密度と拘束圧依存性を考慮した砂の構成モデルの検証
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(2) 力 ひず み 関 係は 、硬 化 、軟化 を示 した後 、再 び 硬 化 す る よ うな特 異 な挙 動 を示 す 。Li&Dafaliasモ. デ ル は、 この よ う. な 特異 な挙 動 が表 現 で き る こ とを示 す。 さ らに 、モ デ ル の 安 定 性 を検 討 す る た め に 、4つ の便 宜 的 な安 定 性の 規 準 を 設 け 、要 素 挙動 と して の安 定 性 につ いて 詳 細 な検 討 を行 っ て い る。 さ ら に,修 正 応 力 法 を用 いて 初 期 異 方 性の 導 入 を 行 い,そ の異 方 的 挙 動 につ い て 検 討 して い る。 Li&Dafalias(2000)モ デル は 、 単調 載 荷 時 の3軸 圧 縮 条 件で の挙 動 をモ デ ル の 対 象 と して い る。そ の後,応 力 比 一 定載 荷 経 路 で の 塑 性 変 形 を考 慮 した 二 重 硬 化 モ デ ル へ. 図‑1状. 態 変 数Ψ. とec‑(p'/pa)ζ. 関係. の拡 張 お よび 繰 り返 し載 荷 挙 動 へ の 拡 張(Li(2002)5)), 異 方 性の 影 響 の 導 入 と主 応 力 軸 の 回 転 を含 む 非 比 例 負 荷. (4). 経 路 へ の 拡 張(Li and Dafalias(2004)6))がな され て い る。そ の 後 のモ デ ル の 発 展 も視 野 に入 れ な が ら,Li&Dafaliasモ. デ. ノし く2000)の検 証 を行 うこ と とす る。 本論 文 で は,応 力,ひ. こ こに,Kpは. 塑 性孫 数 で あ る。 ダイレ イ タ ン シー 係 数 を. ず み とも に圧 縮 を正 とす る。. d*=(dεpν/dγp)と. 定 義 して,塑. 性ひ ず み 増 分 は よ. 式(4). を 参 照 して,次 式 で定 義 され る。 2.Li. and Dafalias(2000)モ. デ ノΨ の簡潔 な紹 介. Li and Dafalias(2000)モ デル(以. 下,LDモ. デル と略 記す. (5). る)に つ い て,必 要 最 小 限 の範 囲 で 簡 潔 に 紹 介す る。 最 大 の 特 徴 は状 態 変 数 Ψ を導 入 して,密 度 ・拘 束 圧 依 存 性 を. 弾 性関 係は等方弾 性 とし,体 積圧縮 弾 性係 数 をK,せ ん断. 表 現 して い る こ とで あ る。. 弾 性定数をGと. 状 態 変 数 Ψ は,限 界 状 態 にお け る 間 隙 比 と有 効 拘 束 圧 の 問 に一 意 的 な関 係を想 定 し,あ る拘 束 圧 に対 して 現 在の 間 隙 比eと 限 界 状 態 の 間 隙 比ecの 差 と して,次 式 で Ψ が 与 え られ る。. す るとdγe=dq/3G,dεeν=dp'/Kで. 与. え られ る。さらに,全 ひずみ増分 を弾 性ひずみ増分dεeと 塑 性ひずみ増分dεpの 和 と して与 える とき,塑 性負荷状 態の ときの全ひず み増分 と応 力増分 の関係 は次式で与 え られ る。. (1) こ こに,er,λ. 。,ξはe一 ρ'面 に お け る限 界 状 態 線 を 特 徴. (6). づ け る材 料 定 数 で あ る。式(1)よ り間隙 比 が増 加(減 少)す る とΨ が増 加(減. 少)し,有. 効 拘 束 圧 が 増 加(減 少)す. とΨ が 増 加(減 少)す る こ とが わ か る。 図‑1に,状 数 Ψ,限. る. 態変. 界 間 隙 比 と有 効 拘 束 圧 の 関 係を示 す。Ψ>0は. 相 対 的 に ゆ る い状 態,Ψ<0は. 密 な状 態 を示 して い る。Ψ. 式(6)の逆関 係式 は,実 際 に式(6)の逆行列 を求 めるか あるいは,弾 性関 係式 にひずみ増分 の線形和 を用いて,次 式が得 られ る。. の値 が大 き くな る ほ ど,負 の ダイレ イ タ ン シー が 発 生 しや. (7). す く,せ ん 断 抵 抗 は小 さ くな る。3軸 圧縮 状 態 は 円柱 供 試 体 に対 して,軸 応 力 σa,半径 方 向応 力 σrが 作 用 して い る。 応 力{σa ,σr}よ りも,不 変 量 表 示 に近 い 応 力 表 現{q,p'} と,そ れ に仕 事 共役 な ひず み増 分{dγ,dε ν}が用 い られ る. 式(7)に式(5)を代 入 して,dq,dp'に. つ い て整 理す る こ と. に よ り,次 式 の よ うに 求 め られ る。. こ とが 多 い。 これ らの量 は 次式 で定 義 され る。. (8) (2). せ ん断挙動 に対 して は,降伏条件 と して応 力比一 定条 件 を用いて,次 式で与 える。. こ こ に,h(L)=L(L≧0),h(L)=0(L<0)と. (3). を示 す 。 負 荷 状 態 で のみ,弾 塑 性マ トリ ック ス とな る。 弾 性定数GとKは,密. こ こに,η は硬 化 パ ラ メー タで あ る。. 度 お よび 有 効拘 束 圧依 存 性 を考. 慮 し,次 式 で 与 え て い る。. 負 荷 条 件 五 は次 式 で 与 え られ る。. ―412―. い う演 算.
