東北大学埋蔵文化財調査年報19 第4分冊
著者
東北大学埋蔵文化財調査室
雑誌名
東北大学埋蔵文化財調査年報
巻
19
号
4
発行年
2008-03-31
URL
http://hdl.handle.net/10097/45623
ISSN 1341-6952
東北大学埋蔵文化財調査年報
19
第
4分
冊
仙 台城跡二の丸北方武家屋敷地区第
7地
点 の調査
出土遺物
3(そ
の他 の遺物
)
東北大学埋蔵文化財調査室
2ロ
ロ 日
東北大学埋蔵文化財調査年報
19
第
4分
冊
仙台城跡二の丸北方武家屋致地区第
7地
点 の調査
出土遺物
3(そ
の他 の遺物
)東北大学埋蔵文化財調査室
2□
□日
1.武
家屋敷地 区第7地点2号
遺構 出土漆器椀3.武
家屋敷地区第7地点2号
遺構 出上下駄4.武
家屋敷地区第7地点 出土漆器皿5.武
家屋敷地 区第7地点 出土駒形木製品例
言
1.本
書 は、東北大学構 内において、東北大学埋蔵文化財調査研 究セ ンターが2001年 度に行 った遺跡調査、 な ら びに研究成果 をまとめた調査年報19の、第4分
冊である。2.報
告書の紙幅の関係か ら、年報19は5分
冊 に分 けて刊行す る。本書 は、その第4分
冊である。本書 には、仙 台城跡二の丸北方武家屋敷地区第7地
点(BK7)の
出土遺物 の うち、その他 の遺物 として、第2分
冊 ・第3 分冊 に掲載す るもの以外の遺物 を掲載 した。掲載す る遺物の種類 を列記す ると、漆塗製品、木簡や墨書のある 木製品以外の木製品、金属製品、石器・石製品、ガラス製品、材質不明の遺物である。3.整
理作業お よび本書の編集は、阿子島香 の指導の もとに、藤沢教・柴田恵子・高木暢亮が担 当 した。 4。 本文 は、柴 田恵子が執筆 した。英文要 旨については、柴 田恵子が作成 し、阿子島香が校訂 した。 5。 実測 図の作成 にあたっては、木製 品 と古銭以外 の金属製品はデジタル トレースで作成 した。漆塗製品 と石 器 。石製品は手描 きの トレースによって作成 した。6.巻
頭 カラー図版以外の写真図版の写真撮影は、(有)仙
台写真工房 に委託 した。7.整
理・報告書作成 にあたっては、以下の方々や関係機関か ら御指導・御協力 を賜 った。 記 して感謝 申し上げる (敬称略)。 仙台市教育委員会、東北大学大学院文学研究科考古学研究室。8.出
土遺物・調査記録 は、東北大学埋蔵文化財調査室で保管・管理 している。凡
例
1.遺
物 の実測図お よび写真の縮尺 は、遺物の種類 に応 じて変 えている。漆塗製品 と木製品は、特 に大型の もの を除 き、縮尺3分
の1で
掲載 した。古銭 は等倍、古銭以外の金属製品 と石器・石製品は縮尺2分
の1で
掲載 し た。実測図には、スケールを付 して縮尺 を示 している。2.図
9∼
17に掲載 したその他の漆塗製品では、一部 を除 き、黒漆 と朱漆の別 を、次の ようなスクリー ン トー ン で表 した。 これ以外 の実測図中で使用 したスクリー ン トー ンは、それぞれの図中において、差 し示す内容 を提 示 した。 その他の漆塗製品 黒漆:∈
鰯囲 朱漆 :睡霊翻3.引
用・参考文献 は、巻末 にまとめた。 また本文 中で、5東北大学埋蔵文化財調査年報』 を引用す る場合 は、 年報 1と い う形で略記 した。図
目
次
図1
武家屋敷地区第7地
点出土漆椀(1)。 ………・13
図26
武家屋敷地区第7地
点出土 図2
武家屋敷地区第7地
点出土漆椀(2)。 ………・14
箸状木製品(1)・ ……。38 図3
武家屋敷地区第7地
点出土漆椀(3)。 一……・15
図27
武家屋敷地区第7地
点出土 図4
武家屋敷地区第7地
点出土漆椀(4)・ ―――・16
箸状木製品(2)・ ……・39 図5
武家屋敷地区第7地
点出土漆椀(5)・ ………Ⅲ17
図28
武家屋敷地区第7地
点出土桶類(1)・ ………,40 図6
武家屋敷地区第7地
点出土漆4/B(6)・ ………・18
図29
武家屋敷地区第7地
点出土桶類(2)。 ………・41 図7
武家屋敷地区第7地
点出土漆椀(7)。 ………。19
図30
武家屋敷地区第7地
点出土桶類(3)・ ………・42 図8
武家屋敷地区第7地
点出土図
31
武家屋敷地区第7地
点出土 その他の漆塗製品(1)・ ……。20
栓・円板状木製品(1)・ ……・43 図9
武家屋敷地区第7地
点出土図
32
武家屋敷地区第7地
点出土 その他の漆塗製品(2)・ ……・21
円板状木製品(2)。……・44 図10
武家屋敷地区第7地
点出土図
33
武家屋敷地区第7地
点出土 その他の漆塗製品(3)・ ……・22
円板状木製品(3)。 楔 ・……Ⅲ45 図11
武家屋敷地区第7地
点出土図
34
武家屋敷地区第7地
点出土 その他の漆塗製品(4)・ ……。23
へ ら状木製品(1)。……。46 図12
武家屋敷地区第7地
点出土図
35
武家屋敷地区第7地
点出土 その他の漆塗製品(5)・ ……・24
へ ら状木製品(2)。……・47 図13
武家屋敷地区第7地
点出土図
36
武家屋敷地区第7地
点出土 その他の漆塗製品(6)・ ……・25
へ ら状木製品(3)・ 柄状木製品(1)・――・48 図14
武家屋敷地区第7地
点出土図
37
武家屋敷地区第7地
点出土 その他の漆塗製品(7)・ ……・26
柄状木製品(2)・……・49 図15
武家屋敷地区第7地
点出土図
38
武家屋敷地区第7地
点出土鍬 ・………50 その他の漆塗製品(8)・ ……・27
図39
武家屋敷地区第7地
点出土槽・到物 ・………51 図16
武家屋敷地区第7地
点出土図
40
武家屋敷地区第7地
点出土 その他の漆塗製品(9)・ ……・28
その他の木製品(1)・――・52 図17
武家屋敷地区第7地
点出土図
41
武家屋敷地区第7地
点出土 その他の漆塗製品(10)… ……29
その他の木製品(2)。……。53 図18
武家屋敷地区第7地
点出土下駄(1)・ ………・30
図42
武家屋敷地区第7地
点出土 図19
武家屋敷地区第7地
点出土下臥(2)。 ………Ⅲ31
その他の木製品(3)・ ……・54 図20
武家屋敷地区第7地
点出土下駄(3)・ ………・32
図43
武家屋敷地区第7地
点出土 図21
武家屋敷地区第7地
点出土下駄(4)。 ………。33
その他の木製品(4)・ ……・55 図22
武家屋敷地区第7地
点出土下駄(5)。 ………・34
図44
武家屋敷地区第7地
点出土 図23
武家屋敷地区第7地
点出土下駄(6)・ ―……・35
その他の木製品(5)・ ……。56 図24
武家屋敷地区第7地
点出土下駄(7)。 ………・36
図45
武家屋敷地区第7地
点出土 図25
武家屋敷地区第7地
点その他の木製品(6)・……・57 出土下駄(8)・ 曲物 ・……・37
図
46
武家屋敷地区第7地点出土図
53
武奈屋敷地区第7地
点出土煙管 ・………65 その他の木製品(7)。 ……・58
図54
武家屋敷地区第7地
点出土 図47
武家屋敷地区第7地点出土その他の金属製品(1)・ ……Ⅲ66 その他の木製品(8)。 ――・
59
図55
武家屋敷地区第7地
点出土 図48
武家屋敷地区第7地点出土その他の金属製品(2)・ ……・
67
その他の木製品(9)・ ……・60
図56
武家屋敷地区第7地
点出土 図49
武家屋敷地区第7地点出土竹製品 ・…………61
その他の金属製品(3)・……Ⅲ68
図50
武家屋敷地区第7地点出土古銭(1)。 ………・62
