通過去」

は「シタリ」、「直前過去」は「シアリタリ」に由来するとのことである。「直前 過去」については、「主に〈限界到達〉の意味を表すのに用いられるシアリタリ 形(直前過去)」と記述しており、本稿における竹富方言の「オーリッタ  ー」の<

形式が、下地氏の言う「直前過去」に相当することがうかがえる。

注8 「存在の継続性の強調」という表現は、工藤1995:290における愛媛県宇和島方言 の分析にならった。

注9 沖縄語の首里方言の場合でも、「いらっしゃった」については、「行った」「来 た」の尊敬語が「メンソーチャン」であるのに対し、「いた」の尊敬語が「メンシェー ン」で、使い分けがなされている(西岡2002:285-288)。

○引用文献

岡村隆博 2007 『奄美方言 カナ文字での書き方』南方新社 沖縄古語大辞典編集委員会[編] 1995 『沖縄古語大辞典』角川書店 加治工真市 199 6 「竹富方言音韻の問題点」『音声学会会報』212:pp.16-25 菊千代・高橋俊三 2005 『与論方言辞典』武蔵野書院

工藤真由美 1995 『アスペクト・テンス体系とテクスト―現代日本語の時間の表現

―』ひつじ書房

久野眞 1990 「竹富方言の音韻体系」『琉球竹富島の方言』國學院大學日本文化研究 所[編]:pp. 3- 48

下地賀代子 2007 「宮古・多良間島方言の文法―動詞・形容詞の形態論から―」『国 文学 解釈と鑑賞』914(第72巻7号、2007年7月号、特集 方言と方言研究の現 状)至文堂:pp.187-195

高橋俊三 1991a 『おもろさうしの動詞の研究』武蔵野書院 高橋俊三 1991b 『おもろさうしの国語学的研究』武蔵野書院

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仲宗根政善 1987a[1976a] 「おもろの尊敬動詞「おわる」について」『琉球方言の 研究』新泉社:pp.238-263

仲宗根政善 1987b[1976b] 「宮古および沖縄本島方言の敬語法―「いらっしゃる」

を中心として」『琉球方言の研究』新泉社:pp.213-23 6

西岡敏 2002 「沖縄語首里方言の敬語動詞「メンシェーン」の過去形」『第4回「沖 縄研究国際シンポジウム」世界に拓く沖縄研究』(第4回「沖縄研究国際シンポジ ウム」実行委員会):pp.280-289

西岡敏 2010 「竹富方言の音韻解釈―対立・代わり語形・アクセントの側面から―」

『琉球八重山方言の言語地理学的研究』(平成19・20・21年 科学研究費補助金(基 盤研究B)研究成果報告書、課題番号193200 68、研究代表者:高橋俊三):pp.271- 279

西岡敏 2011 「竹富方言の敬語補助動詞と対者敬語的終助詞」『日本語の研究』第7 巻4号 日本語学会:pp.55- 68

西岡敏・小川晋史 2011 「竹富方言の音韻・文法概説」『竹富方言辞典』南山舎:

pp.1- 63

前新透[著] 2011 『竹富方言辞典』波照間永吉・高嶺方祐・入里照男[編著]南山 舎

ローレンス・ウエイン 1999 「竹富島方言の a /について」『琉球の方言』23 法 政大学沖縄文化研究所:pp.165-179

[付記]

高橋俊三先生の学恩に深く感謝申し上げます。

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資料 「オールン」の活用表 西岡・小川2011にならった。意味的に言いにくいものは形式のみ。

Ⅰ類(ラ行)  オールン  o:ruN(いらっしゃる) 語根 o:r-

いらっしゃらない  オーラヌ  o:r nu 

いらっしゃらねばならぬ  オーラナ  ッタ<    ナラヌ < o:r natta  n   r  nu  いらっしゃらば  オーラバ  o:r b  

いらっしゃられる  オーラリルン  o:r riruN  いらっしゃらせる  オーラスン  o:r suN    オーラシー〜  ルン  o:r si:  〜 ruN いらっしゃろう(よ)  オーラ(ディー)  o:r  ( di: )  いらっしゃろうとも  オーラ  ーン < o:ra:N

いらっしゃりたいよ  オーリタ  ス < o:ritasu いらっしゃられる(能力)  オーリッシュン  o:ri  uN 

  オーリウスン  o:riusuN

いらっしゃって  オーリ  o:ri

いらっしゃって(〜して)  オーリッティ  o:ritti いらっしゃっている  オーリドゥラ  ー < o:ridura:

いらっしゃっている(とき)  オーリル バシュ  o:riru b  u  いらっしゃっていて  オーリティーティ  o:riti:ti

  オーリビーティ  o:ribi:ti

  オーリカサ  ーニ < o:rik sa:ni    オーリドゥッカシー  o:ridukk  i: 

いらっしゃっても  オーリン  o:riN

いらっしゃってある  オーリダル  o:rid ru  いらっしゃった(完了)  オーリッタ  ー < o:ritta:

いらっしゃりなさる  オーリオールン  o:rio:ruN

いらっしゃってごらん  オーレーニ  o:re:ni

(12)

−48−

いらっしゃれば(よろしい)  オーリヤ シャルー〜  ヌ  o:rij  ru:  〜 nu いらっしゃればこそできる  オーリヤドゥ ナル  o:rij du  n   ru 

いらっしゃい  オーリ  o:ri

  オーリヤ  ー < o:rija:

いらっしゃる  オールン  o:ruN

いらっしゃるのか  オールンダ  ー < o:ruNda:

いらっしゃるよ  オールンドゥラ  ー < o:ruNdura:

いらっしゃる(とき)  オール バシュ  o:ru b  u  いらっしゃるだろう  オールハジ  o:ruh   i

いらっしゃるな  オールナ  o:run 

いらっしゃった(過去)  オールッタン  o:rutt N 

  オーッタン  o:tt N 

いらっしゃったら  オールッタ  ー < o:rutta:

  オーッタ  ー < o:tta:

*アクセントは起伏型(2)

参照

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