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瀬戸 内海 の離 島での強潮流時の船舶運航 か ら見た港湾計画 のあ り方

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Academic year: 2022

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(1)海 岸 工 学 論 文 集,第55巻(2008) 土 木 学 会,1356‑1360. 瀬戸 内海 の離 島での強潮流時の船舶運航 か ら見た港湾計画 のあ り方 Port Planning. Considering 笹. Ship Operation. under Strong Tidal Currents at Isolated Islands in the Seto Inland Sea. 健 児1・ 日 比 野. 忠 史2・ 金. キ ョ ン へ3・ 水 井. 真 治4. Kenji SASA, Tadashi HIBINO, Kyunghoi KIM and Shinji MIZUI The Seto Inland Sea is located among the main land, the Shikoku and the Kyushu. There are many isolated islands there, so it makes very complicated tidal conditions. Many of those isolated islands still depend on the maritime transportation. In this study, the difficulty of berthing due to strong currents is researched from viewpoint of port planning. At first, the influence on ferry operations due to oceanographic conditions is interviewed to the local ferry operators. Then, tidal currents and some other parameters have observed around the ferry port which the ferry berthing is difficult. The numerical simulation of ship motions is constructed to reproduce the situations under strong tidal currents. Simulated results can almost explain the difficulty of berthing caused by tidal currents. Finally, the new evaluation method of the port planning is proposed as the safety of ferry berthing in the Seto Inland Sea.. 以上 の結果 を もとに潮流 を外力 とした着桟 時の船体運動. 1. 研 究 の 目 的. を時 系列 にて再現 で きる船体運動 の数値解析 モデルを構. 瀬 戸 内 海 は 古 来 よ り海 上 交 通 の要 所 と して 発 展 し,多 種 多 様 な船 舶 が 行 き来 して い る.一 方,瀬. 戸 内 海 に は橋. 梁 の 架 か っ て い な い 離 島 が 未 だ 多 く存 在 し,生 活 全 般 を 海 上 輸 送 に強 く依 存 せ ざ るを 得 な い.こ れ らの地 域 に と っ て,海 上 輸 送 の 定 時 性 ・安 全 性 は最 重 要 課 題 と言 え る.. 築 した.潮 流 および船 体条件 ごとによ る着桟 の困難度 を 定量 的 に評価 す る手 法を検討 し,強 潮流が卓越 す る海域 での港 湾計画 のあ り方 につ いて考察 を行 った. 2. 