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評価実験の結果とその考察

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Academic year: 2021

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2020 年 度 情 報 工 学 科 卒 業 研 究 概 要

メディア情報分野 舟橋研究室 施設入所者と家族を適度につなぐ

ビデオ通話ベースバーチャルリビングシステムの提案 No. 29114026 瓜生 賢輝

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はじめに

高齢者は病院に入院したり,介護施設に入ることが ある.この環境の変化からくるストレスによりせん妄 などの病気になる可能性がある[1].高齢者のせん妄 のケアとして家族らができることは,例えば安心感を 与えるために高齢者と同じ部屋で一緒に過ごすこと

である[2].しかし,様々な事情で面会をすることが

難しいことがある.代わりにビデオ通話を使用した会 話が考えられる.ビデオ通話を常時使用し,施設の部 屋にいる高齢者と,家にいる家族らを繋ぎながら生活 することで,ある程度は高齢者が家にいたときと同じ ような環境を維持できると考えられる.しかしこの 方法では,ビデオ通話を常時使用することによる,不 快感,圧迫感が双方に生まれるかもしれない.離れた 人々が適度なつながりを持つことができるような工夫 が必要である.リビングでは,家族が自由に生活して おり強いつながりはないが,リビングにいる人が他の リビングにいる人に話しかけることによりいつでも会 話を始めることができる.さらに,始めた会話は会話 の終了を主張しなくても自然と終了する.このような つながりを実際にお互いが同室にいないときにも感じ ることができるような仮想的な空間を,「バーチャル リビング」と呼ぶことにする.本研究では,家族と離 れて暮らす高齢者と,その家族とが,バーチャルリビ ングで過ごすことを可能にするシステムを提案する.

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バーチャルリビングシステム

リビングでは,ある人の在室状況が一目で分かる.

このことから本システムでは相手の在室状況がシステ ムの利用中にいつでも一目で分かるようする.在室状 況の判定にはiBeaconを用いる.リビングでの会話 の始まり方は会話をするどちらか一方が,もう一方に なんらかの言葉をかけて始まる.このことを再現する ため本システムでは発された特定の言葉を認識するこ とで,ビデオ通話を始めるようにする.通話機能は独 自に開発することも考えられるが,本実験システムで はサブシステムとしてSkypeを利用して行う.リビ ングでの会話の終了は会話しているどちらか一方が会 話の終了を主張することなく自然に終了することが 多い.そこで通話中,お互いに何も言葉を発さない時 間がある程度続くと,Skype通話を終了する.在室状 況の変化をお互いに伝え合うには,その情報をUDP 通信を利用し送受信する方法も考えられるが,構築 コスト削減のため,メインシステムはSkypeの文字 チャットを介して相手側のシステムに必要な情報を送 信する.相手の在室状況を表示しながら,Skype文字 チャット画面を表示しておく必要がある.そこで図1

のように画面の左半分は相手の在室状況を表示し,画 面の右半分はSkypeの文字チャット画面を表示する.

1: システムの画面

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評価実験の結果とその考察

実験システムによりバーチャルリビングが実現でき ているか確かめるため,ビデオ通話を常につなぎなが らの生活と,本システムを使用しながらの生活をして もらい,両者を比較してもらった.ビデオ通話を繋ぎ ながらの生活では不快感を感じたが,本システムの使 用により不快感が軽減できた.バーチャルリビングシ ステムが実際のリビングをある程度再現できているこ とが確認できた.

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むすび

本研究では,施設に入ることで家族と離れて暮らす ことになった高齢者の,環境の変化から感じるストレ スを軽減するためのシステムを提案した.「バーチャ ルリビング」を実現するシステムを構築し,実験では システムの使用により実際のリビングでのつながりを 再現できることが確認された.また,今後の課題とし

iBeaconより得られる情報を手掛かりに人の動き

を推定して,何をしているのか伝え合うことも検討し たい.家族の動きを家族と離れた場所にいる高齢者に 送信することにより,その高齢者は家族の様子を詳し く知ることができる.これによりさらに,家にいた頃 の環境に近い環境を作り,環境の変化からくるストレ スを軽減できると期待できる.

参考文献

[1] 松井 文,八塚 美樹,高畠 里美,向山 要吏子,長 谷川 薫,田澤 賢次,高齢手術患者のせん妄発症要 因に関する検討,富山医科薬科大学看護学会誌,第6 1号,2005

[2] 米国精神医学会,米国精神医学会治療ガイドライン  せん妄,日本精神神経学会監訳,粟田 主一,佐藤  光源 責任訳,医学書院,東京,2000

参照

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