(3) 表‑1Li. (9) こ こに,vは. ポ ア ッ ソン 比 で 定数 と して い る。式(9)にお い. て,e,p'は. 変 数 と考 え て い る の で,載 荷 中 にe,p'の. 化 が あれ ば,G,Kは. and. Dafaliasモ. デ ル のパ ラ メー タ. 変. 変 化 す る こ と に な る。 弾 性挙動 が そ. の とき ど きの 状態 に依 存 す る とい う意 味 で,亜 弾 性体 と し て の 定 式化 を行 っ て い る。亜 弾 性体 と して の 定 式 化 は,弾 性 領 域 内(も し存 在 す れ ば)で の 閉 じたル ー プ の載 荷 経 路 を与 え る と,エ ネ ル ギー の 生 成 や 散 逸 を生 じ,熱 力学 の 第 2法 則 に反 す る こ とに な り,理 論的 に は 問題 の あ る定 式化 で あ る。 しか し,多 く の数 値 計 算 にお い て影 響 は 小 さい 。 塑 性係 数Kは. 把 握す る。対象 とした載荷経路 は,側 圧一定排 水3軸 圧縮 試 験経路,側 圧一定非排水3軸 試験経路,ひ ずみ増分比一 定試験経路,せん断応力一定 ・ 体積ひずみ増加経路 である。. 次 式 で 与 え られ る。. 3.1側. (10) M,h1,h2,nは. 材 料 定 数 で あ る。 この式 よ り,Ψ が 負(正). で あ る と き,塑 性係 数Kが0と. な る応 力 比 は高 く(低 く). 圧 一定排水3軸圧縮試験経路. この経路では,側 圧 σ,は一定であ る。 軸ひずみdεaを 一定速度で与え,軸圧 σa,と体積ひずみ ε νの変化が結果 と して与 えられ る。この経路で は応力 の間 にdq=3dp'の 関 係が必ず成 立す ることよ り,式(8)よ り,. な る こ とが わ か る。す な わ ち,応 力 比 ・ひ ず み 関 係の ピー. (12). ク時 の応 力 比 は 高 く(低 く)な る。 LDモ. デ ル の 塑 性係 数 は,標 準 的 な 弾 塑 性モ デル の 定 式. が 得 られ る。こ こに,Eijは 式(8)のij成 分 を表 現 して い る。. 化 で 行 われ る よ うに,適 合 条 件 の結 果 と して 与 え られ るの. 式(12)を式(8)に代 入 し,dq,dε. で は な く,式(10)の 関数 形 を 先 に 定 め て い る。 適 合 条 件 式. る こ とが で き る。. は,(df=dq‑(dηp'+ηdp')=0と. な り,こ. ν,dp'を 次 式 の よ うに 求 め. れ は 式(4). の変換 の際に利 用 され てい る。. (13). ダイ レイ タンシー係数d*は 次式で与 えられ る。. (11) d0,mは. 材 料 定数 で あ る。 この式 よ り,Ψ. と き,ダ イ レイ タ ン シー 係 数d*が0と. な る応 力 比 は 低 く. (高 く)な る こ とが わ か る。 す な わ ち,変 相線 を示 す応 力. と で,初 q‑γ. 期 有 効 拘 束 圧p'0=200kPaの. 期 間 隙 比e0を,0.930,0.840,0.790と. 関 係,ε ν‑γ 関 係,η‑γ. LDモ デ ル は,応 力 比 一 定条 件 で降 伏 条 件 を与 え,応 力 ・ ダイ レイ タ ン シー 関 係式 に よ り,塑 性 体 積 ひ ず み 増 分 を求 め る砂 の標 準 的 な 弾 塑 性モ デル(例. え ばVadoulakis. and. 式 化 の順 番 は 異 な って い て. 図‑2(d)は. し た と き の,. 関 係 を示 して い る。 き わ. うな 経 路 で 到 達 して い るか に 特徴 が 現 れ て い る。す な わ ち,. と ダイ レイ タ ン シー 係 数d*に. Ψ<0,d*<0と Ψ<0,d*>0か. 様 な 挙 動 の 表 現 を可 能 と して い る。 表‑1に,本. ら,ψ<0,d*<0へ. 変 化 し,限 界 状 態 変化が変形挙動 に. 大 きな 影 響 を 与 え る こ とに な る。. デル で の パ ラメ ー タ の値 を示 す 。. 3.様 々 な経 路 に お け る挙 動. 3.2側. LDモ デ ル に対 して,様 々 な載 荷 経 路 にお け る応 力 ・ひ ず み 関 係,ダ イ レイ タ ン シー挙 動,有 効応 力経 路,状 態 つ い て 数 値 シ ミュ レー シ ョン を行 い,LDモ. ら,. な り,限界 状 態 に達 する。密 な 場 合に も,. に 達 する こ とに な る。 これ ら Ψ,d*の. 変 数 レ とダ イ レイ タ ン シー 係 数 が,応. まま限界状態. や 密 な 場 合 に は,ψ<0,d*>0か. せ る こ とに よ って,以 下 の章 にお い て 検 討 す る よ うに,多 研 究で用. 変化. 限 界 状 態 に どの よ. きわ めて ゆ るい 場 合 に は,Ψ>0,d*>0の に 到 達 し,や. 状 態 変 数 Ψ 依 存 性 を もた. これ らの 載 荷 経 路 に お け る{Ψ,d}の. の 様 子を示 して い る。 Ψ=0,d*=0の. も,本 質 的 に は 同 じモデ ル で あ る。 しか し,塑 性係 数K. い たLDモ. も. め て ゆ る い 砂,や や 密 な 砂,密 な 砂 の 挙 動 を 再 現 し て い る 。. 比 は 低 く(高 く)な る。. Su1em(1995)7)に 詳 しい)と,定. 図‑2(a),(b),(c)は,初. が負(酌 で あ る. 力 比 η の挙 動 に デル の 特 徴 を. ―413―. 圧一 定 非 排 水3軸 圧縮 試験 経路. dεν=0,dγ>0を. 載 荷 条 件 とす る体 積 一 定経 路 は,飽. 和 状 態 で,間 隙 水 の 体 積 弾 性 圧縮 係数K wが 土骨 格 の 体積 圧 縮 係 数 よ りもは るか に 大 き い場 合に は,非 排 水 経路 と同 等 の経 路 とみ な す こ とが で き,以 下,非 排 水 経 路 と呼 ぶ 。.
(4) (a)q‑γ. 関係 (a)q‑γ. 関係. (b)ε ν‑γ 関 係. (c)η‑γ. (b)q‑p'関. 係. (c)η‑γ. 関係. 関係. 図‑3非. 排水経 路の挙動. この 場 合 に は,制 御 変数 が ど ち ら もひず み 増 分 で あ る の で,式(8)を そ の ま ま利 用す る こ とが で き る。初 期 有 効 拘 束 圧 をp'0=200kPaで一. 定 と し,初 期 間 げ き比e0を,. 0.930,0.840,0.790と 変 化 させ て 数 値 シ ミュ レー シ ョン を行. (d)Ψ‑d*関. っ た 。 図‑3(a)はq‑γ. 関係,図‑3(b)は. q‑p'関 係,図‑3(c)は て ゆ る い砂e0=0.930の. η‑γ 関 係を示 して い る。 きわ め 場 合 に は,有 効 応 力 が 回 復 す る こ. と 大 き な せ ん 断 ひ ず み を 示 して い る 。 や や ゆ る い 砂. 係. e0=0.840と. 図‑2側. 有 効応 力経 路. 圧一定3軸 圧縮 経路の挙動. 密 な砂e0=0.790の. ひず み 硬 化(dq/dγ)>0の. 場 合 に は,9‑7関. み を 示 して い る。. 係 は, た だ し,. 間 隙比 と拘 束圧 の組 み 合 わ せ に よ って は,ひ ず み 硬 化 後 に, ひ ず み 軟 化(dq/dγ)<0を. ―414―. 示 し,そ の後,再. 度 ひずみ硬.
