ディジタル教材製作支援システムにおける教材調整モデルの構築に関する研究
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(2) 目次. I.問題と目的. ・1. 1.研究の背景. ・1. 2.先行研究. ・6. 3.本研究の日的. ・9. ■.方法. ・11. 1 調査の日的. ・11. 2 本研究の手順. ・11. 3 対象. ・13. 4 実態把握. ・14. 5 調査手続き. ・14. A.実態把握. ・15. B.ディジタル教材の設計及び調整. ・15. C.ディジタル教材の製作及び調整. ・16. D,ディジタル教材使用後の調整. ・16. 皿.結果. ・17. 1 実態把握. ・17. 1)行動観察シート. ・17. 2)保護者インタビュー. ・18. 3)担任インタビュー. ・20. 4)ディジタル教材の狙いの設定. ・21. 5)教材製作段階アンケート. ・22. I.
(3) 2.. ディジタル教材設計段階の調整. ・25. 3.. ディジタル教材製作段階の調整. ・30. 4.. ディジタル教材使用中の様子. ・35. 5.. ディジタル教材使用段階の調整. ・48. 1)教材使用後アンケート. ・48. 2)保護者インタビュー. ・51. 3)ディジタル教材使用段階の調整点. ・52. w.考察. ・…. V.終章. ・…. 1 今後の課題 2.研究全体を通して出た副次的効果. w.引用・参考文献. @ 65 ・… @ 65 ・… @ 65 ・…. V皿.資料. II. @ 55. @ 68.
(4) I.問題と目的 1.研究の背景. 自閉症とは、発達障害の一種であり、脳の機能的障害が原因であ るといわれている。自閉症は、. ①「対人的相互反応における質的な障害」 ②「意志伝達の質的な障害」. ③「行動、興味および活動が限定され、反復的で常同的様式」. の3つの症状により特徴づけられる。①社会性の障害については、 対人関係において、「孤立型」「受動型」「積極・奇異型」の3タイ プがあるとされている(ローナ・ウィング、1998)。対人関係をうま く築けない理由として、「情緒的な交流の困難さ」「相手の立場に立. って思いやることの困難さ」などが挙げられる。②コミュニケ」シ ョンの障害については、高機能自閉症の場合、語いや文法は獲得で きるものの、ことばの使用に問題がある。例として、相手の意図を 読み取ったり、その場の雰囲気を読み取ることが難しいこと、自分 の好きな話題を一方的に続けてしまったり、同じ質問を何度も繰り 返してしまうといったことがある。また、皮肉や比喩、冗談などが 通じず、文字通りの理解をしてしまうことがある。③想像力やこだ わりの問題については、遊び方の特徴として、想像的な遊びにはな らず、ものを一列に並べたり、ものを斜めから見続けたりという遊 びに従事してしまうことが多い。また、道順・手順などへの固執、. 特定の社会的なル]ルの勝ち負けの固執(ルール違反をする人を許 せない/負けそうになると怒り出す)もある。さらに、特定の分野に. おける深い知識を持っているケースが多くある。例として、電車の 路線図や駅名・ダイヤ、スポーツの選手名、ある時代の歴史などが 1.
(5) 挙げられる。①∼③以外にもよく併発する症状として、「刺激に対す る過敏性」「ぎこちなさ」「注意の転導性/多動性一衝動性」「学習の 偏り」などが挙げられる(井上・井澤、2007)。. 上記のような様々な症状があるが自閉症者にはこれら全ての症状 があるのではなく、個人差も大きい。それに加え、周りの家庭環境 等によって障害の性質が異なる。そのため、自閉症児を指導する際 は個別の教育支援計画及び、個別の指導計画を作成し、個々の教育 的二一ズを考慮した一人ひとりに適した教育的支援を行う必要があ る(文部科学省、2003)。. 上記の理由から、特別支援学校等では学習者個別の障害特性を考 慮した教材を、児童生徒と直接関わりのある指導者が個別に準備す る場合が多い。一般的なコンピュータで動作しない教材は比較的設 計、製作が容易である点から数多く製作され、有用性も認められて きた。しかし、一般的な教材は本文や挿絵の一部の拡大や立体的に 表現すること、アニメーションといった動きのあるものを表現する ことができないといった欠点がある(中邑、2007)。. こうした欠点を補うものとして、コンピュータの活用が期待され ている。. 近年、コンピュータは世帯の普及率85.9%といった様に発達、普 及しており(総務省、2009)、こうした普及に伴い、書くことが困難. な児童生徒に対するワープロの使用、計算が苦手な児童生徒に対す る電卓の使用、字を読むことができない児童生徒に対してコンピュ ]タが読みあげるといった障害児に対するテクノロジーの利用が増 えている(中邑、2007)。. こうした中、自閉症者を含む発達障害者を対象としたコンピュー 2.
(6) タ活用研究が増加している。文章や画像、動画、音声・音楽等を電 子化し、コンピュータ等で扱うことのできる教材であるディジタル 教材の開発も近年増加しており、その期待は大きい。ディジタル教 材を用いる利点として伊藤・大下(1994)は、児童生徒の働きかけに. 対して必ず反応すること、同じ反応でも繰り返し応答すること、児 童生徒の操作に応じた反応をし、操作しなければいつまでも持って いることを挙げ、成田(1998)は興味関心を引きつけ、学習の動機付. けとなるような映像刺激的要素がある点を指摘している。これまで も、障害児教育においてディジタル教材を使用した実践例は数多く 報告されている。藤澤・清田・中山(2005)は、文字の使用が困難な. 知的障害児のために、視覚シンボルを用いた電子メールシステムを 開発し、コミュニケーションをもつ人間関係を拡げるシステムとし ての可能性がある点を指摘している。また、伊藤(1994)はコンピュ. ータのタッチパネルを用いて知的障害児の自発的行動を伸ばし、学 習意欲の向上を促す教材を製作することで、学習に対して前向きな 行動を示したと報告している。その他にも、秋本(2008)は重度重複. 障害児に対して興味関心を考慮したディジタル教材を作成し、その 教材を使用した指導を通して学習意欲を高める成果を挙げている。 一方で、ディジタル教材にはいくつかの問題点がある。東原(1997)、. 成田(1998)は同じ障害名でも一人ひとりの障害特性が異なるにも関. わらず、ディジタル教材の修正、調整が困難であること、ディジタ ル教材の製作に多大な時間がかかること等を問題点として挙げてい る。小川(2007)は、実際に児童生徒と関わりのある教師が個々の障. 害特性や教育内容に応じたディジタル教材の作成を行う際にプログ ラミング等の専門知識が必要不可欠である他、製作にかかるコスト.
(7) が非常に高いたため負担は大きく、一般的な教師にとって、児童生 徒に応じたディジタル教材の作成を行うことは困難であると指摘し ている。Fig.1に示す通り、]般的にディジタル教材は」人ひとり 個別にプログラムから製作する必要等があり、教員がディジタル教 材を個別特性に合わせて製作する負担は大きく、指導場面における ディジタル教材導入の困難さが問題視されている。.
(8) 一一一. m重コー一一一. ②ディジタル教材を製作するには命令元となるプログラムを教師が記述する必要が ある。. ディジタル教絃. 蟻ミンク言……丁三 プログラムr. 華1…。l1111T1:.1・r≡11≡1三. 甘・繋一一一. {1111」一一・r・一一;一・“. 騨葦≡ξ 山^. @. 剛. ヰlll. ㍗、. 1ギ11糞1111=1養≡11=ざ’1={. 魯納書 』“……………一…㎜冊““““““““““j黛志望……ミ. ③②を国別に行うため、ディジタル教釘の製作にかかる;1ストが高く負担は大きい. 吻ための ディジタル教材. 牽 B⑪ためΦ. 雫. ディジタル教材. 奪 Cのための. ディジタル教材. 奪. Fig.1. 従来のディジタル教材の製作. 5.
