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中国における銀行管理体制の改革

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(1)中国における銀行管理体制の改革 上 野 秀 夫 I IIm IVV. はじめに 中国人民銀行の自主裁量権 中国銀行の信託業務の拡充 中国人民建設銀行の業務改革 国際信託投資公司の設立と活動 中国人民保険公司の新業務 むすびにかえて. は じめに 中国の調整政策の 一環として提起された 経済管理体制の根本的改造は, 1979年以来, すでにかなりの規模で実験的に施行されてきた。 そこでは企業 の自主権を拡大するとともに, 計画経済に市場メカニズム, 競争概念を導入 し, 従来の行政的手段による縦割りの管理から, 価格や金利など経済的手段 による管理に変えはじめた。 その内容は計画システム, 財政• 金融, 価格・ 賃金, 物資管理, 労働管理, 企業経営· 企業管理さらには対外貿易にと広範 囲にわたったo これらを骨子とするこれまでの経済管理体制は, それぞれが多くの欠陥, たとえば官僚化された経済機構の硬直化によって生じた中央集権的管理シス テムを持っており, 経済を合理的, 効率的に運営することを困難にせしめた というのであった。 国営企業の経営管理にしても,. 原材料調達,. 生産,. 投. 資, 製品販売, 雇用, 賃金などすべて国家計画に組み入れられ, 企業が自主. -35. C 349)-.

(2) 権を発揮する余地がなかった。 また欠損を出しても国家によって補填され, 利潤はすべて財政収入として吸い上げられたため, 企業経営の優劣が企業や 労働者の利益と結びつかず, 非効率な経済運営がされていた。 当面の改革は こうした従来の管理システムからの脱却をめざして, より合理的, 効率的な 体制への模索と実験が行われていることになる。 経済管理システムの改革のなかで, 財政• 金融の体制改革もかつてないほ どの規模で行われた。 従来の財政• 金融システムでは, 地方政府の収入はす べて中央へ上納し, 地方政府の必要に応じて再配分された。 基本建設投資は 財政支出による無償供与, また流動資金(企業の原材料, 半製品, 製品など の在庫資金および製品販売, 原材料購入の際に要する資金)については, 計 画内では 財政支出による無償供与,. 計画超過分では 銀行融資分と なってい. た。 それが地方の自主財源が拡大され, 銀行による資金管理が強化され, 企 業の基本建設投資および流動資金は銀行からの融資に代えられたのである。 中国政府は, 1979年以降外国為替専門銀行や各種の専門銀行を国務院直属 の機構に昇格または復活させ, 金融業務の合理化に取り組んだ。 まず 1979年 3月に, それまで中国人民銀行の管轄下にあった中国農民銀行を復活, 同年. 4 月には, 中国唯一の外国為替銀行である中国銀行を中国人民銀行から独立 させて国務院の直属機構とした。固定資産投資を取り扱う中国人民建設銀行 も同年11月に独立し, さらに同行の外資関係部門を分離した中国投資銀行が. 1981年12月に新設された。 中国銀行を除いて, これまで中国の各専門銀行は, 国家計画資金の分配, 生産. ・. 流通部門への運転資金の貸し付け, 預金業務を主として行い, 自主的. に融資, 信託業務活動を行うことはできず, したがって単に政府資金の「分 配機関」にすぎなかったのである。 しかし自主権拡大に伴う最近の各専門銀 行の業務範囲の広がりは, その地位を急速にたかめた。 金融機構のさまざま な改革は, 中国が銀行• 財政制度の改革に本格的に着手した結果であった。 それではこれまでの財政· 銀行制度にはどこに問題点があり, 現在取り組み. -36 C 350)-.

(3) つつある制度改革のねらいは何か, また改革の手順はどのようなものである のか, これらを「人民日報JCl)に依拠してまとめておきたい。 まず従来の銀行•財政制度の問題点である。 (1) 財政が資金調達• 分配の「 主要手段」で, 銀行はその「補助手段」に過ぎないという考え方が習慣とな り, 銀行の役割の発揮を阻害している。 (2)財政は基本建設投資と定額流動資 金を扱い, 銀行は臨時的季節的な, 定額を超える流動資金を扱うという「個 別管理」が確定しているために, 銀行の信用供与範囲は非常に狭く, 拡大再 生産と関係を持つことは許されず, ただ単純再生産の領域で「臨時的」なつ ぎあての役割しか果たせない。 一. れ, 貸付け, 財務収支が統. (3)銀行内部の 管理体制面では,. 資金の受入. 的に行われて, 全国の銀行が「同じ釜の飯」を. 食べていることも, 銀行業務が社会的資金の融通・調節の機能を発揮するこ とを妨げている。 こうした財政• 金融制度の問題点を克服し, 銀行により弾力的な調節機能 を発揮させるためには,. 以下の 2 段階に 分けて改革を進めていく 必要があ. る。 第 1 段階。 (1)財政と銀行の分業体制を, 人民銀行が企業に対して中・短期 設備融資をするように初歩的に改める。 そして融資の範囲と金額を逐次広げ ていく。 (2)各級銀行の資金調達・運用の権限と責任を適切にふやし, 銀行の 計画, 信用供与, 決済, 現金管理, 財政管理などの制度・方法について初歩 的な改革を行う。 第2段階。 銀行が全国の生産・建設の資金需要を統一的に調整するように 徹底的に改め, 銀行が真に社会の経済生活全体の資金を調節する総合管理者 になるようにする。 (1)財政は税収, 非経済的支出(行政, 国防, 外交, 社会 保険等の費用の支出)を 管理し,. 銀行は預金,. 社会的生産・建設の諸資金. (基本建設投資, 更改資金, 流動資金の全部を含む)を管理する。 (2)従来財. (1) 曽康謀•厳毅「現行財政銀行体制需要改革」「人民日報」 1980 年10月 6 日。. -37. (351)-.

