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令和2年度 東京都内湾水生生物調査 7月鳥類調査 速報

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Academic year: 2022

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(1)

令和 2 年度 東京都内湾水生生物調査 7 月鳥類調査 速報

●実施状況

令和 2 年 7 月 3 日に鳥類調査を実施した。天候は曇りで、気温 25.5~27.1℃、北東~南東の風、風速 3.0~4.5m/sec であった。調査当日は中潮で、干潮が 9 時 32 分(24cm)、満潮は 16 時 40 分(185cm)であ った(気象庁のデータ)。各地点の概況を下表に示す。

お台場海浜公園 森ヶ崎の鼻 葛西人工渚(東なぎさ) 作業時刻 7:48-8:50 9:14-10:03 11:09-12:20

天候 曇り 曇り 曇り

気温(℃) 25.5 26.4 27.1

風向 北東 南東 南東

風速(m/sec) 3.0 3.1 4.5

備考 観光船が 2 度通過。海 浜公園側に人はいなか った。

1 隻の採貝船が停泊。干 潟の干出が大きかった。

ヨシ原でオオヨシキリがよく さえずる。ヨシの生育範囲 が拡大していた。

●主な出現種等

お台場海浜公園 森ヶ崎の鼻 葛西人工渚(東なぎさ) 数が多かった

鳥類上位 2 種

カワウ(554 羽) カワウ(115 羽) カワウ(1493 羽) アオサギ(21 羽) コアジサシ(57 羽) ウミネコ(102 羽) 備考 ・重要種として 4 種を確

認 ( ダ イ サギ 、 チ ュウ サギ、コサギ、イソシ ギ)。

・カワウの巣数は第六 台場 62 巣、鳥の島 0 巣。営巣地や岩礁で 幼鳥を確認。

・サギ類の巣は確認で きなかった。アオサギ は第六台場と鳥の島 で幼鳥を確認。

・コサギは 5 羽で、昨年 度同様個体数が少な い。

・重要種として 8 種を確認 (ササゴイ、ダイサギ、コ サギ、コチドリ、チュウシ ャクシギ、イソシギ、オ オセグロカモメ、コアジ サシ)。

・干潟でカワウ、ウミネコ が休息。

・干潟にコアジサシが多 く、浅瀬での採餌、餌運 びも観察された。またハ ジロクロハラアジサシ 1 羽が干潟上空を飛ぶの が観察された。

・干潟でチュウシャクシギ 11 羽が採餌。

・ササゴイ 2 羽が干潟周 辺で観察された。

・重要種として 8 種を確認(ヨ シゴイ、ダイサギ、コサギ、

ク ロ ツ ラ ヘ ラ サ ギ 、 コチド リ、シロチドリ、イソシギ、オ オセグロカモメ)。

・汀線付近の浅瀬でサギ類 が採餌。

・干潟でカワウ、ウミネコが 群れで休息。

・ヨシゴイ 2 羽が上空を飛翔 したほか、別個体の鳴き声 をヨシ原で確認。

・クロツラヘラサギが干潟で 休息。

・干潟でコチドリ、シロチドリ が採餌。

・マガモが干潟で休息。

(2)

●出現種と個体数

合計 沖合合計 1カモカモマガ11 22541171414 322 446481955411514934181911 5ペリサギゴイ33NTCR 6ゴイ2CR 71191211414115 81121515VU 9ウサ314NTVU 1041511313VU 11トキヘラ11国内ENCR 12166VU 1322VUVU 14シギウシ11VU 1511111VU 16ウミ119102155257 17セグ296776NT 1857VUEN 191 20セキセキ113 6569141441401612 ※種の分類・配列は「日本鳥類目録 改訂第7版」(日本鳥学会,2012)に従った。 A: *1文化財保護法 *2種の保存法: 国際国際希少野生動植物種 国内国内希少野生動植物種 *3環境省レッド VU絶滅危惧Ⅱ類、NT準絶滅危 http://www.biodic.go.jp/rdb/rdb_f.html . 2020年. 環4次. *4東京都RDB2013区部 CR絶滅危惧IA類、EN:絶滅危惧ⅠB類、VU絶滅危惧Ⅱ類、NT準絶滅危惧、留留意種、D情報不足      東京都環境局自然環境部. 2013年. 東京都の保護上重要な野生生物種(本土部)~東京都ッドデーック2013年版.

7月 葛西人工渚(東な) 計 5目8科20

No.種名

重要選定基準 文化財*1 保護法種の*2 保存法

環境省*3 RL 2020 鳥類

東京都*4 RDB 2013 区)

森ヶ崎の

お台場海浜公園

(3)

<お台場海浜公園>

○調査地点の状況

第六台場ではカワウの営巣が続いている。

〇出現種(カワウ)

第六台場で 62 巣、鳥の島で 0 巣、合計 62 巣が確認された。巣内で確認された雛は大きく育ったものが多 く、繁殖は終盤と思われた。営巣地の樹林や周辺の岩礁で幼鳥が確認された。

〇出現種(アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ)

第六台場でサギ類の巣は確認できなかった。調査時期が遅かっ た影響もあるが、これまで繁殖が確認されていた 4 種のサギ類の 個体数はアオサギ 11 羽、ダイサギ 1 羽、コサギ 4 羽、ゴイサギ 0 羽と少ないことから、営巣数が減少または繁殖しなくなった可能 性がある。過去にサギ類の営巣が確認されていたササ藪が低木 林に置き換わるなど、植生にも変化が見られる。