(9) 2.先行研究. ディジタル教材の製作にかかる負担を軽減するためディジタル教 材の製作を支援するシステムに関する研究がなされている。小川 (2007)は個の障害特性を考慮しディジタル教材の調整を支援する. システムを構築している。自閉症者の認知面は、健常者や知的障害 者と比べると偏りが激しい(申邑、2007)。健常者が認知発達の過程. において、年齢に伴い平均的に発達するのに対し、自閉症者の場合 は、 「因数分解や二次方程式の計算問題は容易に可能である」にも. 関わらず「言語の使用に関しては3歳∼4歳レベルである」など、認 知発達の面で著しい偏りが見られる場合が多く、その状態は多様で ある。そのため、自閉症者を対象としたディジタル教材は、学習者 の認知面における発達の段階(以後、認知発達段階)を考慮したもの. を個別に準備する必要がある。そこで、小川は認知面の発達の偏り を学習者モデルで表現し、ディジタル教材の個別製作を実現してい る。学習者モデルを用いた教材作成のプロセスをFig.2に示す。指導. 者が学習者の認知面の偏りをシステムに入力する事で、システム内 に学習者モデルが準備される。そして、教材製作モジュ」ルが学習 者モデルを参照する事でディジタル教材を自動で製作する。一人ひ とりの生徒の認知面の発達に応じたディジタル教材の製作支援作成 を実現した。一般に学習者モデルとは、学習者の理解状況を表現し たもので、個々の学習者の理解度に応じた効果的な教育を行うため に用いられる(小川・竹内・大槻、1994)が、小川が提案する学習者. モデルは、理解状況を表現したものではなく、教材を使用する際の 認知面の発達の偏りに特化したものである。この学習者モデルの構 築にはWISC一皿知能検査、K・ABC心理・教育アセスメントバッテリ.
(10) ①指導者が学習者の認知面の偏りをシステムに入力. ⇒圃. A君は文字を読む ことは出来るが計 算できない. 乱君は文字を読むこと. は出来るが計算でき ない. ②教材モジュールが学習者モデルを参照し、ディジタル教材を自動で製作する. ディジタル教材. A君は文字を読むことは. ’』るミ…でない. 含. A君には計算のない教材. 青しよう. 教材製作 モジュール. =。=。r−11韻一一. 鮒洲書. 酬・豊11;11}. ⇒. E垂蟻. ③学習者モデルを準備することで、個に応じたディジタル教材を製作することができる 吻ためΦ. ディジタル鮒脇. 鮒1レ・. 十^. 嚢≡≡芋. 出力. .11≡. 町}. …. Bのための. 参. 教材製作. 鱈. モジュー. ディジタル教材. 1=ぐ1茎。ざ11嚢11111:妻1111廠. 〃”. ル. 出力 …÷∵響 ゙葵糞糞婁率≡≡、. ○の認知面の偏り. =1」1≡皇、11善二洲モ湖…州1,三. Cのための. デ榊驚手な1111象 出力. Fig.2学習者モデルを用いた教材製作プロセス. ー等の知能検査を用い、知能検査の項目から教材製作に関連する項 目について抽出し、整理することにより実現している。 一方、小川(2007)は提案したシステムを実際の指導場面で用いる 7.
(11) ことは困難と述べている。その理由として、自閉症児に対する教材 は一度使用し、その後修正・調整を行うことで初めて使用可能にな るが、現行のシステムは出来上がったディジタル教材を修正・調整 する行為について考慮していないため、指導者がプログラミング言 語の変更を行うため、修正・調整にかかる負担が大きい点を挙げて いる(Fig.3)。. そこで、教員のディジタル教材の修正・調整にかかる負担の問題 を解決するために、ディジタル教材の調整を支援するシステムの構 築が望まれる。 調整. 現状の教材. 調整後の教材. 教師がプログラミング 言語の変更を行う. A君は勝ち負けにこだわ りがあるから。難易産が低. <なるように調整したい. 現有のシステムは出来上がったディジタル教材を 修正・調整する行為について考慮していない、そ こで指導者がプログラミング言語の変更を行うた. め、修正・調整にかかる負担が大きい. Fig.3現在の教材を調整する方. 8.
(12) 3.本研究の日的. 以上の背景から、ディジタル教材を調整する行為についてコンピ ュー. ^に近似的に表現したものを教材調整モデルと呼び、教材調整. モデルに基づきディジタル教材の調整を支援するシステムの構築を 目指している。筆者が想定するシステムをFig.4に示す。ディジタ ル教材を調整する際、一つの部分を変更するだけでもプログラムを 変更する行為が必要であるが、教材調整モデルを搭載したディジタ ル教材製作支援システムを用いることで、その負担を軽減すること が期待できる。. 教材調整モデルの構築にあたり、調整内容が障害特性等により多 種多様な点が課題として挙げられる。. そこで、本研究では教材調整モデル構築の第」段階として、!名 の自閉症児を対象にディジタル教材の設計から製作、使用する過程 で、指導者がディジタル教材を調整するプロセスを観察・分析し、 調整行為を抽出することを日的とする。.
(13) 現状の教材. 教材製作支援システム 調整後の教材 A一. 距. 「. 一 。 {. 総薫」墓鯨・。. 一一一. ?蜃b. 駈出.圭j1{年111華葦1…:=1. 教材調整. 陶心嚢. l11湧 鮒曽む河. cfル. 11義…∵. 1…1嚢. 婁. ㌣練. 教材調整. 、、享、奪、=…l11峠1111111;1㌻. cWュール1. A君は勝ち負けにこだわ リがあるから難易慶が低 くなるように調整したい. ’∵二∴1川. ディジタル教材を調整する行為についてコン ピュー例二近似的に表現したものを教材調整 モデルと呼び、教材調整モジュールが教材調 整モデルを参照し、ディジタル教材の調整を 支援する. Fig.4想定する教材製作システム. 1O.
(14) 皿.方法 1.調査の日的. 調査はディジタル教材を調整する行為の抽出を目的とする。これ. は、対象児1名にディジタル教材を使用する過程で行われた調整に ついて分析することで実現する。. 2.本研究の手順. Fig.5に調整要素の抽出過程を示す。抽出する手順として、Aの 実態把握を行い、その実態をもとにAの特性に合ったディジタル教 材の設計書を作成する。その後、保護者、専門家等の意見を基に設. 計書段階の調整を行う。これを盤階一の調整とす る。なお、専門家には、特別支援教育に精通している医師、情報教 育に精通した大学教員に協力を頂いた。その後、調整の行われた設 計書をもとにディジタル教材を製作する。ディジタル教材製作後に 設計者、製作者とともに教材について検討後、再度調整を行いディ. ジタル教材を完成させる。これを製の調整と する。そして、実際に教材を使用し、A、保護者、専門家の意見を 基にディジタル教材を調整する。これをディジタル教材使用後の調 整とする。. 11.
(15) はじまり. 繰り返し. 事. 実態把握. 設計. ディジタル教材設計書作成. 亨.未完成 一I. 保護者、教員、専門家の意見 …. fィジタル教材一一 設計書の調整... ま.一1完成 製作. ディジタル教材の製作一一一一一一一一一一、1 .膏..未完成 =一. 欝. 設計者、製作者の意見. fィジタル繍一一’. 寧整・完成 ミ 使用. ディジタル教材の使用=舳………… 皿 一…}1. ・手イジ1;レ票. .竺警専門家の意見. の調整 完成 おわり. Fig.5調整要素の抽出過程. 12.
(16) 3.対象. Aは、自閉症と診断されている7歳男児、X小学校の第2学年、 現在は特別支援学級に在籍している。AはY大学の発達心理臨床研 究センターに通っている。新版K式発達検査による結果は認知・適. 応の領域の発達年齢は7歳2ヵ月、発達指数は8歳3ヵ月、言語・ 社会の領域の発達年齢は7歳、発達指数は8歳1ヵ月、全領域の発 達年齢は7歳1ヵ月、発達指数は8歳3ヵ月である(Tab1e1)。普段 は明るく、元気のある児童であり、友達と遊ぶことを望んでいるが、. 自分の思い通りに遊びたいという気持ちが強く、体が他の同級生と 比べ大きく他児に避けられること、また遊びの内容が他児とは異な ることもあり、友達と遊ぶことが難しい。Aは国語、算数、理科、 社会は特別支援学級にて学習を行っているが、体育や音楽は通常学. 級にて学習を行う。X学校のA児が所属している通常学級の生徒は A児の特性を理解して行動する傾向にあるが、そのことが、A死と の関わりを逆に少なくする原因となっている。普段は、物づくり等 を好んでいるが、体を動かすことは苦手である。自分が注目される こと、1番になることに強いこだわりをもち、それが原因となり様々. なトラブルが発生している。自分より小さい人に対しては優しく接 する。周りの大人やテレビ等に影響されやすい面があることに加え、. 障害特性であるこだわりが強いこと、見通しがたたないことや突然 行われることに対してパニックを起こすことがある。. 13.