図57
武家屋敷地区第7地
点出土 図51
武家屋敷地区第7地点出土古銭(2)・ ………・63
石器 。石製品(1)・……・69 図52
武家屋敷地区第7地点出土古銭(3)・ ………・64
図58
武家屋敷地区第7地
点出土石製品(2)・ ……'70表
目 次
表1
武家屋敷地区第7地点出土表
16
武家屋敷地区第7地
点出土楔観察表 ・中―…83 漆塗製品・木製品集計表(1)・ ――・71
表17
武家屋敷地区第7地
点出土 表2
武家屋敷地区第7地点出土柄状木製品観察表 ・……,83 漆塗製品 。木製品集計表(2)・ ……・
72
表18
武家屋敷地区第7地
点出土竹製品観察表 ・…83 表3
武家屋敷地区第7地点出土表
19
武家屋敷地区第7地
点出土 漆塗製品・木製品集計表(3)・ ……・73
その他 の木製品観察表(1)・ ……184 表4
武家屋敷地区第7地点出土表
20
武家屋敷地区第7地
点出土 その他の遺物集計表(1)・ ――・74
その他の木製品観察表(2)。…….85 表5
武家屋敷地区第7地点出土表
21
武家屋敷地区第7地
点出土 その他の遺物集計表(2)・ ……・75
古銭観察表(1)・ ……'86 表6
武家屋敷地区第7地点出土表
22
武家屋敷地区第7地
点出土 漆椀観察表(1)・ ……・76
古銭観察表(2)・ ……Ⅲ87 表7
武家屋敷地区第7地点出土表
23
武奈屋敷地区第7地
点出土 漆椀観察表(2)。 ……・77
煙管雁首観察表 ・……・88 表8
武家屋敷地区第7地点出土表
24
武家屋敷地区第7地
点出土 その他の漆塗製品観察表 ・……78
煙管吸口観察表 ・……・88 表9
武家屋敷地区第7地点出土下駄観察表 ・……79
表25
武家屋敷地区第7地
点出土 表10
武家屋敷地区第7地点出土曲物観察表 ・……80
その他 の銅製品観察表 ・……・88 表11
武家屋敷地区第7地点出土表
26
武家屋敷地区第7地
点出土 箸状木製品観察表 ・……。80
その他の鉄製品観察表 ・……・89 表12
武家屋敷地区第7地点出土桶類観察表 ・……81
表27
武家屋敷地区第7地
点出土 表13
武家屋敷地区第7地点出土栓観察表 ・………81
その他 の鉛製品観察表 ・……。89 表14
武家屋敷地区第7地
点出土表
28
武家屋敷地区第7地
点出土 円板状木製品観察表 。……・82
石器 ・石製品観察表 ・……Ⅲ89 表15
武家屋敷地区第7地点出土表
29
武家屋敷地区第7地
点出土 へ ら状木製品観察表 ・……・82
その他の遺物観察表 ・――・89図
版
目 次
図版1
武家屋敷地区第7地
点出土漆椀(1)・ ……,97
図版28
武家屋敷地区第7地
点出土 図版2
武家屋敷地区第7地
点出土漆椀(2)・ ……・98
桶類(3)。 栓 ・……124 図版3
武家屋敷地区第7地
点出土漆枕(3)・ ……。99
図版29
武家屋敷地区第7地
点出土 図版4
武家屋敷地区第7地
点出土漆枕(4)・ ……loo
円板状木製品(1)・ ……125 図版5
武家屋敷地区第7地
点出土漆椀(5)・ ……101
図版30
武家屋敷地区第7地
点出土 図版6
武家屋敷地区第7地
点出土漆椀(6)。 ……102
円板状木製品(2)。 楔 ・……126 図版7
武家屋敷地区第7地点出土漆椀(7)。 ……103
図版31
武家屋敷地区第7地
点出土 図版8
武家屋敷地区第7地
点出土漆椀(8)・ ……104
へ ら状木製品(1)・ ……127 図版9
武家屋敷地区第7地
点出土漆椀(9)・ ……105
図版32
武家屋敷地区第7地
点出土 図版10
武家屋敷地区第7地点出土へ ら状木製品(2)・ ……128 その他の漆塗製品(1)。 ………
106
図版33
武家屋敷地区第7地
点出土 図版11
武家屋敷地区第7地点出土柄状木製品 。……,129 その他の漆塗製品(2)。 ………
107
図版34
武家屋敷地区第7地
点出土鍬 ・…………。130 図版12
武家屋敷地区第7地点出土図版
35
武奈屋敷地区第7地
点出土槽・剣物 ・…・131 その他の漆塗製品(3)。 ………lo8
図版36
武家屋敷地区第7地
点出土 図版13
武家屋敷地区第7地点出土その他の木製品(1)・……132 その他の漆塗製品(4)。 ………
lo9
図版37
武家屋敷地区第7地
点出土 図版14
武家屋敷地区第7地点出土その他の木製品(2)・……133 その他の漆塗製品(5)・ ………■
o
図版38
武家屋敷地区第7地
点出土 図版15
武家屋敷地区第7地点出土その他の木製品(3)・……134 その他の漆塗製品(6)・ ………
Hl
図版39
武家屋敷地区第7地
点出土 図版16
武家屋敷地区第7地
点出土その他の木製品(4)・……135 その他の漆塗製品(7)。 ………
112
図版40
武家屋敷地区第7地
点出土 図版17
武家屋敷地区第7地
点出土その他の木製品(5)・‥…136 その他の漆塗製品(8)。 ………
H3
図版41
武奈屋敷地区第7地
点出土 図版18
武家屋敷地区第7地
点出土下駄(1)・ ……H4
その他 の木製品(6)・―…137 図版19
武家屋敷地区第7地
点出土下駄(2)・ ……H5
図版42
武家屋敷地区第7地
点出土 図版20
武家屋敷地区第7地
点出土下駄(3)・ ……116
その他の木製品(7)。 竹製品 。……138 図版21
武家屋敷地区第7地
点出土下駄(4)・ ……■7
図版43
武家屋敷地区第7地
点出土古銭(1)。……139 図版22
武家屋敷地区第7地
点出土下駄(5)・ ……118
図版44
武家屋敷地区第7地
点出土古銭(2)・……140 図版23
武家屋敷地区第7地
点出土下駄(6)。 ……119
図版45
武家屋敷地区第7地
点出土古銭(3)・……141 図版24
武家屋敷地区第7地
点出土図版
46
武家屋敷地区第7地
点出土古銭(4)。 曲物・箸状木製品(1)。 ……120
煙管 。その他の金属製品(1)・……142 図版25
武家屋敷地区第7地
点出土図版
47
武家屋敷地区第7地
点出土 箸状木製品(2)。 ……121
その他の金属製品(2)・ ……143 図版26
武家屋敷地区第7地
点出土桶類(1)。 ……122
図販48
武家屋敷地区第7地
点出土 図版27
武家屋敷地区第7地点出土桶類(2)。 ……123
その他の金属製品(3)・ ……144図版
49
武家屋敷地区第7地
点出土図版
50
武家屋敷地区第7地
点出土第Ⅲ章
仙台城跡二の九北方武家屋敷地区第
7地
点
(BK 7)の
調査
ア
.出
土遺物
3(そ
の他の遺物〉
(1)漆
塗製品 。木製品 (図1∼49、 表1∼ 3・6∼
20、 図版1∼42) ①整理作業 と資料化の方法 作業の便宜上、木製品の うち、漆塗 りの もの を漆塗製品 として集計 している。 また、竹製品について も、 ここ で一括 して扱 うこととし、木製品に後続 した登録番号 を付 している。 漆塗製品、木製品、竹製品は、水洗洗浄の後、それぞれの種類 に分類 した。出土量が非常 に多いことか ら、す べての ものを水浸 け状態で保管す ることがで きないため、加工木、木羽、樹皮 については、分類後、ゆっ くりと 自然乾燥 させて保管す ることとした。他 の ものについては、整理作業が終わるまで、水浸 け状態で保管 した。 集計 にあたっては、加工木、木羽、樹皮、不明木製品を除 く、すべての漆塗製品 。木製品で、1点
