病弱教育に携わる教職員の困り感についての研究
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(2) 目 次. 序論. 第1節病弱教育の歴史に関する研究 第2節 病弱教育の現状と課題についての研究の二つの流れ. 第3節新たな課題 第4節 本研究が取り組むこと. 第2章 目的. 第2節病弱教育の問題点 第3章 調査1. QUQり. 第1節 病気の変容. FP OF OP 78 P P P P. 第1章 研究史. P.1. 第1節 方法. P.11. 第2節 結果. P. 11. 第3節 考察. P. 12. 第4章 調査2 第1節 方法. P. 12. 第2節 結果. P.13. 第3節 考察. P. 13. 第5章 調査3 第1節 方法. P13. 第2節 結果. P.14. 第3節 考察. P.25. 第6章 全体的考察. P.40. 第7章 引用文献. P.46. 資 料. ①調査1のアンケート. P.48. ②調査3のアンケート. P.49. @QIDS−J. P.51. ④記述部分. P.55. ⑤全国病弱支援学校一覧. P.90.
(3) 序論. 病弱教育の対象は病弱者や身体虚弱者である。病弱とは、慢性疾患等のため 継続して医療や生活規制(あるいは管理)を必要とする状態、身体虚弱とは、. 病気にかかりやすいため継続して生活規制(あるいは管理)を必要とする状態 をいう。病弱教育の現場としては、病弱特別支援学校と小中学校に設置されて いる病弱特別支援学級がある。また、小中学校の通常学級においても、病気の 状態に応じ、活動の制限・制約に配慮して行われる特別支援教育も病弱教育で ある。. 教職員の中で初めから病弱教育を志し配属される者は少ない。多くは市町村 立学校と都道府県立学校から配属される。初任者についても同様で、病弱特別 支援学校に限らず特別支援学校には、多くの都道府県において、一般校志望者 の中から「特別支援学校も可」としたものが配属される。特別支援教育の免許 を持たない教員も未だに多い(注1)。その上、病弱教育については全く経験が. ない教職員が多い。初任者に限らず、教職経験の長い者でも4月にはじめて病 弱教育の現場に立つ者が毎年かなりの数に及ぶ。これは、都道府県立特別支援. 学校で、病弱教育を担う学校が1校設置24府県、2校設置19都府県,3∼4校 設置は広域或いは山間地域の多い4道県であることにもよる。さらに、市町村 立小中学校における病弱特別支援学級については、病気の児童生徒の有無によ り学級が編成されるので、加配により臨時任用講師があてられることが多い。. このような場合には、院内学級を一人で担当することが多く、所属する小中学 校の組織からも外れた存在になる。問題は、このような経緯で病弱教育に携わ る教職員が、様々な病気や障害の児童生徒の非常に深刻な場面にすぐに関わる ことにあり、精神的に困り感を覚える教職員も少なくないと考えられる。. 病弱教育の歴史は、脚気、結核等の難治性の病気に罹患している学齢期の子 どもたちが、親元を離れて病院、寮で療養中に義務教育を受けられるように機 会を設けたことに始まる。その後、喘息や腎疾患等の長期入院を必要とする慢 性疾患の子どもが入院・入寮して院内学級や隣接する養護学校に通っていた。 1979(昭和53)年、義務制が施行されそれまでの就学猶予や免除がなくなり、 すべての療養中の子どもに教育が保障されることになった。1994(平成6)年、. 文部省(当時)の通知「病気療養児の教育について」が出されて以降、全国の 国立大学病院を皮切りに総合病院の小児科等に院内学級が設置され始めた。し かし、医療の進歩によって慢性疾患や悪性新生物等の病気は完治、或いは寛解 する上に、医療保険の診療報酬改正の影響もあり、入院が短期化・頻回になつ. 1.
(4) てきている。採算のとりにくい小児科の縮小、あるいは撤退を行う病院もある。. このような変容の中、病弱教育の対象者は1962(昭和37)年に学校教育法施 行令第22条の二をもって、「病弱者については医療又は生活規制が六か月程度 以上の者」と規定されたままの状態であったため、一時期、在籍児童生徒数の 激減を見た。2002(平成14)年、ようやく学校教育法施行令の改正に伴い、 この部分が削除されて病弱教育については「1.慢性の呼吸器疾患、腎臓疾患 及び神経疾患、悪性新生物その他の疾患の状態が継続して医療又は生活規制を 必要とする程度のもの、2.身体虚弱の状態が継続して生活規制を必要とする 程度のもの」となり、短期間の入院や生活規制の場合でも教育が受けられるよ うになった。. 対象の子どもたちの病種・障害種については、心身症や、精神疾患、重度重 複などの子どもが増えてきている(図1)。心身症の中には適応障害や行動障害. なども含まれており、その多くが不登校の経験があるとともに、発達障害を有 している(二間、2010)。ここ数年、病気により年30日以上連続しての長欠者. は小中学校を合わせると3万5000人に達する(文科省調査、理由別長期欠席 生徒数より)この数に不登校を加えると15万人に近づく数になる。これらは 病弱教育の対象であるべき子どもたちであるという主張もある(武田、2012)。. 不登校の子どもたちも病弱特別支援学校の対象とする都道府県が増えてきてお り、一部に適応指導教室の機能を有する学校もあるが、自治体により認めない ところもあって、対応に違いがみられる。不登校の子どもたちの中にはいじめ、. 被虐待の体験をした子どもや発達障害のある子どもも多く、特別な体制や配慮 が必要とされる。. 重度重複障害の子どもも増えてきている。肢体不自由特別支援学校に在籍す る子どもも多い。新生児医療や救命救急医療の技術的進歩により、これまでは 救えなかった命が救われるようになったためだが、気管切開やレスピレーター などの呼吸管理を常時要する子どもたちの中には、コミュニケーションが成立 しにくい、刺激に対する意識反応が無い、覚醒と睡眠の区別がほとんどなく昏 睡に近いという状態(野崎、川住、2009)の子どもも増えてきている。これら の子どもたちに対する療育・教育の重要性がつとに言われているが(中野、 1999)、どのような働きかけが教育につながるのか未だに手探りでの模索が続 いている状態である。. 数において大きく増加はしていないものの、難病・難治性の病気の子どもに ついては、特に重篤な子どもが在籍する学校が多くある。先端医療の過酷な治 療を受ける子どもも増えている。. 2.
(5) 本来病弱教育においては、在籍異動や本人の状態に伴い学習内容が一人ひと り異なる上、自立活動では病気に向き合い、自己管理する力を育てることが目. 標となっている。それとともに、子どもや保護者の心の支えになることも必要 である。原籍校の関係教職員はもちろん、医療や福祉関係者との連携も欠かせ ない。病院内の物理的に限られた空間において、病気の制約のなかでの教育に はおのずから限界があり、教育環境も十分であるとはいえない。. 課題の多い病弱教育であるが、本研究では以下の4点を、調査によって得た データをもとに考察する。. 1.病弱教育に携わる教職員が様々な病気の子どもたちを前に、どの様な困り 感を持っているのか、とくに精神的な側面に絞って実態の把握を行う。. 2.調査の記述部分から、担当する子どもの幽幽・状態を含み、どのような場 面で精神的に困難を感じるのかを考察する。. 3.この精神的な困り感は、経験により解決できるものなのか、子どもの状態 の掌握と対処の方法の理解が解決に結びつくのか検証する。. 4.どのようにして困難を乗り越えたかについて考察する。 注1 特別支援学校教諭免許の保有状況(平成23年5月1日現在) 特別支援学校全体 69.0%. (新規採用者)58.3%. 病弱教育 72.3%. (新規採用者)56.8%. 特別支援学級(小中) 31.0%. 文部科学省資料(平成23年度)より. 凱結核など《纂懸染癒野島 イ、滋搬病稔どの鞭鑑物蜘繊謝繊幽繊幽醐醐騰鱒匹2る2. ユミウ ウ・貧轟などの織灘叢懲欝舞 工・糖澱病撫どのpa分泌萩撲愚暗13◎ オ㌧心掛疲捻どの行動緯轡. 力・筋ジスなどの神経鳩目患門田_317. 697. 中・翻・翼嚇疾愚欝屈 ク・リウマ笹牲心藻患など魏麟饗饗0去33 ケ’.喘急獄どの懲級誌難旧説醐獺醐醐醐醐鎚醐鱒撒繭醐鱒3鵜. エヨユ コ・騰瀟総どの灘騰凝痩愚麟謬貿 触」嚇ど一一姓皮欝炎翻go. シ・ペル応仁ど醤油繕囎動乱134 ス,腎炎惣どの緊購蕨患鵜鱒鵬㎜馴繍a87. 繍欄縢7フ. セ,瓢分轡椎などの兜茨牲旧態鶯騨隙醐騨畷購磯膿243. ユヱお ソ.鶴惣ど朔樹携欝2う3. Pt.虚弱・羅満など一繍欝45s. va・叢論欝魏ど一815 ツ・そ伽燦一289 図1 伊予調査. 上:2003年中下:2009年 3. 9◎フ 1024.