(17) Tab1e1 Aの発達検査の結果(生活年齢7歳2ヶ月) 領域. 発達年齢(年月). 発達指数. 認知・適応. 6歳. 83. 言語・社会. 5歳10ヶ月. 81. 全領域. 5歳11ヶ月. 83. 4.実施期間. X年3月からAの保護者、担任等へのインタビューを行い実態把 握を行った。その後、ディジタル教材調整モデルを作成するため、. Aの実態を基にディジタル教材の設計書を作成した。調整を行い、. その後ディジタル教材を家庭で実際に8日間使用してもらった。本 人が学校から帰宅してから自主的に行うように保護者には指定した。. 教材は1回につき6分程度、生徒が好きな回数だけ行うようにした。. 5.調査手続き. ディジタル教材の調整要素を抽出する際、ディジタル教材の使用 前である設計書作成段階、ディジタル教材製作過程での調整、ディ ジタル教材使用後の調整と三段階を実施した。教材設計段階につい. ては、実態把握を基にAの特性等を踏まえ、ディジタル教材を設計 する際の調整作業を実施した。ディジタル教材製作段階についても. 同様にAの特性等を踏まえ調整作業を実施した。ディジタル教材使 用後については、実際にディジタル教材を使用した際に問題となっ た箇所や改善が必要な箇所を分析し、調整が必要な箇所を抽出した。. 14.
(18) A.実態把握. Aの実態把握のため保護者に行動観察シ』トを記入してもらうほ か、保護者、担任にインタビュ]、Aの学校等での様子をビデオ等 を用いて観察した。また、教材について評価するため、保護者には. ディジタル教材の使用前、使用後にアンケートを実施した。Aに対 して教材使用後にアンケートを実施した。. 保護者、担任へのインタビューは学校や家庭での様子を1時間に わたり実施した。ビデオについては大学の臨床センタ]での様子と 普段の学校での様子を記録した。. B.ディジタル教材の設計及び調整. Aの実態を基にディジタル教材の設計書を作成した。設計書は. 保護者、指導教員、専門家の意見を基に5度にわたり調整した (ver1.O→1.5)。この作業はX年4月から9月に実施した。以下、. ディジタル教材の設計及び調整の手順を示す。. 1)実態把握を基に、改善すべき問題行動を決定し問題行動の解消 のためのディジタル教材の設計書を製作する。. 2)保護者、教員(担任)、専門家の意見を基に設計書の調整を行 う。実際に製作した設計書を保護者、教員(担任)、専門家に提. 示し、意見を頂いた。各々からr∼を変更したらAは使用し やすいと思う。」「Aは∼について好んでいるので変更したほう がよい。」等の意見を基に修正・調整を行った。そして設計書の バージョンをあげていった。 15.
(19) 3)2)のプロセスを繰り返し実施する。2)については(1)意見の集約 →(2)意見の分析→(3)調整内容の決定→(4)設計書の調整→(5). 設計書の提示のプロセスを実施した。本研究においては上記プ ロセスを5度にわたり実施した。. C.ディジタル教材の製作及び調整 調整の済んだ設計書(Ver.2.O)を基にディジタル教材を製作する。. 教材の製作は設計書を基に、専門家が製作し、その後改善点、調 整点を話し合い修正を加えディジタル教材を完成させた。. D.ディジタル教材使用後の調整 ディジタル教材を実際に使用後に、実際に家庭での教材の使用. をビデオに録画したものの分析の他、A、保護者のアンケート及 び教材の開発者、専門家等の意見を基に問題となった箇所や改善 が必要な箇所を分析し、調整作業を行った。. 16.
(20) 皿.結果 1.実態把握. 行動観察シート、保護者インタビュー、担任インタビュー、教材 製作段階アンケートの結果を示す。 1)行動観察シート. Aの実態把握のためにAの母親に対し実施した行動観察シート の結果をFig.6∼9に示す。以下は行動観察シートの原文であるが、. 対象児の氏名の部分はAと表記する。 母親の会社でパソコンを使って遊んでいる時に、暑くて顔が赤く なっている時に、母親の姉に「パソコンで遊ぶのを少し休んだら?」. と言われ、Aがr何か冷たいものを食べたら治る。」と言ったが、 ダイエット中でなおかつ顔が赤くなることは頻繁におこるので、母. 親が「食べちゃだめ!」と注意すると、Aが母親に殴りかかってき た。原因としては昼食前で何かを食べたかったにも関わらず、母親. から止められた事が考えられる。その後、母親の姉がAの顔に冷え たものを乗せると気持ちよくなり、機嫌が直った。. Fig.6行動観察シート1日目 旅行中、食事のためにレストランに行くと真実の口のレプリカが 置いてあった。一緒に旅行に来ていた従兄弟が手を真実の口にいれ. おおげさな芝居をしたところ、それに驚きAはパニック状態になっ た。予期せぬことがおき、驚いてパニックになったようである。そ. の後、母親がAを別の場所につれていき、ほしがっていたおもちゃ. を母親から買ってもらう事で気がそちらに向きパニックがおさま Fig.7行動観察シート2日日. 17.
(21) 月に数回ある特別支援学校との交流会で発達障害の子どもた ちの療育時に校庭でAが自転車に乗っていると、Aの乗っている. 自転車が気になる生徒が自分の気持ちをAに伝えることができ ず、自転車を渡してもらうために、AをつねりAは泣き叫んでし まった。その後、親が集まりAをなだめ、Aは自転車に乗り続け ることができたため泣きやんだ。母親がAに対して他の生徒も自 転車に乗りたいということを伝えると、グランドを一周回ったあ とにAはつねった生徒へ自転車を譲っていた。. Fig.8行動観察シート3日目. 母親の会社でAは学校の漢字の学習を見本を見ながら行って いると、途中にまだ習っていない漢字が出てきたため、Aは「で きない。」といって母親を叩いた。原因として朝から勉強する気 がなかったこと、部屋が暑かったこと、そして勉強をしない理由. を探していたためと考える。母親がAに対し新しい漢字を教えて あげると約東し、そして勉強のあとに褒美をあげると言うと頑張 って学習を続けた。. Fig.9行動観察シート4目目. 2)保護者インタビュー. 保護者に対してAがトラブルを起こした際の行動、Aに対して変 わってほしいこと等を中心にインタビュ]を行った。インタビュー から得られた内容のうち、重要と考えられる項目について以下に示 す。. 18.
(22) ◎Aの特性等について ・Aは足が遅く、登校時に登校班について行くことができない。そ の際、ついていくことをあきらめ、「もう学校にいかない」と言っ てすねてしまう。. ・Aが登校班の列にまっすぐ並んで歩いていないところ上級生か らrまっすぐ並べ」と注意されると、Aはrおまえが並べ」と反 論じ、けんかになった。. ・校長先生が登校している生徒に対して、大きな声で「おはよう」. と言っている姿を見て、Aはその姿を真似し、近い距離にいる人 に対して大きな声であいさつを行い「うるさい」と注意された。. ・地域のおじさんがAに対して「おはよう」とあいさつをすると、. 知らない人にあいさつをされたことに対してパニックを起こし た。. ・場に応じた対応をすることが苦手ですぐに上級生や大人の人に 対してくってかかる。 ・みんなと同じことを行うことが苦手である。. ・学習に対しては積極的であるが、やる気が起きない時はまったく やらなくなる。. ・人から頼られることや信じられることが好きである。 ・頭で理解できていても、行動できないことがよくある。 ・思い違いや思い通りにいかないとパニックをおこす。 ・その場その場に応じたあいさつをすることができない。 ・自分からトラブルを起こす。. ・トラブルを起こした際その当日は相手に対して謝ることができ ないが、次の目に手紙等を利用して謝ることができる。 19.
(23) ・ゲームや体育等で自分が相手に負けそうになるとやらなくなる。 ・時間通りに行動を行うということがわからない。. ◎インタビュー後の保護者の要望 ・場に応じた正しい行動の取得 ・登校班について行く。 ・登校班の列に並ぶ。. ・適切な距離、場にあった挨拶をする。. ・相手の射場に立った考えができるようになってほしい。 ・登校時間に合わせて学校に行くことを学んでほしい。. 3)担任インタビュー. Aの担任に対してAがトラブルを起こした際の行動、Aに対して 変わってほしいこと等を中心にインタビューを行った。インタビュ ーから得られた内容のうち、重要と考えられる項目について以下に 示す。. ◎Aの特性等について ・積極的に授業に参加するが、競争等で負けることや」番にならな いと気が済まない。. ・きちんと順番を守ることを学習させ、」度は理解できたが、まも れないことが多々ある。 ・一 x気を損ねるとなかなか元に戻らない。. ・体育は苦手である。そのため新しいことを行う場合一時間目は観 察し、どういったことを行うかを本人が理解することで次の授業 20.