ごとに、計 測値やその特徴 を記 した観察表 を作成 した。集計 は、その観察表 をもとにお こなっている。 箸状木製品は完形、一端が破損 しているもの、両端が破損 しているものに分類 して点数 を集計 した。本来であ れば、十分 な接合 を行 った後 に集計す るべ きであるが、箸状木製品は約3万
点弱の点数があるため、接合関係 を 確認す ることが困難であ り、 この ような分類 を試みた。下駄の うち、差歯下駄では、台部のみ、 もしくは差歯部 分のみの出上であって も、それぞれを1点として集計 している。桶類の側板 は、個体数ではな く、接合す るもの であって も板一枚ずつの数 を集計 した。天板 と底板 については、区別せず に集計 している。曲物の側板 は、破損 している場合が多 く、一部だけ残存 しているもの も1点として集計 している。部材 とした ものは、何 らかの木製 品の一部品であるが、明確でない ものを示 している。 加工木は、製品にな らない加工途中の木材や、加工で出た木屑 な ど、何 らかの加工の痕跡がある ものを示 して いる。 また、今回の調査では、柱や杭がほ とん ど出土 していない ことか ら、 これ らについて も加工木 として集計 している。 木羽 は、屋根 を葺いた板材であるが、非常 に薄い木材であるため、破損 しやす く、個体数 を把握す ることが困 難であった。そのため、集計では、乾燥後の重量 を計測 している。樹皮 については、完形か破損 した ものかを形 状か ら判断することが困難であるため、破損・完形 に関わ らず、1片
を1点として集計 した。そのため、集計表 (表 1∼3)の
合計点数 は、木羽 と樹皮 を含めず、それ以外での合計点数 を示 している。 木製品については、図化 した ものは、実測図の作成、写真撮影な どの整理作業が終了後、図化 しなかった もの については、分類・集計の作業が終わった後、順次、糖 アルコール法 によって、保存処理 を行 っている。漆塗製 品については、整理作業が終了後、水浸 け状態のまま、冷蔵庫 にて保管 している。 今回の資料 については、実測図・写真 を掲載す るものについて、登録番号 を付 している。登録番号 は、漆塗製 品にはWL-001か
ら始 まる通 し番号 を付 している。木製品については、W-049か
ら始 まる通 し番号 を付 してい る。図、図版では、WL、Wの
表現 は省略 した。 なお、木製品の うち、木簡 と墨書ある木製品については、年報 19第3分
冊 にまとめて掲載 している。本分冊 に掲載 した木製品の集計表 (表1∼3)に
も、木簡・墨書ある木製 品の点数 は含 まれていない。 また、木製品の登録番号 は、墨書 ある木製品に継続 して番号 を付 したため、W―
049から始 まっている。 ②漆塗製品・木製品の出土傾向 漆塗製品 。木製品は、 Ⅱ期に属する2号
遺構からの出土量が圧倒的に多い。2号
遺構 に隣接 し、同じくⅡ期に 属する 1号 遺構、24号土坑からも、多 くの漆塗製品・木製品が出土 しているが、2号
遺構はその量 をはるかに超えている。また、量だけでな く、さまざまな種類の漆塗製品・木製品がみ られることも特徴である。
2号
遺構 は、 埋上の場所 によっては、箸 などの木製品がびっしりと詰 まり、土壌 よりも木製品の量の方が多いような状況 もみ られた。2号
遺構 と、2号
遺構 の西側 に接する24号土坑 は、ほぼ同時にごみ穴 として使用 されていたと考えられる。2 号遺構、24号土坑は、捺塗製品 。木製品だけでな く、陶磁器や木簡なども多数出上 している遺構である。 これ ら の遺構か らは、廃材の ような加工木 も出土 しているが、何 らかの製品となる木製品の出土量が多いことが注 目さ れる。 他の遺構 では、 Ⅱ期の4号
土坑、15号土坑、18号土坑、28号土坑、29号 土坑、27号溝、1号
井戸、4号
井戸、 Ⅲ期の2号
土坑、池状遺構新段階などか らも、やや まとまった出土がみ られる。 ③漆塗製品 【椀・蓋】(図 1∼ 7、 表6'7、
図版1∼ 9) 漆塗製品の椀 とその蓋 は、 Ⅱ期 の遺構か らの出土が多 く、1号
遺構、2号
遺構、4号
土坑、18号土坑、24号土 坑 などか らまとまって出土 している。 中で も2号
遺構か らは167点と、非常 に多 くの漆椀が出土 している。他の 時期では、I期
では14号土坑、30号 土坑、12号溝か ら各1点ずつ、 Ⅲ期では2号
土坑か ら4点
が出土 しているの みである。 漆椀 と蓋 については、残存状態のよい ものを中心 に図化 をおこなっている。また、残存状態がよくない もので も、特徴 的な文様 については、写真 を提示す るな ど、可能な限 り図化 して提示 している。漆塗製品の椀や蓋 は、 破片や漆膜のみの もの も含 めて、276点が出土 した。その うち、126点を図化 している(WL-1∼
126)。 全体 と して、埋土の圧力 によって、器形が歪んでいるものが多い。そのため、器形の特徴や変化 を捉 えることが困難な もの も少な くない。 文様では、外面 には家紋のみ られるものが多い (WL-10、 11、 43、 45、 48∼56、 58∼60、 62、 65∼68、 70∼ 74、 79∼81、 87、 90、 95、 98、 101、 103∼105、 108、 109、 111、 112、 114、 116、 120、 123)。 残存状況の悪い も のでは不確定の もの も含 まれるが、家紋は漆椀の 3ケ 所に配されてお り、漆椀 に配される家紋の基本的な配置で あろうと考えられる。家紋 は、一見す ると同 じように見えるものがい くつか確認 された。例えば、WL-52、
59、 71、 72の三つ柏や、WL-49、
66の芦、WL-50、
56、 98の花菱、WL-67、
101、 105、H6の
三つ巴、WL-54、
70の亀 甲 と菱などである。 これ らは同 じ家紋であるが、家紋の葉や花の形 など、細部の表現に違いがみ られる場 合が多かった。 その他の文様では、菊花文 (WL-42)、 格子 に桜花文 (WL-57)、 扇文 (WL-63、 64、 91)、 紅葉文 (WL―69)な
どがみ られる。家紋や文様があるものは、地色が黒色で、朱色、金色、銀色などで文様が描かれている場 合が多いが、地色が茶や黒茶 の もの (WL-117、120)な
どもみ られる。WL-7∼
91よ、内面が黒色 で、見込み に朱色 の丸文が共通 して描かれている。WL-9に
ついてのみ、外面に 朱色で2条
の線の文様が描かれている。2条
の線 による文様 は、WL-12に
もみ られるが、見込みに九文はな く、 朱色の地 に黒色の線であ り、高台内には線が延びないことなど、様相は異なる。 高台内の銘は、黒色の地色 に、朱色や金色で銘が書かれた ものが多い (WL-2、 3、 10∼12、 14、 16∼21、 23 ∼26、 28∼32、 43、 45、 79、 82∼85、 93、 96、 97、 99、 105、 109、 119、 124、 125)。 また、朱色の地色 に、黒色 で書かれた銘などもみ られるが、点数は比較的少ない (WL-13、 22、 27)。 高台内には、銘以外 にも、WL-69、
114のように文様が描かれる場合 もある。WL-69で
は、高台内に、外面 と同様の紅葉の文様が描かれている。 外面の地色が朱色である ものは、文様がない ものに多い傾向がみ られる。 また、内外面 とも朱色であっても、 日唇部のみが黒色 になるもの (WL-2、 13、 14、 23、 24、 29∼31、33)な
