安
慧
造
唯
識
三
十
碩
繹
調
伏
天
造
唯
識
三
十
頚
繹
疏
( 二 )野
澤
艀
詮
課
註
ま へ が き 一 、 安 慧 の 喩 伽 唯 識 読 は 、 印 度 喩 伽 唯 識 派 に 於 い て は 護 法 等 の 新 読 に 野 し て 古 読 に 蕊 す る と せ ら る ゝ が 、 と の こ と は 、 蔽 に 謬 出 せ ん と す る 唯 識 三 十 頚 繹 と 共 に 中 邊 分 別 論 繹 疏 ・ 大 乗 荘 嚴 経 論 繹 疏 等 の 彼 の 著 作 を 侯 つ て 明 ら か に せ ら る る こ と は 勿 論 な が ら 、 他 方 又 、 彼 の 學 読 を 忠 實 に 組 述 せ る 述 作 が あ れ ば 、 そ れ を も 資 料 と し て 用 ゐ る に あ ら ざ れ ば 全 き を 期 す る は 出 來 な い で あ ら う 。 そ れ ゆ ゑ 、 安 慧 の 唯 識 三 十 頚 繹 と 、 そ れ を 復 註 せ る 調 伏 天 の 唯 識 三 十 類 繹 疏 と を 會 謬 し 、 併 せ て 慈 恩 の 傳 承 せ る 成 唯 識 論 中 の 安 慧 読 に も 参 照 し て こ れ を 註 記 す る こ と と し た の で あ る 。 既 に 安 慧 の 繹 も 調 伏 天 の 繹 疏 も 共 に 窩 楠 ・ 荻 原 ・ 寺 本 ・ 河 口 等 我 國 學 界 の 大 先 輩 丈 功 勢 者 に よ つ て 國 課 せ ら れ て ゐ る に か か は ら す 、 淺 學 の 身 で 敢 え て 課 出 す る 所 以 も 前 述 の 意 圖 に よ る も の で あ る 。 一 、 安 慧 の 繹 は 明 石 恵 達 教 授 の 校 訂 本 (龍 谷 學 報 所 載 ) を 、 調 伏 天 の 繹 疏 は 西 藏 佛 典 普 及 會 編 の 校 訂 本 ( 丁 字 屋 書 店 刊 ) を 底 本 と し て 用 ゐ た 。 而 し て 繹 疏 は 一 字 下 げ に し て 繹 と の 匹 別 を 明 ら か に し た 。 一 、 分 科 は 調 伏 天 の 繹 疏 、 成 唯 識 論 述 記 の 科 文 を 滲 照 し て 私 に 製 作 し た も の で あ る 。 一 、 ︹ ︺中 の 文 は 意 味 於 明 ら か に せ ん た め に 課 者 の 補 つ た も の で あ り 、 繹 疏 の ﹁ ﹂中 の 文 は 安 慧 繹 の 本 文 な る ご と を 示 す 。 樹 ほ 、 繹 疏 に は 壁 頭 に 梵 ・ 藏 名 が 存 す る が 、 こ れ は 西 藏 繹 ぜ ら る る 際 附 加 さ れ た も の と 考 へ ら る る か ら 省 略 一 、 繹 疏 は 全 体 で 五 章 あ る が 、 そ の 第 一 章 は 既 に 大 谷 學 報 ( 第 二 十 四 巻 第 六 號 ) に 磯 表 し 、 之 所 に は 、 そ れ に 績 く 第 二 章 を あ ら は す こ と を お 断 り す る 。 第 二 章 安 慧 造 唯 識 三 十 類 繹 ・ 調 伏 天 造 唯 識 三 十 碩 程 疏密 教 文 化 臨 ︹ 五 、 A 、 論 日 ︺ 識 の 韓 攣 は 幾 種 あ る か が 未 だ 知 ら れ な い 。 そ れ ゆ ゑ 、 そ れ の 種 類 を 示 さ ん た め に 、 (1) 而 し て か の 韓 憂 は 三 種 な り。 (第 一 碩 d) と い ふ 。 我 等 の 假 読 と 法 の 假 読 と の 所 依 で あ る 彼 ︹ 韓 攣 ︺ は 復 た 、 因 性 と 果 性 と に 麗 別 さ れ る 。 そ の 中 、 因 韓 攣 と は 、 阿 頼 耶 識 中 に 於 い て 異 熟 と 等 流 と の 脅 氣 の 増 長 暫す る こ と (Pari pusti) で あ る 。 復 た 、 果 韓 攣 と は 、 過 去 の 引 業 が 圓 満 す る 場 合 、 異 熟 脅 氣 が 活 動 を 起 す よ り 、 絵 他 の 衆 同 分 中 に 阿 頼 耶 識 が 現 成 す る こ と (abhinirvrtti) で あ る 。 及 び 等 流 脅 氣 が 活 動 を 起 す よ り 、 韓 識 と 染 汚 意 と が 阿 頼 耶 識 よ り 現 成 す る こ と で あ る 。 そ の 中 、 善 不 善 の 韓 識 は 、 阿 頼 耶 識 中 に 異 熱 脅 氣 と 等 流 脅 氣 と を 置 き 、 無 記 ︹ の 韓 識 ︺ と 染 汚 意 と は 、 等 流 脅 氣 の み を 置 く 。 ︹ 繹 日 ︺ 以 上 で 随 鷹 論 を 終 ろ て 本 題 を 繹 せ ん た め に 、 ﹁ 識 の 韓 攣 は ﹂ 云 々 と い ふ 。 前 に 標 示 せ る 識 の 韓 攣 な る も の は 種 類 は 未 だ 知 ら れ な い 。 そ れ ゆ ゑ 、 そ れ を 読 く 。 如 何 な る 語 に て 読 く か 、 と 問 ふ 故 に 、 ﹁ 而 し て か の 韓 攣 は 三 種 な り ﹂ と い ふ 。 我 の 假 読 と 法 の 假 読 と の 所 依 で あ る 識 の 韓 攣 は 三 種 で あ る と 見 る べ き で あ る 。 三 種 の 差 別 を 復 た 繹 せ ん た め に 、 ﹁ 因 性 と 果 性 と に 歴 別 さ れ る ﹂ と い ふ 。 か の 三 種 の 識 韓 攣 は 實 に 因 と 果 と に 匝 別 さ れ る 。 ︹ そ は ︺ 因 韓 攣 と 果 縛 攣 と い ふ 意 味 で あ る 。 初 め ︹ の 韓 攣 ︺ を 繹 せ ん た め に 、﹁ そ の 中 、 因 韓 攣 と は ﹂ 云 々 と い ふ 。 阿 頼 耶 識 中 に 於 い て 異 熱 脅 氣 と 等 流 脅 氣 と の 増 長 す る 之 と が 因 轄 憂 と 稻 せ ら れ る 。 ︹ そ は ︺ 習 氣 の 長 養 せ る 阿 頼 耶 識 が 因 韓 攣 で あ る 、 と い ふ 意 味 で あ る 。 諸 喩 伽 行 者 の 所 傳 に よ れ ば 、 ︹脅 氣 に ︺三 種 あ る 。 即 ち 、 或 者 は 、 先 に は 全 く 無 な り し 脅 氣 を 置 く 、 と い ふ 。 他 者 は 、 脅 氣 は 一 切 時 中 に あ つ て 、 そ れ が 諸 雑 染 法 に よ り て 長 養 せ ら れ 、 長 養 せ ら る る に よ つ て 、 そ れ の 果 が 現 成 せ ら れ 得 る の で あ る 、 と い ふ 。 更 に 他 者 は 、 一 方 に は 、 先 よ り 有 な る 層 氣 が 長 養 せ ら れ 、 他 方 に は 、 先 に は 無 な り し ︹ 脅 氣 ︺ を 置 く 、 と 考 ふ 。 然 し 、 註 繹 作 者 は 、 こ の こ と を 明 瞭 に 規 定 し て ゐ な い 。 第 二 の 縛 攣 を 繹 せ ん た め に 、 ﹁ 果 韓 攣 と は ﹂ 云 汝 と い ふ 。 過 去 の 業 に よ り て 或 衆 同 分 中 に 阿 頼 耶 識 が 牽 引 せ ら れ ゆ き し か の 衆 同 分 が 圓 満 す る 場 合 、 異 熟 脅 氣 が 活 動 を 起 す よ り 、 鯨 他 の 衆 同 分 中 に 阿 頼 耶 識 が 現 成 す る の が 、 果 韓 攣 で あ る 。 同 檬 に 、 笥 況 脅 氣 が 活 動 を 起 す よ り 、 諸 韓 識 と 染 汚 意 と が 阿 頼 耶 識 よ り 現 成 す る の が 、 果 韓 憂 で あ る 。 ﹁ 活 動 を 起 す ﹂ と い ふ 語 は 、 無 間 に 果 を 生 起 せ し む る 功 能 を 謂 ふ 。 こ れ ら 三 種 の 識 轄 攣 の 内 に て 、 何 も の が 如 何 な る 脅 氣 を 置 く か 、 と い へ ば 、 そ れ ゆ ゑ、 ﹁ そ の 中 、 善 不 善 の 韓 識 は ﹂ 云 々 と い ふ 。 善 不 善 の 聴 識 は 、 異 熟 果 を 成 ぜ ん た め に 阿 頼
耶 識 中 に 異 熱 脅 氣 を 置 ぐ 。 ︹ ま た 、 善 不 善 の 韓 識 は ︺ 、 そ れ よ り 他 の 善 不 善 の 識 を 成 ぜ ん た め に 等 流 脅 氣 を 置 く。 そ の ︹ 等 流 脅 氣 ︺ の 力 に ょ り て 、 此 世 及 び 他 世 に 於 い て 、 そ れ と 同 類 の 心 が 生 起 す る 。 而 し て 、 無 記 の 韓 識 と 染 汚 意 と の 二 は 、 自 ら に 随 順 す る 果 を 成 ぜ ん た め に 等 流 脅 氣 の み を 置 く 。 註 記 成 唯 識 論 の 因 能 痩 ・ 果 能 愛 の 解 繹 に つ い て は 、 了 義 燈 ( 佛 教 大 系 本 、 第 一 、 五 七 一 頁 ) に 、 ﹁ 論 能 愛 有 二 、 謂 因 及 果 、 有 多 解 糧 ﹂ 、 と あ る に 緻 し て 明 ら か な 如 く 、 色 々 異 読 が 存 す る 如 く で あ る 。 論 に は ﹁ 因 能 礎 、 謂 第 八 識 中 等 流 異 熟 二 因 脅 氣 ﹂ 、 (巻 第 二 、 一 二 頁 ) と な し て 、 第 八 識 中 の 種 子 そ の も の を 因 能 愛 と な し て ゐ る が 、 述 記 (佛 教 大 系 本 、 第 一 、 五 七 三 頁 ) に ﹁ 學 因 能 薫 、 意 顯 七 識 等 諸 現 行 法 亦 名 爲 因 亦 名 能 愛 。 散 二 習 氣 各 畢 能 薫 諸 因 縁 体 、 辮 体 生 果 者 名 因 能 痩 故 、 韓 憂 之 義 通 現 種 也 。 種 因 愛 唯 在 第 八 、 現 因 憂 通 蝕 七 識 ﹂ と あ つ て 、 論 の 西 能 痩 義 の 外 に 、 現 因 攣 即 ち 単 識 の 現 行 法 が 第 八 識 中 に 種 子 を 能 く 薫 脅 す る ご と を も 因 能 愛 と な し て 、 両 檬 の 因 能 愛 を 認 め て ゐ る 。 然 る に 、 了 義 燈 で は 、 前 引 用 の 文 に 績 い て 、 ﹁ 且 准 論 文 及 本 疏 意 、 因 痩 但 種 子 、果 憂 唯 現 行 、 設 現 薫 種 不 名 因 愛 、 何 以 散 、 論 但 云 、 一 因 能 憂 謂 第 八 識 中 等 流 異 熟 二 因 脅 氣 。 既 言 第 八 識 中 二 因 脅 氣 、 七 現 能 薫 、 非 在 八 中 、 亦 非 習 氣 ﹂ 、 と な し て ゐ る よ り み れ ば 、 種 子 そ の も の を 以 て 因 能 愛 の 正 義 と な さ ん ,と す る も の の 如 く で あ る 。 