船 舶 運 航 に関 す る現 地 調 査. しか し,瀬 戸 内 海 は静 穏 で あ る と い う一 般 概 念 や 海 難 事. こ こで は瀬戸 内海 の芸予地 区に位 置す る離 島を対 象 に. 故 を 人 為 的 な ミス と して の み 分 析 され る現 状(海 難 審 判. 検討 を行 うこと とす る.図‑1に 対象 と したOK島 まわ り の地形 図を示す.. 庁,2008)よ. り,気 象 海 象 に 着 目 し船 舶 運 航 の 困 難 さ を. 検 討 し た例 は非 常 に 少 な い.瀬 戸 内 海 は本 州,四 国,九 州 に 囲 まれ 無 数 の 島 嶼 部 が 位 置 す る地 形 の た め,大. きな. 潮 位 差 や 多 くの狭 水 域 の た め 強 潮 流 が 卓 越 す る海 域 も多 く,離 島 の 海 上 輸 送 も強 潮 流 で船 舶 運 航 が 困難 とな る状 況 が 見 られ る(Sasaら,2005).本. 研究 で は瀬戸 内海 の. 離 島 と本 州 を結 ぶ フ ェ リー運 航 を 対 象 と し,気 象 海 象 と 船 舶 運 航 の 関 係 に つ い て 現 地 調 査 に よ り問 題 点 を ま ず 把 握 した.こ れ を も とに 潮 流 が 卓 越 す る島 の北 東 部 に て 潮 流 等 の定 点 観 測 を数 ヶ月 間 継 続 す る と同 時 に小 型 船 に よ る移 動 観 測 を大 潮 時 に実 施 し,海 象 お よ び潮 流 特 性 の 把 握 に努 め た.ま. た観 測 結 果 を検 証 す るた め,付 近 海 域 を. 計 算 領 域 と した流 れ場 の 数 値 解 析 も行 い,観 測 結 果 の 妥 当 性 に つ い て も検 証 した.つ. 図‑1. ぎ に フ ェ リー桟 橋 に着 桟 す. OK島. ま わ りの 地 形 図. る局 面 を対 象 に フ ェ リー の 船 体 運 動 を数 回 に わ た って 現. OK島. 地 観 測 し,操 船 パ タ ー ンお よ び運 動 特 性 を 取 りま とめ た.. の離 島が 存 在 す る.ま た 本 州,四 国,離 島間 で の フ ェ リー. は本 州 と 四 国 の 中 間 に位 置 し,周 辺 に 非 常 に 多 く. お よ び 高 速 艇 に よ る海 上 輸 送 網 が 構 築 さ れ て い る.四 国 1正 会 員. 博 広 島商船高等専門学校准教授 商船学科 (商船) 2正 会 員 博(工)広 島大学大学院准教授 工学研究科 社 会 環境 システム専攻 3学 生会員 修(工)広 島大 学大学院 工学 研究科 社会環境 シ ステム専攻 博士後期課程 4博 広島商船高等専門学校教授 商船学科 (商船). 側 に は来 島 海 峡 が 位 置 し,強 潮 流 の 影 響 を受 けや す い. 本 研 究 で はOK島. の 北 東 部 に 位 置 す るT港 と本 州 を結 ぶ. フ ェ リー 輸 送 を対 象 に 船 舶 運 航 に 関 す る現 地 調 査 を 実 施 した.図‑1よ りT港 は対 岸 の 島 と の 狭 水 域 に 位 置 し,図 ‑2に 示 す よ う に フ ェ リー は桟 橋 に対 して 縦 方 向 に接 岸 す る方 法 を 採 用 して い る..

(2) 1357. 瀬戸 内海 の離 島で の強潮 流 時の船 舶運 航か ら見 た港湾 計画 の あ り方. 3. 潮 流 お よ び 海 象 の 現 地 観 測 現 地 調 査 にて 気 象 海 象 が 船 舶 運 航 に 強 く影 響 して い る こ とが 明 らか と な った た め,潮 流 お よ び海 象 条 件 の 現 地 観 測 を 実 施 した. (1) 潮 流 お よ び 海 象 の連 続 観 測 ま ずT港 付 近 の 潮 流,潮. 汐,水. 質 特性 につ いての数 ヶ. 月 間 に わ た る変 動 の 把 握 を試 み た.潮 流 特 性 に つ いて は, T港 桟 橋 の下 に電 磁 式 の 流 向 流 速 計 を 設 置 し,2007年9 月19日 か ら12月19日 ま で の3ヶ 月 間 に わ た り10分 ご と に 10秒 間 の平 均 流 向 ・流 速 を 計 測 した.図‑4にT港 図‑2. T港 の 拡 大 図 お よ び フ ェ リ ー の 着 桟 方 向. 