(4) 政予算から支払っていたすべての経済建設支出は, 一律に支出制を融資制に 改め, 信用供与基金の源泉として財政から全額を銀行へ支給し, 銀行が全般 的に按配し, 調節しながら貸し付ける。(3)財政基本建設投資を銀行融資に改 めたあと, 一般の中· 小型プロジェクトや現存企業の潜在力を掘り起こし, 技術革新・改造項目については, 銀行が国家計画の指導下に, 経済効果に従 って, 融資条件と貸付対象を決める。また重点プロジェクトの融資は, 国家 が確定し, 銀行が審査に参画する。 中国の金融機構は, 中国人民銀行を主体として, 専門銀行およびその他の 金融機構(中国人民保険公司, 農村信用合作社など)から成り立つ。 また金 中国国際信託投資公司. 財. 国. 政. 部. 中国人民建設銀行. 務. 中国 の金 融体系. 国家基本建設委員会. 中 国投資銀 行 院. 中 国銀 行 国家外国為替管理総局 中国農民銀行 中国 人 民銀行. 農村信用合作社 中国人民保険総公司. 融· 貿易上の管理機構としての国家外国為替管理総局も, 金融体系上の重要 な機構である。同総局は, 国務院の直属機構で中国人民銀行により代行管理 されているものである。また同総局は. 外国為替管理法令の制定に義務を負 ぃ, 国家の外国為替を統一的に管理し, すべての外国為替収支に対して検査 と監督を行い, その収支計画の総合 的バランスを 保持する業務に責任を 持 ち, 人民幣の外貨に対する為替相場を公示し, 国家が委譲したり中国人民銀 行が委託したその他の業務を処理する。 主要省・市・自治区と主要港湾に外 国 為替管理局がおかれている。. -38 (352)-.

(5) 以下全国的な, 統一した金融体系を形成する中国の各専門銀行の性格, 業 務範囲, 機構改革について検討する。 ただし中国農業銀行, 農村信用合作社 の部門 (2) については, 本稿では論究していない。. I. 中国人民銀行の自主裁量権. 中国人民銀行 (People's Bank of China) は 中国の中央銀行であり 全国 の貨幣. ・. 金融を 主管する機構である。 国務院の委託を受けて. 中国農業銀. 行. 国家外国為替管理総局, 中国銀行を代行している。 唯一の発券銀行であ り, また全国統一の金融方針, 政策, 利率と主要な管理制度の制定に責任を 負っている。1948年12月1日, 新中国成立以前に開業しており, 華北銀行を 主とし. 北海銀行, 西北農民銀行など老解放区に分散• 独立していた若干の 中共系発券銀行を合併したものである。 このとき各地の辺区券に代わっては じめて「人民幣」が発行され, これによってやがて中国大陸全体の幣制の統 ーが達成されることになった (3) 。 中国人民銀行は主につぎのような機能と基本的任務をもって運営されてき た。(1)国家の規定にもとづき. 貨幣発行を統一的に掌握し, 市場における貨 幣流通を調節する。(2)各単位の預金を組織し. 住民の貯蓄を吸収し, 社会主 義建設のために資金を集める。 工業. ・. 商業に対して貸出を行い. 生産発展と. 商品流通の拡大を支援する。(3)全国の受信. 貸出計画と現金計画を統一的に 制定し.. 実行する。 (4)政府の法令と権限に基づいて.. 金銀を統一的に管理. (2) 国務院の直属機構であり, 中国人民銀行によって代行管理されている。 この銀行 は晨村の受信· 貸出業務を取り扱い, 農業を援助する各種国家資金を統一的に管理 し, 農村の受信・貸出を集中処理し, 蔑村信用合作社を指導し, 農村人民公社の会 計の補導を受け持ち, 国家が委譲したり中国人民銀行が委託したその他の業務を処 理する。全国の各省, 地区, 県に分行, 支行を設け, 県以下には営業所が置かれて いる。 (3) 劉鴻儒「社会主義貨幣与銀行問題」中国財政経済出版社, 1980年, 30頁。宮下忠 雄「中国の貿易組織」アジア経済研究所, 1961年,90頁。 -39. C 353)-.