ども存在する。椀や蓋の中には、底部 に穿孔があるものが存在 した
(WL-44∼
47、 64、 115)。 特 にWL-44で
は、底部の穿 孔に箸が刺 さった状態で出土 している。 また、WL-46で
は日縁部 に、WL-115で
は体部 にも穿孔がみ られる。 【その他の漆塗製品】(図8∼
17、 表8、 図版10∼17) その他の漆塗製品は、皿、曲物、桶の天板や底板、側板、箸状木製品、栓、へ ら状製品、杓子、 しゃもじ、折 敷、箱状製品など、様々な製品が出上 している。また、何 らかの部材に漆塗 りが認め られるものも多数出土 して いる。 その他の漆塗製品は、2号
遺構、24号土坑 などのH期
の遺構か らの出土が多 く、様 々な漆塗製品が出上 してい る。 Ⅱ期の遺構 では、他 にも1号
遺構、15号土坑、18号土坑、28号土坑、27号溝、1号
井戸 などか らも出土がみ られるが、2号
遺構、24号 土坑 に比べ る と量・種類 ともに少 ない。他 の時期では、 Ⅲ期の2号
土坑か ら、い くつ かの漆塗製品が出土 している。I期、Ⅳ期の遺構 では、その他の漆塗製品が まとまって出土 している遺構 はみ ら れない。 その他の漆塗製品については、残存状況が よ く、種類がわかるものを中心 に図化 している。箱状製品や部材 な どは、類似 した形状 の ものが多 く、残存状況が よい ものすべてを図化す ることがで きないため、その中か ら代表 的なものを選択 して、図化 している(WL-127∼
186)。 皿 は、11点出土 してお り、その うち4点を図化 した(WL-127∼
130)。WL-1271よ
、比較 的大型の皿である。 外面黒色、内面朱色の漆が塗 られてお り、内面 には海老の文様が描かれている。WL-128は
破片であるが、内外 面 ともに朱色で、菊花の文様が描かれている。WL-1291よ
、内面の中心が朱色、その外側が黒色 に塗 り分 け られ ている。 曲物 は、9点
を図化 した(WL-132∼
140)。WL-132・
1331ま、 曲物の天板 もしくは底板で、内外面 ともに黒 色で、一面には朱色で「□部や」 あるいは「□部屋」の文字がみ られる。WL-133に
ついては、 もう一面 にも文 字がみ られるが、不明確 であった。WL-136も
同様 に、内外面 ともに黒色で、両面 に朱色で文字が書かれている が、文字は不明確である。他の曲物では、天板、底板、側板 のみが残存す る状態であるが、いずれ も内外面 とも に黒色の漆が塗 られている。WL-135は
、内面の下部0.5cm程 度の部分 は漆が塗 られてお らず、底板が収 まる部 分 と考 え られる。WL-141。
142は、円板状木製品である。内外面 に黒漆が塗 られている。 桶 は、天板4点
を図化 した(WL-143∼
146)。WL-143、
145は、内外面 ともに黒色である。WL-145で
は、 天板 の側面 に も、わずかに漆が塗 られていた痕跡が認め られる。WL-1441よ
、外面が朱色、内面 は黒色である。WL-1461よ
、外面 にのみ黒色の漆が塗 られている。WL-143∼
1451よ、漆が塗 られていない箇所が線状 に認め ら れ、取手な どの部品が付属 していた部分 と考 え られる。図化 していないが、棉の側板 について も漆塗 りの ものが 6点出土 している。いずれ も、側板 の内外面 ともに黒色である。外面の籠の位置 には、漆が塗 られていない。WL-147。
148は、へ ら状製品である。WL-147は
、漆が塗 られた後でへ ら状 に削 られた痕跡が観察 されるこ とか ら、何 らかの漆塗製品を再加工 して作 られた可能性が考 えられる。WL-1491よ
杓子で、外面 に黒色の漆が塗 られているが、杓子の柄が付 く部分 には漆がみ られない。WL-150は
栓である。側面の一部 に黒漆が残存 してい る。WL-151は
しゃもじで、内面朱色、外面黒色である。 折敷は14点を図化 した(WL-152∼
165)。 破損 し、一部品が残 るだけの ものが多 く、全体 の形状がわかるもの はなかった。側板や脚 などの他 の部品 と組み合 うと考 え られる箇所 には、漆が塗 られてお らず、木釘や釘穴 など が観察 される。WL-155、
164は内面が朱色、外面が黒色である。WL-157は
内外面 ともに朱色である。 これ ら 以外 は、黒色の漆が塗 られている。WL-1521よ
、漆が削 られたような痕跡が観察 され、漆塗 りの折敷 を再加工 し た もの と考 え られる。WL-158は
、外面 に無数の傷が観察 される。 箱状製品は、5点
を図化 した(WL-166∼
170)。WL-166は
、部材が組み合 って、箱形の形状 を示 している。他 は箱状製品の一部である。
WL-166は
外面のみ黒色である。それ以外 の ものは、内外面 ともに黒色 であるが、 他の部品 と組み合 うと考 えられる箇所 には漆 はみ られない。WL-171∼
1801よ、何 らかの部材 に漆塗 りが認め られるものである。WL-173は
、桶の天板や蓋 の摘 み部分 と 推測 されるが、詳細 は不明である。 ④木製品・竹製品 〔下駄】(図18∼25、 表9、 図版18∼23) 下駄は、270点出土 してお り、45点を図化 した(W-49∼
94)。 出土点数が多いため、残存状態が よい ものを中 心 に、代表的な形状 の ものに加 えて、台部や歯の形状 に特徴があるもの、刻みや焼印が認め られるものなどを選 択 して、図化 している。 Ⅱ期の2号
遺構か らの出土が圧倒的に多い。他では、同 じくⅡ期の1号
遺構 、18号土坑、 24号土坑、28号土坑、 Ⅲ期の2号
土坑か らも比較的 まとまった出土がみ られる。I期、Ⅳ期の遺構か らは出土 し ていない。 下駄の分類 は、次の ようにお こなった。大 きくは、一木作 りで台部 と歯 を作 り出した連歯下駄、別材の台 と歯 を組み合わせた差歯下駄、一木作 りで歯を持たない無歯下駄の3つに分類 した。追歯下駄は、前後 の歯が独立す るもの(W-49)と
、台部か ら歯が必ず しも独立 しない もの (W-77、87)が
み られ、後者 を到 り下駄 とした。 差歯下駄 は、台部 にある柄 穴 に歯 を差 し込んで接続す る露卵差歯下駄 と、 相 穴がなく、台部裏の溝 に歯 を接続 する陰卯差歯下駄がみ られる。 連歯下駄では、丸型連歯下駄 (W-49、 71、 73∼75、89)と
、角型連歯下駄(W-55∼
70、 83、 85、88)が
み られる。九型連歯下駄 は全体で28点、角型連歯下駄 は79点出土 してお り、角型連歯下駄の方が多い。 また、残存 状態 により、九型・角型の判別がで きない連歯下駄が、他 に16点確認 される。歯が磨 り減 り、比較的低 くなった ものが多 く、歯の凸部がほ とん どない場合 もみ られる。横緒孔が後歯の前 になるもの (W-67、 69、 70、88)と
、 後 になるもの (W-49、 55∼66、 68、 71、 73、 83、85)と
が確認 される。 また、歯の部分 に鉄釘が残存す るもの も、い くつか確認 される(W-58∼
60、 63、 73)。W-61は
、裏側 に焼印が確認 される。 また、W-62、
64∼ 67 は、表側に刻みによる目印の ようなものが確認 される。W-62は
、後端部分 を切断 し、意図的に短 くしたような 痕跡がみ られる。W-85は
