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目 次 第 1 章児童生徒の心の健康に関する調査の概要 1 第 2 章 児童生徒の心の健康に関する調査の結果 1 抑うつ傾向について 2 (1) 簡易抑うつ症状評価尺度(QIDS-J) による抑うつ傾向について (2) 抑うつ傾向の項目別平均点について 2 躁傾向について 5 (1) 最近 (1~2

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児童生徒の心の健康に関する調査報告書

平成29年7月

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……… 第 1章 児童 生 徒の 心 の健 康 に関 する 調 査の 概 要 1 第 2章 児童 生 徒の 心 の健 康 に関 する 調 査の 結 果 ……… 1 抑 うつ 傾 向に つ いて 2 (1) 「簡 易 抑う つ 症状 評 価尺 度( QIDS-J)」 によ る抑 う つ傾 向 につ い て (2) 抑う つ 傾向 の 項目 別 平均 点に つ いて ……… 2 躁 傾向 に つい て 5 (1) 最近 ( 1~ 2 週間 ) の躁 傾向 (2) 過去 の 躁傾 向 (3) 躁傾 向 の割 合 ……… 3 自 閉傾 向 につ い て 6 ……… 4 自 己効 力 感に つ いて 6 ……… 5 ラ イフ ス タイ ル につ い て 7 (1) 睡眠 時 間 (2) 1週 間 の外 遊 びの 回 数 (3) 1日 の テレ ビ の視 聴 時間 (4) 1日 の ゲー ム の時 間 (5) 毎日 の 朝食 摂 取率 ……… 6 抑 うつ 傾 向、 躁 傾向 、 自閉 傾向 、 自己 効 力感 の相 関 関係 に つい て 7 第 3章 調査 結 果の 考 察 ……… 1 抑 うつ 傾 向に つ いて 8 (1) 抑う つ 傾向 (2) 項目 別 の状 況 ……… 2 躁 傾向 に つい て 8 ……… 3 自 閉傾 向 につ い て 9 ……… 4 自 己効 力 感に つ いて 9 ……… 5 ラ イフ ス タイ ル につ い て 9 ……… 6 抑 うつ 傾 向、 躁 傾向 、 自閉 傾向 、 自己 効 力感 の相 関 関係 に つい て 9 第 4章 前回 調 査結 果 との 比 較 ……… 1 調 査対 象 につ い て 10 ……… 2 抑 うつ 傾 向に つ いて 10 (1) 「簡 易 抑う つ 症状 評 価尺 度( QIDS-J)」 の平 均点 の 比較 (2) 抑う つ 群の 割 合の 比 較 (3) 死や 自 殺に つ いて の 考え の比 較 ……… 3 躁 傾向 に つい て 11 (1) 最近 ( 1~ 2 週間 ) の躁 傾向 (2) 過去 の 躁傾 向 (3) 躁 傾 向の 割合 ……… 4 自 閉傾 向 につ い て 12 ……… 5 ラ イフ ス タイ ル につ い て 13 第 5章 前回 調 査の 結 果と の 比較 にお け る考 察 ……… 1 抑 うつ 傾 向に つ いて 14 ……… 2 躁 傾向 に つい て 14 ……… 3 自 閉傾 向 につ い て 14 ……… 4 ラ イフ ス タイ ル につ い て 14 第 6 章 ま と め …… … … …… … … …… … …… …… … …… … …… … …… … …… … 15 ……… 参 考文 献 16 資 料 ……… 「 児童 生 徒の 心 の健 康 に関 す る調 査報 告 」 17 (北 海 道大 学 大学 院 保健 科 学研 究院 教授 傳田 健三 氏) … … … … 「 心の 健 康に 関 する 調 査用 紙 」 60 … … … … 気 分 に関 す る調 査 1 61 ……… 気 分 に関 す る調 査 2 65 ……… 行 動 に関 す る調 査 1 66 ……… 行 動 に関 す る調 査 2 67 ……… 考 え に関 す る調 査 1 69

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-第 1 章

児 童 生 徒 の 心 の 健 康 に 関 す る 調 査 の 概 要

1 調 査 の 目 的 本 道 に お け る 児童 生 徒 の 心 の 健 康に 関 す る 実 態 を 把握 し 、 今 後 の 心 の健 康 づ く りの 充 実 に 資す る 。 2 調 査 機 関 北海 道 学校 保 健審 議 会( 事 務局 北 海 道教 育 庁学 校教 育 局健 康 ・体 育 課) 北海 道 大学 大 学院 保 健科 学 研究 院 ◆ 調 査 北 海 道 大 学 大 学 院 保 健 科 学 研 究 院 に お い て 、 調 査 用 紙 の 作 成 及 び 結 果 の 集 計 ・ 分 析 を 行 う 。 ◆ 報 告書 北 海 道 学 校 保 健 審 議 会 に お い て 、 北 海 道 大 学 大 学 院 保 健 科 学 研 究 院 の 報 告 に 基 づ き 、 学 校 に お け る 児 童 生 徒 の 心 の 健 康 問 題 へ の 対 応 に 関 す る 具 体 的 な 提 言 を 盛 り 込 み 、「 児 童 生 徒の 心 の健 康に 関 する 調 査報 告書 」 とし て 取り ま とめ る 。 3 調 査 対 象 全 道 の 公 立 学 校か ら 無 作 為 に 抽 出し た 81校 に 在 籍 す る 小学 校 3 年 生 及 び 5年 生 、中 学 校 2 年生 、 高等 学 校2 年 生( 全 日制 )の 児 童生 徒 ※( )内は 女 子の 人数 学校 種 対 象校 数 対象 学 年 配 布数 回 答 数 回 収率 小 学 校 31校 3 年 生5 年 生 1,112人1,178人 696人 (685人 ( 350人 )376人 ) 62.6%58.1% 中 学 校 30校 2 年 生 1,489人 903人 ( 490人 ) 60.6% 高 等学 校 20校 2 年 生 1,289人 992人 ( 477人 ) 77.0% 合 計 81校 5,068人 3,276人 (1,693人 ) 64.6% 4 調 査 期 間 平成 28年6 月 ~8 月 5 調 査 内 容 及 び 方 法 次 の 内 容 に つ い て 、「 心 の 健 康 に 関 す る 調 査 用 紙 」 を 用 い 、 無 記 名 に よ る ア ン ケ ー ト 調 査 を行 っ た。 調 査内 容 調査 方 法ま た は項 目 抑 うつ 傾 向 簡易 抑 うつ 症 状評 価尺 度 (QIDS-J) (「 気分 に 関す る調 査 1」) 躁 傾向 躁症 状 評価 尺 度( MEDSCI) (「 気分 に 関す る調 査 2」) 自 閉傾 向 自閉 症 スペ ク トラ ム指 数 (AQ-J) (「 行動 に 関す る調 査 2」) 自 己効 力 感 特性 的 自己 効 力感 尺度 ( GSE) (「 考え に 関す る調 査 1」) ラ イフ ス タイ ル 睡眠 時 間、 テ レビ の視 聴 時間 、 朝食 の 摂取 状 況な ど (「 行動 に 関す る調 査 1」) 6 留 意 事 項 (1) 本 調 査 の 実 施 に 当 た っ て は 、 児 童 生 徒 及 び 保 護 者 に 対 し て 調 査 の 目 的 等 を 文 書 で 説 明 する と とも に、 文 書配 布 の際 には 学 級担 任 等か ら 児童 生 徒に 説 明を 行う 。 (2) 調 査 結 果 は 、 調 査 目 的 以 外 に 使 用 し な い 。 ま た 、 全 道 の 傾 向 と し て 集 計 処 理 し 、 児 童 生徒 個 人は もと よ り、 学 校名 や地 域 が特 定 され る よう な 公表 は 行わ ない 。 (3) 児 童 生 徒 の 人 権 や プ ラ イ バ シ ー に 配 慮 す る た め 、 調 査 に 協 力 す る し な い は 、 本 人 及 び 保 護 者 が 判 断す る こ と と し 、 調査 に 協 力 す る 場 合に は 記 入 し た 調 査用 紙 を 、 調 査 に 協 力 し な い 場 合 には 未 記 入 の 調 査 用紙 を 、 児 童 生 徒 自身 が 封 筒 に 入 れ て封 を し 、 学 校 に 提 出 させ る 。 (4) 回 答 済 み の 調 査 用 紙 は 、 集 計 作 業 が 終 わ り 次 第 、 北 海 道 学 校 保 健 審 議 会 事 務 局 が 速 や かに 廃 棄処 分す る 。