(6) し, 金融市場を掌握する。 現金管理と賃金基金の監督を主管する。(5)利率. 為替レ ー トの制定。(6)国庫収支の経理。(7)全国都市・農村の決済処理。 このように中国人民銀行は, 発券業務, 各種金融機関指導の権限を有する ほか, 国内各地には多数の店舗をもち, 預金の受け入れ等一般銀行業務をも 併せて運営されてきた。 人民銀行は, まず各省・市・自治区に分行を設けて おり,. ー. 級専区には中心支行,. ー. 級県には支行, 大都市や工鉱区には弁事処. または営業所が設置されている。比較的大きな省の所轄市には市の分行があ り, その他の省所轄市では市の支行が設けられている。 市の分行, 支行の下 (中央レペル〉. 中国の人民銀行の機構 く地方 レ ペル〉. 総 行 信貸計画局① 工商信貸局② 農村金融管理局③ 会計発行局④ 国外業務管理局⑤ 局⑥ 製 印 保険業務管理局⑦ 科学教育局⑧ 金融研究所⑨ 局® 書 秘 部⑪ 治 政 室⑫ 公 弁 司⑬ 行 政 室⑭ 察 監 注:①預金, 貸出等の総合計画, ②工業・商業部門への貸出計画, ③殷業部門への 貸出計画, ④通貨発行計画, ⑤金・銀保有, 外国為替政策, ⑥銀行券, 硬貨の 製造, ⑦保険公司の監督, ⑧研修, ⑨調査, 研究, ⑩秘害, ⑪人事, ⑫会計・ 文審, ⑬庶務, ⑭監察。 には区ごとに弁事処があり, 弁事処の下には業務の必要に応じて分理処と貯 蓄所(儲蓄所)を設けている。1979年末現在, 全国の各級人民銀行の機構は 合計1万5,000余,. すなわち省レベルの分行が29, 市レベルの分行・支行が. 148, 中心支行が220, 県レベルの支行が2,277, 都市の弁事処が886, 分理処 2,042, 貯蓄所6.790, 県所轄の弁事処2,883カ所ある。 -40. C 354)-.

(7) 中国人民銀行は, 1978年 3 月までは財務部の管轄下にあり, 貸付業務とし ては国家計画資金の分配, 生産, 流通部門への短期運転資金の貸付のみであ った。しかし調整下の経済管理体制のあり方として, 企業の自主運営, 自己 貴任, 経営効率の向上等一連の改革が提唱 されるに及んで, この分野での銀 行の役割が重視 されることとなったo 経 済管理体制の改革のなかで, 金融機構にも著しい変化がおとずれたので ある。 1980年 7 月, 中国人民銀行に対し, 融資業務の面で大幅な自主裁量権 が付与 されることとなった。これは企業の自主権拡大や連合企業体の形成に 対応する措置であった。中国人民銀行が, 国務院の直属機関としての地位を 付与 され, 自主権が確立された結果, 企業への資金調達や経営の意思決定面 で独自の判断を強めることになった。また株券発行, 信託業務も行うことが できるようになった。すなわち, 銀行業務の改善, 銀行の役割を十分発揮す ることについての つぎのような構想が う ちだ され,. 実行に移 されたのであ. る (4) 。 (1) 融資を完全に銀行の自主的決定に任せる。国は銀行融資については方向. と政策だけを規定し, 融資対象, 期間, 利率は完全に銀行の審査・決定に任 せ, その結果については, 銀行が全責任を負う。(2) 生産. ・. 流通分野の企業に. 流動資金の融資しかできないというこれまでの方法を改め, 事業単位, 文化 ・娯楽およびサービス関連業種, 建設業, 個人勤労者でも, 融資条件にかな ぃ, 返済能力があり, 経済効果がよく さえあれば, 貸し付ける。 (3) 銀行の資 金調達機能を発揮し, あらゆる手段を用いて預金を獲得する。 条件のある銀 行は, 家賃, 水道, 電気料金の代理受取り, 退職金, 給料の代理支払いや保 管 代理業務を行っ てもよい。(4) 預金を増やし (5). 企業の連合を促すため, 信託. (4). 「人民日報」 1980 年 7 月 31日(「中国人民銀行召開部分分行長座談会 一充分発揮 銀行在現代化建設中的作用」)。 (5) 通常の種類の貯蓄のほか 7 種類の貯蓄業務が新たに開始されている。 自転車・ミ シンなどの耐久消費財貯蓄, 都市住宅貯蓄. 青年結婚貯蓄·養老貯蓄・子女教育貯 蓄など特約貯蓄, 定期• 当座両用貯蓄, エネルギー・交通など 4 つの現代化特別建 設貯蓄, 華僑愛国貯蓄, 給料自動振り込み貯蓄(「 中国通信j 1981年12月 24日)。. -41. (355)-.

(8) 業務(6)を行い, 企業・機関の委託を受けて投資·融資•株券発行を行ってもよ い。 (5) 利息に関しては, ④機関,団体,学校などの単位の銀行預金に利息をつ けないという規定を段階的に改める。®企業の預金金利が低目なので引上げ を考慮する。◎一部の貸付金利は預金金利を下回っているような状態なので, 貸付金利も引上げる。⑤企業向け融資の金利は 一律でなく, 数種に分ける。 同 一種の企業でも状況に応じ高低を設け, また貸付金利の変動幅を定める。 このように銀行に融資の自主裁量権が与えられることにより, 融資の第 一 条件として当然, 新製品開発, 経営管理, 販売力などの「企業の体質」が問 われることになった。 さらに中国国内に起っているインフレに対応して, 通貨量の調整機能も強 化された。 1981年 1 月に開催された全国支行長会議では, 1981年の中心任務 として経済を安定させるために通貨発行量の抑制, 信用管理の強化を中心と したつぎのような具体策の実行を確認した (7) 。 (1) 信用供与, 決済, 現金管理, 利率等の手段をたくみに活用して預金集めに努力し, 通貨回収を強力に進め る。 (2) 国の信用供与計画を厳格に執行し, 規定の貸付指標を超えてはならな い。 (3) 流動資金の管理を強化し, 不合理な物資, 商品在庫の圧縮と流通資金. (6) 1981年10月現在, 全国241 の省·市・県レベル の人民銀行で信託部 および 信託公 司が成立して信託業務を開始しているという。信託業務 の主要なものは 預金, 貸付 および投資である。信託預 金は1年以上 の定期預 金形式で, 企業の当座預 金に比ペ. ると利率はやや高い。信託貸付金は委託貸付と信託貸付とに分かれる。委託貸付金 は, 委託単位がまず資金を預 金して貸付保証金とし, 銀行は委託単位 の指定するプ ロジェクトと要求に応じて貸付金を支払い, 運用を監督し, 返済期限で回収する。 預け入れられた保証金と 委託貸付金の利率は, 委託者と借入者双方が協議して 定 め, 銀行はそのなかから差益金を受け取る。信託貸付には1年以上の貯蔵物資貸付 金, 銀行 の許可した売り掛け前払金等をふくみ, 利率は貸付単位と銀行が協譲して 一. 定め,. 般に月間利率は0.42彩以上。投資は銀行 の信託部および信託公司が直接投. 資に当たり, 利潤分配や企業 の経営管理にも参加する. 24 日)。 (7) 新華社=中国通信, 1981年 1 月 14 日。. -42. C 356)-. er 中国財貿報」 1981年 9 月.