(6) 表1 全病連病類調査分類表 全病連圏類調査集計表 全病連病類調査 ア 結核などの感染症 イ 白血病などの新生物. ウ 貧血などのの血液疾患. 参考. ICD−10分類名. 病名等. 病類. 肺結核. ヘルペスウィルス感染症 その他の感染症 悪性腫瘍 白血病. その他の新生物 再生不良性貧血 紫斑病. 1 感染症及び寄生虫症. E 新生物 皿 血液および造血器の疾患. タびに免疫機能の障害. 血友病. その他の血液・造血器疾患 甲状腺障害 糖尿病. 工 糖尿病などの内分泌系疾患. その他の内分泌系障害 高度肥満 代謝異常 その他の内分泌・代謝異常 器質的脳疾患. W 内分泌、栄養及び代謝疾患. 精神病 神経症(神経衰弱等). オ 心身症などの行動障害. V 精神および行動の障害. 食思不振症 自閉症. 不登校. その他の精神・行動障害 力 筋ジスなどの神経系疾患. キ 目・耳・鼻疾患. ク リウマチ性心疾患など. てんかん 筋ジストロフィー症 痙直型脳性まひ アテトーゼ型脳性まひ その他の神経系疾患 眼疾患 耳・鼻・咽喉疾患 リウマチ熱 リウマチ性心疾患 関節リウマチ 心臓病(心不全等). 脳血管疾患 その他の循環器系疾患 1ケ 喘息などの呼吸器系の疾患 気管支喘息 気管支拡張症 その他の呼吸器系疾患 胃および十二指腸系の疾患 ヘルニア コ 腫瘍などの消化器系疾患 ウィルス肝炎 その他の消化器系疾患 アトピー性皮膚炎:. サ アトピー性皮膚炎. シ ペルテス病などの筋・骨格. セ患. ス 腎炎などの腎臓疾患. アレルギー性皮膚炎 その他の皮膚疾患 全身性エリテマトーデス 皮膚筋炎 ペルテス病 脊柱斎わん症 その他の筋・骨格疾患 急性腎炎 慢性腎炎 ネフローゼ症候群. VI 神経系の疾患 町 眼及び附属品の疾患 盟 耳及び乳様突起の疾患. 凪 循環器系の疾患. X 呼吸器系の疾患 XI 消化器系の疾患. xn 皮膚および皮下組織の疾患. XHI 筋・骨格系の疾患. XIV 尿路性器系の疾患. 腎不全. その他の腎臓疾患 ニ千分脊椎. セ ニ分脊椎などの先天性疾患. ソ 骨折などの損傷. タ 虚弱・肥満など チ 重度重複など ッ その他. 循環器系の先天奇形 骨形成不全 その他の先天性疾患 脊髄損傷. XVI先天奇形、変形および染色体. 骨折. XVH 損傷・中毒および サの他の外因の影響. 下水後遺症 熱傷 その他の損傷 身体虚弱 単純性肥満 重症心身障害 以上に分類されないもの. 4. ル常. XX 健康状態に影響を及ぼす要因 ィよび保健サービスの利用.
(7) 第1章 研究史 第1節 病弱教育の歴史に関する研究 病弱教育は1889(明治18)年、三重尋常師範学校において脚気に罹った生 徒を対象に行われたことに端を発する(「日本病弱教育史」、1990)。以来、現. 在に至るまでの病弱教育の歴史に関する研究は、それぞれ地域の病弱教育発祥 の独自性に基づいて様々な研究が見られる(桐山、1999、冨永、1993ら)。. 第2節 病弱教育の現状と課題についての研究の二つの流れ 病弱教育を担っている教育機関の多様な実態を調査し、対象の児童生徒に適. した制度の在り方を探る研究と多様化した疾患や障害を有する児童生徒の病 気・障害・状態に応じた教育の内容についてである。. 一つ目については、例えば、池本は平成19年以降特別支援教育が展開する 中で、病弱教育の枠組みが大きな変化を遂げているとともに、病弱教育の対象 規定が柔軟化したことによりさまざまな障害・疾病を有する児童生徒が病弱教 育の対象となってきていることを指摘し、その変化のなかでの支援体制や教育 方法の見直しなどを今後の課題としている。また、小中学校の病弱特別支援学 級の整備、さらに、普通学級においても病弱児童生徒に対する適切な教育・指 導・対応ができる体制を作ることも課題として提示している(池本、2009)。. 武田は病弱教育の対象疾患の多様化を指摘し、不登校や発達障害で特別支援学 校(病弱)に在籍するものが増えていることによる病弱教育の対象者の変容を 指摘する。自治体によっては「本来の病弱教育ではない」と在籍を認めず、在 籍者数減少を機に他障害種の特別支援学校と統廃合するところもある。この現 状に対して、他障害種特別支援学校との併置により本来の病弱教育が十分に行 われうるかと疑問を投げかけている(武田、2012)。. 医療の進歩により、多くの慢性疾患児は完治、寛解或いは長期生存が望める ようになったが、入院期間が短い場合や、入退院を頻繁に繰り返す場合に、病 院内に教育機関がありながら、学籍移動等の制度的な問題があって教育を受け る事が出来ない現状をいかに打開して教育を保障していくかということを問題 提起している(武田、2012)。. 二つ目の研究の流れは、多様化した疾患や障害を有する児童生徒の病気・障 害・状態の理解を深め、一人ひとりの子どもに応じた教育の内容についてであ る。全国病弱虚弱教育研究連盟(以下全病連)には、慢性疾患、筋ジス、脳性 まひ等、重度重複、心身症等の病類別、およびPTAといった枠組みで組織され. 5.