桟橋 の. 下 で 観 測 され た3ヶ 月 間 の潮 流 ベ ク トル図 お よ び 流 速 の 南 北 成 分 の 時 系 列 をFFT法 に よ って ス ペ ク トル解 析 した. 図 よ りT港 は大 き な 潮 位 差 に 対 応 し た浮 体 式 の桟 橋 で. 結 果 を 示 す.. あ り,海 底 か らチ ェー ンを 用 い て係 留 して い る.潮 流 中 の フ ェ リー運 航 に 関 し,関 係 者 へ の ヒ ア リ ング に て 問 題 点 を 整 理 した と ころ,以 下 の事 項 が 明 らか と な った. (1)上 げ 潮 時 に は船 が 北 東 方 向 に圧 流(海 事 分 野 で 圧 流 と は船 が 機 関 ・舵 を 使 用 して い る が,潮 流 に よ り流 され る 現 象 の こ と を指 す)さ れ,着 桟 時 の 姿 勢 制 御 が 非 常 に困 難 とな る.現 状 で は図‑3の よ うに 反 対 側 に大 き く舵 を切 りな が ら機 関 を 前 進 にか け て圧 流 を 防 ご う と して い る. (2)下 げ潮 時 に は 南 側 に圧 流 さ れ る た め,図‑3に. 示す よ う. 図‑4. 観 測 さ れ た 潮 流 ベ ク トル お よ び ス ペ ク トル. な 潮 流 に よ る圧 流 を 利 用 した 方 法 を取 って い る.ま ず 桟. 左 側 の 図 よ り,流. 向 はNW〜SW〜SE方. 橋 に対 して大 き く左 方 向 に舵 を 切 り,下 げ 潮 流 を船 尾 近. 向 で 卓 越 して お り,T港. くか ら受 け るよ う な位 置 関係 に して い る.. な る.流 速 は最 大 で1m/s程 度 発 生 し,右 側 の ス ペ ク トル. (3)現 状 で は潮 流 が 現 地 計 測 され た こ と もな く,経 験 と勘. 解 析 結 果 よ り,最. 沖 で 卓 越 す るNE〜SWと. 若干 異. も卓 越 して い る の は 半 日周 期 の成 分. に裏 打 ち さ れ た 熟 練 技 術 で対 応 して い る.し か し,大 潮. (11.9時 間)で. 前 後 の状 況 で は非 常 に 緊 張 した 操 船 とな る.. 因 して い る と 考 え られ る.ま. あ り,主 要4分 潮 のM2潮 お よ びS2潮 等 に起 た 倍 潮 の成 分(6.1時. (4)浮 体 式 の桟 橋 は チ ェ ー ン にて 係 留 して い るが,強. 潮流. お よ び 日周 潮 の 成 分(23.9時. の た め に チ ェ ー ンの 劣 化 が 他 の港 よ り も早 く,5年. ごと. 潮 汐 の 周 期 が 支 配 的 で あ る.一 方,主. に交 換 す る必 要 が 生 じて い る.. 向 の複 数 の 方. 間)に. 間). も ピー クが 見 られ, 要分潮 の周期 よ り. もや や 短 い4.1時 間 の 周 期 成 分 に も ピ ー クが 見 ら れ,や や 複 雑 な傾 向 とな って い る.こ れ ら の要 因 と して は,観 測 点 が 岸 側 の た め に陸 岸 の水 深 や 地 形 も影 響 した と考 え られ る. (2) 潮 流 の 移 動 観 測 定 点 観 測 と同 時 に潮 流 お よ び 水 質 の空 間 的 な 分 布 を把 握 す る意 味 で,ド. ップ ラー 式 流 速 計 を装 備 し た小 型 観 測. 船 に て移 動 しなが らT港 付 近 の表 層 潮 流(水 深3m)を2007 年7月 お よ び12月 の 大 潮 日 に観 測 し た.図‑5にT港 の100m沖. 図 よ り上 げ潮 時 に はNE,下. (1)上 げ 潮 時 図‑3. (2)下 げ 潮 時. 上 げ潮 およ び下 げ潮 時 の着桟方 法. 桟橋. にて 観 測 した 潮 流 ベ ク トル 図 を 示 す. げ 潮 時 に はSW方. 向へ の流れ. が 卓 越 して お り,地 形 を 考 慮 して理 論 的 に説 明 で き る結 果 が 得 られ た.流 速 の 最 大 値 は1〜1.5m/sの 範 囲 で あ り, 図‑4に. 示 した観 測 結 果 よ り も若 干 大 き い こ と が 分 か る..

