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民間金融機関への技術支援を行う必要性が指摘されていた 本事業は このような状況を踏まえ 内航海運をめぐる諸課題に総合的に対応するために 第 I 期事業の対象である船舶購入 修理に加えて 地方港の湾岸設備整備や中小規模造船所の建設 改良 海事産業従事者の教育訓練体制強化に係る事業への政策的資金供給 さ

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フィリピン 内航海運近代化事業(Ⅱ) 評価者:㈱エスエヌ・グローバルソリューション 中込昭弘・高木秀行 現地調査:2008 年 11 月 1.事業の概要と円借款による協力 事業地域の位置図 本事業にて更新された国内輸送用タンカー 1. 事業の概要と円借款による協力 1.1 背景 フィリピンは、7,000 以上の島々から構成される島嶼国家という地勢的特長から、そ の経済活動や社会生活を海上輸送に大きく依存しており、内航海運の役割が相対的に大 きい1。また、一般大衆にとって、必ずしも治安上安全とはいえない夜間長距離バスに 比べ、島嶼間船舶は重要な交通手段となっている。これに伴う公共性の観点から、運賃 は認可制により低く据置かれ、航路、寄港地、航海回数などについても、厳しく規制さ れてきた。そのため、海運セクターの収益性は低く船舶更新も行われなかったことから、 その老朽化が進み、安全性および運航の効率化を阻んできた。同時に、安全面・海洋環 境面での規制の効果は不十分で、年間 200 件あまりの海難事故が発生していた。 これらの海運セクターの問題を改善し、経済の効率化を高めるためには、老朽化した 船舶の更新、安全・環境基準の遵守の徹底、港湾施設・荷役・道路へのアクセスなどを 含む輸送全体の効率化、安全な船舶供給を支える造船業の振興、これらに係る人材育成 の推進が必要とされた。本事業の第Ⅰ期事業である「内航海運近代化事業(Ⅰ)」では 船舶購入・修理に向けた支援を実施し、一定の成果を得たものの、依然として内航海運 インフラ整備のための資金需要は高く、また、民間金融機関にはこれらの資金需要に対 応する中長期資金や船舶等への審査・融資先支援業務のノウハウも不足しており、第 II 期事業となる本事業では、公的金融機関が中長期資金の需要に応えつつ、融資先および

1 審査時におけるフィリピンの国内旅客、貨物輸送にしめる内航海運の割合は、それぞれ約 9%(1987 年)、 約 47%(1990 年)、日本では約 0.2%(1996 年)、約 42%(1996 年))。 ● プロジェクトサイト マニラ

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民間金融機関への技術支援を行う必要性が指摘されていた。 本事業は、このような状況を踏まえ、内航海運をめぐる諸課題に総合的に対応するた めに、第 I 期事業の対象である船舶購入・修理に加えて、地方港の湾岸設備整備や中小 規模造船所の建設・改良、海事産業従事者の教育訓練体制強化に係る事業への政策的資 金供給、さらに民間金融機関の船舶金融に係る審査・監理・事業支援などのノウハウの 移転の必要性を認識し、実施する運びとなった。 1.2 目的 フィリピンの内航海運事業に従事する民間船主、民間造船業者、民間港湾荷役業者、 港湾を有する民間業者および地方自治体、私立の教育・訓練機関に対して、政策金融を 通じ、低利かつ中長期の資金を提供することにより、内航海運に供される船舶、造船所、 湾岸(荷役・ターミナル設備を含む)、教育・訓練の近代化を促進し、もって海上交通 の安全性・利便性・快適性向上、市場原理に基づく競争の促進、内航海運の効率化、海 運を通しての地方開発の促進に寄与する。 1.3 借入人/実施機関

フィリピン開発銀行(Development Bank of the Philippines: DBP)(フィリピン政府保証)

1.4 借款契約概要 円借款承諾額/実行額 19,990 百万円 / 19,383 百万円 交換公文締結/借款契約調印 1998 年 9 月 /1998 年 9 月 借款契約条件 金利 2.2%、返済 30 年(うち据置 10 年)、 一般アンタイド 貸付完了 2007 年 1 月 本体契約(10 億円以上のみ記載) なし コンサルタント契約(1 億円以上 のみ記載) (財)海外造船協力センター(日本)、

NORWEGIAN SHIPPING DEVELOPMENT COMPANY0SHIPDECO AS (ノルウェー) 事業化調査(フィージビリティー・スタデ ィ:F/S)等 なし 2.評価結果(総合評価:A) 2.1 妥当性 (レーティング: a) 本事業の実施は審査時および事後評価時ともに、開発ニーズ、開発政策と十分合致し ており、事業実施の妥当性は高い。

