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地域高齢者を対象にした身体組成を用いた研究の動向

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Academic year: 2021

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肪量と低筋肉量の独立した死亡率への関連(Lee,D. H., Giovannucci, E. L., 2018などが報告されている.  これらの研究では高齢者の筋肉量や体脂肪率を 測定しており,こうした身体組成を用いた研究に おいて身体組成とどのような項目が関連すること が明らかとなっているか,我が国の研究の動向を 文献検討として報告されたものは見当たらない. また,介護が必要な状態を予防することは地域で 暮らす高齢者において重要な課題であり本稿では 地域高齢者を対象とした研究に着目した.  そこで,本研究では地域高齢者を対象に身体組 成と体成分を用いた研究の動向を明らかにするこ とを目的とした. Ⅱ.方法 1.対象  文献の検索には医学中央雑誌webを用いた.検 索ワードは測定項目として「身体組成」「体成分」, Ⅰ.緒言  令和元年版高齢社会白書(内閣府,2019)によ ると,我が国は初めて前期高齢者より後期高齢者 の割合が高くなり,高齢化率が28.1%となった.ま た,要介護率は26.2%を占め,介護予防は重大な課 題である.高齢者の要介護状態にはフレイル(日 本老年医学会,2014)やサルコペニア(Baumgartner, R. N., Koehler, K. M., Gallagher, D., et al, 1998),サ ルコペニア肥満(Heber, D., Ingles, S., Ashley, J. M., et al, 1996)といった要因が取り上げられ,高齢者 の筋肉量に着目した研究がなされている.  人体組成は体脂肪量と除脂肪量で,除脂肪量は 水分,たんぱく質,ミネラルで構成される(戸部, 田中,甲田,他,1996).身体組成は筋肉量や体脂 肪量,体成分はたんぱく質量やミネラル量を示す. 高齢者の身体組成に関する先行研究では,ロコモ ティブシンドローム(Nakamura,2008)への移行 要因(旭,藤田,新井,他,2019)や過剰な体脂 〈総説〉

地域高齢者を対象にした身体組成を用いた研究の動向

Trends on Body Composition for Community-dwelling Older Adults

菱田 知代

,丸山 加寿子

,藤田 倶子

要旨 【目的】高齢者の要介護状態の要因としてサルコペニアなどが取り上げられ,高齢者の筋肉量に着目した研究がなされ ている.本研究では地域高齢者を対象に身体組成と体成分を用いた研究の動向を明らかにすることを目的とした. 【方法】文献検討を行った.医学中央雑誌webを用いて「身体組成」「体成分」「筋肉量」「体脂肪率」「たんぱく質量」「ミ ネラル量」「BIA法」「DXA法」をキーワードとして症例報告以外の最近5年間の原著論文で65歳以上を絞り込んだ.検 索の結果29本の文献を対象に,論文で説明された研究の研究デザイン,研究のエビデンスレベル,研究期間,対象者, 介入方法,身体組成測定方法,研究の独立変数,比較対照群,従属変数,明らかになったこと,発行年を抽出した. 【結果】総数29本の文献のうち,介入研究は4本,観察研究は25本であった.独立変数として用いた閉じこもり,骨密 度が低い,フレイル,身体組成等にリスクのある群がコントロール群に対して従属変数の値がよくない結果を示すか, 違いがみられないといった結果を示した. 【考察】この5年の間において身体組成や体成分にかかわる高齢者が抱える課題として身体面の疾患に関することから 社会的側面まで着目されるようになっていることが示唆された. キーワード:地域高齢者,身体組成,体組成

community-dwelling older adults, body composition

1 Tomoyo HISHIDA 千里金蘭大学 看護学部 看護学科 受理日:2020年9月4日 2 Kazuko MARUYAMA 千里金蘭大学 看護学部 看護学科

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法以外の身体組成測定方法を用いた文献は超音波 画像診断法を用いた文献(福尾ら,2019)の1本 のみであった. 2.介入研究の概要  介入研究の概要を表2に示す.介入内容では, 4本の文献のうち3本が運動による介入,1本が 運動と栄養の併用であった.運動の種類は低強度 の筋力トレーニングやウォーキングなど,強度が 中から低程度の運動が用いられていた.介入のア ウトカムとして身体組成の体脂肪に関する項目は 4本すべての研究において用いられていた.身体 組成のうち部位別も含めた筋肉量に関する項目を 用いた文献は3本であり,他の1本は除脂肪量を 用いていた.介入研究では体成分のたんぱく質量, ミネラル量の項目は見られなかった.ほかの項目 では,4本とも何らかの形で筋力を示す項目を用 い,体力を示す項目を用いた文献が2本であった. 身体組成の測定方法は4本ともBIA法であった.介 入により身体組成の改善に効果がみられた文献は 2本であった. 3.観察研究の概要  観察研究の概要を表3に示す.独立変数で体脂 肪率,筋肉量などの身体組成またはたんぱく質量 やミネラル量などの体成分を用いた文献は5本で あった.他の21本の文献において独立変数で用い られた項目は閉じこもり,フレイル,糖代謝状態, 栄養状態,オーラルフレイル,年代,性別,園芸 習慣,口腔状態,肩こり状態,生涯運動歴,運動 習慣,ロコモティブシンドローム,閉経,BMIに よる肥満,転倒恐怖感,生活機能,骨密度であった.  従属変数で体脂肪,筋肉量などの身体組成また はたんぱく質量やミネラル量などの体成分を用い た文献は23本であった.従属変数に身体組成また は体成分を用いなかった文献は従属変数に血液中 のビタミン,ミネラル,アミノ酸を用いた文献が 法」「DXA法」を用いた.各ワードを検索する際 に,絞り込み検索で「最近5年間」「原著論文」「65 歳以上」「症例研究以外」とし,それぞれを検索 したのち,or検索を行い292本が検出された.さら に,除外基準として対象が地域高齢者以外,対象 が要支援・要介護者,言語が和文以外,筋肉量や 体脂肪率などの身体組成の測定を目的とした測定 を用いていない,ケース・コントロール研究およ び介入研究の交絡変数として身体組成または体成 分を用いた場合,身体組成の測定方法を検討した 研究,治療方法を検討した研究,文献検討,統計 手法の記載がない研究とし,29本の文献を対象と した.検索は2020年7月20日に実施した. 2.抽出項目  対象文献を熟読し,論文で説明された研究の研 究デザイン,研究のエビデンスレベル,研究期間, 対象者,介入方法,身体組成測定方法,研究の独 立変数,比較対照群,従属変数,明らかになった こと,発行年を抽出した. 3.分析  研究方法で大きく介入研究と観察研究に分類し た.介入研究では結果として身体組成および体成 分が用いられている研究について着目した.観察 研究では独立変数と従属変数に身体組成および体 成分が用いられた研究に着目し,研究者らで身体 組成と体成分の用いられ方と明らかになったこと を検討した. Ⅲ.結果 1.文献の概要  本研究の分析対象とした文献の概要を表1に示 す.総数29本の文献のうち,介入研究は4本,観 察研究は25本であった.そのうち,エビデンスレ ベルでは記述研究が10本,ケース・コントロール 表1.文献の概要 研究デザイン 研究のエビデンスレベル 年代 本数 介入研究 対象が無い実験研究 2016~2018 3 比較研究 2020 1 関連探索研究 ケース・コントロール研究 2015~2020 15 記述研究 2015~2017 4 実態調査研究 記述研究 2016~2018 6 合計 29