(3) 1358. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). 4. フ ェ リ ー 着 桟 時 の 船 体 運 動 に つ い て 前 章 に て 調 査 した 潮 流 特 性 を も とに フ ェ リー着 桟 時 の 船 体 運 動 につ い て,現 地 観 測 す る と と も に これ を 再 現 で き る数 値 解 析 モ デ ル を 構 築 した. (1) 船 体 運 動 の現 地 観 測 T港 に 着 桟 す る フ ェ リー が どの よ うな 操 船 パ タ ー ンお よ び運 動 を して い る の か を 把 握 す る た め,フ. ェ リー に小. 型 のGPSに よ って 着 桟 時 の 運 動 を 観 測 した.対 象 と し た フ ェ リー の主 要 目 は垂 線 間 長38.5m,幅11.0m,満 水2.65m,排. 水 量563t,メ. 載喫. タ セ ン タ ー 高 さ3.3mで あ り,. 船 の 前 後 両 方 にプ ロ ペ ラ,舵 お よ び船 橋 が 設 置 さ れ て い る両 頭 船 で あ る.こ れ は桟 橋 に対 し図‑1の よ う に前 後 方 図‑5. T港 沖 で 観 測 さ れ た 潮 流 ベ ク トル. 向 に着 岸 し,着 岸 時 と反 対 側 の 船 橋 か らす ぐに離 桟 で き (3) 数 値 シ ミ ュ レー シ ョン に よ る 再 現 検 証. るた め に多 くの 離 島 フ ェ リー で 採 用 さ れ て い る.着 桟 時. 観 測 さ れ た デ ー タ は 極 め て 狭 い範 囲 の も の で あ り,. に 船 体 を減 速 す る に あ た り,船 首 側 の プ ロペ ラ推 力 を 同. OK島. ま わ り の 流 れ 場 につ い て も把 握 す る必 要 が あ る.. 時 に 発 生 さ せ る操 船 方 法 を 取 る点 が 通 常 の 船 舶 と異 な っ. ただ し,実 測 に よ り流 れ 場 を把 握 す る こ と は多 くの観 測. て い る.船 体 運 動 の観 測 は単 独 測 位 式 のGPSを 前 後 の船. 機 器 を 必 要 と す る た め,こ. 橋 とT港 の 桟 橋 上 の3カ 所 に 設 置 し,そ れ ぞ れ の位 置 を1. こで は数 値 解 析 に よ っ てT港. 沖 の 潮 流 を 再 現 検 証 した.数 値 計 算 に あ た り流 体 の粘 性. 秒 間 隔 で デ ー タ ロガ ー に収 録 した.図‑7に2007年12月11. を 考 慮 した ナ ビエ ス トー ク ス の方 程 式 を 時 間 ご と に差 分. 日(大 潮)にT港. に て 解 く手 法 を 使 用 した.数 値 計 算 はOK島. 船 体 速 度 お よ び船 首 方 位 の変 化 傾 向 を示 す.. 算 領 域 と して,100m格. の北部 を計. に着 桟 す る と き の 船 体 位 置 か ら求 め た. 子 を100×85に 設 定 した.境 界 水. 位 の 与 え 方 が重 要 と な る が,今 回 で は瀬 戸 内 海 全 域 の計 算 か ら取 った水 位 デ ー タ を 境 界 値 で 設 定 した.図‑6に. 計. 算 時 間 を2週 間 と した 場 合 のT港 沖 で の 潮 流 ベ ク トル の 計 算 結 果 を示 す. 計 算 結 果 よ り,潮 流 ベ ク トル の 方 向 は 図‑5に 示 す 結 果 と ほ ぼ 同 一,流 速 は 観 測 値 よ り も若 干 小 さ い.こ もT港 の 沖 で は1〜1.5m/sの 潮 流 が 卓 越 し,フ. れか ら. ェ リー運 航. を 困難 と して い る こ とが 想 像 され る.. 図‑7. 着桟 時 の船体 速度 お よ び船首 方位 の変 化傾 向. 図 よ り桟 橋 の100m手 間 は1分 程 度 で,船. 前 か ら着 桟 に至 る ま で の 所 要 時. 体 速 度 は3m/s程 度 か ら適 宜 減 速 しな. が ら着 桟 して い る様 子 が 分 か る.船 首 方 位 につ い て は停 泊 中 で110〜150° SW)に. で あ り,潮 流 の 卓 越 流 向(NEお. よび. 対 して幾 何 学 的 に ほ ぼ 真 横 で あ る こ とが 分 か る.. (2) 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ンの 概 要 お よ び 計 算 結 果 船 体 運 動 の観 測結 果 を 参 考 に 着 桟 時 の操 船 パ タ ー ンを も とに これ を再 現 す る数 値 シ ミュ レ ー シ ョ ンを構 築 した. 潮 流 に よ る流 圧 力,風. 圧 力 を外 力 と した運 動 方 程 式 は イ. ンパ ル ス応 答 を考 慮 し次 式 で表 さ れ る(Cummins,1962).. 図‑6. ‑T港 沖 で の 潮 流 ベ ク トル の 計 算 結 果.