(9) の削 減 を 促す。 こ う し た新 し い動きのなかで, 中 国人民銀行の業務は さ らに大き く 拡大 し てい っ た。. (1)連合企業経営への参画, (2)個人企業への貸 出 , (3)情報収集活. 動, (4)国 庫債券の発行 と 元 金償還. 利子支払い事務が新 し い業務 と して加わ っ たのであ る 。 (1)連合企業への参画 。 1980年 7 月 に採択 さ れた 「 経済連合推進に関 す る 国 務院の暫定規定」 に よ れ ば銀行の経済連合に果たす役割 と し て 「銀行は信用 供与, 利率な どの経済的手 段 を 活用 して. 個別対応, 選別育成を 実行す る と と もに, 様 々 な形態の経済連合 (8) の特徴に基づいて決済業務を 行い, 各種信 託業務を試 みなければならない」 と 規定 し たが, 早 く も, 上海に銀行 出 資に よ る 共同経営 企業が 2 社誕生 し た こ と が報 じられた (9) 。 これは, 上 海 カ ー テ ン 工場 と 宝 山 県五角 場公社,. 上海第22服装工場 と 上海県島橋公社が それぞ. れ, 工場側が設備 と 技術 を . 公 社側が敷地 と 建物, 労働 力 を 提供 し て. 共 同 経営企業 を 行お う と い う もので, これに人民銀行上海分行が前者に100万元, 後者に70万元の資金を提供 し . 共 同 経営に直接参加す る こ と にな っ たもので あ る 。 これは新中国成立後, 銀行業務におけ る 最初の試 み であ る 。 3 者の共 同投資合意書によ る と , 企業が操業 を 開 始 し , 利潤 を計J:すれ ば銀行は直接 利潤分配にあずか る 。 欠損の場合も利潤分配 と 同比率で 3 者が負担す る 。 ま た銀行は. 一定期 間内 ( カ ー テ ン 工場は 2 年, 服装工場は 3 年) に, 年 々 出 資者の権利 を他の一方あ る いは双方に譲渡す る こ と ができ, 資金が全 部 回 収 さ れたあ と . 共 同 経営 から退 く こ と にな っ てい る 。 中国人民銀行への融資面での大幅な 自 主裁量権の付与は, 経済連合企業体 (8) 連合企業体の類型を さ し あ た り , 地 区 間 ・ 省市問の 連合, 業種間 ・ 部門間の連 合, 工農間 ・ 都市と 農村間の連合, 異な る 所有制間の連合, 中央企業と 地方企業間 ・ 省属企業 と 地区県・市企業間の連合, エ裔・ エ貿連合, 軍需工業 と 民 間工業の連 合, 生産企業 と 学校・ 科学研究単位間の連合に分 け る こ と がで き る (「人民 日 報」 1980年 9 月 6 日 )。 (9) 新華社=中国通信, 1980年 8 月 23 日 。 「国際貿易通信」 1980年 9 月 8 日 。 -43. C 357 ) -.

(10) の形成や企業の自主権拡大に対応する措置であ っ た ことは上述 したが, この 連合企業の設立は, 分業 ・ 協業の メ リ ッ トを最大限に生かす ことにあ っ た。 横割りの組緑もない数多 く の国営企業と集団所有制企業を連合 さ せる ことに よ っ て, 各企業間の生産や投資のだぶりを解消 さ せ, 規格の不統一を解決す る ことができる。 業種別に連合組織の公 司 を つ く る ことは, 経済効果を 一層 高めて各企業の潜在力を掘り起 こそうとする効果があ っ た。 また専門化・協 業化の原則 に従 っ て工業を再編 し , 社会化 さ れた大規模生産を行うのに有利 である (10) ことにあ っ た。 む ろ ん この連合企業は利潤拡大, 市場支配を 目 指 す資本主義的カ ルテ ルや ト ラ ス ト とは異なるが, 理事会(董事会) の決定が 強制力をもつようにな っ て く ると, 自主権の拡大ととも に 社会主義計画経済 との調整が大きな問縣とな っ て こよう。 (2)個人企業への貸 出。 他人を搾取 し ない個人経営, たとえ ば各種サ ー ビス 業, 服装加工業等は適 当 に発 展 さ せる方向 にあり, 1979年 までに営業が認め られた総数は25万件に達 し た (11) 。 198� には北京 の 2 人の個人企業家に貸 出 を実行 したが, これは個人経営者, 家内制企業支援への第一歩とみな さ れ る ( 12) 。. また中国人民銀行による リ ー ス 業務の開始があ る 。 ひとつの例と し. て, 同銀行上海市分行信託部静安 分部が上海第12棉紡織工場に, 華東計算技 術研究所製作による コ ン ビ ュ ー タ. ー. を組み 込ん だ電子監測管理 シ ス テ ム を納. め た (13) 。 (3)情報収集活動。 銀行が企業貸 出を財政から肩替り し , 責任をも っ て管理 にあたるには, 銀行自身に管理, 判断能力が備わる必要がある。 そのた め に は基礎とな る 各種経済の情報収集が肝要であり, 人民銀行は下記の 4 項 目 を 情報に関する主要任務と定 め , 総行を中心に天津, 上海等全国の主要分行, 叫 「人民 日 報」 1980年10月 18 日 (社論 「積極組織各種形式的経済連合J) 。 (ll) 新華社=中国通信, 1980年 8 月 26 日 。 u� 「朝日 新聞」 1980年 7 月 22 日 。 (13) 「人民 日 報」 1981年11月 4 日 。 -44. ( 358 ) -.

