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ノート指導と教科書の使用でひとり学びの可能性を探る : 効果的な正負の数の紹介の仕方: 沖縄地域学リポジトリ

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(1)

Title

ノート指導と教科書の使用でひとり学びの可能性を探る :

効果的な正負の数の紹介の仕方

Author(s)

池間, 生子

Citation

教職実践研究(6): 17-29

Issue Date

2016-03

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/21847

Rights

沖縄大学教職支援センター

(2)

教職実践研究 (2016 年) 第6 号 , pp.17-29 17 -<実践報告>

ノート指導と教科書の使用でひとり学びの可能性を探る

-効果的な正負の数の紹介の仕方-

池間 生子 沖縄大学人文学部こども文化学科

Explore Possibilities of Self-education by Teaching Note-taking

Skills and Using Textbooks

―Effective ways to Introduce Positive and Negative Numbers―

Shoko IKEMA (Faculty of Humanities, Department of child Studies)  小中学校で6月に行われたベネッセコーポレーションの調査資料の教科に対するアンケート結果で、小 学校の算数6年生では、「とても好き」「まあ好き」の合計が 52.9%、中学 1 年生数学では、28.5%と落 ち込みが見られる。小学校から中学校へ入学すると同時に、算数が数学となり、始めに出会う単元内容が 「正負の数」の新しい概念づくりが数学への興味・関心に関係があるのではないかと考えた。  そこで、正負の数の指導を通して家庭学習(一人学び)の充実を図るため、生徒は何を手がかりに、ど のように学んでいけばよいのか示唆できるような、教科書とノート指導に視点をおき、正負の数の単元指 導と一人学びの可能性を考察した。 キーワード:正負の数、授業とノート指導、授業と家庭学習

Ⅰ.はじめに

1 中学校へ入ると学習意欲の低下が見

られる。

 不登校がふえる。という中1ギャップの解 消を行なうためいろいろな改善策が提案され ている。  那覇市では、小中一貫教育を導入すること を改善の手がかりとした。児童生徒の発達段 階をふまえ、小中の教師がお互いの学校の文 化を理解し、義務教育過程を教職員全員で児 童生徒の学びを保証していけるようにという ことである。   これまで小中一貫教育の一環として行って きた①交流活動、②教科の系統性を意識した 取組み、③学び方に視点をおいた統一テーマ を設定して取組む授業改善、等が実践内容で ある。ここでは、毎日行われる授業に視点を あて、具体的な改善策を考えてみる。  平成17 年6月にベネッセコーポレーショ 1 -教科書とノート指導で一人学びの可能性を探る ― “正負の数”への出会わせ方 ― 沖縄大学 人文学部こども文化学科 池 間 生 子 小中学校で6月に行われたベネッセコーポレーションの調査資料の教科に対するアンケート結果で、 小学校の算数6年生では、「とても好き」「まあ好き」の合計が 52.9 %、中学 1 年生数学では、28.5 % と落ち込みが見られる。小学校から中学校へ入学すると同時に、算数が数学となり、始めに出会う単元 内容が「正負の数」の新しい概念づくりが数学への興味・関心に関係があるのではないかと考えた。 そこで、正負の数の指導を通して家庭学習(一人学び)の充実を図るため、生徒は何を手がかりに、 どのように学んでいけばよいのか示唆できるような、教科書とノート指導に視点をおき、正負の数の単 元指導と一人学びの可能性を考察した。 キーワード:正負の数、授業とノート指導、授業と家庭学習 Ⅰ.はじめに 1 中学校へ入ると学習意欲の低下が見られる。 不登校がふえる。という中1ギャップの解消を 行なうためいろいろな改善策が提案されている。 那覇市では、小中一貫教育を導入することを改 善の手がかりとした。児童生徒の発達段階をふま え、小中の教師がお互いの学校の文化を理解し、 義務教育過程を教職員全員で児童生徒の学びを保 証していけるようにということである。 これまで小中一貫教育の一環として行ってきた ①交流活動、②教科の系統性を意識した取組み、 ③学び方に視点をおいた統一テーマを設定して取 組む授業改善、等が実践内容である。ここでは、 毎日行われる授業に視点をあて、具体的な改善策 を考えてみる。 平成 17 年6月にベネッセコーポレーションが 行った「義務教育に関する意識調査」のアンケー トで教科の「好き・嫌い」のデーターから見ると、 小学校6年生の6月「とても好き」「まあ好き」 の合計が 52.9 %だったのが、中学 1 年生6月に は、28.5 %と落ち込みが見られる。各教科の平均 値も中学1年生になると落ち込みはみられるもの の、数学の落ち込み方は極端で早急の改善策が臨 まれる。 落ち込む原因を小学校と中学校の違いから推測 すると、授業のスピード、内容の取り扱い方、教 科担任制からくる教師と生徒の関わり方、友達同 士の関わり方等、考えられるが、落ち込み方の激 しい算数・数学の教科に視点をあて、考えてみた い。 <ベネッセコーポレーションの調査資料から> 「教科書は資料として活用」「教科書を教える のではなく、教科書で教える」等と教科書をどの ような視点で捉え授業で活用するかについてはい ろいろな方向から提案がなされている。 K 中学校の生徒の「勉強したいのに勉強の仕方が 分からない」という声に、対応するため家庭学習 はどのように取組めばよいのか、各教科担当と意 見交換を行いながら資料づくりを行った。 ほとんどの教科の担当教師が、学習内容を確認す 20 30 40 50 60 70 80 90 100 国語 社会 算数・数学 理科 ンが行った「義務教育に関する意識調査」の アンケートで教科の「好き・嫌い」のデーター から見ると、小学校6年生の6月「とても好 き」「まあ好き」の合計が52.9%だったのが、 中学1 年生6月には、28.5%と落ち込みが見 られる。各教科の平均値も中学1年生になる <ベネッセコーポレーションの調査資料から>

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19 18 -ノート指導と教科書の使用でひとり学びの可能性を探る 池間 教職実践研究, 2016, 3, pp.17-29 教職実践研究, 2016, 3, pp.17-29 と落ち込みはみられるものの、数学の落ち込 み方は極端で早急の改善策が臨まれる。  落ち込む原因を小学校と中学校の違いから 推測すると、授業のスピード、内容の取り扱 い方、教科担任制からくる教師と生徒の関わ り方、友達同士の関わり方等、考えられる が、落ち込み方の激しい算数・数学の教科に 視点をあて、考えてみたい。  「教科書は資料として活用」「教科書を教 えるのではなく、教科書で教える」等と教科 書をどのような視点で捉え授業で活用するか についてはいろいろな方向から提案がなされ ている。  K 中学校の生徒の「勉強したいのに勉強の 仕方が分からない」という声に、対応するた め家庭学習はどのように取組めばよいのか、 各教科担当と意見交換を行いながら資料づく りを行った。  ほとんどの教科の担当教師が、学習内容を確 認するため教科書を読むことを一番にあげた。 ある程度の内容の把握ができたところで練習問 題に取組んでみるというパターンである。  各教科ごとに学習の取組み方をコンパクト にまとめ、中2の1クラスに資料配付と説明 を行った。  中学校で落ち込みの激しい数学で実際に 行ってみたが、数学が苦手な生徒が数学の教 科書を丁寧に読んでも読んだだけで分かるよ うな説明が教科書に書かれているわけではな い。教科書を読むためには、行間が読める力 がついていないと理解したり納得したりする のは難しい。      そ こ で、 教 科 書 を 活 用 し た 授 業 と 板 書 (ノート)の併用で、生徒が教科書の行間を 読むことができるような教師の教材研究が重 要になってくる。数学の時間に理解が困難な 生徒は教科書を何度読んでも読むだけで理解 が深まるとは思えないからである。