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表2.介入研究の概要 subject 著者名 エビデンス の水準 研究期間 対象者 介入内容 身体組成 測定方法 比較対照群 従属変数 明らかになったこと 発行年 1 綾部ら 比較研究 記載なし 市 民 報 やチ ラ シ で応 募 し た 運 動 禁 忌 が 無 いメ タ ボ リ ッ ク シ ンド ロ ー ム 判 定 基 準 の う ち B M I、 血 圧 、血 中 脂 質 、血 糖 値 の 1− 2つ の 条 件 を 満 た す 中 高 齢 者 57 .1( 13 .2 ) 歳 16 名 ウィ オ ー キ ン グ バ イ シ ク ル 運 動 BIA法 メ デ ィカル フ ィ ッ ト ネ ス 講 座 経 過 観 察 群 体 重 、 B M I、 筋 肉 量、 体 脂肪 量 、体 脂肪 率 、 下 肢 筋 力 、 有 酸 素 能 ウ ォ ー キン グ バ イ シ ク ル 運 動 の 体 脂肪 量 、体 脂 肪 率 、 下 肢 筋 力に 交 互 作 用 が みら れ た 2020 2 武山ら 対照が無い 実験研究 2016/10~ 2017/2 健康 ウ ォ ー キ ン グ 事業 参 加 女 性 10 2名 健康 ウ ォ ー キ ン グ 事業 ( 月 1回 の 健 康 教 育 開 催・ 冬 場 の 全 天候 型 商 業 施 設 の 利 用 に よ る ウォ ー キ ン グ・ ポ イ ン ト ス タ ン ド の 施 設内 設 置 BIA法 参加時運 動 実 践 群 と 参 加時運 動 準 備 群 の 二 元 配 置( 時 間 ・ 運 動 準 備 状 態) B M I、収 縮 期 血 圧 、拡 張 期血 圧 、 開 眼 片 脚 立 ち 、握 力 、3 分 間 歩 行 、筋 肉 量 、体 脂肪 率 、 POM S2 準 備群 は 実 践 群 と 比較 して 事 業 前 に 3分 間 歩 行・ 体 脂 肪 率・ 活 気 の 「 要 注 意 」 者 の 割 合 が 多い が、 事 業 参 加 前 後 の 比 較 は 運 動 実 践 群 と同 様 の 変 化 で あ った 。 2018 3 木村ら 対照が無い 実験研究 2014/5~ 2016/3 60 歳 以 上の 住 民 98 名 ア ミ ノ 酸混合 物 1 包 /日 服 用 と ロ コト レ 運 動 BIA法 前後 比較 身 長 、体 重 、体 脂肪 、 脂 肪量 、 除 脂 肪量 、 筋 肉 量、 推 定 骨 量、 体 水 分 量、 B M I、 体 幹 部 体 脂肪 率 、 体 幹 部 脂肪 量 、 体 幹 部 除脂肪 量 、体 幹 部 筋 肉 量、 四 肢 筋 肉 量、 最大 歩 行 速 度 、 最大 歩 行 速 度 歩 数 、 T U G 秒、 T U G 歩 数 、握 力 、立 ち 上 が り 、ロ コ モ 25 、下 肢 筋 力 : ス ピ ード 、 下 肢 筋 力 : パ ワ ー 身 長 ( 姿 勢 の 伸 び )、 筋 肉 量 、体 脂肪 量 、歩 行 速 度 、立 ち 上 が り 、ロ コモ 25 、 握 力 に 改 善 が 認 め ら れ た。 ロ コ モ 25 で は 全 身 の 痛 み、 歩 行 能 力 、 運 動 機 能 の 改 善 が あ った 。 2017 4 安田ら 対照が無い 実験研究 記載なし 介 護 予 防事 業 参 加 高 齢 女性 25 名 週 1回 、 12 週 間 の 筋 力ト レ ー ニ ング インピー ダンス法 AT C N 3遺 伝 子 型 R R 型 R X型 X X型 体 重 体 脂 肪 率除 脂 肪量 等尺 性 最 大 筋 力 R R 型 の 最 大筋 力 が高 か っ た が 、 筋 力 トレ ー ニ ング の 反 応 性 は 遺 伝 子 型 に よる 違 い は な か っ た。 2016