(5) (a)q‑γ. 関係. (b)q‑p'関. (d)d*‑γ. (c)η‑γ. 係. 関係. (e)e‑p'関. 関係. 係. 図‑4ひ ずみ増分比一定経路の挙動 θが正の値(強 制的 に圧縮 する経路)か ら負 の値(強 制. 化 を示 し,限 界 状 態 に 向 か う とい う複 雑 な挙 動 を示 す 結 果 が得 られ る。限 界 状態 に到 達 する前 に,さ らにひ ず み 軟 化. 的 に膨張 させ る経路)へ 変化す るに従 って,q‑γ. 挙 動 を示 す こ とも あ る。 この よ うな複 雑 な挙 動 は,初 期 間. 顕著 なひずみ軟化挙動 を示す よ うにな り,負の値が大 きい. 隙 比 の み にパ ラ メー タ が 依 存 す るモ デ ル に お い て は 再 現. 場 合には,い ったんひずみ軟化 に入 る と,せ ん断応力の減. す る こ とは で き ない 。間 隙 比 を固 定 し,初 期 有 効 拘 束 圧 を. 少 が続 くこ とがわか る。すなわち,間 隙水の流入が生 じ膨. 変 化 させ た場 合 に も,図‑3と. 同様 の結 果 を得 る こ とが で. 張す る場 合には(非 排水状態で は有効応力の回復が見 られ. き る。す な わ ち,同一 の 間 隙 比 に対 して,拘 束 圧 が小 さけ. るよ うな初期密度で あって も),有 効応力 は回復す るこ と. れ ば1密 な砂 に類 似 した 挙 動 を示 し,拘 束 圧 が大 き くな る. な く大 きなせん断ひずみ をもた らす よ うにな る。. と ゆ るい 砂 に 類 似 した 挙 動 とな る。 この 結 果 につ い て は. 図‑4(d)は,せ ん断ひずみ に対 して,ダ イ レイ タンシー係. Liand Dafalias(2000)にお い て 紹 介 され て い る。. 数d*の 変化 を求 めた もので ある。θがある限 られ た値 の 場 合 に は,d*が. 3.3ひ. ず み 増 分比一 定 経 路で の挙 動. ひず み増 分 比(θ=dε. ν/dγ)を一. 定 とす る試 験 結果 が. 定 試 験 と略 称 す る 。 こ の 試 験 経 路 で は,応. の現象 のメカニ ズムは現時点 では理解 できてい ない。図 4(e)は,θ を変化 させた ときの,e‑p!関. 力増分 一. 係 をプ ロッ トし. た ものであ る。θ一定 とい う強い制約条件の もとでは,せ ん断ひず みが大 き くなっても,限界状態 に近づ かない こと. に よ り,式(8)を 利 用 して,次 式 で 表 現 さ. れ る。. がわか る。 しか し,θ の値 がある範 囲では,限 界状態 での ec‑p'関. (14) 初 期 間 隙 比e0=0.840,初 p'0=200kPaと. θに 漸 近 す る傾 向 が 見 られ るが,. θ=‑0.190の 場 合にはそのよ うな傾 向は見 られ ない。 こ. 報 告 され て い る(Guo and Su,2007)8)。 この試 験 を 以 下 で は θ. {dq,dp'}はdγ. 関 係は. 期 有 効 拘 束 圧. 設 定 し,θ を変 化 させ た とき のq‑γ. 3.4せ. 関. 係,有 効応 力 経 路q‑p'関. 係,η‑γ. 関 係を,図‑4(a),(b),. (c)に,示 して い る。θ=0が. 体 積一 定 試験 に相 当 してい る。. 係と密接 な関 系をもつ こ とも示唆 されてい る。. ん断応力が一定で,強 制的体 積変化が ある場合. 飽 和した緩 斜面 が強 い地 震動を受 けた後 に,間隙 水の流 入 が あった とき砂 地盤が大 き く変位す る現象 に対 して要. ― 415―. 素 レベル での再現 性を検討 する。この とき,せ ん断力一定.