2 中学一年生のアンケートから

 中学校に入学して間もない時期の、数学の 単元「正負の数」で数学が嫌いになる割合が 多いのではないかと考え、数の概念を広げる ときのもやもや感にどのように対処していけ ばよいのか具体的な方策を考える。  12 月に行なった、中学1年の「正負の数」 の定着度をみる問題の結果である。  取り上げている数字は1位数で、正の整数 であればほとんど間違うことのない計算であ る。ケアレスミスとはいえ、全員が正答した のは2問のみというのは、負の整数の概念が あやふやな状態になっていることが考えられ る。特に、 ③(+3)-(-7)  ④(-2)-(-3) の問題の間違いが多かったのは、計算の仕方 を覚えていないか、「あれ?」と迷った時、 負の数をどのように考えていけばよいのか、 手がかりとなる考え方が身についていないか 等が考えられる。  間違った生徒は、教科書を利用して復習を 行なうことになるが、教科書には具体的な説 明が記載されているというわけではない。  そこで、「教科書とノートで振り返り(復 習)ができる」授業づくりが必要となる。  教師は、「ひと通り教えたから、後は計算 ドリル、繰返し練習で基礎計算力を身につけ させたい」という思いで宿題や家庭学習を勧 める。しかし、理解したり納得したりするこ とができていない生徒にとっては、ドリルそ 2 -るため教科書を読むことを一番にあげた。ある程 度の内容の把握ができたところで練習問題に取組 んでみるというパターンである。 各教科ごとに学習の取組み方をコンパクトにま とめ、中2の1クラスに資料配付と説明を行った。 中学校で落ち込みの激しい数学で実際に行って みたが、数学が苦手な生徒が数学の教科書を丁寧 に読んでも読んだだけで分かるような説明が教科 書に書かれているわけではない。教科書を読むた めには、行間が読める力がついていないと理解し たり納得したりするのは難しい。 そこで、教科書を活用した授業と板書(ノート) の併用で、生徒が教科書の行間を読むことができ るような教師の教材研究が重要になってくる。数 学の時間に理解が困難な生徒は教科書を何度読ん でも読むだけで理解が深まるとは思えないからで ある。 2 中学一年生のアンケートから 中学校に入学して間もない時期の、数学の単元 「正負の数」で数学が嫌いになる割合が多いので はないかと考え、数の概念を広げるときのもやも や感にどのように対処していけばよいのか具体的 な方策を考える。 12 月に行なった、中学1年の「正負の数」の 定着度をみる問題の結果である。 問 題 正当率 ①(-3)+(+2) 98% ②(+2)+(-3) 100% ③(+3)-(-7) 92% ④(-2)-(-3) 92% ⑤(-2)×(+6) 98% ⑥(-5)×(+4) 100% ⑦(+6)×(-2) 98% ⑧(+4)×(-2) 98% ⑨(-4)×(-7) 98% ⑩(+6)÷(-2) 98% ⑪(-10)÷(-5) 98% ⑫(-15)+(+6) + (-10)+(+20) 79% 解き方も書きましょう 取り上げている数字は1位数で、正の整数であ ればほとんど間違うことのない計算である。ケア レスミスとはいえ、全員が正答したのは2問のみ というのは、負の整数の概念があやふやな状態に なっていることが考えられる。特に、 ③(+3)-(-7) ④(-2)-(-3) の問題の間違いが多かったのは、計算の仕方を覚 えていないか、「あれ?」と迷った時、負の数を どのように考えていけばよいのか、手がかりとな る考え方が身についていないか等が考えられる。 間違った生徒は、教科書を利用して復習を行な うことになるが、教科書には具体的な説明が記載 されているというわけではない。 そこで、「教科書とノートで振り返り(復習)が できる」授業づくりが必要となる。 教師は、「ひと通り教えたから、後は計算ドリ ル、繰返し練習で基礎計算力を身につけさせたい」 という思いで宿題や家庭学習を勧める。しかし、 理解したり納得したりすることができていない生 徒にとっては、ドリルそのものが苦痛になってし まう。自分が、今、取組んでいる学習が当たって いるのか、間違っているのか理由が分からないた めである。「ひと通り教えたので、後はドリル学 習で!」というのは教師の陥りやすい盲点とも言 える。 教科書は、細かな説明を省いたり、概念的なこ とが省略されていたりするため、教師の教材研究 で、その部分を補うことになる。教科書と板書、 生徒のノートに記載される学習内容とあわせて1 時間の授業内容が成立するというわけである。 行間を読む教師の力量が問われることになる。 小学校から入学したばかりの中学1年生は、生 活の中で使われている負の数を見たり、聞いたり したことはあっても、これまで扱ってきた0より 大きい数と同じように整数として扱うことは、ほ とんどなく「0=ない」「正の整数」と「0より 小さい数」「負の整数」を同じように扱うことに は抵抗を示すことが多いのではないかと考えられ る。 次ページのグラフは、中学一年生の1月にとっ たアンケートの結果である。選択した項目とその 理由を文章で記載してもらった。