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表3-1.観察研究の概要 subject 著者 研究デザイン エビデンスの 水準 研究期間 対象者 身体組成測 定方法 独立変数 比較対照群 従属変数 明らかになったこと 1 白岩ら 関連探索研究 ケース・コント ロール研究 記載なし 広 報 誌 で 告 知し 体 力 測 定 会 に 参 加し た 地 域 在 住 高 齢 者 24 5名 BIA法 厚 労 省 基 本 チ ェ ッ ク リ スト 閉 じ こ も り 項 目の う ち 1つ で も該 当 し た も の を閉 じこ も り 群 と 規定 非 閉 じ こ も り 群 握 力、 C S-30 、 開 眼 片 脚 立 位時 間 、 歩行 速 度 、 T U G 、 M M SE 、 G D S-5、 筋 肉 量、 体 脂 肪 率 、 B M I、 体 水 分 量、 た ん ぱ く 質 量、 ミ ネ ラ ル 量、 基 礎 代謝 量 男 性 で は 非 閉 じ こ もり 群 の T U G 、 歩 行 速 度 、筋 肉 量 、 体 水 分 量、 タ ン パ ク 質 量、 骨 ミ ネ ラ ル 量 、 基 礎 代 謝 量 が 良 好 で、 う つ 傾 向 を 示 す も の が 少 な か っ た 。女 性 で は非 閉 じ こ もり 群 の 握 力 、 T U G 、 歩 行 速 度 が 良 好 で あ っ た 。 2 福尾ら 関連探索研究 ケース・コント ロール研究 記載なし 65 ~ 86歳 の地 域 在 住 男 性 高 齢 者 42 名 71 .3(4 .5 )歳 超音波画像 診断 基 本 チ ェ ッ ク リ スト の 4点 以 上 を フ レ イル 群 と 規 定 健 常群 身 体 各 部 位 筋 量 フ レ イル 群 は 上 腕 前 部 の 筋 量 が 健 常 群 より 小 さ か っ た 。 3 藤田ら 関連探索研究 ケース・コント ロール研究 2012/11~ 2013/3 集 団 特 定 健 診 受 診 の前 期 高 齢 者 40 0人 男 性 68 .9( 3. 0) 歳 、 女 性 68 .6( 2. 7) 歳 BIA法 正 常 体 重 肥 満 群B MI 体 脂 肪 率 正常 体 重 正 常体 脂 肪 率 群 SM I、 B M I、 慢 性 疾 患 あ り 、 処方薬 剤多 数 、 食 品 摂 取 多 様 性 得 点 、身 体 活 動 量 、身 体 活 動 量 10 M et s・ 時 未 満、 喫 煙 習 慣、 飲 酒 習 慣、 収 縮 期血 圧値 、 拡 張 期血 圧値 、 中 性 脂肪値 、 H D Lコ レ ス テ ロ ー ル 値、 空 腹 時 血 糖 値、 腹 囲 、収 縮 期 血 圧 リ ス ク あ り 、 拡 張 期 血 圧 リス ク あ り 、 中 性 脂 肪リ ス ク あ り 、 H D Lコ レ ス テ ロ ー ル リス ク あ り 、 空 腹 時 血 糖 リ ス ク あ り 、 腹 囲 リ ス ク あ り 、 メ タ ボ リ ッ ク シ ンド ロ ー ムリ ス ク 数 正 常体 重 肥 満 群 の 男 性 では B M I、腹 囲 リ ス ク群 の 割 合 が 高く メ タ ボ リ ッ クシ ン ド ロ ー ム リス ク 数 が 多 か っ た 。 女 性 で は B M I、 慢 性 疾 患 重 複 あ り 群 、処 方 薬 剤多 数 群 、拡 張 期 血 圧 リス ク 群 、 中 性 脂 肪 リ ス ク 群 の 割 合 が 高 く、 メ タ ボ リ ッ ク シ ンド ロ ー ム リ ス ク 数 が 多 か っ た 。 4 川畑ら 関連探索研究 記述研究 2015 市 民 イ ベ ント の 健 康 チ ェ ッ ク コー ナ ー 来 場 者 の 地 域 在 住 50 歳 以 上 の 男 女 67 .7( 6. 3) 歳 BIA法 全身 骨 格 筋 量 相 関 に より 比 較 対 照 群 なし 握 力、 開 眼 片 脚 立 位 保 持 時 間 、C S-10 、2 ST 、T U G 、 体 重、 全 身 骨 格 筋 量 年 齢 と 体 重 補 正 さ れた 全 身 骨 格 筋 量 の 間 に は 有意 な 相関 関 係 を認 めな か っ た 。 5 酒元ら 実態調査研究 記述研究 2015 高 齢 者 健 康・ 栄 養 調 査 参 加 者 85名 BIA法 M NA-SF に よ る 栄 養 評 価 (低 栄 養 群 、a tr is k群 、良 好 群 ) 多 群 の 割 合 の比 較 低 筋 肉 量 該当者 の 割 合 SM I 基 準 値 に よ る カッ ト オ フ M NA-SF 評 価 と SM Iを 用 い た 低 筋 肉 量 の 評 価が関 連 し て いた 。 6 安倍ら 関連探索研究 ケース・コント ロール研究 2016~2017 「長 寿 は つ ら つ フ ェ ス タ 」参 加 地 域 在 住 高 齢 者 111 名 BIA法 咬 合 ・ 咀 嚼 能、 嚥 下 機 能、 口 腔 湿 潤 度 に よ る オ ー ラル フ レ イル 群 非 オ ー ラル フ レ イル 群 SM I、握 力 、歩 行 速 度 、基 本 チ ェ ッ ク リ スト 運 動 機 能、 SM I基 準 値 以 下 該 当 者割 合 、 握 力 低 下 該 当 者割 合 、 歩行 速 度 基 準 値 未満 該 当 者 割 合、 サ ル コ ペ ニ ア 割 合 、L D L -C 、H D L -C 、T G 、 T G /H D L -C 、 F FA 、F B S、 IR I、H O M A-R、 ヘ モ グ ロ ビ ンA 1c 、 hs C PR オ ー ラ ル フ レ イル が サ ル コ ペ ニ ア や メ タ ボ リ ッ ク シ ンド ロ ー ム と 関 連 する 。 7 原田ら 実態調査研究 記述研究 2015/10~ 2017/3 地 域 で の イ ベン ト会 場 で の 参 加 者4 85 名 BIA法 年 代 ( 20 ~ 30 歳 : 青年期 、 31 ~ 44歳 : 壮 年 期 、 45 ~ 64歳 : 中 年 期 、 65 ~ 74 歳: 前 期 高 齢期 、7 5~ 89 歳: 後 期 高 齢期 ) 性 別( 男 性 ・ 女 性 ) 園 芸 習 慣 なし 全身 筋 肉 量 全身 脂 肪 量 部 位 ご との 筋 肉 量 部 位 ご との 脂 肪 量 全 て の年 代で 男 性 の 方 が 女 性 よ り 筋 肉 量 が 多 く、 加 齢 に 伴 う 筋 肉 量 の 減 少 は 男 女 とも に 下 肢 の 筋 肉 量 が 主 であ っ た 。 脂 肪 は男 性よ り 女 性 に 多 く、 特 に 中 年 期 で 有 意 な 差 が みら れ た 。 8 田崎ら 関連探索研究 ケース・コント ロール研究 2017 認 知症予 防 プ ロ グ ラ ム 参加 者 男 性 37 名 ( 75. 9± 5. 0歳 )、 女 性 12 2名 ( 74.9 ± 5.9 歳 ) BIA法 園 芸 習 慣 あり 筋 肉 量、 除 脂 肪 量、 骨 格 筋 量、 体 脂 肪 量、 基 礎 代 謝 量、 SM I、ウ ェ ス ト ヒ ッ プ 比 、握 力 、 M M SE 得点 、 か な ひ ろ い テ ス ト 得 点 女 性 の 園 芸 群 は 筋 肉 量、 除 脂 肪 量、 骨 格 筋 量、 基 礎 代 謝 量、 ウ ェ ス ト ヒ ッ プ 比 、 SM I、 握 力 が 高 か った 。 M M SE 得 点 が 低 か っ た 。