(6) の も とに,間 隙 水が流 入,す な わ ち強 制 的 に膨 張 す る とい う条 件:dq=0,dε. ν<0に な る。間 隙 水 が 流 出 し,有 効応. 力 が 回復 す る場 合 に は除 荷 で あ り,大 き な変 位 が発 生 す る 可 能 性 は ない 。 こ の場 合 の 式 は,次 式 で 与 え られ る。. (15) 初 期 有 効 拘 束 圧p'0=200kPa,初 15kPaと. 期 せ ん 断 応 力q0=. し,初 期 間 隙 比e0=0.750,0.800,0.820と. す る。. 体 積 ひ ず み 増 分 膨 張)に対 す る挙 動 を計 算 した 。 図‑5(a)は,有. 効 拘 束 圧p'と せ ん 断 ひず み7の 関 系を示. (a)γ‑p'関. 係. して い る。あ る有 効 拘 束圧 ま で は ほ とん どせ ん 断ひ ず み の 発 生 は 見 られ ず,あ る値 に達 した 後 に,急 激 にせ ん断 ひ ず み増 分 が 大 き くな る。 図‑5(b)は,応. 力 比 η とせ ん断 ひ ず. み7の 関 系を示 して い る。 この 図 は,通 常 の載 荷試 験 とほ ぼ 同様 の 挙 動 を示 して い る。 図‑5(b)お よび(c),(d)で は図 面 が乱 れ て い るが,こ れ は 計 算 が発 散 して い る た め で あ る。 図‑5(c)は,状. 態 変数 Ψ とダ イ レイ タ ン シー 係数 が の変. 化 を 示 して い る。 最 初 Ψ<0,d*>0(や. や密,負. の ダイ. レイ タ ンシー)の 状 態 か ら出 発 し,有 効 拘 束圧 が減 少 す る に した が っ て,Ψ<0,d*<0(や ン シ ー)の. や 密,正. 状 態 と な る 。 さ ら に,す. Ψ=0,d*=0の. の ダ イ レイ タ. べての間隙比 で. (b)η‑γ. 関係. 原 点 へ 向 け て 変 化 して い る。 最 も ゆ る い. 状 態 で あ るe0=0.820の. 場 合に は,原. 点に 到 達 し,そ の 時. 点 で計 算 が収 束 しな い。 よ り初 期密 度 の 高 い 状態 で も,さ らに 間 隙 水 の流 入 が続 け ば原 点に到 達 し,計 算 が収 束 しな い こ とが わ か る。 図‑5(d)は,こ. の過 程 にお け る間 隙 比 と. 有 効 拘 束圧 の 関 係を示 して い る。 有 効応 力p'が. あ る値 に. 達 した と ころ で 大 き な 間隙 比 の変 化 が生 じて い る。 この計 算 結 果 は,飽 和 した ゆ るい砂 地盤 で 間隙 水 の流 入 が 生 じる場 合 に は,流 人 す る量 が 大 き け れ ば,人. き な変. 位 ・変 形 が 生 じる可 能 性 を示 して い る。 間 隙 水 の流 入 が生 じるか ど うか は境 界値 問題 と して の解 析 が必 要で あ り,要. (c)Ψ‑d*関. 係. (d)e‑p'関. 係. 素 挙動 の み で 結論 は導 け な い が,流 入 が 生 じる場 合に は, 変位 が発 生 し,流 入が な くな るか あ るい は流 出 に転 じれ ば, 対象 とす る要 素 の運 動 は停 止 す る こ とに な る。飽 和砂 地 盤 が 地 震後 に,移 動,停 止,再 び 移動 する現 象 を再 現 で き る 可 能 性をLDモ 4砂. デル は有 して い る こ とが わ か る。. のモ デ ル の安 定 性 に 対 す る議 論. LDモ. デ ル は,3軸. 圧 縮 条 件 で は 単 純 な数 学 的構 造 を も. つ 弾 塑 性 モ デ ル で あ る。 こ こで は,安 定性 の 議 論 を行 い, 応 力 ひ ず み 関 係 ・有 効 応 力 経 路 に 対 して 状 態 変 数 Ψ が 大 き な影 響 を与 え る よ うに,安 定 性の 議 論 に お い て も大切 な 役 割 を果 た す こ とを示 す 。 図‑5q=一. 41安. 定性の便宜的な条件 増 分 形 式 の モデ ル に対 して,安 定 性 を検 討 す る こ とに. ―416―. 定,dε. ν<0で. の挙 動.
(7) よ り,そ のモデル の特徴 が議論で きる。LDモ デル の よ う に弾塑性 マ トリックス が非 対称 とな る場 合の安 定性 の条 件を,力 学的 に厳密 に議論す るこ とは容易 ではない(飛田, 1998)勢 。安 定性の条件 は,静 止状態にあ る力学系が小 さな 外部条件の変化を受 けて も,運動エネル ギーが増 大す るこ とな くその まま静止 状態 であ り続 け るこ とがで きる条件 を意味 してい る。要素挙動 を表現す る構 成モデル を対象 と しての議論 は材料安 定 性と呼ばれ るが,こ こでは簡便 のた めに,安 定 性と略記す る。 (1)せん断応力 ・せん断ひずみ関 係の安定 性(Sqと 記す):. (16) ・Sqが 正,0,負. (a)q‑γ. 関 係. を取 るこ とは,せ ん断応力 とせ ん断ひ. ずみの関 系がひずみ硬化,ピ ー ク,ひ ずみ軟化を示す こと に相 当す る。Sqに よるひずみ硬化 ・軟化 とい う定義は砂 の よ うな摩 擦性材料 には正 しい表 現ではない。厳密 には, 塑 性変形 に伴 う降伏 条件 の運動 と関連 して定義すべ きで ある。 (2)与えられた経路の2次 の仕事増分に よる安定性(Spqと 記す). (17) ・ダイ レイ タ ン シー が あ る場 合に は ,SqとSpqの. 値 は異. な り,ダ イ レイ タ ン シ ー の 正負 に よっ て 安 定性 が 異 な る。 (3)応力 比 に よ る安 定 性(Sη. (b)q‑p'関. 係. と記 す):. (18). ・ 地盤 材料 は本質的 に摩擦材料 と考 えるこ とがで きるので. ,. 砂骨格 自身の安定 性の議論 には適 してい る。 (4)Hillによる安定 性の条件(SHと. 記す):. (19) [Eep],上 添 え 字T,detは 弾 塑 性 マ トリ ックス,転 置 行 列 式 を意 味 してい る。 ・(1)から(3)の安 定 性の 条 件 は ,与 え られ た 経 路 にお け る応 答 の安 定 性で あ るの に対 して,Hillの 安 定 性 の条 件 は,あ. (c)S‑γ. 関 係. らゆ る{dγ,dεν}の組 み合 わせの変 化 に対す る安 定 性 と な って い る。力 学 的 に厳 密 な安 定 性 の条 件 は(4)のみ で あ り, (1)から(3)は,あ る与 え られ た経 路 に対 す る便 宜 的 な安 定 性 の条 件 とな っ て い る。 Guo and Su(2007)は,Sqを Sη<0を. 偏 差 軟化,S η=0を 破 壊 状 態, 有 効 応 力 比 に よ るひ ず み 軟 化,Spq>0を 物質安. 定 性 と呼 ん で い る。 こ こで は,す べ て の条 件 を便 宜 的 な安 定 性 の条 件 と考 え,Sq,Spq,Sη,SHの. 安 定 性 の条 件. と呼ぶ こ とにす る。 42非. 排 水 経路 二お け る安 定 性 の 検 討例. 正 確 に は体 積 一 定 経 路 で あ るが,非 排 水 経 路 と呼 ぶ こ と. (d)S‑γ 関係. にす る。 以 下,非 排 水 経 路 にお け る安 定 性 を検 討 す る。 図‑6(a)は,初. 図‑6非. 期 間 隙 比 を0.930,初 期 拘 束 圧 を200kPa. ―417―. 排水経路におけ る安定性の検討.