(11) 支行を連結 し て 本格的 な 情報活動 に取 り 組む こ と と な っ た (14) 。 ①市場動 向 . と く に 生産, 購入, 販売状況の 調 査 。 ②主要企業 の 経営状況の 調査 。 ③企業 側 の 委託 に よ る 専門 的調査。 ④ 国外 の 経済, 金融, 市場動 向 に 関 す る 情報収 集 と 分析。 こ う し た 情報収集活動 に よ っ て得 た結果を各地の 人民銀行は , 政 府指導 機閃 ・ 生産部門 に 経済情報 と し て 提供す る こ と が発表 さ れて い る (15) (1981年 か ら ) 。 こ れ に は 通貨 の 流通情況, 当 該地 区 の 経済構造の バ ラ ン ス . 消 費 財 の 生産 ・ 流通 に お け る 新 し い状況. 中 ・ 短 期 の 市場変動傾向, 勤 労者 家庭 の 収支変化, 企業単位の 資金効 果, 経済分野 に お け る 違法活動 な ど につ い て の 多 岐 に わ た る 情報で あ る 。 (4) 国 庫債券の発行 と 元金償還, 利子支払い事務。 中 国 国 務院は 1981年 1 月 に 「 中 華人民共和 国 国 庫債券条例 」 を採択 し , 1981年 か ら 国 債を発行す る こ と を 決定 し た 。 81年 の 国 債発行額は40-50億元で, 1 0年で元金償還す る 中 期 政府債で あ る (16) 。 さ ら に 1 年 後に は82年条例が採択 さ れ た が , 8 1 年 の 条例 を 次に掲げてお く 。 中 華人民共和国国庫債券条例 (1981年) 第 1 条 国民経済を調整 し, 安定 さ せ, 各方面の財力を適 当 に 集 中 して, 社会主義 的現代化を進め, 人民の物質的文化的生活水準を一歩一歩引 き 上 げ る た め, 1981年か ら 中華人民共和国国庫債券を発行す る こ と を確定す る 。 第 2 条 国庫債券は主 と して, 国営企業, 集団所有制企業, 企業の主管部門 お よ び 地方政府に割 当発行す る 。 機関, 団体, 部隊, 事業単位 と 裕福な人民公社 ・ 生産大隊 U4l 「 日 経産業新聞J 1980年11月 19 日 。 (15) 新華社=中 国通信, 1981年10月 23 日 。 U6) 「人民 日 報J 1981年 3 月 9 日 。 な お 国債の 買付け状況は, 1981年 3 月 末現在で湖 北省が 1 億4 ,418万元 (割 当 額を418万元超過), 浙江省 も 1 億1 , 503万元購入 して超 過達成 し た の を は じめ, 河南, 安徽, 雲南の各省では, 購入任務を各単位に割 り 当 て, 順調に購入が進んで い る と い う 。 そ の 他各省 · 市 ・ 自 治区 の直属機関 と 党 ・ 行 政指導部門, ま た 人民公社 • 生産大隊 • 生産業 さ ら に人民解放軍が積極的 に 国債 を購入 してい る と い う 。 中央の企業主管部門で も , 第三機械工業祁. 商業部な ど10 単位が 1 億9 , 669万元 (割 当 額超過) 購入す る な ど, 国債は各方面で 積極的に購入 が進んでい る (「人民 日 報J 1981年 4 月 12 日 ) 。 -45. ( 359 ) -.