(8) た研究会組織がある。各組織において、教科指導、自立活動、総合的な学習の 時間、特別活動、教育課程、進路指導、交流教育、医療的ケア、個別の教育支 援計画の活用、地域・医療・福祉・家庭との連携、センター的機能、コーディ ネーターの取組み、院内学級などの課題別研究・実践報告がなされ蓄積されて きている。. 国立特別支援教育総合研究所(以下特総研)において、2005(平成17)年度 の課題別研究として慢性疾患児(心身症や不登校を含む)の自己管理支援のた めの教育的対応に関する研究がなされた。その中で、心身症や情緒障害および 行動の障害を伴う不登校の子どもたちに対して、病院で治療しながら同時に少 人数クラスで学習することにより、コミュニケーションカを育むとともに学習 の空白を作らないことが可能になり、子どもたちの予後の良さにつながるもの として病弱教育の可能性について論じられた。また、適応障害を有するLD、. ADIHD等の生徒への支援における特別支援学校(病弱)の果たす役割の重要性 も述べられている(鈴木、武田、金子、2008)。実践研究としては、特別支援 学校(病弱)において、授業参加困難な生徒を対象にした「授業参加行動を促す カリキュラム介入計画」の立案、実践の報告がなされている(及川、宮崎、2008)。. 重度重複障害のある超重症児に対する教育的対応については,コミュニケー ションをとるにも、かかわりの糸口を見いだし難い。それに加え、健康上の理 由により、活動の時間・空間・内容が非常に限られる。超重症児該当児童生徒 の実態調査を踏まえて、担当教師の抱える指導上の困難さに対応する方策につ いての研究も手掛けられ始めている(野崎、川住、2012)。. ついで、自立活動についての研究も蓄積されつつある。病弱教育の場合、以. 下の3点が重要な目的となる。①健康状態の維持・改善等に必要な知識や技能 の習得、②健康状態の維持・改下等に必要な態度や習慣の育成、③①と②を支 える心理的な安定や意欲の向上、であり自己管理する力を育てることが病弱教 育の目標である(武田、2005)。しかしながら、進行性の疾患や、難治性の疾 患、ターミナル期の子ども、重度重複の子ども等に対して、上記の目標を当て はめることは難しい。このような子どもたちに対して、どのような自立活動が いいのか、病気の多様化・重度化に対処できるように教職員一人ひとりが病気 についての専門性を高めることが重要である。自立活動の「個別の指導計画」. は医療関係者や福祉関係者、専門家、保護者等との連携、協同により作られる 必要性があるが、大変難しい作業となる。以上の様な課題のある自立活動の指 導について、どの様にして病気の子どもの一人ひとり、個に応じた自立活動を 行えるのか研究がなされている(武田、2006)。. 6.
(9) 特総研は2007(平成19)年から、「病気の子どもの理解のために」というパ. ンフレットおよび冊子を製作・普及に努めている(特総研のHPからダウンロ ード可、現在までに16冊)。これは、当事者、保護者、全国の病弱特別支援学 校の教職員、併設の病院の医療従事者、福祉関係の連携によって疾患別にまと められた冊子であり、病弱教育担当者のみならず、一般校の教職員にも有用な. リソースとなっている。さらに、2012(平成24)年3月、全病長と特総研に よって「病気の子どものガイドブック」も出版された。. 一方、1994(平成6)年の通知以降、病弱教育を担当する教員の専門性に関 しての研究が積み重ねられてきている。病弱教育の専門性とは何か、何が求め られているのか、そのための研修内容にはどのようなものが必要か等である。. 2002(平成14)年には日本特殊教育研究会第39回大会で、これからの病弱教 育についての指定討論が企画された時に、横田は病弱教育担当教員に求められ ている力として、「病気に対する基礎知識と指導上の配慮」「子どもや保護者の 心をつかむ」「医療との連携」「教育のプロ」であるとしている(横田、2002)。. また、日本特殊教育学会第48回大会シンポジウムとして医療者ではない「教 師」による心理的支援について討論がなされている。谷口は子どもたちが希望 を持つことをねらいとした心理的支援の在り方を提案、副島は子どものどんな 感情も大切に扱うということは、Being(そこにあること)が大切であること につながっている」という姿勢で、子どもたちの感情表出の仕方を教えること が心理的支援になると言っている(谷口、副島、2010)。. 第3節 新たな課題 以上のように、病弱教育研究が蓄積されてきつつあるが、病弱教育を担当す る教職員の精神面についての研究はあまり見当たらない。指導上の困難さにつ いてはいくつか報告されている。. その一つが、平賀の行った調査である。一つ目は病弱教育を志す学生に対し て、「病弱教育で困難であると感じられる」ことを自由記述形式で求めた。その. 結果を6つのカテゴリーにまとめている。第1は、入院中の配慮に関する内容、 第2は、各関係者間との連携に関する内容、第3は、医療的側面に関する内容、. 第4は、心理・社会的側面に関する内容、第5は、学校教育に関する内容、第 6は、クラスメイトとの関係に関する内容である。さらに翌年平賀は、教師を 対象として通常の学級において病弱児への教育的支援を困難と感じる理由を尋 ね、その結果を4つにまとめた。第1は、教育制度や学校設備に起因する内容、. 第2は、各関係者との連携に起因する内容、第3は、医学的側面に起因する内 7.
(10) 容、第4は、クラスメイトおよび、その保護者への説明に起因する内容である (平賀、2005、2006)。次いで鈴木、武田、金子は全国の病弱特別支援学校に. おけるLD・ADIHD等のもしくはその疑いのある児童生徒の実態および支援の 状況を調査し、病弱特別支援学校における取り組みの有効性を論じている。そ の中で学校と担当教職員個人の持つ困難さを取り上げ、特に進路指導に関して の自由記述を整理して、進路先に関すること、本人自身の問題に関すること、 制度に関すること、その他に分けて考察している(鈴木、武田、金子、2008)。. さらに、谷口は院内学級の教師を対象に対象を絞り「困り感」を尋ねている。 「日頃の教育実践で“困ったな”と感じるのはどのような時/ことですか?いく. つでもできるだけたくさんあげてください。」という教示のもと、自由記述を求. め、KJ法を用いて回答を整理した後13のカテゴリーを得、さらにそれらを、 「特殊な治療環境や心理状態にある子どもへの対応」「教育条件上の各種制約」 「連帯の在り方」「制度上の不備」の4つにまとめている(谷口、2011)。また、. 超重症児の指導において、担当教師の抱える困難さについての研究がなされた (野崎、川住、2012)。. 第4節 本研究が取り組むこと 本研究では、調査の対象を全国の様々な病種・障害種の子どもを対象として いる教職員に広げ、困難さを精神的な側面に絞って質問紙法で調査した。また、. その困難をどのように乗り越えることができたかについての自由記述を求めた。. 本研究はKJ法を取り入れてカテゴリー化し、考察する方法を用いているが、 さらに、精神的困り感を主観的に(o∼10)で答えてもらうとともに、QIDS−J(簡. 易抑うつ度尺度)検査を行い、年齢、教職経験年数、病弱教育経験年数との相 関関係を調べるとともに、担当する子どもたちの病種、障害種、状態等によっ て、違いを見出すことができるのか検討する。その上、自由記述を中心に、病 弱教育に携わる教職員の精神的困り感について考察する。. 8.
(11) 第2章 目的 第1節 病気の変容 病弱教育の対象は大きく変容し、対象の子どもたちの病種・障害種について は心身症や、精神疾患、重度重複の子どもが増えている(図1)。今年度、全国. 病弱支援学校長会(雪平長)に所属している特別支援学校87校のうち、情緒. 障害児短期治療施設の子どもたちが在籍する学校2校も含め64校が心身症・ 精神疾患の子どもたちを受け入れている(平成24年度全病長研究協議会資料)。. また、数において大きく増加はしていないものの、難病・難治性の疾患の子ど もについて、特に重篤な子どもが在籍する学校が多い。先端医療の過酷な治療 を受ける子どもが増えている。. 第2節 病弱教育特有の問題点 本来病弱支援教育においては、在籍異動に伴い使用教科書も変わり、学習内 容が一人ひとり異なっている。改訂学習指導要領には、「『個別の教育支援計画』. は、障害のある児童生徒の一人一人のニーズを正確に把握し、教育の視点から 適切に対応していくという考えの下、長期的な視点で乳幼児期から学校卒業後 までを通じて一貫して的確な教育的支援を行うことを目的とする」とあり、「『個. 別の教育支援計画』をふまえ、各学校の教育課程は、具体的に一人一人の教育 的ニーズに応じた指導目標、内容、方法などをまとめた『個別の指導計画』を 作成すること」になっている。しかし現行の学習指導要領では、病気のために 一般校・普通学級から病弱特別支援学校・特別支援学級(院内学級等)に転籍 してきた子どもについて、原籍校には作成が義務付けられていないため(発達 障害を除く)、作成されていない場合が多い。特別支援学校においても障害が重. 複している場合と、自立活動の領域においてのみ作成することが義務付けられ ていて、それ以外の規定がないために、特別支援学校から転籍してくる子ども についても作られていない場合が多い。加えて、自立活動においては、病気に 向き合い、自己管理する力を育てることが目標の一つとなっているが、この目 標達成は甲種、状態によって非常に難しい場合がある。. また、子どもや保護者の心の支えになることも重要なことである。そのため には、一人ひとりの子どもの病気についての知識を有していなければならない。 原籍校はもちろん、医療や福祉関係者との連携も欠かすことができない。(特総. 研HP、「障害のある子どもの教育の広場」5.病弱・身体虚弱教育特別支援教 育、イ 発達段階からみた心理社会的な課題より). 9.