(8) と した とき のq‑γ. 関 係,図‑6(b)は{p',q}座. 標系での有. 効応力経路 を表現 してい る。図‑6(c)は せん断ひずみの進. 現象 を示す ことにな る。 この ことは図‑6(b)に示す有効応 力経路 に明瞭に示 され ている。. 行 に ともな う4つ の安 定性 の条件 の変化 を比較 した もの で あ り(こ の スケールで はHillの 安定 性の条件のみが示 され る。),図‑6(d)は,安. 4.3ひ. ず み 増 分比(θ)一 定 経路 の 安 定 性. 定 性の喪失 に関す る詳細情報. ひ ず み増 分 比 一定試 験 経 路 で は,(dε ν/dγ)=θ 一 定 と. を得 るた めに,そ の一部 を拡 大 した ものである。非排水経. い う条 件 が 与 え られ る こ とな る。dε ν=θdγ を式(8)に 代. 路 にお い て は,体 積 ひ ず み増 分dενが0で あ るた め,. 入 して,Sqの. Sq=Spq成. 9. 表現 を求 め る と,次 式 が 得 られ る。. 立 してい る。最 も早 く正か ら負 に推移す る. の は,(4)のHillの条 件:SHで. ある。 これは,非 排水条件. Sq=[3G{Kp‑Kη(d*‑θ)}/(3G+Kp‑Kηd*)]dγ2(22). 式(22)よ り,θ>0(体. に限 らず,{dγ,dεν}のす べての変化 につ いて仕事 の2次 増分が正であ ることを要求す るためであ る。この条件は金. Kη(d*‑θ)が. 属の よ うな材 料モデル には有効な条件ではあって も,砂の モデル の安定 性の議論 には適切 とはいえない。. こ とに な り,θ<0(体. SqとSη. 比較す ると,Sqの 方が早 く安定 性を喪失 し. てい るこ とがわか る。 しか し,Sqせ. ん断の進行 と共に. 再び正 とな り,有 効応 力経路 はp',qと もに増大す る経路. Kη(d*‑θ)が. 積 圧 縮 を要 求 す る経 路)で. 小 さ く な る こ と よ り,Sqの. 安 定 性が 増 す. 積 膨 張 を 要 求 す る経 路)で. 大 き くな り,Sqの. は,. は,. 安 定 性 は減 少 す る こ と. にな る。 この こ とは,体 積膨張 が起 こる場 合には,Sq の 安定 性が失 われや すいこ と,すなわちひずみ軟化 による大 きな変位(流 動)が 生 じや すい こ とを意味 してい る。. とな り,最終的 にある状態(限 界状態)に 達 して,p',qと もに変化 しないでせん 断ひずみ のみが増加す るこ とにな. 4.4状. る。 この場 合のSqよ. ⇒不安 定⇒安 定⇒ 限界状 態 とい うきわ めて複 雑な変化 を. LDモ デル においては,塑 性係数Kp,ダ イ レイ タンシ ー係数d*と もに,応 力比 η と状態変数 Ψ の関数で あ り,. 示す。本論文 では,表‑1に. 示すパ ラメー タの値を利 用 し. 状態変数 Ψ が安定 性に大 きな影響 を与え る。 非排水経路. てい るが,異 なるパ ラメー タの組み合わせ を用い ることに. で,初 期間隙比 を変えた場 合の状態変数 Ψ と,ダ イ レイ. よ り,安定⇒不安定⇒安定⇒不安定⇒限界状態 とな る変化. タ ン シー 係 数d*の{Ψ,d*}座. も計算で きる帆. ゆ るい 場 合(e0=0.930)に. る安定 性は,初 期状態 よ り,安 定. その紹介 は割愛 する。Sη の安定 性の変. 態変数 Ψ と安定 性の関係. 標 系 にお け る変 化 を 見 る と, は Ψ,が. と も に正 の 第1. れ と比較 す る と単調 であ り,い ったん安定. 象 限 を原 点方 向 に移 動 し,原 点(Ψ=0,d=0)に. 性 を失 った あとは,安 定 性を回復す ることな く最終状態に. る こ とが わ か る。や や密 な場 合(e0=0.840)に. 到達す る。. d*>0の. 化 は,Sqそ. SqとSη. うち,どち らが早 くそ の安定 性を失 うか につ. Ψ<0,d*<0の. 第2象. 限 よ り 出 発 し,変 第3象. 収束す は,Ψ<0, 形 とともに. 限 に移 動 し,最 終 的 に原 点 に収 束. いて検討す る。式(8)の弾塑 性関 係に基づいて,dqdγ を求. す る。密 な場 合(e0=0.790)に. も,Ψ<0,d*>0の. めると,次 式の よ うにな る。. 2象 限 か ら始 ま り,Ψ<0,d*<0で. あ る第3象. 第 限 に移 動. し,最 終 的 に原 点に到 達 す る こ とが わ か る。. (20). Sqの 安 定 性 は,Kp‑Kηd*の ダ イ レイ タ ン シ ー係 数d*と. Sqの K. 符 号 は3G+K. p‑Kηd*>0で. で,{Ψ,η}座. あ る こ と か ら,. 標 系 でSqの. 符 号 と一 致 する。Kp, もに Ψ とηの関数で あるの. 正 負 が 判 断 で き る 。{Ψ,η}と. Snq‑{Kp‑Kη(d*‑θ)}/Gの. p‑Kηd*で 決 定 され る 。 一方 ,式(5)よ り,. 関 係を 調 べ る 。Snqは,Ψ. とηの関数 として次式で表現 され る。. (21) p'>0,dγp>0で. あ る か ら,S. 定す る こ とに な る。SqとSη. ηの 符号 はKpの. 符 号 が決. どち らが早 く安 定 性 を失 う. か は,式(20)と 式(21)を 比 較す る こ と よ り,ダ イ レイ タ ン シ ー係 数d*の d*>0(負. 符 号 が決 定 す る こ とが わ か る。 す な わ ち,. の ダイ レイ タ ンシ ー)で あ れ ば,SqがSη. に. 先 行 して 安 定 性 を喪 失 し,d*<0(正 の ダイ レイ タ ン シ ー)で あれ ばS ηがSqに 先 行 して 安 定 性を 喪 失す る こ と に な る。d*>0の 場 合 に は,Kp=0が 与 え る最 大 応 力 比 に 到 達 す る前 に,せ ん断 応 力 ・せ ん 断 ひず み 関 系は軟 化. ―418―. (23). {Ψ,η,Snq}を座 標系 と して3次 図‑8が 得 られ る。Snq=0をz方. 元 グ ラ フ ィ ック を描 く と, 向 座 標 の 下 限 値 とす る こ. とに よ り,不 安 定領 域 を描 い て い る(底 面 と して 表 現 され る)。 ひ ず み 増 分 比 θ の影 響 を 見 るた め に,θ(≦0)を 化 させ て,{Ψ,η}座 標 系 にSnq=0を. たのが図‑9で ある。 θ<0(膨. 変. 等 高線 と して 描 か せ. 張経路)で は,不 安定な. 領域(図 の右上の枠線 と曲線 で囲まれ た領域)が 増大 して いるこ とがわか る。.