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表3-2.観察研究の概要 subject 著者 研究デザイン エビデンスの 水準 研究期間 対象者 身体組成測 定方法 独立変数 比較対照群 従属変数 明らかになったこと 発行年 9 石井ら 実態調査研究 記述研究 2016 B IN G O 府 中 元 気 もり もり 体 操 第 1回参 加 の 自 立 し た 高 齢 者 57名 BIA法 後 期高 齢 者 前 期高 齢 者 測 定 結 果 の 相 関 骨 密度 面 積 、 骨 密度 判 定 、 体 重 、体 脂 肪 率 、脂 肪 量 、 除 脂 肪 量、 体 水 分 量、 B M I、 推定 骨 量 、 内 臓 脂肪 レ ベ ル 、 基 礎 代 謝 量、 体 幹 部 筋 肉 、 四 肢 筋 肉 、体 幹 部 脂 肪 、四 肢 脂 肪 、握 力 、長 座 体 前 屈、 足 指 筋 力、 全 身 反 応 時 間 、 閉 眼 片 足 立 ち 、 ス テ ッピ ン グ 前 期高 齢 者 と 後 期高 齢 者 で は 骨 密 度 、 身 体 組 成 の 違 い は み ら れ な か っ た。 後 期 高 齢 者 の 握力 と 足 指 筋 力 が 低 か っ た 。 2018 10 熊谷ら 実態調査研究 記述研究 2014 プロ ジ ェ ク ト 健 診 受 診 者 11 22 名 男 性 52 .6( 15 .5 ) 歳 ・ 女 性 55 .3(1 5. 3)歳 記載なし 肩 腰群 腰群 肩 こ り 群 4群 の比 較 年 齢 、性 別 、B M I、体 脂 肪 率 、 喫 煙 習慣 あ り 、 飲 酒 習慣 あ り 、運 動 習 慣 な し 、労 働 あ り 、 睡 眠 障 害 あり 肩 こり を 有 す る 人 は 飲 酒 習 慣 が あ る 割 合 が 高 く、 肩 こ り と 腰 痛 の 両 方 が あ る人 は 睡 眠 障 害 を 有 する 割 合 が 高 か っ た 。 肩 こり あ る い は 腰 痛 と B M I、肩 こ り と 腰 痛 両者 は 年 齢、性 別 と 関 連 し た 。 2018 11 赤嶺ら 関連探索研究 ケース・コント ロール研究 記載なし 中高 年一 般 男 性 59 名 63 .7 (7 .3 )歳 DXA法 15 歳 以 上 か ら 現 在 まで 平 均 週 3時 間 以 上 の 生涯 運 動歴 が ある 多 運 動 群 生涯 運 動歴 が 平 均 週 3時 間未 満の 少 運 動群 全 骨 塩 量、 全 脂 肪 量、 筋 肉 量、 除 脂 肪 量 、体 脂 肪 率 、全 体 重 、 部 位 別 骨 密度 、 総 骨 密度 生 涯運 動 歴 に よ る 身 体 組 成 に 違 い は な か っ た が 、 部 位 別 骨 密 度 で は 骨 盤・ 脚 部 骨 密度 が 多 運 動 群 の 値 が 高 か っ た 。 2017 12 白岩ら 関連探索研究 記述研究 2014/9 生 き が い づ くり の 会 に 登 録 し て い る 高齢 者 で体 力 測 定 会 に 参 加し た 23 6名 BIA法 運動 習 慣 に よ る 運動 な し 群 毎 日 30 分 未 満 群 と き ど き 30 分 以 上 群 毎 日 30 分以 上 群 多重 比 較 握 力 、上 体 お こ し 、長 座 体 前 屈 距 離 、 開 眼 片 脚 立 位 時 間 、T U G 、C S-30 、5 m 最 速 歩行 時 間 、 大 腿 四頭 筋 筋 力 、 足 指 把 持 力 、骨 格 筋 量 、体 脂 肪 率 、B M I 毎 日3 0分 以 上 の 運 動 群 は 他 群 よ り も 筋 力、 歩 行 能 力、 立 位 バ ラン ス な ど の 身 体 機 能 が よ かっ た 。 運 動 を し てい な い 群 は 体 脂 肪 率 とB M Iが 高 か っ た 。 2017 13 池内ら 実態調査研究 記述研究 記載なし 地 域 自 治体で 募 集 さ れ た 受 診 ・ 内 服 治 療 な ど 行 って い な い 閉 経 後 の 55 歳 ~ 65 歳 の 女 性 28 8名 インピーダ ンス法 B M Iと 体 脂 肪 率 に よ る や せ 群 標準 群 か く れ 肥満 群 肥満 群 多重 比 較 ビタ ミ ン C 、 ビタ ミ ン B1 、 ビタ ミン B 2、 ビ タ ミン B1 2、 葉 酸 、 β -カ ロ テ ン 、ビ タ ミ ン E 、 Zn 、 C u、鉄 、カ ル シ ウ ム 、 M g、 P や せ は 5. 9% 、 標 準 は 49 .3 % 、 隠 れ 肥 満 は 30.6 % 、 肥 満 は 14 .2 % で あ った 。 群 間 の 血 液 中 ビ タミ ン ・ ミ ネ ラ ル 値 ・ ア ミ ノ 酸 値 で は β -カ ロ テン が 標 準 群 と 比 較 して や せ 群 で は 多 く 、隠 れ 肥 満 群 、肥 満 群 で は 低 か っ た 。 2016 14 赤嶺ら 関連探索研究 ケース・コント ロール研究 記載なし 中高 年一 般 男 性 61 名 65 .2 (8 ,6 )歳 DXA法 15 歳 以 上 か ら 現 在 まで 平 均 週 3時 間 以 上 の 生涯 運 動歴 が ある 多 運 動 群 生涯 運 動歴 が 平 均 週 3時 間未 満の 少 運 動群 全 骨 塩 量、 全 脂 肪 量、 筋 肉 量、 除 脂 肪 量 、体 脂 肪 率 、全 体 重 、 部 位 別 骨 密度 、 総 骨 密度 生 涯運 動 歴 に よ る 身 体 組 成 に 違 い は な か っ た が 、 部 位 別 骨 密 度 で は 胸 椎 ・ 腰 椎・ 骨 盤 ・ 脚 部・ 頭 部 以 外 骨 密 度 が 多 運 動 群 の 値 が 高 か っ た 。 2017 15 駒井ら 関連探索研究 ケース・コント ロール研究 2013 地域 在 住 高 齢 者 75 8名 BIA法 B M I低 体 重群 A lb 低値 群 体 重 減 少 あり 群 B M I普 通 体 重 群 ・肥 満 群 A lb 高 値 群 体 重 減 少 なし 群 サ ル コ ペ ニア 重 症 度 SM I握 力 5m 歩 行 速 度 後 期高 齢 者の 普 通 体 重 群 と 女 性 後 期 高 齢 者で は肥 満 群 に サ ルコ ペ ニ ア が 存 在 し た。 A lb の 水 準 に よ る サ ル コ ペ ニ ア 重 症 度 分 布 へ の 影 響 は認 め ら れ な か っ た 。 2016 16 石田ら 関連探索研究 ケース・コント ロール研究 記載なし 地 域 の イ ベ ント に 参 加 し た 12 4名5 8. 8歳 BIA法 ロコ モ 度 チ ェ ッ ク に よ る ロ コ モ群 非 ロコ モ 群 B M I、四 肢 骨 格 筋 量 、体 脂 肪 量 、内 臓 脂 肪 レ ベ ル 、予 測 ウ ェス ト ロコ モ 群 は 年 齢 、 内 臓 脂 肪 が 非 ロ コ モ 群 と 比 較 して 高 か っ た 。 2015