(4) 1359. 瀬 戸 内海 の離 島で の強潮 流時 の船舶 運航 か ら見 た港湾 計画 の あ り方 が 概 ね 再 現 で き た.図‑9は め,ケ. ー スB(潮. 速10m/s)に. 風 に よ る圧 流 影 響 を 見 るた. 流 の み),G(風. 速5m/s)お. よ びH(風. お け る船 体 軌 跡 の 変 化 を 比 較 し た.な. 風 向 に つ い て は季 節 風 と して 冬 季 に卓 越 す るWと. お, した.. 風 速 が5m/sの 場 合 に は あ ま り大 き な変 化 は見 られ な いが,. (1) こ こ で,Mは. 船 体 質 量,m(∞)は. は遅 延 関数,Cは. 不 変 付 加 質 量,L(t). 復 原 力 係 数,FTD(t)は. 圧 力,FWD(t)は. 時 刻tに お け る流. 時 刻tに お け る 風 圧 力 を 示 す.ま. びjは運 動 の モ ー ドで あ り,特 (モ ー ド2)お よ びyaw(モ. にsway(モ. ー ド6)の3運. たiおよ. ー ド1),surge 動 に 注 目 した.. 不 変 付 加 質 量 お よ び遅 延 関 数 を計 算 す る た め に必 要 な 流 体 力 は三 次 元 グ リー ン関 数 法(John,1950)を 算 して い るが,波. 用 いて計. 力 は 無 視 で き る と して 考 慮 して い な い.. 流 圧 力 は次 式 に て計 算 した(日 本 海 難 防 止 協 会,1975).. 10m/sの 場 合 に は圧 流 距 離 が106mと. な り,ケ. 風 と強 潮 流 が 同 時 に 発 生 す る場 合 に は操 船 が さ ら に困 難 とな る た め注 意 を 要 す る. 5. 強 潮 流 が 卓 越 す る 離 島 の 港 湾 計 画 の あ り方 当 該 港 湾 の桟 橋 法 線 は卓 越 す る潮 流 の流 向 に対 して ほ ぼ 垂 直 に配 置 され て い る.大 型 船 のバ ー ス 計 画 等 で は潮 流 の 出現 頻 度 を も と に卓 越 す る流 向 に極 力 平 行 と な るよ 表‑1. シ ミ ュ レー シ ョ ン ケ ー ス の 外 力 条 件. (2) (3) (4) 海 水 密 度,CXW,CMWは. 船体 の流圧 力係 数. お よ び 流 圧 モ ー メ ン ト係 数,Uc,φ. こ こ で,ρwは. は潮流 の流 速 およ. び 流 向,L,dは. 船 の 垂 線 間 長 お よ び 喫 水 を 示 す.着. 桟. 時 の船 体 運 動 を 対 象 と して い る た め,船 体 速 度 は微 速 と 見 な せ るた め ゼ ロ と した.観 測 結 果 よ り着 桟 作 業 に 要 す る 時 間 は1分 程 度 で あ った た め,時 系 列 解 析 の 計 算 時 間 は1分 間,タ. イ ム ス テ ッ プ は0.1sと した.潮. 流 お よび船. 体 運 動 の 観 測 結 果 か ら表‑1に 示 す 潮 流 条 件 に従 って 再 現 計 算 を 行 った.図‑8は. ケ ー スCお よ びFに つ い て フ ェ リー. の1分 間 の 移 動 軌 跡 を比 較 した も の で あ る.図. 中の原点. は 計 算 開 始 時 の 船 体 位 置 を示 す.潮 流 が90°(ケ ー スA〜 C,上. げ 潮 時)で. は流 速 が0.5m/s,1.0m/s,1.5m/sで. ぞ れ21m,77m,140mほ 下 げ潮 時)で. それ. ど圧 流 され,‑90°(ケ ー スD〜F,. は そ れ ぞ れ21m,84m,180mほ. ど圧 流 さ れ. た.流 速 が増 加 す る に つ れ て 下 げ潮 時 の方 が 上 げ潮 時 よ り も圧 流 距 離 は若 干 大 き くな って い る.フ. 図‑8. フ ェ リー の 移 動 軌 跡(ケ ー スA〜F). ェ リー へ の 流. 圧 力 は 流 速 の2乗 に 比 例 す る た め,流 速 の 増 加 に対 して 圧 流 距 離 が 急 に大 き くな る結 果 が説 明 で き る.