安 慧 及 び 調 伏 天 は 、 脅 氣 の 櫓 長 (varava-paripusti) と な す 故 に 、 述 記 の ﹁ 現 因 痩 ﹂ 義 と 同 義 で あ る と い ふ ぺ き で あ る 。 又 、 果 能 憂 に つ い て は 、 述 記 ( 五 七 四 頁 ) に は ﹁ 恥 前 二 因 所 生 現 果 。 謂 有 縁 法 能 愛 現 者 名 果 能 憂 、 非 因 所 生 皆 名 爲 果 。 不 爾 種 子 慮 名 果 愛 、 自 相 生 故 。 此 果 能 痩 即 自 謹 分 能 憂 現 生 見 相 分 果 。 此 冒 憂 者 、 與 前 不 同 。 是 有 縁 愛 、 愛 現 爲 義 ﹂ 、 と て 、 八 識 の 自 謹 分 が 愛 現 し て 見 相 分 の 果 を 生 す る を 果 能 憂 と な し 、 且 つ 、 因 能 痩 の 愛 と は 韓 憂 で あ る に 封 し て 、 果 能 憂 の 愛 と は 愛 現 を 意 味 す と な し て 、 ゐ る 。 安 慧 は 、 八 識 が 二 段 階 に 現 成 す る (abhinirvritti) こ と 、 即 ち 、 現 行 す る こ と を 果 痩 現 と な す の み で 、 因 ・ 果 の 韓 愛 義 に 相 違 あ る こ と を の べ て は ゐ な い が 、 先 に 彼 の 定 義 せ る 韓 璽 義 を 何 れ に も 適 用 す べ き で あ る と 考 へ ら れ る 。 荷 ほ 、 鈴 木 宗 忠 博 士 は 、 成 唯 識 論 の 本 文 で は 習 氣 の 生 長 を 脅 氣 の 歴 別 に よ つ て の ぺ て ゐ る に 封 し て 、 安 慧 繹 は、 能 窯 現 識 の 三 性 の 囁 別 に 從 つ て 脅 氣 の 櫓 長 を 説 明 し て ゐ る 、 と い ふ 形 式 上 の 相 異 は あ る が 、 そ の 因 輯 痩 を 以 て 現 行 薫 種 子 と す る 趣 意 に 於 い て は 相 違 を 認 め ず 、 と い ふ 理 由 の 下 に 、 述 記 の 種 因 痩 説 を 誤 謬 な り と な し 、 そ の 誤 謬 の 由 つ て き た る 所 以 は 、 轄 愛 に 能 所 を 分 ち て 因 能 愛 と な し た か ら で あ る と 断 定 し て ゐ ら れ る (宗 教 學 論 集 六 五 〇 ・ 六 五 六 頁 参 照 ) 。 荷 ほ ま た 、 調 伏 天 の 傳 へ る 三 種 の 習 氣 は 、 所 謂 、 ﹁ 本 護 ・ 新 難 ・合 護 法 ﹂ と 総 せ ら る る も の に し て 、 成 唯 識 論 に は こ の 問 題 に つ い て 詳 読 さ 払 て ゐ る 。 成 唯 識 論 ほ 護 法 の 合 生 義 を 正 義 と す る 故 に 、 今 あ 因 能 燧 を 繹 す る 場 合 も 、 ﹁ 薫 令 生 ・ 長 ﹂ と あ る 生 長 を 二 つ に 分 け て 解 し 、 生 と は 新 薫 、 長 と は 本 有 と な す 。 然 る に 、 安 慧 は 、 調 伏 天 の 註 す る 如 く 、 何 れ の 義 を 探 る と も 規 定 し な い 散 に 、 安 慧 造 唯 識 三 十 類 羅 ・ 調 伏 天 造 唯 識 三 十 類 緯 疏
密 教 丈 化 成 唯 識 論 の 鋼 き 解 穆 を 輿 へ ず、 櫨 ・に、 ﹁ 脅 氣 の 櫓 長 す る こ と ﹂ と め み 糧 し て ゐ る 。 (1) 述 記 ( 佛 教 大 系 添 第 一、 一 一 七 頁 ) に 舶 此 能 覆 唯 三 ﹂ の ﹁ 此 ﹂ の 字 に つ い て、 ﹁ 此 者 即 識 之 所 痩 也、 彼 我 法 相 依 識 所 憂、 此 識 所 憂 之 能 憂 有 三 種 ﹂ と し、 又、 演 秘 ( 同 上 ) に ﹁ 論 言 此 者、 此 二 其 所 愛 一、 所 憂 体 者 即 見 相 分。 有 義 此 者 二 義、 一 云、 此 者 此 二 能 愛 識 一、 二 云、 此 者 此 我 法、 此 我 法 二 所 依 見 相 能 痩 之 識 有 三 種 故。 ﹂ と て、 別 義 を 出 せ ど も、 本 疏 の 所 攣 の 見 相 分 を 指 示 す る 説 を 正 義 と な す 。 安 慧 稗 は 識 聴 愛 そ の も の を 指 し、 若 し、 成 唯 識 論 の 如 く、 鱒 縫 に 能 ・ 所 を 分 け れ ば、 演 秘 に 於 い て 別 義 と な す ﹁ 此 者 此 能 愛 識 ﹂ に 寧 ろ 一 致 す と 考 へ ら れ る 。 ︹ 五、 B、 論 日 ︺﹁か の 韓 攣 は 三 種 な り ﹂ と ︹第 一 類 d に ︺ 読 か れ た る 集 の も 亦 未 だ 知 ら れ な い 。 そ れ ゆ ゑ、 そ れ の 差 別 を 示 さ ん た め に、 異 熟 と 思 量 と 名 づ け ら る る も の と 境 の 了 別 と な り 。 (第 二 碩 a-b) と い ふ 。 蕪 に、 か の 三 種 の 韓 攣 と は、 異 熟 と 名 づ け ら れ、 ﹁ 思 量 と 名 づ け ら れ、 及 び 境 の 了 別 と 名 づ け ら る る も の で 訪 る。 そ の 中、 善 不 善 業 の 脅 氣 の 成 熟 す る 力 に 藏 り て、 引 か る る 如 く に 果 の 現 成 す る の が、 異 熱 で あ る 。 染 汚 意 は、 常 に 思 量 を 性 と す る も の で あ る 故 に、 思 量 と 名 づ け ら れ る 。 色 等 の 境 と し て 各 別 に 顯 現 す る 故 に、 眼 等 の 六 種 の 識 は、 共 に 境 の 了 別 で あ る 。 ︹ 繹 日 ︺ 偶 ︹ を 導 く ︺ 依 威 を 學 げ ん た め に ﹁ か の 韓 攣 は 三 種 な り と 読 か れ た る も の ﹂ 云 欧 と い ふ 。 数 の み を 読 け る 故 に 差 別 は 未 だ 知 ら れ な い 。 そ れ ゆ ゑ、 差 別 を 読 か ん た め に、 自 ら の 名 に よ り て 三 種 の 韓 憂 を 読 か ん た め に、 ﹁ 異 熱 と 思 量 と 名 づ け ら る る も の と ﹂ 云 々 と い ふ 。 そ れ を 繹 せ ん た め に、 ﹁ 藪 に、 か の 三 種 の 髄 憂 と は ﹂ 云 々 と い ふ。 そ れ は 理 解 し 易 き 故 に 繹 し な い 。 三 種 の 識 韓 攣 の 自 体 を 要 略 し て 繹 せ ん た め に、 ﹁ そ の 中、 善 不 善 業 の 脅 氣 ﹂ 云 汝 と い ふ 。 善 不 善 業 の 成 熟 せ る 諸 脅 氣 に ょ り て 果 の 現 成 す る の が、 異 熱 と 稻 せ ら る 。 染 汚 意 な る も の は、 一 切 時 に 思 量 を 性 と す る も の な る 故 に 思 量 と 稻 せ ら る 。 色 等 の 境 に 似 て 各 別 に 顯 現 す る 故 に、 眼 等 の 六 識 な る も の は 境 の 了 別 と 稽 せ ら る 。 色 等 の 境 に 似 て 各 別 に 顯 現 す る、 と は、 色 等 の 境 の 形 相 と い ふ 意 味 で あ る 。 ︹ 第 刷、 異 熟 韓 曼 ︺ ︹ 一、 論 日 ︺ そ れ の 自 体 を 繹 し な け れ ぱ、 そ れ は 信 知 せ ら れ な い 。 そ れ ゆ ゑ、 そ れ の 自 体 な る も の を 次 第 を 追 つ て 読 か ん た め に、
そ の 中 、 阿 頼 耶 と 名 づ け ら る る 識 が 異 熟 に し て 、 一 切 種 子 あ る も の な り 。 ( 第 二 類 c-d) と い ふ。 ﹁ そ の 中 ﹂ と は 、 今 し が た 読 け る か の 三 種 の 韓 攣 を 謂 ふ。 ﹁ 阿 頼 耶 と 名 づ け ら る る ﹂ と は、 阿 頼 耶 と い ふ 名 の あ る 、 と い ふ こ と で あ る 。 識 が 即 ち 異 熟 韓 痩 で あ る 。 そ れ は 、 一 切 の 雑 染 法 の 種 子 の 住 盧 で あ る 故 に 阿 頼 耶 で あ る 。 阿 頼 耶 (1) と 住 威 と は 同 義 異 語 で あ る 。 或 は 又 、 彼 庭 に 凶 切 法 が 果 体 と し て 藏 せ ら れ 執 持 せ ら れ 、 或 は 、 彼 が 一 切 法 中 に 因 体 と し て 藏 せ ら れ 執 持 せ ら る る 故 に 、 阿 頼 耶 で あ る 。 識 別 す る 故 に 識 で あ る 。 一 切 の 界 ・ 趣 ・ 生 ・ 姓 に 於 い て 善 不 善 業 が 異 熟 せ る も の で あ る 故 に 異 熟 で あ る。 一 切 法 の 種 子 の 所 依 で あ る 故 に 一 切 種 子 あ る も の で あ る 。 ︹ 繹 日 ︺ 、 偶 ︹ を 導 く ︺ 依 麗 を 學 げ ん た め に 、 ﹁ そ れ の 自 体 を 繹 し な け れ ぱ ﹂ 云 汝 と い ふ 。 そ れ ら の 自 体 を 廣 く 繹 し な い 限 り は 知 ら れ な 風い 。 そ れ ゆ ゑ 、 そ れ の 自 体 な る も の を 読 示 せ ん た め に 、 ﹁ そ の 中 、 阿 頼 耶 と 名 づ け ら る る 識 が ﹂ 云 汝 と い ふ 。 一 切 種 子 み る 阿 頼 耶 識 な る も の が 異 熟 縛 憂 で あ る 、 と は 要 略 の 義 で あ る 。 ﹁ そ の 中 ﹂ と い ふ 語 の 意 味 を 読 か ん た め に 、 ﹁ そ の 中 、 と は ﹂ と い ふ 。 そ れ は 理 解 し 易 き 故 に 繹 し な い 。 こ れ は 、 何 故 阿 頼 耶 と 名 づ け ら る る か 、 と 思 ふ も の に 樹 し て 、 ﹁ 阿 頼 耶 と 名 づ け ら る る と は ﹂ 云 汝 と い ふ 。 阿 頼 識 と 名 づ け ら る る も の を 阿 頼 耶 と 稻 す る 。 か く の 如 く 名 づ け ら る る 識 な る も の が 異 熟 韓 攣 で あ る 。 爾 ら ば 、 何 故 に こ の 識 を 阿 頼 耶 と 稻 す る か 、 と 思 ふ も の に 封 し て 、 ﹁ そ れ ば 一 切 の 雑 染 法 の 種 子 ﹂ 云 汝 と い ふ 。 謂 く 、 こ (2) の 識 は 一 切 の 雑 染 法 の 種 子 の 佳 威 と な れ る 故 に 、 阿 頼 耶 と 稻 す る 。 阿 頼 耶 と 佳 腱 と い ふ こ の 二 は 同 義 異 語 で あ る か ら で あ る 。 