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-第 2 章

児 童 生 徒 の 心 の 健 康 に 関 す る 調 査 の 結 果

1 抑う つ 傾向 に つい て (「 気 分に 関 する 調 査1」) 抑 う つ 傾 向 に つ い て は 、 「気 分 に 関 す る 調 査 1 」 と し て 、「 簡 易 抑 う つ 症 状 評 価 尺 度 ( QIDS-J)」 を 用 い て 調 査 を 行 っ た 。 (1) 「 簡 易抑 う つ症 状 評価 尺 度( QIDS-J)」に よる 抑 うつ 傾 向に つ いて 平均点は、全体では4.7、学年別では、小学3年は3.4、小 学 5年 は 4.1、 中学 2 年は 4.8、 高 校 2 年 は 6.0と な っ て お り 、 学年別では、学年が進むにしたがって有意に高くなり、 男 女 別で は 中学 2 年と 高 校2 年 にお いて 、 女子 が 男子 より 有 意に 高 くな っ てい る 。 また、中等度以上(11点以上)を抑うつ群(抑うつ傾向あり)とすると、全体では9.2% 、 学 年 別 で は 、 小 学 3 年 は 3 . 7 % 、 小 学 5 年 は 7 . 2 % 、 中 学 2 年 は 9 . 2 % 、 高 校 2 年 は 14.3% と な り 、学 年 が 進 む に し たが っ て 抑 う つ 群 の割 合 が 高 く な っ てお り 、 男 女別 で は 中学 2 年と 高 校2 年 は女 子 の割 合が 高 くな っ てい る。 表 1 簡 易 抑 う つ 症 状 評 価 尺 度 ( QIDS-J) の 平 均 点 と 抑 う つ 傾 向 程 度 別 の 割 合 人 数 / 割 合 学 年 平 均 ± SD 全 体 正 常 軽 度 中 等 度 重 度 極めて重度 抑うつ群 0 ~ 5 点 6 ~ 10点 11~ 15点 16~ 20点 21~ 27点 中等度以上 全 体 4.7± 4.0 3,276 2101 865 237 54 8 299 64.3% 26.5% 7.3% 1.7% 0.2% 9.2% 小 3 3.4± 3.3 696 526 144 21 5 0 26 75.6% 20.7% 3.0% 0.7% 0% 3.7% 小 5 4.1± 3.8 686 508 127 40 6 3 49 74.3% 18.6% 5.8% 0.9% 0.4% 7.2% 中 2 4.8± 4.0 910 565 246 61 18 3 82 63.3% 27.5% 6.8% 2.0% 0.3% 9.2% 高 2 6.0± 4.1 994 502 348 115 25 2 142 50.6% 35.1% 11.6% 2.5% 0.2% 14.3% ※今 回 の調 査 では 中 等度 以 上( 11点 以 上) を 抑う つ群 と した ※SD: 標準 偏 差( 以 降の 表 にお いて、「± 」 で 示 し た 数 値 は 標 準 偏 差 を 示 し て い る 。) 「 簡 易 抑 う つ 症 状 評 価 尺 度 ( QIDS-J)」 は 、 睡 眠 に 関 す る 項 目 や 食 欲 ・ 体 重 に 関 す る 項 目 、 落 ち 着 き の な さ や 動 作 に 関 す る 項 目 な ど 、 全 部 で 16の 質 問 項 目 か ら な る 自 己 記 入 式 の 評 価 尺 度 で 、う つ 病 の重 症 度 を 評 価 で き る ほ か、 ア メ リ カ 精 神 医 学 界の 診 断基 準 に対 応 して い る とい う 特長 を もっ て いる 。 各項 目 の回 答 を0 ~ 3点 で点数 化し 、睡眠に関する項目(第1~4項目)、食欲/ 体重 に関す る 項 目 ( 第 6 ~ 9 項 目 )、 精 神 運 動 状 態 に 関 す る 2 項 目 ( 第 15、 16項 目 ) は 、 そ れ ぞ れ の 項 目 で 最 も 点 数が 高 い も の を 一 つ だ け 選ん で 点 数 化 し 、 そ れ 以外 の 6項 目 は、 そ れぞ れ の 点数 を 採用 し 、全 9 項 目の 合 計 点 数 ( 0 点 ~ 27点 ) で 評 価 す る もの で あり 、 点数 に よる う つ病 重 症 度の 判 定基 準 は、 0 ~ 5点 は 正 常 、 6 ~ 10点は 軽 度、 11~ 15点 は中 等 度、 16~ 20点 は重 度 、 21~27点は 極 めて 重 度と さ れている。

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3 -図 1 簡 易 抑う つ 症 状 評 価 尺 度 ( QIDS-J) の 平 均 点 ( 学 年 別 、 男 女 別 ) 図 2 抑 う つ群 の 割合 ( 学年 別、 男 女別 ) (2) 抑 うつ 傾 向の 項 目別 平 均点 に つい て ア 各 項 目別 平均 点 「 簡 易 抑 う つ 症 状 評 価 尺 度 ( QIDS-J)」 の 各 項 目 別 の 平 均 点 は 、「 自 分 に つ い て の 見 方 」 が 最 も 高 く 、「 食 欲 増 進 」、「 寝 つ き の 悪 さ 」、「 体 重 増 加 」、「 悲 し い 気 持 ち 」 の 順 とな っ た。 図 3 簡 易 抑 う つ 症 状 評 価 尺 度 ( QIDS-J) 各 項 目 平 均 点 ( 全 体 ) ※各 項 目の 満 点は 3 点 0.47 0.31 0.30 0.22 0.39 0.22 0.76 0.27 0.41 0.30 0.93 0.27 0.27 0.32 0.17 0.28 0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60 0.70 0.80 0.90 1.00 1 寝つきの悪さ 2 夜間の睡眠 3 早く目が覚める 4 眠りすぎる 5 悲しい気持ち 6 食欲低下 7 食欲増進 8 体重減少(2週間) 9 体重増加(2週間) 10 集中力・決断力 11 自分についての見方 12 死や自殺についての考え 13 一般的な興味 14 エネルギーのレベル 15 動きの遅さ 16 落ち着かない 睡 眠 に 関 す る 項 目 食 欲 / 体 重 に 関 す る 項 目 精 神 運 動 状 態 に 関 す る 項 目

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4 -イ 死 や 自殺 につ い ての 考 え 「 死 や 自 殺 に つ い て 考 え る こ と が あ り ま す か 」 の 質 問 に 対 し 、 0 点 で あ る 「 死 や 自 殺 に つ い て 考 え る こ と は な い 」 及 び 1 点 で あ る 「 人 生 が 空 っ ぽ に 感 じ 、 生 き て い る 価 値 が あ る か ど う か 疑 問 に 思 う 」 と 回 答 し た 児 童 生 徒 の 割 合 は 、 全 体 で 93.1% で あ り 、 学 年 別 で は 、 小 学 3 年 は 97.5% 、 小 学 5 年 は 94.5% 、 中 学 2 年 は 92.3% 、 高 校 2 年 は 89.6% であ った 。 「 自 殺 念 慮あ り の 傾 向 」 と され る 2 点 の 「 死 や自 殺 に つ い て 、 1週 間 に 数 回 、 数 分 間 に わ た っ て 考 える こ と が あ る 」 及び 3 点 の 「 死 や 自殺 に つ い て 、 1 日に 何 回 か 細 部 に わ た っ て 考 え る、 ま た は 、 具 体 的な 自 殺 の 計 画 を 立て た り 、 実 際 に 死の う と し た り し た こ と が あ っ た 」 と 回 答 し た 児 童 生 徒 の 割 合 は 、 全 体 で は 6.9% で あ り 、 学 年 別 で は 、 小 学 3 年 は 2.5% 、 小 学 5 年 は 5.5% 、 中 学 2 年 は 7 . 7 % 、 高 校 2 年 は 10.4% と な っ てお り 、学 年 が進 む にし たが っ て割 合 が増 加し て いる 。 表 2 死 や 自 殺 に つ い て の 考 え 学 年 人 数 / 割 合 点 数 : 項 目 全 体 小 3 小 5 中 2 高 2 0 点 :死 や 自 殺 に つ い て 考 え る こ と は な い 。 2,621 632 591 681 717 81.7% 92.8% 87.7% 78.3% 72.8% 1 点 :人 生 が 空 っ ぽ に 感 じ 、 生 き て い る 価 365 32 46 122 165 値 が あ る か ど う か 疑 問 に 思 う 。 11.4% 4.7% 6.8% 14.0% 16.8% 2 点 :自 殺 や 死 に つ い て 、 1 週 間 に 数 回 、 162 15 28 46 73 数 分 間 に わ た っ て 考 え る こ と が あ る 。 5.0% 2.2% 4.2% 5.3% 7.4% 3 点 : 自殺や死について、1日に何回か細部にわたって考える、または、 62 2 9 21 30 具体的な自殺の計画を立てたり、実際に死のうとしたりしたことがあった。 1.9% 0.3% 1.3% 2.4% 3.0% 図 4 死 や 自殺 に つい て の考 えの 学 年分 布 図 5 自 殺 念慮 あ りの 傾 向の 割合 ( 2点 ま たは 3点 と 回答 し た者 ) 5.0 2.2 4.2 5.3 7.4 1.9 0.3 1.3 2.4 3.0 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 全体 小3 小5 中2 高2 (%) 3点 2点

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5 -2 躁傾 向 につ い て(「 気 分に 関す る 調査 2」) 躁 傾 向 に つ い て は 、「 気 分 に 関 す る 調 査 2 」 と し て 、「 躁 症 状 評 価 尺 度 ( MEDSCI)」 を 用 いて 調 査を 行 った 。 (1) 最 近 (1 ~ 2週 間 )の 躁 傾向 平均 点 は、全体 で 4.0、学年 別 では 、小学 3 年は 3.2、小 学5 年 は 3.7、中学 2 年は 4.2、 高 校 2 年 は 4.5と な っ て お り 、 学年別では、中 学 2 年及 び 高 校 2 年 は 小学 生 よ り も 有 意 に 高 く な っ て お り 、 男 女 別 で は 、 高 校 2 年 に お い て 男 子 が 女 子 よ り も 有意 に 高 く な っ て い る 。 表 3 躁 症状 評 価尺 度 (MEDSCI) の学 年 別、 男 女別 平 均点 ( 最近 ) 全 体 小3 小5 中2 高2 男 4.1± 4.3 3.1±3.5 3.4±3.5 4.2± 4.1 5.0± 5.0 女 3.9± 3.8 3.3±3.8 4.0±3.8 4.2± 3.9 4.0± 3.8 全体 4.0± 4.0 3.2±3.6 3.7±3.7 4.2± 4.0 4.5± 4.5 (2) 過 去 の躁 傾 向 平 均点 は、全 体 では 4.4、学年 別 では 、小 学3 年 は2.7、小学5年は3.8、中学2年は4.5、 高校2年は5.9と な っ て お り 、 学 年 別 で は 、 中 学 2 年 は 小 学 3 年 よ り 有 意 に 高 く 、 高 校 2 年 は 小学 5 年及 び中 学 2年 よ り有 意に 高 くな っ てお り 、男 女 別で は 差は ない 。 表 4 躁 症 状評 価尺 度 (MEDSCI) の学 年 別、 男 女別 平 均点 ( 過去 ) 全 体 小3 小5 中2 高2 男 4.5± 4.7 2.7±3.4 3.7±3.7 4.3± 4.7 6.2± 5.4 女 4.3± 4.5 2.7±3.7 4.0±3.8 4.6± 4.6 5.5± 4.9 全体 4.4± 4.6 2.7±3.6 3.8±3.8 4.5± 4.6 5.9± 5.2 (3) 躁 傾 向の 割 合 躁 症 状 評 価 尺 度 (MEDSCI) に おい て 、 12点 以 上 を 躁 傾向 群 ( 躁 傾 向 あ り) と する と 、 「 最 近 ( 1 ~ 2 週 間 ) に 躁 傾 向 が あ っ た 」 児 童 生 徒 の 割 合 は 、 全 体 で は 5.9% 、 学 年 別 で は 、 小学 3 年 は 3.6% 、 小 学 5年 は 4.1% 、 中 学 2 年 は5.8%、 高 校 2 年は 9.0%で あ っ た 。 ま た 、「 過 去 に 躁 傾 向 が あ っ た 」 児 童 生 徒 の 割 合 は 、 全 体 で は 8.7% 、 学 年 別 で は 小 学 3 年 は 2.0% 、 小 学 5 年 は 5.0% 、 中 学 2 年 は 8.7% 、 高 校 2 年 は 16.1% で あ っ た 。 表 5 躁 症 状評 価尺 度 (MEDSCI) の学 年 別、 男 女別 躁 傾向 の 割合 全体 小 3 小 5 中 2 高 2 最 近 過 去 最 近 過去 最近 過 去 最近 過去 最近 過去 男 6.6 9.7 3.2 1.7 2.6 5.2 6.3 8.7 11.5 18.6 女 5.3 7.8 4.0 2.3 5.3 4.8 5.4 8.7 6.3 13.4 全体 5.9 8.7 3.6 2.0 4.1 5.0 5.8 8.7 9.0 16.1 図6 躁症 状 評価 尺 度( MEDSCI)の 学 年別 躁 傾向 の割 合 「 躁 症 状 評 価 尺 度 ( MEDSCI)」 は 、 気 分 の 高 揚 や い ら だ た し さ 、 多 弁 や 注 意 散 漫 な ど 、 普 段 と は 異 な っ た 気 分 や 行 動 の有 無 な ど に つ い て 、 全 部で 13の 質問 項 目か ら な る自 己 記入 式 の評 価 尺度 で 、 各項目を点数化しその合計点(0点~26点)で躁傾向の有無を判定するものである。 なお、躁傾向があるとする判断値は12点以上とされている。 5.9 3.6 4.1 5.8 9.0 8.7 2.0 5.0 8.7 16.1 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 全体 小3 小5 中2 高2 (%) 現在 過去 最 近 過 去