現 地 調 査 よ り着 桟 時 に は船 体 を 桟 橋 に プ ロペ ラ推 力 で 押 し付 けな が ら舵 を 一 杯 にす る方 法 を 取 っ て い るが,こ. こで は潮 流. の影 響 を 比 較 す る た め に舵 力 お よ び プ ロ ペ ラ推 力 の 影 響 は 考 慮 して い な い.流. 速 が1.0m/s以 上 の場 合 に は1分 間. の圧 流 距 離 が80mを 超 え て お り,熟 練 した 操 船技 術 を もっ て して も非 常 に制 御 困 難 と推 測 され る.こ れ は現 場 関 係 者 の コ メ ン トと も概 ね 一 致 し,大 潮 期 を 中 心 に 流 速1.0 〜1 .5m/sで 卓 越 す る潮 流 に よ って 着 桟 が 困 難 とな る現 象. ー スBに 比. べ て 約30m増 加 す る こ とが 分 か る.こ れ よ り,冬 季 に強. 図‑9. 船 体 軌 跡 の 変 化 の 比 較(ケ ー スB,G,H).

(5) 1360. 海. う通 常 は 配 置 計 画 さ れ る.こ. 岸. 学. 論. こで フ ェ リーが 卓 越 流 向 に. 対 して平 行 に着 桟 す る と仮 定 した場 合(波 て,流. 工. 速 が1.5m/sで 検 討 した.図‑10に. 向0°)に つ い. ケ ー スD,E,F,. Iの圧 流 距 離 を 比 較 した もの を 示 す.. 文. 集. 第55巻(2008). こ れ よ り流 向NE〜SW,流. 速1〜1.5m/s程 度 の 潮 流 の 存. 在 に よ り フ ェ リー運 航 が 困 難 と な って い る も の と考 え ら れ,現 地 で の 観 測 結 果 の妥 当 性 が 検 証 され た. (4) フ ェ リ ー着 桟 時 の船 体 運 動 をGPSに. て 観 測 し,こ の. 結 果 を も とに イ ンパ ル ス 応 答 を考 慮 した 船 体 運 動 の 数 値 解 析 モ デ ル を 構 築 した.観 測 され た潮 流 を 外 力 と して 時 系 列 解 析 に て検 討 した結 果,流 圧 流 距 離 が80〜180mと. 速 が1〜1.5m/sで1分. 間の. な り,現 地 調 査 に て 操 船 困 難 な. 状 況 が 再 現 で き た. (5) 潮 流 を船 首 方 向 か ら受 け る形 と仮 定 して 検 討 した 場 合,圧. 流 距 離 は0.6mま で に 激 減 さ れ,操. 船 上 で十分 な. 安 全 性 を確 保 で き る.瀬 戸 内 海 に多 数 位 置 す る離 島 航 路 の 港 湾 計 画 に お いて も,潮 流 条 件 を正 確 に把 握 し,着 離 桟 時 の船 体 運 動 を考 慮 した 検 討 が必 要 で あ る. (6) 船 体 を桟 橋 に押 しっ け な が ら舵 と プ ロ ペ ラを 用 い た 図‑10. 流 向 を変更 した場合 の圧 流距離 の変化. 操 船 の 限界 につ いて,こ. れ らを正 確 に 表 現 で き る ア ル ゴ. リズ ム を構 築 ・改 良 す る必 要 が あ る.ま. た潮 流 に よ る流. 圧 力 の計 算 方 法 も超 大 型 船 の 係 数 を用 い て い る こ とや 潮 流 向 を 船 首 方 向 と した 場 合,流. 速 が1.5m/sで も圧 流 距. 流 を定 常 外 力 と して設 定 し た こ と に つ い て も,今 後 デ ー. 離 は わ ず か に0.6mで あ り,通 常 の 操 船 技 術 で 十 分 制 御. タを 蓄 積 し,周 期 特 性 や 船 舶 の転 覆 現 象 につ い て も再 現. が 可 能 で あ る.T港. で き る よ うな ア ル ゴ リズ ムを 考 慮 す る必 要 が あ る.. の よ うな瀬 戸 内海 に多 数 存 在 す る フ ェ. リー の桟 橋 計 画 に お い て も,卓 越 す る潮 流 の流 向 お よ び. (7) 本 研 究 で は一 部 の 事 例 の み 検 討 して お り,今 後 は多. 流 速 を定 量 的 に把 握 し,着 桟 時 の船 体 運 動 を考 慮 した安. 