(24) から参加することがある。. ・本人の二一ズ(プライド等)を考慮することで対応することでう まくいく場合が多い。. ・すぐに人の言葉の真似をする。 ・観察して解く勉強は苦手である。. ◎インタビュー後の担任の要望. ・競争で一番になることや勝負に勝つことに対するこだわりが減 少すること。. ・トラブルが起きた際の対処法を知ること。 ・我慢することを覚えること。. 4)ディジタル教材の狙いの設定. 行動観察シート及びインタビューの結果をもとに、ディジタル教 材のねらいを以下のように設定した。. ・挨拶を白ら行うことを学ぶ。 ・時間を守ることを学ぶ。. ・約束の時間には早めに行くことがよいということを学ぶ。 ・登校班の列はまっすぐ並ぶことを学ぶ。 ・登校班についていくことを学ぶ。 ・下級生(上級生)に優しい口調で注意することを学ぶ。. 21.
(25) 5)教材製作段階アンケート. ディジタル教材設計段階でのAの様子を保護者に質問紙を用いて. 調査した。質問紙の結果をTab1e2に示す。40個の質問事項につい て、Aに当てはまる項目を「まったく理解していない、まったくそ うではない。」r少し理解している。少しそうである。」r大体理解し ている。大体そうである。」「とてもよく理解している。大変そうで ある。」の4段階から選択させた。. 22.
(26) Tab1e2教材製作段階アンケートの結果. 1. 自発的にあいさつをする. 2. あいさっを促された場合、あいさつをする. 3. 初対面の相手にあいさつをする. 4. 友達や先生にあいさつをする. ○. 5. あいさつをされてあいさっを返す. O. 6. 優しい口調であいさつを行う. 7. 時間を理解できる(読むことができる). 8. 自ら時間を守る. 9. 時間を守るよう促された場合時間を守る. 10. 自ら約束の時間に対して早めに行動する. ○. ユ1. 約東の時間に対して早めに行動するように促され. O. ○. ○. O. ○. O O ○. ス場合守ることができる。. O. 12. 登校班にまっすぐ並ぶ. 13. 登校班に並ぶ意味がわかる. 14. 登校班の並ぶ順番がわかる. ○. 15. 誰が上級生、下級生であるということがわかる. O. 16. 登校班に遅れずについていく. O. ○. 23.
(27) O. 17. 登校班を追い越して行く. 18. 登校班で列についていけない人、まっすぐ並ばない. O. lに注意をする(3,4を選択された場合は以下の問 「にもお答えください)。. 注意する際優しい口調で注意する. ○. 注意する除きつい口調で注意する. ○. 19. 上級生と仲良く遊ぶことが好き. ○. 20. 同級生と仲良く遊ぶことが好き. O. 21. 下級生と仲良く遊ぶことが好き. ○. 22. 大人と接することが好き. 23. 男の子、女の子どちら遊ぶことが好きであるか. 24. 男性の先生、女性の先生どちらと接することがすき. ○. 男の子. どちらも好き. ナあるか 25. 外で遊ぶことと室内で遊ぶことのどちらが好きで. どちらも好き. ?驍ゥ 26. パソコンが好き. O. 27. ローマ字入力をする. O. 28. インターネットをすることが好き. O. 29. 自分ひとりで目的のサイトに行く. ○. 30. 好きなことを我慢することができる. ○. 3ユ. 上級生のいうことを守る. O. 32. 同級生のいうことを守る. 33. 下級生のいうことを守る. 34. 先生のいうことを守る. O O ○. 24.
(28) 35. お母さんのいうことを守る. 36. お父さんのいうことを守る. 37. おじいちゃんのいうことを守る. 38. おばあちゃんのいうことを守る. ○. 39. 面識のある大人のいうことを守る. O. 40. 面識のない大人のいうことを守る. ○. ○. O. O. 以上の結果を参考にして、Aの登校班でのトラブルの解決法を学 ぶことを目的としたディジタル教材を製作する。. 2.ディジタル教材設計段階の調整 実態把握を基に教材の設計を行った。教材の設計はVer.1.Oから. Ver.1.5まで5度にわたり行い実際に専門家による製作段階での指 摘によりVer.2.Oを作成した。それぞれの段階で調整を行った結果 を以下に示す。. それぞれの設計書については巻末資料に収めた。. ディジタル教材設計段階の調整点 ディジタル教材設計段階の調整について分析した結果を以下に示 す。. Ver.1.0→Ver.1,1. ・主人公の性別の設定 Ver1.Oでは主人公は男の子一人であったが、主人公一人の場合、. 飽きがくることを想定し、主人公を複数に変更した。 25.
(29) ・主人公の見た目の選択. Ver1.0では主人公の服装や外見といった見た目の変更がなか ったが、主人公の見た目[上着の色、形(半袖、長袖)]を変更する. ことで、飽きがこないように設定した。. ・バックに好きな音楽. Ver1.0ではBGMの設定が無かったが、Aは休日にカラオケを 楽しむなど音楽を好む傾向にあるため、教材にBGMを入れるよ うに設定した。. ・選曲 Aは一度に多くの選択肢を提示した場合に混乱する傾向がある ため、Ver1.Oでは選択肢の数が3つであったが、Ver1,1では選択 肢の数を2個に設定した。. ・選曲 Aの教材に集中できる時間が短いため、15分程度で終了するよ うに課題の個数を減らした。. ・ゲーム要素の追加. Ver1.Oではゲーム的要素が無かったが、Aはゲームを好むので、 Ver1.1では教材の中の課題にゲームの要素を追加した。 ・課題クリア時の点数の導入. Aは得点を得るといった行為を好むため、Ver1.1では課題が終 下するたびに点数が得られるように設定した。 ・教材終了後の褒美の追加. Aは普段学習を行う際、勉強後に褒美を与えることで学習に対. して集中力が持続したため、Ver1.1では褒美としてAが好きな 動画をエンディングに用意した。 26.
(30) ・得点を画面に表示 モチベーションを向上させるため、Ver1.1では常に得点が表示 される様に変更した。. ・時計を画面に表示. Ver1.Oでは画面上に時計が無かったが、Ver1.1では現在の時間 をしるために時計を設定し、見通しがたつように設定した。 ・登場キャラクターの変更. Aは年齢・性別を気にする傾向があるため、Ver1.1では登場キ ャラクターの年齢・性別を選択できるようにした。. ・主人公の立場. Ver1.Oでは主人公が上級生に注意やアドバイスを受け行動が 変化していくというストーリーを作成していたが、アドバイスを. 受けるよりはA白身が相手にアドバイスすることを好む傾向が あるため、Ver1,1では主人公が下級生の指導を行う設定に変更し た。. ・文章の表現方法の変更 Ver1.Oでは「たどりつく。列に戻す。」等の説明口調であった. が、Aは口語調を好むため、Ver1.1では、rたどりっこう!!」 等の感嘆詞や口語調を用いた文章に変更した。. ・操雌. Aはローマ宇カードを見ながらキー入力するため、ローマ字入. 力はあまり得意としていないため、Aはマウスの操作、矢印、エ ンタ]キーの操作はできるが、複雑な操作は難しいため、Ver1.1. では矢印、ユンタ]キー、マウスといった単純な操作で行うよう 調整した。 27.
(31) Ver.1.1→Ver.1,2. ・時計の表示の変更. Aはアナログ時計に慣れ親しんでいる他、学校の授業でアナロ グ時計の学習を行ったため、Ver.1.2では、ディジタル時計をアナ ログ時計へ変更した。. ・課題のタイトル表示の設定. Aは見通しのたたないことに対してパニックを起こす傾向に あるため、Ver.1.2ではそれぞれのどういった課題が行われるか を表示するように設定した。. Ve r.1.2→Ver.1.3. ・選択問題の難易度. Aは間を間違うことに否定的であるため、Ver.1.3では選択肢を 正解しやすい難易度に調整した。. ・否定的要素の排除. Aは叱られる、怒鳴られるといったことを苦手としているため、 Ver.1.3では、課題や選択肢を間違った場合に叱ること、減点等 をしないように変更した。. ・畦猛. Aは時間を守らない等の行動があったため、Ver.1.3では時間. 制限を設定し、早く行動することを学ぶように設定した。 ・選択の繰り返し. 正しい選択肢を選択するまで問題を続けるよう設定していたが、 短時間で何度も繰り返すことをAは好まないため、Ver.1.3では1 度繰り返したあとは次の問題に進むように変更した。 28.