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19 18 -ノート指導と教科書の使用でひとり学びの可能性を探る 池間 教職実践研究, 2016, 3, pp.17-29 教職実践研究, 2016, 3, pp.17-29 のものが苦痛になってしまう。自分が、今、 取組んでいる学習が当たっているのか、間 違っているのか理由が分からないためであ る。「ひと通り教えたので、後はドリル学習 で!」というのは教師の陥りやすい盲点とも 言える。  教科書は、細かな説明を省いたり、概念的 なことが省略されていたりするため、教師の 教材研究で、その部分を補うことになる。教 科書と板書、生徒のノートに記載される学習 内容とあわせて1時間の授業内容が成立する というわけである。  行間を読む教師の力量が問われることにな る。  小学校から入学したばかりの中学1年生 は、生活の中で使われている負の数を見た り、聞いたりしたことはあっても、これまで 扱ってきた0より大きい数と同じように整数 として扱うことは、ほとんどなく「0= ない」 「正の整数」と「0より小さい数」「負の整 数」を同じように扱うことには抵抗を示すこ とが多いのではないかと考えられる。  次ページのグラフは、中学一年生の1月に とったアンケートの結果である。選択した項 目とその理由を文章で記載してもらった。 数学の学習は、「大好き・好き」と回答した生徒 の中で多かった理由は、 「解けた時、とてもうれしい気持ちになる」 「分からないことが分かった時、楽しい」 「やり方が分かればできるので面白い」という 内容からも分かるように、「やりとげた」「分かっ た」というような意欲に結びつく成就感や達成感 を味わう経験をしていることがうかがえる。 また、「あまり好きではない・嫌い」の理由は、 「方程式の解き方・作り方がわからない」(7人) 「公式が覚えられない」(7人) 「計算ができない」(6人) 「文字や記号の意味がわからない」(5人) 「解き方がわからない」(3人) 「図形がむずかしい」(3人) 等であった。複数回答のため数字からのみの考察 は難しいが、上記にあげた内容が学習時に1項目 でもあてはまると数学の学習に支障をきたすであ ろうことは容易に判断できる。生徒は苦手意識を 克服するため、教師の与える家庭学習の課題に取 組むことになる。しかし、アンケートの結果をみ ると、分からない時、つまずいた時、何を手がか りにすればよいのか分からなければ、家庭学習で 成果を期待するのには無理がある。教師の1時間 1時間の教材研究の中に、マイノートに何が残っ ていなければならないのかに視点をおき、生徒の 一人学びができるようにする必要がある。 「数学の家庭学習で困ること」についてのアン ケートから、約半数の生徒が、困っていることが 分かる。「答を見ても答の意味がわからない」「授 業で分かった問題を家で解くと分からなくなって いる。」等、課題に取組みたい気持ちとうまくい かない様子が伺える。その結果、生徒は塾や保護 者の力を借り解決を図ることになる。 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 大 好 き 好 き あ ま り 嫌 い 数学の学習は好きですか。 教科は数学 家庭学習で 選択肢 困っている人数 ①大好き (3人) 1人 :33 % ②好き (11 人) 3人 :27 % ③あまり好きではない(16 人)12人 :75 % ④嫌い (7人) 3人 :43 % 合 計 36人 19人 :53 % ・自分で考えても分からなくて解けない場合 合が多い。説明してくれる人がいない。 ・教科書やワークなどの答を見ても「なぜこ うなるのか」を分かりやすく詳しく書いて いないから分からない問題が増えてしまう。 ・授業で分かった問題を家で解くと分からな くなっている。 ・どうやって解いたらいいか分からない。 ・答を見ても答の意味が分からない。 ・解き方が分かっても計算がわからない。 ・グラフや図をどうやってまとめたらいいか わからない。複雑で書きにくい。 ・やり方を忘れることがある。 ・難しすぎて書きにくい時がある。 ・どのように計算すれば良いかとか、まず解 き方が分からない。だからあまりやらない。 ・中学生になると問題がうんと難しくなった ので親に教えてもらうことができない。 ・親がいない時に数学で分からないところが あると勉強がストップする。 「授業と連動した家庭学習」とよく聞く言葉で あるが、実際は1時間1時間の授業改善が前提に なければ家庭学習に結びつくことはない。 つまり、授業で活用した教科書と学びの跡が見 えるマイノートを手がかりに自主学習が充実でき るような授業改善に取組んでいくことが必要なの である。 Ⅱ 研究内容 1 教科書を読む 中学校入学時に目にする数学の学習、「正負の 数」の取り扱いで数の概念を広げながら、数学の 世界にスムーズに入っていくために、教科書と生 徒の自作ノートを関連させ、生徒が一人学びに耐 3 -数学の学習は、「大好き・好き」と回答した生徒 の中で多かった理由は、 「解けた時、とてもうれしい気持ちになる」 「分からないことが分かった時、楽しい」 「やり方が分かればできるので面白い」という 内容からも分かるように、「やりとげた」「分かっ た」というような意欲に結びつく成就感や達成感 を味わう経験をしていることがうかがえる。 また、「あまり好きではない・嫌い」の理由は、 「方程式の解き方・作り方がわからない」(7人) 「公式が覚えられない」(7人) 「計算ができない」(6人) 「文字や記号の意味がわからない」(5人) 「解き方がわからない」(3人) 「図形がむずかしい」(3人) 等であった。複数回答のため数字からのみの考察 は難しいが、上記にあげた内容が学習時に1項目 でもあてはまると数学の学習に支障をきたすであ ろうことは容易に判断できる。生徒は苦手意識を 克服するため、教師の与える家庭学習の課題に取 組むことになる。しかし、アンケートの結果をみ ると、分からない時、つまずいた時、何を手がか りにすればよいのか分からなければ、家庭学習で 成果を期待するのには無理がある。教師の1時間 1時間の教材研究の中に、マイノートに何が残っ ていなければならないのかに視点をおき、生徒の 一人学びができるようにする必要がある。 「数学の家庭学習で困ること」についてのアン ケートから、約半数の生徒が、困っていることが 分かる。「答を見ても答の意味がわからない」「授 業で分かった問題を家で解くと分からなくなって いる。」等、課題に取組みたい気持ちとうまくい かない様子が伺える。その結果、生徒は塾や保護 者の力を借り解決を図ることになる。 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 大 好 き 好 き あ ま り 嫌 い 数学の学習は好きですか。 教科は数学 家庭学習で 選択肢 困っている人数 ①大好き (3人) 1人 :33 % ②好き (11 人) 3人 :27 % ③あまり好きではない(16 人)12人 :75 % ④嫌い (7人) 3人 :43 % 合 計 36人 19人 :53 % ・自分で考えても分からなくて解けない場合 合が多い。説明してくれる人がいない。 ・教科書やワークなどの答を見ても「なぜこ うなるのか」を分かりやすく詳しく書いて いないから分からない問題が増えてしまう。 ・授業で分かった問題を家で解くと分からな くなっている。 ・どうやって解いたらいいか分からない。 ・答を見ても答の意味が分からない。 ・解き方が分かっても計算がわからない。 ・グラフや図をどうやってまとめたらいいか わからない。複雑で書きにくい。 ・やり方を忘れることがある。 ・難しすぎて書きにくい時がある。 ・どのように計算すれば良いかとか、まず解 き方が分からない。だからあまりやらない。 ・中学生になると問題がうんと難しくなった ので親に教えてもらうことができない。 ・親がいない時に数学で分からないところが あると勉強がストップする。 「授業と連動した家庭学習」とよく聞く言葉で あるが、実際は1時間1時間の授業改善が前提に なければ家庭学習に結びつくことはない。 つまり、授業で活用した教科書と学びの跡が見 えるマイノートを手がかりに自主学習が充実でき るような授業改善に取組んでいくことが必要なの である。 Ⅱ 研究内容 1 教科書を読む 中学校入学時に目にする数学の学習、「正負の 数」の取り扱いで数の概念を広げながら、数学の 世界にスムーズに入っていくために、教科書と生 徒の自作ノートを関連させ、生徒が一人学びに耐 数学の学習は、「大好き・好き」と回答した 生徒の中で多かった理由は、  「解けた時、とてもうれしい気持ちになる」  「分からないことが分かった時、楽しい」  「やり方が分かればできるので面白い」と いう内容からも分かるように、「やりとげ た」「分かった」というような意欲に結びつ く成就感や達成感を味わう経験をしているこ とがうかがえる。  また、「あまり好きではない・嫌い」の理 由は、 「方程式の解き方・作り方がわからない」(7人) 「公式が覚えられない」(7人) 「計算ができない」(6人) 「文字や記号の意味がわからない」(5人) 「解き方がわからない」(3人) 「図形がむずかしい」(3人) 等であった。複数回答のため数字からのみの 考察は難しいが、上記にあげた内容が学習時 に1項目でもあてはまると数学の学習に支障 をきたすであろうことは容易に判断できる。 生徒は苦手意識を克服するため、教師の与え る家庭学習の課題に取組むことになる。しか し、アンケートの結果をみると、分からない

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21 20 -ノート指導と教科書の使用でひとり学びの可能性を探る 池間 教職実践研究, 2016, 3, pp.17-29 教職実践研究, 2016, 3, pp.17-29 時、つまずいた時、何を手がかりにすればよ いのか分からなければ、家庭学習で成果を期 待するのには無理がある。教師の1時間1時 間の教材研究の中に、マイノートに何が残っ ていなければならないのかに視点をおき、生 徒の一人学びができるようにする必要がある。  「数学の家庭学習で困ること」についての アンケートから、約半数の生徒が、困ってい ることが分かる。「答を見ても答の意味がわ からない」「授業で分かった問題を家で解く と分からなくなっている。」等、課題に取組 みたい気持ちとうまくいかない様子が伺え る。その結果、生徒は塾や保護者の力を借り 解決を図ることになる。  「授業と連動した家庭学習」とよく聞く言 葉であるが、実際は1時間1時間の授業改善 が前提になければ家庭学習に結びつくことは ない。  つまり、授業で活用した教科書と学びの跡 が見えるマイノートを手がかりに自主学習が 充実できるような授業改善に取組んでいくこ とが必要なのである。       

Ⅱ 研究内容

1 教科書を読む

 中学校入学時に目にする数学の学習、「正 負の数」の取り扱いで数の概念を広げなが ら、数学の世界にスムーズに入っていくため に、教科書と生徒の自作ノートを関連させ、 生徒が一人学びに耐えうる授業につなぐこと ができるよう考えてみたい。次の項目が、数 学スタート時の内容である。 「1節 正負の数」 「2節 加法と減法」 「3節 乗法と除法」 「4節 正負の数の利用」  学習の内容に入る前に、教科書では「数学 マイノート」についての説明も具体的に記載 されている。また、この単元の終了時には、 マイノートについて具体的な説明をつけ1 ページ割かれている。教科書を編集する側と してもマイノートはセットの認識であると思 う。しかし、小学校からのつなぎを(継続) 意識させるページになっていること、教科書 とマイノートで生徒の理解を補助していくこ とを教師が理解しているかどうかで扱い方が 大きく違ってくる。毎日の授業の内容と生徒 の分かり方、気づき、ひらめき等をどのよう に記載しながら一人学びの学び方につないで いくかという、教師の授業のあり方を方向付 ける大きな分岐点である。