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6 -3 自閉 傾 向に つ いて (「 行動 に関 す る調 査 2」) 自閉傾向については、「行動に関する調査2」として、「自閉症スペクトラム指数(AQ-J)」 を 用 いて 調 査を 行 った 。 平均点は、全体では19.7、学年別では、小学3年は18.2、小学5年は18.5、中学2年は20.1、 高校2年は21.1で あ っ た 。 また、30点以上を「自閉傾向あり」とすると、その占める割合は、全体では5.1%、学年別では、 小学3年は3.0%、 小 学 5 年 は 4.1% 、 中 学 2 年 は 5.4% 、 高 校 2 年 は 7.0%と な り 、 小学生、 中学2年、高校2年と学年が進むにしたがって有意に高く、男女別では、小学3年で男子が女子 よりも有意に高くなっている。 表 6 自 閉 症 ス ペ ク ト ラ ム 指 数 ( AQ-J) の 結 果 人 数 学 年 平 均 点 ± SD(男 子 : 女 子 ) 全 体 30点 以 上 ( % ) 全 体 19.7± 6.2( 20.1± 6.1:19.4± 6.2) 3,110人 159人 ( 5.1% ) 小 3 18.2± 6.5( 18.9± 6.5:17.5± 6.4) 640人 19人 ( 3.0% ) 小 5 18.5± 6.2( 18.7± 6.4:18.5± 6.0) 659人 27人 ( 4.1% ) 中 2 20.1± 5.9( 20.3± 5.7:20.0± 6.0) 838人 45人 ( 5.4% ) 高 2 21.1± 5.8( 21.3± 5.8:20.8± 5.9) 973人 68人 ( 7.0% ) 図 7 「 自 閉 傾向 あ り 」 の 学 年 別 割 合 4 自己 効 力感 に つい て (「 考 えに 関 する 調 査1」) 自 己 効 力 感 に つ い て は 、 「 考 え に 関 す る 調 査 1 」 と し て 、 「 特 性 的 自 己 効 力 感 尺 度 (GSE)」 を 用い て調 査 を行 っ た。 平 均 点 は 、 全 体 で は 70.4、 学 年 別 で は 、 小 学 3 年 は 74.5、 小学5年は73.4、中学2年は 69.2、 高 校 2 年 は 66.8と な り 、 小 学 生 、 中学2年、高校2年と 学 年 が 進 む に し た が っ て 有 意 に 低 く な っ て お り 、 男 女 別 で は 差 は な い 。 表 7 特 性 的 自己 効 力 感 尺 度 ( GSE) の 結 果 学 年 全 体 小 3 小 5 中 2 高 校 2 年 平 均 点 ± SD 70.4± 15.3 74.5± 16.0 73.4± 17.1 69.2± 14.8 66.8± 12.7 「自 閉症 スペク トラ ム指数 (AQ-J)」は、物 事へのこだ わりや日常の行動などについて、全部で50項 目からなる自己記入式質問紙であり、各項目を点数化(各1点)し、 そ の 合 計 点 ( 0 点 ~ 50点 ) で 自 閉 傾 向 の 有 無 を 判 定 す るも の で あ る 。 正 常 知 能 の人 を 対 象と し 、一 般 人 にも 存 在す る 一定 の 自閉 傾 向 を 把 握 す る こ と を 意 図し て 開 発 さ れ た 尺 度 で ある が 、 高機 能 広汎 性 発 達障 害 のス ク リー ニ ング ( 選 別 ) 尺 度 と し て の 機 能も 意 図 し た も の で あ る 。な お 、 自閉 傾 向が あ る とす る 判断 値 は、 研 究者 に よ っ て 、 30点 以 上、 ま た は 33点 以 上と さ れて い るが 、 今回 の 調査 で は、 30点 以 上を 「 自閉 傾 向あ り 」 とした。 「 特性 的 自己 効 力感 尺度 (GSE)」 は、 個人 がある 状況 にお いて 必要な 行動 を効 果的に 遂行 でき る 可 能 性 の 認 知 を 指 し 、自 己 効 力 感 を あ る 種 の 人 格特 性 的な 認 知 傾向 と みな す とき 、 それ を 特性 的 自 己 効 力 感 と 名 付 け る こ と が で き る 。 GSEは 、 特 性 的 自 己 効 力 感 の 個 人 差 を 測 定 す る も の で 、 23項 目 からなる自己記入式の評価尺度で、各項目を5点満点とし合計点で評価する。(最高点115点)

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7 -5 ライ フ スタ イ ルに つ いて (「 行動 に関 す る調 査1 」) ラ イ フ ス タ イ ル に つ い て は 、「 行 動 に 関 す る 調 査 1 」 と し て 、 質 問 紙 調 査 に よ り 、 調 査 を 行っ た 。 (1) 睡 眠 時間 全 体 で は 7.9時 間 、 学 年 別 で は 、 小 学 3 年 は 9.2時 間 、 小 学 5 年 は 8.8時 間 、 中 学 2 年 は 7.6時 間、 高 校 2 年 は 6.6時 間 とな っ て お り 、 学 年が 進 む に し た が って 有 意 に 短 く な っ て いる 。 (2) 1 週 間の 外 遊び の 回数 全 体 では 2.5回、学 年別 で は、小学 3 年は 3.8回 、小 学5 年 は3.6回、中学 2 年は 1.7回、 高 校2 年 は1.5回と な って おり 、小 学生 は中 学 生及 び 高校 生 より 有意 に 多く な って い る。 (3) 1 日 のテ レ ビの 視 聴時 間 全 体 で は 2.4時 間 、 学年 別 で は 、 小 学 3 年は 2 . 4 時 間 、 小 学 5 年 は 2.7時間 、 中学 2 年 は 2.5時 間、 高 校 2 年 は 2.1時 間 とな っ て お り 、 小 学3 年 は 小 学 5 年 より 、 高 校 2 年 は 中 学 2年 よ り、 有意 に 短く な って いる 。 (4) 1 日 のゲ ー ムの 時 間 全 体 で は 1.5時 間 、 学 年 別 で は 、 小 学 3 年 は 1.1時 間 、 小 学 5 年 は 1.5時 間 、 中 学 2 年 は 1.7時 間、 高 校 2 年 は 1.6時 間 とな っ て お り 、 小 学5 年 と 中 学 2 年 、高 校 2 年 に は 差 が 見 られ ず 、小 学3 年 より 有 意に 長く な って い る。 (5) 毎 日 の朝 食 摂取 率 全 体 では 90.4%、学 年別 で は、小学3年は95.9%、小学5年は93.2%、中学2年は89.7%、 高 校 2 年 は 85.7% と な っ て お り 、学 年 が 進 む に し たが っ て 割 合 が 低 くな る 傾 向 で あ る 。 表 8 ラ イ フ ス タ イ ル に 関 す る 調 査 結 果 学 年 睡 眠( 時 間 ) 外 遊 び( 回 数 ) テ レ ビ( 時 間 ) ゲ ー ム ( 時 間 ) 朝 食 摂 取( % ) 全 体 7.9± 1.6 2.5± 2.6 2.4± 1.7 1.5± 2.1 90.4 小 3 9.2± 1.2 3.8± 2.3 2.4± 1.5 1.1± 1.8 95.9 小 5 8.8± 1.0 3.6± 3.4 2.7± 1.8 1.5± 2.6 93.2 中 2 7.6± 1.3 1.7± 2.0 2.5± 1.7 1.7± 1.8 89.7 高 2 6.6± 1.5 1.5± 1.9 2.1± 1.7 1.6± 2.1 85.7 6 抑う つ 傾向 、 躁傾 向 、自 閉 傾向 、自 己 効力 感 の相 関関 係 につ い て 抑 う つ 傾 向 、 躁 傾 向 、 自 閉 傾 向 、 自 己 効 力 感 の 相 互 の 関 係 を 検 討 し た 結 果 、 抑 う つ 傾 向 と 躁傾 向 の 間 、 及 び 抑 う つ 傾 向 と 自 閉傾 向 の 間 に お い て、 正 の 相 関 関 係 が認 め られ た 。 ま た 、 抑 う つ 傾 向 と 自 己 効 力 感 の 間 、 及 び 自 閉 傾 向 と 自 己 効 力 感 の 間 に お い て 負 の 相 関 関 係 が 認 め ら れ た 。 図8 抑う つ 傾向 、 躁傾 向 、自 閉傾 向 、自 己 効力 感の 相 関関 係 児 童生 徒 の日 常 生活 及 びライ フス タイ ルを知 るた めに 、① 平日の 睡眠 時間 、② 1週間 の外 遊び の 回 数、 ③1 日の テレ ビの視 聴時 間、 ④1日 のゲ ーム の時 間、⑤ 毎 日 の 朝 食 摂 取 の 有 無 の 5 項 目 に つ い て 、 質 問 紙 に よ り 調 査 を 行った。