、前後の歯の間が丸み を持 って作 り出される形状 をしている。W-891よ
、一部 に畳表 が残存 している。 また、w-72、
76∼79、 87、 94は、連歯下駄の中で も「割 り下駄」 と呼ばれるものである。前後の歯 は必ず し も独立せず、台端部か ら続 いた形状 をす る ものである。丸型到 り下駄 (W-72、 76、87)と
、角型割 り下駄(W-77∼
79、94)が
み られる。九型到 り下駄 は全体で3点
、角型到 り下駄 は全体で8点
出土 してい る。歯の作 り方には、様 々な形状がみ られる。W-76∼
79、 941よ、前後の台端部か ら連続 して歯が作 られてい る。 さらに、W-94は
、前の歯がV字
状 に削 り出されている。W-87は
、後方の歯 は独立す るが、前方の歯は台部 と連続 して お り、台端部か ら斜めに削 られるものである。W-77∼
791よ、前方 にある孔 に木材が残存 している。鼻緒孔 はな く、 この木材 に指 を挟 んで履 かれた もの と考 え られる。到 り下駄 は、2号
遺構 か らの出上が多いが、15号 土坑 (W-87)、2号
土坑か らも出土 している。W-51∼
54、 84、 86は露卯差歯下駄である。下駄の差歯が抜 けた状態で出土する場合 も多 く、差歯部分のみの 出土 も多 くみ られる。差歯下駄では、台部 と差歯部分が分離 して出土 した場合、同一個体を識別す ることが困難 なことも多い。そのため、分離 し、同一固体 を識別で きない ものについては、それぞれを1点として集計 してい る。露卯差歯下駄の台部分 (差歯が残存す るものを含 む)は
44点、差歯部分のみの ものは74点出土 している。 な お、差歯部分の点数については、残存状態 によっては、差歯か、連歯下駄の歯部分かの判断がつかない もの もわ ずかにみ られるが、 この点数に含 まれている。W-51、
84、 86は角型、W-52∼
54は丸型 に分類 され る。台部の歯が差 し込 まれる部分の形状 は、四角の孔が 1つ み られるもの (W-51、 52、 54、 84、
86)と
、四角の小孔が3 つみ られるもの(W-53)と
の違いが認め られる。図化 しなかった もの も含めて、前者の 1つ 孔のものが多い傾 向にある。 Ⅱ期の遺構か ら出土 した差歯下駄 は、すべて露卯差歯下駄であった。 Ⅲ期の池状遺構か ら出土 した も のについては、露卯差歯下駄である。W-93は
陰卯差歯下駄である。陰卯差歯下駄 は、 この1点のみの出土である。 Ⅲ期の2号
土坑か ら出土 してい る。 W-50、 80∼82、 90∼ 92は無歯下駄である。W-501よ
無歯中切下駄である。無歯中切下駄 は、全体 でこの1点 のみの出土である。表側 には釘穴がみ られる。側面には1条の溝が刻 まれている。W-80∼
821よ、台が一枚板 で 作 られてお り、表面や裏面に鉄釘・釘穴が多数み られる。 この ような無歯下駄は、全体で10点出土 している。 Ⅱ 期では1号
遺構、2号
遺構、24号 土坑、 Ⅲ期では2号
土坑か ら出土 している。W-90∼
92は、「草履下駄」 と呼 ばれる形状の もので、底面の形状 は、前方 と中央の左右に割 り込みをもつ ものである。W-92は
、畳表が残存 し ている。 この畳表は非常 に脆弱であったため、図化することがで きず、写真のみの提示 とした。 このような無歯 下駄は全体で6点出土 してお り、いずれ もⅢ期の2号
土坑か らの出土である。 下駄全体 を通 して、表側 には、使用 による指の跡 と考えられる凹みがみ られる場合が多い。 また、底面には小 石が付着 しているもの も多 くみ られる。多数出土 している下駄の うち、形状や大 きさなどが似てお り、左右一揃 いか と推測 されるもの もわずかにみ られたが、確定で きるものはなかった。 【曲物I(図
25、 表10、 図版24) 山物は、70点出土 している。そのほとんどが、2号
遺構からの出土である。曲物の側板は、破損 している場合 が多 く、同一個体を判断することが難 しいため、一部だけ残存 しているものも1点 として集計している。そのた め、実際の個体数は、これより少なくなるものと考えられる。曲物は、残存状態のよい 6点 を図化 した(W-95
∼100)。W-95∼
99は、天板 (底板)と
側板 ともに残存 している。W-95は
、四角の小孔が穿たれ、小孔の脇 には樹皮 製の綴 じ紐が付属 している。その対角線上 にも同様の小孔 と樹皮がみ られる。またW-loo(図
版24-100)に
1ま、 四角の小孔の他 に、内部 に樹皮製の紐 によって付けられた「こけ し」状の部品が確認 される。これ らは、曲物の 中で も柄杓 と考え られる。 この四角の小孔か らは、柄杓の柄が差 し込 まれたものと考えられる。柄の先端 は、内 部でW-100の
ような部品に接続 される場合 と、W-95の
ように内部の部品はな く、対角線上の側板 に貫通 して、 樹皮製の紐 などで固定 される場合 とがある (岩井宏賃1994)。 柄杓 の柄 と考 え られるものは、後述の柄状木製品 にまとめている(W-219∼
227)。 柄杓内部の部品について も、その他の木製品 としてまとめている (W-276)① 【箸状木製品】(図26・ 27、 表11、 図版24・ 25) 箸状木製品は、直径が5∼6mm程
度の箸状の形態 を した もの をまとめた。箸状木製品は、両端が残存す るも の (完形)5416点
、一端が欠損 した もの14320点、両端が欠損 した もの9213点 が出土 している。1号
遺構、2号
遺構、24号土坑か らの出上が多いが、中で も2号
遺構が圧倒的に多い。箸状木製品は、先端形状や断面形状 の特 徴 を表わ している代表的な ものを選択 して、39点を図化 した(W-101∼
139)。 箸状木製品は、先端 の形状 によ り、A∼
Fに 分類 される。Aは
特 に加工 を加 えず、切 断面 を残す形状 の もので ある (W-lol)。 Bは、先細 に作 り出すが、切断面 を残す ものである(W-119下
端)。 Cは 、切断面 を残 さない ほ ど先端 を尖 らせ た ものである(W-121下
端)。Dは
、先端 をへ ら状 に作 り出す ものである(W-127上
端)。E
は、先端 を片側 だけ削 って尖 らせた ものである (W-125、 126下端)。 Fは、 これ ら以外で特殊 な形状 の もの を まとめた ものである(W-128上
端)。 表11に示 した観察表では、両端の形状 を組み合わせて、AAや
ACの
ように 示 している。によって
B∼
Eに分類 されるが、W-lo5や
W-1091よ
、その削 り出す途中の状態の もの と考 え られ る。 また、W-127∼
129、W-134∼
136のように、両端の形状が異 なるもの もみ られる。 箸状木製品の断面の形状では、円形の もの、略円形の もの、角状の ものなどがみ られる。断面が略円形で、面 取 りの痕跡が残 るものが多い。中には、W-lo7、W-108の
ように、面取 りの痕跡がな くなるほ ど丁寧 に表面が 調整 されている もの もみ られるが、量 はご く少 ない。 また、W-116の