2 小中の単元の扱いの違い

 小学校の「単元」と中学校の「単元」の扱 い方で違うのは、小学校の算数の授業では、 面積の学習時は、面積のみの学習が丁寧に進 んでいく。面積の単元に他の内容が入ってく ることは、ほとんどない。例えば、  ①面積 ― 面積とは(広さ)― 具体的 に敷  き詰め ― 何個分 ― 公式 へ ― 単位  の確認 ― 練習問題   四角形の面積 ― 三角形の面積 ―  平行四辺形の面積 ― 台形の面積 と順序よく配列されている。  それに比べ数学の教科書は、正負の整数、 小数、分数、面積、体積、速さ、重さ等の内 容が、習った学習内容として練習問題に混在 してくる。また、中学校の数学の指導では一 般化が進むが、一般化していく学習の速さが 理解の障害になっているのではないかと考え ることもできる。  次の単元である「文字式」の学習において も、小学校では言語の式や文字の式で表すこ とはあるが、そういった表現言語としての数 式の役割にもまして、中学校数学では処理言 語としての数式の役割が増大する。そのた め、意味に頼らずに形式的な表記や操作が盛 んに登場する。そこで、覚える内容と思考し てその過程を大切に見ていくことを教師の言 葉で分類してあげる意識を持っておかなけれ ばならない。  「覚えて活用する。」「導く過程を大切に する。」という内容を整理しながら、マイ

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21 20 -ノート指導と教科書の使用でひとり学びの可能性を探る 池間 教職実践研究, 2016, 3, pp.17-29 教職実践研究, 2016, 3, pp.17-29 ノートづくりを意識した板書の内容を大切に したい。

3 教科書の内容に沿って考える

<1節 正負の数>   中学校の正負の数の説明で出てくる数学用 語20 種以上である。これまで、一つひとつ の単元として学んできた、自然数、整数、分 数の計算が当たり前のように同居する数学の 学習のスタートである。  「①符号のついた数」「②数の大小」のペー ジでは、数学用語の説明が主で理解と暗記が セットになっている。  新しく出てくる数学用語を拾い上げてみる。 4 -えうる授業につなぐことができるよう考えてみた い。次の項目が、数学スタート時の内容である。 「1節 正負の数」 「2節 加法と減法」 「3節 乗法と除法」 「4節 正負の数の利用」 学習の内容に入る前に、教科書では「数学マイ ノート」についての説明も具体的に記載されてい る。また、この単元の終了時には、マイノートに ついて具体的な説明をつけ1ページ割かれてい る。教科書を編集する側としてもマイノートはセ ットの認識であると思う。しかし、小学校からの つなぎを(継続)意識させるページになっている こと、教科書とマイノートで生徒の理解を補助し ていくことを教師が理解しているかどうかで扱い 方が大きく違ってくる。毎日の授業の内容と生徒 の分かり方、気づき、ひらめき等をどのように記 載しながら一人学びの学び方につないでいくかと いう、教師の授業のあり方を方向付ける大きな分 岐点である。 2 小中の単元の扱いの違い 小学校の「単元」と中学校の「単元」の扱い方 で違うのは、小学校の算数の授業では、面積の学 習時は、面積のみの学習が丁寧に進んでいく。面 積の単元に他の内容が入ってくることは、ほとん どない。例えば、 ①面積 ― 面積とは(広さ)― 具体的に敷 き詰め ― 何個分 ― 公式へ ― 単位 の確認 ― 練習問題 四角形の面積 ― 三角形の面積 ― 平行 四辺形の面積 ― 台形の面積 と順序よく配列されている。 それに比べ数学の教科書は、正負の整数、小数、 分数、面積、体積、速さ、重さ等の内容が、習っ た学習内容として練習問題に混在してくる。また、 中学校の数学の指導では一般化が進むが、一般化 していく学習の速さが理解の障害になっているの ではないかと考えることもできる。 次の単元である「文字式」の学習においても、 小学校では言語の式や文字の式で表すことはある が、そういった表現言語としての数式の役割にも まして、中学校数学では処理言語としての数式の 役割が増大する。そのため、意味に頼らずに形式 的な表記や操作が盛んに登場する。そこで、覚え る内容と思考してその過程を大切に見ていくこと を教師の言葉で分類してあげる意識を持つておか なければならない。 「覚えて活用する。」「導く過程を大切にする。」 という内容を整理しながら、マイノートづくりを 意識した板書の内容を大切にしたい。 3 教科書の内容に沿って考える <1節 正負の数> 中学校の正負の数の説明で出てくる数学用語 20 種以上である。これまで、一つひとつの単元 として学んできた、自然数、整数、分数の計算が 当たり前のように同居する数学の学習のスタート である。 「①符号のついた数」「②数の大小」のページ では、数学用語の説明が主で理解と暗記がセット になっている。 新しく出てくる数学用語を拾い上げてみる。 ①-3℃で「マイナス3℃」 ②+を「正の符号」-を「負の符号」 ③+5、+8を「正の数」 ④-3、-8を「負の数」 ⑤0は正でも負でもない数 ⑥数といえば「正の数、負の数」 ⑦整数とは「正の数」「0」「負の数」 ⑧正の整数を「自然数」 ⑨数直線で0が対応している点「原点」 ⑩数直線の右の方向「正の方向」 左の方向「負の方向」 ⑪数直線上で、ある数に対応する点と原点と の距離を「絶対値」、0の絶対値は0 (1)授業の中で取り上げていく際に、バラバラ に見えてしまう上記の内容を、生徒一人一人にま とめさせ数直線上で包括できることを体験させる ため、次ページのような活動は必須である。教科 書の説明文を図式化しながらイメージさせていく のである。また、+の方向や原点は決まっている のではなく、場面によって決めることができ、そ れを決めた次点で、-+の方向が決まってくるこ 1 -となども例を挙げながら確認しておくことも大切 負の数を使って表してみよう。」で導入となっ である。 ている。矢印を目盛りとの対応で、矢印その ものに意味もたせる捉え方ではない。或長さ を持った規準の『矢印』」という見方ではなく、 -3m +5m 西 東 A 「数直線の右の方向を正の方向、左の方向を 負の方向という。」のように「方向のある数」 としての扱いで、数直線と対応させながら概 念づくりをしていくながれになっている。 そこで、矢印の持つ意味を具体的に示し、授 業の内容とノート指導を一人学びにつなぐこ とが出来るように考えてみたい。 教科書で「符号の付いた数」の小単元では、整 「教科書の内容+ノート記載=自主学習」 数を矢印で表し、「規準とのちがいを、正の数、 となるような視点で授業をつくる。 「加法と減法」の単元の最初に出てくるの説明の図である。この図や文章から読み取れることは、 ①線分図である ②矢印の方向で正の数 ③矢印の長さで量 ④「移動」と「続けて」の違いを矢印をずらし、矢印合わせる ⑤言葉と式 ⑥式を図で表す時、線分図の上の段は式の左辺、下の段は右辺(答) 等の情報を得ることができる。これらは小学校で学んできたことが主である、分かっていること として進めがちであるが、この図で上記のような読み取りや情報が得られることの確認をしておく ことは大切である。また、小学校では、線分図上で合わせることの表 記は右図のように行なってきた。同じ内容であるが、6カ年間の学び 0 とこれからの学びをつなぐ大切な学びであることを認識しておく必要がある。

