当科で過去 8 年内に施行された外科矯正手術に関する
臨床統計学的検討
前川 雄哉
§田草川 徹
山田
遼
金川修一郎
南部 俊之
吉川 秀明
小林 真彦
平野 久美
別府 祐次
嶋田
淳
明海大学歯学部病態診断治療学講座口腔顎顔面外科学分野 要旨:明海大学歯学部病態診断治療学講座口腔顎顔面外科学分野Ⅰにおいて 2003 年から 2010 年に施行された外科矯正 手術 201 例について臨床統計学的検討を行い,外科矯正手術の変遷について考察を加え報告を行う. 1.年平均 25.1 人外科矯正手術が施行されており,過去 5 年間は増加傾向にあった. 2.性別は男性 58 例,女性 143 例であり(男女比 1 : 2.5),年齢は 20 歳以下の症例が 37.8% と最多であった. 3.術式は下顎枝矢状分割術が 201 例中 115 例(57.2%)と最多であった. 4.術式内容別手術時間は平均 135 分であり,最短はオトガイ形成術単独の 38 分であった. 5.出血量平均は 138.2 ml で,術式内容が複雑化する程出血量が増加する傾向にあった. 索引用語:臨床統計,顎変形症,外科矯正手術Investigation of Jaw-Deformity Surgery Enforced by the Department
for last 8 years
Yuya MAEKAWA
§, Toru TAKUSAGAWA, Ryo YAMADA,
Shuichiro KANAGAWA, Toshiyuki NANBU, Shumei YOSHIKAWA,
Masahiko KOBAYASHI, Kumi HIRANO, Yuji BEPPU
and Jun SHIMADA
Division of Oral and Maxillofacial Surgery, Department of Diagnostic & Therapeutic Sciences, Meikai University School of Dentistry
Abstract : We report a retrospective examination with discussion about changes in orthodontic surgery, which study was
con-ducted on 201 surgical orthodontic patients treated for maxillofacial deformity by the Division of Oral and Maxillofacial Surgery, Department of Diagnotic & Therapeutic Sciences, Meikai University School of Dentistry. These cases covered an 8-year period for 2003 until 2010.
1. The average annual number of patients for the period covered was 25.1, and there was an upward tendency for the past 5 years. 2. The patients were 58 males and 143 females(male to female ratio of 1 : 2.5.),and all were young(under 20 years old). 3. For the surgical technique, we used sagittal splitting ramus osteotomy in of the 115 cases(57.2%).
4. The duration of an operation was 38 minutes as the shortest(only mentoplasty),and the mean time was 245.1 minutes. 5. The mean volume of blood lost during the operation was 138.2 ml , and it was tropesis which a volume of blood loss increases,
so that the content of a technique was complicated.
緒
言
近年,顎変形症に対する外科矯正手術は手術器具の改 良,開発に伴い安全性の向上が図られ症例数が増加傾向 にある.さらに,矯正歯科医とのチームアプローチによ り手術症例に対する集学的治療がなされ,様々なケース に対応することが可能となり,口腔外科の手術症例の主 体を成すものとなっている.筆者らは当科で 2003 年 1 月から 2010 年 12 月までに施行された顎変形症に対する 外科矯正手術 201 例を対象に臨床統計的検討を行った. また,2004 年に本学会誌で田草川ら1) が報告したものと 比較し検討を行ったので報告を行う.対象および方法
対象は 2003 年 1 月から 2010 年 12 月まで当科で施行 された顎変形症に対して外科矯正手術を行った 201 例で ある. 検討項目は①年次別症例数,②年齢・性別分布,③術 式別症例数,④手術時間・麻酔時間・出血量,⑤手術後 の経過の 5 項目に設定し,過去に行われた報告1) と比較 し検討を行った.結
果