抑 うつ傾向

自 己効力感

自閉傾向

正の相関 正 負の相関 負の相関

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-第 3 章

調 査 結 果 の 考 察

1 抑う つ 傾向 に つい て (1) 抑 う つ傾 向 「 簡 易 抑 う つ 症 状 評 価 尺 度 ( QIDS-J)」 に よ る 学 年 別 、 男 女 別 平 均 点 は 、 学 年 が 進 む に し た が っ て 有意 に 高 く な り 、 小学 生 で は 男 女 差 はな か っ た が 、 中 学2 年 と 高 校 2 年 で は 女 子 が 男 子 よ り 有 意 に 高 く な っ た 。 ま た 、 中等度以上(11点以上)を抑うつ群(抑うつ 傾向あり)とすると、抑うつ群の割合も学年が進むにしたがって高くなり、中学2年と高校2 年では女子の割合が男子より高くなった。 本 調 査 に お い て 、 一 定 の 割 合 で抑 う つ 傾 向 を 示 す児 童 生 徒 が 認 め られ た が 、 自 己 記 入 式 質 問 票 を 用 いた ス ク リ ー ニ ン グ( 選 別 ) で は 、 テス ト の 特 性 と し て、 正 常 な 人 が う つ 傾 向 で あ る と チェ ッ ク し て し ま うこ と が 多 く な る こと が あ り 、 自 己 記入 式 の 評 価 尺 度 の 高 得 点 者 の 多 くは 、 う つ 病 で は ない 。 さ ら に 、 中 学生 、 高 校 生 の 時 期は 、 自 己 の 気 分 や 感 情 に 対 し て 様々 な 興 味 や 関 心 が出 現 し 、 抑 う つ など の 感 情 に 敏 感 にな っ て い る 時 期 で も ある 。 ま た 、 北 海 道 大 学 が 平 成 19年 に 千 歳 市 の 小 ・ 中 学 生 738人 ( 小 4 ~ 中 1 ) に 対 し て 、 精 神 科 医 が 直 接面 接 を 行 い 、 気 分障 害 の 有 病 率 に 関す る 疫 学 調 査 を 行っ た と こ ろ 、 う つ 病 と診 断 され た児 童 ・生 徒 の割 合は 、 小学 4 年1 人 (0.5%)、 小 学5 年1 人 (0.7%)、 小 学6 年 4人 (1.4%)、 中 学1 年5 人 (4.1% )と い う結 果 であ った 。 こ う し た こ と を 理 解 し た 上 で 、一 定 の 抑 う つ 傾 向を 示 す 児 童 生 徒 が存 在 す る と い う 事 実 を認 識 し、 対策 を 立て て いく 必要 が ある 。 (2) 項 目 別の 状 況 ア 項目 別 平均 点 「 簡 易 抑 う つ 症 状 評 価 尺 度 ( QIDS-J)」 の 項 目 別 の 全 体 の 平 均 点 の 上 位 は 、 自 己 評 価 の 低 さ 、 自 責 感 、 無 価 値 感 を問 う 質 問 項 目 で ある 「 自 分 に つ い ての 見 方 」 が 第 1 位 で あり 、 第 2 位 が 「 食欲 増 進 」、 第3 位 が「 寝つ き の悪 さ」、 第 4位 が 「体 重 増加 ( 最 近2 週 間)」、 第5 位が 「 悲し い 気持 ち (抑 う つ気 分)」 で あっ た。 今 回 の 調 査 結 果 に お い て 、 身 体 傾 向 の 訴 え が 上 位 5 項 目 中 3 項 目 と 多 く な っ て い る こ と か ら 、 児 童 生 徒 は 抑 う つ 状 態 を 身 体 症 状 と し て 訴 え や す い こ と に 留 意 す る 必 要 が ある 。 な お 、 従 来 、 児 童 ・ 思 春 期 に お い て は 、「 抑 う つ 気 分 」 を 言 語 化 す る こ と が 難 し い と 言 わ れ て き た が 、 今 回 の 調査 で は、「 悲 し い 気持 ち ( 抑 う つ 気 分)」 が第 5 位 に 入 っ てお り 、自 らの 抑 うつ 気 分を 認識 し てい る 児童 生 徒が 一 定程 度 いる 状況 で あっ た 。 イ 死 や自 殺 につ い ての 考 え 自 殺 念 慮 を 推 測 す る 上 で 重 要 な 質 問 項 目 で あ る 「 自 殺 や 死 に つ い て 、 1 週 間 に 数 回 、 数 分 に わ た って 考 え る こ と が ある 」 及 び 「 自 殺 や死 に つ い て 1 日 に何 回 か 細 部 に わ た っ て 考 え る 、ま た は 、 具 体 的 な自 殺 の 計 画 を 立 てた り 、 実 際 に 死 のう と し た こ と が あ っ た 」 の 回 答 を 「 自 殺 念 慮 あ り 」 と す る と 、 全 体 で は 6.9% 、 学 年 別 で は 小 学 3 年 は 2.5% 、 小 学 5 年 は 5.5% 、 中 学 2 年 は 7.7% 、 高 校 2 年 は 10.4% と な っ て お り 、 学 年 が進 む にし た がっ て その 傾向 は 高く な った 。 本 調 査 に お い て 、「 自 殺 念 慮 あ り 」 と さ れ る 項 目 に 回 答 し た 児 童 生 徒 が 、 必 ず し も 実 際 に 深 刻 な 自 殺の 可 能 性 の あ る 者で あ る と は 言 え ない が 、 児 童 生 徒 は、 様 々 な 要 因 で 死 や 自 殺 を 考 える こ と が あ る こ とを 十 分 認 識 し 、 行動 の 変 化 に 留 意 して 、 自 殺 の 未 然 防 止に 努 める 必 要が あ る。 2 躁傾 向 につ い て 「 躁 症 状 評 価 尺 度 ( MEDSCI)」 に よ る 「 最 近 ( 1 ~ 2 週 間 ) の 躁 傾 向 」 の 学 年 別 、 男 女 別 平 均 点 は 、 学年 別 で は 小 学 3 年と 小 学 5 年 に 差 はな い が 、 中 学 2 年及 び 高 校 2 年は 小 学 生 より 有 意に 高 く、男 女 別に は 高校 2年 に おい て 男子 が女 子 より も 有意 に 高く な って い る。 ま た、「 過 去の 躁 傾向 」の 学年 別、男 女 別平 均 点は、学年 別 では 中 学2 年 は小 学 3年 より 、 高 校2 年 は小 学 5年 及 び中 学 2年 より 有 意に 高 く、 男女 別 では 差 がな い 。 健 康 な 児童 生 徒 で あ っ て も修 学 旅 行 や 運 動 会の 前 で は 躁 状 態 に近 い 状 態 を 示 す こと も あ

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9 -る こ と な ど か ら 、 児 童 ・ 青 年 期 の 躁 状 態 の 診 断 は 難 し く 、 自 己 記 入 式 質 問 票 を 用 い た ス ク リ ー ニ ン グ( 選 別 ) で は 、 正常 な 人 が 躁 傾 向 の項 目 を チ ェ ッ ク して し ま う こ とが 多 く な るこ と は否 め ない 。 前 述 の 平成 19年 に 北 海 道 大 学 が千 歳 市 の 小 ・ 中 学生 に 対 し て 行 っ た疫 学 調 査 に おい て 、 過 去 に 躁 状 態 が あ っ た と 判 断 さ れ た 者 は 全 体 で 8 人 ( 1.1% ) で あ っ た も の の 、 面 接 時 に 躁 状 態 で あ っ た児 童 生 徒 は 皆 無 であ っ た こ と に も 考慮 す る と 、 い つ もよ り 高 揚 し てい る 、 あ る い は 開 放 的な 気 分 を 感 じ て いる 児 童 生 徒 が 一 定の 割 合 で 存 在 す るこ と を 認 識 し、 気 分 や 行動 の 変化 に 留意 す る必 要 があ る。 3 自閉 傾 向に つ いて 「 自 閉 症 ス ペ ク ト ラ ム 指 数 ( AQ-J)」 に よ る 平 均 点 は 、 小 学 生 、 中 学 2 年 、 高 校 2 年 と 学 年 が 進 む に した が っ て 有 意 に 高く な っ て い る 。 また 、 30点 以 上 を 「 自閉 傾 向 あ り」 と す る と 、 自 閉 傾 向 の あ る 児 童 生 徒 の 割 合 は 、 全 体 で は 5.1% 、 学 年 別 で は 、 小 学 3 年 は 3.0 % 、 小 学 5 年 は 4.1% 、 中 学 2 年 は 5.4% 、 高 校 2 年 は 7.0% で あっ た 。 文 部 科 学 省 が平 成 24年 12月 に 報 告 し た「 通 常 の 学 級 に 在籍 す る 特 別 な 教 育的 支 援を 必 要 と す る 児 童 生 徒に 関 す る 全 国 実 態調 査 」 に よ る と 、知 的 発 達 に 遅 れ はな い も の の 学習 面 や 行 動 面 で 著 し い 困 難 を 示 す 児 童 生 徒 の 割 合 は 6.5% で あ り 、 こ の う ち 、 学 習 面 で 著 し い 困 難 を 示 す 児 童 生 徒 の 割 合 が 4.5% 、 行 動 面 で 著 し い 困 難 を 示 す 児 童 生 徒 の 割 合 が 3.6% で あ っ た 。 ま た 、「 不 注 意 」 ま た は 「 多 動 性 - 衝 動 性 」 の 問 題 を 著 し く 示 す 児 童 生 徒 の 割 合 は 3.1% 、「 対 人 関 係 や こ だ わ り 等 」 の 問 題 を 著 し く 示 す 児 童 生 徒 の 割 合 は 1.1% と い う 結 果 の報 告 がさ れ てい る 。 文 部 科 学省 が 実 施 し た 調 査は 、 本 調 査 と 対 象学 年 も 異 な っ て おり 、 学 級 担 任 が チェ ッ ク リ ス ト を も と に児 童 生 徒 の 観 察 を行 い 、 回 答 し た もの で あ る こ と か ら、 自 己 記 入 式で 行 っ た 本 調 査 と の 単純 比 較 は 困 難 で ある が 、 各 学 年 に 3~ 7 % の 割 合 で 、自 分 自 身 あ るい は 他 者 か ら 見 て 学 習面 や 行 動 面 に お ける 困 難 さ や 生 き づら さ を 感 じ て い る児 童 生 徒 が 存在 す る 状 況で あ る。 4 自己 効 力感 に つい て 前 回 調 査 ( 平 成 23年 実 施 ) に お い て 、 簡 易 抑 う つ 症 状 評 価尺 度 ( QIDS-J) の 項 目 で あ る 「 自 分 に つ い て の 見 方 」 の 平 均 点 が高 い 値 を 示 し た こと か ら 、 今 回 の 調査 で は 調 査 項 目 を 追 加 し 、「 特 性 的 自 己 効 力 感 尺 度 ( GSE)」 を 用 い て 自 己 効 力 感 に つ い て 調 査 を 実 施 し た 。 自 己 効 力 感 や 自 己 評 価 の 高 さ は 、 抑う つ や 自 殺 を 予 防す る 大 き な 要 因 にな り 、 逆 に そ の 低 さは 抑 うつ や 自殺 と 関連 が ある と 考え られ て いる 。 「 特 性 的 自 己 効 力 感 尺 度 (GSE)」 によ る 平 均 点 の 統計 処 理 を 行 っ た 結果 、 学 年 別 で は 、 小 学 3 年 、 小 学 5 年 、 中 学 2 年 、 高 校 2 年 と 学 年 が 進 む に し た が っ て 自 己 効 力 感 が 低 く な り 、 男 女 別 に は 差 が な い 。 本 調 査 結 果 に お い て は 、「 抑 う つ 傾 向 」、「 死 や 自 殺 に つ い て の 考 え 方 」、「 躁 傾 向 」、「 自 閉 傾 向 」 が 、 学 年 が 進 む に し た が っ て 高 く な っ て い る こ と か ら、 自 己効 力 感と の 関連 が 考え ら れる 。 5 ライ フ スタ イ ルに つ いて 児 童 生 徒 の 睡 眠 時 間 の 平 均 は 7.9時 間 で 学 年 が 進 む に し た が っ て 短 く 、 外 遊 び の 回 数 の 平 均 に つ い て は 週 当 た り 2.5回 で 小 学 生 が 中 ・ 高 校 生 よ り 長 い 。 1 日 当 た り の テ レ ビ の 視 聴 時 間 の 平 均 は 2.4時 間、 ゲ ー ム の 時 間 は1.5時間 で あ っ た 。 朝 食の 摂 取 に つ い て は全 体 で 90.4%で 学 年が 進む に した が って 低く な る傾 向 であ っ た。 6 抑う つ 傾向 、 躁傾 向 、自 閉 傾向 、自 己 効力 感 の相 関関 係 につ い て 抑 う つ 傾 向 と 躁傾 向 の 間 で 正 の 相関 関 係 、 抑 う つ 傾向 と 自 閉 傾 向 の 間に も 正 の 相関 関 係 が あ り 、 抑 う つ 傾 向 と自己効力感の間で負の相関関係、自 閉 傾 向 と 自己効力感の間にも負の相 関関係が認められた。すなわち、抑 う つ 傾 向 の あ る 児 童 生 徒 は 躁 傾 向 も 自 閉 傾 向 も み ら れ 、 抑 う つ 傾 向 の あ る 児 童 生 徒 及 び 自 閉傾 向 の あ る 児 童 生徒 は 、 自 己 効 力 感が 低 い と い う こ と が言 え る。 こ の こ と か ら 、自 己 効 力 感 を 高 める こ と が 、 抑 う つ傾 向 を 改 善 し 、 自閉 傾 向 の ある 児 童 生徒 の 情緒 や 行動 を 改善 す る可 能 性が 示唆 さ れた と いう こ とも 考 えら れる 。