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2.1.1 審査時における計画の妥当性 島嶼国であるフィリピンでは、国家政策として内航海運近代化政策を掲げてきた。同 国政府は 1989 年の「島嶼国海運に関する大統領直属部会の勧告」に基づき、規制緩和 による海運セクターのサービス競争を促すと共に、内航海運近代化事業(Ⅰ)により、 DBP を通じて当該セクターに資金供給を行った。審査時のフィリピン国中期開発計画 (1993~1998 年)においても、海運セクターへの投資促進による人々の移動や商品の 流通を促進、輸送サービスの効率性と安全性の向上といった海運セクター開発の方向性 が示されていた。また、第Ⅰ期事業実施後も船舶更新資金は引き続き資金供給不足の状 態にあり、民間金融機関にはこれらの資金需要に応えるだけの中長期資金はなく、また 船舶等への融資実績が乏しかったことから審査・融資先支援業務等のノウハウも蓄積お らず、第Ⅱ期事業による支援ニーズは高かった。このため、第Ⅰ期事業に続く第Ⅱ期事 業の実施により、公的金融機関が中長期資金の需要に応えつつ、融資先(エンドユーザ ー)への技術支援、民間金融機関への技術移転を継続して行うことが強く求められてお り、本事業は高い妥当性を有していた。 2.1.2 事後評価時における計画の妥当性 評価時現在のフィリピン国家政策では、審査時よりさらに内航海運の開発ニーズが強 調されているといえる。フィリピン政府は、2003 年に Roll-on Roll-off (RORO) Terminal System(RRTS)2の整備・運営に対する民間セクターの参加と投資促進を目的とした大 統領令 170 を発令。同令では DBP による RRTS への長期融資が「持続可能な物流開発 プログラム(Sustainable Logistics Development Program: SLDP)3」の一環として行なわれる

ことが明記され、内航海運における長期融資のニーズが強調された。また、翌年には、 現アロヨ政権の 10 大開発政策の一つとして海上高速交通に関する国家開発プログラム (Strong Republic Nautical Highway:SRNH)が掲げられた。同プログラムは、Roll-on, Roll-off(RORO)船舶を活用した海陸一貫輸送による効率的な運輸ネットワークの実現 により、フィリピンの物流ボトルネックを解消することを主目的としており、評価時現 在もその整備が進んでいる。 評価時現在における内航海運への投資需要は引き続き高く、海運物流・旅客について も増加傾向にあるところ、本事業の実施は審査時および事後評価時ともに開発政策、開 発ニーズと十分に合致しており妥当性は高い。

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Roll-on Roll-off (RORO)船舶(貨物をトラックやフォークリフトで積み卸しするために、船尾や船側に ゲートを有する船舶を指し、自走による水平荷役を可能とする)による海上輸送とトラックによる陸路輸 送を組み合わせた一貫輸送システム。 3 本事業のコンサルティングによる調査結果から派生した SLDP は、道路および RORO 船輸送を組み合わ せた一貫輸送(RRTS)、穀物バルク輸送、コールドチェーン輸送からなる、政府の SRNH 政策を支援する よう考案された国内輸送サービス開発のための融資プログラムである。

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2.2 効率性 (レーティング: b) 本事業は、事業費についてはほぼ計画通りであったものの、事業実施期間が 32%程度 計画値を上回ったため、効率性についての評価は中程度と判断される。 2.2.1 アウトプット 1)ツー・ステップ・ローンスキーム 本事業によるツー・ステップ・ローン4 スキームの計画と実績は表1に纏められる。 同スキームは実施中に、フィリピンの経済・金融市場の状況等に合せ、変更された。 表1 ツー・ステップ・ローンスキームの審査時計画と実績の比較 項目 審査時計画(1997 年) 実績(2008 年) 融資方法 ・直接金融(リテール方式):貸付、出資 ・参加民間金融機関を経由した間接金融 (ホールセール方式):貸付、参加民間金融機関 を経由したリースへの貸付 ・エンドユーザーによる債券発行(DBP が 購入)の可能性も検討 ・直接金融(リテール方式):貸付 ・参加民間金融機関を経由した間接金融 (ホールセール方式):貸付 1) サブ・ローン貸付利率 ・ 一般事業 – 16% 固定 ・ 開発的事業 – 14% 固定 1) サブ・ローン貸付利率 ・ 参加民間金融機関に対する利率‐ 7.7% ・ エンドユーザーに対する利率‐ (RRTS ルート開発目的の投資には 7.7%に 1.8% のスプレッドを乗せた利率、商業目的の投資 には 0.8%から 2.8%のスプレッド範囲) 2) 融資限度額 – 事業費の 80%以内、 500,000 ペソ以上 10 億円同等ペソ価以下 2) 計画通り 融資条件 3) 返済期間 – 3~15 年(据置最長 5 年) 3) 計画通り 1) 一般事業 ・新造船・中古船の購入・改良・修理 ・造船所・設備の建設・改良 ・港湾・港湾設備(荷役・倉庫・ターミ ナル等)の建設・改良 ・教育・訓練施設の建設・改良・購入等 1) 一般事業 計画通り 融 資 対 象 サ ブ・プロジェ クト 2) 開発的事業 ・海事教育 ・木造バンカ船の強化プラスチック船への更新 ・バンカ船更新に資する地方の小規模造 船所 ・フィーダー港開発 2) 開発的事業 バンカ船更新と小規模造船所への融資 が実施されていないことを除き計画通 り 出所) 事業完了報告書及び DBP 提供資料

