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ミナト神戸に宗教多元主義を探る : <海のシルクロード>の文化と宗教的共生 : RCC 研究プロジェクト

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Academic year: 2021

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著者

神田 健次

雑誌名

関西学院大学キリスト教と文化研究 = Kwansei

Gakuin University journal of studies on

Christianity and culture

14

ページ

135-139

発行年

2013-03-31

(2)

135

神田 健次(神学部教授)

山本 俊正(商学部教授)

畠山 保男(キリスト教と文化研究センター教授)

栗林 輝夫(法学部教授)

クリスチャン・ヘアマンセン(法学部教授)

村瀬 義史(総合政策学部専任講師)

オムリ・ブージッド(総合政策学部講師)

徐  亦猛(学外・神戸中華教会牧師)

RCC研究プロジェクト

ミナト神戸に宗教多元主義を探る

—<海のシルクロード>の文化と宗教的共生—

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137  キリスト教平和学研究の新たな展開として推進されてきた共同研究のプロジェ クト「ミナト神戸に宗教的多元主義を探る―<海のシルクロード>の文化と宗 教的共生」も、今年度で最終年度を迎えた。まず5月10日の第一回研究会におい て賀川記念館の西義人氏を講師として「賀川豊彦と神戸の街」という講演をし ていただいた。また6月14日に開催された第二回研究会では、生田神社宮司の加 藤隆久氏に「地域に生きる神社を求めて」という講演を、そして7月12日の第三 回研究会では、本願寺神戸別院(モダン寺)僧侶の尾井秀瑛氏に「港町神戸に 伝わるお念仏」と題して講演していただいた。さらに7月5日には、開港以来さ まざまの貢献をしてこられた外国人の方々が、それぞれの多様な宗教に即して 埋葬されている神戸外国人墓地のフィールドワークを行った。  3年間に及ぶ共同研究の成果は、この3月に神戸新聞総合出版センターより関 西学院大学キリスト教と文化研究センター編『ミナト神戸の宗教とコミュニ ティー』というタイトルで出版された。目次は、以下のとおりである。 第一章 総論:ミナト神戸の宗教とコミュニティー 神田健次 コラム「神戸とカフェ」 第二章 地域に生きる神社を求めて 山本俊正 コラム「ピースセレモニー」 第三章 モダン寺と地域社会 クリスチャン・ヘアマンセン コラム「もう一つのモダン寺」

ミナト神戸に宗教多元主義を探る

神 田 健 次

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第五章 インド人コミュニティーと宗教 村瀬義史 コラム「真珠と神戸」 第六章 ユダヤ人コミュニティーとシナゴーグ 畠山保男 コラム「杉原千畝と神戸シナゴーグ」 第七章 モスクと地域社会 オムリ・ブージッド コラム「ハラルフード」 第八章 震災で育てられた共同体 ――阪神・淡路大震災とカトリックたかとり教会 小田武彦 コラム「神戸外国人墓地」 第九章 もうひとつの神戸、もうひとつのキリスト教 ――賀川豊彦と賀川記念館 栗林輝夫 コラム「神戸の街と映画・宗教」  本書の特色は、これまで多彩なアプローチによってミナト神戸の歴史や文化 について論じられてきた数多くの著作には見られなかった宗教とコミュニティー という観点からアプローチを試み、新たなミナト神戸の姿を提示しようとした 点にある。そのような観点から10回に及ぶフィールド・スタディーを実施して、 それぞれの宗教の実際の姿、地域におけるその働きに学んできた。特に重点的 に訪れたのは、中央区の宗教施設であり、加えて長田区のカトリックたかとり 教会と在日大韓神戸教会も訪れた。中央区という小さな地域に、神道の生田神 社及び北野神社、仏教のモダン寺、そしてキリスト教のカトリック中央教会、 ハリストス正教会、聖ミカエル教会、神戸マリナーズセンター、神戸教会、神 戸栄光教会、神戸聖愛教会、賀川記念館、ユダヤ教のシナゴーグ、イスラーム の神戸モスク、関帝廟、ジャイナ教寺院、シク教寺院、ヒンドゥー教などの多 様な宗教とコミュニティーが平和的に共存してきた歴史は、国内においては例 を見ないものである。そればかりか、国際的に見てもこのような小さな地域に おいて多様な宗教が共存してきたことは稀有な現象とも言えるであろう。その

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ミナト神戸に宗教多元主義を探る 139 意味で、特に9.11以降の世界の状況の中で、ミナト神戸の宗教多元的・文化多元 的状況は重要な意義をもっている。  本書のもうひとつの特色は、可能なかぎりミナト神戸における宗教とコミュ ニティーの姿をいきいきと描写したいということで、それぞれの宗教で指導的 な役割を担っておられる方、あるいはそれぞれの宗教共同体に深く関わってお られる方の貴重な体験的証言を、ふんだんに盛り込んでいるという点である。 そして、そのような各宗教の当事者の生きた証言を中心にすえて、各執筆者が それぞれの宗教の歴史や状況について補充的に論述するスタイルをとっている。 各宗教の当事者としては、学内でのミニフォ-ラムの講演者である神戸モスク の新井アハサン理事、神戸中華同文学校の愛新翼元校長、賀川記念館の西義人 参事、生田神社の加藤隆久宮司、本願寺神戸別院(モダン寺)の僧侶の証言、 またインタビューの協力者のユダヤ教シナゴーグのJ.L.ヤハイ氏、ジャイナ教 のデヴェン・サルカール氏の証言、さらにカトリックのたかとり教会の小田武 彦司祭の証言は、大変貴重なものである。それらの証言を含む論述においては、 それぞれの宗教の歴史と特質、宗教共同体における相互の結びつき、地域社会 における宗教の役割、特に阪神・淡路大震災における宗教の役割等について、 可能な限りわかりやすく叙述されているのである。  本書には、それぞれの論考はもとより、多彩な写真や地図、関連の文献表や 年表、興味深いコラムなども豊富に掲載されているので、宗教とコミュニティー という観点から、ミナト神戸の新たな魅力について幅広い読者の方々に理解を 深めていただきたいと願っている。なおこの研究成果は、来年度の学内総合コー スにおいて還元される予定である。

参照

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