現代新華僑のネットワーク
ネットワーク、華僑、組織、コミュニティ、文化人類学考察 人間共生システム 専攻 黄 蓉 問題と目的 華僑研究においては、二十世紀七十年代以前に中国 大陸、香港、マカオ及び台湾から海外へ移住した人々 のことが「老華僑・華人」と呼ばれ、七十〜八十年代 以降移住した人々が「新華僑・華人」と呼ばれている。 [譚 劉 2008]昔、老華僑には同郷人と親戚の人脈に 頼って来日する人は多い、しかも彼らは移住先にして から中国の出身地に基いて、人間関係を保ったり、組 織を作ったりする現象がよく見える。老華僑は料理人、 仕立屋と理髪師のような伝統的な職業を携わっていた。 しかも、彼らは事業内に横の連合ができている。中国 居留地に集中して定住している老華僑は、このような 地縁、血縁、業縁の上で人間関係を構築した。 先行文献により、鞠は「日本の華僑社会の激変は必 ず量の変化にとどまらず、年齢的には青壮年が主力と なり、高学歴・知識型移民が主体となった、また居住 地・職業分野・そして生活レベルなどが多様性になっ てきた。」[鞠:2005]を指摘した。また Alejandro Portes・ Min Zhou は「移民と発展-アメリカにおる華僑とメシコ 人の移民組織」に、「中国人の流動方向を新興な連続 した人材流失と見られる。しかも、近年この勢いが強 い」[Alejandro Portes and Min Zhou 2012:205]と言 及した。巴は現代中国人若年齢層の人たちは個人主義 と自由への志向が強い、かつて集団的なものと取られ ていたが、現代信頼を基づき、特に興味という要素で 作ったネットワークは社会的な基盤となりうると論じ た。[巴:2013 46 ]先行研究に基いて、今の新華 僑は高学歴・知識型移民が主体となった、多様な職業 を従事して日本人のように全国で分散して生活してい る新華僑は、老華僑より更に自由意識を示していると 明らかにした。 こうして、老・新華僑の間で顕著な相違性が存在し ていることを先行研究により明らかにした。この転換 は新華僑の人間関係の構築に新たな変化をもたらすか、 また彼らは人間関係を築く際に彼らの選択がどのよう に解釈されるかなどの疑問を持っており、筆者は福岡 における新華僑華人のネットワークを本研究の課題と して選定した。この研究は福岡新華僑のネットワーク の実態を描き出すことを目標にしている。 方法 筆者は次の 3 つの位相から「新華僑華人のネットワ ーク」を解釈することを試みよう。 第一に華僑華人組織は華僑華人が集まって来る最も 顕在的なエスニシティ集団と見なされている。筆者は 2016 から 2018 年までの間、福岡県の地元華僑組織の関 連者を対象にインタビュー調査を実行したことで、各 組織が成立、会員構成、提供するサービス、開催する イベント、組織運営費用などの各側面から、組織の規 模、影響力、内部構造や属性を測定してみることにす る(第Ⅱ章)。 第二、福岡華僑社会における各華僑華人組織の関係 に着目する。華僑華人組織が時代に応じて衰退したり、 繁栄したりして、交替する内に福岡華僑社会がどのよ うに変化したか、このダイナミックなプロセスに埋め 込まれた要因を昔あった「組織共催」と「組織分裂」 の 2 つ角度から分析して明確しようとする。また、華 僑社会は数十年の発展を経て、今の華僑社会における 組織間のつながりは昔よりどのように転化したか、現 在の華僑組織の関係図を明らかにすることもこの章の 目標にしている。この章では、筆者は前回の組織調査 の取材を部分的に使用して、不明なところに対して関 係者に二回目のインタビューをしてきた。この上で、 2016 年から 2018 年の間に、筆者が華僑華人のイベント に参加しフィールドワークで見聞きしたことも論拠と して書き込まれている(第Ⅲ章)。 最後に、個人を中心としたエゴネットワークに焦点を 当て、在日の華僑華人が日常生活に絡み合う人間関係 の集合をパーソナルネットワークとして考えている。 筆者は中国人のアイデンティティがある 8 人の協力者 に聞き取りすることで、比較分析を通して現在華僑華 人のパーソナルネットワークへと最大限に還元しよう と思っている(第Ⅳ章)。 結果 本論文に海外華人組織に対する討論と研究では、福 岡の華僑組織は時代の発展とともに変化しており、新 華僑は老華僑よりも専門分野で活躍しており、在日中 国人に奉仕し、日中関係を促進している。 