(32) ・褒美の内容の変更. 当初は褒美を好きなインターネットのサイトに行くように設 足していたが、インターネットをつなぐことができる環境がない ので、Ver.1.3では好きな動画が流れるように設定を変更した。. 獲得した点数により動画を変更することで、モチベ]ションの 向上につながると考えたためVer,1.3では一つであった動画を三 つに変更した。. Ver.1.3→Ver.1.4. ・文字の表記方法の変更. Aは習得している漢字の語数が少ないため、Ver.1.4では未習 得の漢字を平仮名、カタカナに変更した。. ・登場キャラクターの見た目の変更. 登場キャラクターが上級生か下級生かを区別できるように Ver.1.4では主人公より背の低いキャラクターを下級生、背の高 いキャラクターを上級生に設定した。. ・課題終了後の声がけの追加. Aは褒められることを好む傾向にあったため、Ver.1,4では課 題クリア時に「えらいリ「よくできました。」等の褒める画面を 追加した。. Ver.1.4→Ver.1.5. ・操作にタッチパネルの追加 29.
(33) タッチパネルで操作することで操作が直感的にわかりやすく、 操作が簡単になると考えたためVer.1.5では、タッチパネルで操 作ができるように設定した。. ・ゲームの内容の亦更. 課題2と課題3が内容が似ていいため、Ver.ユ.5では内容を変 更した。. 3.ディジタル教材製作段階の調整 ディジタル教材製作段階の調整について分析した結果を以下に示 す。. Ve r.1.5→Ver.2.O. ・画面に表示される情報量の減少. Aは」度に多くの情報を得ることでパニックを起こす傾向に あったため、Ver.2.Oでは一つの画面に表示される情報量を減少 した。. ・時計の削除. 画面に時計を表示させる設定があまり意味をなしていなかっ たためVer.2.Oでは削除した。. ・バックに流れる音楽の亦更. バックに好きな音楽が流れるように設定していたが、最初から. 好きな音楽が流れるとAの集中力が途切れることがあると想定 されたため、Ver.2.Oでは音楽を変更した。. ・主人公の服の選択の削除. 主人公の変更が画面上であまり変更した点がわかりにくかっ 30.
(34) たためVer.2.Oでは服の選択を削除した。. ・選択肢を表示方法の変更 選択肢は文字で表示されるように設定していたが、分かりにく かったため、Ver.2.Oでは選択肢の画面を変キャラクターのセリ フ付きの画面へ変更した。. ・ゲームの内術の亦更 設定していた課題が似通っていたため、Ver.2.Oではゲームの. 内容を変更したほか、それぞれの課題を理解しやすいように向き 等を調整した。. 飽きがこないために褒美の動画を三つに設定していたが、もっ と動画を追加したほうがよいとの要望があったため、Ver.2.Oでは 7つに増加した。. ・文字の表現方法の変更 ディジタル教材で「黙る」等の表現が困難であったためVer,2.0. ではディジタル教材に合わせた表現に変更した。. ・ディジタル教材では表現できない点の変更 「やさしい口調であいさつする。」「きびしい口調であいさつす. る。」といった表現を行うことが困難であったためVer.2,Oでは 表現方法を変更した。. ・畦塗. Aは普段から「早くしなさい。」r急ぎなさい。」といったよう. に愚かされることをあまり好まない傾向にあったためVer.2.Oで. は時間制限は削除した。(早く行動を行うといった場面を削除し たわけではない。) 31.
(35) ・獲得点数の幅の亦更 飽きを防ぐためVer.2.Oでは得点の幅を大きく設定した。. ・画j履. PCの画面上にディジタル教材以外のアイコンがある場合、気. がちるため、Ver.2.Oでは教材のアイコンのみを表示する。. 32.
(36) 製作したディジタル教材の流れ(Fig.10)場面の画像(Fig.11)を示 す。. ゲ}ム看行う上でΦ注意が表示. 選択肢①母親かち「い一でち。しやい」の商かけ rいってきます1」 ⊥一. !。. 「へいへい・. 」. 量. 土…. 母親かち 「いうてちっし中い」の声か吋. 母親の蓑≡蘭. rいってちrし中い」o声がけ 醐ポイント睡≡得. 選択雌④. { …. 亘。. rいってきます」量.. 「ヰ. 」. 匹憂■. 母親。……≡碩. rいってちコし中い」Φ声がけ 圭邊ポイレトヨ重i導. 第王の課題「登植班。集合堤所にいこう!j. 到着した時間に応Uて推得点数が変化. ≡果題終了歓睡得点散に応じて君かけの画面変更 「すごいね。OOくん!」 画古中央に「∼ポイントケットだぜ!」 いそいだおかげで、. じかんに まにあいました。 「すごい山1」. 登植班。集合嶋所に到着 r;臥みんないる!どうしようかな?」. …田肢圃 玉. rみんな!1おはよう!!!」 呈. r…. 」. 登榿班のみんなかち rお岨よう!!」との粛かけ. 班のみんなの笑顔. rおはよ引」Φ声がけ 呈。ポイント撞得. 選銀臆④. rみんな!1おはよう!!口 班のみんなの笑顔「おはJlう!」の声か抄. .1. 「・… j. 班仰みんな「つめたい..」」の商かけ. 互・oポイント罫藍f写. 毒胃イこ一ト韮窒i昌なτ’. 覧ヨの課昼日 「あれ?蛙みだしている手がいるよ。はみだしている早をタリヂして、 ちゆういしてみよう^」. 課題終了後、獲得点数に応じて声がけ仰画面変更 『すごいね。OOくん!」 画面中央に「川ポイントゲリトだぜ!」 とうこうはんはは#ださいことがた㌧・せつだね1 第ヨの課呈日. rあう。ひとがいうぱいいるよ1みんなに臨いさつして諒Jlう!」 i題終了後、携得点散に応じて声・けの画面変更 窒キごいね山OOくん!」 中央にr川ポイントゲリトだぜ1」 あ㌔さっぱrちかい」. 『とおい」になわな㌔Lどかた㌔せつだね! 学植につきました!. やったね!ぜんぶでOOポイノトケット! 獲得した点数によつてボーナヌが流れる。 @r司喜一づ’ヌ・山一ピー ヌタート1」. Fig,1O. ディジタル教材の流れ 33.
(37) 母・=肋キ“弓、^,缶も,. ’’’. 鼡チ書 州#紬. 島.舳も〃舳# ^’・・1一. …さ訟、みん捗鏡とご争に↓激今冬. 鯛鉗シト. ー三療ゲ、ト㍑・. ^・片袖.. 5㈱,壇舳遅、 連側I. C奇.8秒ホう. じお鮒。誌洲掲し能.≡. 騨㈱桝 尼.}:ω’一州・,“■・世1. “’一^納. か=’泌. 竈描?封樹毘も領浄…・蝋、句阜、. 鰍ポイント. 括}${’オ鮒・㌔ヰ中体τ、. 緑ケツ川. G;;=星;”; }、^}、肺”} w=.舳”ん州.。洲.=,一’. …ニニ:;1撚&’号3{肋肋. £二二、、、, 曇・. ■i一、一、■、、、一. 帖旭。三拍. 錘m.ミ湘詳’‘ $。ホ{詳’ミ・必い“佃’. ㈱瘍竈榊確乞様 。融つ姓あ…. 鵯榊 州’}“弘. 蔀燃榊. 弗免増ヰ鈍、専うもζ穿“竜’ 弗免増茸I鈍サ. 蚕。. 繰. ノ物榊. ...一...∵....I.’... #〆珀性・℃.謎が吋’. ・姜. ...頚繊1.、.... .描滅1=. 。“…地. 導. 簿. 、≡蟹 書. 釜 噌. ド 11. 燃4沐1. ^… G;;;;吾;’. {新4抑. …一三;;二柚伽泊り帖・=榊舳.・=’$帆}軌一. 芯I榊‘蝋㎏榊螂・池側洲. 綿劾鮒ト. 綬 淋鮒. 岱. ホ2 1. 、,,、・、,、,,,,,,、. 切幽舳越ん邸♂w1 箏曲舳越ん邸さ 奮遵套泰イントゲ林∼1 奮鋤漸沐牝. 繊 壕. 燃={I 一. 繊鰯1. 還灘. 浦’一介ス・ムー浸,. 元僚㍗ト,. 綿. Fig.11 ディジタル教材の画面 34.