①年次別症例数 年次的に 2003 年∼2006 年の間症例数は増減をくりか えしているが,2007 年からは前年を超える症例数を確 保している(Fig 1). ②年齢・性別分布 性別では男性 58 例に対し女性 143 例であり,男女比 は 1 : 2.5 であった.女性が男性の倍以上に多く見られ た.手術施行時の年齢別では 20 歳までが 76 例,20∼25 歳が 63 例,26∼30 歳が 34 例,30∼35 歳が 14 例,35∼ 40歳が 8 例,40 歳以上が 6 例であった(Fig 2).男性 の平均年齢は 22.86 歳,女性の平均年齢は 24.48 歳であ った.また最少年齢が 15 歳,最高年齢が 53 歳であり, 共に女性であった. ③術式別症例数 術式別では下顎枝矢状分割術(以下 SSRO)を単独で 施行されたものが 115 例で最も多く術式全体の 57.2% を占めた.次いで上顎 LeFortⅠ型骨切り術(以下 Le Fort Ⅰ)と両側下顎枝矢状分割術(Sagittal Splitting Ramus Os-teotomy,以下 SSRO)を併用した例が 40 例(19.9%),下顎枝垂直骨切り術(Intraoral Vertical Ramus Osteot-omy,以下 IVRO)と SSRO を組み合わせた症例が 11 例(5.5%)となった(Table 1). ④手術時間・麻酔時間 手術時間と麻酔時間の各平均時間は両側 SSRO 単独 が 109 分と 173 分,上顎 LeFortⅠ型骨切り術と SSRO を行った例が 199 分と 243 分,SSRO と IVRO を左右片 側ずつ行った例 111 分と 199 分,両側 IVRO が 74 分と 129分,LeFortⅠ型骨切り術単独が 64 分と 157 分,LeFort Ⅰ型骨切り術と SSRO, IVRO を行った例が 192 分と 305 分,オトガイ形成術(以下 Genioplasty)が 38 分と 98 分,上顎前方歯槽骨切り術(以下 Wassumund)単独が 147分と 205 分,骨皮質骨切り術(以下 Corcicotomy)87 分と 157 分,Wassumund と SSRO を行った例が 205 分 と 267 分,LeFortⅠ型骨切り術と SSRO, IVRO を行った 例は 192 分と 360 分であった.
平均出血量は SSRO 単独が 95.1 ml , IVRO 単独が 28.8
───────────────────────────── §別刷請求先:前川雄哉,〒350-0283 埼玉県坂戸市けやき台 1-1
明海大学病態診断治療学講座口腔顎顔面外科学分野Ⅰ
Fig 1 Number of cases in each year.
Table 1 Frequency of operative technique.
Operation procedures
Operation procedures Caces (%)
〈One jaw surgery〉
・Sagittal Splitting ramus osteotomy(SSRO) ・SSRO+Intraoral vertical ramus osteotomy(IVRO) ・IVRO ・Genioplasty ・SARPE ・Corticotomy+Genioplasty ・Le FortⅠ ・Corticotomy ・Wassmund 115 12 9 2 3 1 3 2 5 57.2 5.9 4.47 0.99 1.49 0.49 1.49 0.99 2.48 〈Two jaw surgery〉
・Le FortⅠ 3 peace+SSRO ・Wassmund+SSRO ・Le FortⅠ+SSRO+Kole ・U : Corcicotomy L : Genioplasty ・Le FortⅠ+SSRO ・Le FortⅠ+SSRO+IVRO ・Wassumund+Genioplasty 2 4 1 1 38 2 1 0.99 1.99 0.49 0.49 18.9 0.99 0.49 Total 201 100
Table 2 The time of operation and blood loss according to surgical procedures
Ooeration procedures Cases Operation Times(min) Blood Loss(ml ) 〈One jaw surgery〉
・Sagittal Splitting ramus osteotomy(SSRO) ・SSRO+Intraoral vertical ramus osteotomy(IVRO) ・IVRO ・Genioplasty ・SARPE ・Corticotomy+Genioplasty ・Le FortⅠ ・Corticotomy ・Wassmund 115 12 9 2 3 1 3 2 5 109 111 74 38 99 146 64 87 147 95.1 108 28.8 50 75 100 186.6 35 98 〈Two jaw surgery〉
・Le FortⅠ 3 peace+SSRO ・Wassmund+SSRO ・Le FortⅠ+SSRO+Kole
・Upper : Corcicotomy Lower : Genioplasty ・Le FortⅠ+SSRO ・Le FortⅠ+SSRO+IVRO ・Wassumund+Genioplasty 2 4 1 1 38 2 1 169 205 192 146 199 192 182 290 443 135 100 271.8 135 60 Total 201 2160 2211.3 Mean 254.11 260.15
ml , SSRO+IVRO が 108 ml , Le FortⅠ+SSRO が 271.8 ml , Le FortⅠ+SSRO+IVRO が 135 ml , Genioprasty が 50 ml , Le FortⅠ単独が 186.6 ml であった(Table 2). ⑤手術後の経過 手術後の経過に関して,手術直後は全身麻酔から覚醒 後の気分不快や手術部位の腫脹疼痛を訴える者が多く, 特に SSRO 施行症例や上下顎移動症例で顕著であった が,経日的に改善を認めた.出血量の多かった Wassmund +SSRO, Le FortⅠ+SSRO の症例に関しても,重篤な合 併症は認められなかった.ほぼ全ての症例が入院当初に 設定した入院期間で退院する事ができた.