(12) 以上のような問題点のある病弱教育に携わる教職員が、様々な病気の子ども たちの様々な状態、背景を前にして、どの様な困り感を持っているのか、今回、. とくに精神的な側面に絞って質問紙調査を行った。この精神的な困難は、経験 が解決するものなのか、職場の環境が困難を和らげるのか、子どもの状態の掌 握と対処の方法の理解が解決に導くのか、調査によって得たデータをもとに考 察する。その際、病弱教育の特殊性を鑑み、「年齢が高く教職経験年数が多い者で. も、病弱教育が初めてあるいは経験年数が浅い者は、精神的困り感が強く、抑う つ度も高い。」「精神的困り感は、担当する子どもの病種・障害種によって違いが 生じる。」また「研修参加等により病気についての知識を深めることによって、精 神的困り感に対処し、乗り越えている。」という以上の仮説を立てた。. なお本研究は、兵庫教育大学研究倫理審査委員会より承認されている。. 10.
(13) 第3章 調査1 第1節 方法 5月28日に行われた平成24年度、第1回全国特別支援学校病弱教育校長会 (以下全病長)代表者研究協議会において趣旨説明、調査項目検討、了解を得. た。6月26日全病長総会において参加校長63名に趣旨を説明し、協力依頼を 行い、調査用紙を配布した(資料①)。. 調査用紙の内容は ①学校名 ②5月1日の在籍児童生徒数、学級数、教職 員数 ③在籍児童生徒の病種・障害種 ④通学人数 ⑤過去3年間から現在に 至るまでの間に、心の病気の教職員の有無 ⑥有の場合、担当している子ども の病種・障害種である。. 8月末までに郵送回収し、44名の回答を得た。(回収率69.8%)その中で、1 校については、「病気の教職員の有無についての質問はデリケートな一面があり. 回答しかねる」とあった。また他の1校については、「他校で休職後、復帰し てから病弱特別支援校配属になった者が2名いるが省いた」という回答を得た。. 第2節 結果 過去3年間、心の病で休職した教職員が、どの様な子どもたちを担当してい. たかを調べた。回収44校のうち過去3年間に計43名が心の病気で休職(一部 休職後退職)している。. n=43男:18女:25 病弱教育経験年数. 21年肚 初めて 4人,9% .:..1/、 11人,26% 11∼2◎隼 5人,12%. 、、r .、di蕊容,. 1∼3無 4∼1◎年. 9入,21%. 14入,329・る. 図2 休職者の内訳. 図2から、休職者43人のうち病弱教育経験が3年以下の教職員が47%を占め ている。. 11.
(14) 表2 担当する子どもの三種(複数担当) 人数 20. 病種. 心身症などの行動障害 筋ジスなどの神経系疾患. 12. 糖尿病などの内分泌系疾患. 12. 白血病などの新生物. 6. その他. 6. 第3節 考察 図1で示したように病弱支援学校においては、近年全体的に心身症等行動障 害の子どもの在籍が多いので、表2にあるように、心身症などの行動障害の子 どもたちを担当する教職員の数が多いという結果が出たものと考えられるが、. 進行性の疾患の子どもや、完治が難しい糖尿病の子どもや、困難な治療の必要 な子どもにかかわる教職員の数が多い。心の病になる教職員には、他にもさま ざまな背景及び要因があると考えられるが、病弱教育の経験が3年以内の者が 5割近くを占めていることから、それまでの普通教育や特別支援教育の経験を もってしても、初めての病弱教育で精神的に困難を感じるのではないかという ことが考えられる。. 第4章 調査2 第1節 方法 病弱教育担当者と比較するため、一般中学校普通学級担当者の抑うつ度を調. 査した。兵庫県下3中学校の先生30名に配布し、後日29名の回収を得た。(回 収率97%)内容はQIDS−J(簡易抑うつ度尺度)である(資料③)。文科省の教. 員移動調査の結果によれば、平成21年度間に離職した教員数のうち、精神疾 患が理由である者の割合は、小学校では、2.1%、中学校では2.2%、高等学校. では1.2%であった。3中学校の教職員については、一般校の教職員で、病弱教 育に携わっていない者に対象を絞った。. 12.
(15) 第2節 結果 一般校(中学校)の29人の抑うつ度分布と、病弱教育に携わる教職員166 名の抑うつ度分布を比較した。 一般校 n=29 病弱 n=166 表3 抑うっ度比較 一般校. 病弱. 正常(0−5). 62%. 61%. 軽度(6−10). 28%. 25%. 中等度(11−15). 10%. 12%. 重度(16−20). 0%. 1% ※1. 極めて重度(21−27). 0%. 1% ※2. 平均. 5.1. 5.3. 第3節 考察 表3中の※1は、心身症、発達障害の子どもの担当者2名(女性、29歳、病 弱教育経験6年と男性、59歳、病弱教育経験1年)、※2は、筋ジストロフィ ーの子どもの担当者1名(男性、33歳、病弱教育経験4年)である。これら3名 のQIDS−Jの数値が異常に高い要因は、他にも十分に考えられる。中学校(一 般校)の教職員と病弱教育担当者との抑うつ度の平均値はほぼ同じであり、い ずれも軽度抑うつ状態以上と判定できる者が4割弱いる。. 第5章 調査3 第1節 方法 6月26日全弓長総会時に、上記63名の病弱特別学校長を通じて各校5名以 内、特定の条件をつけずに調査用紙配布を依頼した。また、8月25日大阪病弱 教育研究会総会(以下、大病研)参加者約80名に趣旨説明、協力依頼をした。. 大病研には、大阪府立病弱支援学校2校、大阪市立特別支援学校(肢体)1校 の病弱部門、市町立の小中学校の特別支援学級(院内学級)の教職員が参加し ている。従って、大阪府立病弱支援学校については、重ねての依頼である。. 調査用紙の内容(資料②)は、①所属、年齢、性別、教職経験年数(うち特 別支援教育担当年数、病弱支援教育担当年数) ②担当している児童生徒の学 年、性別、病種・障害種、発達障害の有無、被虐待の有無 ③精神的困り感(主. 13.