(38) 4.ディジタル教材使用段階に関する調整 ディジタル教材使用中の様子 ディジタル教材使用時の様子のビデオ及び、保護者とのインタビ ュー. ノより教材使用時の様子を以下に示す。. Tab1e3教材1日日 1回目の結果 1日目. ビデオ撮影 1回(使用時間:5分) ビデオ外 3回 内容. 結果. 獲得ポイント. 選択肢1. 正解. 20. 課題1. 18.7秒. 20. 選択肢2. 正解. 20. 課題2. 成功. 40. 課題3. 成功14失敗5. 33. 133. 合計. はじめての教材に興味があり終始笑顔であった。ポイント獲得画. 面は笑顔で見ていた。褒美のム]ビーはAのお気に入りの曲のため rどこかでながれた曲や一」と喜んでいた。しかし、動画の内容が 知らないゲームだったので「なんでやねん。」と言っていた。課題終. 了後、母親との会話でr楽しかった!」と喜んでいた。. 35.
(39) Tab1e4教材2日日 1回日の結果 2日目. ビデオ撮影1回(使用時間:4分27秒) ビデオ外1回 内容. 結果. 獲得ポイント. 選択肢1. 正解. 20. 課題1. 15.8秒. 選択肢2. 正解. 20. 課題2. 成功. 40. 課題3. 成功13失敗6. 32. 30.. 142. 合計. 教材に集中して終始無言で行っていた。r○ポイントとった一」 「(選択肢の答え)わかってんねん!」と口にしながら使用していた。. 褒美の動画前は「なんだ]?」と楽しみにしていた。動画の内容が 2回とも違っていたため喜んでいた。. 36.
(40) Tab1e5教材3日日 1回目の結果. 3日目 ビデオ撮影3回 ビデオ外O回 1回目(使用時間:4分3秒) 内容. 結果. 獲得ポイント. 選択肢エ. 不正解. 10. 課題1. 18.2秒. 20. 選択肢2. 正解. 20. 課題2. 成功. 40. 課題3. 成功5失敗12. 24 114. 合計. Tab1e6教材3目目. 2回日の結果. 2回日(使用時間:3分32秒) 内容. 結果. 獲得ポイント. 選択肢1. 正解. 20. 課題1. 18.7秒. 20. 選択肢2. 正解. 20. 課題2. 成功. 40. 課題3. 成功14失敗5. 33. 133. 合計. 37.
(41) TabIe7教材3日目 3回日の結果 3回目(使用時間:3分30秒) 内容. 結果. 獲得ポイント. 選択肢1. 正解. 20. 課題1. 18.5秒. 20. 選択肢2. 正解. 20. 課題2. 成功. 40. 課題3. 成功15失敗5. 35. 135. 合計. 1回目は母親から教材の使用を促されたため、機嫌を損ねていた ため雑に操作する場面が見られた。しかし、数時間後2,3回目は 自ら「パソコン便う」といって集中して取り組めたため高得点を獲. 得していた。3団員となり操作に慣れてきたため、使用時間が最初 に比べると早くなってきた。内容が理解できているため、注意や課. 題後のメッセ」ジ等を飛ばす場面が多々見受けられた。3回目は褒 美の動画を早く見るために合計得点の画面を飛ばしていた。褒美の 動画は芸能人を用いた動画、知らない漫画、アニメのキャラクター を用いた動画に対してはほとんど興味を示さなかった。. 38.
(42) Tab1e8教材4日日 1回目の結果 4日目 ビデオ撮影1回(使用時間:3分00秒) ビデオ外1回 内容. 結果. 獲得ポイント. 選択肢1. 正解. 20. 課題1. 20.5秒. 10. 選択肢2. 正解. 20. 課題2. 失敗. 15. 課題3. 成功13失敗6. 32. 97. 合計. 学校の宿題がなかなか進まず、機嫌が悪く教材に集中できていな. かった。初めて課題2を失敗した。課題中は機嫌が悪かったが、褒 美の動画が好きなキャラクタ』が出てきたため、声を出して笑って いた。その後1回使用した。. 39.
(43) Tab1e9教材5日目 1回日の結果. 5日目 ビデオ撮影3回 ビデオ外O回 1回目(使用時間:3分20秒) 内容. 結果. 獲得ポイント. 選択肢1. 正解. 20. 課題!. 18.3秒. 20. 選択肢2. 正解. 20. 課題2. 成功. 40. 課題3. 成功8失敗11. 27. 127. 合計. 2回日の結果. Tab1e1O教材5目目 2回目(使用時間:3分25秒) 内容. 結果. 獲得ポイント. 選択肢1. 正解. 20. 課題1. 20秒. 10. 選択肢2. 正解. 20. 課題2. 失敗. 40. 課題3. 成功6失敗8. 25 125. 合計. 40.
(44) Tab1e11教材5日目 3回目の結果 3回目(使用時間:3分09秒) 内容. 結果. 獲得ポイント. 選択肢1. 正解. 20. 課題1. 18.3秒. 10. 選択肢2. 正解. 20. 課題2. 成功. 20. 課題3. 成功10失敗4. 25 95. 合計. 1回目は集中し、好きな動画を見て喜び、2回目の最初もrやる せ一」「いい点とるぞ]」と張り切っていたが課題2の最初はキャ ラクタ]に対して「バカやる」」「しつこいな」と言っていが後半に rちゃんと注意しなきゃ」r(列に戻す0)は)オレの仕事だから」と集. 中力を取り戻していた。しかし、課題3で失敗が続き「もういいよ」. と集中カが切れていた。その後3回目は集中力が切れて得点は悪か ったが褒美がお気に入りのキャラの動画だったため喜んでいた。. 41.
(45) Tab1e12教材6日目 1回目の結果. 6目目 ビデオ撮影5回 ビデオ外O回 1回目(使用時間:3分38秒) 内容. 結果. 獲得ポイント. 選択肢1. 正解. 20. 課題1. 16.7秒. 20. 選択肢2. 正解. 20. 課題2. 成功. 40. 課題3. 成11失敗8. 30. 130. 合計. Tab1e13教材6日目. 2回日の結果. 2回目(使用時間:3分29秒) 内容. 結果. 獲得ポイント. 選択肢1. 正解. 20. 課題1. 17.1秒. 20. 選択肢2. 正解. 20. 課題2. 成功. 40. 課題3. 成功14失敗5. 33. 133. 合計. 42.
(46) Tab1e14教材6日目. 3回目の結果. 3回目(使用時間:3分56秒) 内容. 結果. 獲得ポイント. 選択肢1. 正解. 20. 課題1. ユ8.2秒. 20. 選択肢2. 正解. 20. 課題2. 成功. 40. 課題3. 成功14失敗4. 34. 134. 合計. Tab1e15教材6目目. 4回目の結果. 4回目(使用時間:3分27秒) 内容. 結果. 獲得ポイント. 選択肢1. 正解. 20. 課題1. ユ7.7秒. 20. 選択肢2. 正解. 20. 課題2. 成功. 40. 課題3. 成功14失敗5. 33. 133. 合計. 43.
(47) Tab1e16教材6日目 5回目の結果 5回目(使用時間:3分36秒) 内容. 結果. 獲得ポイント. 選択肢1. 正解. 20. 課題1. /8.3秒. 20. 選択肢2. 正解. 20. 課題2. 成功. 40. 課題3. 成功12失敗7. 31. 131. 合計. 学校で試験があり疲れていたにも関わらず、本人のやる気があり. 5回行ったが得点が130∼134点で5回とも同じ褒美の動画を見る ことになった。5回目は動画開始後すぐに教材を終了してしまった。. 集中していただけに好きな動画を見ることができずイライラしてい. た。設計者、開発者のテストプレイとAの能力からAが獲得する点 数の予想をたて動画を配置したが、予想と違った結果となり動画が たくさん用意されている得点帯に到達しなかったのが原因である。. 44.