ように、断面角状 の もの もみ られるが、 これ も量的には少ない。 箸状木製品の中には、先端が焦げているもの も比較的多 く存在す る。中には、先端形状がわか らな くなる くら い焦げているもの もみ られる。 これ らについては、食事用の箸だけではなく、調理用具などとして使われた可能 性 も考 え られ る。 また、先端が尖 る ものの中には、箸 として使 うには先端が尖 りす ぎている もの もみ られる (W-134)。 これ らについては、食事用 の箸ではな く、例 えば串として料理に使用 した ものなどの可能性 も考 え られる。【
桶類】
(図28∼30、表
12、図版
26∼28) 桶類の側板 は、破損す ると側板がばらば らになるため、完形品でない限 り個体数を把握することは困難である。 そのため、今回の集計では個体数ではな く、接合す るものであって も側板一枚ずつの数を集計 した。天板 と底板 については、判断の困難なもの も存在す るため、天板 もしくは底板 として区別せずに集計 している。天板 もしく は底板が41点 、側板 は147点出土 している。 Ⅱ期の2号
遺構 か らの出土が最 も多い。同 じくⅡ期 の遺構では18号 土坑、24号 土坑、28号土坑か ら、 Ⅲ期の遺構では2号
土坑か ら、比較的多 くの桶類が出土 している。側板 につい ては、焼印が認め られるものや、取手部分 など特殊 なものについて図化 している。天板 もしくは底板 については、 残存状況が よい もの、焼E「のあるもの、孔 を有す るな どの特徴があるものを掲載 した(W-140∼
154)。 天板あるいは底板では、数枚の板材 を釘な どでつな ぎ合わせて作 られているものが多 くみ られる。接合部には 木釘、鉄釘が残存 している場合や、釘穴がみ られる場合 などが確認 される。数枚の板材 を組み合 わせた天板 ・底 板 は、比較的径の大 きい ものに多いようである。天板・底板 は、完形品 よりも、接合部で分離 し、一部材 とい う 状態での出土が多い。径 の小 さい ものでは、一枚板 を円形 に加工 している場合 もみ られる。W-142、
144、 149 は、栓 をす るための円形の孔がみ られる。W-147で
は、子とに栓が残 った状態で出土 している。W-146は
、底板 と各側板が分離 した状態で出土 している。底板、側板のいずれも2号
遺構埋±2b層か ら出土 してお り、側板や底 板 の形状や、籠や内面の付着物の痕跡が類似 している点 な どか らも、同一個体であろうと考 えられる。W-150
は、桶埋設遺構 に、ほぼ完形の状態で埋設 されていた ものである。 側板では、「富」あるいは「冨」の文字の焼印が付 け られた ものがみ られる (W-151・ 152)。 この2点以外に、 同様 に「富」、「冨」の焼印がみ られる側板 は3点
確認 されている。いずれ も2号
土坑か らの出土である。 これ ら は、焼印の文字や籠の痕跡が組み合 うものはな く、同一個体ではな く、いずれも別々の桶ではないか と考 えられ る。W-1531よ
、側板の上側 に孔がみ られ、桶 の持 ち手部分 になるのではないか と推測 される。W-1541よ
、上端 が波状の形状 をしてお り、被熟の痕跡が認め られる。 〔栓】(図31、 表13、 図版28) 栓は、46点出土 してお り、そのうち代表的なものを選択 して、17点を図化 した(W-155∼
171)。 ほとんどが コ期の2号
遺構か らの出土である。 栓は、様々な形状がみ られた。最 も多いのは、W-155∼
160、 162'163の ように、下端がやや細 くなる円錐台 のものである。栓の長さや太さなどは様々である。W-156の
ように比較的短いもの、W-158の
ように細めのも の、W-163の
ように上端 と下端の径にほとんど差がないものもみられる。W-1601よ
、上方は断面が四角形であ るが、下方は略円形に削 られている。W-167∼
169、 171は、逆L字状の形状 をしている。長さや太さなどは一様ではないが、このような栓は計 6点出土 している。 その他の栓 では、それぞれ1、
2点
程度であるが、多様 な形状がみ られる。W-161は
、差 し込む部分が一段 細 くなる形状 である。W-164は
、断面が四角形 の形状 を示 し、上端 よ り下端が細 くなるように削 られている。W-165は
、厚みのある「鍵」の ような形状 をしている。W-166、 1701よ、茸状の形状である。 【円板状木製品】(図31∼33、 表14、 図版29。 30) 平面が円形 を呈す る木製品で、小型の ものや、桶類や山物の天板 ・底板 と断定で きない ものを、円板状木製品 としてまとまた。そのため、円板状木製品には、様 々な製品が含 まれていると思われる。比較的大 きい ものでは、 曲物、桶類 な どの天板や底板の可能性のあるものが含 まれている。小 さい ものでは、提灯の上下両端の板 などが 含 まれていると考 え られる。合計157点出上 してお り、特徴的なものを中心 に、19点を図化 した(W-172∼
190)。 円板状木製品は、 Ⅱ期の2号
遺構か ら92点と最 も多 く出土 している。 また、27号溝か らも36点と、比較的多 く が出土 している。他では、 Щ期の1号
遺構、4号
土坑、15号土坑、24号土坑、 Ⅲ期の2号
土坑 な どか らも、数点 ずつの出土がみ られる。 大 きさは様 々で、径3cm程
度の ものか ら、径25cm程
度の ものまでみ られる。 円板状木製品では、中央 に孔が確認 される場合が多い。W-173∼
175、 177∼179、 186。 1871こは、中央 に小孔 がみ られる。 また、W-173・
174、 177、 187、 1891こ1ま紐状の樹度が通 されている。 この紐状 の樹皮 は、W-189
の ように円板の中心 にある場合 と、W-173。
174、 177、 187のように中心か ら外れている場合 とがみ られる。 鉄釘や木釘が残存す るもの もい くつか確認 された。W-176は
、鉄釘が刺 さった状態で残存 している。W-180
は側面 に木釘が残存 してお り、W-181、
185は側面 に木釘 と釘穴が残存 している。W-1831こ
は鉄釘 と釘穴があ り、片面 には木材が接合 していた と考 え られる痕跡がみ られる。 円板の表面 には、線刻が観察 されるものがみ られる。W-176は
片面 には1条の線刻が確認 される。W-187も
片面 に刻 みがみ られ る。W-1791よ
、片面 に、 中心 を同 じくす る四角形が5条
重 なって刻 まれている。 また、W-186は
、側面の円周上に溝状の刻みがある。 その他、特徴 的な もの としては、W-172は
円形の中央部 に焼E「が認め られる。W-175は
、片面 に無数の傷が み られる。W-1901よ
、側面 に面取 り加工の ような痕跡がみ られる。 【楔】(図33、 表16、 図版30) 楔 は37,点出土 している。その うち、代表的な形状 の ものを選択 し、10点を図化 した(W-191∼
200)。2号
遺 構、15号土坑、24号土坑、27号溝か ら出土 しているのみである。2号
遺構か らの出上が最 も多 く、24号 土坑か ら も比較的多 く出土 している。他 は数点ずつの出土である。 楔 は、様 々な大 きさの ものが出土 してい る。小 さい ものでは、長 さ4.6cm(W-198)、
大 きい もので は長 さ 20.5cmの もの(W-199)が
確認 される。 また、W-193、