考
察
1.年次別症例数について 顎変形症における外科的矯正治療は術式の改良や手術 器具の大きな進歩から手術時間や出血量の減少が見込ま れるようになり,多くの施設で経年的に増加傾向にある ようである2, 8, 9, 11) .当科における今回と過去の報告1) を合 わせた計 14 年間での推移では,1997 年から 2002 年ま では経年的に増加傾向を示し,2003 年では一旦減少に 転じたものの,2006 年から 2010 年にかけては増加傾向 を示す 2 相性のグラフを示していた.これは,1990 年 に顎矯正手術を前提とした歯科矯正治療に対して保険給 付が導入されたことにより,外科的矯正治療が患者にと って選択されやすい治療となったことが一因となってい るであろう2, 3).また,1996 年以降健康保険適用の医療 機関数の増加により患者の分散化がされたことから患者 数の減少傾向をみるとの報告4) もあるが,今回の結果で は増加傾向を認めた.さらに,一時的な減少傾向になっ た背景には,2003 年に健康保険適応者の負担額が 3 割 に上がったことやインプラント矯正治療の導入により, 外科的矯正手術の回避がなされたことが考えられるとす る施設もある5−7) .当科において 2003 年の症例数がそれ 以前の年より減少した事に関しても,同時期にインプラ ント矯正治療の導入がなされたことから,同様の原因が 考えられる. 2.年齢・性別分布 本報告では,性別の症例数は男女比率が 1 : 2.5 と女 性に多く認められた.男女比が 1 : 1.7 であった 2003 年 の報告1) と比較すると女性患者の割合が増加しており, 特に 2006 年以降は全症例数中に女性が大多数を占める 割合が増加している.他施設における報告では,男女比 は,1 : 2 前後と女性患者が多い傾向にあった2−4, 6−9) .い ずれの報告においても,女性が優位に認められる結果で あることは,女性が男性に比較して整容的意識が高いこ とが挙げられる.また,年齢別において,20 歳までの 症例が他の年齢群に比較して多かったことから,就学期 において環境が移り変わる時期に外科的矯正手術を選択 することにより,顔貌改善を求める結果に起因するもの と考えられた.髙木ら10) は,近年男性患者の増加がみら れるとし,北原ら11) も男女比は男性の比率が以前に比べ て増加してきていると報告している.しかし,当科にお いては男性の比率はむしろ以前に比べて減少傾向にあっ た.年齢別においては,三河ら12) は近年は高齢化がすす んでいると報告しているが,本報告の性別平均年齢にお いては,男性は 22.86 歳,女性は 24.48 歳であった.20 歳以下の症例が 37.81% と最も多く,30 歳以下において は,84% と症例の大多数を占めていた.全症例のうち 最少年齢が 15 歳であったのは前回の報告1) と同じであっ たが,最高年齢は,53 歳の女性が外科的矯正手術を施 行していた.全体的に年齢層が上昇しているのではな く,時代背景として晩婚の傾向があることや,女性に関 しては育児が落ち着いて比較的高齢になってから外科的 矯正手術に臨む患者が増えてきているのではないであろ うか. 3.術式別症例について 術式別では,SSRO 単独施行症例が最も多く,115 例 で全体の 57.2% を占めていた.Le FortⅠ型骨切り術と SSROによる上下顎移動術が 38 例で全体の 18.9% を占 めており,次いで,SSRO と IVRO の併用症例が 12 例 で全体の 5.9% を占めていた.