4 ツー・ステップ・ローン(開発金融借款)は借入国の政策金融制度のもと、当該国の金融機関を通じて、 中小規模の製造業や農業などの特定部分の振興や貧困層の生活基盤整備といった一定の政策実施のために 必要な資金を供与するもの。最終受益者に資金が渡るまでに段階が2 つ以上あるので、ツー・ステップ・ ローンと呼ばれる。

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① ツー・ステップ・ローンスキームの変更について ・ 本事業は船舶金融制度の整備とこれに係る民間金融機関の育成を事業効果の一つ に挙げていたが、アジア経済危機の影響による経済状況の悪化等から、状況に合 せた措置として実行可能な融資方法が実施された。そのため、融資スキームのう ちエンドユーザーへの出資およびエンドユーザーによる債券発行については実施 が見送られた。また、参加民間金融機関を経由したリースへの貸付は、参加民間 金融機関にとって初期投資が大きくリスクが高いこと等により実施されなかった。 ・ サブローン貸付利率は、フィリピン国内の市場利率低下に連動して段階的に引き 下げられた。なお、SLDP 対象事業である RORO 船舶、コールドチェーン施設に 対し現在さらなる優遇金利が適応されている5 。 ・ 優先開発的事業の木造バンカ船 6の強化プラスチック船への更新については、地 方の小規模海運事業者にとって融資を受けて設備投資を行なうことが一般的では ない、伝統的なバンカ船が現在も好まれているなどの要因が実施の妨げとなった。 また、バンカ船更新に資する地方の小規模造船所の建設や設備の改良についても、 上記の理由から融資が行われなかった。 ・ 国家政策による SRNH の推進並びに地域開発を目的とした開発的事業である SLDP 政策の実施を受け、DSMPⅡの優先融資対象事業は、RORO 船舶の重視へと シフトしている。 ② コンサルティング・サービス部分の変更について 当初計画では、船舶融資、船舶技術等に係る船舶コンサルティングに加え、債券発 行の可能性を検討するための金融コンサルティング・サービスが実施される予定であ ったが、当時の経済・金融市場の状況を考慮し、その導入は見送られた。コンサルテ ィング対象とされていた債券発行スキーム自体が見送られたことに伴う変更であり、 事業への負の影響は無かったと考えられる。 2)事業分野別融資実績 事業分野別融資実績は、一次貸付分およびリボルビング・ファンドを活用した二次貸 付分の別に、それぞれ以下の通りとなっている。 表 2 事業分野別融資実績(2008 年 11 月現在) (一次貸付分) 対象分野 融資件数 融資額 (百万ペソ) 融資額の割合 一般事業

5 当初 2 年間は 7%の固定金利、以降は毎年 PDSTR (Philippine Dealing System Treasury Reference)に基づい

た改定レート、若しくは例年のクレジットレビューに準じ国債のベンチマーク+0~1%となっている。

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旅客船(ライナー)/貨客船 5 件 2,793 33% タンカー 8 件 1,388 17% 港湾・ターミナル設備 5 件 341 4% 一般貨物船/水先案内船 4 件 303 4% 一般事業合計 22 件 4,825 58% 開発的事業 地方港湾(ベース港等) * 2 件 1,989 24% コールド・バルクチェーン施設 5 件 695 8% RORO 船舶 5 件 308 4% 海事教育機関 8 件 194 2% フィーダー港(小規模地方港) 4 件 218 3% 造船所 1 件 70 1% 開発的事業合計 25 件 3,474 42% 総合計 47 件 8,299 100% 出所) DBP 注) * 地方港湾の融資件数は 2 件であるが、このうち 1 件はフィリピン港湾庁(PPA)に対する 計 12 港の整備事業に充てられた。 (二次貸付分) 対象分野 融資件数 (百万ペソ)融資額 融資額の割合 一般事業 タンカー 1 件 59 5% 一般貨物船/旅客船/フェリー 3 件 189 15% 一般事業合計 4 件 248 20% 開発的事業 地方港湾(ベース港等) * - 41 3% コールド・バルクチェーン施設 3 件 390 32% RORO 船舶 4 件 543 45% 開発的事業合計 7 件 974 80% 総合計 11 件 1,222 100% 出所) DBP 注) * 一次貸付承認分の一部 なお、一次貸付分の融資実績におけるローンスキーム別の割合は、リテール方式が 32%、ホールセール方式が 68%であった。 2.2.2 期間 本事業の実施期間は 1998 年 9 月から 2007 年 1 月(8 年 4 ヶ月、100 ヶ月)であった。 貸付実行期限は当初 2005 年 3 月を計画していたところ、実績では約 2 年間の延長、期 間の計画比は 132%となった。 貸付実行期限が延長された背景には、主にアジア通貨危機によるフィリピン経済の停 滞及びペソ価値下落といった外的要因がある。ペソの対円価値下落は、海外の中古船舶