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-第 4 章

前 回 調 査 結 果 と の 比 較

道 教 委 に お い て は、 平 成 23年 に 本 道 に おけ る 児 童 生 徒 の 心の 健 康 に 関 す る 実態 を 把握 し 、 心の 健 康 づ く り の 充実 に 資 す る こ と を目 的 に 調 査 を 実 施し た 。 調 査 実 施 以降 5 年 が 経過 し た こと か ら 、 平 成 28年 に 2回 目 の 調 査 を 実 施し 、 前 回 調 査 と 比較 で き る 項 目 に つい て 、分 析 を 行っ た 。 な お 、 前 回調 査 に お い て は 、男 女 別 に 調 査 を 実施 し て い な い た め、 こ こ で は全 体 及 び学 年別 に つい て 比較 す る。 1 調査 対 象に つ いて 対 象 校数( 校) 配布 数 (人 ) 回 答数 ( 人) 回 収 率( % ) 学 校 種 対象学年 H23 H28 H23 H28 H23 H28 H23 H28 小 学 校 3 年生 24校 1,429 1,112 650 696 45.5 62.6 5 年生 31校 1,416 1,178 711 685 50.2 58.1 中 学 校 2 年生 28校 30校 1,717 1,489 847 903 49.3 60.6 高等 学 校 2 年生 28校 20校 2,572 1,289 1,527 992 59.4 77.0 合 計 80校 81校 7,134 5,068 3,735 3,276 52.4 64.6 2 抑う つ 傾向 に つい て (1) 「 簡 易抑 う つ症 状 評価 尺 度( QIDS-J)」の 平均 点 の比 較 前 回 調 査 と 比較 す る と 、 全 体 では 有 意 に 低 く な って お り 、 学 年 別 では 小 学 3 年と 小 学 5 年 が 有 意 に 高く な っ て い る の に対 し 、 中 学 2 年 と高 校 2 年 が 有 意 に低 く な っ て い る 。 図 9 「 簡 易 抑う つ症 状 評価 尺 度( QIDS-J)」 の 平 均 点 の 比 較 (2) 抑 う つ群 の 割合 の 比較 前回調査と比較すると、全体では低下傾向であり、学年別では小学3年で変化がなく、小学 5年で増加傾向であるのに対し、中学2年及び高校2年では低下傾向である。 図 10 抑 う つ 群の 割 合 の 比 較 12.4 3.7 3.9 13.3 19.4 9.2 3.7 7.2 9.2 14.3 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 全体 小3 小5 中2 高2 (%) 平成23年 平成28年

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11 -(3) 死 や 自殺 に つい て の考 え の比 較 質 問 項 目 「 死 や 自 殺 に つ い て の 考 え 」 に お い て 、 2 点 で あ る 「 死 や 自 殺 に つ い て 、 1 週 間 に 数 回 、 数 分 に わ た っ て 考 え る こ と が あ る 」、 及 び 3 点 で あ る 「 死 や 自 殺 に つ い て 1 日 に 何 回 か 細 部 に わ た っ て 考 え る 、 ま た は 、 具 体 的 な 自 殺 の 計 画を 立 て た り 、 実 際 に 死 の う と し た こ と が あ っ た 」 の 「 自 殺 念 慮 あ り の 傾 向 」 の 割 合 に つい て は 、 前 回 調 査 と 比 較 す る と 、 全 体 で は 低 下 傾 向 と な っ て お り 、 学 年 別 で は 小 学 3 年で 変 化 が な く 、 小 学 5 年で 増 加傾 向で あ るの に 対し 、中 学 2年 及 び高 校 2年 で は低 下 傾向 であ る 。 図 11 「 自 殺 念慮 あ り の 傾 向 」 の 割 合 の 比 較 3 躁傾 向 につ い て (1) 最 近 (1 ~ 2週 間 )の 躁 傾向 前 回 調 査 と 比 較 する と 、 全 体 で は 有意 に 低 く な っ て おり 、 学 年 別 で は 中学 2 年で 有 意 に 低く な った 。 図 12 「 躁症 状 評価 尺 度( MEDSCI)」の 平 均 点 ( 最 近 ) の 比 較 (2) 過 去 の躁 傾 向 前 回 調 査 と 比 較 す る と 、 全 体 で は 変 化 が な く 、 学 年 別 で は 中 学 2 年 で 有 意 に 低 く な っ てい る のに 対し 、 高校 2 年で 有意 に 高く な って い る。 図 13 「 躁症 状 評価 尺 度( MEDSCI)」の 平 均 点 ( 過 去 ) の 比 較

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12 -(3) 躁 傾 向の 割 合 「 躁症 状 評価 尺 度( MEDSCI)」にお い て、12点 以 上を 躁 傾向 群( 躁 傾向 あ り)とし て、 「 最 近 ( 1 ~ 2週 間 ) の 躁 傾 向 群」 及 び 「 過 去 の 躁傾 向 群 」 を 前 回 調査 と 比 較 す る と 、 学 年に よ って 様々 な 結果 と なり 、一 定 の傾 向 は認 め られ な い。 図14 躁傾 向 (最 近 )の 割 合の 比較 図15 躁傾 向 (過 去 )の 割 合の 比較 4 自閉 傾 向に つ いて 前 回 調 査 と 比 較す る と 、 全 体 の 平均 点 で は 有 意 に 低く な っ て お り 、 学年 別 で は 中学 2 年 及 び 高校 2 年で 有意 に 低く な って いる 。 図 16 「 自閉 症 スペ ク トラ ム 指数 (AQ-J)」の 平 均 点 の 比 較 30点 以 上 を 「 自 閉 傾 向 あ り 」 と し て 、 前 回 調 査 と 比較すると、全体では低下傾向であり、 学年別では小学3年で変化がなく、小学5年で高くなっているのに対し、中学2年及び高校2年 では低下傾向である。 図 17 「 自閉 傾 向あ り 」群 の 比 較 5.8 3.0 3.2 6.6 7.8 5.1 3.0 4.1 5.4 7.0 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 全体 小3 小5 中2 高2 (%) 平成23年 平成28年

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13 -5 ライ フ スタ イ ルに つ いて ラ イ フス タ イ ル に 関 し て1 日 の 睡 眠 時 間 、1 週 間 の 外 遊 び の回 数 、 1 日 のテ レ ビの 視 聴 時 間、1 日 のゲ ー ムの 時 間に お ける それ ぞ れの 平 均及 び標 準 偏差 に つい て 統計 処 理を 行 い、 前 回 調 査 と 比 較し た と こ ろ 、 外 遊び の 回 数 に つ い ては 全 体 で は 減 少 傾向 で あ り 、 学年 別 で は 小 学 3 年 が 有意 に 減 少 し 、 テ レビ の 視 聴 時 間 に つい て は 全 体 で は 減少 し て お り 、ゲ ー ム の 時間 に つい て は全 体 で増 加 して いる 。 表9 ライ フ スタ イ ルの 比 較 全体 小 3 小 5 中 2 高 2 睡 眠 H23 7.8± 1.5 9.3± 0.7 8.9± 0.8 7.7± 1.2 6.8± 1.3 ( 時 間) H28 7.9± 1.6 9.2± 1.2 8.8± 1.0 7.6± 1.3 6.6± 1.5 外 遊び H23 2.6± 2.3 4.3± 2.1 4.0± 2.5 1.8± 1.8 1.7± 1.9 ( 回 数) H28 2.5± 2.6 3.8± 2.3 3.6± 3.4 1.7± 2.0 1.5± 1.9 テ レビ H23 2.9± 2.0 2.6± 1.6 2.9± 1.7 3.2± 2.0 3.0± 2.2 ( 時 間) H28 2.4± 1.7 2.4± 1.5 2.7± 1.8 2.5± 1.7 2.1± 1.7 ゲ ーム H23 1.1± 2.6 0.8± 1.0 1.5± 0.8 1.1± 1.8 1.1± 1.8 ( 時 間) H28 1.5± 2.1 1.1± 1.8 1.5± 2.6 1.7± 1.8 1.6± 2.1 朝 食 摂取 H23 87.8 96.7 95.7 90.3 78.8 ( %) H28 90.4 95.9 93.2 89.7 85.7