負の数 正の数(自然数) 負の方向 正の方向 負の符号-(マイナス) 正の符号+(プラス) -8 -7 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 原点 絶対値4 絶対値4 整数 <教科書Ⅰ> ①例1 加法 1回目の移動は +3 2 回 目 の 移 動 は + 5 と表せる。 2回続けて移動すると、右の図の よ うに な り、 結 果は + 8m と 表せ る 。 例1の結果の+8は、次の足し算の式 で求められる。 (+3)+(+5)=+8 A A +3 +5 西 東 西 東 +8

(1)授業の中で取り上げていく際に、バ ラバラに見えてしまう上記の内容を、生徒一 人一人にまとめさせ数直線上で包括できるこ とを体験させるため、次ページのような活動 は必須である。教科書の説明文を図式化しな がらイメージさせていくのである。また、+ の方向や原点は決まっているのではなく、場 面によって決めることができ、それを決めた 次点で、-+の方向が決まってくることなど も例を挙げながら確認しておくことも大切で ある。  教科書で「符号の付いた数」の小単元で は、整数を矢印で表し、「規準とのちがいを、 正の数、負の数を使って表してみよう。」で 導入となっている。矢印を目盛りとの対応 で、矢印そのものに意味もたせる捉え方では ない。或長さを持った規準の『矢印』」とい 1 -となども例を挙げながら確認しておくことも大切 負の数を使って表してみよう。」で導入となっ である。 ている。矢印を目盛りとの対応で、矢印その ものに意味もたせる捉え方ではない。或長さ を持った規準の『矢印』」という見方ではなく、 -3m +5m 西 東 A 「数直線の右の方向を正の方向、左の方向を 負の方向という。」のように「方向のある数」 としての扱いで、数直線と対応させながら概 念づくりをしていくながれになっている。 そこで、矢印の持つ意味を具体的に示し、授 業の内容とノート指導を一人学びにつなぐこ とが出来るように考えてみたい。 教科書で「符号の付いた数」の小単元では、整 「教科書の内容+ノート記載=自主学習」 数を矢印で表し、「規準とのちがいを、正の数、 となるような視点で授業をつくる。 「加法と減法」の単元の最初に出てくるの説明の図である。この図や文章から読み取れることは、 ①線分図である ②矢印の方向で正の数 ③矢印の長さで量 ④「移動」と「続けて」の違いを矢印をずらし、矢印合わせる ⑤言葉と式 ⑥式を図で表す時、線分図の上の段は式の左辺、下の段は右辺(答) 等の情報を得ることができる。これらは小学校で学んできたことが主である、分かっていること として進めがちであるが、この図で上記のような読み取りや情報が得られることの確認をしておく ことは大切である。また、小学校では、線分図上で合わせることの表 記は右図のように行なってきた。同じ内容であるが、6カ年間の学び 0 とこれからの学びをつなぐ大切な学びであることを認識しておく必要がある。

負の数 正の数(自然数) 負の方向 正の方向 負の符号-(マイナス) 正の符号+(プラス) -8 -7 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 原点 絶対値4 絶対値4 整数 <教科書Ⅰ> ①例1 加法 1回目の移動は +3 2 回 目 の 移 動 は + 5 と表せる。 2回続けて移動すると、右の図の よ うに な り、 結 果は + 8m と 表せ る 。 例1の結果の+8は、次の足し算の式 で求められる。 (+3)+(+5)=+8 A A +3 +5 西 東 西 東 +8

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23 22 -ノート指導と教科書の使用でひとり学びの可能性を探る 池間 教職実践研究, 2016, 3, pp.17-29 教職実践研究, 2016, 3, pp.17-29 う見方ではなく、「数直線の右の方向を正の方向、左の 方向を負の方向という。」のように「方向のある数」と しての扱いで、数直線と対応させながら概念づくりをし ていくながれになっている。  そこで、矢印の持つ意味を具体的に示し、授業の内容とノート指導を一人学びにつなぐこと が出来るように考えてみたい。  「教科書の内容+ノート記載=自主学習」となるような視点で授業をつくる。  「加法と減法」の単元の最初に出てくるの説明の図である。この図や文章から読み取れるこ とは、  ①線分図である  ②矢印の方向で正の数  ③矢印の長さで量  ④「移動」と「続けて」の違いを矢印をずらし、矢印合わせる  ⑤言葉と式  ⑥式を図で表す時、線分図の上の段は式の左辺、下の段は右辺(答)  等の情報を得ることができる。これらは小学校で学んできたことが主である、分かっている こととして進めがちであるが、この図で上記のような読み取りや情報が得られることの確認を しておくことは大切である。また、小学校では、線分図上で合わせることの表記は右図のよう に行なってきた。同じ内容であるが、6カ年間の学び0とこれか らの学びをつなぐ大切な学びであることを認識しておく必要がある。 1 -となども例を挙げながら確認しておくことも大切 負の数を使って表してみよう。」で導入となっ である。 ている。矢印を目盛りとの対応で、矢印その ものに意味もたせる捉え方ではない。或長さ を持った規準の『矢印』」という見方ではなく、 -3m +5m 西 東 A 「数直線の右の方向を正の方向、左の方向を 負の方向という。」のように「方向のある数」 としての扱いで、数直線と対応させながら概 念づくりをしていくながれになっている。 そこで、矢印の持つ意味を具体的に示し、授 業の内容とノート指導を一人学びにつなぐこ とが出来るように考えてみたい。 教科書で「符号の付いた数」の小単元では、整 「教科書の内容+ノート記載=自主学習」 数を矢印で表し、「規準とのちがいを、正の数、 となるような視点で授業をつくる。 「加法と減法」の単元の最初に出てくるの説明の図である。この図や文章から読み取れることは、 ①線分図である ②矢印の方向で正の数 ③矢印の長さで量 ④「移動」と「続けて」の違いを矢印をずらし、矢印合わせる ⑤言葉と式 ⑥式を図で表す時、線分図の上の段は式の左辺、下の段は右辺(答) 等の情報を得ることができる。これらは小学校で学んできたことが主である、分かっていること として進めがちであるが、この図で上記のような読み取りや情報が得られることの確認をしておく ことは大切である。また、小学校では、線分図上で合わせることの表 記は右図のように行なってきた。同じ内容であるが、6カ年間の学び 0 とこれからの学びをつなぐ大切な学びであることを認識しておく必要がある。

負の数 正の数(自然数) 負の方向 正の方向 負の符号-(マイナス) 正の符号+(プラス) -8 -7 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 原点 絶対値4 絶対値4 整数 <教科書Ⅰ> ①例1 加法 1回目の移動は +3 2 回 目 の 移 動 は + 5 と表せる。 2回続けて移動すると、右の図の よ うに な り、 結 果は + 8m と 表せ る 。 例1の結果の+8は、次の足し算の式 で求められる。 (+3)+(+5)=+8 A A +3 +5 西 東 西 東 +8

2 -加法の例2では以下のような説明になっている。 確かに、図から結果は-2mであるが、-5をたすと ということはどういうことなのか線分図 で理解をさせようとしているところに無理がある。 教科書に示されている図の表示は、「最初に東へ3m歩き、続けて西へ5m歩く。」を丁寧に表現 している。説明の中で使われている上の図と下の図の大き なちがいは、 式(+3)+(-5)=-2の右辺と左辺を図の上下と対 応させていることである。文章と図を対応させながら考え るという生徒の「気づき」も大切であるが、負の数の概念 づくりの大切な単元内容であることを考えると、式の右辺 と左辺、線分図の上下の対応については、説明を入れる部分であろう。また、教科書とは逆に図を 言葉で表す(図を読む)作業はノート指導内容として取り上げ、振り返りの際のポイントとする。 矢印の持つ意味を言葉と対応させながら、ノートに整理させ振り返りにも活用できるような配慮が 必要である。 また、正の数や負の数は、互いに逆の性質を持つことがらを表すときに使えることの確認と言葉 と式の関係を明確にしておく。 ※3より-4大きい数は → 3+(-4) 3より 4小さい数 → 3-4=-1 ※3より-4小さい数 → 3-(-4) 3より 4大きい数 → 3+ 4=7 ※-300円の収入 300円の支出 というように、言葉を式、式を言葉でという表現の仕方は、十分に時間をかけながら行なう必要 がある。繰返し言葉にし、繰返し書く作業を大切にしたい。 A 西 東 -2