(9) 図‑10は,初 (θ=0に. 期 間隙比 を変化 させ た ときの非 排水試 験. 相 当 す る)に お け る{Ψ,η}の 軌 跡 を求 め た も. の で あ る。 条 件 は先 に{Ψ,d*}の. 軌 跡 を求 め た図‑7と. 同. じ3つ の条 件 で あ る。なお,図 中の 右 下 が りの 実 線 は Ψ に 対 す るKp=0を. 与 え る最 大 の応 力 比 を 式(10)に よ り求 め. た も ので あ る。 ゆ るい 砂 の 場 合 に,安 定 領 域 よ り(最 大 応 力 比 に達 する前 に)不 安 定領 域 に入 り込 み,再 び 安 定 領 域 に現 れ る こ とな く,Ψ=0の て い る。. 最 終 状 態 に至 る様 子が描 かれ. 密 な砂 で は不 安 定領 域 に入 る こ とな くKp=0. を 与 え る最 大 応 力 比 に到 達 する。最 大応 力 比 に達 した後 は 有 効 拘 束 圧 の増 大 と とも に Ψ が増 加 し,Ψ=0の. 状態 に. 至 る こ とに な る。. 5修. 図‑7非. 排 水 経 路 に お け る Ψ‑d*関. 係. 図‑8非. 排水経路 にお ける不安定領域. 正 応 力法 に 基 づ く初 期 異 方性 の 導入 初 期 異 方 性 の影 響 を導 入 す る方 法 には様 々 な手 法 が あ. る。 例 えば,異 方 的 内 部 変 数(フ ァブ リッ クテ ン ソル や あ る面 の 法 線 ベ ク トル な ど)と 応 力 との 混 合 不 変 量 な どを利 用 す る方 法(Tobita. and. Yanagisawa(1992)10),Li. and. Dafa1ias(2004)6)も あ る。 こ こで は,修 正 応 力 法(飛 田他, 2003)11)を 用 い て初 期 異 方 性の 導入 を行 う。修 正応 力 法 は 3次 元 問題 に も適 用 で き る一 般 性 を もつ が,本 論 文 で は3 軸 圧 縮 状 態 の み に適 用 す る。 5.1フ ァ ブ リック テ ン ソル,修 正 応 力,修 正 応 力法 初 期 異 方 性 を表 現 す る量 と して,フ ァ ブ リ ックテ ン ソル H ijを用 い、 応 力 主軸 とフ ァ ブ リ ックテ ン ソル の 主 軸 が 一 致 する も の とす る。構 造 が 強 い 方 向(多 くの接 点 を もつ 方 向 あ る い は粒 子 の短 軸 が 卓 越 す る方 向)の 主値 をHM,弱 い方 向 の 主値 をHmす. る。 修 正応 力 は,応 力 σijとフ ァ. ブ リ ックテ ン ソルHijの. 関数 と して,テ ン ソル 関数 の表 現. 定理 が許 す 範 囲 内 で 自由 に設 定 で き る が,こ こで は,物 性 的 な意 味 を有 す る次 式 を採 用 す る。. (24) こ こで の フ ァブ リックテ ン ソルHijは,粒. 子 間接 触 面 の分. 布 に よ り定 義 され る コ ン タ ク トテ ン ソル の 逆 テ ン ソル と. 図‑9{Ψ,η}座. 標系におけ る不安定領域 の変化. して の物 理 的意 味 を もつ10)。 主 応 力 軸 と構 造 の 主軸 が一 致 し,さ らに3軸 状態 で あ る 場 合 に は,式(24)は 次 式 で与 え られ る。. (25) 下添 え字aは 軸方 向を表 し,rは 半径 方向 を表現 してい る。 応力の表現 と同様 に,修正 応力 について も相当せ ん断応力, 有効拘束圧 を次式 によ り定め る。. (26) フ ァブ リ ックテ ン ソル につ い て も,同 様 の 定 義 を 与 え る。. (27). ―419―. 図‑10非. 排 水 経 路 にお け る{Ψ,η}の 軌 跡.
(10) 式(2),式(25),式(27)を 式(26)に 代 入 して整 理 す る と,次 式 が. それ に一括 して,[H]‑1を 作用 させ て,異 方的 な応力‑ひ. 得 られ る。. ずみ関 係を求め ることができる。パ ラメータの更新 には異 方 性の影響 は入 らないこ とになる。 この方法 の場合には,. (28) 式(24)の フ ァブ リ ックテ ン ソル は,コ ン タ ク トテ ン ソル の 逆 テ ン ソル と して定 義 され て い るの で,接 点 の 多 い 強 い 方 向 が小 さな値 を も ち,弱 い方 向 が大 き な値 を もつ こ とに な る。軸 応 力(最 大 圧縮 応 力)が 強 い 方 向,弱 い 方 向 と一 致 す る と き に は,そ {Ha,Hr}={Hm,HM}と. れ ぞ れ{Ha,Hr}={HM,Hm},. 限界応力比Mの. 値 も実応力空 間では異 なる値 とな り,物. 性 的に不合理な結果 を与えるこ とがある。 (2)の場合には,各 増分ステ ップでの異方的 な挙動 の結果 がパ ラメー タの更新 に反映 され るこ とにな り,異方的 な挙 動の影響がパラメー タ更新 に反映 され るこ とになる。しか し,パ ラメー タの更新 を実応力空間で行ってい るので,限 界応 力比Mの. 値 な ど本質 的な物 性に関わるパ ラメー タは. 設 定 して,計 算 を行 うこ とに な. 異方 性の影響 を受 けないこ とになる。 パ ラメータの更新 につ いて,(1),(2)どち らの方法 が適切. 異方 的 な応 力ひずみ挙 動 を表現す る修正 応力法 を簡潔. であ るかを現時 点では厳密 に議論で きていない。修 正応力. る。 に説明す る。. 法 自身 が,物 性的 な議論 に基づ く方法 とい うよ りも,異 方. 修正 応力空間内で,修 正応力増分 ・ひずみ増分関 系式は. 性 の影響 を簡便 にマ トリックス演算 で表 現す る とい う便. 等方体 を仮定す る構成モデルに よ り与え られ る。修正 応力 増分 を{dσ*}と 表記 し、対応す るひずみ増分 を{dε}と表. 宜的 な方法であるので,(1)と(2)の どち らが適切 か とい うこ とについて も,ど ちらが よ り多様 な異方 性挙 動を表現 でき. 