症例として骨格性下顎前 突症が多くを占めることからも SSRO の症例が多く認 められることと推察される.SSRO における下唇の知覚 麻痺の発生や顎関節症状を考慮して,IVRO を選択する 施設もある13) が,岩成ら14) の報告にあるように,SSRO の前後的移動距離は−16.2 mm∼+9.8 mm と幅広く,下 顎側方偏位や骨格性開咬などの 3 次元的な偏位がある症 例に対しても応用できることから第一選択とされること が多いと考えられる.実際,2003 年の報告1) では SSRO 単独施行例が全症例中の 63.5%,Le FortⅠ型骨切り術 と SSRO 併用例が 15.5% であり,前回と今回の調査共 に前述の二術式が全症例数の 8 割近くを占めていた. 4.手術時間・麻酔時間・出血量 2008年に小林ら13) が行った顎変形治療の実態調査で は,平均手術時間でみると下顎骨単独症例が 69 分から337分,上下顎複合症例が 98 分から 560 分とばらつき が大きく,平均出血量も下顎単独症例が 50 ml から 512 ml,上下顎複合症例が 20 ml から 1171 ml とこれもば らつきが大きい結果であったと報告している.今回の調 査において,2003 年に行った報告1) に比べ若干手術時間 が長くなっているケースがある.2003 年の調査と比較 したところ最長手術時間であった術式内容は Le FortⅠ +SSRO で同じであったが,平均手術時間は 90 分長く なっていた.これは,以前まで Bone saw による骨切り を行っていたが,2008 年以降 Piezo SurgeryⓇ (Mectron, Italy)を導入したことにより低侵襲な外科処置を行って
いることが理由として挙げられる.Piezo Surgery は Bone
sawに比べて切削効率が劣るため手術時間が長くなると 考えられるが,一方でキャビテーション効果により出血 量を抑えることが可能となった16) .他施設の報告では手 術時間と出血量に相関性があると言われている3, 7, 13) が, 今回の調査で手術時間が比較的長時間であった Le Fort Ⅰ+SSRO と Le FortⅠ+SSRO+IVRO とを比較した場 合,手術時間の平均が Le FortⅠ+SSRO が 199 分に対 し Le FortⅠ+SSRO+IVRO が 192 分でありその差は 7 分と少差であるにも関わらず出血量の平均は Le FortⅠ +SSRO が 271.8 ml に対し Le FortⅠ+SSRO+IVRO が 135 ml と 100 ml 以上の差があったこと,さらに Le Fort Ⅰ単独症例が手術時間 64 分と比較的短時間であったに も関わらず,出血量が 186.6 ml と Le FortⅠ+SSRO に 続く出血量であった事から,必ずしも手術時間と出血量 に相関性があるとは言いがたい. 本報告においては,全体の手術時間が 135±45.3 分で あり,全体の出血量の平均が 138.2±79.8 ml であった. 今回の調査で出血量が多かった術式は Le FortⅠ(Le Fort Ⅰ 3 piece を含む)と SSRO を併用した症例であった. Le FortⅠと SSRO の併用症例に関しては他施設でも高 頻度に行われ,かつ出血量の多い術式である.当科にお いても,今回の調査での Le FortⅠと SSRO 併用症例の 平均出血量が 271.8 ml で他施設とほぼ同じであり3, 8) , 2003年の報告1) でも 264.2 ml と出血量の変化はほぼ認 められなかった.