(16) 観。∼10) ④QIDS−J(簡易抑うつ度尺度) ⑤記述部分は、1.精神的困り. 感について一「現在、または今まで病気の子どもたちに関わられて、精神的に 困難を感じておられることをお書きください。」(※どのような病気、障害の子. どもと関わられていた時かも併記してください。)、2.対処法について一「今. まで、精神的に困難を感じられたご経験を、どのように乗り越えてこられまし たか。お書きください。」である。. 9月末までに郵送回収し、171名の回答を得た。(回収率43,3%)この中で1 校、「虐待にかかわり児童福祉法28条により措置され通学している児童生徒も いるので、個人情報が外部へ流出しないよう慎重に対応している関係で、一部 アンケートに協力できない」という回答を得た。この学校については、精神的 困り感(主観。∼10)、簡易抑うつ度(QIDS−J)、及び記述部分のみの回答が送. られて来た。大阪病弱教育研究会には、府下市町村立小中学校の病弱特別支援 学級(院内学級)担当の教職員も会員であり、そのうち10名から回答を得た。 自由記述(1.精神的に困難を感じていること、2.どのように乗り越えたか). については、KJ法を取り入れてカテゴリー化し、考察した。なお、 KJ法によ る分類には社会調査士の資格所有者一名の協力を得、二人で話し合い、病弱教 育の特殊性を考慮したうえ、精神的に困難を感じていることについて及び、ど の様に乗り越えたかについては、それぞれ10のカテゴリーに分類した。. 第2節 結果 年齢、教職経験年数、病弱教育経験年数と困り感、抑うつ度にどのような関 係がみられるかを調べた。変数のいずれかに欠損値を含むものは省き、有効回. 答者として144名を抽出した。性別の内訳は男性50名、女性94名であった。 ①変数の平均値、標準偏差 表4 平均値と標準偏差. (n:男= 50、女=94). 年齢. 教職年数. 病弱経験年数. 困り感. QIDS−J. 46.74. 22.72. 5.46. 4.54. 4.86. SD. 9.88. 9.63. 4.71. 2.94. 5.21. 女. 44.76. 21.38. 5.29. 5.3. 5.73. SD. 9.14. 9.41. 3.52. 2.65. 4.47. 全体. 45.44. 21.84. 5.35. 5.03. 5.43. SD. 9.42. 9.48. 3.96. 2.77. 4.74. 性別 男. 14.
(17) ②それぞれの変数の分布 〈年齢〉. 年齢 60代 20/. 代% 0 1 5 4. 70 一. 60 50 40 30 20 10. g一. 0率一 20代 30代 40代 50代 60代. 20代 se/, 30代 醸. 80. 190/o. 40代 300/,. 図3・1 年齢の分布 図3・2. 年齢の分布. 年齢については、20代と30代を合わせて、27%であるのに対して、40代以上が 73%であり、3/4近くを占めている。. 〈教職経験年数〉. 教職経験年数 初めて 1∼3年. 120 r l ”TIS/.[uY一 lo/.’ .4一一lo. 100 麟聾:「.年. 150/0 80 60 40 21年以. 20 上11∼20 59% ’ 年. O十一一wnt−rMLrv一””””wwr一一”Mkwwn l V 240/, 初めて 1∼3年4∼10年11∼20年21年以上 図4・1 教職経験年数の分布 図4・2 教職経験年数の分布. 教職経験年数については、21年以上の経験者が59%とベテランの教職員が 多いことが分かる。病弱教育に携わる以前に、小・中学校、高等学校、特別支 援学校での豊富な経験を有する者が6割を占めている。. 15.
(18) 〈病弱教育経験年数〉 病弱教育経験年数. W0・. U0. …. 20−. 靭めて. 11∼2年. 鉾璽. 6%. 15Cfe’. ︵. S0. 嚢!年以上. lI 騒. 100・. 1∼3年 259・i. O一一. {ぐ㌔ず/〆. 4∼10年 53%. 図5・2 病弱経験年数の分布. 図5・1 病弱教育経験年数の分布. 図3、4、5よりわかることは、年齢、教職経験年数が高いにもかかわらず、病. 弱教育の経験年数については低いということである。図5に示すように初めて から3年以下の教職員が40%を占めている。小・中学校、高等学校、特別支援 学校において教職経験を積んだ年齢の高い者が、病弱支援学校に異動し、初め て病弱教育を担当するということを示す。. 市町村立の小中学校における特別支援学級(病弱)については、病気の子ど もに応じて編成される。さらに、病気の子どもが完治或いは寛解して普通学級 に戻ると学級が閉鎖されるので、変動が激しく、実態が非常につかみにくい。 病弱・身体虚弱特別支援学級担当教員のうち、77.7%が病弱教育に従事するよ. うになって3年未満であるという報告がある(特総研、2011)。参考に、平成. 23年度5月1日時点での病弱教育担当者数を示す。 表5 学校教員基本調査より(平成23年度文科省). 63校. 病弱特別支援学校 ※ 病弱特別支援学級(小中高). 927学級. 病弱特別支援学校勤務の教職員数(含講師). 3,376人. 病弱特別支援学級勤務の教職員数(含講師). 2,866人. ※他障害種の支援学校が病弱部門も一部担当している場合は省く. 16.
(19) 〈困り感〉 困り感. 3. 困り感については「困り感 (精神的な困難)を表すとす. 30 .一ww..thinheww.N.w.wwMdinv..一.一一.ww.wuwwNN...wwN.mM一...,.innt..一.nv.ma.w.....za一..w.一.,ww”.N一.th.th......... 9臼. FD. ればどのくらいでしょう。0. 9θ ーム 一−. O. は何も困難を感じない、10は. ドD O EO. 想像できる限り最大の困難と したら、どのくらいの困り感 を感じますか?」という質問. O 9一一wwl−−…”du−2..”…mu3dn.一一f!一一一一wwfsiwwww6ve7 wwftimumgrmiJO. をした。. 図6 困り感の分布. この中で、10と答えた人の記述の一部を見ると、 ・初めて本校に転人した時、母が人格障害及び知的障害、虐待の方だったため、. 担任した子どもは要保護児童だった。女性教師に対しては、過去もその後も強 く出る対応だったので、前半小でも進学した中学校でも大変だったそうだ。地. 域支援が全家族に必要で、現在も続いている。子どもは虐待によるADIHDの ような症状が見られたが、普通知能だった。軽度知的障害の兄が溺愛され、そ の子は、母のその日の状態によって暴力を受けたり、急にかわいがられたりし. ていたために、家族のもとへ帰りたいと言って戻った。母の障害に周囲の人が 振り回されて、双方の管理職すら恐れるほどだった。何が真実で、どうずれば よいのか、初めての学校で本当に困った。その後も虐待の子ばかりだが、友達 同士のいじめや、外泊できない子への支援が大変だった。. ・命の限りが見えてきた子どもに何をしてあげたらいいのか迷う。何かしてあ げたいと思っても、拒否が強く、無力さしか感じなかった。脳腫瘍の中学生は、. 術後の合併症で重い障害を持ってしまった。いろいろや怒りをぶつけられ、そ れを少しでも楽にしてあげたいと思うが、何もできない自分に無力を感じる。 また、元気に戻ると信じている保護者に学習に対する期待をされ、しんどさを. 感じる。親の不適切な対応、無関心により、子どもの精神状態が安定せず、治 療がうまく進まなかったり、またそのことが入院の原因になっている子どもの 先のことを思うと気持ちがしんどくなる時がある。. ・出会った時から脳死状態の子どもにかかわる時、保護者は授業の必要がない と言うが、担当の看護師に相談したところ、「ほかの子どもと同じように気負わ ずにするといい。心臓が動いている、生きているのだから。」と言われ、手探り. 17.