(48) Tab1e17教材7目目 1回目の結果. 7目目 ビデオ撮影3回 ビデオ外O回 1回日(使用時間:2分27秒) 内容. 結果. 獲得ポイント. 選択肢ユ. 正解. 20. 課題1. 17.2秒. 20. 選択肢2. 正解. 20. 課題2. 失敗. 11. 課題3. 成功3失敗15. 22. 93. 合計. Tab1e18教材7日目. 2回目の結果. 2回日(使用時間:2分46秒) 内容. 結果. 獲得ポイント. 選択肢1. 正解. 20. 課題1. 24.3秒. 10. 選択肢2. 正解. 20. 課題2. 失敗. 40. 課題3. 成功3失敗17. 23. 85. 合言十. 45.
(49) Tab1e19教材7日日. 3回目の結果. 3回目(使用時間:O分50秒) 内容. 結果. 獲得ポイント. 選択肢1. 正解. 20. 課題1. 16.3秒. 20. 先日の影響か最初から集中力が切れていた。課題1の点数が頑張. っても20点しか取れず「なんで20点なん」と言っていた。得点が 一番低い場合の動画を気に入っていたため、失敗が続くとわざと得 点が低くなるようにしていた。3回目は課題1が終了した時点で「な んで20点なん。や」めた。」と言って教材の使用をやめてしまった。. Tab1e20教材8日日 1回日の結果. 8日日 ビデオ撮影3回 ビデオ外1回 1回目(使用時間:3分55秒) 内容. 結果. 獲得ポイント. 選択肢1. 正解. 20. 課題1. 20.3秒. 10. 選択肢2. 正解. 20. 課題2. 成功. 40. 課題3. 成功7失敗13. 26. 合計. 1王6. 46.
(50) 2回目の結果. Tab1e21教材8日日 2回目(使用時間:1分35秒) 内容. 結果. 獲得ポイント. 選択肢1. 正解. 20. 課題1. エ7秒. 20. 選択肢2. 正解. 20. 3回目の結果. Table22教材8日目 3回目(使用時間:O分59秒) 内容. 結果. 獲得ポイント. 選択肢1. 正解. 20. 課題1. 16.8秒. 20. 4回日の結果. Table23教材8日目 4回日(使用時間:2分30秒 内容. 結果. 獲得ポイント. 選択肢1. 正解. 20. 課題1. 16.5秒. 20. 選択肢2. 正解. 20. 課題2. 失敗. 1ユ. 課題3. 成功16失敗4. 35. 合計. /16. 47.
(51) 最終日となり、内容や展開がわかってしまうため、最初で失敗す. るとすぐにやめてしまった。2回日、3回目は完全にやる気を失い. 課題1終了後に投げ出してしまった。しかし、4回目で得点は低い ものの好きな動画を見ることができ、ビデオ撮影外の最後の」回は 最高得点の143点を獲得し、好きな動画を見ることができた。. 5.ディジタル教材使用段階の調整 ディジタル教材を使用後アンケートの結果、ディジタル教材使用. 後にA,Aの保護者に対してアンケート、インタビュー、教材使用 時の様子をビデオにて撮影したものを観察し調整したものを示す。. 1)教材使用後アンケート. ディジタル教材使用後のAの様子を保護者に質問紙にて調査した (Tab1e24)。使用前と変化したものは●で表している。. 48.
(52) Tab1e24教材使用後アンケ」トの結果. O. 1. 自発的にあいさつをする。. 2. あいさつを促された場合、あいさっをする. 3. 初対面の相手にあいさつをする. 4. 友達や先生にあいさっをする. O. 5. あいさつをされてあいさつを返す. O. 6. 優しい口調であいさっを行う. 7. 時間を理解できる(読むことができる). 8. 自ら時間を守る. 9. 時間を守るよう促された場合時間を守る. 10. 自ら約束の時間に対して早めに行動する. ○. 11. 約束の時間に対して早めに行動するように促された. ○. ○. ○. ○. ●. ●. O ○. ●. O. ●. ●. 鼾㍽轤驍アとができる。 /2. 登校班にまっすぐ並ぶ. 13. 登校班に並ぶ意味がわかる. 14. 登校班の並ぶ順番がわかる. O. 15. 誰が上級生、下級生であるということがわかる. ○. !6. 登校班に遅れずについていく. ○. ○. ●. ○. 49.
(53) 17. 登校班を追い越して行く. 18. 登校班で列についていけない人、まっすぐ並ばない人. ○. ○. ノ注意をする(3,4を選択された場合は以下の問いに. O. ●. 烽ィ答えください)。. 注意する際優しい口調で注意する. ○. 注意する際きっい口調で注意する. ○. 19. 上級生と仲良く遊ぶことが好き. ●. 20. 同級生と伸良く遊ぶことが好き. 21. 下級生と仲良く遊ぶことが好き. 22. 大人と接することが好き. 23. 男の子、女の子どちら遊ぶことが好きであるか. 24. 男性の先生、女性の先生どちらと接することがすきで. ○. ●. ●. ○. ○. ○. ●. 男の子. どちらも好き. ?驍ゥ 25. 外で遊ぶことと室内で遊ぶことのどちらが好きであ. どちらも好き. 驍ゥ 26. パソコンが好き. ○. 27. 口」マ字入力をする. O. 28. インターネットをすることが好き. O. 29. 自分ひとりで日的のサイトに行く. ○. 30. 好きなことを我慢することができる. O. 3ユ. 上級生のいうことを守る. O. 32. 同級生のいうことを守る. 33. 下級生のいうことを守る. 34. 先生のいうことを守る. ●. ○. ○. ○. 50. ●.
(54) 35. お母さんのいうことを守る. 36. お父さんのいうことを守る. 37. おじいちゃんのいうことを守る. 38. おばあちゃんのいうことを守る. O. 39. 面識のある大人のいうことを守る. O. 40. 面識のない大人のいうことを守る. ○. O. O. O. ●. 2)保護者インタビュー. 保護者に対して教材使用後、教材使用後アンケートを行ったのち に教材の影響等についてインタビューを行った。. ・3の「初対面の相手にあいさつする」は課題第3の使用後から近 所のあまりあいさつを行わなかった人に対して少しではあるがあ いさっを行うようになった。. ・6の「優しい口調であいさつを行う」は少し声のボリュームが大 きいがやさしくあいさつをするようになった。 ・8,10,11について以前よりは早く行動を行うようになった。. ・17については登校班のメンバ]と喧嘩し、パニックになって班を 追い越していくようになったとのことで教材との関係はない。. ・18は本教材を使用して」番日立った変化があったものである。教 材使用後から、班のメンバーが道路にはみ出すと「はみだしてあ ぶないよ」と母親に対して発言するようになり、その後はみ出し た児童を歩道に戻すといった行動を行った。. ・19,20,21に対しては最近小学生の問で流行しているゲ山ムの キャラクタ」を使用して行うしりとりを、Aがそのゲームをプレ イしていないため参加できず、仲間外れにされていることが原因 51.
(55) で低下している。それに対して22は仲間外れをやめるように先 生が注意をしたため上昇している。いずれも、教材による影響で はない。. ・31は最近優しくしてくれる上級生がいること、34は担任の男の 先生が怖いことが原因であり、教材の影響ではない。 ・40は3同様近所のあま一り関わりのなかった人にあいさつを行うよ うになってから会話をするようになった。. 3)ディジタル教材使用段階の調整点. ディジタル教材使用後の調整について分析した結果を示す。. ・主人公の性別の変更. Aは教材を使用の際会て男の子を選択したため、主人公を男女 の選択から男の子を2パターンに変更し選択されるようにする必 要がある。. ・間にランダム要素の追加. Aは教材実施期問の後半になるにつれ、間や注意の内容を記憶 し、読み飛ばす場面が多くなったため、間の内容にランダム要素 を追加する必要がある。. ・課題の繰り返し. Aは課題で自分の納得のいく結果にならなかった場合、教材を 使用することを放棄する場面があったため、本人の納得が行くま で繰り返し課題を行うように変更する必要がある。 ・褒美の追加. 褒美にAの好む音楽の流れる動画を用意したが、教材使用期間 52.