上顎骨は血管や神経が複雑に走行して おり,手術時の出血量が多いといわれる15) が,当科で は,上顎を移動する手術全症例に対して,自己血の貯血 を術前に施行している.これは,同種血輸血による免疫 学的問題や輸血後感染を回避する目的で行っている.今 回検討を行った症例のなかには 1,000 ml を超える出血 を認めた症例もあり,小林ら13) が行った顎変形治療の実 態調査では 189 医療施設で上下顎移動術において 80% の施設で自己血輸血が応用されていたことからも,術前 の自己血貯血は必要であると考えられた.手術時間なら びに出血量に関してはばらつきが大きかったが,他施設 との大きな差異は認められなかった.麻酔時間に関して は以前の報告1) から大きく変化は無く,薬剤が変わって はいるものの麻酔方法は 2003 年時と大きく変化がない ことに起因しているものと考えられる. 5.手術後の経過 全症例を通じ手術直後は疼痛を訴えていた.Le Fort Ⅰ等+SSRO 等の手術侵襲の大きい症例は腫脹や疼痛の 訴えが著しく,症状の消退に日数を要したが,入院期間 中に改善を認める事ができた.出血の多かった術式では 自己血の輸血により合併症を回避する事ができた.当科 で設定している入院期間は術式により多少の差はあるも のの最長 4 週間程度であるが,ほぼ全ての症例で入院当 初に設定した期間で退院する事ができた.
結
語
当科で 2003 年 1 月から 2010 年 12 月までの 8 年間に 施行された顎変形症に対する外科矯正手術 201 例を,以 前に報告した 1997 年から 2002 年までの 6 年間 181 例1) と比較し検討を行った. 1.2003 年 1 月から 2010 年 12 月までの 8 年間に行っ た外科矯正手術は 201 症例で,年間平均症例数は 25.1 例であった.年次別症例数は 1997 年から経年的に増 加し 2000 年から 2002 年までは年 30 症例以上を確保 できていたが,2003 年は前年を下回り 25 症例であっ た.その後 2006 年に 20 症例以下まで減少したもの の,その後は経年的に増加傾向にあった. 2.性別症例数は,男性 58 例,女性 143 例で男女比は 1 : 2.5であった.2003 年の報告では男女比が 1 : 1.7 であった事から過去と比較すると女性患者の割合が増 加していた. 3.手術時年齢は最少年齢 15 歳,最高年齢 53 歳であ り,男性の平均年齢は 22.86 歳,女性の平均年齢は 24.48歳であった.20 歳以下の時点で手術を受けた例 数が最も多く全症例のうちの 37.81% であった.手術 を受けた年齢が 20 歳以下の症例が最多だった事は過 去の報告と同じであった.また,36 歳以上の年齢で 手術を受けた症例が 11 例増加していた. 4.手術術式は,16 通りに分類された.術式別症例数 では SSRO 単独が 115 例(57.2%)と最も多く,次に Le FortⅠと SSRO の複合症例が 38 例(18.9%)であった.2003 年の報告では SSRO 単独施行例が全症例 中の 63.5%,Le FortⅠと SSRO 併用例が 15.5% であ り,前回と今回の調査共にこの 2 術式が全症例数の 8 割近くを占めていた. 5.平均出血量は 138.2 ml であり,過去の平均出血量 が 105.4 ml であった事と比較すると出血量の増加を 認めた.また,術式内容が複雑化する程出血量が増加 する傾向にあった. 6.手術直後は重篤な合併症は認めず,入院時に設定し た入院期間で退院する事ができた.
