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「文明開化期のちりめん本と浮世絵」

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Academic year: 2021

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案内絵ハガキから見た貴重書展示会のイメージ(3)

「文明開化期のちりめん本と浮世絵」

「文明開化期のちりめん本と浮世絵」

船瀬 麻里恵

 「散切り頭を叩いてみれば、文明開化の音が する」という文句の表す通り、江戸時代後期か ら明治初期の日本は海外との交流が盛んに行わ れ、大衆文化にもその影響が大きく表れた時代 でした。服装や食文化の折衷が行われる一方で、

日本文学を世界へ発信し、日本社会を描き広め る動きがありました。今回はそんな大衆文化が 垣間見られる、「文明開化期のちりめん本と浮 世絵」という展示会をご紹介します。

 この展示会は創立

60

周年記念として行われた もので、明治前期に各国語に訳された日本文学 等を美しい挿絵とともに書籍化した「ちりめん 本」と、江戸時代末期から明治期にかけて欧米 から移入した文化を日本人絵師が描いた「浮世 絵」が展示されました。

 「ちりめん本」とは、その名の通り印刷され た和紙を圧縮して縮緬(ちりめん)状に加工し、

和とじ形式にした書物で、英語ではクレープ・

ペーパー・ブックと呼ばれています。この「ち りめん本」を最初に企画し出版したのは長谷川 武次郎という人物です。彼は食料品輸入業の家 に育ったことから、外国や外国人に対する意識 が高く、英語とともに商法を学び、明治17(1884)

年に長谷川弘文社という出版社を立ち上げまし た。そして、その翌年には「日本昔噺」シリー ズを刊行します。このシリーズには『桃太郎』

はじめ、『舌切雀』『猿蟹合戦』『花咲爺』な ど有名な昔話が入り、それぞれ英語、フランス 語、スペイン語などに訳され、日本を訪れた欧 米人が母国に持ち帰りました。着物に刀を携え た猿・朱色の甲冑を装備した雉(キジ)・盃で

お酌をしている宴会の様子など、昔の日本の情 景が巧みな日本絵師によって色鮮やかに表現さ れており、現代の私たちでさえ新鮮な驚きがあ る程ですから、当時の外国人には全くのカルチ ャー・ショックであっただろうと思われます。

 また日本の文明開化を描いた浮世絵は、まだ 写真も普及していなかった時代、国内・国外と もに大変な人気となりました。主に西洋風の服 装や建物などが描かれましたが、特に明治5

1872

)年、品川・横浜間に鉄道が開通すると、

絵師たちはこぞってこの文明開化の象徴ともい える煙をあげて走る蒸気機関車を描き始めまし た。一方でふんどし姿の男性が荷車を押してい る姿もみられ、日本の近代化はまだ動き出した ばかりという感は否めません。

 これらの内容は図書館ホームページのデジタ ル展示会で紹介されていますので、お時間があ ればどうぞご覧下さい。

ふなせ まりえ(英米語学科4年次生)

学生と図書館

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参照

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