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-第 5 章

前 回 調 査 の 結 果 と の 比 較 に お け る 考 察

1 抑う つ 傾向 に つい て 「 簡 易抑 う つ 症 状 評 価 尺度 」 の 平 均 点 、 抑う つ 群 ( 11点 以 上 ) の 割合 及 び自 殺 念慮 あ り の 傾 向 の 割 合 に つ い て は 、 前 回 調 査 と 比 較 す る と 、 小学3年で変化がなく、小学5年で増加 傾向であるのに対し、中学2年及び高校2年では低下傾向である。 こ れ は 、前 回 調 査 時 の 平 成23年は 日 本 の 自 殺 者 が3 万 人 を 越 え る 状態 が 続 い て いた が 、 平 成 24年 に 15年 ぶ り に自 殺 者 が 3 万 人 を下 回 り 、 そ の 後 も年 々 減 少 し て お り、 自 殺率 と 密 接 な 関 係 が あ ると さ れ て い る 失 業率 も 同 様 に 低 下 して い る こ と か ら 、進 路 選 択 を 間近 に し た 中学 生 、高 校 生に 少 なか ら ず影 響を 与 えて い るも のと も 考え る こと が でき る 。 2 躁傾 向 につ い て 「 躁 症 状 評 価 尺 度 」 に よ る 「 最 近 ( 1 ~ 2 週 間 ) の 躁 傾 向 」 の 平 均 点 に つ い て は 、 前 回 調 査 と 比 較 す る と 、 全 体 で は 低 く な っ て お り 、 学 年 別 で は 中 学 2 年 で 低 く な っ て い る 。 こ れは 、 躁傾 向 と抑 う つ傾 向 が正 の相 関 を示 す こと と関 連 があ る と考 え られ る 。 し か し 、「 過 去 の 躁 傾 向 」、「 躁 傾 向 群 ( 12点 以 上 )」 の 割 合 な ど は 、 学 年 に よ っ て 様 々 で あり 、 一定 の 傾向 は 認め ら れな い。 3 自閉 傾 向に つ いて 「 自 閉症 ス ペ ク ト ラ ム 指数 」 に よ る 平 均 点に つ い て は 、 前 回調 査 と 比 較 する と 、全 体 で は 低 く な っ て お り、 学 年 別 で は 中 学2 年 及 び 高 校 2 年で 低く な って い る。 自閉 傾 向群 ( 30 点 以 上) の 割合 につ い ては 、 中学 2年 と 高校 2 年で 低 下傾 向 が認 め られ る。 こ れ は 、 自 閉 傾向 と 抑 う つ 傾 向 が正 の 相 関 関 係 を 示す こ と か ら 、 中 学生 、 高 校 生の 抑 う つ 傾 向 が 低 下 した た め 、 自 閉 傾 向も 低 下 し た 可 能 性が 考 え ら れ る 。 また 、 前 回 調 査か ら 今 回 調 査 ま で の 5 年 間 で 、 社 会 に お け る 「 発 達 障 害 」 の 認 識 が 高 ま り 、「 自 分 の こ と を 発 達 障 害と 思 いた く ない、思わ れ たく ない」とい う 心理 によ り 回答 し た可 能性 も 否定 で きな い。 ま た 、 児 童 生 徒の ス マ ー ト フ ォ ンや ソ ー シ ャ ル メ ディ ア の 利 用 が 飛 躍的 に 増 加 し たこ と に よ り 、 自 閉 傾 向が 高 い 者 も 比 較 的、 困 難 を 感 じ る こと な く 交 流 で き るよ う に な り 、自 ら の コ ミ ュ ニ ケ ー ショ ン に つ い て 、 苦手 と 感 じ る 機 会 が減 っ た た め 、 点 数の 低 下 に 影 響を 及 ぼ し た可 能 性も 否 定で き ない 。 4 ライ フ スタ イ ルに つ いて ラ イ フス タ イ ル に つ い ては 、 前 回 調 査 と 比較 す る と 、 外 遊 びの 回 数 が 減 少傾 向 にあ り 、 テ レ ビの 視 聴時 間が 減 少し 、 ゲー ムの 時 間が 増 加し て いる 。 こ れ らの 理 由 に は 様 々 なこ と が 考 え ら れ るが 、 ス マ ー ト フ ォン や ソ ー シ ャル メ ディ ア の 利 用 の 増 加 に 伴 い、 児 童 生 徒 の 興 味が 外 遊 び や テ レ ビか ら ス マ ー ト フ ォン や ソ ー シ ャ ル メ デ ィ アへ 変 わり つつ あ ると い うこ とが 一 つの 理 由と し て考 え られ る 。

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-第 6 章

ま と め

○ 抑 う つ 傾 向 や 躁傾 向 を 示 す 児 童 生徒 は 、 前 回 調 査 と比 較 し て 増 加 は して い な い もの の 、 一 定 の 割 合 で 存 在 し て い る こ と か ら 、 学 校 や 家 庭 に お い て 、 児 童 生 徒 の 身 体 症 状 や 行 動 の 変 化 を 見 逃 さ な い よ う に す る な ど 、 心 の 健 康 問 題 の 早 期 発 見 に 努 め 、 必 要 に 応 じ て 専 門 医 を 受 診 さ せ る な ど 早 期 対 応 に 努 め る 必 要 が あ る 。 ○ 自 閉 傾 向 の 児 童 生 徒 は 、 前 回 調 査 と 比 較 し て 低 下 し て い る も の の 、 自 閉 傾 向 を 有 す る 児 童 生 徒 が 、 対 人 交 流 や 集 団 へ の 適 応 に 苦 労 し ( 対 人 性 ・ 社 会 性 の 障 害 )、 抑 う つ 傾 向 、 躁 傾 向 を 示 す 場 合 も あ る こ と か ら 、 発 達 障 害 の 有 無 な ど 、 様 々 な 要 因 を 考 慮 し 、 児 童 精 神 科 等 の 専 門 医 や 保 健 所 、 児 童 相 談 所 な ど の 関 係 機 関 等 と 連 携 し た 支 援 に 努 め る 必 要 が あ る 。 ○ 自 己 効 力 感 や 自己 評 価 の 高 さ は 、抑 う つ や 自 殺 を 予防 す る 大 き な 要 因に な り 、 逆に そ の 低 さ は 抑 う つ や 自殺 と 関 連 が あ る と考 え ら れ て お り 、自 分 は 大 切 に さ れて い る 、 自 分 は 必 要 と さ れ て い る とい っ た 、 他 者 か らの 賞 賛 や 承 認 、 評価 が 自 己 評 価 に 影響 し て く る こ と か ら 、 授 業 を は じ め 、 学 校 に お け る 様 々 な 学 習 活 動 に お い て 、「 わ か っ た 」、「 で き た 」 と い う 達 成 感 や 成 就 感 を 感 じ る 経 験 を 積 ま せ る と と も に 、 共 感 的 な 人 間 関 係 を は ぐ く む 環 境 づ く り に 努 め る 中 で 、 児 童 生 徒 が 自 分 の 良 さ を 自 覚 し 、 自 己 肯 定 感 や 自 己 効 力 感 を 高 め る 指 導 に 努 め る 必 要 が あ る 。 ○ 睡 眠 時 間 や 朝 食摂 取 、 テ レ ビ や ゲー ム の 時 間 等 の 児童 生 徒 の 基 本 的 な生 活 習 慣 など を 身 に 付 け る 上 で 家 庭が 重 要 な 役 割 を 果た す こ と か ら 、 保護 者 の 協 力 を 得 なが ら 、 学 校 と 家 庭 が 連 携し て 望ま しい 生 活習 慣 の定 着に 向 けた 取 組を 行 う必 要 があ る 。 本 調 査 で 用 い た 自 己 記 入 式 評 価 尺 度 は 、 本 来 、 精 神 疾 患 の ス ク リ ー ニ ン グ に 用 い ら れ る こ と が 多 く 、 対 象 者 の 数 が 圧 倒 的 に 多 い 場 合 、 自 己 評 価 で も あ る 程 度 信 頼 性 の あ る 情 報 が 得 ら れ る 場 合 、 自 己 評 価 の 方 が む し ろ 正 直 に 答 え や す い 場 合 ( 無 記 名 な ど ) には、自己記入式質問票は非常に有用な手段となると考えられる。 し か し 、 一 方 で は 、 ① 正 常 な 人 が う つ 傾 向 を チ ェ ッ ク し て し ま う こと が 多 く な る と い う ス ク リ ー ニ ン グ テ ス ト の 限 界 が あ る こ と 、 ② 社 会 的 に 望 ま し い 回 答 に 偏 っ て し ま う 傾 向 が あ る こ と 、 ③ 何 ら か の 問 題 を 抱 え て い る 対 象 ほ ど 調 査 に 協 力 す る と い う バ イ ア ス が か か る 可 能 性 が あ る こ と 、 ④ 症 状 の 存 在 を 推 測 す る こ と は で き る が 、 そ の 苦 し み の 程 度 や 生 活 上 の 機 能 障 害 程 度 を 同 定 す る こ と は 困 難 な こ と 、 な ど に 問 題 点 が あ る ことを踏まえて取り扱う必要がある。

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16

-参

教職 員の た めの 子 ども の 健康 相 談及 び保 健 指導 の 手引 き( 平 成23年 8月 文部 科 学省 ) 教職 員の た めの 子 ども の 健康 観 察の 方法 と 問題 へ の対 応( 平 成21年 3月 文部 科 学省 ) 生徒 指導 提 要( 平 成22年 3月 文部 科学 省 ) 教師 が知 っ てお き たい 子 ども の 自殺 予防 ( 平成 21年3 月 文 部科 学 省) 通常 の学 級 に在 籍 する 発 達障 害 の可 能性 の ある 特 別な 教育 的 支援 を 必 要 と す る 児童 生 徒 に 関 す る 調査 結 果 に つ い て ( 平 成 24年 12月 文 部 科学 省 ) 児童 ・青 年 期の 気 分障 害 の診 断 学- MINI-KIDを 用 いた 疫学 調 査か ら - ( 平 成20年 児 童 青年 精神 医 学と そ の近 接 領域 傳田 健 三) 高校 生の 心 と体 の 健康 に 関す る 調査 報告 書 -日 本 ・米 国・ 中 国・ 韓 国の 比 較- ( 平 成 23年 3月 財 団 法 人 一 ツ 橋 文芸 教 育 振 興 会 財団 法 人 日 本 青少 年 研究 所 )

