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複数のユースケース記述に対するモデル検査を用いた要求検証プロセスの提案

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 81 回全国大会. 2B-01. 複数のユースケース記述に対する モデル検査を用いた要求検証プロセスの提案 松原 潤弥† 株式会社デンソークリエイト†. 井原 博之††. 齋藤 芳明†††. 株式会社デンソー††. 株式会社小松製作所†††. 1. はじめに. 3. 提案手法. 近年,車両制御システムに求められる機能の 高度化によって要求が複雑化している.しかし ながら,要求の複雑化により,レビューによる 欠陥検出は限界に近付いている. レビューに替わる欠陥検出手法として,要求 を表現したユースケース記述を状態遷移モデル 化し,モデル検査で検証する試みがなされてい る[1][2].しかし,車両制御システム開発の要 求検証において,モデル検査を用いた実用的な 要求検証プロセスが確立されているとは言い難 いのが現状である. そこで要求を表現した複数のユースケース記 述に対し,モデル検査を用いて各ユースケース 記述の検証・複数のユースケース記述間の検証 と,ボトムアップ的に検証を繰り返すことで欠 陥検出を試みた.本稿は,この試みによる要求 検証プロセスについて述べる.. 要求を表現した複数のユースケース記述を状 態遷移モデルに変換して一度に検証するのでは なく,まず要求を小さく分割した各ユースケー ス記述の単位で検証する.これにより要求の複 雑さを低減するとともに,モデル検査を用いた 検証のミスを防止する.次に複数のユースケー ス記述を連結することで要求全体の正しさを検 証する.このとき欠陥はユースケース間にのみ 存在するため,複数のユースケースで記述され た要求であっても欠陥の特定が容易になる効果 が期待できる. 本アプローチによる要求検証プロセスを図 1 に示す.. 2. ユースケース記述・モデル検査の特徴 2.1. ユースケース記述の特徴 一般的に要求定義で利用されるユースケース 記述を用いることで,車両制御システムに求め られる機能的な振る舞いが明らかにできる[3]. 2.2. モデル検査の特徴 モデル検査は,状態遷移モデルに表現した検 証対象が,性質と呼ばれる検証内容を満たすこ とを検証する[4]. レビューによる要求検証は,レビューアのス キルに依存するため,欠陥を見落とす可能性が ある.しかし,モデル検査は状態遷移モデルが 取りうる状態を網羅的に探索するため,検証内 容に対する欠陥の見落としを防ぐ効果が期待で きる. A Study of Requirements Verification Process to multiple UML Use Cases using Symbolic Model Checker †Junya Matsubara, ††Hiroyuki Ihara, †††Yoshiaki Saito †DENSO CREATE INC., ††DENSO CORPORATION, †††Komatsu Ltd.. 図 1.. 要求検証プロセス. 3.1. 要求検証実現に向けたユースケース記述 一般的なユースケース記述[3]は,機能的な振 る舞いとして,システムとアクタの間のやり取 りを主系列,代替系列,または例外系列(以降, 系列)に記載する.またユースケースの開始前に 満たすべき条件を事前条件,ユースケースの終 了後に満たすべき条件を事後条件に記載する. これらの情報が記載されたユースケース記述 をモデル検査で検証するには,ユースケース記 述から状態遷移モデルおよび検証内容とする情 報を決定しなければいけない.過去研究は,ユ ースケース記述におけるシステムとアクタの間 のやり取りから状態を抽出し状態遷移モデルと している.しかし,検証内容に関する情報は, ユースケース記述内に散在している.その結果, 検証内容を決める際に,ユースケース記述を分 析しなければならない.要求検証プロセスとし て,規則的な検証を実現するには,これらの情. 1-151. Copyright 2019 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 81 回全国大会. 報を定型的に記述する必要があると考えた.そ こで本アプローチ実現のために,次の 2 項目を 新たに定義する. まず,ユースケース記述に項目「期待する振 る舞い」を設ける.「期待する振る舞い」は, ユースケース記述内に散在する検証内容となる 情報であり,入力,その入力に対する出力を以 下の形式で記載する. ・ 入力が「ある入力値」ならば, 出力は「ある出力値」とする 次に,同様の形式で車載制御システム全体へ の要求項目「システムに期待する振る舞い」を 設ける.要求定義時には「システムに期待する 振る舞い」に対して,各ユースケース記述の系 列および「期待する振る舞い」が等価になるよ う各ユースケース記述を定義する(図 2).. 4. 評価実験と考察 検討した要求検証プロセスの有効性を確認す るために,車両制御システムの要求に見立てた 8 個のユースケース記述を用意し評価した. 実験の結果,各ユースケース記述の系列や, 複数のユースケース記述間に潜む欠陥が検出で きると判り,要求検証プロセスの有効性が確認 できた. 本要求検証プロセスにより,複数のユースケ ース記述に対するモデル検査を用いた要求検証 を目途付けることができたと言える.. 謝辞 本研究は JMAAB 1 要求開発ワークショップの活 動として実施した.本研究に対してご助言を戴 いた関係者に感謝の意を表する.. 参考文献 [1] 中村遼太郎, 林晋平, 佐伯元司, “ユースケ ース記述の規則への整合性検査に向けて“, ソフトウェアエンジニアリングシンポジウ 図 2. 新たに設けた項目の例 ム 2014 [2] 高久陽平, 林晋平, 佐伯元司, “ユースケー 3.2. ユースケース記述の単体検証・結合検証 ス記述からの状態遷移モデル生成”, 情報処 ユースケース記述の単体検証は,各ユースケ 理学会研究報告 ース記述の系列に潜む欠陥検出を目的とする. [3] Larman, “実践 UML-オブジェクト指向分析設 ユースケース記述から状態遷移モデルを作成し, 計と反復型開発入門” , ピアソン・エデュ 検証内容である「期待する振る舞い」を満たす ケーション ことをモデル検査で検証する(図 3). [4] Alessandro Cimatti, NUSMV: A New Symbolic Model Verifier, Lecture Notes in Computer Science volume 1633 図 3.. 単体検証の例. ユースケース記述の結合検証は,ユースケー ス記述間に潜む欠陥検出を目的とする.複数の ユースケース記述を統合した状態遷移モデルを 作成し,検証内容である「システムに期待する 振る舞い」を満たすことをモデル検査で検証す る(図 4).. 図 4. 結合検証の例 1. 1-152. Japan MBD Automotive Advisory Board の略.. Copyright 2019 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

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