こ の 之 と を 別 に 繹 せ ん た め に 、 ﹁ 或 は 又、 彼 虐 に 一 切 法 が ﹂ 云 々 と い ふ 。 此 識 中 に 一 切 法 が 果 体 と し て 藏 せ ら る る 故 に 、 阿 頼 耶 で あ る 。 ﹁ 藏 せ ら る ﹂ と は 執 持 せ ら る 、 相 合 ぜ ら る 、 と い ふ に 至 る ま で を 意 味 す る 。 或 は 叉 、 か の 同 じ 識 が 大 切 法 中 に 因 体 と し て 藏 せ ら る 故 に 、 阿 頼 耶 で あ る 。 ﹁ 藏 せ ら る ﹂ の 意 味 は 、 箭 と 同 檬 で あ る 。 何 故 に 、 こ れ が 識 と 稻 せ ら る る か 、 と 思 ふ も の に 野 し て 、 ﹁ 識 別 す る 故 に 識 で あ る 。 ﹂ と い ふ 。 謂 く 、 境 を 識 別 す る 故 に 識 で あ る 。 爾 ら ば 、 阿 頼 耶 識 を 何 故 に 異 熱 と 稻 す る か 、 と 思 ふ も の に 封 し て 、 ﹁ 一 切 の 界 ・ 趣 ・ 生 ・ 姓 に 於 い て ﹂ 云 々 と い ふ 。 謂 く 、 三 界 ・ 五 趣 ・ 四 生 ・ 婆 羅 門 種 姓 等 の 一 切 に 於 け る 阿 頼 澗 識 は 、 善 不 善 業 の 異 熟 せ る も の で あ る 。 そ れ ゆ ゑ 、 異 熱 と 稽 せ ち る 。 何 故 に 、 こ れ は 一 切 種 子 あ る も の 、 と 稽 せ ら る る か 、 と 思 ふ も の に 封 し て 、 ﹁ 一 切 法 の 種 子 ﹂ 云 汝 と い ふ。 謂 く 、 こ れ は 、 一 切 法 の 種 子 の 所 依 で あ る 故 に 、 一 切 種 子 あ る も 安 藝 造 唯 識 三 十 類 糧 ・ 調 伏 天 造 唯 識 三 十 類 糧 疏
-57-密 教 文 化 の で あ る 。 註 助 項 は 成 唯 識 論 の 三 相 門 の 内、 ﹁ 略 解 三 相 ﹂ の 文 に 大 体 一 致 す る が、 ﹁ 有 情 執 爲 自 内、 我 故 ﹂ の 執 藏 あ s義 は 直 接 あ ら は さ れ て ゐ な い 。 (1) こ の ﹁ 藏 ﹂ の 別 義 に つ い て は、 安 慧 造 中 邊 分 別 論 羅 疏 相 品 第 一、 生 起 相 下 に も 閏 ず (山 口 釜 課 註 五 三 頁 参 照 ) 。 (2) 本 文 に は
﹁sa bon gyi
﹂ 脱 落 せ り と 思 は る ( 四 三 頁 八 行 ) 。 ︹ 二、 A、 論 目 ︺ 若 し、 韓 識 を 離 れ て 阿 頼 耶 識 が あ る と す れ ば、 繭 ら ば、 そ れ の 所 縁 或 ぽ 行 相 を 読 く べ き で あ る 。 何 と な れ ぱ、 所 縁 な き、 或 は、 行 相 な き、 識 は、 不 合 理 で あ る か ら で あ る 。 賢 に 彼 は 所 縁 な ぐ、 或 は、 行 相 な し、 と は、 許 さ れ な い 。 爾 ら ば 如 何 。 所 縁 行 相 不 可 知 で あ る 。 何 故 か、 ど い へ ぱ、 謂 く、 阿 頼 耶 識 は 内 の 執 受 の 了 別 と し て、 及 び、 外 の 不 可 知 な る 相 の 器 の 了 別 と し て、 二 檬 に 起 る か あ で あ る 。 ︹ 繹 日 ︺ 藪 に 経 量 部 は 徴 難 せ ん た め に、 ﹁ 若 し、 韓 識 を 離 れ で、 云 汝 と い ふ 。 韓 識 を 離 れ て 別 な 識 が あ る、 と す る は、 不 可 合 で あ る 。 若 し、 彼 等 ︹ 韓 識 ︺ を 離 れ て 別 に 阿 頼 耶 識 を 許 す、 と せ ば、 爾 時 に は、 そ れ の 所 縁 を 読 く べ き で あ り、 行 相 を も 読 K べ き で あ る 。 何 と な れ ば、 所 縁 な く、 行 相 な き 識 は 不 合 理 で あ る か ら で あ る 。 成 究 出 見 論 者 は、 ﹁ 實 に 彼 は 所 縁 な く ﹂ 云 女 と い ふ。 阿 頼 耶 識 は 所 縁 な く 行 相 な し、 と、 我 等 も 亦 許 ざ な い け れ ど も、 然 れ ど も、 彼 ︹ 阿 頼 耶 識 ︺ は 所 縁 不 明 瞭 ・ 行 相 不 明 瞭 で あ る と す る 。 そ れ ゆ ゑ、 彼 ︹ 阿 頼 耶 識 ︺ は 韓 識 よ。 別 に 有 り (1) と す ゐ は 合 理 で あ る 。 而 し て、 識 は 所 縁 行 相 不 可 知 た り 得 な い 故 に、 ︹ 経 量 部 は 更 に ︺ ﹁ 何 故 か ﹂ と 問 ふ 。 ︹ 之 に 鉗 し、 ︺ 成 究 寛 論 者 は、 そ の 因 故 を 読 か ん た め に、 ﹁ 謂 く、 阿 頼 耶 識 は ﹂ 云 汝 と い ふ 。 か く の 如 く 阿 頼 耶 識 は、 内 の 執 受 と し て の 顯 現 と 外 の 不 明 瞭 な る 行 相 の 器 と し て の 顯 現 と の 二 檬 に 起 る か ら で あ る ︹ と い ふ ︺ 。 了 別 と は 顯 現 及 び 行 相 に 至 る ま で を 意 味 す る。 註 阿 頼 耶 識 の 所 縁 に つ い て、 成 唯 識 論 は 解 深 簿 心 意 識 相 品 の 文 に よ つ て 繹 す る に 封 し て、 安 慧 は、 喩 伽 論 巻 第 五 十 一 の 文、 ﹁ 云 何 建 立 所 縁 輻 相 。 謂 若 略 読 阿 頼 耶 識、 由 二 於 二 種 所 縁 境 一韓 。 一 由 レ 了 二 別 内 執 受 二故、 二 由 レ了 二別 外 無 分 別 略 相 一故 。 了 別 内 執 受 者、 謂 能 了 二 別 遍 計 所 執 自 性 妄 執 習 氣、 及 諸 色 根。 根 所 依 塵 。 此 於 二 有 色 界 一。 若 在 二 無 色 二唯 有 二 習 氣 執 受 旧了 別 。 了 別 外 無 分 別 器 相 者、 謂 能 了 二 別 依 止 一 (大 正 三 十、 五 八〇 上 ) に よ つ て 稗 し て ゐ る こ と を 注 意 す べ き で あ る。 ︹ 二、 B、 a、 論 日 ︺ そ の 中、 内 の 執 受 は、 遍 計 所 執 性 に 執
着 す る 脅 氣 と 有 所 依 の 根 の 色 と 名 と で あ る 。 ︹ 縄 日 ︺ か の 内 の 執 受 は 如 何、 と 思 ふ も の に 封 し て、 ﹁ そ の 中、 内 の 執 受 は、 ﹂ 云 汝 と い ふ 。 遍 計 所 執 性 に 執 着 す る 脅 氣 と 有 所 依 の 根 の 色 と 名 と が、 内 の 執 受 で あ る 。 ︹ こ れ は ︺、 諸 遍 計 所 執 性 に 樹 す る 執 着 に よ り て 置 か れ た る 脅 氣 そ の も の を 語 る 。 ﹁ 有 所 依 ﹂ と い ふ 中、 所 依 と は、 身 を 謂 ふ 。 名 と は、 受 等 の 四 纏 で あ る 。 註 こ の 項 で 注 意 す べ き こ と は、 安 慧 は 喩 伽 諭 の 文 に ょ つ て 所 縁 を 繹 し な が ら も、 喩 伽 論 が 内 の 執 受 に つ い て、 脅 氣 と 色 根 と 根 所 依 虎 と を 學 げ、 ま た、 成 唯 識 論 に 於 い て、 ﹁ 執 受 有 二 。 謂 諸 種 子 及 有 根 身 。 諸 種 子 者、 謂 諸 相 各 分 別 脅 氣 。 有 根 身 者、 謂 諸 色 根 及 根 依 鹿 ( 巻 第 二、 二 七 頁 ) ﹂ と な す、 に 封 し て、 安 慧 は こ れ ら 以 外 に、 非 色 の 名 を も 學 げ て ゐ る 黙 で あ る 。 從 つ て、 安 慧 は、 阿 頼 耶 識 は 十 八 界 を 縁 ず と な す 説 を 探 る こ と に な る 。 從 つ て、 成 唯 識 論 に ﹁ 略 説 此 識 所 愛 境 者、 謂 有 漏 種 ・ 十 有 色 虚 。 及 堕 法 虚 所 現 實 色 ﹂ (巻 第 二、 三 四 頁 ) と な す 説 に 相 異 す る。 ︹ B、 b、 論 日 ︺ 彼 の 所 縁 は 極 め て 微 細 な る 故 に、 ま ゐ、 彼 は、 不 可 知 な る、 執 受 と 虜 の 了 別 と を 有 す 。 (第 三 類 a-b) 不 可 知 な る 執 受 と 不 可 知 な る 庭 の 了 別 と を 有 す る 故 に、 彼 阿 頼 耶 識 は、 不 可 知 な る、 執 受 と 虜 の 了 別 と を 有 す、 と い ふ の で あ る 。 ︹ 繹 日 ︺、 所 縁 の 自 体 を 繹 し 已 っ て、 不 明 瞭 性 の 因 故 を 読 か ん た め に、 ﹁ 彼 の 所 縁 は 極 め て 微 細 な る 故 に ﹂ と い ふ 。 彼 ︹ 阿 頼 耶 識 ︺ の 二 種 の 所 縁 と 読 か れ た も の は、 極 め て 微 細 な る 故 匝、 彼 阿 頼 耶 識 は 執 受 不 可 知、 麗 と し て の 了 別 不 可 知 で あ る と 許 さ る 。 然 る に、 註 繹 の 諸 語 は 複 合 詞 を 首 と し て 意 味 を 解 せ る 故 に、 ︹ 先 づ ︺、 複 合 詞 を 繹 せ ん た め に 日 ふ 。 ︹ 即 ち ︺、 不 可 知 な る 執 受 の 了 別 と 不 可 知 な る 虜 の 了 別 と を 有 す る 彼 阿 頼 耶 識 が ﹁ 不 可 知 な る、 執 受 と 麗 の 了 別 と を 有 す ﹂ と 許 容 す る の で あ る 。 ﹁ 庭 の 了 別 ﹂ と は、 麗 の 行 相 及 び 虐 乏 し て の 顯 現 に 至 る ま で を 意 味 す る 。 註 不 可 知 に つ い て、 成 唯 識 論 で は、 執 受 と 慮 と 了 と の 三 語 に か け、 ﹁ 不 可 知 者、 謂 此 行 相 極 微 細 故 難 レ 可 二 了 知 二。 或 此 所 縁 内 執 受 境 亦 微 細 故、 ︹ 或 此 所 縁 ︺ 外 器 世 間 量 難 測 故、 名 二 不 可 知 一﹂ (巻 第 二、 三 五 頁 ) と 繹 し て ゐ る 。 從 つ て、 偶 は ﹁ 不 可 知 ノ 執 受 ト ︹不 ト ナ リ 可 知 ノ ︺ 庭 ト ︹ 不 可 知 ノ ︺ 了 ﹂ と 讃 む ぺ き で あ ら う が、 梵 文 に 依 れ ト ナ リ ば、 こ の 偶 は、 ﹁ 不 可 知 ノ 執 受 ト ︹ 不 可 知 ノ ︺ 塵 ノ 了 ﹂ と 讃 む ぺ き で あ る 。 ︹ 二、 B、 c、 論 日 ︺、 そ の 中、 ︹ 偶 に 云 ふ ︺ 湛 波 提 (upadi 執 受 ) 乏 は 涯 波 陀 那 (upadana 執 受 ) で あ る 。 彼 は 復 た、 我 等 安 慧 造 唯 識 三 十 碩 程 ・ 調 伏 天 造 唯 識 三 十 碩 繹 疏