しかし、参 加者のインタビューによると、新華僑と組織の間にある関係は弱く、そして組織は参加者に強くて持続的に 引き寄せる魅力を欠いている。 第二部分の研究では、福岡華僑社会は「組織分裂」 (一つ組織が幾つか組織に分裂すること)と「組織共 催」(組織や個人が活動の開催に協力すること)を経 験してからの今は、定常状態となっている。「組織共 催」がほとんどなくなったが、華僑組織のリーダー層 の付き合いが依然として続けている。領事館は各分野 と連絡、交流の役割を果たして華僑社会の中心に位置 づけている。 第三に、8 人の協力者に対するパーソナルネットワー クの調査を踏まえ、協力者の友人数、出会った場所、 国際友人数を始め様々な側面に対する考察には多様性 を示しており、パタンを提出するまで数学道具をパー ソナル・ネットワークの分析に導入して再検討する必 要がある。こういうことは本研究には未完成な課題と して残されていた。 考察 まず、本論文のⅡ章では、筆者は華僑組織を新華僑の 接触しあう結節機関として扱い、福岡における八つの 華僑華人組織を中心に、成立、主旨、機能、規模、人 員構成や資金経営などの幾つか方面からそれぞれの組 織を考察することで、福岡華僑組織に対するそれぞれ 分析と相互比較した上で、まず図 1 のように時間順序 では福岡華僑社会は、「老華僑からなる福岡華僑総会 が福岡地域で唯一な組織」という老華僑だけ存在する 時代、「華友会は新華僑達が創立した初めての親睦会」 という新華僑が草創し、新老共存時代、「福岡華僑総 会と華友会が衰退して、様々な新華僑が盛んに発展す る」という専門化・細分化を示している時代、3 つの発 展時代を経験していたと思っている。しかも、組織が 果たした役割について各段階はすべてその時代なりの 印についていることが見えている。第二に新興な華僑 組織は、内部を奉仕している同時に、より多くの社会 責任を積極的に引き受けて、国際友好関係を構築する ことも目標にしている。しかもこういうことは華僑が 日増しに強がる実力によく関わると思われっている。 図1 福岡華僑社会の発展 次の章に第Ⅲ章では、華僑華人達が根ざす華僑社会 を中心にして、昔華僑社会が経験したいくつか「共催」 と「分裂」事件を関係者達が口述した内容で事実を復 元して、それに埋め込まれた要因を掘り下げることを 試みた。活動共催は華僑社会及び地元社会において影 響力を拡大する一つの手段と言える、そして開催され た公演と春節祭りが顕著に中華文化の記号が見えるこ とから、華僑華人が中国文化を宣伝することを求める 同時に、自分のアイデンティティを強化して再アピー ルしようとすることを推測できる。しかしながら、こ れらの試しには「商業利益」や「政治成績」などの論 争が依然として存在している。 華僑組織の分裂は往々にしてこの華僑社会に新しい 段階に入ることを意味する。関係者達へのインタビュ ーすることにより、新老華僑が習慣、文化、および経 験に違いがあることは福岡華僑総会に分裂を招いたと 明らかにした。華友会の場合には、組織指導者が組織 の未来を決断できるほど華僑組織に大きな影響を与え、 指導者の素質をある程度では一つの偶然要素として扱 えると思うが、本論文で関係者達が何度も述べたとお り、参加者が能動的に選択できることも華僑社会が分 裂、発展、繁栄というプロセスを促進する主な要因に なると思っている。こういうことによって、福岡華僑 社会では、分野が細分化して更なる専門性ある華僑組 織が絶えずに湧き起こってきた。これらの組織は明確 な分野と現実な目標を示しており、相応しい人だけ加 入させるやり方で、新興組織は親睦を目指す伝統的な 組織と比べて強い向心力と良好な発展情勢を現してい る。今は原初的な愛、即ち中国人のアイデンティティ 持ちは皆を集めてきて団結する唯一な要素になれない、 その時代は新華僑の人口増加と欲求多様が変わってい るに伴い、ますます退場してきた。 次の節では、現代の華僑華僑社会で既存している関 係に注目している。各組織の関係者への聞き取りによ り、今は組織間の共催することは全く消えたが、リー ダー層の付き合いが依然として継続されていると明ら かにした。図2のように福岡華僑総会、華友会、日本 華僑新聞、九州学者技術人員連合会と九州華僑華人文 化芸術連合会の間に、更に緊密な関係が作り出された。 領事館は海外の同胞を便利さや安全保護などのことを 提供したり、彼らの国際交流を支援したりする同時に、 華僑華人達の力を借りてより良い国家を建設すること を推進しようとしている。領事館は華僑組織に留まら ず、各分野で有能者とも連絡を取っているそうだ。し たがって、領事館は華僑社会における様々な関係を集