(12) は適宜に応募 で き る。個人 も 自 由 意思によ っ て購入で きる。 第3条 し,. 国庫債券の年間発行額は,. 国務院が 確定 し,. そ の年の 1 月 1 日 か ら 発行. 6 月 30 日 ま で に 納付を終え, 7 月 1 日 か ら 利子を計冥する。. 第4条. 国庫債券の利率は, 年 4 分 ( 4 %) と する。 国庫債券の利子は元金を償還. する際に 1 回支払い, 複利計尊は し ない。 第 5 条 国庫債券は, 人民元を計算単位 と する 。 国庫債券の額面は, 10元, 50元, 100元, 500元, 1 , 000元, 第6条. 1 万元, 10万元, 100万元 の 8 種類 と する。. 国庫債券は発行後 6 年 目 か ら 1 回抽選を行い, 発行額を 5 年 に 分けて 5 回. で元 金を償還する こ と と し, 毎回総額の20%を償還する。 第7条. 国庫債券の発行 と 元金位逗, 利子支払い事務は, 中国人民銀行 および そ の. 第8条. 国庫債券で集ま っ た 資 金は, 国務院が国民経済の発展 と 総合的均衡の要消. 第9条. 国庫債券は, 通貨 と して流用 さ せ て は な ら ず, 自 由 に 売買 し てはな ら な い。. 第10条. 国庫債券を偽造 し, 又は国債庫券の信用を傷 つ け た 者は, 法 に 照 ら して処. 所屈機関が取 り 扱 う。 に基づ き , 統一的に使用 する。. 罰する。 第1 1条. 国庫債券条例 の解釈は, 国務院が財政部に 権限を授けて行わせる。. 中 国人民銀行の 貸 出 ・ 預金金利 に つ い て は , 国 務 院 は 81年12月 , 中 国 人民 銀 行 の 「 銀行預金金利, 貸 出 金利 の 調整に 関 す る 報告」 を承認 し た が , そ の 報告で は , 現在 の 銀行 の 預金金利, 貸 出 金利 の 不合理性, 問 題点を指摘 し た の ち , 大体 に お い て文化大革命以前 の 水準 に 戻すべ き で あ る と し て 具体的 に つ ぎ の よ う な 手直 し を す る こ と を 公表 し た (17) 0 (1)預 金 の利息計算の範囲を拡大 し, 公共体向け定期預 金を開設する。 企業体, 機 体, 学校向け定期預 金 (地方 の財政繰越 金 の 預 金を含む) を設け, 金利は普通 関, 団 預 金よ り やや高 く して, 信用貸付資 金源 の拡大, 安定をはかる。 (2)定期貯蓄預 金, 華僑人民元貯蓄預 金 の 金利を 引 き 上げ, 8 年 の 長期貯蓄預 金を増設 して, 一層多 く の 消費資 金を生産資金に 転化させる。. (3)貸出 金利を文化大革命以前の年利 7 . 2% の水. 準に回復さ せる。流動資 金 貸 出 と 中 ・ 短期設備貸出 に異な っ た利率を採用する こ と に よ り , 企業が経済計算を 強化 し, 資金を節約 し, 資 金 の回伝を速めるよ う に さ せる。 (4)期限切れ貸付 金 , 流用貸付 金を新たに設ける。手直 し後の金利 にそれ ぞれ20%, 50 党 の加算利息あるいは懲罰利息を かける。 聞. (5)農村人民公社 ・ 生産大隊の経営管理の. 新華社= 中 国通信。1981年12月 30 日 。. -46. ( 360 ) -.

(13) 改善を促すた め, 農業貸出金利を適 当 に 引 き 上げ る 。 た だ し工商業企業貸出金利 よ り. 低 く す る 原則を実行 して, 各種生産資任制を強化 し発展 さ せ, 農業生産の発展を支援 す る よ う にす る 。. (6冷弁企業向け人民元貸出 金利 は, 新規定ま で, 国務院の承認 し. た 「 中国銀行の合弁企業貸出暫定弁法」 の規定 に も と づいて 国 内工商業企業の貸出金 利を適用 す る 。 (7)農村信用協同組合の預金 ・ 貸出 金利 は, 銀行よ り 高 く て よ く , 中 国農業銀行総行に 委託 して, 各省 • 市 ・ 自 治区政府 と 協議の う え地元の実情に も と づ い て決め, 人民銀行総行の認可を求め る も の と す る 。. (8)知識青年集団企業貸付金,. 民族用 品生産 • 取引 貸付金, 省エ ネ 貸付金, 地方建材生産貸付金, 農村都市小映画館. 建設貸付金に対 しては, 1日規定に 従 っ て優遇金利を採用す る 。 すでに優遇金利を採用. してい る 食糧油脂貸付金に対 し て は, 手直 し 後の 貸出金利の 5 割 引 , す な わ ち 年利. 3. 65lる の優遇金利 と す る 。 県営お よ び 人民公社 • 生産大隊経営の小型水力発電貸付金 は 旧金利の ま ま で手直 し し な い 。. (9)国務院の規定に従っ て, 金利 は 中 国人民銀行が. 集 中 的統一的に管理す る 。 金漁部門以外の と こ ろ はすぺて勝手に利率を定め る こ と は. で き な い 。 国務院が認可 し た財政支 出 を 貸 し付 け に 改め た分の利率お よ び 中 国人民銀. 行が権利を与えた 場合を除 き , 各専門銀行そ の他の金融機関 は 一律に国務院の認可 し. た統一利率を適用 し, 勝手に利率を定め る こ と はで き な い 。 中国人民銀行は, 国務院 の認可 し た 枠 内 で, 各種の利率を決め て よ い 。. 各企業や機関か ら の銀行預金利子お よ び 貸 出 金利は82年第 I · 4 半期 か ら , ま た 個. 人預金利率は同年 4 月 1 日 か ら そ れ ぞれ引 き 上げ る こ と を決定 し た 。 1.. 目. 銀行預金金利 (単位 : 年利率%) 項. 旧金利. 新金利. 1 . 80. 1 . 80. 普通(企業体). ) 体 ( 単 位. 定期(企業 ・ 事業体, 機関団体). 2 3. 預 金. 年 年 年. 団. 3 . 60. ' :. 金. 目. 定 期. 店. 1 3 5. -47. 年 年 年. 目. 普 通 定 期 6 カ月 1 年 3 年 5 年 8 年. i. 5 .04. 項. 〖! �. 4 . 32. 人 民. 項. 旧金利. 新金利. 5 .76 6 .48 7 .20. 6 . 48 7 . 20 8.28 1. ( 361 ) -. 旧金利. 新金利. 2 . 88. 2 . 88. 4 . 32 5 . 40 6 . 12 6 . 84. 4 . 32 5 . 76 6 . 84 7 . 92 9.00.