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表3-3.観察研究の概要 subject 著者 研究デザイン エビデンスの 水準 研究期間 対象者 身体組成測 定方法 独立変数 比較対照群 従属変数 明らかになったこと 17 石井ら 関連探索研究 ケース・コント ロール研究 2015 地域 在 住 女 性 55名 インピーダ ンス法 閉 経 期 間 が 11年 以 上 群 閉 経 期 間が 10 年 以下 群 T ス コ ア 音 響 的 評 価 値( 骨 密 度) 、腹 囲 、体 重 、 B M I、体 脂 肪 率 、筋 肉 量 、基 礎 代 謝 量 、 血 圧 、出 産 回 数 、更 年 期 症 状数 閉 経 期 間 が 11年 以 上 群 は 骨 密 度 が 低 か っ た 。 18 黒岩ら 関連探索研究 記述研究 2011 プ ロ ジ ェ ク ト 健 診 受 診 者 809 名 BIA法 男 性 、 B M Iに よ る 肥 満 群 、 非 肥 満 群、 女 性 、 閉 経 後 群、 閉 経前 群 群 別の 各 変 数の 相 関 体 脂 肪 率 、レ プ チ ン 、血 糖 値 、 H bA 1c 、 Cペ プ チド 男 性 と 閉 経 後 女 性 群 で レ プ チ ン と C ペ プ チド の 相 関 、 非 肥 満と閉 経 後 女 性 で レ プ チ ン と H bA 1c の相 関がみ ら れ た 。 19 梅田ら 実態調査研究 記述研究 2015 イ ベ ン ト 参 加 地 域住 民 211 名 体組成計 (BIA法記載 なし) 65 以 上群 65歳 未満 群 B M I、体 脂 肪 率 、骨 格 筋 率 、 基 礎 代 謝 、腹 囲 、血 管 年 齢 、 血 圧、 動 脈 血 酸 素 飽 和 度 、 肺 機 能 、骨 年 齢 、口 臭 判 定 区分 65 歳 以 上の 握 力 、 血 管 年 齢 、 肺 機 能 が 低 か った 。 男 性 で は 骨 格 筋 率 、基 礎 代 謝 、腹 囲 も 低 か っ た 。 20 小橋 関連探索研究 ケース・コント ロール研究 2013 健 康 セ ミ ナ ー 参 加者 52 2名 体組成計 (BIA法記載 なし) G LF S2 5に よ る ロ コ モ ティ ブ シ ンド ロ ー ム 群 非 ロ コ モ ティ ブ シ ンド ロ ー ム群 年 齢 、 体 重、 B M I、 骨 密 度 、 体 脂肪 率 年 齢 と B M Iが ロ コ モ ティ ブ シ ンド ロ ー ム と 強 い 関 連 が あ っ た。 21 原ら 関連探索研究 ケース・コント ロール研究 記載なし 国保 ヘ ル ス ア ッ プ 事 業 参加 女 性 16 9名 インピーダ ンス法 B M Iと 体 脂 肪 率 に よ る 隠 れ 肥 満群 隠 れ 肥 満 以 外群 体 脂肪 量 、 除脂肪 量 、 W H 比 、中 性 脂 肪 、総 コ レ ス テ ロ ール 、 LD Lコ レ ス テ ロ ール 、 H D Lコ レ ス テ ロ ー ル 、グ ル コ ー ス 、イ ン ス リ ン 、 H bA 1c 、ア デ ィ ポ ネ ク チ ン、 動 脈 硬 化 指 数 ( LH 比 )、握 力 、上 体 お こ し 、長 座 体 前 屈 、反 復 横 跳 び 、 立ち 幅 跳 び 、 開 眼 片 足 立ち 、 10 m 障 害 物 歩 行、 6 分 間 歩 行 隠 れ 肥 満 群 は 体 力 が 低 く、 イ ン ス リ ン が 高 く、 ア デ ィ ポ ネ ク チン が 低 か っ た 。 動 脈 硬 化 指 数 ( LH 比) が 高 か っ た。 22 藤田 関連探索研究 ケース・コント ロール研究 2012/11~ 2013/3 集 団 特 定 健 診 受 診 の前 期 高 齢 者 40 0人 男 性 68 .9( 3. 0) 歳 、 女 性 68 .6( 2. 7) 歳 BIA法 低 SM I群高 体 脂 肪 率 群 正常 SM I群 正 常体 脂 肪 率 群 低 歩行 速 度 高 体 脂 肪 率 群 の 低 歩行 速 度 に 対 す る リ スク比 が 男 性 で は 2. 4、 女 性 で は 2. 2で あ っ た 。 23 河原ら 関連探索研究 記述研究 2013 地 域 在 住 男性 22 8名 45 .4 (1 1. 9)歳地 域 在 住 女 性 14 2名 55 .5 (14 .0 )歳 体組成計 (BIA法記載 なし) 転 倒 恐 怖 感 全 く 怖く な い 怖く な い や や 怖い 大 変 怖い 多 群 の比 較 身 長 、身 長 低 下 の 有 無 、体 重 、 体 脂 肪 率 、骨 格 筋 率 、骨 密 度 、 開 眼 片足 立 位 時 間 男 性に 比 べ 女 性に 転 倒 恐 怖 感 が強 い 。 女性 の み 転 倒 恐 怖 感 と 身長 、 骨格 筋 率 の 違 い が 全 く 怖 くな い 群 と 大 変 怖 い 群 に み ら れ た 。 身 長 低 下の 有 無 に よ り 転 倒 恐 怖感の 分 布 が 異 な っ た 。 24 高井ら 関連探索研究 ケース・コント ロール研究 2013 介 護 認 定を受 け ず 自 立 し た 生 活を 送 る 地 域 在 住 高 齢 者 32 名 74 .5 (5 .0) 歳 記載なし T M IG に よ る 総 得 点 と下 位 尺 度 維 持 群 低下 群 外 出 頻 度 、 運 動 行 動 の 変 容 ス テ ー ジ 、主 観 的 健 康 観 、治 療 中 の疾 病 、 地 域 活 動 参加 、 体 脂 肪 率 、C ST 、T U G 、 身 体 活動 量 低 強度 活 動 時 間 と 疾 病 の 数 と 体 脂 肪 率 と T UG が T M IG 低 下 群 が 不 良 で あ っ た 。 25 奥見ら 関連探索研究 ケース・コント ロール研究 記載なし 地 域 在 住 女 性12 6名 体組成計 (BIA法記載 なし) 骨 密 度 %Y A M 骨 そ し ょ う 疑 い 群 骨 密 度 低下 群 正常 群 各 変 数の 相 関 年 齢 、体 脂 肪 率 、B M I、握 力 、 片 足 立 位 保 持 時 間、 長 座 体 前屈 骨 粗 鬆 疑 い 群 は 多 群 より も 年 齢 が 高 く 握力 が低 く 、 正 常 群 よ り 片 足 立位 時 間が 短 か っ た 。% Y A M と 年 齢、 体 脂 肪 率 は 負 の 、握 力 、片 足 立 位 保 持 時 間 は 正 の相 関が あ っ た。