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購入価格の高騰をもたらし、経済状況の悪化とあいまって、多くの船舶事業者が船舶の 更新に消極的となった。また、融資条件に合う中古船舶が国際市場において不足してい たことも船舶の更新が進まなかった要因となった。これに対し、DBP では 2005 年から 段階的に利率の引き下げ並びに対象事業への融資条件の緩和等を行った。 2.2.3 事業費 事業費の計画値は 199 億 9,000 万円(サブ・ローン 195 億 3,200 万円、コンサルティ ング・サービス 4 億 5,800 万円)であったのに対し、実績ではサブ・ローン 189 億 7,300 億円、コンサルティング・サービス 4 億 1,000 万円となり、総事業費の計画比は 97%と ほぼ計画通りとなった。 2.3 有効性 (レーティング: a) 本事業の実施により、概ね計画通りの効果の発現が見られ、有効性は高い。 2.3.1 運用効果指標 本事業により、主に地方港湾整備、RORO 船舶増加などによる内航海運の効率化、安 全性向上の効果が見られた。本事業の有効性については、事後評価時に設定した指標(貨 物量の増加、運行所要時間の短縮、海運従事者の増加、海難事故発生件数の減少)に基 づき評価を行なった。なお、当初の融資対象分野のひとつであった木造バンカ船の更新 は行われなかったためそれによる効果は見られないが、同じく地方海運の安全性・効率 性を目的とした RORO 船舶購入への融資により、本事業は地方海運の安全性向上に資 するものであったと評価した。 ① 貨物量・旅客数の増減 貨物量・旅客数は、フィリピン港湾庁の実施した港湾整備事業については、事業開始 が 2007 年以降と最近であり、事業が完成し事業効果が発現する段階に至っていない。 一方、本事業による港湾の一部拡張と整備が 2002 年に開始されたセブ港では、貨物量・ 旅客数は 2004 年から 2007 年までそれぞれ 9%の増加・2.4%の減少であった。旅客数の 減少は、セブ-マニラ間の航空機との競争が原因と考えられる。 ② 貨物便・旅客便の増加 本事業の投資により、船舶の購入、更新、改良が以下の通り行われた。これらの投資 は以下のとおり貨物便、旅客便の増加に繋がった。 貨物便の増加 - タンカー1 隻の新規購入、4 隻の更新、6 隻の改良、一般貨物船 3 隻 の新規購入 旅客便の増加 - 旅客船 4 隻の更新、貨客船 3 隻の更新、RORO 船舶 4 隻の更新・10 隻の新規購入

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③ 運行所要時間の短縮 運行所要時間短縮の例として、下記の事例が挙げられる。 ・ セブ港では整備された施設の荷役作業時間が 3 分の 1 に短縮、また運行所要時間 が短縮したためフェリー運航回数が 1 日 1 往復から 3~4 往復に増加した。 ・ 小規模地方港であるマビーニ港では、沖合にあるタンガロイ島間の定期便が運行 所要時間の短縮により 1 日 1 往復から 2 往復に増加した。 ・ ある船会社では、タンカーを更新以前は 1 隻あたり年間 40 航海程であったものが、 更新後は船舶の航行時間が短縮されたため、年間 80 航海程度が可能となった。こ のため、以前 3 隻で行なっていた輸送業務を 2 隻のタンカーで行なうことができ るようになった。 ④ 海運従事者の増加 海事教育機関への融資全 8 校のうち、本事業により 5 校において校舎建設・拡張が行 われており、5 校において航海シミュレーター等の訓練器材が購入された。また、校舎 建設・拡張により、海事教育機関では生徒収容数が増加した。例えば、ある海事大学で は校舎建設により、64 教室が増加、生徒収容数にして約 3,500 名が増加した。 ⑤ 海難事故発生件数の減少 海上旅客輸送の安全強化という観点から、木造バンカ船の強化プラスチック船への更 新が事業対象に挙げられていたが、結果的に実施されなかった。一方、現在国家政策と して推進されている RORO 船を活用した内航海運の近代化により、危険性が特に懸念 される長距離バンカ船航路の代替交通手段として、より安全な RORO 船が地方に普及 し始めている。SLDP 開始以降、 DSMPⅡは RORO 船を中心とした海上輸送インフラ への融資に焦点を当てその推進を行っており、こうした融資の結果 RORO 船が増加す ることにより、結果的に地方海運の安全性向上に寄与したと言える。 RORO 船を活用した海陸一貫輸送 上: 海事大学の授業風景 下: 新規導入された航海シミュレーター

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なお、表 3 は事業分野別にみたサブ・プロジェクトの概要である。 表 3 事業分野別サブ・プロジェクト概要 対象分野 サブ・プロジェクト概要 一般事業 旅客船/貨客船 旅客船(ライナー)4 隻の更新、貨客船 3 隻の更新 タンカー オイル/ケミカルタンカー1 隻の新規購入、4 隻の更新、6 隻の改良 港湾・ターミナル設備 倉庫建設・拡張 2 件、ターミナル拡張 1 件、クレーン購入 2 件 一般貨物船/水先案内船 一般貨物船 3 隻の新規購入 水先案内船 1 隻の新規購入 開発的事業 地方港湾(ベース港等) 地方港 10 港の整備・拡張、4 箇所の港湾施設建設 コールド・バルクチェーン施 設 貯蔵施設建設 計 48 施設