-59-密 教 文 化 の 分 別 の 脅 氣 と 色 等 の 法 の 分 別 の 脅 氣 と で あ る 。 彼 が 有 る 故 に 、 阿 頼 耶 識 に よ り て 、 我 等 の 分 別 と 色 等 の 分 別 と が 、 果 と し て 執 受 せ ら る る 故 に 、 我 等 の 分 別 と 色 等 の 分 別 ど の か の 脅 氣 が 執 受 と 稽 せ ら る 。 彼 は 此 虐 に 於 い て は 是 な り と 、 明 晰 に 畳 受 ぜ ら る る 相 に て 知 ら れ な い 故 に 、 ﹁ 彼 は 不 可 知 の 執 受 を 有 す ﹂ と 稻 せ ら れ る 。 (1) ︹ 繹 日 ︺ 、 執 受 と は 何 か 、 と 思 ふ も の に 封 し て ﹁ そ の 中 、 湛 波 提 ( 執 受 ) と は 漉 波 陀 那 ( 執 受 ) で あ る と い ふ 。 ︹ 先 に ︺ 内 の 執 受 (adhyatmanm upadanam) と 読 か れ た る も の が 、 即 ち 、 ︹ 偶 に 於 い て は ︺ 執 受 (upadi) 語 に て 読 懸 れ て ゐ る 、 と い ふ 意 味 で あ る 。 ま さ に 、 そ の こ と を 論 か ん た め に 、 ﹁ 彼 は 復 た 、 我 等 の 分 別 の 脅 氣 ﹂ 云 汝 と い ふ 。 我 等 を 分 別 す る に よ り て 置 か れ た 脅 氣 と 色 等 の 諸 法 を 分 別 す る に よ り て 置 か れ た 脅 氣 と が 、 叢 に 執 受 と 稽 せ ら る 。 何 故 に 、 か の 脅 氣 が 執 受 と 稻 せ ら る る か 、 と い へ ば 、 そ れ ゆ ゑ 、 ﹁ 彼 が 有 る 故 に ﹂ 云 々 と い ふ 。 謂 く 、 か く の 如 き 相 の 脅 氣 が 有 る 故 に 、 阿 頼 耶 識 に よ り て 、 我 等 の 分 剥 と 色 等 の 法 の 分 別 と が 、 果 と し て 執 受 せ ら る る 故 に 、 そ れ ら 我 等 の 分 別 と 色 等 の 法 の 分 別 と の 彼 脅 氣 が 、 執 受 と 稽 せ ら る 。 乃 ち 、 こ の 語 の 意 味 は 次 の 如 く な る 。 即 ち 、 彼 有 る と き 、 所 読 の 如 き 果 を 執 受 す ゐ 故 に 、 脅 氣 を 執 受 と 稻 す る と 。 (2) 執 受 を 読 き 已 つ て 、 阿 頼 耶 識 の 執 受 が 不 可 知 な る 様 態 を 読 か ん た め に 、 ﹁ 彼 は 此 威 に 於 い て は 是 な り と 明 晰 に 萱 受 せ ら る る 相 に て 知 ら れ な い 故 に ﹂ 云 汝 と い ふ。 執 受 と 読 け る 彼 は 、 阿 頼 耶 識 に よ り て 、 此 威 に 於 い て は 是 な り と 自 畳 (2) (2) せ ら る る 相 に 亡 知 ら れ な い 故 に 、 彼 阿 頼 耶 識 は 不 可 知 な る 執 受 を 有 す 、 と 稻 せ ら る 。 註 (1) 鼓 に 引 用 す る 安 慧 繹 の 本 文 は ﹁len pa de ni﹂ で あ る が 、 今 は 梵 文 に 從 つ て 課 し た 。 ( 四 七 頁 初 行 ) 。 (2) 何 れ も 北 京 ・ ナ ル タ ン 版 に よ る ( 四 七 頁 、 終 行 ・ 四 八 頁 三 行 ) 。 ︹ 二 、 B 、d 、 論 日 ︺ 、 或 は 叉 、 所 依 を 執 受 す る 故 に 執 受 で あ る 。 所 依 と は 身 で あ る 。 彼 は ま た 有 所 依 の 根 の 色 と 名 と で あ る 。 更 に 、 彼 の 執 受 な る も の 、 即 ち 、 接 近 は 、 合 し て 一 と な つ て 矧 穏 な る 故 に 、 是 れ 執 受 で あ る 。 (1) そ の 中 、 欲 色 二 界 に 於 い て は 名 と 色 と の 二 の 執 受 が あ る 。 然 る に 、 色 の 貧 を 離 れ て ゐ る 故 に 、 無 色 界 に 於 い て は 、 色 の 異 熟 は 現 成 し な い 。 そ れ ゆ ゑ 、 名 の み の 執 受 が あ る 。 然 し 、 彼 虜 に 於 い て は 、 色 は 唯 だ 脅 氣 の 分 位 の み に し て 異 熟 の 分 位 で は な い 。 か の 執 受 も 亦 、 是 な り と 明 晰 に 畳 受 す る 能 は ざ る 故 に 、 不 可 知 と 稻 せ ら る。 ︹ 繹 日 冒 、 第 二 の 執 受 の 義 を 執 受 に 關 係 づ け ん た め に 、 ﹁ 或 は 又 、 所 依 を 執 受 す る 故 に 執 受 で あ る ﹂ と い ふ 。 所 依 を も 執 受 す る 故 に 執 受 と 稻 せ ら る 。 所 依 と は 何 か 、 と 思 ふ も の
に 野 し て、 ﹁ 所 依 と は 身 で あ る ﹂ と い ふ 。 身 が 即 ち 所 依 で あ る、 と 読 く の で あ る 。 彼 所 依、 は ま た 有 所 依 の 根 の 色 と 名 と で あ る、 と 知 る べ 'き で あ る 。 そ れ ゆ ゑ、 五 慈 が 所 依 で あ る、 乏 読 か れ て ゐ る 。 如 何 檬 に 所 依 を 執 受 す る か、 と 思 ふ (2) も の に 封 し て、 ﹁ 更 に、 彼 の 執 受 な る も の、 即 ち、 接 近 は ﹂ 云 み と い ふ 。 彼 所 依 の 執 受 な る も の、 即 ち、 接 近 は、 合 し て 一 と な つ て 安 穏 な る 故 に、 是 れ 執 受 で あ る 。 執 受 が 接 近 と い ふ 語 で 読 か れ て ゐ る 。 執 受 と 接 近 と、 生 起 と は 同 義 異 語 に 爵 す る か ら で あ る 。 乃 ち、 こ の 語 の 意 味 は 次 の 如 く な る 。 即 ち、 五 慈 が 合 し て 一 と な つ て 安 穏 な る 故 に、 執 受 し て 接 近 し、 生 起 す る の で あ る と 。 界 の 差 別 に よ り て 所 依 の 執 受 異 な ゐ こ と を 読 か ん た め に、 ﹁ そ の 中、 欲 色 二 界 に 於 い て は 名 と 色 と の 二 の 執 受 が あ る、 ﹂ 云 々 と い ふ 。 欲 色 二 界 に 於 い て は、 名 と 色 と の 二 は 合 し て 一 と な つ て 安 穏 な る 故 に 接 近 す る 。 彼 虜 に 於 炉 て は、 名 と 色 と は、 束 盧 の 如 く、 相 互 に 依 つ て 生 起 す る か ら で あ る 。 色 の 貧 を 離 れ て ゐ る 故 に、 無 色 界 に 於 い て は、 色 (3) の 異 熟 は 現 成 し な い 。 そ れ ゆ ゑ、 彼 威 に 於 い て は、 名 な る 四 薙 が 相 互 に 合 し て 一 と な つ て 安 穏 な る 故 に 接 近 す る の で あ る 。 彼 虜 に 於 い て は、 色 は 一 切 威 に 一 切 無 な る の で は な く、 唯 だ 脅 氣 の 分 位 の み で あ つ て 異 熟 色 の 分 位 で は な い 。 か く の 如 く 所 依 の 執 受 を 繹 し 已 つ て、 そ の ︹ 執 受 ︺ の 不 可 知 な る こ と を 読 か ん た め に、 ﹁ か の 執 受 も 亦、 是 な か と 明 晰 に 毘 受 ず る 能 は ざ る 故 に ﹂ 云 々 と い ふ 。 彼 所 依 の 執 受 (4) は 是 な り と 知 る 能 は ざ る 故 に、 不 可 知 と 稻 せ ら る。 ﹁ 是 な り ﹂ と は、 自 己 を 把 握 す る 如 く ︹ 明 確 に 知 る こ と で ︺ あ る 。 註 (1) こ の 繹 は、 先 に 研 用 せ る 喩 伽 論 に、 ﹁ 此 於 二 有 色 界 一。 若 在 一 無 色 二 唯 有 幽一脅 氣 執 受 一了 別 ﹂ と あ る 文 た 一 致 す る 。 (2) デ リ ゲ 版 は
﹁dehi phyir bar len pa﹂と
す れ ど 北 京 ・ ナ ル タ ン 版 に
﹁dehi ne bar len pa﹁
と あ る に 依 る 。 ( 四 八 頁 十 行 ) 。 (3) 本 文 に は
﹁dehi phyiir ni﹂と
あ れ ど、 今 は ﹁dephyir de na﹂と し て 課 す (四 九 頁 七 行 ) (4) 北 京 ・ ナ ル タ ン 版 に 隷 る (四 九 頁 終 三 行 ) 。 ︹ 二、 C、 論 日 ︺ 麗 の 了 別 と は 器 世 間 虜 の 了 別 で あ る。 彼 も 亦 所 縁 ・ 行 相 不 可 知 な る も の と し て 起 る 故 に、 不 可 知 と 稻 せ ら る。 (1) ︹ 繹 日 ︺、 不 可 知 の 執 受 を 繹 し 已 つ て、 虚 の 了 別 を 繹 せ ん た め に ﹁ 庭 の 了 別 と は ﹂ 云 汝 と い ふ 。 器 世 間 虐 の 了 別 が、 (1) 藪 に は 麗 の 了 別 と 稽 せ ら る。 そ れ の 不 可 ,知 を 読 か ん た め に ﹁ 彼 も 亦 所 縁 行 相 不 可 知 な る も の と し て 起 る 故 に ﹂ 云 々 と い ふ 。 虜 の 了 別 と 読 け る も の も 亦 所 縁 行 相 不 可 知 な る も の 安 慧 造 唯 識 三 十 類 糧 ・ 調 伏 天 造 唯 識 三 十 類 縄 疏