数 の 港 湾 お よ び船 舶 に つ い て 強 潮 流 下 の 操 船 困 難 お よ び. 全 性 評 価 に基 づ く港 湾 計 画 の必 要 性 が 明 らか とな った.. そ の対 策 に つ いて 検 討 す る必 要 が あ る.. 6. 結 論 お よ び 今 後 の 課 題 本 研 究 で は瀬 戸 内 海 の 離 島 部 に お け る海 上 輸 送 が 強 潮. 謝 辞:本 研 究 を 実 施 す る に あ た り,多 大 な ご協 力 を 頂 い た山 陽 商 船 株 式 会 社 の方 々 に深 く感 謝 の 意 を表 す る.ま. 流 によ って運 航 困 難 とな る現 象 につ い て基 礎 的 検 討 を行 っ. た 現 地 調 査,海. た.結 論 お よ び今 後 の 課 題 は以 下 の よ う に要 約 され る.. 島 商 船 高 等 専 門 学 校 ・学 生 課 実 験 実 習 係 の竹 内康 二 氏,. 洋 観 測,デ. ー タ整 理 の 諸 作 業 に お い て 広. (1) 対 象 港 で は潮 流 の 流 向 に対 しほ ぼ 垂 直 と な る バ ー ス. 同 ・商 船 学 科 学 生 の村 上 直 侑 生 君,大. 配 置 で着 桟 を 行 い,操 船 の熟 練 技 術 で 何 と か対 応 して い. 攻 科 学 生 の 小 林 裕 史 君 の 助 力 を得 た こ と に謝 意 を表 す る.. 重 勝 和 君,同. ・専. る.し か し,潮 流 を含 め た気 象 海 象 や 船 体 運 動 に 関 す る デ ー タが 存 在 せ ず,現 場 で は これ らの デ ー タ観 測 と こ れ らに基 づ く対 策 検 討 を 強 く望 ん で い る こ とが 分 か った. (2) 潮 流 の連 続 観 測 に よ り,桟 橋 部 分 で は流 向 がNW〜 SW〜SE,流. 速 は 最 大 で1m/s程 度 で あ り,小 型 船 に よ る. 移 動 観 測 に よ り桟 橋 の 沖 で はNE〜SW,流 速 は 最 大 で1 〜1 .5m/s程 度 で あ った.両 者 の違 い は桟 橋 部 分 が 陸 に近 い た め の 地 形 影 響 の た め と考 え られ る. (3) 潮 流 等 の 観 測 結 果 を も と に 当該 港 ま わ り の潮 流 を 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ンに て 解 析 した と こ ろ,流 向 お よ び 流 速 と もに 桟 橋 沖 に て観 測 した結 果 に ほぼ 同 じで あ った.. 参. 考. 文. 献. 海難 審判 庁 (2008): 狭水道 の海難, 海難 審判 庁, 102p. 日本 海 難 防止 協 会 (1975): 超 大型 船 操船 の手 引 き, 成 山堂 書 店, 129p. Cummins, W.E. (1962): "The Impulse Response Function and Ship Motions," Schiffstechnik, Bd.9, Heft 47, pp.101-109. John, F. (1950): On the Motion of Floating Bodies II, Comm. Pure & Appl. Math., Vol.3, No.1, pp.45-101. Sasa, K., Mimi, S., Nagai, T. and Hibino, T. (2005): Basic Research on Operational Troubles for Ships and Harbours Due to Abnormal Water Levels, Proceedings of the 15th International Conference of Offshore and Polar Engineering, Vol.III, pp.720-727..

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参照

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