RORO 船舶 マニラーセブ航路大型 RORO 船舶 4 隻の更新、地方航路中・小型 RORO 船 10 隻の新規購入(二次貸付分を含む) 海事教育機関 校舎建設・拡張 5 件、訓練器材購入 5 件 フィーダー港(小規模地方港) フィーダー港建設・拡張 10 件(南ルソン・ビサヤ地方の各地域) 造船所 造船所設備 1 件 出所) DBP 2.3.2 経済分析 財務的内部収益率(FIRR) 評価にあたり、主な事業分野の FIRR について考察を行った。結果から、船舶事業に おいては、大規模船会社では FIRR は高く、計画値の達成度合いも高い傾向が見られた。 聞き取りを行った大手船会社のほとんどは、計画を超える FIRR が達成されたと回答し ており、評価者が行なった試算においても、計画値 16%に対し、実績値 17%と、計画 値を上回る実績値が算定された。 一方、地方港湾事業については、FIRR を事業実施の判断基準としていない場合が多 く算定のための基礎情報を得られなかったが、一般的に主要港の多くが高い収益性を維 持しているのに対し、小規模港の収益性は必ずしもは高いと言えない7 2.3.3 定性的効果 審査時には定性的効果として、1)内航海運の近代化および拡大、2)造船業の近代 化及び拡大、3)港湾整備による物流拡大、4)海事教育の充実が計画されていた。実 施機関、エンドユーザーへの聞き取りの結果、本事業による以下の効果が確認された。 ① 内航海運の近代化および拡大 都市部の大規模企業への融資が大きな割合を占めるものの、船舶の更新・改良は輸送 能力の増加、マーケットニーズへの対応、安全性・信頼性の向上を促進し、船舶の近代化

7JICA 全国港湾網戦略的開発マスタープラン調査(2004 年)によると、国際コンテナターミナル計画では FIRR が 7%以上と想定されるのに対し、地方港湾では低いもしくは負の値となるものもあると想定されて いる。

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に貢献したと言える。 ② 造船業の近代化および拡大 造船業については、想定されていた地方の小規模海運事業者向け融資が進まなかった ことに伴い、バンカ船更新に資する地方の小規模造船所の建設についても事業展開が進 まなかった。結果として、造船所への融資は 1 件に留まっており、造船業の近代化およ び拡大に関する事業効果は限定的であると言える。 ③ 港湾整備による物流拡大 地方港湾の拡張、開発、修繕への投資は港湾利用率の向上およびこれに伴う港湾作 業時間の短縮、貨物取扱量の増加、安全性の向上により、物流拡大に貢献したと言える。 ④ 海事教育の充実 航海シミュレーター等の訓練器材の整備が行われた海事教育機関では、海事教育の質 的向上が図られ、海事教育の充実に成果が挙げられたといえる。例えば、ビコール地方 のある海事大学では、校舎建設に加え航海シミュレーターの新規購入を行った結果、以 前はマニラへ行かなければ受けることが出来なかった訓練を校内で実施することがで きるようになった。 ⑤ コンサルティング・サービス DBP によると、コンサルティング・サービスの一部として実施された地域海運開発 調査は、効率的な運輸ネットワークを確立し地域経済を発展させるための SLDP 構想の 基となった。 2.4 インパクト 2.4.1 島嶼間交通の円滑化、海運の効率化による地域経済振興、海運関連産業の発展 島嶼間交通の円滑化、船舶金融制度の整備ともに効果が見られる。特に、SRNH 政策 に基づき実践された SLDP は、東部・中央・西部幹線ルートに係る 49 航路を繋ぎ、船 舶及び関連産業への投資を進展させ、全国の物流並びに旅客数を増加させることを目的 としており、現在開発が行われている。この 49 航路のうち、現在では半数以上が稼動 しており、今後も継続して整備が進められることとなっている。本事業はこれまで RORO 船及びコールド・バルクチェーン施設を中心とした融資を通じ、これら SRNH 整備の実現に貢献したと言える。例えば、西部幹線ルートでは 2003 年の開通以来、5 年あまりのうちに物流コストが 45%削減され、農産物の経済的物流手段となっている。 また、便数の増加は旅客の効率的な移動を可能としている。さらに、ミンダナオ島から ルソン島までの移動時間は 36 時間から 24 時間へと短縮し、さらに貨物輸送はライナー 便では週 1 便しか出来なかったものが、RORO 便では 1 日 12 便に増加している8 。