-61-密 教 文 化 (1) と し て 起 る 故 に 、 不 可 知 と 稽 せ ら る 。 註(1) 何 れ も 北 京 ・ ナ ル タ ン 版 に 隷 る ( 四 九 頁 絡 二 行 、 五 十 頁 、 二 ・ 五 行 ) 。 ︹ 二 、 D 、 論 日 ︺ 如 何 に し て 識 は 所 緑 行 相 不 可 知 で あ ら う か 、 と い へ ば 、 ︹ 曰 く ︺ こ の こ と ば 、 他 の 諸 識 論 者 の 滅 壷 定 等 の 場 合 と 同 じ で あ る 。 而 し て 、 滅 書 定 等 の 場 合 に は 、 識 は 決 し て 無 で あ る と は 信 す る こ と が 出 來 な い 。 理 と 相 違 し 経 と 相 違 す る か ち で あ る 。 ︹ 繹 日 ︺ 復 た 経 量 部 師 は 徴 難 せ ん た め に 、 ﹁ 如 何 に し て 識 は 所 縁 行 相 不 可 知 で あ ら う か ﹂ と い ふ 。 所 縁 行 相 の 不 可 知 な る 識 を 誰 が 信 じ よ う や 。 何 と な れ ば 、 識 は 一 切 時 に 境 の 形 相 の 体 と し て 起 る 故 に 、 彼 ︹ 識 ︺ は 自 誰 の 自 体 で あ る べ (1) き 筈 で あ る の に 、 今 如 何 に し て 彼 ︹ 識 ︺ の 所 縁 行 相 が 不 可 知 で あ ら う か ︹ と 徴 難 す る ︺ 。 成 究 寛 論 者 は 置 等 し と 成 ぜ ん た め に 、 ﹁ こ の こ と 肉 他 の 諸 識 論 者 の ﹂ 云 々 と い ふ 。 六 識 の み を 許 し 、 阿 頼 耶 識 を 許 (2) 容 し な い 、 他 の 識 論 者 経 量 部 等 の 滅 墨 定 等 の 場 合 ど こ の 難 は 等 し い 。 滅 蓋 定 ・ 無 想 定 等 の 場 合 に は 、 意 識 は 所 縁 行 相 如 何 に し て 不 明 瞭 で あ ら う か 。 若 し 余 他 の 人 汝 が 、 爾 時 に は 別 な 識 な し 、 と 云 は ば 、 そ れ ゆ ゑ 、 ﹁ 滅 書 定 等 の 場 合 に は ﹂ 云 々 と い ふ 。 ︹ 即 ち 、 ︺ 滅 書 定 等 の 場 合 に は 、 識 は 決 し て 無 で あ る と は 信 す る こ と が 出 來 な い 、 と い ふ 。 何 故 に 信 す る こ と が 出 來 な い か 、 ど 思 ふ も の に 封 し て 、 ﹁ 理 と 相 違 し 経 と 相 違 す る か ら で あ る ﹂ と い ふ 。 若 し 、 そ の 場 合 、 識 が 一 切 虜 に 一 切 無 と な る と す れ ば 、 爾 ら ば 、 定 よ り 起 て る と き 、 ︹ 識 は ︺ 何 よ り 生 起 す る で あ ら う か 。 ︹ 有 根 身 よ り 生 起 す る と せ ば 、 ︺ 有 根 身 は 等 類 で な い 故 に 種 子 で は な い 。 種 子 な く し て 生 起 す る は 不 合 理 で あ る 。 こ れ が 理 で あ る 。 法 與 経 と も 相 違 す 。 彼 ︹ 脛 ︺ 中 に は 、 ﹃ 識 は 身 よ り 出 で す ﹄ と 読 く か ち で あ る 。 註 成 唯 識 論 に も ﹁ 云 何 是 識 取 二 所 縁 境 一行 相 難 ﹂ 知 。 如 二 滅 定 中 不 レ 離 レ 身 識 二。 磨 二 信 爲 一 レ 有 。 然 必 臆 レ 許 二 滅 定 有 一 レ識。 有 情 癬 散。 如 二 知 心 時 一。 無 想 等 位 當 レ 知 亦 爾 ﹂ (巻 第 二 、 三 五 頁 ) と て 、 同 じ 問 答 を 畢 げ て ゐ る 。 然 し 、 述 記 に は こ の 難 者 を 経 部 等 ・ 薩 娑 多 等 と な す に 封 し て 、 調 伏 天 は 輩 に 経 部 と な す 相 建 が あ る 。 ︹ 三 、 A 、論 日 ︺ ﹁ そ の 中 、 阿 頼 耶 と 名 づ け ら る る 識 は ﹂ と ︹ 第 二 頚 に ︺ 読 い た 。 而 し て 、 識 は 必 す 諸 心 所 と 相 懸 す る 故 に 、 彼 ︹ 識 ︺ は 如 何 な る 、 及 び 、 幾 何 の 、 心 所 と 相 慮 す る か 、
を 読 か な け れ ぼ な ら ぬ 。 同 檬 に 、 彼 等 ︹ 心 所 ︺ と 一 切 時 に 相 癒 す る か 、 否 か ︹ を も 読 か な け れ ば な ら ぬ 。 ︺ そ れ ゆ ゑ 、 常 に 鯛 作 意 受 想 思 と 倶 な り ( 第 三 碩 c-d ) と い ふ 。 舶 常 に ﹂ と は 、 阿 頼 耶 識 の 存 す る 限 り 鰯 作 意 受 想 思 と 名 づ け ら る る こ れ ら 五 遍 行 法 と 倶 で あ る 。 ︹ 偶 に 云 ふ ︺ 微 多 (vit 受 ) と は 吠 陀 那 (vedana 受) で あ る 。 ︹ 繹 日 ︺ 偶 ︹ を 導 く ︺ 根 擦 を 學 げ ん た め に 、 ﹁ そ の 中 、 阿 頼 耶 と 名 づ け ら る る 識 は と ︹ 第 二 頚 に ︺ 読 け る ﹂ 云 麦 と い ふ 。 そ れ は 理 解 し 易 い 故 に 繹 せ す 。 か く の 如 く 、 数 を 問 ひ 時 聞 を 問 ふ 故 に 、 ﹁ 常 に 燭 作 意 ﹂ 云 汝 と い ふ 。 そ の ﹁ 常 に ﹂ と い ふ を ま さ に 解 繹 せ ん た め に ﹁ 常 に と は ﹂ 云 汝 と い ふ。 阿 頼 耶 識 の 存 す る 限 り 鰯 等 の こ れ ら 五 遍 行 法 と 相 憲 す る 。 ︹ 偏 に 云 ふ ︺ 微 多 (vit 受 ) な る 語 を 成 立 せ ん た め に 、 ﹁ 微 多 と は 吠 陀 那 で あ る ﹂ と い ふ 。 微 多 な る 語 は 践 に は 吠 陀 那 を 謂 ふ 、 と 読 く 意 趣 で あ る。 註 記 相 磨 の 義 に 關 し 、 成 唯 識 論 に は ﹁ 此 鯛 等 五 與 二 異 熟 識 一 行 相 錐 レ 異 而 時 。 依 ・ 同 、 所 縁 事 等 。 故 名 二 相 磨 一 ( 巻 第 三 、 四 頁 ) と あ る 。 こ こ の 安 慧 繹 に は こ れ に 相 雷 す る 文 な き も 、 中 邊 分 別 論 繹 疏 に は ﹁ 又 か く の 如 ぐ こ れ ら ( 心 所 ) は 所 依 と 所 縁 と 時 と 事 そ の 平 等 に ょ り て 相 慮 義 な れ` ど も 、 行 相 平 等 に ょ り て ︹相 庶 義 あ る ︺ に は あ ら ず ﹂ ( 山 口 釜 課 註 五 〇 頁 ) と あ る 。 ︹ 三 、 B 、 a 、 論 日 ︺ そ の 中 、 鰯 と は 、 三 者 の 和 合 に よ り て (1) 根 の 攣 異 を 分 別 す る こ と が あ る 。 受 の 所 依 と な る 業 を 有 す 。 根 境 識 の 三 が 即 ち 三 者 で あ る 。 彼 ︹ 三 者 ︺ が 因 と 果 と の 体 と し て 倶 在 す ち の が 、 三 者 の 和 合 で あ る 。 彼 ︹ 三 者 の 和 合 ︺ が 有 る と き 、 彼 と 同 時 に 樂 苦 等 の 受 に 随 順 す る 根 の 攣 異 が あ つ て 、 そ れ ︹ 攣 異 ︺ に 似 て 樂 等 と し て 受 用 せ ら る べ き 境 の 行 相 を 分 別 す る の が 、 鯛 で あ る 。 ま た 、 根 が 或 る 差 別 に よ り て 樂 苦 等 の 因 性 と な る 如 き 彼 ︹ 差 別 ︺ が 、 彼 ︹ 根 ︺ の 攣 異 で あ る 。 ま た 、 鰯 が 根 の 攣 異 に 似 る に よ り て 根 に 鰯 れ 、 或 は 、 根 に よ り て 鰯 れ ら る 。 故 に 、 燭 止 稻 せ ら る 。 そ れ ゆ ゑ 、 境 の 攣 異 を 分 別 す る を 本 性 と す る も の で あ る け れ ど も 、 根 の 攣 異 を 分 別 す る と 読 か れ た の で あ る 。 こ れ の 業 は 受 の 所 依 た る こ と で あ る 。 所 以 は 、 経 中 に も 、 ﹁ 樂 を 受 用 す べ き 燭 に 依 り て 樂 受 生 す ﹂ と か く の 如 く 廣 く 読 か れ て ゐ る か ら で あ る。 ︹ 繹 目 ︺ 鯛 と は 何 か 、 と 思 ふ も の に 野 し て 、 ﹁ そ の 中 、 燭 と は ﹂ 云 々 と い ふ 。 根 境 識 の 三 が 和 合 す る に よ り て 根 の 攣 異 を 分 別 す る も の が 、 鰯 と 稽 せ ち る 。 こ れ の 作 用 を 読 か ん (2) た め に 、 ﹁ 受 の 所 依 と な る 業 を 有 す ﹂ と い ふ 。 燭 は 受 の 所 依 の 体 と な る 。 こ れ が こ の ︹ 濁 ︺ の 業 で あ る 。 こ れ ら の 三 者 は 何 か 、 と 思 ふ も の に 封 し て 、 ﹁ 根 境 識 の 三 が 即 ち 三 者 で あ る ﹂ と い ふ 。 そ の 意 味 は 既 に 読 き 已 つ た 。 和 合 と は 何 安 慧 造 唯 識 三 十 願 繹 ・ 調 伏 天 造 唯 識 三 十 類 繹 疏
密 教 文 化 (3) か 、 と 思 ふ も の に 封 し て 、 ﹁ 因 と 果 と の 体 と し て 倶 在 す る (3) の が ﹂ 云 々 と い ふ。 根 等 の 彼 三 者 が 因 と 果 と し て 倶 在 す る の が 、 三 者 の 和 合 で あ る 。 濁 は 如 何 に し て 生 起 す る か を 読 か ん た め に 、 ﹁ 彼 が 有 る と き ﹂ 云 々 と い ふ 。 彼 三 者 の 和 合 が 有 る と き 、 彼 と 全 く 同 時 に 生 起 す る 樂 等 の 受 に 随 順 す る 根 の 攣 異 な る も の に 似 て 樂 等 と し て 受 用 せ ら る べ き 境 の 攣 異 ︹ 即 ち ︺ 樂 等 と し て 受 用 せ ら る べ を 行 相 を 分 別 す る も の が 鯛 で あ る 。 ﹁ 樂 等 と し て 受 用 せ ら る べ き ﹂ と い ふ の は 、 樂 等 の 受 の 生 起 に 随 順 す る 、 と い ふ 意 味 で あ る 。 根 の 攣 異 と は 何 か 、 と 思 ふ も の に 野 し て 、 ﹁ ま た 根 が 或 る 差 別 に よ り て ﹂ 云 々 と い ふ 。 根 が 或 る 差 別 と 相 鷹 す る と き 、 ︹ 根 が ︺ 樂 等 の 因 性 と な る 如 き 彼 ︹ 差 別 ︺ が 、 彼 ︹ 根 ︺ の 攣 異 と 稻 せ ら る。 何 故 に こ れ が 鰯 で あ る か 、 と 思 ふ も の に 封 し て 、 ﹁ ま た 燭 が ﹂ 一無 帰 と い ふ 。 謂 く 、 こ の 鰯 が 根 の 愛 異 に 似 る に よ り て 根 に 濁 れ 、 或 は 彼 根 に 似 る 攣 異 に な り て 鯛 れ ら る 。 そ れ ゆ ゑ 、 濁 と 稻 せ ら る 。 ﹁ 根 の 痩 異 に 似 る に よ り て 根 に 燭 れ る ﹂ と い ふ の な 、 根 が 樂 等 の 生 起 に 随 順 す る と 全 く 同 檬 に 燭 も 亦 樂 等 の 生 起 に 随 順 す る と い ふ の で あ る 。 そ れ ゆ ゑ 、 攣 異 に 似 る に よ り て 相 互 に 燭 者 と 等 し い の で あ る 。 鰯 は 樂 等 と し て 受 用 せ ら る べ き 境 の 攣 異 を 分 別 す る 。 