<教科書Ⅱ> ①例2 加法 1回目の移動は +3 2 回 目 の 移 動 は -5 と表せる。 2回続けて移動すると、右の図の よ う に な り 、 結 果 は - 2 m と 表 せ る 。 2回続けて移動したとき、その結果を 求める計算は (1回目の移動)+(2回目の移動) で表すことができる。 結果は-2mであるから次のようになる。 (+3)+(-5)=-2 足し算のことを加法ともいう。加法の結果が和である。 A A +3 -5 西 東 西 東 -2

 加法の例2では以下のような説明になっている。  確かに、図から結果は-2mであるが、-5をたすと ということはどういうことなのか線 分図で理解をさせようとしているところに無理がある。  教科書に示されている図の表示は、「最初に東へ3m歩き、続けて西へ5m歩く。」を丁寧 に表現している。説明の中で使われている上の図と下の図の大きなちがいは、 1 -となども例を挙げながら確認しておくことも大切 負の数を使って表してみよう。」で導入となっ である。 ている。矢印を目盛りとの対応で、矢印その ものに意味もたせる捉え方ではない。或長さ を持った規準の『矢印』」という見方ではなく、 -3m +5m 西 東 A 「数直線の右の方向を正の方向、左の方向を 負の方向という。」のように「方向のある数」 としての扱いで、数直線と対応させながら概 念づくりをしていくながれになっている。 そこで、矢印の持つ意味を具体的に示し、授 業の内容とノート指導を一人学びにつなぐこ とが出来るように考えてみたい。 教科書で「符号の付いた数」の小単元では、整 「教科書の内容+ノート記載=自主学習」 数を矢印で表し、「規準とのちがいを、正の数、 となるような視点で授業をつくる。 「加法と減法」の単元の最初に出てくるの説明の図である。この図や文章から読み取れることは、 ①線分図である ②矢印の方向で正の数 ③矢印の長さで量 ④「移動」と「続けて」の違いを矢印をずらし、矢印合わせる ⑤言葉と式 ⑥式を図で表す時、線分図の上の段は式の左辺、下の段は右辺(答) 等の情報を得ることができる。これらは小学校で学んできたことが主である、分かっていること として進めがちであるが、この図で上記のような読み取りや情報が得られることの確認をしておく ことは大切である。また、小学校では、線分図上で合わせることの表 記は右図のように行なってきた。同じ内容であるが、6カ年間の学び 0 とこれからの学びをつなぐ大切な学びであることを認識しておく必要がある。

負の数 正の数(自然数) 負の方向 正の方向 負の符号-(マイナス) 正の符号+(プラス) -8 -7 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 原点 絶対値4 絶対値4 整数 <教科書Ⅰ> ①例1 加法 1回目の移動は +3 2 回 目 の 移 動 は + 5 と表せる。 2回続けて移動すると、右の図の よ うに な り、 結 果は + 8m と 表せ る 。 例1の結果の+8は、次の足し算の式 で求められる。 (+3)+(+5)=+8 A A +3 +5 西 東 西 東 +8

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23 22 -ノート指導と教科書の使用でひとり学びの可能性を探る 池間 教職実践研究, 2016, 3, pp.17-29 教職実践研究, 2016, 3, pp.17-29 式(+3)+(-5)=-2の右辺と左辺を図の上下と対応 させていることである。文章と図を対応させながら考えると いう生徒の「気づき」も大切であるが、負の数の概念づくり の大切な単元内容であることを考えると、式の右辺と左辺、 線分図の上下の対応については、説明を入れる部分であろう。 また、教科書とは逆に図を言葉で表す(図を読む)作業はノート指導内容として取り上げ、振 り返りの際のポイントとする。矢印の持つ意味を言葉と対応させながら、ノートに整理させ振 り返りにも活用できるような配慮が必要である。  また、正の数や負の数は、互いに逆の性質を持つことがらを表すときに使えることの確認と 言葉と式の関係を明確にしておく。  ※3より-4大きい数は → 3+(-4)   3より 4小さい数   → 3-4=-1   ※3より-4小さい数 → 3-(-4)       3より 4大きい数 → 3+ 4=7  ※-300円の収入   300円の支出  というように、言葉を式、式を言葉でという表現の仕方は、十分に時間をかけながら行なう 必要がある。繰返し言葉にし、繰返し書く作業を大切にしたい。  教科書では、線分図で矢印の意味を考えながら和を求めることを示し、計算式では、「だか らこのように計算することが出来るのです。」または、「このように計算することと同じです。」 という意味をもたせた表記の仕方になっている。言葉での表現はなされていないが生徒はどの ような読み取りをするのか授業の中で言葉で書かせてみたり、考えを発表させたりしながら線 分図と計算式を対応させて考えることができるようにし、形式だけに陥らないようにする。  式を言葉と連動させながら読むことが次の単元の「文字式」へのスムーズな導入にもなる。    減法の導入では、小学校で学んできた、文章を式に表す時の考え方を活用して、分からないこ とを□で表し、□を使ったたし算から□を求めるひき算に変換して提示している意味を考える。 3 -教科書では、線分図で矢印の意味を考えながら和を求めることを示し、計算式では、「だからこ のように計算することが出来るのです。」または、「このように計算することと同じです。」という 意味をもたせた表記の仕方になっている。言葉での表現はなされていないが生徒はどのような読み 取りをするのか授業の中で言葉で書かせてみたり、考えを発表させたりしながら線分図と計算式を 対応させて考えることができるようにし、形式だけに陥らないようにする。 式を言葉と連動させながら読むことが次の単元の「文字式」へのスムーズな導入にもなる。 減法の導入では、小学校で学んできた、文章を式に表す時の考え方を活用して、分からないこと を□で表し、□を使ったたし算から□を求めるひき算に変換して提示している意味を考える。 <教科書Ⅲ> 異符号の数の加法 (1) +9と-4の和 +9 (+9)+(-4) =+(9-4) -4 =+5 +5 (2)-10と4の和 -10 (-10)+(+4) =-(10-4) +4 =-6 -6

<教科書Ⅰ> ② 減法 Q □+5=8の□にあてはまる数を考えてみよう 小学校で学んだように、□+5=8という式の□に あてはまる数を求める計算は、8-5という引き算である。 □ +5 正負の数でも同じように、ひき算を考える。 □+(+5)=+8にあてはまる数を求める 計算は、次のひき算である。 +8 (+8)-(+5)=□ ひき算のことを減法ともいう。減法の結果が差である。 正負の数の減法の計算方法を考えてみよう。

2 -加法の例2では以下のような説明になっている。 確かに、図から結果は-2mであるが、-5をたすと ということはどういうことなのか線分図 で理解をさせようとしているところに無理がある。 教科書に示されている図の表示は、「最初に東へ3m歩き、続けて西へ5m歩く。」を丁寧に表現 している。説明の中で使われている上の図と下の図の大き なちがいは、 式(+3)+(-5)=-2の右辺と左辺を図の上下と対 応させていることである。文章と図を対応させながら考え るという生徒の「気づき」も大切であるが、負の数の概念 づくりの大切な単元内容であることを考えると、式の右辺 と左辺、線分図の上下の対応については、説明を入れる部分であろう。また、教科書とは逆に図を 言葉で表す(図を読む)作業はノート指導内容として取り上げ、振り返りの際のポイントとする。 矢印の持つ意味を言葉と対応させながら、ノートに整理させ振り返りにも活用できるような配慮が 必要である。 また、正の数や負の数は、互いに逆の性質を持つことがらを表すときに使えることの確認と言葉 と式の関係を明確にしておく。 ※3より-4大きい数は → 3+(-4) 3より 4小さい数 → 3-4=-1 ※3より-4小さい数 → 3-(-4) 3より 4大きい数 → 3+ 4=7 ※-300円の収入 300円の支出 というように、言葉を式、式を言葉でという表現の仕方は、十分に時間をかけながら行なう必要 がある。繰返し言葉にし、繰返し書く作業を大切にしたい。 A 西 東 -2