引用文献
1)田草川 徹,正田久直,中丸行也,相原悦二郎,勅使河原 靖史,田島 徹,龍田恒康,竹島 浩,嶋田 淳,田村武 寛,福富昭伯,安井利一,吉川正芳,松井成幸,鐘ヶ江晴 秀:当科における過去 6 年間の顎矯正手術の臨床統計的観 察.明海大歯誌 32, 217−220, 2004 2)比地岡浩志,野添悦郎,下松孝太,石畑清秀,大河内孝 子,中村典史:当科開設後 24 年間の顎矯正手術症例の臨床 統計的考察.日顎変形会誌 17, 200−205, 2007 3)高橋晃治,柴田孝典,小関清子,松下 賢,安川和夫,柴 田 肇,吉沢信夫:当科における顎矯正手術の臨床統計的観 察.日顎変形会誌 14, 26−34, 2004 4)吉岡 泉,副島和久,永田順子,井川加織,高森晃一,鹿 島光司,迫田隅男:宮崎大学医学部附属病院歯科口腔外科に おける最近 10 年間の顎矯正手術症例の検討.日顎変形会誌 20, 292−296, 2010 5)小栗由充,長沼一雄,原田史子,渡辺 厚,八巻正樹,斎 藤 力,高木津男,斎藤 功:新潟大学医歯学総合病院矯正 歯科診療室における過去 10 年間の外科的矯正治療適用症例 の動向.日顎変形会誌 20, 297−304, 2010 6)滝本清美,浅野雅子,田村隆彦,清水典佳:日本大学歯学 部付属歯科病院歯科矯正科に来院した外科矯正患者の臨床統 計的調査.日大歯学 81, 207−212, 2007 7)野池淳一,清水 武,五島秀樹,上杉崇史,横林敏夫:長 野赤十字病院口腔外科における下顎枝矢状分割法施行例の検 討.日顎変形会誌 20, 275−282, 2010 8)山本一彦,川上正良,藤本昌紀,下岡俊博,池田悦子,大 儀和彦,堀内克啓,桐田忠昭:奈良県立医科大学口腔外科に おける 20 年間の顎矯正手術の臨床統計的検討.日顎変形会 誌 13, 27−34, 2003 9)佐竹秀太,高木豊明,堀内信也,横関雅彦,藤澤健司,宮 本洋二,伊賀弘起,吉田秀夫,長山 勝,佐藤光信,森山啓 司:徳島大学歯学部附属病院矯正歯科における顎変形症患者 の臨床統計学的検討.四国歯会誌 15, 257−262, 2003 10)高木豊明,橋本一郎,谷村一朗,日浦賢治,住谷光治,森 山啓司:徳島大学歯学部附属病院矯正科における顎変形症患 者の臨床統計的観察,四国歯会誌 11, 225−231, 1999 11)北原麻紀,岸本正雄,二井敏光,野村俊弥,中村優也,犬 束信一,日置茂弘,丹羽金一郎;朝日大学歯学部附属病院矯 正歯科における顎変形症に対する臨床統計学的観察.日顎変 形会誌 12, 94−102, 2002 12)三河雅敏,飯田真由美,斎藤 茂:昭和大学歯科病院矯正 科に来院した顎変形症患者の臨床統計的調査.Orthod Waves Jpn Edit 63, 49−59, 2004 13)小林正治,齊藤 力,井上農夫男,大畑 昇,川村 仁, 後藤滋巳,後藤昌昭,白土雄司,須佐美隆史,丹根一夫,橋 本賢二,森山啓司,天笠光雄,氷室利彦,外木守雄:本邦に おける顎変形症治療の実態調査.日顎変形会誌 18, 237− 250, 2008 14)岩成進吉,小田泰之,相崎邦雄,吉村 誠,三木裕香子, 和田雅彦,福与晋邦,奥津誠次郎,関根光治,工藤逸郎:顎 矯正手術を施行した 92 名の臨床統計的観察−下顎枝矢状分 割法単独症例について−.日大歯学 71, 646−653, 1997 15)吉屋 誠,杉森正英,堀口英之,清水敬久,岩瀬正泰,南 雲正男,大森史枝,柴崎好伸,木村義孝:顎矯正手術を施行 した 305 名(314 例)の臨床統計的観察.日顎変形会誌 6, 137−144, 199616)Landes CA, Stübinger S, Rieger J, Williger B, Linh Ha TK and Sader R : Critical evaluation of piezoelectric osteotomy in orthognathic surgery : operative technique, blood loss, time re-quirement, nerve and vessel integrity. J Oral Maxillofac Surg. 66, 657−674, 2008