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者や健診受診者,地域のイベント参加者や新聞等 で広く告知して研究に参加した地域高齢者であっ た.2015年には骨粗しょう症やロコモティブシン ドローム,2016年には低栄養,隠れ肥満,2017年 には生涯運動歴,運動習慣,骨格筋量,2018年に は栄養評価,2019年には正常体重肥満,フレイ ル,閉じこもりといった項目に注目して関連を検 討していた.このように,2015年の研究では高齢 者の疾患に関する項目に着目した研究であったも のが,年代を追うと BMIは正常であるが体脂肪 率が高い,いわゆる隠れ肥満やアルブミン値や栄 養指標などによる栄養状態に着目したものになっ た.その後2019,2020年ではフレイルや閉じこもり といった,明らかな疾患ではないが,社会的課題 を含めた高齢者の状態に着目したものによる身体 組成や体成分の違いを明らかにする研究がなされ ていた.これらは,この5年の間においても身体 組成や体成分にかかわる高齢者が抱える課題とし て身体面の疾患に関することから社会的側面まで 着目されるようになっていることを示唆している. 超高齢社会における課題には地域が着目されるよ うになり(近藤,2019),個別の身体状態だけでな く地域づくりにまで視野を広げる必要性が考えら れた.また,従属変数では2015年には身体組成や 体力のほか血液の生化学検査結果や骨密度を用い ていたが,2016年には肺機能,サルコペニア重症度, 2016年には血液中の栄養状態,2018年には生活習 慣,サルコペニアの割合,2019年にはメタボリッ クシンドロームリスク,2020年には体成分のたん ぱく質量,ミネラル量を用い,サルコペニアの割 合や重症度のほか栄養状態や生活習慣,メタボリッ クシンドロームの状態など疾患以外の状態悪化を 示唆する指標を用いて身体組成と共に評価してい た.このように,観察研究のアウトカムとして身 体組成が用いられており,ともに評価する指標と して体力のほか,疾患に関することから身体の栄 養状態や生活習慣など,状態悪化に関連する指標 が注目されていた.筋力や身体機能に関する握力 と歩行速度は Asian Working Group for Sarcopenia 2019( Chen,L.K.,Woo,J.,Assantachai,P., et al ,2020)の診断基準に用いられており,今 後の身体組成を測定する研究ではこの項目を用い る研究が多くなると考えられた.また,本研究で も2015年の研究から25件のうち10件は歩行速度ま たは握力を測定項目に用い,サルコペニア重症度 や割合を評価する研究も見られ,サルコペニア診 1本,歩行速度を用いた文献が1本でいずれも独 立変数に身体組成を用いて群分けをしていた.  研究で明らかになったことでは,ケース・コン トロール研究では,独立変数として用いた閉じこ もり,骨密度が低い,フレイル,身体組成等にリ スクのある群がコントロール群に対して従属変数 の値がよくない結果を示すか,違いがみられない といった結果を示した.記述研究では,身体組成 を用いたサルコペニアの分布や多重比較,変数の 相関により身体組成を含む独立変数と従属変数の 関連を示した. 4.観察研究の従属変数項目  観察研究では,BIA法による測定で身体組成と してたんぱく質量,ミネラル量が用いられた文献 は1本(白岩ら,2020)であった.それまでの文 献では,体脂肪率,筋肉量,骨格筋量,SMI,低 SMI者の割合,体脂肪量,除脂肪量,骨格筋率が 用いられた.DXA法による測定では骨塩量が用い られた文献(赤嶺ら,2017)が2本であった.身 体組成以外の項目では体力,認知機能,うつ状態, 生活習慣,血液生化学検査結果,糖代謝機能,運 動機能,骨密度,筋力,サルコペニア重症度,更 年期症状,血中ビタミン,ミネラル,アミノ酸量, 肺機能,酸素飽和度,体格であった.骨格筋率は 2013年,2015年に実施された研究で用いられてい るが,それ以降は用いられていない. Ⅳ.考察 1.身体組成および体成分を測定した研究の概要  身体組成及び体成分を測定した研究では,観察 研究が多いものの,介入研究も実施されていた. 介入内容は運動が多く,栄養に関する内容は運動 との併用のものであった.運動などの介入による 体脂肪率の低下や筋肉量の増加といった身体組成 の変化のほか,歩行速度や筋力の改善が示されて おり,運動の介入により身体組成の改善が報告さ れていた.一方,観察研究の多くは身体組成およ び体成分を従属変数として用いており,独立変数 とした項目との関連を明らかにした研究が多かっ た.閉じこもりやフレイル,口腔状態やロコモティ ブシンドロームの状態との関連を検討した研究で, 高齢者の状態が悪い項目に対し,身体組成の状態 が関連していたことが示されていた. 2.身体組成と体成分を測定した研究の動向  観察研究の対象者は国保ヘルスアップ事業参加

