令和 3 年度 東京都内湾水生生物調査 11 月鳥類調査 速報
●実施状況
令和 3 年 11 月 4 日に鳥類調査を実施した。天候は晴れで、気温 17.1~19.0℃、北寄りの風、風速 0~
3.7m/sec であった。調査当日は大潮で、干潮が 10 時 26 分(59cm)、満潮は 16 時 14 分(202cm)であった
(気象庁のデータ)。各地点の概況を下表に示す。
お台場海浜公園 森ヶ崎の鼻 葛西人工渚(東なぎさ) 作業時刻 8:26-9:34 9:54-10:55 11:53-13:13
天候 晴 晴 晴
気温(℃) 17.1 17.9 19.0
風向 北 - 北東
風速(m/sec) 3.5 無風 3.7
備考 波がやや高かった。 採貝船等、船舶の往来が 多かった。
干潟は広く干出。
●主な出現種等
お台場海浜公園 森ヶ崎の鼻 葛西人工渚(東なぎさ) 数が多かった
鳥類上位 2 種
カワウ(132 羽) コガモ(128 羽) カワウ(1487 羽) スズガモ(108 羽) アオサギ(24 羽) スズガモ(772 羽) 備考 ・重要種として、オオバ
ンなど、4 種を確認。
・第六台場と鳥の島、
お台場海浜公園でカ ワウ 132 羽を確認。営 巣は始まっていなかっ たが巣材を運ぶ成鳥 が観察された。
・鳥の島でアオサギ 35 羽が休息。お台場海 浜公園で 4 羽、第六台 場は 2 羽のみ確認。
・お台場海浜公園でス ズガモの群れを確認。
キンクロハジロ 2 羽が 混じっていた。
・重要種として、ミサゴな ど、7 種を確認。
・干潟でタゲリ 2 羽を確 認。本調査では初記録 となった。
・干潟でカモメ類が休息、
アオサギが採餌。
・カモ類はマガモ、ハシビ ロガモ、コガモの 3 種 で、上空を 飛翔する個 体が多かった。コガモは 干潟で休息する個体も 見られた。
・ ミ サ ゴ が 杭 の 上 で 採 餌、トビが上空を飛翔。
・重要種として、ヒクイナ、ミ サゴ、ハヤブサなど、12 種 を確認。
・ハヤブサが干潟上空でオ オバンを捕らえようとした が、ハンティングには失敗 した。
・干潟でカワウが休息、サギ 類が採餌。ハヤブサが出 現する度に、干潟から一斉 に飛び立った。
・シギ・チドリ類はダイシャク シギ 1 羽のみ。カモメ類の 個体数も少なかった。一因 として、ハヤブサによる攪 乱が考えられる。
・ ヨ シ 原 で ヒ ク イ ナ の 鳴 き 声。
●出現種と個体数
第 六 台 場
鳥 の 島
公 園 側合計範 囲 内沖合合計
第 六 台 場
鳥 の 島
公 園 側合計範 囲 内沖合合計
第 六 台 場
鳥 の 島
公 園 側合計範 囲 内沖合合計
第 六 台 場
鳥 の 島
公 園 側合計範 囲 内沖合合計 1カモカモマガモ115 2カルガモ10102664475263120525 3ハシビロガモ3 4コガモ87128 5キンクロハジロ22 6スズガモ11108108772772留 7ウミアイサ11DD 8カイツブリカイツブリカンムリカイツブリ111144留 9ミズナギドリミズナギドリオオミズナギドリ337337 10カツオドリウカワウ6781701185912106511186015271019452902292222635171221221247113218148611487 11ウミウ11 12ペリカンサギササゴイ1CR 13アオサギ9122171133841352626718530242929235441243636 14ダイサギ11412122012116292944134646344NT 15チュウサギ11133NTNT 16コサギ1135488112113132232311313VU 17トキヘラサギ11DD 18ツルクイナヒクイナ1111NTCR 19オオバン32233153838CR 20チドリチドリタゲリ2 21ムナグロ44VU 22ダイゼン11VU 23コチドリ2CR 24シロチドリ33VUCR 25メダイチドリ1国際VU 26ミヤコドリミヤコドリ2525VU 27シギタシギ1133VU 28オオソリハシシギ11VUEN 29チュウシャクシギ31111VU 30ダイシャクシギ22112211CR 31ホウロクシギ222222国際VUCR 32コアオアシシギ22CR 33アオアシシギ181811NT 34キアシシギ3321717VU 35ソリハシシギ11VU 36イソシギ415311213272941183113VU 37キョウジョシギ2821492255VU 38ハマシギ55NTVU 39カモメユリカモメ111206685664122626 40ウミネコ111117126197123812414628711524832297123314留 41セグロカモメ11522111061711171717 42オオセグロカモメ443126312911487111922NT 43コアジサシ28585VUEN 44アジサシ2293232 45タカミサゴミサゴ22222122NTEN 46タカトビ3322211244244NT 47オオタカ1111112NTEN 48ノスリ1CR 49ハヤブサハヤブサハヤブサ11111国内VUEN 50スズメセキレイハクセキレイ11112111213311112711 51タヒバリ111 6種6種7種12種15種26種3種26種4種7種7種10種15種15種5種17種6種8種7種12種14種20種4種21種2種7種10種11種17種14種6種18種0種3種12種34種 ※種の分類・配列は「日本鳥類目録 改訂第7版」(日本鳥学会,2012)に従った。 *1種の保存法 国際:国際希少野生動植物種 国内:国内希少野生動植物種 *2環境省レッドリスト2020 CR:絶滅危惧IA類、EN:絶滅危惧ⅠB類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、NT:準絶滅危惧、DD:情報不足 *3東京都レッドリスト(本土部)2020年度版 CR:絶滅危惧IA類、EN:絶滅危惧ⅠB類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、NT:準絶滅危惧、DD:情報不足、留:留意種
計10目15科51種
森ヶ崎の鼻
お台場海浜公園 №種名科目 5月 葛西人工渚(東なぎさ) 文化財 保護法種の*1 保存法
環境省*2 RL 2020
東京都*3 RL 2020 (区部)
重要種 選定基準11月 お台場海浜公園 森ヶ崎の鼻
葛西人工渚(東なぎさ)
令和3年 10月 お台場海浜公園 森ヶ崎の鼻
葛西人工渚(東なぎさ)お台場海浜公園 森ヶ崎の鼻
葛西人工渚(東なぎさ)9月
お台場海浜公園>
○調査地点の状況
第六台場・鳥の島ではカワウの営巣は終了していた。
〇出現種(カワウ)
第六台場で 124 羽、鳥の島で 7 羽、お台場海浜公園で 1 羽が記録され た。生殖羽の個体が増え、巣材を運ぶ行動が 2 回観察されるなど、繁 殖の兆候が認められた。
〇出現種(アオサギ)
41 羽が記録され、主に鳥の島の護岸に集まって休息していた。9 月の
調査以降、鳥の島ではアオサギの群れが継続的に確認されている。 巣材を運ぶカワウ
〇出現種(カモ類)
留鳥のカルガモに加え、冬鳥のカモ類が見られるようになっ た。お台場海浜公園の海上でスズガモとキンクロハジロが休 息。スズガモは東京都レッドリストで留意種に指定されている。
〇出現種(カモメ類)
ユリカモメ 64 羽とセグロカモメ 1 羽が 確認された。カモメ類は主にお台場 海浜公園の海上で休息していた。
矢印の 2 羽はキンクロハジロ、
他はスズガモ
ユリカモメ
<森ヶ崎の鼻>
〇調査地点の状況
最大干潮時刻だが、干潟は比較的狭かった。
〇出現種()
〇出現種(カモ類)
マガモ 5 羽、ハシビロガモ 3 羽、コガモ 128 羽が確認された。これらのカモ類は森ヶ崎の鼻~森ヶ崎水再生 センター付近を飛翔する個体が多く見られた。コガモは干潟付近の浅瀬で休息する様子も観察された。
〇干潟利用状況
アオサギが汀線付近で採餌、ユリカモメ、ウミネコ、セグロカモメが干潟上で休息していた。
〇出現種(タゲリ)
本調査では初記録。干潟で採餌する 2 羽が確認 された。タゲリは本州以南に冬鳥として渡来する。
過去に確認されていない事から、移動途中に一 時的に立ち寄ったと考えられる。
〇出現種(ミサゴ)
杭にとまって魚を食べる幼鳥 1 羽が確認された。
本種は環境省レッドリスト(2020)で準絶滅危惧種 (NT)、東京都レッドリスト(2020)で絶滅危惧種ⅠB 類(EN)に指定されている。
コガモ
アオサギ
ユリカモメ
矢印で示した個体以外はセグロカモメ
<葛西人工渚>
〇調査地点の状況
干潟は広く干出し、調査中に徐々に狭まっていった。
〇出現種(ハヤブサ、オオバン)
ハヤブサ幼鳥 1 羽が数回出現し、ハンティングを行った。飛翔中のオオバンを追いかけ捕らえたが、直後に 離してしまった。ハヤブサは種の保存法で国内希少野生動植物種、環境省レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類
(VU)、東京都レッドリストで絶滅危惧ⅠB 類(EN)に、オオバンは、東京都レッドリストで絶滅危惧ⅠA 類(CR)
に指定されている。
〇出現種(スズガモ)
沖合に浮いているスズガモ 772 羽を確認。範囲内では記録されなかった。
〇干潟利用状況
カワウやサギ類、カモメ類、ダイシャクシギが干潟にいたが、ハヤブサが出現する度に驚いて飛び回る様子 が見られた。ハヤブサは干潟中央部に降りることもあった。今回の調査でシギ・チドリ類やカモメ類の個体数 が少なかったのは、調査開始前にハヤブサに攪乱を受けていた可能性がある。
西側の地点より南西方向を見る
オオバン(右)を追うハヤブサ オオバンを捕獲 オオバンを離した
干潟に降りたハヤブサ ハヤブサの出現で飛び立ったカワウ
<その他>
○ウミネコの繁殖
砂町運河でウミネコは確認されず、構造物上には巣の痕跡も見られなかった。9、10 月調査と同様、京葉 線の高架に多数のカワウがとまっているのが確認された。
<トピックス>
- 捕食されたオオバン –
葛西人工渚の調査の際、ヨシ原の中でオオバン 2 羽の死体を確認した。周囲に散乱した羽毛の状態から、
大型鳥類に捕食されたと推測される。ハヤブサ等の猛禽類やカラス類の可能性が考えられるが、他に手が かりがなく、捕食者の特定には至らなかった。
ウミネコが営巣していた構造物 高架にとまるカワウ