(56) の後半は飽きが見られたため他の児の好む複数の音楽、動画を設 定する必要がある。. ・課題のボタンの変更. Aは課題2ではキャラクターを直接操作することで理解が進ん だため、課題1,3についても直接操作できるように変更する必 要がある。. ・難蛙 Aにとって容易にできるものから、困難なものがあったため、 難易度をAにあわせて調整をする必要がある。 ・アイコンの大きさの亦更. ディジタル教材起動のアイコンが小さかったため、Aは起動に 戸惑ことが多々あったため、アイコンの大きさを変更する必要が ある. ・ポイントの幅の変更. Aは毎回同じ点数を獲得することに不満をいだいていたため、 答えを選ぶまでにかかった時間等でポイントが変化するように変 更する必要がある。 ・什. の課題のキ ラクターの人数の変更. 第二の課題で操作するキャラクタ]が4人いて、そのすべてを 操作することはAにとって困難であったため、登場キャラクター の数を3人に変更する必要がある。. 操作に使用したタッチペンがAに対して小さかったため、操作 しやすい大きさのタッチペンヘ変更する必要がある。 ・持ち運び可能 53.
(57) 今回の教材はノートパソコンで操作できるものを用意した。A は自宅の他、母親の職場で使用するといったように場所を選ばず に使用することができていた。デスクトップでは持ち運ぶことが できない。. 54.
(58) w.考察 本研究は、自閉症児を対象としたディジタル教材製作支援システ. ムにおける教材調整モデルの構築を目的として、1名の自閉症児を 対象としたディジタル教材の設計、製作、使用段階における調整要 素について抽出することができた。そして、ディジタル教材の調整 で抽出された要素の分類を行った。. 一つ日は、操作性に関する調整を分類項員として設定した。自閉 症児に関わらず、教材を使用しようする際、操作が容易でなければ 使用することをやめてしまう可能性がある。牧野(2003)は、コンピ. ュータ操作が不慣れな学習者に対しては、豊富な機能性よりシンプ ルな操作のほうが重要であると述べている。. 二つ目は、認知・理解に関する調整を分類項目として設定した。 小川(2007)はディジタル教材を使用するには認知・理解に関する調. 整を行う必要があると述べている。自閉症児は健常児や知的障害児 と比べ、認知面の偏りが激しい傾向がある。これは、自閉症特有の 障害特性に加え、子どもの個性や発達の状況・年齢・置かれた環境 等により障害の状況が著しく異なるためである。そのため、教材を 設計する際に、対象児の認知面における発達の段階を考慮する必要 があるため、この調整を行った。. 具体的に、認知・理解に関しては、「文字に関する調整」について. は、一般の教材、ディジタル教材ともに、文章が使用されているも のが多い。自閉症児はコミュニケ]ション面の問題のある場合にそ の要因として言語面における発達の遅れがあるため、文章を使用す る際は対象児の言語面における発達段階を考慮する必要がある。本 教材においても、対象児は習得している漢字の語数が少ないため、 55.
(59) 未習得の漢字を平仮名、カタカナに変更した。その結果、教材に使 用されている文章で解読不能な場面はなく、最初から最後まで教材 の中に使用されている文章については読むことができていた。. 「数に関する調整」については、多くの教材には得点や時計とい った数的概念が多く存在している。自閉症児の場合、数的概念の理 解度は言語の認知に依存しない部分が大きく、理解度は各々で異な. る。例として、7+8が15であると計算することができるが、7と8 のどちらが大きいかといったことが理解できない子ども、15を51 と記述するといった仕合わせができないという子がいる半面、4桁 の計算が瞬時に回答できるといったように個に応じて大きく異なる ことに考慮する必要がある。. 三つ日は、モチベーション(動機付け)に関する調整を分類項目と して設定した。奥野・納富(2007)は、自閉症児に対してコンピュ』. タ活用した支援は、自閉症児の注意が持続されるだけではなく、動 機付けにもなり、さらには学習効果が促されると報告している。そ こでモチベーションに関する調整を行うことが必要であると考える。 以上の三つの分類項目を基準に調整要素の分類を行った。以下、. 分類した結果をTab1e25に示す。. 56.
(60) Tab1e25調整モデルと調整要素の対応関係 認. る. 数. 知. 調 整. に. ■. 理 解 す. 文. る. 字. 整. に. 内. 主人公の性別の設定・主人公の見た目の変更・バッ. ン. け. シ. 減少・選択肢の表示方法の変更・文字の表現方法の 変更・ディジタル教材では表現できない点の変更. ヨ. 1. 文字の表記方法の変更・画面に表示される情報量の. 関. 発 的 動 機 付. べ. 更・時計の削除・画面上のアイコンの個数. す. 調. モ チ. 関. 時計を画面に表示・選択肢の個数・時計の表示の愛. クに好きな音楽・課題の個数・ゲーム要素の追加・. 登場キャラクタ」の変更・主人公の立場・文章の表 現方法の変更・課題のタイトル表示の設定・登場キ ヤラクターの見た目の変更・ゲーム内容の変更・主 人公の性別の変更・難易度の変更. 外 発. 課題クリア時の点数の導入・教材終了後の褒美の追. 的 動. 加・得点を画面に表示・選択肢の難易度・否定的要. 機 付. 素の排除・時間制限の設定・選択の繰り返し・褒美. け. の内容の変更・獲得点数による褒美の変更・課題終 了後の声がけの追加・バックに流れる音楽の変更・ 主人公の服の選択の削除・褒美のゲーム数の増加・. 時間制限を削除・獲得点数の幅の変更・間にランダ ム要素の追加・課題の繰り返し・褒美の追加・ポイ ソトの幅の変更. 57.
(61) 操 作 性. 操操作の簡略化・操作にタッチパネルの追加・課題の 作. 性ボタンの変更・アイコンの大きさの変更・第2の課 の. 向 題のキャラクターの人数の変更・操作に使用するタ 上. ツチペンの変更・持ち運び. 以下、各分類項日における本教材の調整による効果を示す。. ①操作性に関する調整についての分類 本教材では、全ての操作をタッチパネルのみで使用することを想 定して設計したため、対象児が本教材を使用する際に最小限の説明 のみで操作方法を理解することができた。. 第1章で、タッチパネルを導入することで学習意欲の向上につな がる(伊藤、1994)と述べているように本研究においてもその効果が. 大きかった半面、直接操作するにも関わらず、思い通りに操作でき ない場合はイライラする様子も見受けられた。. また、操作方法の違いにより、課題に対する印象及び学習効果に. 影響する事例が見られた。例えば、第2の課題(はみだしている子 どもをタッチして呼び戻すゲーム)はキャラクタ」の操作を行う際、. 直接キャラクターに触れ操作することができたため、キャラクター. を注視する事が可能となったが、一方、第1,3の課題ではキャラ クターと連動したボタンを操作する仕様であった。対象児は全体画. 面を把握することが困難であったため、第1,3についてキャラク ターを見るよりも、ボタンに視点が行きがちだったと保護者は述べ ている。対象児に対して実施したアンケートでもやはり、一番印象. に残った課題は第2の課題と答えている。このことから、全体を把 58.
(62) 握することの苦手な傾向のある自閉症児にはもっとも印象に残した い部分を注視するよう設定する必要がある。. その他にも、対象児は体が大きいため、小さな道具、小さなアイ コンでは操作がしにくい場面が多々見受けられた。この問題を解決 するために使用する道具、アイコンの大きさを調整する必要がある。. 本人にあったタッチペン等を用意することで操作性が向上すると思 われる。. 最後に、持ち運べるサイズのディジタル教材であることが重要で あると考えられる。柴田・笹本・長郷(2006)は、コンピュータ教材. の導入の困難さにプロジェクタ」、コンピュータの部屋に移動して 学習するよりも、自分の学習しやすい環境にノートパソコン等を持 ち運び学習を行うほうが効果的であると述べている。本教材につい ても、普段学習を行っている自宅、及び対象児の母親の仕事場で集 中して学習を行う様子が見られた。. 今回の学習の課題として効果のあった第2の課題において一度に 操作するキャラクターが四人であった。対象児のレベルに合わせて 設定したが、対象児は一生懸命操作するものの二、三人のキャラク ターを操作し一人は操作を忘れてしまい、あわてて戻すといったこ とが起こり自分の思い通り操作できないことにイライラする場面も 多々見られ四人の操作では難易度の他、操作が困難である様子が見 受けられた。. ②認知・理解に関する調整 認知・理解に関する調整はさらに「数に関する調整」「文字に関す る調整」の二つの概念に分類を行った。. 59.
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