(14) (単位 : 年利率彩). 2 . 銀行工商業貸出 金利 項. 目. 動 資 金 貸 出 短期設備 ・ 大修理貸出 1 年 以下 1 年 - 3 年以下 3 年- 5 年以下 期限切れ貸付金 の加算利息 流用貸付 金 の 懲罰利息 流 中. ・. 旧 金利. 5 . 04. 7 . 20. 5 . 04 5.04 5 . 04 20劣増 50%増. 5 .04 5 . 76 6 .48 20%増 50%増 (単位 : 年利率%). 3 . 銀行農業貸出 金利 項. 目. 国 営農業生産費用貸出 国 営農業生産設備貸出 公社 ・ 大隊農業生産費用 貸 出 公社 ・ 大隊 農業生産設備貸出 公社 ・ 大隊 企業 内 の 栽培業 · 養殖業 生産 費用貸 出 公社 ・ 大 隊 企業 内 の 栽培業 ・ 養殖業 生 産設備貸出 農 業 機 械 特 別 貸 出 予 約 買 付 金 貸 出 公 社 員 個 人 貸 出. 新金利. 旧 金利. 新金利. 4.32 4 . 32 4.32 2 . 16. 5 . 76 5 . 04 5 . 76 4 . 32. 4 . 32. 5 .76. 2 . 16. 4 . 32. 2 . 16 4 . 32 5 .04. 4 . 32 5 . 76 5 . 76-7 . 20. 注 : ①工商業流動資金 貸 出 金利は全人民, 集 , 個人工商業に適用 さ れ る 。 • 生産大隊経営の エ商業 企業に ®国営農場経営 のエ商業 企業, 人民公社団 ついては流動資金 貸出と中・短期設備貸出は, それ ぞれ工商業流動資 金 貸出と中 ・ 短期設備貸出 の 金利を適用す る。. ]1. 中国銀行 の信託業務の拡充. 中国銀行 (Bank of China) は, 「中国銀行設置条例」 (1950年) に 基 づ い て設立 さ れた唯 一の外国為替専門銀行であ って, 外国為替な ら び に 国際金融 部門を担当, 主と し て輸 出 入為 替, 貿易金融を取扱って き た。 北京 に 総行を 置 き , 国内外の重要地 に 支行を設けてい る 。 中国銀行の歴史は古く, 清朝の中央銀行と して生 まれた戸部銀行 に は じ ま. -48. ( 362 ) -.

(15) る。 中国銀行の名は, 1912年北京に設立されたときには じまる。 1928年国民 政府が成立すると, この政府特許の外国為替銀行とな り , さらに1935年国民 政府の銀行統制政策の結果として, 同行は中央, 交通, 中国農民の 3行とあ わせて政府 4 行の 1 つとなった。 新中国成立以後, 同行は公私合営銀行とな り, 外国為替業務, 華僑送金業務等を専門的に営むようになった(18) 。. そし. て対外経済 ・ 貿易 関 係の積極化に伴って その業務範囲を拡大させてきた。 と いっても1970年代末までは, 中国銀行の業務範囲も独 占的立場にある専門機 関としては, 必ずしも大きくはなかった。 しかし 「 4 つ の現代化」 へ向けて の対外経済交流の活発化, 稽極的な外貨獲得 策の展開により, この銀行の存 在は重要な地位 を 占めるよ う になった。 1979年 4 月 , 国務院 直属の外国為替業務専門銀行に昇格したことで, 中国 銀行も内外支店の拡充と業務範囲の拡大で著しい進展を遂げたのである。 同 銀行の章程 (定款) も改正され, 1980年 9 月 に新章程が公布 ・ 施行された。 中. 国 銀 行 の. 機 構. I 一国 際業務部(対外業務ー コ ル レ ス ・ 借款・補償貿易) I 外 踵 部(外国為替売買) 管 甑 部(外貨資金管理) 桔 核 部(支店統轄) 歴!Ji'.会 財 会 部(内 外決済の経理) 調 研 部(瀾 査) 営 業 部(支店業務) 行 長 弁 公 室(総 務) 接 待 処(接 遇) 刷行長 資 金 部(貿易 ・ 貿易外の資金管理) 信 貨 部(国 内 貿易関連機関への元 ・ 外貨貸出) ' 人 事 部(人 事) 総合計画部(阿易 ・ 貿易外の 外貨収支計画の作成) 一 国際金融研究所(外国の 金融・経済の調査・研究) 出所 : 日 中経済協会 「 中国経済関係機構組織図一覧」 1981 年 2 月, 54頁。 nBl 宮下忠雄, 前掲害, 9 1-92頁, お よ び同 「 中国の通貨金融制度J ア ジ ア 経済研究 所1965年, 107-108頁。 -49. C 363) -.