一方チュウサギは近年よ く出現するようになり、平成 12 年度 1 羽、平成 30 年度 1 羽、平成 31 年度 1 羽、令 和 2 年度 3 羽の記録がある が、繁殖に関する行動は観 察されていない。

アオサギ幼鳥

チュウサギ コサギ

カワウの成鳥と巣内のヒナ ヒナ 成鳥

大きく育ったカワウのヒナ

(4)

<森ヶ崎の鼻>

〇調査地点の状況

最大干潮時刻で、干潟が広く干出していた。

〇出現種(コアジサシ)

干潟に群れで降りていたほか、水中に飛び込んで採餌する個体、魚をくわえて運ぶ個体も確認された。森ヶ 崎水再生センター屋上の人工営巣地では 7 月 5 日の時点で成鳥約 70 羽、推定営巣数 60 巣、ヒナ 1 羽が NPO 法人リトルターン・プロジェクトによって確認されている。

https://littletern.hatenablog.com/entry/2020/07/05/211721

〇出現種(ハジロクロハラアジサシ)

コアジサシの群れに混じって水上を飛ぶ 1 羽が確認され た。冬羽に似た羽色から、若鳥と考えられる。本種は日 本で繁殖せず、旅鳥として海岸や河口、湖沼、水田など に飛来する。過去の調査では平成 23 年度に葛西人工 渚で、平成 27 年度に森ヶ崎の鼻で 1 回の記録がある。

〇干潟利用状況

干潟ではカワウの群れのほか、ウミネコ、環境省レッドリストで準絶滅危惧(NT)に指定されているオオセグ ロカモメが見られた。また。東京都レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されているチュウシャクシギ 11 羽の群れが干潟で観察された。

魚を運ぶ 干潟に降りた群れ

オオセグロカモメ チュウシャクシギの群れの一部(矢印)

ハジロクロハラアジサシ(左)とコアジサシ(右)

(5)

<葛西人工渚>

〇調査地点の状況

干潟が干出し、沖合の三枚洲も干出していた。

〇出現種(マガモ)

干潟で休息する♂1 羽が確認された。体に 茶褐色の羽毛が散在するのは“エクリプス”

と呼ばれる羽衣に換羽途中の状態である。

葛西臨海公園鳥類園では少数越冬して、春 以降は繁殖地に渡去する。観察された個体 には特に外傷は見られず、カルガモと共に 行動し飛び立つ様子も確認された。

〇出現種(コチドリ)

干潟で採餌する 6 羽が確認された。東京都レッドリストで 絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されている。主に夏鳥として 干潟や水田、河川敷などに渡来する。今回確認された 個体はすべて今年生まれの幼鳥で、目の周りの黄色い アイリングが細く不明瞭であった。

〇干潟利用状況

干潟や汀線付近でカワウとウミネコの群れが休息していた。また、

干潟や汀線付近の浅瀬でダイサギやコサギ、アオサギの採餌、干 潟でカルガモの休息が観察された。汀線付近で休息するクロツラヘ ラサギ 1 羽が観察された。クロツラヘラサギは種の保存法で国内希 少野生動植物種、環境省レッドリストで絶滅危惧ⅠB 類(EN)、東京 都レッドリストで絶滅危惧ⅠA 類(CR)に指定されている。

西側の地点より南西方向を見る

コチドリ

クロツラヘラサギ

アオサギ カワウ

カワウ

クロツラヘラサギ

マガモ飛翔 マガモ♂

(6)

<その他>

○ウミネコの繁殖

平成 27 年度 6 月の調査で運河の構造物上でウミネコの繁殖が確認された。今回の調査では成鳥 30 羽、幼鳥 8 羽が確認された。幼鳥は飛べる状態まで成長しているため、すでに外部に移動した個体がいる 可能性もあり、幼鳥の総数は不明である。

<トピックス>

- ヨシゴイとササゴイ –

ヨシゴイは環境省レッドリストで準絶滅危惧 種(NT)、東京都レッドリストで絶滅危惧ⅠA 類(CR)に指定されている希少種である。夏 鳥として渡来し、ヨシやガマが生える河川敷 や湖沼、水田などに生息する。7 月調査で は、葛西人工渚において、ヨシ原上を飛ぶ 2 羽と、ヨシ原で鳴く 1 羽の声が確認された。飛 翔していた 2 羽は♂♀で、このうち雄の目先 は赤みを帯びており婚姻色と推測された。過 去の調査では平成 26 年度に葛西人工渚で 1 羽の記録があるのみで、今回が 2 度目の記 録となる。

ササゴイは森ヶ崎の鼻で水上を飛ぶ 1 羽と、

干潟で採餌する 1 羽が確認された。本種は 東京都レッドリストで絶滅危惧ⅠA 類(CR)に 指定されている。主に夏鳥として河川や湖沼 等に渡来する。森ヶ崎の鼻ではこれまでの 調査でも 1~2 羽が時折観察されている。

ウミネコが営巣する構造物 構造物上のウミネコ幼鳥 飛翔するウミネコ幼鳥

♂(左写真と同一個体)

目先に赤い婚姻色(矢印)が出た ヨシゴイ♂

採餌中 水上を飛ぶ

参照

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