現 し,マ. るか とい う観 点か ら判断 され るべ きで ある。. トリ ックス 形 式 で,次 式 で表 現 され る。. (29) 式(29)に,式(28)の 増 分 形 式(こ. さらに,こ の両者 を組み合わせ ることに よ り,よ り多様 な挙動 の表現 も可能 となる。 すな わち,補 間パ ラメー タ. こ で は フ ァブ リ ック テ ン. α(0≦ α≦1)を用いて,パ ラ メー タ更新 に用 い る応力増. ソル の 変 化 は な い と仮 定 す る)を 求 め,そ れ をマ トリッ ク. 分{dσc}を 実応力増分{dσ}と 修 正応 力増分{dσ*}の 線. ス形 式 で 表 現 し,式(29)に 代 入 し整 理 す る。. 形 和 と して,次 式 で 与 え る こ とを考 え る。. (31). (30). α=1が 修 正 応 力 空 間 に お け るパ ラ メー タ更 新 に相 当 し,. 式30)に 示 され る[Eepaniso]は異方 性の 晴報 を含 む強塑 性 マ トリックスで ある。構造的異方 性が構成モデル に与 える 影響 を簡 単 にマ トリックス演算 として表現 す るこ とが修 正応力法の特徴であ る。異方 的な降 伏条件,異 方的な応 力 ひずみ関 系の定式化の多 くは,修 正応力法 として理解す る こ とがで きる(飛田他,2003)11). α=0が. 実 応 力 空 間 に お け るパ ラ メー タ更 新 に相 当 す る。. α を相 当塑 性 ひ ず み 等 の 関数 とす れ ば,よ. 性 挙 動 を表 現す る こ とが で き る 可能 性 が あ る。 5.3異. 方 性の 挙 動:計 算 例. 非 排 水 経 路 を 対 象 と して,初 期 間 隙 比e0=0.840,初 有 効 拘 束 圧p'0=200kPa,異. 52パ. ラ メ ー タ の 更 新 に 対 す る2つ の 考 え方. の 値 をHM=0.80,弱. 応 力 増 分 とひ ず み 増 分 につ い て は,式(30)で 計 算 す る も の と して,構 成 モ デ ル の定 式 化 に用 い た 式(1),(9),(10), (11)で定 義 され る状 態 変 数,せ. り多 様 な異 方. ん断 弾 性剛 性,塑 性係 数,. ダイ レイ タ ン シー 係数(以 下,パ ラ メー タ と呼 ぶ)を よ うに更 新 するか につ い て は,次 の2つ. の選 択 の余 地 が あ. る。. 方 性 につ い て は,強 い 方 向. い 方 向 の 値 をHm=1.10と. した 計算. 結 果 を示 す 。 図‑11(a),(b),(c)は,実 応 力 空 間 で パ ラ メー タ を更 新 した とき の有 効 応 力経 路q‑p'関. どの. 期. 係,q‑γ. 関 係,η‑γ. 係 を示 して い る。 最 も特徴 的 な こ とは,η‑γ. 関. 関 係にお い. て,同 じ値 に収 束 して い るこ とで あ る。応 力 ひ ず み 関 系へ の 異 方 性 の影 響 は せ ん 断 変 形 が 大 き くな る に 従 い 消 え る. (1)こ れ らの 変数 の 更新 につ い て は,す べ て修 正応 力 を用 い て 処理 す る。. よ うに な る。 図‑12(a),(b),(c)は,修 正 応力 空 間 で パ ラ メー タ を更 新 し. (2)こ れ らの 変 数 の 更 新 に つ い て は,実 応 力 を用 い て処 理 す る。. た とき の有 効 応 力 経 路q‑p'関. 係,q‑γ. 関 係,η‑γ. 係 を示 して い る。 最 も特徴 的 な こ とは,η‑7関. (1)の場 合は,修 正 応 力 空 間 内 で の 挙 動 は 等 方 的 で あ り,. て,異 な る値 に 収 束 し,限 界応 力 比Mの. 関. 係にお い. 値 が 異 な って い. 与 え られ た ひ ず み 増 分 に 対 して は,異 方 性の 有 無 に よ らず,. る こ とで あ る。応 力 ひず み 関 系へ の異 方 性 の影 響 はす べ て. 修 正応 力 増 分 は 同 じで あ る。修正 応 力‑ひ ず み 関 系も同 一. の 変形 過 程 で ほ ぼ 同様 に現 れ て い る。. とな る。この こ とよ り,ま ず 修 正応 力‑ひ ず み 関 系を求 め,. ―420―.
(11) (a)q‑p'関. (b)q‑γ. 係(α=0). (a)q‑p'関. 関 係(α=0). (b)q‑γ. (c)η‑γ 関 係(α=0). 図‑11パ. 関 係(α=1). (c)η‑γ 関 係(α=1). ラ メー タ更 新. 図‑12パ. (実応 力 空 間). ラメ ー タ 更新. (a)q‑p'関. (b)q‑γ. (c)η‑7関 図‑13パ. (修正応 力 空 間). 図‑13(a),(b),(c)は,式(31)に お い て,α=0.999と とき の有 効 応 力 経 路q‑p'関. 係(α=1). 係,q‑γ. した. 関係,η‑7関. 係(α=0.999). 関 係(α=0.999). 係(α=0.999) ラ メー タ更 新. (式(31),α=0.999). 弱い方 向に載荷 された ときの ほ うが初期 の 立ち上 が りが 急であ り,高い応力比 を与 えるな ど実験事実 と異な る挙動. 係 を示 して い る。変 形 の初 期 にお い て は,修 正 応 力 空 間 で. が見 られてお り,今後詳細な検討が必要 であ ることを示 唆. の 挙 動 に類 似 し,変 形 の後 期 にお い て,実 応 力 空 間 で の パ. す る計算結果 となってい る。. ラ メー タの 更 新 の 挙 動 に 類 似 して い る。. て,修正 応力法 によ り異方 性を示す材 料への拡張の可能 性. 以 上 の 計 算 結 果 の み で,修 正 応 力 法 の 適 用性 や 正 当性 を 議 論 す る こ とは で き な い。 特 に,せ ん 断 初 期 の 挙 動 に は,. ―421―. は示唆できた もの と考える。. しか し,LDモ. デルに対 し.