197のように、幅が広 く薄手の ものな どもみ られ る。 楔 は、農耕具や建具 など、様 々な ものの固定 に使用 されていた と考 え られ、固定す るものの違いによって多様 な 大 きさがみ られるもの と推測 される。 【へ ら状木製品】(図34∼36、 表15、 図版31・ 32) へ ら状木製品としたものは、一端をへ ら状に作 り出した木製品をまとめている。全体で90点出土 している。そ のうち、残存状態がよく、代表的な形状のものを中心に、18点を図化 した(W-201∼
218)。 Ⅱ期の2号
遺構 と 24号土坑か らの出土が大半である。 へ ら状木製品は、大まかな形態の違いによってA∼
Cの 3種
類に分類 される。Aは
、厚 さ0.2∼0.4cm程度の板 材の一端を削ってへ ら状に加工 したものである(W-201∼
206、 216・ 217)。 もう一方の持ち手側にあたる端は、 持ちやすい程度にやや細 く加工 される場合が多い。 また、持ち手側 に孔が穿たれる場合 もみ られる (W-206、 217)。Bは
、持ち手部分が柄状に伸び、全体的に細長い形態をしたものである(W-207∼
213・ 215)。 へ ら部分が、 片側に張 り出す もの(W-207∼
210、 212、215)が
多いが、W-211の
ようにへ ら部分が下端全体のものもみ ら れる。へ ら部分の張 り出しは、個 々によって違いがみ られ、W-207、
212のように丸みを帯びるもの、W―
208・ 209のように角が付 くもの、W-215の
ように直線的に伸びるものなどがある。W-210の
ように、ナイフ状 の形状のものもみ られる。Cは
、おたま状の形態のものである (W-214、 218)。 おたま部分は剣 り抜いて作 られている。そのため、埋 土の圧力などによって破損 している場合が多 く、図化できるものは少なかった。W-214の
ようにおたまに近い 形態のものと、へ らとの中間的な形態のものとがみ られる。W-218の
ように、大型のものもみ られる。 【柄状木製品】(図 36・ 37、 表17、 図版33) 柄状の木製品をまとめている。62点出土 してお り、そのうち大 きさや断面形状が代表的なものを中心に、9点
を図化 した(W-219∼
227)。2号
遺構か らの出土が中心である。 柄状木製品は、形態によりA∼
Fの6種
類 に分類 される。A類
は、柄の一端が細 くな り、断面の形状が長方形 の もののうち、比較的大きめのものである(W-219。
220、 226)。 幅2.5∼3.Ocm程度、厚 さ1.0∼15cm程
度で、 長さは40∼55cm程
度のものが多いが、60cmを 超えるものも出土 している。細 くなる側には釘穴がみられる。釘 穴は貫通 している場合 と貫通 していない場合があ り、木釘が残存 しているものもみられた。全体のうち、21点がA類
であ り、6種
類の分類のうち最 も多い形態である。 B類 は、一端が細 くなる形状はAと
同 じであるが、全体的にAよ
り小 さいものである(W-221・
222)。 大 き さは、幅1.0∼2.Ocm程度、厚さ06∼1.2cm程度、長さ25∼35cm程
度である。大 きさ以外の、釘穴などの特徴はA
類 と同じである。17点がB類
である。C類
は、一端が細 くな り、断面形状が九みを帯びるもので、比較的大きめのものである (W-227)。 大 きさは、幅
3cm程
度、厚 さ2.0∼3.Ocm程度 と、Aに
近い。A、 Bと 同じように、釘穴が確認される。C類
は6点
確認され た。D類
は、断面形状が丸みを帯びるもののうち、比較的小 さいものである(W-224・
225)。 幅、厚 さはlcm程
度、 もしくはlcm以
下である。D類
としたもののうち、釘穴が確認されるものはなかったが、破損 しているも のも多いため断定することは難 しい。D類
は、13点み られた。E類
は、一端が細 くなり、断面形状が正方形に近いものである。この形状のものは、あまり大型のものはみら れない。幅、厚さは0.9∼1.3cm程度である。釘穴はみ られない。E類
は、2点
確認された。F類
は、断面形状が長方形であるが、一端が細 くならないものである (W-223)。F類
は、3点
み られる。 A、 B、 C類 の形態の柄は、柄杓の柄になるものと考えられる。前述のように、曲物の中には、側板に四角の 孔がみ られるものがあ り(図25-95、 図版24-95、 100)、 この孔から柄が差 し込まれるものと考えられる。柄は、 柄杓の内側で木釘を打って固定される。柄に残 る釘穴や木釘は、この痕跡であると推測される。差 し込まれた柄 の先端は、そのまま対角線上に側板を貫通 して、外側で樹皮製の紐によって固定される場合 と、柄杓の内恨Iで、W-100に
みられるような部品と接続 して固定 される場合 とがみられる (岩井宏賓1994)。 用途や柄杓の大 きさな どにより、柄にもA∼ Cの
ような大 きさの違いがみ られるのではないかと推測される。D、 E、Fは
、釘穴や木 釘の痕跡がないことか ら、柄杓の柄になるものかは不明である。他の様々な製品の柄である可能性 も考えられる。 【その他の木製品】(図38∼48、 表19。 20、 図版34∼42) 今回の調査では、上記以外にも様々な種類の木製品が出土 している(W-228∼
305)。 それ らをまとめて、そ の他の木製品として、その特徴を述べてい く。形状から、何の木製品であるかが推測されるものを中心に図化 し たが、中には完形品でもどういう用途の木製品かわからないものもあった。それらは不明木製品として、図化 し ている。その他の木製品は、 Ⅱ期の
2号
遺構 か ら最 も多 く出土 している。2号
遺構 は、量だけでな く、木製品の種類 も 様 々なものがみ られた。形状か ら何 であるかが判明す るものだけでな く、部材、加工木、不明木製品な ども多数 出土 している。その他 の遺構 では、 Ц期の1号
遺構、15号土坑、24号 土坑、 Ⅲ期の2号
土坑か らも、様 々な木製 品が出土 しているが、2号
遺構 に比べ ると、量・種類 ともに多 くはない。W-228∼
2301よ鍬である。W-228は
、鍬台部分のみの出土である。W-2291よ
、鍬柄 と鍬台が一体で作 られて いる。W-230は
、鍬柄 と鍬台部分か らな り、楔 な どで柄 を鍬台 に固定 して使用する もの と考 え られる。柄 は形 状か ら、図の下方部分が鍬台 に固定 されていたのではないか と推測 される。いずれ も、鉄製の鍬先が付属す るも の と考 えられるが、鍬先 は出土 していない。W-231∼
2341ま、創物である。大小 さまざまな大 きさの ものがみ られるが、木 を判 り取 って作 られた木製容器 を示 している。W-231、 2341よ、大型の槽である。W-2321よ
、形状か ら、握ね鉢 な どの用途が推測 される。W-236∼
238は、釣瓶桶 と考 え られる。W-236、
2371よ、角状 の釣瓶桶 に、W-2381よ
釣瓶桶 の持 ち手 になる もの と考 え られる。W-239・
240は、形状か らみて、扉の取手 などが推測 されるが、詳細 な用途は不明である。同様の形状の もの が、合計8点
出土 している。上下の端部 には、鉄釘が残存 している。W-239で
は、別の木材が鉄釘で留め られ た状態で残存 している。W-241∼
245は 、駒形 の木製 品であ る。W-241は
馬 の立像 であ る。尾 には金属が填 め込 まれている。W―
242・ 244は馬の上半身部分 を模 っている。下部 は、他 に差 し込めるような形状 になっている。W-243は