8 アロヨ大統領のスポークスマン、Bunye 氏の報告より。

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2.4.2 船舶金融制度の整備とこれに係る民間金融機関の育成 DBP の報告によると、DSMPⅡによる長期資金の提供は、船舶購入に限らない海運関 連事業への投資機会を広げたとして、エンドユーザーに歓迎されている。船会社の財務 責任者へのインタビューからは、DSMPⅡが実施されて以降、他の大手民間金融機関か らも大規模優良企業のみを対象としているものの、中長期・固定金利という貸付条件で の融資を受けられるようになったことが判明した。多くの民間金融機関では従来、短 期・変動金利という条件で貸付を行なってきたところ、本事業の実績がこうした新しい 融資スキームをもたらしたことは、重要なインパクトといえる。 また、DBP では DSMPⅡにおける厳格な不動産担保設定が中小海運事業者向け融資を 妨げたことを受け、代替船舶金融スキームの必要性を検討し、船舶リース会社設立につ なげた。国営開発公社(National Development Company: NDC)である Maritime Equity Corporation(MEC)が 2005 年に設立、2006 年に船舶リース事業を開始し、2008 年に DBP の子会社 Maritime Leasing Corporation となって現在、船舶リースを通じた SRNH 幹線ルート開発へのさらなる貢献のために、資本増強及び組織改革に取り組んでいる。

2.4.3 自然環境へのインパクト

自然環境へのインパクトとしては、本事業審査時に海難事故防止による環境汚染の低 整備が進められている SLDP の 49 航路

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減が挙げられ、環境法令等に照らした環境影響への配慮が求められていた。サブ・プロ ジェクト審査時には、表 4 に示される環境法令等に照らした個別事業のチェックを行い、 環境適合証明書の提出を義務付け、環境への負の影響がないよう配慮された。また、 DBP による定期的モニタリングでは、これら付帯条件の遵守状況が確認されている。 表 4 遵守が要求されている法令・証明書の取得 対象分野 法令・証明書の取得 船舶事業 海上人命安全条約(SOLAS)、海洋汚染防止条約(MARPOL) 港湾・物流施設 環境適合証明書(ECC) 海事教育 船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約、高等 教育委員会の認可(STCW) 造船所 環境適合証明書(ECC) 出所) DBP 2.5 持続性 (レーティング: a ) 持続性については、主に、実施機関である DBP によるリボルビング・ファンド(再 貸付特別勘定)の管理体制、技術、財務、また一部サブ・プロジェクトの運営維持管理 状況につき、調査を行った。本事業は実施機関の能力および維持管理体制ともに問題は なく、高い持続性が見込まれると評価される。 2.5.1 運営維持管理体制 2.5.1.1 リボルビング・ファンドの維持管理体制 実施機関である DBP では、事業環境の変化に対応し、内部組織の見直しを行ってい る。これに伴い、リボルビング・ファンドの運営は当初予定されていた運営組織 (Implementing Group)から、表 6 に示す通り、現組織の各担当部署にて行われている。 二次貸付についても一次貸付と同様の方法により運営を行っているが、キャッシュ・フ ローをより重視した審査を行う他、モニタリングの強化を行っている。 表 6 DBP のリボルビング・ファンド担当部署の主な役割 担当業務内容 部署 融資の案内、プロジェクト選定、エンドユーザーの適格性の確 認、投資計画の策定 等 マーケティング/プログラム開発 書類審査、船舶等の現物確認等による融資審査 プログラム開発/融資担当部署 プロジェクト評価・承認報告書(PEER)等の必要書類作成支 援によるプロジェクト実施支援 プログラム開発 ユーザーへの貸付、返済のモニタリング等のローン管理 ファンドソーシング 現地視察、融資対象の検査によるプロジェクト・モニタリング プログラム/融資担当 出所) DBP

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2.5.1.2 サブ・プロジェクトの維持管理体制 DBP 及び参加民間金融機関は、サブ・プロジェクトについてモニタリングを行って おり、その体制に特に問題は見られない。モニタリングにあたっては、海事産業庁およ び船舶協会が実施する船舶検査に加え、毎年 DBP の技術専門家による融資対象船舶の 視察を行っている。 また、サブ・ローンについては、毎年 DBP 及び参加民間金融機関の会計責任者によ るローンレビューが義務付けられ、スキーム(リテール方式/ホールセール方式)毎の レビューを行っている。 2.5.2 運営維持管理における技術 リボルビング・ファンドの運営に必要な審査・管理のコンサルティング・サービスは 計画通り実施され、DBP、参加民間金融機関、エンドユーザーそれぞれへの技術移転が 行われた。また、DBP の審査担当者は DSMPⅠで実施されたトレーニング・コースを 受けており、経験を積んだ技術者が引き続き DSMPⅡに従事した。 なお、審査、プロジェクト・モニタリングを担当している船舶融資に熟練した技術専 門家が退職・世代交代の時期にさしかかっていることから、評価時現在、若手の船舶融 資担当者 2 名を育成中である。熟練専門家からは、これに加え船舶に関するより技術的 な専門知識を持つ若者が 1 名必要であると、上部に提言している。 2.5.3 運営維持管理における財務 ① 実施機関の財務 DBP の財務状況は、下記のように損益状況、財政状態共に堅調に推移している。 表 7 損益状況・財務健全性比率(単体ベース) (単位: 百万ペソ / %) 収益 営業利益 当期純利益 自己資本比率 不良債権比率 2005 年 13,387 5,203 3,802 12.20 6.94 2006 年 14,631 4,496 2,805 13.45 2.09 2007 年 13,589 5,189 2,674 13.59 2.70 出所) DBP アニュアルレポート ② リボルビング・ファンドの返済状況 表 8 に示す通り、リボルビング・ファンドにおける融資の返済状況は総じて良好であ る。融資額の返済遅延も一件のみであり、リボルビング・ファンドの持続性に問題とな る事項は見られない。