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2016 年度 児童生徒の心の健康に関する調査報告書

北海道大学大学院保健科学研究院 傳田健三 第 1 部:2016 年度の児童生徒の心の健康に関する調査結果 第1 部には、2016 年度に行った「児童生徒の心の健康に関する調査報告書」を記載し、 第2 部には、2011 年度の調査との比較を解説する。最後に第 3 部として全体のまとめを 記した。 Ⅰ.調査の目的 北海道の小・中・高校生における心の健康に関する実態(抑うつ症状、躁症状、自閉傾 向、自己効力感、ライフスタイル)を把握し、今後の心の健康づくりの充実に資すること を目的とする。 Ⅱ.調査対象 調査対象の内訳を表1に示す。小学校においては 3 年生と 5 年生からそれぞれ 1 学級、 中学校および高等学校については2 年生から1学級を対象とした。北海道全域の小学校 31 校、中学校30 校、高等学校 20 校の計 81 校を人口に応じた形で抽出した。その結果、小 学3 年生 696 人(男子 346 人、女子 350 人)、小学 5 年生 686 人(男子 309 人、女子 377 人)、中学 2 年生 910 人(男子 413 人、女子 497 人)、高校 2 年生 994 人(男子 515 人、女子479 人)の計 3,276 人(男子 1,583 人、女子 1,693 人)が調査対象となった。 表1 対象の内訳 学校種 対象校 対象者数 小学校 31 校 3 年生 696 人(男子 346 人,女子 350 人) 5 年生 686 人(男子 309 人,女子 377 人) 中学校 30 校 2 年生 910 人(男子 413 人,女子 497 人) 高等学校 20 校 2 年生 994 人(男子 515 人,女子 479 人) 合計 81 校 3,276 人(男子 1,583 人,女子 1,693 人)

「児童生徒の心の健康に関する調査報告」

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Ⅲ.調査方法 調査票は、うつ症状評価尺度(QIDS-J)、躁症状評価尺度(MEDSCI)、自閉症スペク トラム指数(AQ-J)、特性的自己効力感尺度(GSE)、およびライフスタイルからなる 「心の健康に関する調査用紙」を用い、無記名によるアンケート調査を行った。 本調査は上記のように全道 81 校から調査の同意を得た。同意を得られた学校へ調査票 と説明文書を送付し、児童・生徒への配布を依頼した。調査票の記入は各家庭で行った。 本調査を実施するにあたり、児童・生徒のプライバシーや人権に十分に配慮し、児童・生 徒および保護者に対して以下のように説明した。①調査票は無記名であり、個人のプライ バシーは厳守されること、②調査への協力は本人・保護者の自由意志で決めてもらうこ と、③協力したくない場合は、記入していない調査用紙を封筒に入れて提出すること、④ 調査に協力しない場合でも本人の不利益にはならないこと、⑤調査によって得られた研究 の成果は、学会発表、学術雑誌などで公表されることがあるが、それ以外の目的には使用 しないこと、である。調査への同意が得られた場合のみ、調査票の記入・提出を依頼し、 調査票の提出をもって調査への同意は得られたものと判断した。なお、本研究は北海道大 学大学院保健科学研究院の倫理審査委員会の承認を得ている(16-13)。 Ⅳ.調査票:「心の健康に関する調査」について 以下に述べる自己記入式評価尺度およびライフスタイルに関する質問紙からなる調査票 を用いた。その内容を解説する。 1.抑うつ症状評価尺度(QIDS-J)

Rush ら19)によって開発された簡易抑うつ症状尺度(Quick Inventory of Depressive

Symptomatology: QIDS)を藤沢ら7)が翻訳した。QIDS-J は、16 項目の自己記入式の評価

尺度で、米国精神医学会の診断基準であるDSM-IV1)の大うつ病性障害の診断基準に対応 している。合計点数0-27 点でうつ病の重症度を評価することができる。重症度の判別 は、正常:0-5 点、軽度:6-10 点、中等度:11-15 点、重度:16-20 点、極めて重度:21-27 点で行われる。成人のうつ病性障害の改善度を把握するために作成されたものである が、児童・青年期を対象としたうつ病性障害の診断基準に沿った自己記入式評価尺度が存 在しないため、今回の調査ではこの評価尺度を用いた。 2.躁症状評価尺度(MEDSCI) 躁症状を評価する自己記入式の評価尺度は、DSM-IV-TR2)の診断基準やヤング躁病評価

尺度22)の質問項目を参考にし、稲田らによって作成された(Manic Episode Diagnostic

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Screening Inventory: MEDSCI)9)24 点満点の加点式で 12 点がカットオフスコアであ

り、現在(最近1~2週間)と過去の状態について同様の質問が行われる。 3.自閉症スペクトラム指数(AQ-J) 英国の Baron-Cohen らが開発した自閉症スペクトラム指数(Autism-Spectrum Quotient: AQ)3)は、一般人にも存在する自閉傾向を把握することを意図して作成された 性格傾向尺度であるとともに、高機能自閉スペクトラム症のスクリーニング尺度としての 機能も意図したものである。今回はAQ の日本語版である AQ-J を用いた。AQ-J は社会的 スキル、注意の切換、細部への注意、コミュニケーション、想像の5 つの領域からなって おり、各領域10 問ずつ計 50 項目から構成されている。回答形式は 4 肢選択であり、採点 法は各項目で自閉傾向とされる側に該当する回答をすると1 点が与えられる。カットオフ スコアは栗田ら11)の定義にしたがい30 点とした。 4.特性的自己効力感尺度(GSE) 自己効力感(Self-Efficacy)とは個人がある状況において必要な行動を効果的に遂行で きる可能性の認知を指す。自己効力感をある種の人格特性的な認知傾向とみなすとき、そ れを特性的自己効力感と名づけることができる。Sherer ら20)はこの個人差を測定するため

に特性的自己効力感尺度(Generalized Self-Efficacy Scale: GSE)を開発した。今回は中学

2 年生および高校 2 年生には成田ら15)GSE 日本語版を、小学 3 年生および小学 5 年生 には新本16)GSE 小学生版を用いた。成田らの GSE 日本語版は 23 項目からなってお り、評定には双極の5件法を用いている。GSE 小学生版は小学生にもわかりやすく、漢字 をひらがなにしたり、わかりやすい言葉に置き換えたものである。 5.ライフスタイルに関するアンケート 児童・生徒の日常生活およびライフスタイルを知るために、睡眠時間、外遊びの回数、 テレビ鑑賞の時間、ゲームの時間、朝食摂取の有無を問う質問紙を作成した。 Ⅴ.結果 1.抑うつ症状 1)うつ症状評価尺度(QIDS-J)による抑うつ傾向 QIDS-J の結果を表2に示した。QIDS-J の対象者全体の平均スコアおよび標準偏差は 4.7±4.0 で、小学 3 年生は 3.4±3.3、小学 5 年生は 4.1±3.8、中学 2 年生は 4.8±4.0、高 校2 年生は 6.0±4.1 であった。 19

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表2 QIDS-J の平均得点と抑うつ症状程度別の割合 学年 人数 平均±SD 正常 軽度 中等度 重度 極めて重度 抑うつ群 全体 3276 4.7±4.0 2101 865 237 54 8 299 64.3% 26.5% 7.3% 1.7% 0.2% 9.2% 小3 696 3.4±3.3 526 144 21 5 0 26 75.6% 20.7% 3.0% 0.7% 0.0% 3.7% 小5 686 4.1±3.8 508 127 40 6 3 49 74.3% 18.6% 5.8% 0.9% 0.4% 7.2% 中2 910 4.8±4.0 565 246 61 18 3 82 63.3% 27.5% 6.8% 2.0% 0.3% 9.2% 高2 994 6.0±4.1 502 348 115 25 2 142 50.6% 35.1% 11.6% 2.5% 0.2% 14.3% ※ 今回の研究では中等度以上(11 点≦)を抑うつ群とした ※ SD:標準偏差 また、学年別、男女別の平均得点を図1 に示した。QIDS-J のスコアを学年ごとに比較 するためにGames-Howell 法を用いて多重比較を行ったところ、小学 3 年生<小学 5 年生 <中学2 年生<高校 2 年生と学年があがるごとに QIDS-J のスコアが有意に高くなること が確認された(p<0.01)。また、QIDS-J のスコアを男女別に比較したところ(対応のな いt 検定)、小学 3 年生と小学 5 年生においては男女の差はなく、中学 2 年生と高校 2 年 生において女子が男子より優位に高かった(p<0.01)。 20

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全体 小3 小5 中2 高2 男 4.5±3.7 3.7±3.4 4.0±3.6 4.2±3.4 5.5±3.9 女 4.9±4.2 3.2±3.3 4.1±3.9 5.3±4.4 6.4±4.3 全体 4.7±4.0 3.4±3.3 4.1±3.8 4.8±4.0 6.0±4.1 中等度うつ以上(11 点≦)を抑うつ傾向あり(抑うつ群)とすると、全体では 9.2%、 小学3 年生は 3.7%に、小学 5 年生は 7.2%に、中学 2 年生は 9.2%に、高校 2 年生は 14.3%に抑うつ傾向を認めた(図2)。学年があがるごとに抑うつ群の割合が増加してい た。中学2 年生と高校 2 年生では女子の割合が高かった。 0 1 2 3 4 5 6 7 小3 小5 中2 高2 男 女 全体 図 1 QIDS-J の学年別、男女別平均得点の比較 多重比較(Games-Howell 法):小3<小5<中2<高2 (p<0.01) 対応のないt 検定:男子<女子(中2,高2)(p<0.01) 21

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2)抑うつ症状の項目別得点 QIDS-J の各項目の平均得点(全体)を図 3 に示した。高得点の順に列挙すると、項目 11「自分についての見方」、項目7「食欲増進」、項目1「寝つきの悪さ」、項目9「体 重増加(2 週間)」、項目5「悲しい気持ち」となった。項目 11 がとくに高かったが、そ の内容は自己評価の低さ、自責感、無価値感を問う質問項目である。 0.0% 2.0% 4.0% 6.0% 8.0% 10.0% 12.0% 14.0% 16.0% 18.0% 20.0% 小3 小5 中2 高2 男 女 全体 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 落ち着かない 動きの遅さ エネルギーのレベル 一般的な興味 死や自殺について 自分についての見方 集中力・決断力 体重増加(2週間) 体重減少(2週間) 食欲増進 食欲低下 悲しい気持ち 眠りすぎる 早く目が覚める 夜間の睡眠 寝つき 図2 抑うつ群(学年別、男女別)の割合 図3 QIDS-J 各項目の平均得点(全体) 22