そ れ を 了 得 す る か ら で あ る 。 ︹ 然 る に ︺ 、 根 の 攣 異 は 、 そ れ を 了 得 せ ざ る 故 に 、 分 別 せ ら れ す 、 と 考 へ ら る る と き 、 彼 鰯 は 根 の 攣 異 を 分 別 す 、 と 云 は ん と し て 云 は る る か 、 と い へ ば 、 ﹁ そ れ ゆ ゑ 、 境 の 攣 異 を 分 別 す る を 本 性 と す る も の で あ る け れ ど も ﹂ 云 々 と い ふ 。 謂 く 、 ︹ 根 の ︺ 憂 異 に 似 る に よ り て 根 に 燭 れ 、 或 は 、 彼 ︹ 根 ︺ に よ り て 燭 れ ら れ る も の で あ る 故 に 、 境 の 攣 異 を 分 別 す る を 本 性 と す る も の で あ る け れ ど も 、 彼 ︹ 濁 ︺ ば 根 の 痩 異 を 分 別 す る と 読 く の で あ る 。 か く の 如 く 濁 の 自 体 を 読 き 巳 つ て 、 作 用 を 読 か ん た め に 、 ﹁ こ れ の 業 は 受 の 所 依 た る こ と で あ る ﹂ と い ふ 。 そ の 意 味 は 既 に 読 き 己 つ た。 彼 業 を ま た 経 に よ り て 読 か ん た め に 、 ﹁ か く の 如 く 経 中 、に も ﹂ 云 汝 と い ふ 。 経 中 に 、 ﹁ 樂 を 受 用 す べ き 鯛 は 樂 受 の 生 起 す る 因 な り ﹂ と 読 か れ て ゐ る 。 そ れ ゆ ゑ 、 こ れ の 業 は 受 の 所 依 で あ る 。 理 解 し 易 か ら し め ん た め に 、 諸 心 斯 の 業 を 読 く 耀 で あ る 。 所 以 は 、 こ れ ち の 業 を 読 く と ぎ に は 、 各 別 に 決 定 せ る 性 を 容 易 に 解 了 し 得 る か ら で あ る 。 註 (1) 成 唯 識 論 で は ﹁ 受 ・ 想 ・ 思 等 所 依 爲 業 ﹂ を 正 義 と な し 、 ﹁ 集 論 等 高読 レ爲 ご 受 依 一者 、 以 二 鯛 生 レ、受 近 而 勝 二 故 、 謂 鯛 所 取 可 意 等 相 與 二 受 所 取 順 益 等 相 一極 相 隣 近 ・ 引 獲 勝 故 ﹂ と て 、 集 論 の 読 を 會 通 し て ゐ る が 、 安 慧 糧 は こ の 集 論 の 説 と 一 致 す 。 (2) 本 文 の ﹁rig pa﹂は ﹁reg pa﹂ の 誤 り ( 五 二 頁 十 行 ) (3) 本 文 に ﹁
snam gnas pa﹂及
び
﹁
snam gna pa﹂と
あ る は 、 何 れ も
﹁dus mnam du﹂の
誤 り (五 二 頁 終 行 ・ 吾 責 初 行 ) 。
︹ 三、 B、 b、 論 日 ︺ 作 意 と は 心 の 韓 向 で あ る 。 韓 向 す る 作 具 が 轄 向 で あ る 。 所 縁 に 心 を 現 向 せ し む る 所 以 の も の で あ る 。 彼 は ま た 所 縁 に 心 を 執 持 す る 業 を 有 す 。 心 の 執 持 と は、 ま た か の 同 じ 所 縁 に 心 を し ば く 傾 け る こ と で あ る 。 而 し て、 彼 業 は 心 が 椙 績 し て 所 縁 を 決 定 す る こ と に ょ り て 特 殊 と な れ る 作 意 に 關 し て 読 か れ た の で あ る が、 心 の 各 刹 那 に 於 け る も の で は な い 。 何 と な れ ば、 彼 は、 各 刹 那 に 業 を 作 す け れ ど も 他 刹 那 に は 作 さ な い か ら で あ る 。 ︹ 繹 日 ︺ 第 二 の 心 所 を 解 繹 せ ん た め に、 ﹁ 作 意 と は 心 の 韓 向 で あ る ﹂ と い ふ 。 ま さ に そ の こ と を 解 繹 せ ん た め に、 ﹁ 韓 向 す る 作 具 が 韓 向 で あ る ﹂ と い ふ 。 韓 向 す る 作 具 が 韓 向 で あ る、 と い ふ に よ り て 訓 繹 を 読 く 。 所 縁 に 心 を 現 向 せ し む る 所 以 の も の が、 作 意 と 稻 せ ら る 。 執 持 せ ん 辿 欲 す る 境 に 心 を 傾 け し む る 所 以 の も の、 と い ふ 意 味 で あ る 。 彼 ︹ 作 意 ︺ の 作 用 を 読 か ん た め に、 ﹁ 彼 は ま た 所 縁 に 心 を 執 持 す る 業 を 有 す ﹂ と い ふ 。 是 の 業 は 所 縁 に 心 を 執 持 す る こ と で あ る 。 如 何 様 に 執 持 す る か、 と 思 ふ も の に 封 し て、 ﹁ 心 の 執 持 と は ﹂ 云 汝 と い ふ 。 熱 望 す る 所 縁 に の み 心 を し ば く 傾 け る の が 執 持 で あ る 。 そ れ は、 一 切 の 作 意 の 業 で あ る か、 或 は 又、 或 る 作 意 の 業 で あ る か、 と い へ ば、 そ れ ゆ ゑ ﹁ 而 し て、 彼 等 は ﹂ 云 と 々 い ふ 。 一 つ の 所 縁 に 心 が 相 纏 し て 決 定 せ る 相、 こ れ を 業 と 読 く 。 ︹ 即 ち ︺ 彼 ︹ 業 ︺ 依 特 殊 の 作 意 に 關 し て 読 い た の で あ る が、 ︹ 今 の 場 合 の ︺ 彼 ︹ 業 ︺ は 心 の 各 刹 那 に 於 い て 韓 向 せ る も の で は な い。 彼 ︹ 作 意 ︺ は ︹ 一 般 的 に ︺ 心 の 一 刹 那 に 於 い て の み 業 を 作 す け れ ど も、 他 刹 那 に 於 い て は 作 ざ な い か ら で あ る 。 ﹁ 特 殊 の 作 意 に 關 し て、 ﹂ 必 い ふ の は、 諸 静 慮 者 の 作 意 に 關 し て、 と い ふ 意 味 で あ る 。 註 調 伏 天 が ﹁ 特 殊 の 作 意 に 關 し て ﹂ と い ふ は、 諸 艀 慮 者 の 作 意 に 關 し て、 と い ふ 意 味 で あ る、 と 駐 す る に 依 つ て 知 ら る る 如 く、 こ こ の 安 慧 の 作 意 糧 は、 成 唯 識 論 に 於 い て ﹁ 不 レ異 レ 定 故 ﹂ と い ふ 理 由 で 破 せ ら れ て ゐ る、 雑 集 論、 或 は、 廣 五 苗 論 の 繹 に 同 ず る 。 而 し て、 了 義 燈 に は、 こ れ に 關 し て 次 の 如 く の べ て ゐ る 。 ﹁ 翼 集 亦 非 二 本 疏 所 説 二。 集 論 但 云、 持 レ 心 爲 レ 業 。 雑 集 稗 云 数 数 引 レ 心 。 是 引 (avarjanaa) 名 持 (dharana)、 非 二 佳 名 一 レ 持 。 既 云 二 敷 數 引 一 レ 心 。 與 二 此 論 一 同 。 故 不 レ慮 レ 破 。 今 謂 不 レ 酎 。 雑 集 云、 即 於 由叫 此 境、 数 数 引 レ 心、 是 故 心 得 り 定 者 名 レ 得 二 作 意 一。 本 疏 意 等、 但 以 下 論 言 中 即 於 二 此 境 二 歎 戴 引 レ 心 。 故 云 二 此 境 一、 即 是 一 境 。 歎 数 引 レ 心 散 。 於 二 一 境 一数 数 引 レ 心、 明 即 是 佳 。 不 レ爾 何 散 復 云 下 是 故 心 得 レ定 者 名 上 レ得 下 作 意 上 散 。 雑 集 意 明 二 此 作 意 持 レ 心 令 レ佳、 方 始 得 ニ レ 定 。 集 論 搬 レ 櫓 雑 糞 謂 爲 レ 鑑 レ 理、 故 今 論 破 。 (大 系 本 第 二、 一 九 〇 頁 ) 。 安 慧 造 唯 識 三 十 碩 稗 ・ 調 伏 天 造 唯 識 三 十 類 稗 疏
密 教 文 化 ︹ 三 B 、 c 、 論 日 ︺ 受 と は 領 納 を 自 性 と す る 。 彼 は ま た 、 適 悦 と 苦 痛 と そ の 爾 者 の 相 を 離 れ た る 、 と の 境 の 自 体 を 謹 知 す る 差 別 あ る に よ り て 樂 と 苦 と 非 苦 非 樂 と の 三 種 と な る 。 然 る (1) に 、 他 の 人 々 は か く の 如 く 考 ふ 。 諸 の 善 不 善 業 の 異 熟 果 を 、 こ れ に ょ り て 一 一 領 納 す る 故 に、 領 納 で あ る 。 そ の 中 、 樂 の 領 納 は 諸 善 業 の 異 熟 果 で あ る 。 苦 の 諸 不 善 ︹ 業 の 異 熟 果 ︺ で あ り 、 非 苦 非 樂 の は ︹ 善 不 善 ︺ 雨 者 の ︹ 業 の 異 熟 果 ︺ で あ る 。 而 し て 藪 に は 、 阿 頼 耶 識 の み が 善 不 善 業 @ 異 熱 懸 あ る 。 ︹ 然 し ︺ 、 勝 義 と し て は 、 彼 ︹ 阿 頼 耶 識 ︺ と 相 鷹 す る 捨 ︹ 受 ︺ の み が 諸 善 不 善 業 の 異 熟 果 で あ る 。 然 る に 、 樂 と 苦 と は 善 不 善 業 の 異 熟 よ り 生 ぜ る も の で あ る 故 に 、 異 熟 と 假 読 す る の で あ る 。 そ の 中 、 樂 の 領 納 は 、 既 に 生 せ る と き に は 離 れ ん こ と を 欲 せ す 、 滅 せ る と き に は 再 び 和 合 せ ん と の 欲 が 生 す る 如 き も の で あ る 。 苦 の 領 納 は 、 既 に 生 ぜ る と き に は 離 れ ん こ と を 欲 し 、 滅 せ る と き に は 再 び 和 合 せ ん こ と を 欲 せ ざ る 如 き も の で あ る 、 非 苦 非 樂 の 領 納 は 、 生 せ る と き に も 滅 せ る と き に も ︹ 合 離 の ︺ 爾 方 ︹ の 欲 ︺ が 生 せ ざ る 如 き も の で あ る 。 ︹ 繹 日 ︺ 第 三 の 心 所 を 読 か ん た め に ﹁ 受 と は 領 納 を 自 性 と (2) (3) す る ﹂ と い ふ 。 可 意 な る 境 等 の 自 体 を 領 納 す る を 本 性 と す る も の が 、 受 で あ る 。 可 意 な る 境 等 を 領 納 す る 所 以 の も の が 受 で あ る 、 と い ふ 意 味 で あ る 。 こ れ の 差 別 を 読 か ん た め に 、 ﹁ 彼 は ま た 、 境 の 適 悦 ﹂ 云 々 と い ふ 。 謂 く 、 彼 ︹ 受 ︺ に よ り て 適 悦 と 苦 痛 と 雨 者 の 相 を 離 れ た 者 と の 境 の 自 体 を 謹 椥 す る 故 に 、 樂 等 の 差 別 に よ り て ︹ 受 は ︺ 三 種 と な る 。 