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表 8 サブ・ローン返済における延滞の状況 (2008 年 11 月 30 日現在 単位: 百万ペソ) 延滞期間 延滞件数 融資額 元本償還実績額 未回収額 3~6 ヶ月 - - - - 6 ヶ月~1 年 - - - - 1 年~2 年 - - - - 2 年以上 1 8.7 8.6 4.6 合計 1 8.7 8.6 4.6 出所) DBP 注) 上記延滞は海事大学1校への融資額であり、台風被害によりほとんどの家庭にとって授 業料の支払が困難となったため発生した。2009 年 1 月現在、状況は改善している。 ③ 融資先海運事業者の収益性 本事業の融資により購入された船舶は、融資規定に基づき船齢、安全性基準などを満 たした近代的船舶である。また、その多くが老朽船の更新を目的に購入されたものであ り、大口融資先に対して行なったインタビューによると、船舶の更新による効率性向上 により、予定された収益性を確保している。さらに、RORO 船の活用は、港湾での荷捌 を省略し物流を効率化できることに加え、波止場使用料の免除も事業者のコスト削減に つながっている。 2.5.4 リボルビング・ファンドの状況 表 7 に示すとおり、2008 年 11 月までにリボルビング・ファンドからのサブ・ローン 貸付(二次貸付)は 1,222 百万ペソが既に実行されており、再貸付が順調に行なわれて いる。また、維持管理状況は、一次貸付の元本回収に延滞の問題がなく、評価時現在で は一次貸付金額の 59%と回収が順調に行なわれていることから、適切な管理状況である と言える。 表 5 リボルビング・ファンド(再貸付特別勘定)の年次推移 (12 月末時点の累計額 単位: 百万ペソ) 項目 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 * 円借款ディスバース額 127 970 1,176 1,790 3,040 4,223 4,872 6,545 8,474 8,474 一次貸付元本回収 29 66 90 174 320 760 1,244 2,289 4,352 5,001 再貸付特別勘定からサブ・ロー ン元本回収(二次貸付分) - - - - - 2 13 受取計 156 1,036 1,266 1,964 3,360 4,983 6,116 8,834 12,828 13,488 一次貸付及び TA 費用・サービ ス料支払い 111 387 1,009 1,277 2,490 3,919 4,767 6,069 8,474 8,474 再貸付特別勘定からのサブ・ ローン貸付(二次貸付分) - - - - - 153 1,222 円借款の元本返済 - - - - - - 205 支払計 111 387 1,009 1,277 2,490 3,919 4,767 6,069 8,627 9,901 残高 45 649 257 687 870 1,064 1,349 2,765 4,201 3,587 出所) DBP 注) * 2008 年は調査実施時の 11 月末時点の数値。

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2.5.5 サブ・プロジェクト運営・維持管理状況 DBP のモニタリングによれば、主な事業分野別に見た大口融資先のサブ・プロジェ クトの運営・維持管理状況は以下の通り良好である。 ① 旅客船/貨客船 旅客船については、融資金額の大部分がフェリー向けとされたが、低運賃航空機ある いは RRTS を結ぶ小型 RORO 船舶との価格競争が原因でこれらフェリーの多くが売却 されている。貨客船については、対象地域の島嶼間交通・物流手段として利用されてお り運営状況、維持管理状況はともに良好である。 ② タンカー 効率的且つ安全に石油製品の国内輸送を継続しており、運営状況・維持管理状況とも に良好である。 ③ 地方港湾 対象地域の島嶼間交通・物流手段として利用されていることから運営状況、維持管理 状況ともに良好といえる。 ④ 海事教育機関 サブ・プロジェクト全 8 件のうち、1 件は債務返済が困難なため清算済み、1 件は再 建計画実施中である。ただし、この清算済みの 1 件を除き、運営状況は良好である。再 建計画実施中の 1 件についても改善されており、継続案件の維持管理状況についても全 般的に良好といえる。 ⑤ コールド・バルクチェーン施設 冷蔵・集荷施設への需要増に伴い、全般的に収益性を確保しながら運営されている。 維持管理状況も良好である。 ⑥ 造船所 造船所への融資は 1 件であり、融資額がエンドユーザーより全額返済済みであるため、 DBP のモニタリング対象外となっており、本調査では現状についての確認は出来てい ない。ただし、DBP の有する情報によると融資対象施設は継続して利用されている。 3.結論及び教訓・提言 3.1 結論 以上より、本事業の評価は非常に高いといえる。 3.2 教訓 本事業では、ツー・ステップ・ローンの対象となる事業分野や事業を通じての定性的