<教科書Ⅱ> ①例2 加法 1回目の移動は +3 2 回 目 の 移 動 は -5 と表せる。 2回続けて移動すると、右の図の よ う に な り 、 結 果 は - 2 m と 表 せ る 。 2回続けて移動したとき、その結果を 求める計算は (1回目の移動)+(2回目の移動) で表すことができる。 結果は-2mであるから次のようになる。 (+3)+(-5)=-2 足し算のことを加法ともいう。加法の結果が和である。 A A +3 -5 西 東 西 東 -2

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25 24 -ノート指導と教科書の使用でひとり学びの可能性を探る 池間 教職実践研究, 2016, 3, pp.17-29 教職実践研究, 2016, 3, pp.17-29  前ページの説明に続き下記の説明へと続いていくが、小学校で学んだ算数では大きい数から 小さい数をひくという概念はない。そこで、<教科書Ⅰ>と<教科書Ⅱ>の表示は、小さな数 から大きな数を引くこともこれまで通り同じ考え方で式で表すことができるというつなぎを行 ない、 <教科書Ⅱ>ではそれと同時に、そのひき算はたし算で考えていくことが出来ることを図と式 を対応させながら説明をしている。 4 -前ページの説明に続き下記の説明へと続いていくが、小学校で学んだ算数では大きい数から小さ い数をひくという概念はない。そこで、<教科書Ⅰ>と<教科書Ⅱ>の表示は、小さな数から大き な数を引くこともこれまで通り同じ考え方で式で表すことができるというつなぎを行ない、 <教科書Ⅱ>ではそれと同時に、そのひき算はたし算で考えていくことが出来ることを図と式を対 応させながら説明をしている。 しかし、□+(+5)=+2 と

ア を単純に対応させて見ることは難しい。下記の教科書では、 □+(+5)=+2の式の流れに沿って順序よく対応させる見方にはなっていないため「なぜ□は 左向きなのか。」と立ち止まってしまう。 教科書を丁寧に見てみよう。□+(+5)=+2から□を求めるために、小学校で学んだように (+2)-(+5)=□を立式、次に問いである□+(+5)=+2の式の右辺と左辺、図の上下 を対応させて表示、今度は、図

イ から式を導く説明になっている。それらのことから (+2)-(+5) = (+2)+(-5) が成り立つこと確認し +5をひくことは、-5を加えることと同じである。 の結論へ導くという流れである。 単純な説明と式で、式から図、図から図”、図から式と具体的な説明がない教科書を、生徒が一 人学びができるようにするため、ノートにどんな記載を残しておく必要があるのかを意識しながら <教科書Ⅰ>と<教科書Ⅱ>の内容を50分の指導内容として指導案作成を行なった。 矢印の意味指導は、教科書では行なわれていないが、四則計算の前に次ページの内容を確認した ということを前提にした指導案である。 <教科書Ⅱ> ② 減法 正負の数の計算方法を考えてみよう。 Q 次の式の□にあてはまる数は何でしょうか。 □+(+5)=+2 …… ① ①の式の□を求める計算は、次の減法である。 (+2)-(+5)=□ …… ②

ア ①の式 □+(+5)=+2 は、右の図

ア のように □ 表せる。右の図

イ から、□は、+2移動し、続けて +5 -5移動した結果と同じになっている。したがって (+2)+(-5)=□ …… ③ +2 と表すことができる。

イ +2 ②と③の「=」の左の式は、どちらも□を表しているから -5 (+2)-(+5) = (+2)+(-5) □ となる。すなわち +5をひくことは、-5を加えることと同じである。

3 -教科書では、線分図で矢印の意味を考えながら和を求めることを示し、計算式では、「だからこ のように計算することが出来るのです。」または、「このように計算することと同じです。」という 意味をもたせた表記の仕方になっている。言葉での表現はなされていないが生徒はどのような読み 取りをするのか授業の中で言葉で書かせてみたり、考えを発表させたりしながら線分図と計算式を 対応させて考えることができるようにし、形式だけに陥らないようにする。 式を言葉と連動させながら読むことが次の単元の「文字式」へのスムーズな導入にもなる。 減法の導入では、小学校で学んできた、文章を式に表す時の考え方を活用して、分からないこと を□で表し、□を使ったたし算から□を求めるひき算に変換して提示している意味を考える。 <教科書Ⅲ> 異符号の数の加法 (1) +9と-4の和 +9 (+9)+(-4) =+(9-4) -4 =+5 +5 (2)-10と4の和 -10 (-10)+(+4) =-(10-4) +4 =-6 -6

<教科書Ⅰ> ② 減法 Q □+5=8の□にあてはまる数を考えてみよう 小学校で学んだように、□+5=8という式の□に あてはまる数を求める計算は、8-5という引き算である。 □ +5 正負の数でも同じように、ひき算を考える。 □+(+5)=+8にあてはまる数を求める 計算は、次のひき算である。 +8 (+8)-(+5)=□ ひき算のことを減法ともいう。減法の結果が差である。 正負の数の減法の計算方法を考えてみよう。

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25 24 -ノート指導と教科書の使用でひとり学びの可能性を探る 池間 教職実践研究, 2016, 3, pp.17-29 教職実践研究, 2016, 3, pp.17-29  しかし、□+(+5)=+2 と㋐を単純に対応させて見ることは難しい。下記の教科書で は、□+(+5)=+2の式の流れに沿って順序よく対応させる見方にはなっていないため「な ぜ□は左向きなのか。」と立ち止まってしまう。  教科書を丁寧に見てみよう。□+(+5)=+2から□を求めるために、小学校で学んだよ うに(+2)-(+5)=□を立式、次に問いである□+(+5)=+2の式の右辺と左辺、 図の上下を対応させて表示、今度は、図㋑から式を導く説明になっている。それらのことから (+2)-(+5) = (+2)+(-5) が成り立つこと確認し  +5をひくことは、-5を加えることと同じである。 の結論へ導くという流れである。  単純な説明と式で、式から図、図から図”、図から式と具体的な説明がない教科書を、生徒 が一人学びができるようにするため、ノートにどんな記載を残しておく必要があるのかを意識 しながら<教科書Ⅰ>と<教科書Ⅱ>の内容を50分の指導内容として指導案作成を行なっ た。  矢印の意味指導は、教科書では行なわれていないが、四則計算の前に次ページの内容を確認 したということを前提にした指導案である。