こ の 同 じ こ と を 別 に 繹 せ ん た め に 、 ﹁ 然 る に 、 他 の 人 々 は か く の 如 く 考 ふ ﹂ 云 み と い ふ 。 或 者 は 、 善 不 善 業 の 異 熟 果 を 、 こ れ に よ り て 領 納 す る 故 に 領 納 で あ る 、 と 考 ふ 。 如 何 な る 業 に よ り て 如 何 な る 果 が あ 為 か 、 を 読 か ん 、た め に 、 ﹁ そ の 中 、 樂 の 領 納 は 諸 善 業 の 異 熟 果 で あ る ﹂ 云 々 と い ふ 。 ﹁ 善 不 善 爾 者 の 業 の 一 と い ふ の は 、 蕪 に は 劣 小 な る も の を 調 ふ 。 唯 だ 善 業 の み の 劣 小 な る りと き に 異 熟 は 罪 苦 非 樂 で あ る と 許 す 人 と の 本 典 の 如 く で あ る な ら ば 、 ﹁ 雨 者 の ﹂ と は 語 ら る べ き で は な い 。 余 他 は 理 解 し 易 き 故 に 繹 し な い 。 か く の 如 ぐ 、 こ れ ら 三 種 の 受 の 業 の 異 熟 の み を 読 い た の (4) で あ る 。 今 は 差 別 を 読 か ん た め に 、 ﹁ 而 し て 藪 に は 、 阿 頼 耶 識 の み が ﹂ 云 々 と い ふ 。 謂 く 、 阿 頼 耶 識 の み が 諸 善 不 善 業 の 異 熟 で あ る 。 そ れ ゆ ゑ 、 實 義 と し て は 、 阿 頼 耶 識 と 相 鷹 せ る 捨 ︹ 受 ︺ の み が 諸 善 不 善 業 の 異 熟 ﹁果 で あ る。 樂 と 苦 ︹ と の 受 ︺ は 善 不 善 業 の 異 熟 よ り 生 ぜ る も の で あ る 故 に 、 異 熟 と 假 読 す る。 樂 等 の 自 体 を 読 か ん た め に ﹁ そ の 中 、 樂 の 領 納 は ﹂ 云 々 と い ふ 。 或 る 受 の 生 ぜ る と き 、 離 れ ん と 願 は す 、 我 れ は こ れ と 如 何 に し て も 離 れ ざ ら ん こ と を 、 と 考 へ 、 ︹ そ れ が ︺ 滅 せ る と を しに は 、 和 合 せ ん と の 欲 生 じ 、 我 れ は こ れ の 再 び
生 ぜ ん こ と を、 と 考 へ る 如 き 領 納 が、 樂 と 稻 せ ら る 。 こ れ に 反 す る も の が 苦 の 領 納 で あ る、 と 知 る べ き で あ る 。 生 ぜ る と き で あ れ 滅 せ る と き で あ れ 何 れ の 場 合 で も、 離 れ ん と か 和 合 せ ん と か の 欲 の 生 じ な い も の が、 非 苦 非 樂 の 領 納 と 稻 せ ら る 。 註(1) こ の ﹁ 他 の 人 々 の 説 ﹂ と は、 所 謂 自 性 受 で あ つ て、 雑 集 論 の 文 と 噌 致 す。 即 ち、 ﹁ 問、 受 殖 何 相、 答、 領 納 相 是 受 相、 謂 由 受 故 領 納 種 種 漂 不 漂 業 所 得 異 熟 。﹂ 若 清 浮 業 受 樂 異 熟、 不 涛 漂 業 受 苦 異 熟、 浮 不 漂 業 受 不 苦 不 懸 異 熟 。 所 以 者 何 。 由 漂 不 浮 業 感 得 異 熟 阿 頼 耶 識、 恒 與 捨 受 相 慮、 唯 此 捨 受 是 實 異 熟 体 。 苦 樂 爾 受 從 異 熟 生 故 假 読 名 異 熟 ( 大 正 三 十 一、 六 九 五、 下 ) 。 (2) 西 藏 課 本 論 で は、 こ こ ま で を ﹁ 他 の 人 々 の 読 ﹂ と し て 課 し て ゐ る が、 雑 集 論 の 引 用 と す れ ば、 ﹁ 異 熟 と 假 説 す る の で あ る ﹂ と い ふ ま で を ﹁ 他 の 人 々 の 説 ﹂ と す べ き で あ ら う か 。 尤 も 雑 集 論 の 文 を 他 の 人 々 の 説 と し て 引 用 す る の ほ 妥 當 と は 思 は れ な い け れ ど も 。 (3) 北 京 ・ ナ ル タ ン 版 に よ り ﹁ran gi no bo﹂と し て 課 す ( 五 六 頁 六 行 ) 。 (4) 本 文 に は ﹁hdi ni﹂と あ れ ど ﹁ 督 象 円 巳 ﹂ と し て 課 す。 ︹ 三、 B、 d 論 日 ︺ 想 と は 境 の 相 を 執 持 す る こ と で あ る 。 境 と は 所 縁 で あ る 。 相 と は、 そ れ の 差 別 で あ る 青 黄 等 の 所 縁 を 限 定 す る 因 で あ る 。 そ れ を 執 持 す る と は、 こ れ は 青 に し て 黄 に あ ら す と 決 定 す る こ と で あ る。 ︹ 繹 臼 ︺ 第 四 の ゆ 所 を 読 か ん た め に ﹁ 想 と は 境 の 相 を 執 持 す る こ と で あ る ﹂ と い ふ 。 そ れ を ま さ に 解 繹 せ ん た め に、 ﹁ 境 と は 所 縁 で あ る ﹂ 云 々 と い ふ 。 所 縁 が 境 の 語 で 読 か れ て ゐ る 。 彼 境 の 差 別 が 相 の 語 で 読 か れ て ゐ る 。 青 黄 等 の 所 縁 を 限 定 す る 作 因 な る も の が 因 で、 あ る、 と い ふ 意 味 で あ る 。 こ れ は 青 に し て 黄 に あ ら す、 と か く の 如 き 相 を 決 定 す る こ と が、 ﹁ 彼 ︹ 境 ︺ の 相 を 執 持 す る こ と ﹂ で あ る 。 か く て 以 上 は 次 の 如 き 所 言 と な る 。 即 ち、 青 黄 等 を 限 定 す る 因 を 執 持 す る 所 以 の も の が 想 で あ る と 。 ︹ 三、 B、 e 論 日 ︺ 思 と は 心 を 造 作 し 意 を 騙 使 す る こ と で あ る 。 是 が 存 す る と き、 磁 石 の 力 に よ り て 鐵 が 動 く 如 く、 所 縁 に 封 し て 心 が 動 揺 す る の で あ る。 ︹ 繹 日 ︺ 第 五 の 心 所 を 読 か ん た め に、 ﹁ 思 と は 心 を 造 作 し ﹂ 云 々 と い ふ 。 心 に 於 い て 造 作 す る を 特 相 と す る 法 で あ り、 心 を 騒 使 す る を 自 性 と す 喝 も の が、 思 で あ る 。 ﹁ 造 作 す る ﹂ と ぼ、 爲 作 す る こ と で あ る 。 ﹁ 騙 使 す る ﹂ と は、 刺 戟 し、 爲 作 す る、 と い ふ に 至 る ま で を 意 味 す る 。 果 の 方 面 よ り こ の ︹ 思 ︺ の 自 体 を 読 か ん た め に、 ﹁ 是 存 す る と き ﹂ 云 々 と い ふ 。 例 へ ば、 磁 石 の 力 に よ り て 藪 が 動 く 如 く、 所 縁 に 心 安 慧 造 唯 識 三 十 碩 稗 ・ 調 伏 天 造 唯 識 三 十 類 繹 疏
密 教 文 化 、 を 騒 使 す る 根 擦 と な る 如 き も の が 、 思 と 稻 せ ら る 。 ﹁ 騒 使 す る ﹂ と は 、 震 動 す る こ と で あ る 。 か く て 以 上 は 次 の 如 き 所 言 と な る 。 即 ち 、 是 の 力 に よ り て 境 を 執 持 せ ん と の 心 の 爲 作 が 生 起 す る 。 こ れ が 即 ち 思 で あ る と 。 ︹ 四 、 論 日 ︺ 受 は 樂 と 苦 と 非 苦 非 樂 と の 三 種 で あ る 。 法 も 亦 善 と 不 善 と 有 覆 無 記 と 無 覆 無 記 と の 四 種 で あ る 。 そ の 中 、 阿 慣 耶 識 に 於 い て は 受 あ り と 総 じ て 読 け る の み な る に よ り て 、 三 種 の 受 中 の 何 受 な る か は 未 だ 知 ら れ な い 。 又 、 同 様 に 彼 は 善 か 不 善 か 有 覆 無 記 か 無 覆 無 記 か も 未 だ 知 ら れ な い 。 そ れ ゆ ゑ 、 彼 虚 に は 捨 受 あ り 、 ま た 彼 は 無 覆 無 記 な り (第 四 頒 a-b) と い ふ 。 ﹁ 彼 虜 に は ﹂ と は 、 阿 頼 耶 識 が ま ぎ に 主 題 で あ る 故 に そ れ に 結 び つ く 。 阿 頼 耶 識 に 於 け る 受 は 、 捨 の み に し て 樂 で も な く 苦 で も な い 。 そ れ ら 二 の 所 縁 行 相 は 知 ら れ た る も の (1) で あ る か ら で あ り 、 叉 貧 と 瞑 と に 随 壇 せ ら れ た る も の で あ る か ら で あ る 。 ﹁ ま た 彼 は 無 覆 無 記 な り ﹂ と い ふ の も 阿 頼 耶 識 と い ふ 主 題 下 に 置 か 惹 。 そ の 中 、 無 覆 と い ふ 語 は 有 覆 を 除 く た め で あ る 。 無 記 と い ふ 語 は 善 と 不 善 と を 除 く た め で あ る 。 意 地 に 爵 す る 、 客 な る 随 煩 拶 、 に よ り て 覆 は れ て ゐ な い 故 に 無 覆 で あ る 。 異 熱 性 で で あ る 故 に へ 異 熟 に 封 し て は 善 ・ 不 善 で あ る と し て 記 別 し な い 故 に 無 記 で あ る 。 塾 ︹ 繹 日 ︺ 偶 と 關 係 づ け ん た め に ﹁ 受 は 三 種 で あ る ﹂ 云 女 と い ふ 。 脛 中 に 、 ﹃ 受 は 三 種 な り ﹄ と 読 か れ て ゐ る の に 、 阿 (2) 頼 耶 識 に 於 い て は 受 あ り と 総 じ て 読 く ︹ の み で あ る ︺ 。 そ れ ゆ ゑ 、 彼 慮 に 於 け る 受 は 何 で あ る か も 未 だ 知 ら れ な い 。 同 檬 に 、 経 中 に ﹃ 善 等 の 差 別 に ょ り て 法 は 四 種 な り ﹄ と 読 か れ て ゐ る の に 、 阿 頼 耶 識 を 何 ︹ 法 ︺ に 囁 す る か も 未 だ 知 ら れ な い 。 そ れ ゆ ゑ ﹁ 彼 威 に 拡 捨 受 あ り ﹂ 云 々 と い ふ 。 ﹁ ﹁ 彼 盧 に は ﹂ と は 、 阿 頼 耶 識 が ﹂ 云 々 と い ふ が 、 そ れ は 理 解 し 易 き 故 に 繹 駅 な い 。 彼 阿 頼 耶 識 に は 、 唯 捨 受 の み が あ つ て 樂 ︹ 受 ︺ も な く 苦 ︹ 受 ︺ も な い 。 何 故 か 、 と 思 ふ も の に 封 し て 、 ﹁ そ れ ら 二 の 所 総 行 相 は 知 ら れ た る も の で あ る か ら で あ る ﹂ 之 払 ふ 。 謂 く 、 樂 ︹ 受 ︺ と わ 所 縁 行 相 は 明 瞭 で あ る 。 然 る に 阿 頼 耶 識 の 所 縁 行 相 は 不 明 瞭 で あ る と き 、 如 何 に し て そ れ ら 二 と 相 窓 し ょ う か 。 ﹁ 貧 と 瞑 と に 随 増 せ ら れ た る も の で あ る か ら で あ る ﹂ 、 と 主 張 す る 入 々 は 無 關 係 で あ る の に ︹ 而 か も ︺ 主 張 す る の で あ る 。 ︹ 謂 く ︺ 一 切 の 樂 (3) ︹ 受 ︺ と 苦 ︹ 受 ︺ と は ︹ 貧 と 瞑 と ︺ 相 懸 し な い 故 に 、 貧 と 瞑 と に 随 増 せ ら れ た る も の で は な い。 何 と な れ ば 、 ︹ 樂 受 に は ︺ 善 と 無 記 と 無 課 の 樂 ︹ 受 ︺ も あ り 、 同 檬 に 、 苦 ︹ 受 ︺ に も 善 と 無 記 と 邑︹ の 苦 受 ︺ も あ る 。 そ れ ら は 貧 と 瞑 と 相 慮