馬の下 半 身部分 のみで、上半身は欠損 してい る。W-245は
、馬の上半身部分 のみで、下半身は久損 している。W一
241・ 242、 244・ 245は、たてがみ部分 に孔がみ られる。 この孔 は、何 らかの ものを差 し込んで、たてがみ を表現 した もの と考 え られるが、残存 していない。W-241、
243、 245で は、背 にあたる部分 に木材が差 し込 まれてお り、鞍 を表現 していることが観察 される。 また、W-246は
、水´烏を模 した木製品 とみ られる。W-247∼
249は、 コマ状の木製品である。同様の形状の ものが合計6点
出土 している。W-250は
ミニチ ュア の連歯下駄である。鼻緒部分 には穿孔がみ られる。W-251、 252は竹 とんぼである。竹 とんぼは、同様の ものが 合計10点出土 している。W-2531よ
、羽子板である。持 ち手部分 は欠損 している。W-254、
2551ま耳か きである。箸状木製品を再加工 して作 った ような形状 を している。W-256は
扇子の要部 分である。扇子 は8点
出土 しているが、W二
256以外 は要が破損 し、骨がば らば らになっている。W-257は
団扇 である。団扇 は、1点
のみの出土である。W-2581ま
物差である。 目盛の刻みには墨の痕が観察 される。物差 は 他 に竹製の ものが出土 している (W-310)。W-259。
260は櫛 で、 これ ら2点
のみの出土である。いずれ も白木 の櫛で、装飾 はみ られない。W-261∼
2631よ、刷毛である。先端 に毛が装着 されていた もの と考 え られるが、すでに欠損 している。W一
261・ 262は、毛 を装着す る部分が柄 に封 して垂直である。W-263は
、毛 を装着す る部分が、柄 に姑 して斜 めに なっている。W-264は
錐 と推測 され、内部 には金属が残存 している。W-265∼
268は、灯 明台の一部である。W-265∼
267は、灯明皿 などを置いて、灯火具 として使用 した もの と 推測 される。W-265に
は煤の ような付着物が、2661こは、炭化の痕跡が観察 される。3点
とも底面 に釘穴がみ ら れることか ら、下部 に軸や台 などの付属がある もの と考 え られる。 また、W-268は
、灯 明台の底部 と考 え られ る。中心 には釘が残存 してお り、棒状の軸が接続す るもの と推測 される。W-265∼
268は、様 々な灯火具の中で、 「切灯台」 と呼ばれるものに形状が類似 している (小林克2000)。W-269は
、砥石台である。汐留遺跡 に類例がみ られる (小林博範他2003)。W-271・
272は、串状製品 とした ものである。箸状木製品(W-101∼
139)と は、断面形状が異 なる。全体で62点み られることか ら、串状製品 と して区別 した。W-271・
272の ように、断面が長方形で、一端 は串状 に尖 り、他端 は斜 めに加工 されている場合が多い。 また、同様の断面形状で、一端 は串状 に尖 り、他端はまっす ぐなものや、両端 とも尖 らないものなども み られる。
W-2731よ
、折たたみ枕 の一部 と推測 される。合計3点が出土 している。同様の形状の ものが2つ組み合 って、 携帯用 に折 りたためる構造 になっていた もの と推測 される。W-275は
、傘 の手元 ろ くろ部分である と考 えられ る。類似 した ものは竹製品で出土 している (図49-312)。W-276・
277は、柄杓の内部部品で、柄杓 の山物部分 と柄 を接続するための部品 と考 えられる。同様の ものは 合計8点出土 してお り、W-276の
形状の ものが多い。図版24-100の ように、柄杓 に付 け られるもの と考え られ る。W-282は
、棟木を隠すために使 われた懸魚 と推測 される。W-283は
、形状か ら何 らかの台座 になるもの と考 え られる。中心 には溝があ り、その中には四角の柄 穴があることか ら、上部に何 らかの部材が組み合 うもの と 考えられる。類似 した ものは、汐留遺跡 において出土 している (小林博範他2003)。W-2961よ
、不明木製品 とした ものであるが、汐留遺跡 (小林博範他2003)に
おいて、同様の ものが出土 して お り、糸巻 きの可能性 も考 えられる。W-297は
、陽物形木製品 と考 え られる。墨書ある木製品 (年報19第3分
冊 図101、 図版43)に
類似 した ものがみ られるが、W-297に
は文字の痕跡 は確認 されなかった。W-299∼
304 は、刻みによって文字や文様が表現 されている ものである。W-305は
、焼 け焦 げた痕跡が観察 され、焼印であ るう考 えられる。片面には、反転 した「寛永通費」の文字が観察 される。裏面 にも、明確ではないが、古銭の輪 郭 と思われる焼E「の痕がみ られる。 〔竹製品】(図49、 表18、 図版42) 竹製品は、全体で11162点出土 している。竹 の性質上、繊維方向に割れやすいため、破損 し、何であったかは 不明の ものが多い。 また、破損 した場合、同一個体 を判断することは不可能なため、破片1つを1点として集計 してお り、不明のものの点数が多 くなっている。不明の中には、竹製の柄 なども多数含 まれていると考えられる。 Ⅱ期の1号
遺構、2号
遺構、15号土坑、18号土坑、24号 土抗、 Ⅲ期の2号
土坑 な どで出土量が多い。その うち、 残存状態が よく、形状がわかるものを中心 に、8点
を図化 した(W-310∼
317)。W-3101よ
物差である。1目盛が1寸
を示 している。W-312は
、傘の手元 ろ くろ部分である。W-313・
3141よ 不明 としたが、形状か ら、何 らかの柄 になる可能性が考 えられる。W-315∼
3171よ、編籠である。W-315。
316 は、竹 ひごの状態が類似 しているが、W-3171ま
やや様子が異なる。(2)金
属製品 (図50∼56、 表4・ 5、 2刊∼27、 図版43∼48) 金属製品は、古銭、煙管 な どの銅製品、釘、火箸 などの鉄製品、弾丸な どの鉛製品に分類 して、集計 している (表4、 5)。 全体的な出土状況では、2層
と2号
遺構か らまとまった出土がみ られる。2層では、和釘 を主 とし た鉄製品の出土が多い。2号
遺構 では、古銭や和釘の出土が多いことに加 えて、様 々な種類の金属製品が出土 し ている。 図化 にあた っては、古銭 につ いて は、全 点 を登録 し、 その特徴 を観察表 に ま とめ、可能 な限 り図化 している。 そ の他 の金属製 品については、残存状 況 の よい ものや特徴 的な形状 の もの を中心 に登録・ 図化 し、観察表 に ま と めてい る。〔
古後】
(図50∼52、表
21・ 22、図版
43∼46) 古銭 は、80点出土 している(MC-1∼
80)。 基本層では、2層
か ら8点
、3a層か ら1点が出土 している。遺構 では、 Ⅱ期の2号遺構で33点と最 も多 く出土 している。 Ⅱ期では、他 にも、1号
遺構、15号土坑、24号土坑、5
号溝、9号
溝、22号溝か ら数点ずつの出土がみ られる。他の時期では、I期
の13号土坑、12号溝、28号溝、 Ⅲ期 の7号
溝、池状遺構新段 階、Ⅳ期の1号
土坑か らも1、2点
ずつの出土がみ られる。古銭の種類では、寛永通費が最 も多 く出土 している