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3)死や自殺についての考え 項目12「死や自殺についての考え」の内容は、0 点は「死や自殺について考えることは ない」、1 点は「人生が空っぽに感じ、生きている価値があるかどうか疑問に思う」、2 点は「自殺や死について、1 週間に数回、数分間にわたって考えることがある」、3 点は 「自殺や死について1 日に何回か細部にわたって考える、または、具体的な自殺の計画を 立てたり、実際に死のうとしたりしたことがあった」となっている。2点および3点の者 を「自殺念慮あり」とすると、その結果は以下の通りである(図4)。全体では6.9%、 小学3 年生で 2.5%、小学 5 年生で 5.5%、中学 2 年生で 7.7%、高校 2 年生で 10.5%であ り、学年が上がるごとに自殺念慮の割合は増加していた。 2.躁症状 躁症状評価尺度(MEDSCI)の学年別、男女別の平均得点を図 5(現在)、図 6(過 去)に示した。現在の躁症状の平均得点および標準偏差は、対象者全体では4.0±4.0(男 子4.1±4.3、女子 3.9±3.8)、小学 3 年生は 3.2±3.6(男子 3.1±3.5、女子 3.3±3.8)、 小学5 年生は 3.7±3.7(男子 3.4±3.5、女子 4.0±3.8)、中学 2 年生は 4.2±4.0(男子 4.2 ±4.1、女子 4.2±3.9)、高校 2 年生は 4.5±4.5(男子 5.0±5.0、女子 4.0±3.8)であった (図5)。MEDSCI のスコアを学年ごとに比較するために Games-Howell 法を用いて多重 比較を行ったところ、小学3 年生は小学 5 年生と有意な差はなく、中学 2 年生および高校 2 年の得点は小学生よりも有意に高くなることが確認された(p<0.01)。また、MEDSCI のスコアを男女別に比較したところ(対応のないt 検定)、高校 2 年生において男子が女 子より優位に高かった(p<0.01)。 0.0% 2.0% 4.0% 6.0% 8.0% 10.0% 12.0% 全体 小3 小5 中2 高2 ■3点 ■2点 図4 QIDS-J:自殺念慮の割合 23

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過去の躁症状の平均得点および標準偏差は、対象者全体では4.4±4.6(男子4.5±4.7、 女子4.3±4.5)、小学3年生は2.7±3.6(男子2.7±3.4、女子2.7±3.7)、小学5年生は3.8± 3.8(男子3.7±3.7、女子4.0±3.8)、中学2年生は4.5±4.6(男子4.3±4.7、女子4.6±4.6)、 高校2年生は5.9±5.2(男子6.2±5.4、女子5.5±4.9)であった(図6)。学年ごとに比較 するためにGames-Howell法を用いて多重比較を行ったところ、中学2年生は小学3年生よ り有意に高く、高校2年生は小学5年生および中学2年生よりも有意に高いことが確認され た(p<0.01)。また、MEDSCIのスコアを男女別に比較したところ(対応のないt検 定)、過去のMEDSCI値においては男女差はなかった。 0 1 2 3 4 5 6 全体 小3 小5 中2 高2 男 女 全体 全体 小3 小5 中2 高2 男 4.1±4.3 3.1±3.5 3.4±3.5 4.2±4.1 5.0±5.0 女 3.9±3.8 3.3±3.8 4.0±3.8 4.2± 3.9 4.0±3.8 全体 4.0±4.0 3.2±3.6 3.7±3.7 4.2±4.0 4.5±4.5 多重比較(Games-Howell 法):小3<中2,高2:小5<中2,高2(p<0.01) 対応のないt 検定:男子>女子(高2)(p<0.01) 図5 MEDSCI の学年別,男女別平均得点(現在) 24

(27)

-9

MEDSCI において、躁傾向があると判断されるカットオフスコアは 12 点である。最近 1~2週間において躁傾向があった者は、全体で 5.9%(男子 6.6%、女子 5.3%)、小学 3 年生で3.6%(男子 3.2%、女子 4.0%)、小学 5 年生で 4.1%(男子 2.6%、女子 5.3%)、中学 2 年生で 5.8%(男子 6.3%、女子 5.4%)、高校 2 年生で 9.0%(男子 11.5%、女子 6.3%)であった(図7)。 また、過去において躁傾向があった者は、全体で 5.9%(男子 6.6%、女子 5.3%)、小 学3 年生で 3.6%(男子 3.2%、女子 4.0%)、小学 5 年生で 4.1%(男子 2.6%、女子 5.3%)、中学 2 年生で 5.8%(男子 6.3%、女子 5.4%)、高校 2 年生で 9.0%(男子 11.5%、女子 6.3%)であった(図8)。 0 1 2 3 4 5 6 7 全体 小3 小5 中2 高2 男 女 全体 全体 小3 小5 中2 高2 男 4.5±4.7 2.7±3.4 3.7±3.7 4.3±4.7 6.2±5.4 女 4.3±4.5 2.7±3.7 4.0±3.8 4.6±4.6 5.5±4.9 全体 4.4±4.6 2.7±3.6 3.8±3.8 4.5±4.6 5.9±5.2 多重比較(Games-Howell 法):小3<中2<高2:小5<高2(p<0.01) 対応のないt 検定:男女差なし 図6 MEDSCI の学年別,男女別平均得点(過去) 25

(28)

-10

全体 小3 小5 中2 高2 男 6.6% 3.2% 2.6% 6.3% 11.5% 女 5.3% 4.0% 5.3% 5.4% 6.3% 全体 5.9% 3.6% 4.1% 5.8% 9.0% 全体 小3 小5 中2 高2 男 9.7% 1.7% 5.2% 8.7% 18.6% 女 7.8% 2.3% 4.8% 8.7% 13.4% 全体 8.7% 2.0% 5.0% 8.7% 16.1% 0.0% 2.0% 4.0% 6.0% 8.0% 10.0% 12.0% 14.0% 全体 小3 小5 中2 高2 男 女 全体 0.0% 2.0% 4.0% 6.0% 8.0% 10.0% 12.0% 14.0% 16.0% 18.0% 20.0% 全体 小3 小5 中2 高2 男 女 全体 図7 MEDSCI の学年別,男女別躁状態割合(現在) 図8 MEDSCI の学年別,男女別躁状態割合(過去) 26

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-11

3.自閉傾向 AQ-J の結果を表3および図9に示した。表3は学年別の平均得点および標準偏差、なら びにカットオフスコア30 点以上の割合を示した。AQ-J の学年別の平均得点は、全体では 19.7±6.2(男子 20.0±6.1、女子 19.4±6.2)、小学 3 年生 18.2±6.5(男子 18.9±6.5、女 子17.5±6.4)、小学 5 年生 18.5±6.2(男子 18.7±6.4、女子 18.5±6.0)、中学 2 年生 20.1±5.9(男子 20.3±5.7、女子 20.0±6.0)、高校 3 年生 21.1±5.8(男子 21.3±5.8、女 子20.8±5.9)であった。AQ-J スコア≧30 点となった者は、全体で 5.1%、小学 3 年生で 3.0%、小学 5 年生で 4.1%、中学 2 年生で 5.4%、高校 2 年生で 7.0%であった。 表3 AQ-J の平均得点とカットオフスコア以上者の割合 学年 平均得点±SD(男子:女子) AQ-J≧30(%) 全体 19.7±6.2(20.0±6.1:19.4±6.2) 159(5.1) 小3 18.2±6.5(18.9±6.5:17.5±6.4) 19(3.0) 小5 18.5±6.2(18.7±6.4:18.5±6.0) 27(4.1) 中2 20.1±5.9(20.3±5.7:20.0±6.0) 45(5.4) 高2 21.1±5.8(21.3±5.8:20.8±5.9) 68(7.0) 学年ごとの AQ-J スコアを比較するために多重比較(Games-Howell 法)を行った。そ の結果を図9に示す。小学3 年生と小学 5 年生の間では有意な差は認められなかったが、 小学生<中学2 年生<高校 2 年生と学年が上がるごとに AQ-J のスコアが有意に高くなる ことが確認された(p<0.01)。また、AQ-J のスコアを男女別に比較したところ(対応の ないt 検定)、小学 3 年生において男子が女子よりも有意に高い値であった(p<0.01)。 27

(30)

-12

図 10 に各学年の平均 AQ-J スコアを下位尺度のスコアで示した。また、多重比較 (Games-Howell 法)の結果、注意の切換で小3<小 5<中2<高2と、細部注意で小学 生<中2<高2と、学年が上がるごとに有意にスコアが高くなることが確認された。社会 スキルにおいても、小3<中2=高2、小5<高2という結果であり、コミュニケーショ ンにおいても小3=小5=中2<高2であり、想像では小3<小5であった(p<0.01)。 0 5 10 15 20 25 全体 小3 小5 中2 高2 男 女 全体 多重比較(Games-Howell 法):小学生<中2<高2(p<0.01) 対応のないt 検定:男子>女子(小学 3 年生)(p<0.01) 図9 AQ-J の学年別,男女別平均得点の比較 28

(31)

-13

4.自己効力感 特性的自己効力感尺度(GSE)の学年別、男女別平均得点を図 11 に示した。GSE の平均 得点と標準偏差は、全体で70.4±15.3(男子 70.3±15.1、女子 70.4±15.5)、小学3年生で 74.5±16.0(男子73.0±16.3、女子 76.0±15.7)、小学5年生で 73.4±17.1(男子 73.5± 17.0、女子 73.2±17.3)、中学2年生で 69.2±14.8(男子 70.2±14.7、女子 68.4±14.9)、 高校2年生で66.8±12.7(男子 66.9±12.6、女子 66.8±12.8)であった。学年ごとに比較す るために多重比較(Games-Howell 法)を行ったところ、小学 3 年生と小学 5 年生の間では 有意な差は認められなかったが、小学生<中学2 年生<高校 2 年生と学年が上がるごとに GSE のスコアが有意に低下することが確認された(p<0.01)。また、GSE のスコアを男女 別に比較したところ(対応のないt 検定)、男女差はなかった。 3.8 3.6 3.7 3.9 4.1 4.4 4.0 3.9 4.5 5.0 4.7 4.1 4.6 5.0 4.9 3.4 3.1 3.1 3.3 3.8 3.4 3.5 3.2 3.4 3.4 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 全体 小3 小5 中2 高2 social skill 注意転換 細部注意 コミュニケーション 想像 図 10 AQ-J の学年別平均得点と下位尺度得点 多重比較(Games-Howell 法,p<0.01) 社会スキル:小3<中2=高2,小5<高2,注意転換:小3<小5<中2<高2 細部注意:小3=小5<中2<高2,コミュニケーション:小3=小5=中2<高2, 想像:小3<小5 29

表 5    QIDS-J,MEDSCI,AQ-J,GSE の相関関係

参照

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