(20) で授業を行った。私が授業をするということは、お母さんにとってはつらいこ とだったのかもしれないと悩みながらだったが、亡くなった後、お母さんから 手紙をもらった。「初めは授業を受けさせるつもりはなかったが、だんだん私が 楽しみになりました。」と。でも、どんな授業をしても、どんな関わり方をして も自己満足かもしれないと悩む。. ・白血病のこどもで、予後が非常に悪く、主治医から「好きなことをさせてあ. げてください」と言われたときに、頭が真っ白になった。何からしないといけ ない…とにかく、自分自身が金縛りにあったようになった。また、お母さんと どのように話したらいいのかもわからず、その状況から逃げ出したかった。残 された時間をともに過ごすこと、「死」と向き合わなければならない時、親族で. も家族でもない一教員は…。分教室7年目になり、すでに何人か子どもたちを 送ったが、ずっと悩み考えているが結論は出ない。. 以上のように、虐待の子どもに対してや、重度の子どもに対するとき、死に 向かう子どもに対するとき、精神的な困り感を強く感じている。. 耳うつ度について、重度(16∼. 〈 QIDS一 」〉. 20)、極めて重度(21∼27)に該 QIDS−J. 当する者のうち一人は、心療内科. 120. に通い服薬している。また一人は. 100. 好きなお酒を浴びるほど飲むこと. 80. 一. によって対処している。対処法に. 60 40 20 0. ついて勉強していても、つい感情. 閣 一. 的になってしまうと答えた者もい. Q ,候爵__ 氏@一. た。なお、6∼10は軽度、11∼15. O’v5 6’vlO 11’v15 16’v20 21”v27. は中等度、16∼20は重度、21以 上は極めて重度である。. 図7 抑うつ度(QIDS・J)の分布. 18.
(21) ③相関関係. 各変数(年齢、教職経験年数、病弱経験年数と精神的困り感、抑うつ度)の 相関関係を調べた。. 1.年齢と精神的困り感 p−value=O.61 p>.05で差が有意ではない。. 2.年齢とQIDS−J p−value=0.89 p>.05で差が有意ではない。. 3.教職経験年数と精神的困り感 p−value=0.56 p>.05で差が有意ではない。. 4.教職経験年数とQIDS−J p−value=0.85 p>.05で差が有意ではい。. 5.病弱教育経験年数と精神的困り感 p−value=0.04 p<.05で有意差が見られた。 (9510)60 CI: .Ol’v.33) r=.17. 6.病弱教育経験年数とQIDS−J p−value=0.93 p>.05で差が有意ではない。. 7.精神的困り感とQIDS・J p−value=1.986e−05 p〈.05で有意差が見られた。 (95 9060 CI: .19’v .48) r=.35. 以上の結果、精神的困り感は、年齢、教職経験年数との相関は殆どなかった。 わずかに病弱教育経験年数との問に有意に相関関係があった(r=1.7)。年齢、経. 験の浅い者、特に病弱教育経験の浅い者に困り感が強いとはいえないというこ とである。また、QIDS−Jの結果と、年齢、教職経験年数、病弱教育経験年数 との相関はないといえる。. さらに、抑うっ度については、他に要因となる変数をいくつも想定できるが、 精神的困り感と抑うっ度の相関関係は認められた(r=.35)。精神的困り感の強 い者については、抑うつ度が高いということである。. 以上より、病弱教育に携わっている教職員の困り感や抑うつ度は、年齢、教 職経験年数により影響を及ぼされず、わずかに病弱経験年数により、困り感が 増すことが分かった。これで、当初の病弱経験年数が初めて、あるいは浅いた めに、病気の子どもたちに関わることに困難を感じるという仮説は成立しない。. 19.
(22) ④重回帰分析を行って、年齢、教職経験年数、病弱教育経験年数が精神的困り 感、QIDS−Jに与える影響を調べた。. 年齢、教職経験年数、病弱教育経験年数が精神的困り感に与える影響 →説明変数の標準回帰係数は、病弱経験年数がβ=O.12で有意であった。(p =: .OO5). 年齢、教職経験年数、病弱教育経験年数が困り感、QIDS−Jに与える影響 →説明変数の標準回帰係数は、いずれも有意ではなかった。. 以上より、病弱教育に携わっている教職員の精神的困り感や抑うつ度は、年 齢、教職経験年数により、有意に影響を及ぼされず、わずかに病弱経験年数に より、精神的困り感が増すことが分かった。これで病弱経験年数が初めて、あ るいは浅いために、病気の子どもたちに関わることに精神的困難を感じるとい う仮説は成立しないことがわかった。. ⑤担当する子どもの病種別に困り感を比較した。(長暦ア∼チについてはp.4 表1参照) n:ア=2 イ=25 ウ=7 工=10 オ=82 カ=28 キ=6 クニ17 ケ=15. コ=12サ=11シニ7ス=16セ=13ソ=6タ=17チ=39 (一人で複数人担当) 困り感. ﹁し. 鷹 躍 頃. 1. ⋮⋮. 墾. 畷. 輻 ヒ 「 蓼. X セ ソ タ チ. 韮. 8 7 6 5 4 3 2 1 0 アイウエオカキクケコサシ. 図8 担当する子どもの甲種による困り感(平均)の比較 困り感(平均)ア=5.0 イニ6.0 ウ=4.1 エ=4.3 オ=5.5 カ=5.2 キ=4.2. ク=5.4 ケニ4.1コニ6.5 サ=5.1 シ=6.1 ス=5.0 セニ4.9 ソ=7.0 タ=5.1 チ=4.9. 子どもの病種によって、担当者の困り感に相違がみられるか平均値を比べた ところ、病種によっての違いが明らかであるとは言えない。. 20.
(23) ⑥担当する子どもの病種別にQIDS−Jを比較した.(病種ア∼チについてはP.10 の表1参照). 涯. n:ア=2 イ=2 ウ=7 工=10 オ=82 カニ28 キ=6 ク=17 ケ=15コ=12 サ=11 シ=7 ス=16 セ=13 ソ=6 タ=17 チニ39 (一人で複数人担当) tww“”ww’mmma. 9876543210. QIDS−J. アイウエオカキクケコサシスセソタチ. 図9 担当する子どもの病種によるQll)S・J(平均)の比較 QIDs−J(平均) ア=8 イ=6.4 ウ=7.4 エ=3.1 オ=4.8 カ=5.5 キ=2,7 ク=5.1 ケ=5。8コ=6.3 サ=5.5 シ=5.0 ス=5.3 セ=6.0 ソ=7.0. タニ4.5 チ=5.8. 子どもの病種によって、担当者の抑うつ度に相違がみられるか平均値を比べ たところ、病種によっての違いが明らかであるとは言えない。. 以上より、病弱教育に携わる者の困り感や抑うっ度には、担当する子どもの 病種・障害種によって相違が明確にはみられないことが分かった。 ⑦自由記述(1.精神的に困難を感じていること、2.どのように乗り越えたか). については、KJ法を取り入れてカテゴリー化し考察した。. 1.「精神的に困難を感じていること」については、合計142名が記述回答、残 る28名が特になし、あるいは記述なしであった。全部で239の内容にわけた。 A心の病の子どもと関わる時に感じる困難について(84) A−1心身症・行動障害のある子どもと関わる時に感じる困難について(60) ・攻撃的言動(17). ・コミュニケーションが取れない、信頼関係が築けない(13) ・保護者に精神疾患、虐待がある。(11). 21.
(24) ・不登校、登校渋り(9). ・子どもの精神的な波、意欲の無さ(5) ・個別の対応と並行しての集団としての指導(学級経営)が難しい。 (5). A−2精神疾患の子どもと関わる時に感じる困難について(24) ・統合失調症の子ども(14) ・自傷行為をする子ども(4) ・暴力的言動(3) ・家庭内暴力(1) ・薬物多量摂取(1). ・家庭状況に問題(1). B 重い病気、進行性の病気、慢性疾患の子どもと関わる時に感じる困難につ いて(47). ・難病、難治性の病気の子ども(15) ・重度重複の子ども(13). ・筋ジストロフィー等進行性の病気の子ども(10). ・脳性まひ、事故等の後遺症等による肢体不自由の子ども(7) ・慢性疾患の子ども(2). C ターミナル期の子どもとの関わりや、子どもが亡くなった時に感じる困難 について(23). ・ターミナル期の子ども(9) ・子どもが亡くなった時(14). D 子どもとの関わり、指導の面で感じる困難について(11) E 保護者との関係において感じる困難について(31) F 他機関との関係・連携において感じる困難について(16) G 教職員間の関係によって感じる困難について(14) H 仕事量の多さに感じる困難について(4) 1 学習環境の劣悪さから感じる困難について(4) J 困難を感じない(5). 22.
