特別支援学校教員におけるストレスとサポートに関する研究
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(2) 3.2 性別,教職年数,所属による検討. 可欠となってくることからだと考えられた。. 性別による広検定で有意に差のあった下位. 3.3 各尺度間の相関について. 尺度は,学校組織特性の「職場満足」(亡=. 学校組織特性,バーンアウト尺度,教師自己. ・2,158,ρ<.05),教師自己効力感の「教師. 効力感,ストレス要因の各尺度間の相関を調べ. の力量」(ち=・2,541,ρ〈.05)でいずれも女. たところ,「協働性」と「情緒的消耗感」に中. 性の得点が上回っていた。これは,女性の方. 程度の相関1r:一.421,ρ〈.001),「協働性」. が同僚などの職場環境に左右されやすいこと. と「個人的効力感」(r=.364,ρ〈.001)に弱い. を示していた。. 相関がみられた。「職場満足」と「情緒的消耗. 教職年数についての一元配置分散分析では,. 感」l r=一.482,ρ〈.001)に中程度の負の相関,. 有意に差のあった下位尺度は学校組織特性の. 「職場満足」と「達成感の後退」(r=一.527, ρ〈.00ユ)に中程度の負の相関,「職場満足」. 「職場満足」(ハ4,14。)=8,132,ρ<.01),バ. ーンアウトの「情緒的消耗感」(ハ4,148)=5,564,. と「教師の力量」(r二、405,ρ〈.001)に正の相. ρ〈.O1),「達成感の後退」(ハ4,148〕=4,905,. 関が見られた。. ρ<.05)であった。「職場満足」では,教職 年数31年以上のものが,1年∼5年(ρ<.01),. 4.総合考察と今後の課題. 6∼10年(ρく.01),11∼20年(ρく.01),. 本研究から,学校組織特性とバーンアウトや. 21∼30年(p<.05)と他のものとすべて. 教師自己効力感との間には関連が強い傾向に. 差が有意であり,いずれも31年以上の得点. あると考えられた。また先行研究と同様,教師. が他より有意に低かった。経験が多いという. のバーンアウト傾向は高いと考えられる。その. ことから,職場に対する思いも厳しいものと. 大きな要因は,具体的には自由記述の「事務的. 推察された。「情緒的消耗感」では,教職年数. な仕事が多く児童生徒のための教材研究など. 1年∼5年が他の教職年数すべてに対して差. をする時間がない」,「学期末などは忙しく帰宅. が有意に(pく.05)高かった。「達成感の後退」. 時間も遅くなり,家事等が後回しになりがちに. では,教職年数31年以上のものが,他教職. なっていること」など仕事に対する多忙感がス. 年数すべてに対して有意に高かった。. トレスに大きな影響を及ぼしている可能性が. ストレス要因において有意差がみとめられ. ある。バーンアウト予防のためのサポートにつ. たが,単純に年数だけでは判断しにくい結果. いては,特に有意差が認められず,有効なサポ. を示した。. ート方法を,明らかにすることができなかった。. 所属別についての一元配置分散分析では,. 今後はデータ数を増やし,自由記述で具体的な. 「生徒指導・学級経営」と「授業・教科指導」. 内容を検討する必要がある。またストレス要因. において,普通学級が高得点を示し,授業や. とあげられた教師の多忙感に焦点をあてて研. 生徒指導など直接生徒と関わる問題が大きな. 究する必要がある。. ストレスとなっていることを示した。「同僚と. の関係」においては,特別支援学校が有意に 主任指導教員 藤生 英行. 高かった。これは複数で学級指導を担当する. 指導教員 藤生 英行. ことが多く,そのため同僚との協力体制が不. 一173一.
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