し な い の に 、 如 何 に し て そ れ ら 一 切 の 樂 ︹ 受 ︺ と は 貧 と 瞑 と に 随 増 せ ら れ た る も の で あ ら う か。 今 、 無 寵 性 を 読 か ん た め に 、 ﹁ ま た 彼 は 無 覆 無 記 な り ﹂ と い ふ 。 彼 阿 頼 耶 識 は 無 覆 無 記 で あ る と 理 解 す べ き で あ る 。 ﹁ 彼 ﹂ と い ふ の は 阿 頼 耶 識 に 結 び つ く 。 彼 が 主 題 で あ る か ら で あ る 。 ︹ 無 覆 と 無 記 と の ︺ 二 の 差 別 を 確 保 す る 敷 果 を 読 か ん た め に 、 ﹁ そ の 中 、 無 覆 と い ふ 語 は ﹂ 云 々 と い ふ 。 無 覆 と い ふ 語 に よ り て 有 覆 よ り 匪 別 し 、 無 記 と い ふ 語 に ょ り て 善 不 善 よ り 琶 別 す る の で あ る 。 謂 く 、 阿 頼 耶 識 は 善 で は な い 。 諸 断 善 根 者 に も 彼 ︹ 阿 頼 耶 識 ︺ は 有 る か ら で あ る 。 ︹ 而 か も ︺ 戴 に は 不 善 に も 囁 せ ら る べ き で は な い 。 何 と な れ ば 諸 不 善 法 は 無 覆 で は な い か ち で あ る 。 ︹ 爾 ら ば ︺ 、 こ れ は 何 故 に 無 覆 で あ る か 、 と 思 犠 も の に 封 し て 、 ﹁ 意 地 に 薦 す る ﹂ 云 々 と い ふ 。 謂 く 、 意 ︹ 地 ︺ の 客 な る 諸 随 煩 悩 に よ り て 覆 は れ な い 故 に 、 無 覆 と 繕 せ ら る 。 無 覆 と は 濁 す る も の と せ ら れ な い 、 或 は 、 包 蓋 さ れ な い 、 ︹ と い ふ 意 味 で あ る ︺ か ら で あ る 。 こ れ の 無 記 性 の 因 故 を 読 く 。 ﹁ 異 執 性 で あ る 故 に ﹂ 云 々 と い ふ 。 謂 く 、 こ の 阿 頼 耶 識 は 自 ら 異 熟 性 で あ る 。 そ れ ゆ ゑ 異 熟 は 無 記 で あ る 。 異 熟 よ り 別 な 異 熱 は 生 じ な い 故 に 無 記 と 稽 せ ら る 。 異 熟 性 で あ る 故 に 、 善 性 或 は 不 善 性 と し て 記 別 さ れ な い 。 そ れ ゆ ゑ 、 ま た 無 記 と 稻 せ ら る。 註(1)﹁raga-dvesanucayitatvat﹂な る 因 散 は 西 藏 課 に は 何 れ の 版 に も 峡 け て ゐ ゐ 。 こ れ は 、 調 伏 天 が 繹 す る 如 く 、 無 關 係 な る に 而 か も 因 故 と し て 用 ゐ た も の と 考 へ ら れ て 現 在 の 版 か ら 除 か れ た も の か と 思 は れ る。 尤 も 、 こ の 園 故 は 、 成 唯 識 論 に 於 い で 、 ﹁ 苦 樂 二 漁 是 異 熟 生 非 異 熟 。 待 二 現 縁 一散 非 二 此 相 慮 二﹂ と あ る 待 二 現 縁 一故 に 一 致 す る も の と 考 へ ら れ る け れ ど も 。 (2) 本 文 に は
﹁cihi spyir bcad﹂と
あ れ ど 、 ﹁ tshor spyi r bcad﹂と し て 課 し た 。 ( 五 九 頁 十 行 ) 。 (3) 本 文 に は ﹁ m
tshuns par ldan pas﹂と
あ れ ど 、 否 定 詞 を 入 れ な け れ ば 意 味 が 通 じ な い ( 六 十 頁 八 行 ) 。 ︹ 五 、 論 日 ︺ 鯛 等 も 亦 そ の 如 し (第 四 頬 c ) 阿 頼 耶 識 が 、 一 向 に 異 熟 で あ り 、 所 縁 行 相 不 可 知 で あ り 、 常 に 鰯 等 と 相 懸 し 、 彼 虜 に 於 い て は 受 は 捨 の み で あ り 、 無 覆 無 記 で あ る 如 く 、 燭 等 も 亦 一 向 に 異 熱 の み で あ り 、 所 縁 行 相 不 可 知 で あ り 、 自 身 を 除 い て 他 の 四 ︹ 心 所 ︺ と 阿 頼 耶 識 と に 常 に 随 の る 。 而 し て そ れ ら に 於 い て は 受 は 捨 の み で あ り 、 無 覆 無 記 な る こ ど も 阿 頼 耶 識 の 如 く で あ る 。 何 と な れ ば 、 異 熟 と 相 懸 せ る も の が 非 異 熟 性 た り 得 す 、 ま た 、 所 縁 行 相 不 可 知 な る も の ︹ と 相 慮 せ る も の ︺ が 所 縁 行 相 の 知 ら る る も の た り 得 ざ る が 故 で あ ゐ 。 他 威 に 於 い て も 亦 か く の 如 く 述 べ ら る べ き で あ る 。 安 慧 造 唯 識 三 十 碩 繹・ 調 伏 天 造 唯 識 三 十 類 繹 疏
密 教 文 化 ︹ 繹 日 ︺ 阿 頼 耶 識 に つ い て 考 察 せ る 限 り の 一 切 が 鯛 等 に つ い て も 亦 読 か れ ん た め に 、 ﹁ 燭 等 も 亦 そ の 如 し ﹂ と い ふ 。 そ の こ と を ま さ に 解 繹 せ ん た め に 、 ﹁ 阿 頼 耶 識 が 岱 一 向 に 異 熟 で あ り ﹂ 云 々 と い ふ 。 そ の 意 味 は 解 繹 し 已 つ た 。 鯛 等 に 結 び つ け ん た め に 、 ﹁ 燭 等 も 亦 ﹂ 云 々 と い ふ 。 そ の こ と も 亦 理 解 し 易 き 故 に 繹 し な い 。 何 故 に 燭 等 も 亦 阿 頼 耶 識 と 相 慮 す る か 、 と 思 ふ も の に 封 し て 、 ﹁ 何 と な れ ば 、 異 熟 と 相 慮 せ る も の が 非 異 熟 性 た り 得 す 、 ま た 、 所 縁 行 相 不 可 知 な る も の ︹ と 相 鷹 せ る も の ︺ が 所 縁 行 相 の 知 ら る る も の た り 得 ざ る が 故 で あ る ﹂ と い ふ 。 そ れ も 亦 理 解 し 易 き が 故 に 繹 し な い 。 ﹁ 他 慮 に 於 い て も 亦 か く の 如 く 述 べ ら る べ き で ' あ る ﹂ と い ふ 中 、 鯛 等 と 相 磨 せ る 阿 頼 耶 識 と 相 鷹 す る も の は 、 鯛 等 と 相 鷹 し な い こ と は な い 。 同 檬 に 、 捨 と 相 懸 せ る 阿 纒 耶 識 と 相 鷹 す る も の は 、 絵 他 の 受 と は 相 慮 し な い 。 何 と な れ ば 、 無 覆 無 記 な る 阿 頼 耶 識 と 相 癒 す る も の は 善 性 或 は 不 善 性 た り 得 な い か ら で あ る 。 註 成 唯 識 論 に は 、 三 性 と 五 門 と 六 門 乏 の 三 種 の 例 阿 義 を 學 げ て ゐ る 。 安 慧 は 五 門 を 以 て 例 同 じ て ゐ る が 、 そ の 五 門 の 内 容 は 成 唯 識 論 の そ れ と 異 な る 。 即 ち 、 成 唯 識 論 の 五 門 と は 一 異 熟 、 二 所 縁 行 相 倶 不 可 知 、 囲二 縁 三 種 境 、 四 五 法 相 慮 、 五 無 覆 無 記 で あ る が 、 述 記 に ﹁ 前 錐 三 巳 有 二 本 識 八 門 二 随 二 其 所 鷹 二故 但 有 レ 五 、 於 二 十 義 中 二 此 別 開 二 不 可 知 一爲 二 一 門 二。 然 但 有 レ 四 除 二 自 相 ト 一 切 種 ト 及 行 、 相 並 捨 受 倶 ﹂ ( 大 系 本 第 二 、 二 一 二 頁 ) と あ る か ら 、 第 二 は 輩 に 不 可 が 第 三 は 所 縁 が 例 同 さ れ る こ と に な る 。 こ の 第 三 の 所 縁 の 代 り に 、 安 慧 は 述 記 に 於 い て 除 か れ で ゐ る 捨 受 倶 を 例 同 し て ゐ る 。 ︹ 六 、 講 日 ︺ 復 た 、 彼 阿 頼 耶 識 は 、 同 一 に し て 輪 廻 の あ ら ん 限 り 異 な る こ と な く 随 韓 す る か 、 或 は 、 相 綾 し て 随 韓 す る か ︹ と い へ ば ︺ 彼 は 決 し て 同 一 に し て 異 な る こ と な く 随 輔 し な い 。 刹 那 性 で あ る か ら で あ る 。 爾 ら ば 如 何 。 而 し て 、 彼 は 流 れ そ 輻 ず 。 暴 流 の 如 し 。 (第 四 類 c-d) 而 し て 、 彼 と い ふ は 阿 頼 耶 識 の み と 結 び つ く 。 そ の 中 、 ﹁ 流 ﹂ と は 因 果 が 蘭 断 な く ︹ 相 績 し て ︺ 縛 す る こ と で あ る 。 水 (1) 聚 の 前 後 分 が 相 績 不 断 に 流 れ る の が 暴 流 と 稻 せ ら る 。 暴 流 が 草 や 木 片 や 牛 糞 等 を 蓮 び 去 る 如 く ふ 幅 非 幅 不 動 業 の 脅 氣 を 具 せ る 阿 頼 耶 識 も 亦 濁 作 意 等 を 囁 し て 輪 廻 の あ ら ん 限 り 相 績 不 断 に 流 れ て 韓 す る 。 ︹ 繹 日 ︺ 阿 頼 耶 識 が 常 な る か 無 常 な る か に 迷 ふ 故 に 、 或 者 は ﹁ 復 た 、 彼 阿 頼 耶 識 は ﹂ 云 々 と 問 ふ 。 ︹ 即 ち ︺ 鳴 呼 、 彼 阿 頼 耶 識 は 同 一 に し て 輪 廻 の 邊 際 に 至 る ま で 破 壌 せ ず し て 韓 す る か 、 或 は 叉 、 刹 那 露 縛 傳 來 の 相 練 に よ り て 韓 廻 の 存 す る 限 り 随 韓 す る か 、 と い ふ 。 成 究 寛 論 者 は 、 ﹁ 彼 は 決 し