(25) C ターーミナル期の子ども、v. 9鱒わり・指口の衝♂. J一難を詠じ穣い♂. 図10 精神的困り感の自由記述. 心身症、発達障害のある子どもたちの項目と、精神疾患の子どもと関わる項 目をこころの病の子どもとして一つにしている。特になし、記述なしは省いた。. 図10の、A「こころの病の子どもに関わるとき」、 B「重い病気、進行性の病. 気、慢性疾患の子どもに関わるとき」、Cfターミナル期の子どもに関わるとき や子供が亡くなった時」に感じる精神的困り感は、一般校の教職員もそのよう な子どもと関わることもあると考えられるが、病弱教育に携わる者については、 日常の教育活動である。. D「子どもとのかかわり、指導の面」、E「保護者との関係において」、 G「教 職員間の関係において」、H「仕事:量の多さ」については、学校教育に携わる教. 職員すべてに共通するものであると考えられる。F「他機関との関係・連携にお いて」については、医療機関の関係者(医者、看護師等)が加わることが病弱教育. には特有のものである。1「学習環境の劣悪さ」については、病院内の限られた. 空間に用意された狭い教室やベッドサイド、重篤な患者に用意された特別室な どでの教育活動には大きな制約があり、病弱教育特有の条件である。これらに ついては、カテゴリー表(表6−1∼6−5)をもとに考察する。また、J「困難を感 じない」は5件であった。. 23.
(26) 2.「どのように乗り越えたか」については、合計144名が記述回答、残る30 名が特になし、あるいは記述なしであった。全部で259の内容にわけた。 A 周囲の人:同僚、先輩、上司等に話を聞いてもらう、相談する、支援を受 ける(91). B 家族に話を聞いてもらう(11) C 子どもや保護者に向き合う(25). D 対策のためにケース会議等を行い、組織、チームで対応する(25). E 子どもの状態について研修を受けたり、本を読んで勉強し、対応を考える (11). F 積極的な意識(24). G 好きなことをするなど、気分転換を図る(32) H 消極的な意識(21) 1 休養、通院、服薬(13). J 乗り越えたという印象はない(6) C 子どもや保護者に向き合う 25v. A周囲の人に相談・. G気分転換を. 相談11ぎ. 図る 32”. F積極. ムで対応. 的意識N. 25v. 91v. B家族に. D組織・チー. 24v. E研修・勉強. H消極. 11,. 的意識 22v. 1休養、通院〆服薬14”. J 乗り越えたという印象はない6”. 図11 どのように乗り越えたか(対処法)の自由記述. 特になし、記述なしは省いている。. A「周囲の人に話を聞いてもらう、相談する、支援を受ける」について、周 囲の人は同僚、先輩、上司等に限定し、B「家族に相談する」は別にした。 C 「子どもや保護者に向き合う」、D「対策のためにケース会議等を行い、組織、. チームで対応する」、E「子どもの状態について研修を受けたり、本を読んで勉. 24.
(27) 強し、対応を考える」、Fr積極的な意識」については、いずれも前向きに対処 法を見出そうとするものと考えられる。一方、H「消極的な意識」には、「時間 の経過を待つ」等の記述がみられる。G「好きなことをする、気分転換を図る」. と、1「休養、通院、服薬」については、気持ちの切り替えや休養、通院によっ て、しんどい状況から距離を置くことがなされている。. また、以下はJ「乗り越えたという印象はない」と書いたものについての記 述内容である。. ・乗り越えたという印象はない。(2) ・乗り越えられていない。. ・あまり乗り越えたという実感はなく、その都度、「まあ、しょうがないな」と 思いながらやってきた感じである。 ・今も悩み続けている。. ・困難を乗り越えることなどできないままに、3人の子どもは亡くなった。 ・通院、服薬している。乗り越えられていない。. 第3節 考察 調査3で回答を求めた項目のうち、年齢、性別、教職経験年数(うち特別支 援教育担当年数、病弱支援教育担当年数)、担当している児童生徒の学年、性別、. 病種・障害種、精神的困り感(主観。∼10)、抑うつ度(QIDS−J)について検 証したところ、「年齢が高く教職経験年数が多い者でも、病弱教育が初めてある. いは経験年数が浅い者は、精神的困り感が強く、抑うつ度も高い」とした仮説 は覆された。むしろ、病弱経験年数が高い者にわずかではあるが、困り感が強 くなっている。病弱教育経験が増えることにより、よりしんどい状況の子ども を担当するからであるとも考えられるが、現実には、経験を積んだ者がそのよ うな子どもを担当するということはほとんど不可能である。それは以下のよう な理由による。病弱特別支援学校・学級においては本校、分教室、院内学級い. ずれも、在籍児童生徒数に見合う学級数(小中学部6人で1学級、高等部8人 で1学級)、さらに学級数に見合う教員定員数(原則1学級1人)となるので、. 非常に少人数で教育活動を行うことになる。転出入が頻繁で、小学校1年半か ら高校3年生まで様々な子どもが転出入する。教科指導においては保有する教 員免許によって担当を決めねばならない。また、多くは複式学級となり、ベッ ドサイドや集中治療室での個別対応も同時に行われるため、経験の有無にかか わらず、とにかく学習保障を行うことが最優先される。経験を積むにつれて、. 25.
(28) 困り感が高くなるのは、病弱教育の本質を知れば知るほど、また、担当する子 どもや保護者の思いを知れば知るほど、精神的に重く感じられるようになるか らであると推測する。. 担当する子どもの病種・障害種によって、精神的困り感、抑うつ度ついては、. 明確な相違を見出すことはできなかった。「精神的困り感、抑うつ度は、担当す る子どもの病種・障害種によって違いが生じる。」という仮説も覆された。この. 点については、調査自体にも問題があり、一人の教職員が複数の病種・障害種 の子どもを担当しており、実態の掌握に対する調査の不備が要因であろう。調 査1の結果についても併せて今後の課題としていきたい。. 26.