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藤田倶子.(2015).地域前期高齢者における歩行 速度に対する低筋肉量および高体脂肪率の影響. 日本地域看護学会誌,18(1),4−11 藤田倶子,河野あゆみ.(2019).前期高齢者にお ける正常体重肥満とメタボリックシンドローム リスクの関連.日本地域看護学会誌,22(2), 50-58 川畑恵里花,木村繫文.(2017).地域の元気高齢 者の運動機能調査―全身骨格筋量とバランス機 能に着目して―.石川県理学療法雑誌,17(1), 21-25 近藤克則(2019).超高齢社会における地域―課題 の「見える化」と地域づくり―.老年社会科学, 41(2),160 原田脩平,佐野幸子,井上貴裕.(2018).体組成 計による筋肉量・脂肪量の測定報告 ―性別によ る違いと加齢変化―.理学療法―臨床・研究・ 教育,25(1),98-102 原丈貴,中雄勇人,三村 達也,他.(2015).中 高年女性における隠れ肥満者の体力および 動脈 硬化性疾患リスクファクター.肥満研究,21(3), 161-166 池内眞弓,西崎泰弘,石井直明.(2016).地域在 住中高年女性の血液中のビタミン,ミネラル, アミノ酸濃度の実態.東海大学健康科学部紀要, 22,3-7 石田武希,後藤未来.(2016).ロコモティブシン ドロームの発症・重症化と体組成の関係性につ いて.静岡県理学療法会学術誌:静岡理学療法 ジャーナル,33,43-45 石井智紋,磨井祥夫,他.(2018).地域在住の前 期高齢者と後期高齢者の身体機能について.福 祉健康科学研究,13,79-85 河原加奈,宇都宮洋才,橋爪洋,他.(2015).転 倒恐怖感と身体組成および転倒リスクとの関係. 日本未病システム学会雑誌,21(2),148−151 木村修,板真悟,小林久峰,他.(2017).ロコモティ ブシンドロームの予防を目的としたロイシン高 配合必須アミノ酸を併用したロコトレ運動教室 の有用性について.鳥取医誌,45(1),19-24 小橋洋介.(2016).ロコモティブシンドロームと 関係する体組成の解析.大阪河崎リハビリテー ション大学紀要,10,149-155 駒井さつき,渡邊 裕,藤原 佳典,他.(2016).日 考えられた. 3.研究のエビデンスレベルの動向  観察研究では実態調査研究の記述研究が6本, 関連探索の記述研究が4本,ケースコントロール 研究が15本と観察研究の中ではエビデンスレベル が高く変化していることが示唆された.今後は, ケース・コントロール研究で明らかとなった要因 を用いたコホート研究が実施され,因果関係を明 確にする研究が待たれる.また,介入研究で運動 を用いた介入が多くみられたが,観察研究での着 目項目から栄養面での介入も必要であると考えら れ,今後は栄養による介入,あるいは運動と栄養 の併用の介入研究が待たれると考えられた. 4.本研究の限界  本研究は医学中央雑誌webのみを用いて検索し ており,この検索エンジンに含まれていない文献, 和文以外の文献は分析に含まれない.また,出版 バイアスも考えられた. 引用文献 安倍嘉彦,高橋収,本多丘人,他.(2018).高齢 者におけるオーラルフレイルの診断とサルコペ ニアおよびメタボリック・シンドロームとの関 連について.北海道歯学雑誌, 38(2),234-242 赤嶺卓哉,安部孝,藤田英二,他.(2017).中高 年女性における生涯運動歴の全身身体組成・骨 密度に及ぼす影響 ―DXA 法による測定を含め て―.整形外科と災害外科,66(2),353―355 赤嶺卓哉,阿部孝,藤田英二,他.(2017).中高 年男性における生涯運動歴の全身身体組成・骨 密度に与える効果―DXA法による測定を中心に ―,整形外科と災害外科,66(4),694−697 綾部誠也,齋藤誠二,高戸仁郎,他.(2020).軽 度代謝性疾患を有する中高齢者における3ヶ月間 のウォーキングバイシクル 運動が有酸素性作業 能と下肢筋力に及ぼす影響:比較対照試験.日 本生理人類学会誌,25(1),2-8