(12) 6.ま とめ 密 度 ・有効 拘 束圧 依 存 性 を表 現 す るLi and Dafalias (2000)モ デル に対 して,様 々な経路 にお ける応 力 ・ひずみ 関 系挙動 を調べ た。特に,こ れ らの依存 性を表現す る上で 中心的な役割 を果 た している状態変数(内 部変数)の それ ぞれ の経路 での変化 につ いて考察 した。便宜的 な安定 性の 観 点か らの検討 も行 った。検討 した ものは3軸 圧縮 試験 に 限定 され ているが,側 圧一定排水3軸 圧縮試験,側圧 一定. 備 え るべ き基本 的特性 はほ とん ど含 まれ てい る と考 える こ とがで きる。砂の弾塑 性モデル と してきわめて有 望なモ デルで あると判 断でき,定式 化の物 性的 背景 お よび様々な 経路 にお ける挙動 の妥当性 につ いて,検 証作 業を進 めてい きたい と考 えてい る。 謝辞 本研究の 一 部は,科 学研究費(課 題番号:19560495)の. 非排水3軸 圧縮試 験以外に,ひ ずみ増分比 一定試験,せ ん. 補助 を受 けて行った。数値計算の実行お よびデータの処理 については,東 北学院大学 の久住雅敏,千 葉 智徳 両君の助. 断応力一 定 ・ 強制体積変化 経路な ど特 殊な経路 について も. 力 を得た。記 して感 謝の意を表す る。. 検討 した。Li and Dafaliasモデルは,こ の よ うな経路 での 特 徴的な挙動 を十分 に表現す るもので あった。本研究で用. 参 考 文 献. いた材料パ ラメータは,拘 束 圧1000kPa程. 1). 度 の挙動再現. に最 も適 した もので あ り,拘 束圧200kPaを. 標準 と した. 本研 究での計算結果 は,同 じ密度 の実験結果 と比較す る と. く,表‑1に. 示すパ ラメータの値 を調整す るこ とで比較的. 簡便 に,よ り適切 な応答 を求めるこ とができる。 本研 究では,等 方硬化モデル であるLi and Dafaliasモデ ル に修正 応力法を用いて,初 期異方 性の導入 を行った。状 態変数,せ ん断弾 性剛 性,塑 性係数,ダ イ レイタンシー孫 数の更新 を修正応 力空間 あ るい は実応 力空間 で行 うこ と に よ り,多 様な挙動を表 現す る可能 性を示 した。 本研 究で得 られた結果 を箇条書きに示す。 1.3軸 圧縮経路,体 積 一定経路の基 本的 経路の挙動 を再 現す るばか りでな く,本 論文で検討 した特殊 な載荷条 件 であ るひず み増分比一 定(θ 一定)経 路における挙 動お よびせ ん断応力一 定 ・体積膨張(間 隙水流 入時に 相 当す る)の 基 本的挙動 を表現 できる。 2.様 々 な経路 にお ける応 力 ・ ひずみ関 係,有効応力経 路,. and. Dafalias,. Y.F.:. Geotechnique,. Vol.50,. No.4,. 2). Been, K.. 3). 星 川 拓 哉,. and. Geotechnique,. ピーク強 度 が高 く,正のダイ レイタンシー が出やす い計算 結果 となってい る。 しか し,こ のこ とは大 きな問題で はな. Li, X.L.. Jefferis, M.G.: Vol.35, 中 井 照 夫,. No.2,. Dilatancy. A. pp.99‑112,. 檜 尾 正 也:. pp.153‑162,. soil,. 2000. state parameter. の 変 化 を 考 慮 し た 砂 の 構 成 モ デ ル, 596号,. for cohesionless. pp.449‑460,. for. sands,. 1985. 密 度 お よ び 拘 束 応 力 土 木 学 会 論 文 集,. 第. 1998. 4) Wan, R.G.and Guo,P.J.:A pressureand densitydependent dilatancy model for granular materials, Soils and Foundations,Vo1.39,No.4,pp.1-11,1999 5) Li, X.L.: A sand model with state-dependentdilatancy, Geotechnique,Vol.52,No.3,pp.173-186,2002 6) Li, X.L. and Dafalias,Y.F.: A constitutiveframeworkfor anisotropic sand including non-proportional loading, Geotechnique, Vol.54,No.1,pp.41-55,2004 7) Vardoulakis, I. and Sulem,J.: Bfrcation analysis in geomechanics,MackieAcademic& Professional,1995 8) Guo, P. and Su. X.: Effect of dilatancy on instability, pre-instability strainsofteningof sand alongproportionalstrain paths,Soilsand Foundations,Vol. 47,No.4,pp.757-770,2007. さらに便 宜的な安 定 性の条件にお いて,密 度 ・有効拘. 9) 飛 出善 雄: 非 対 称 性 を示 す 速 度型 構 成 モ デ ル の 安 定 性. 束圧 依 存 性を表 現す る状 態変数Ψ の変化 を詳細 に検. の条 件, 土木 学 会, 構 造 工学 論 文 集, Vol.42A, pp.297‑306,. 討 し,状態変数 Ψ が重要 な役割 を果たす ことを示 した。 3.等 方硬化モデルで あるLi and Dafalias(2000)モ デルに初. 1995. 期異方 性の影響 を取 り込むために,修 正応力法 を用い た。 その際,状 態変数 せん断弾 性剛 性,塑 性係数,. 10) Tobita,Y. and Yanagisawa,E.: Modifiedstresstensorsfor anisotiropic behavior of granular materials, Soils and Foundations, Vo1.32, No.1,pp.85-99,1992. ダイ レイタ ンシー係数 の更新 を実応力 でお こな うか,. 11) 飛 田善 雄, 山 口晶, 藤 井 伸 晃, 金 原 瑞 男: 工 学 材料 の. 修正応力 で行 うかによって,多 様 な挙動 を再現す る可. 異方 的挙 動 の簡 易 な表 現 方法: 修 正応 力 法 の 地 盤 材料 へ. 能 性が示唆 された。 ここで検討 したモデル は,3軸 圧縮試験 に限定 した もの. の適 用, 土 木学 会, 応 用 力 学 論 文 集, Vol.6,pp.407‑418,. であるが,状 態変数 を利用す るこの基 本的モデル は さらに 拡 張 され てい る。砂の よ うな粒状体 の弾塑 性モデル として. ―422―. 2003 (2008年4月14日. 受付).
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