(29) 記述部分の 「1.精神的に困難を感じていること」について考察する。 表6・1精神的に困難を感じていること 「精榊的に困難を感じること」の概述. 大項目. 中項目. 鰭㈲. 暴力ω. ①攻撃的言軸. 愛着障鄙}. ㈹. 攻撃的態鼠4). 精神的な困幅を感じる理由. 具体的内蟹一部}. 小壊目. 棺手の気持ちや考えを読み取れず言ってしまう. 子どもたちの荒れ、マイナス感情にさらされ続けるストレス. 白分の思いに添わない人への攻蜜主に言葉や態度で相手を威旺). 榊的に参ってしまった. 気持ちを言葉で伝えられず,暴力をふるう. どのようにすれば言葉で伝えられるかと試行錯湊していた時が,見通しが立ちにくく困難を感じていた. 他の生佳に暴力を娠るい、校舎確壌など手の付けられない状態. 轄神的に追い込まれた. 感情の起伏をコントロールできない. 振り回されそうになるの葱じっと自分の中で調整し続けなければならないことで非常に療れる. 嬉しい等の感情を出せず、自分の反対の気持ちの表出をする. 子どもたちに対応した後、今度は自分の感情のコントロールを乱す. 必要以上に密着したり攻撃したりする. 心と体が少し疲れていた時に、その子どもの言動が応えてひどくつらい時があった. わがままとしか見えない要求に振り回される. 教員主導に指導をして、強い拒否、攻撃にあい精神的につらかった. ひきつけ行動が徐々に過激になり、対応できなくなる. 心身ともに療弊してしまった時には、どうすべきか悩むことが多い. 自分にとって快でない存在ということで、露骨に反抗的な態度を示す. 榊的に舗であった. 鍼黙の生懲2}. コミュニケーションが取れない. 8したらよいか困った. 麟障蜜り. 登校はするが、朝から不調で授業に参加できない. 信鞭関係を作り、じっくり話を厨くことが大切だが、時間的制限や、夢解闇の対応のずれにより、支援の難しさと限界を感じて困難に思う. 穣劇献1). 顧待の生徒の対応. 信闘係を築くことの嵐さ. 心身症・情緒障害⑤. 人とかかわるのが苦手な子ども. なかなかっながりができ梱った. ②子ど祉の距 ニケー油ンが取. 本人の担任{私}への拒否感が強い. 母親にも、主治医にもダメ出しを受け、指導に一定の自信があったもののさすがに凹んだ. 劫ンセリング的な関わり方. カウンセラーとは立場が違うので.距離感力磯しい. 生鯖量があまりに重く多様である. 彼らが一番必要としているものは決してあげられない焦燥感、不全感. れない、信頼関係. が簗けない ん1. ㈹. 莞達陣都). 心身. 癖状認ヒ〔不髄拗. 自分のせいだと思える時. 本人のこだわりからの不適応行馳. 叱貴や注意が多くなり、もう少し別のやり方があったのではと後悔が続き、気持ちがしんどくなった. 症 ・. 行馳. 子どもの撒がっかめない. 接し方がわからないで困った. 精嫉懲⑥. 母親もうつ病で、自傷行為のある子どもに対応しきれない. どのように支援したらよいのか困難を感じた. 母親も本人以上に糖神的に不安定. 母親の障害に起因する言動に振り国され、言葉に傷つく. 母親は人樹障害もあり、周囲が振り回される. 精挿的に不安定な母貌が、敦師の子どもへの支援を受け入れられない. 障毒曽 の. 摂食障叡1〕. 子ど も と 関 わ る時. 母競の精挿的不安定のサイクルに子どもが振り回されている. 支橿を行うに必要以上の配慮がいり.子どもと自然なかかわりができない. 精神科に通院中の、子どもの障害を受け入れられない母綴. 話が伝わらない. 担任した子どもが要保護児童. 何が真実で、どの榛に支援したらいいか困難を感した. 髄待の生徒の対応. 虐待の事実に対して、想像が及ばない部分もありとても気を遣って接する. 髄待の生徒の対応. 巻き込まれていく教師に何とかストッナ勘、げなければと思う時、自分も巻き込まれてしまいそうに感じる. ネグレ外. 信頼関係を結ぶのに非常に時間がかかり、ストレスを感じる. 臥かの生養雌校聴旗唱が駅. 原因がはっきりしなく、有効な手立てがない. 何をやって板応が返ってこない. 量的に醗を脳. 起立性調節障翻. 授業に出られないまま、退院してしまう. たまに登校してくる生徒にどのような授業をし、対応をしたらいいのか. 発達賭②. 不安があり、自分の思い通りにならず、不登按になった. どのような手立てを考えて指導したらよいか悩む. アスベルガーの生徒で、本人が会ってくれない. 結局自主退学になったが、対応がそれでよかったのか脳む. ③保儲購神 縫、虐待がある (11). 虐郁). 適応障叡2). 60. ④不鰍、登校 @ 渋り{9}. 心身症②. 明らかに風、な授業、受けたくない授業は遷けて登校. 不登校のことそうでない子を同じ学級に在籍させながら学級経営を行うことが精神的困難であった. 登校できなし魁. 解決方法も何も見つけられないまま結局通信制の学校に転校. 漠然乱た不満にこたえてあげられないことに対するもどかしさ、無力感. 発達障題4). 意歓が希薄で、目の前の煩わしさを避ける. 轄の兆肋現えず蹴纈る. 精神的に不安定腕る. 生徒の困り感に対してうまく支援ができない. ⑤子どもの精糊 ︵5︸. ネ波、鰍の無さ 二次障害による心身症、感情の起伏が激しい. コミュニケーションスキルを学ばせる時に樋む. 情緒障熟1}. 心理的安定状勲噸かない. 準備に相当な時間を費やしていても、突劇二は学琶できず、水泡に帰すこともUましばであった. 発達障蔀1. 席に座って授桑を受けられない. 自分ではどのように対応してよいかが分からなくて、霜榊的に困難を感じる. 離舶閉症の子ども. 担任が一人だけの学級では支援がうまくいかない. 醐の対店が必要. 医師の方針は理解できるが、集団の中での指副こ悩む. ⑥酬の対応と 並行しての集団と しての指導(学縁. ⑤. 経営)が難しい。. 行為璋蜜1}. 適応障蜜n. 集団の中での’トルが守れない. 同じ掌級の生徒たちがストレスを抱えてしまう. 他者の賂ができない. 子ども同士の人間閣係が集けないことに悩む. 27.
(30) 心身症・行動障害の子どもとの関わりの中で精神的困り感を覚えるものが最 も多かった。まずその攻撃的な言葉や行動に、「マイナス感情にさらされ続ける ストレス」、「見通しの立ちにくさ」に困難を覚えている。攻撃的な言動を繰り. 返す子どもたちに対しては、長い教職経験から一定の指導方法や対処方法を身 につけているはずであるが、なかなか自己の感情のコントロールができないと いう。病弱特別支援学校(学級)に在籍する子どもたちは、心身症をはじめ、. 何らかの症状が出るまで、親を含め周囲の生活環境から負の影響を受けている 場合が多い。発達障害の二次障害として発症している子どももかなりの割合を 占める。例えば、生育過程に問題があったと思われる愛着障害のある子どもた ちは、一般的に感情の起伏が激しく、身近な人に対しての関わり方が自然には できにくい。教職員は子どもたちに対応するときに、自分の感情のコントロー ルを乱すことが往々にしてある。「心や体が少し疲れているときに、その子ども. たちの言葉がこたえてひどくつらい時がある」と書いている者もあった。. また一方では、絨黙の症状を示す子どもとのコミュニケーションの取りにく さ、被虐待の子どもと信頼関係の築きにくさにも困り感を持ち、「子どもらが一. 番必要としているものは決してあげられない焦燥感や不全感」を覚えている者 がいる。このカテゴリーに入る子どもたちは、入院し病弱特別支援学校(院内 学級・分教室)に至るまでに、家庭等の背景に様々な問題があることが多い。. 保護者も精神疾患を患っている場合が多く、支援を行うのに細心の配慮を要す るため、「子どもと自然なかかわりができないことを困難に思う」という記述も ある。要保護児童を預かっている場合には、「何が真実で、どの様に支援すれば. よいか悩む」とあった。不登校で、少人数の集団であり個別の対応にもきめ細 かさがあると思われる院内学級にすら登校できない子どもたちが、退院と同時 に元の学校に戻らねばならないため、不登校状態の改善を望めないという現実 を前に、無力感を覚えている。学校という教育機関の中で、個別の対応と同時 に学級経営を行うに当たり、全員が個別の対応が必要な上、学級としての集団 の中で、社会における適応力を育成することの難しさに精神的困難を覚える教 職員もいる。「適応障害の診断を受けた子どもの学級担任時代、他者の受容が進 まない子ども同士の人間関係が築けなかった。」という記述もあった。. 病弱支援学校の宿命であるが、学級の子どもたちは、1年間同じメンバーで 固定されることはない。一人の子どもがようやく院内学級という小さな集団の 中で存在することに馴染み、小集団の中での自らの位置を確認し、互いにコミ ュニケーションが取れるようになったときに、また新しく、しんどい状況の子 どもが入ってくる。関わっている教職員のうち何人かは、新たに多くのエネル 28.
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