Chen, L. K., Woo, J., Assantachai, P., et al. (2020). Asian Working Group for Sarcopenia: 2019 Consensus Update on Sarcopenia Diagnosis and Treatment, Journal of the American Medical Directors Association, 21(3), 300-307

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ニングの影響─.人間発達文化学類論集,23, 1-7 本の地域在住高齢者における栄養状態とサルコ ペニア重症度の関連性の検討 ―BMI,Alb,体 重減少の有無との関連― .日老医誌,2016,53, 387―395 熊谷玄太郎,和田簡一郎,田中利弘,他.(2018). Journal of Spine Research,19(2),197-201 黒岩純,沢田かほり,高橋一平,他.(2015).一 般住民における血清レプチン濃度の 実態及び糖 代謝関連項目に及ぼす影響.体力・栄養・免疫 学雑誌,25(1),43-51 松木秀明,池内眞弓,諸岡ゆり,他.(2015).中 高年期女性の骨量とライフイベント・生活習慣 との関連.東海大学健康科学部紀要,21,17-22 奥見彰太.(2015).中高年女性における骨内超音 波伝導速度と握力および片脚立位の関係.大阪 河崎リハビリテーション大学紀要,9(2),157-162 酒元誠治,岡崎史子,辻雅子,他.(2018).浜田 市高齢者の体組成の状況.健康科学研究,1(1・ 2),39-50 白岩加代子,村田 伸,安彦 鉄平,他.(2017).高 齢者の運動頻度と実施時間の違いによる身体機 能の差異.Japanese Journal of Health Promotio n and Physical Therapy. 7(3), 121−126

白岩加代子,村田 伸,安彦 鉄平,他.(2020).地 域在住高齢者における閉じこもり調査 −身 体機能,身体組成,認知・精神心理機能の特 徴.Japanese Journal of Health Promotion and Physical Therapy, 9(4), 195-200 高井逸史,杉山正晃,生田英輔.(2015).丘陵地 居住高齢者における日常生活機能と強度別身体 活動との関連性.大阪物療大学紀要,3,41-47 武山雅志,川島和代,長谷川昇,他.(2018).産 学官連携による健康づくり事業参加者の特徴と 変化~運動習慣のない参加者に注目して~.石 川看護雑誌,15,117-124 田崎史江,野村和樹,高野珠栄子,他.(2018). 地域在住中高年者および高齢者の園芸習慣と体 組成や認知機能との関係.大阪河崎リハビリテー ション大学紀要,12,37−45 梅田君枝,冨樫千秋,岩瀬靖子,他.(2016).銚 子市内で実施した健康測定による住民の健康状 態の特徴.千葉科学大学紀要,9,243–252 安田俊広,早川克.(2016).ACTN3遺伝子の多型 が高齢女性の筋力および 筋力トレーニングの反 応性に与える影響─低強度・低頻度の筋力トレー

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