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効果については予め設定されていたが、本事業審査時点において、定量的効果を測るた めの運用・効果指標の設定は制度として始まっていなかったため、開発的事業への融資 割合や、サブ・プロジェクト実施に関する運用・効果指標は事前に設定されていなかっ た。 今後のツー・ステップ・ローン事業においては、ツー・ステップ・ローンは事業開始 後にサブ・プロジェクトが特定されるという性質上、定量的運用・効果指標の事前の設 定が困難であることを考慮に入れた上で、事業評価の観点から、エンドユーザーへの融 資がより事業目的を達成するものとなるよう、サブ・プロジェクトの運用・効果指標が 可能な限り事前に設定されるべきである。 3.3 提言 本事業の二次貸付では地方開発のための RORO 船舶への融資を中心に行っているが、 こうした地方・中小規模海運業者への融資は将来的にも増加が見込まれることから、以 下の点に留意が必要であると考えられる。 ・ 地方・中小規模海運業者への融資を増進し、またそれぞれの事業が順調に実施さ れるためには、エンドユーザーへの技術的支援が以前に増して重要となると考え られる。このため、DBP の船舶技術専門家の人員増加、海運事業経営に係るコン サルティング強化などの施策が検討されることが望ましい。 ・ 評価者が現地視察を行なったマビーニの港湾では、DBP の地方事務所による細か なサポートが借り入れに繋がったという声が聞かれた。このように、手続きに不 慣れな新規借入人にとっては必要書類の提出方法等についてのサポートは非常に 重要であり、DBP 地方事務所の役割が期待される。よって、DBP 本部から地方事 務所に対する研修を実施するなど、引き続き地方の業務体制の一層の強化が検討 されることが望ましい。

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主要計画/実績比較 項 目 計 画 実 績 ①アウトプット [ツー・ステップ・ローン] 融資方法 ① 直接金融(リテール方式):貸付、出 資 ② 参加民間金融機関経由を経由し た間接金融(ホールセール方式):貸付、 参加民間金融機関を経由したリ ースへの貸付 ③ エンドユーザーによる債権発行 (DBP が購入)の可能性も検討 ① 直接金融(リテール方式):貸付 ② 参加民間金融機関を経由した間 接金融(ホールセール方式):貸付 ③ 実施見送り 融資条件 1)サブ・ローン貸付利率 1) 一般事業 16%固定 開発的事業 14%固定 1) 参加民間金融機関に対する利‐ 7.7% エンドユーザーに対する利率‐ (RRTS ルート開発目的の投資には 7.7% に 1.8%のスプレッドを乗せた利率、商業 目的の投資には 0.8%から 2.8%のスプ レッド範囲) 2)融資限度額 3)返済期間 2) 事業費の 80%以内、50 万ペソ以 上 10 億円同等ペソ以下 3) 3~15 年(据置最長 5 年) 2) 計画通り 3) 計画通り 融資対象サブ・プロジ ェクト ① 新造船・中古船の購入・改良・修 理 ② 造船所・設備の建設・改良 ③ 港湾・港湾設備の建設・改良 ④ 教育・訓練施設の建設・改良・購 入等 ⑤ 海事教育 ⑥ 木造バンカ船のプラスチック船への更新 ⑦ バンカ船更新に資する地方小規模 造船所 ⑧ フィーダー港開発 ① 旅客・貨客船、タンカー、RORO 船等 29 件 ② 造船所 1 件 ③ 港湾・港湾設備の建設・改良 21 件 ④⑤ 海事教育機関 8 件 ⑥ 実施見送り ⑦ 実施見送り ⑧ 港 4 件 [コンサルティング・サ ービス] ① 船舶:船舶融資・技術等の「船舶」 に係る技術コンサルティング・サ ービス ② 金融:エンドユーザーによる債権 発行スキームの検討・助言 ① 計画通り ② 実施見送り ②期 間 1998 年 9 月~2005 年 3 月(76 ヶ月) 1998 年 9 月~2007 年 1 月(100 ヶ月) ③事 業 費 外貨 サブ・ローン コンサルティング・ サービス 内貨 合計 19,532 百万円 458 百万円 なし 19,990 百万円 18,973 百万円 410 百万円 なし 19,383 百万円

表 8  サブ・ローン返済における延滞の状況  (2008 年 11 月 30 日現在  単位:  百万ペソ)  延滞期間  延滞件数  融資額  元本償還実績額  未回収額  3~6 ヶ月  -  -   -   -   6 ヶ月~1 年  -  -   -   -   1 年~2 年  -  -   -   -   2 年以上  1  8.7   8.6   4.6   合計  1  8.7   8.6   4.6   出所) DBP  注)    上記延滞は海事大学1校への融資額であり、台風被害により

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