中するところで、華僑社会の中心に置いている、とい うことを明らかにした。 図2 現在福岡組織間の関係図 筆者は 2016 年から 2018 年まで、華僑組織のイベン トに参加してフィールドワークしにきた。参加回数に 制限されて、図2で言及した関係線を個々に論述する ことできないが、ただ参加したイベントから見てリー ダー層の往来と領事館の支援が現在華僑社会では確か に存在していると改めて証明されてきた。この節で北 九州華僑華人協会に対するフィールドワークを四回し てきた、筆者はこれにより北華僑華僑協会が再解読し ようとすることを試みた。北九州華僑華人協会は新華 僑達に接触して交流すしあうチャンスを提供する親睦 会である。華友会と違って、北華僑華僑華人協会が理 事会を部分的に保有する一方、会員制度を放棄するこ とにした。それの代わりにネットや人間関係を活用す ることで華僑華人達が自由で気楽に参加させてきた。 これは参加者達が弱く結び付いていて、組織と帰属感 が薄くなる結果を招いてくるけど、このような開放的 な組織は新華僑が変わり続ける外部環境に柔軟に対応 する試みといえないだろうか。 Ⅳ章では、福岡において中国人のアイデンティティ がある 8 人を調査の協力者として、人々の協力者を中 心に構築した人間関係を一つのエゴネットワークと見 なしている。この章で、協力者のパーソナル・ネット ワークを明らかになるに連れて、筆者が安田の指摘し たネットワーク大きさの測定基準を踏まえ、人数と多 様性からそれぞれのパーソナル・ネットワークの大き さを測定してみた。また、エスニシティの要素を導入 した後に人間関係の構築において、両者は関連性が存 在しているかどうかを明らかにした。最後に第一章で 取り上げた「華僑組織への参与度」に対する課題を参 加者の角度から再検討しようとした。 そうした中で分かったことは、協力者達のパーソナ ル・ネットワークは、含まれた人数でも、多様性でも 相違性が現れている。挙げた間関関係には、協力者と 同じ出身国の中国人が圧倒的な人数をで示しているた め、ある程度でエスニシティが人間関係の選択を確か に影響していると思っている。 華僑華人達は能動的に選択し、自分の理想的な人間 関係を構築し、そして人的資本として活用している、 このような人間関係に頼る力は、貿易を務める二人の 協力者をはじめ、華僑社会でもよく見える。このよう な「機能的な紐帯」に対して、友情関係と見なされて もできる「感情的な紐帯」には、心理的な支えが見え る。 最後に、華僑華人組織は人々に他人と接触するチャ ンスを提供すると言えるが、連続的で強い人間関係作 りに果たしている役割は限界があると改めて証明され た。華僑社会で行った活動に華僑華人は非常に異なる 態度を持っていると現れているが、華僑華人及び留学 生組織は様々なイベントを開催することにより、在日 華僑華人、留学生に多様な生活体験を創り出すことに 努力している。 主要引用文献 リン・パン 2012 『世界華人エンサイクロペディア』 田口佐紀 子, 山本民雄, 佐藤嘉江子訳 明石書店 張玉玲 2008 『華僑文化の創出とアイデンティティ : 中華学 校・獅子舞・関帝廟・歴史博物館』 ユニテ 江 衛、山下 清海 2005 「公共住宅団地における華人ニューカマーズの 集住化:埼玉県川口芝園団地の事例」(『人文地理学 研究』 2005.3 29 号 33~58) 過放 1999 『在日華僑のアイデンティティの変容 : 華僑の 多元的共生』 東信堂 鍾家新 2017 『在日華僑華人の現代社会学』 ミネルヴァ書 房 平松闊 、鵜飼孝造 、 宮垣元 2010 『社会ネットワークのリサーチ・メソッド』 ミ ネルヴァ書房
安田雪 1997 『ネットワーク分析』 新曜社 クロード・S・フィッシャー 2002 『友人の間で暮らす-北カリフォルニアのパー ソナル・ネットワーク』 未来社 J・C・ミッチェル 1983「社会的ネットワーク-アフリカにおける都市の 人類学」 国文社 清水純 2014 「台湾と東南アジアを結ぶ華僑・華人の社団組 織」(『現代アジアにおける華僑華人ネットワークの 新展開』の第Ⅰ部) 風響社 張慧婧 2013 『名古屋華僑社会 : その歴史と現状』 ブイツ ーソリューション 可児弘明、 斯波義信、 游仲勲編 2002 『華僑・華人事典』 弘文堂