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27 26 -ノート指導と教科書の使用でひとり学びの可能性を探る 池間 教職実践研究, 2016, 3, pp.17-29 教職実践研究, 2016, 3, pp.17-29 1 -教科書の記載内容に沿いながら、下記の内容を どのようにノートに残していくかは、今後の課題 である。ここでは、四則計算に入る前に、矢印の もつ意味について確認した方がよい、ということ を前提に指導案作成を行なった。 (2)矢印は2つの意味をもつ 加法と減法の内容に入ると、右向きの矢印→、 左向きの矢印←が図の説明時に使われるが、矢印 の持つ意味についての説明は具体的に行なわれな いまま教科書の内容は進んでいく。 矢印にはどんな意味があり、どういう意図で使 われているのかを下の図のように確認すると同時 にノート指導の内容にしておくと、教科書の矢印 を理解する一助になる。 <方向と量> 単位矢印「+1」 0 1 2 3 4 単位矢印「-1」 -4 -3 -2 -1 0 <加減の計算> 整数を方向のある数としてとらえ、加減を考 えるとき、「向き」と「量」を絶対数につく符 号「+-」で、「進む方向」を加減の符号で具 体的なイメージを持たせることで、正負の数の 加法・減法を説明することができる。 矢印の方向 +(プラス)は右向き -(マイナス)は左向き 進行方向 +(加法):数字の持つ矢印の 方向に進む -(減法):数字の持つ矢印の 反対方向に進む ① ③ ② (-1)+(+1)=0 ◉ ①(-1)左向きに1 ②(+1)右向き ③進む方向は+なので数字の もつ方向へ ① ③ ② (-1)-(-1)=0 ◉ ①(-1)左向きに1 ②(-1)左向き ③進む方向は-なので数字の もつ方向と反対へ (-1)-(-1)=(-1)+(+1) -1をひくことは、+1を加えるこ とと同じである。 ① ③ ② (+1)+(-1)=0 ◉ ①(+1)右むきに1 ②(-1)左向き ③進む方向は+なので数字のも つ方向へ ① ③ ② (+1)-(+1)=0 ◉ ①(+1)右むきに1 ②(+1)右向き ③進む方向は-なので数字のも つ方向と反対へ (+1)-(+1)=(+1)+(-1) +1をひくことは、-1を加えるこ とと同じである。 1 -教科書の記載内容に沿いながら、下記の内容を どのようにノートに残していくかは、今後の課題 である。ここでは、四則計算に入る前に、矢印の もつ意味について確認した方がよい、ということ を前提に指導案作成を行なった。 (2)矢印は2つの意味をもつ 加法と減法の内容に入ると、右向きの矢印→、 左向きの矢印←が図の説明時に使われるが、矢印 の持つ意味についての説明は具体的に行なわれな いまま教科書の内容は進んでいく。 矢印にはどんな意味があり、どういう意図で使 われているのかを下の図のように確認すると同時 にノート指導の内容にしておくと、教科書の矢印 を理解する一助になる。 <方向と量> 単位矢印「+1」 0 1 2 3 4 単位矢印「-1」 -4 -3 -2 -1 0 <加減の計算> 整数を方向のある数としてとらえ、加減を考 えるとき、「向き」と「量」を絶対数につく符 号「+-」で、「進む方向」を加減の符号で具 体的なイメージを持たせることで、正負の数の 加法・減法を説明することができる。 矢印の方向 +(プラス)は右向き -(マイナス)は左向き 進行方向 +(加法):数字の持つ矢印の 方向に進む -(減法):数字の持つ矢印の 反対方向に進む ① ③ ② (-1)+(+1)=0 ◉ ①(-1)左向きに1 ②(+1)右向き ③進む方向は+なので数字の もつ方向へ ① ③ ② (-1)-(-1)=0 ◉ ①(-1)左向きに1 ②(-1)左向き ③進む方向は-なので数字の もつ方向と反対へ (-1)-(-1)=(-1)+(+1) -1をひくことは、+1を加えるこ とと同じである。 ① ③ ② (+1)+(-1)=0 ◉ ①(+1)右むきに1 ②(-1)左向き ③進む方向は+なので数字のも つ方向へ ① ③ ② (+1)-(+1)=0 ◉ ①(+1)右むきに1 ②(+1)右向き ③進む方向は-なので数字のも つ方向と反対へ (+1)-(+1)=(+1)+(-1) +1をひくことは、-1を加えるこ とと同じである。  教科書の記載内容に沿いながら、下記の内 容をどのようにノートに残していくかは、今 後の課題である。ここでは、四則計算に入る 前に、矢印のもつ意味について確認した方が よい、ということを前提に指導案作成を行 なった。 (2)矢印は2つの意味をもつ  加法と減法の内容に入ると、右向きの矢印 →、左向きの矢印←が図の説明時に使われる が、矢印の持つ意味についての説明は具体的 に行なわれないまま教科書の内容は進んでい く。  矢印にはどんな意味があり、どういう意図 で使われているのかを下の図のように確認す ると同時にノート指導の内容にしておくと、 教科書の矢印を理解する一助になる。

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27 26 -ノート指導と教科書の使用でひとり学びの可能性を探る 池間 教職実践研究, 2016, 3, pp.17-29 教職実践研究, 2016, 3, pp.17-29 1 -単元:第1章「正負の数」 第2節「加法と減法」 ②「減法」 目標:正の数、負の数の減法について理解し、その計算ができるようにする。 仮説:課題を生徒に気づかせることにより、解決に向かって主体的に取組む姿が見られるであろう。 学 習 活 動 指導上の留意点 評価と支援 1問題提示① ・□=(+8)-(+5)の式を符号を付け □+5=8の□にあてはまる数を考えてみましょう。 ずに書くと8-5=3 で小学校で学 習してきた内容であることの確認 □+(+5)=+8 → □=(+8)-(+5) 0 (→)+8 8 9 ・「ひき算を図(数直線)に表してみましょう。」 □=(+8)-(+5) -5 (←) 矢印の方向 +(プラス)は右向き 導 -(マイナス)は左向き +(加法):数字の持つ矢印 進行方向 の方向に進む 入 2問題提示② -(減法):数字の持つ矢印 の反対方向に進む □+(+5)=+2 □にあてはまる数は何でしょう。 ・□=(+2)-(+5)を符号を付け □+(+5)=+2 → □=(+2)-(+5) ずに書くと2-5=? -(減法):数字の持つ矢印の反対 方向に進む ・-(-5):正に向く? 負に向く? 3問題提示③ 5進む方向は? □+(-5)=+2 □にあてはまる数は何でしょう ・負の数で減法 □+(+5)=+2 → □=(+2)-(-5) ・-、-となっていてややこしい 4課題の焦点化 「どうして難しいのかな?」 5めあての確認 ○仮説 課 題 を 生 徒 に 気 負の数の減法の計算方法を工夫して考える。 づ か せ る こ と に よ り 、 解 決 に 向 か っ 6見通しをたてる て 主 体 的 に 取 組 む 「どうしたら解けそうかな」 姿 が 見 ら れ る で あ 展 「式を図に整理してみよう」 ろう。 □=(+2)-(-5) がこれまでと違う点 ○支援 ・ を活用させイ 開 ・数字のもつ符号は右向きか左向きか。 メ ー ジ を も た せ ・進む方向は、数字のもつ方向か。 る。 反対方向か。 ・ 向 き を 意 識 さ せ 7自力解決 る。 ・ 進 む 方 向 を 考 え ○-(-5)は、減法なので、 させる 数字のもつ矢印と反対方向 ・ 1 つ 1 つ 順 序 よ に進む。 く 8比較・検討 ○ 数 学 的 な 見 方 や ・-(-5)と+(+5)は等しい。 考え方 ・(-5)なので左向き、減法なので 正 負 の 数 の 減 法 = 数字のもつ方向と反対向きに進む の 計 算 の 方 法 を 、 -(-5) 意 味 を 考 え 、 数 直 数字のもつ矢印と反対方向に進む。数字のもつ矢印と同じ方向に進む。 数字のもつ方向 線 を 利 用 し て 見 い (+2)-(-5) = (+2)+(+5) 5進む方向 だすことができる。 5進む方向 9まとめ 数字のもつ方向 ま +(+5) と 正の数、負の数をひくことは、その数の符号 ・「加えることと同じである」 め を変えて加えることと同じである。 (+)で考える方が分かりやすい。 -(+5) +8 □=+3 -(+5) (+2) □=-3 +2 -(-5)をどうのよう に書こうかな! +2 -(-5) □=+8 +2 +(+5) □=+8 +2 -(-5) □=+8

参照

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