(16) それ によると, まず中国銀行は, 社会主義国営企業であり, 外国為替専門銀 行(第 1 条) であり,. 資本金は 10億人民元(第 4 条) ,. 外国為替資金を準備. し, 運用し, 蓄積し, 管理すること. すべての外国為替業務を取り扱 う こと, 国際金融活動に従事すること(第 2 条) を任務としている。 そしてつ ぎの11 項 目 の業務の取り扱いが 規定された。 (1)貿易および 貿易外取引 に 関連した 国際決済, (2)国際銀行間の預金および融資, (3)華僑送金とその他外国為替. (4)外貨預金, 融資および外国為替業務に関連する中国人民銀行が許可した人. 民幣による預金および融資, (5)外国為替(外国通貨を含む)の売買 . (6)国際 市場における金の売買 . (7)国際銀行団による融資の組織あるいは それへの参 加, (8)外国, 香港, 澳門などの地区への投資および銀行, 財務公司, その他 企業との合弁経営, (9)国家の授権に韮づく, 外国通貨建債券およびその他の 有価証券の発行,. UO) 信託と コ ンサルテ ィ ン グの提供, Ull 国家の許可,. 委託に. よるその他の銀行業務の実施。 組織は. 理事会を置き, 理事長, 副理事長. 常務理事, 理事などで構成(第 8 条) ,. その他理事会,. 監事会の任務などが. 1980年末で 国内 114支店, 海外. 規定されている。 中国銀行の 支 店の数は,. 206支店に急拡大している。 支 店の内訳は, 香港, 澳門に196, シンガ ポ ー )レ に 6 . イ ギ リ スに 3 . )レクセ ン プ ル グに 1 とな っ ている。 1981 年にはニ ュ ヨ. ー クとパ. リ に代表部を開 設している。. ー. 方在中国の外国銀行事務所は 14 行. 一. である(日本は東京銀行, 日本興業銀行) 。. コ. ル レ ス 関係もすでに 144カ国 ・. 地域の1 , 033行に及んでい る 。 外国為替銀行としての業務内容でとりわけ興味深いものが, 信託 . 諮詢業 務である。 中国銀行の勘定収支にはすでに信託勘定の残高 (1979 年末現在 3 億1, 000万元) (19) がみられるが.. これは海外からの旅行小切手の預り分等で. あり, ここでいう業務の関連ではない。 わ が国銀行で取扱う信託業務とも性 格を異にしている。 あくまで補償貿易, 合弁事業を推進するための国内外企. U9). 「国際貿易」 1980年 6 月 10日。. -50. ( 364 ) -.

(17) 業 の 紹介, 斡旋,. コ ン サ ル タ ン ト 等 を 主要業務 と し て い る 。 具体的 に は ,. 1980年12月 に 新設 し た 中 国銀行本店信託諮詢 部 の 業務案 内 す な わ ち , 主な も の と し て , ①輸出入企業の推薦, ③ 信用 調 査 , ③市場調査 , ④補償貿易, 委 託加工, 合 作生産,. リ. ー. ス 業務 を 行 う 企 業 の 推薦 , ⑥ 中 国企業 の 債務履行 に. 対 す る 保証, に そ の 内 容 を う か が う こ と が で き る (20) 。 合 弁事業へ の 貸 付 は 中 国銀行の 新 し い業務 と し て特徴づけ ら れ よ う 。 貸付 の 種類 と し て は , ①流動資金貸付 ( 商品 生産 と 流通過程で必要な 短期 運転資 金) , ② 決済資金貸 付 (国 内 , 国外で の 商 品 代金回 収 ま で の つ な ぎ資金) , ③ 設備資金貸付 (事業 の拡大, 設備更新 の た め の 短期資金) が あ る 。 ま た人民 元, ま た は 外貨建貸 出 条件 と し て は , ① 中 外合資経営企業法の 遵守, ②資本 金 は 両 当 事者 よ り 集 め ら れ, 自 己資金 と し て 一定額の 流動資金を所有 し て い る こ と , ③元利 の 支 払 は 保証 さ れ ね ば な ら な い , 銀行が必要 と 認め た 時 は , 合弁企業 は 担保, 保証状を提供す る (21) , な ど で あ る 。 地方分権化へ の 対応 も 活発化 し て い る 。 中 国銀行の 信託業務は ま ず天津, 大連の 2 支店 に お い て 1980年 4 月 よ り 取扱 い が 開 始 さ れ た 。 こ こ で の 銀行 と し て の主要 な 任務 は , 補償貿易 に 伴 う 生産設備, 機械等 の 輸入 に 際 し て の 輸 入代金を. 当 該設備 で 生産 し た 商 品 対価で返済す る ま で 輸 出者側 に 支払保証 を 行 う こ と に あ る 。 保証額 に つ い て は , 支店 の 規模, 経験等 に よ り 限度額 を 異 に し て い る 。 な お 信託諮詢業務は 1980年12月 以来. 本店 を は じ め 北京, 広 州 , 上海等 の 店舗15で開始 さ れて い る (22) 。. さ ら に 中 困銀行北京分行は 信託. 投資業務を発展 さ せ, 秋極的 に外貨預金を調達す る た め , 1981年 2 月 , 北京 信託投資公司 を 設立 し て い る 。 そ の他各地に 信託投資公 司 が つ づ い た ( こ れ ら 公 司 に つ い て は IV に述べて い る ) 。 短期外貨貸付 に お い て も , 支店 の権限が拡大 さ れ て い る 。 地方で の 貸 付, (20) 日 中経済協会 「 中 国 の貿易制度改革 と 地方の対応」 1981年 4 月 , 142頁。 (21) 同 上書, 143頁。 四 同上舌, 143頁。 -51. ( 365 ) -.

(18) 回 収の立案は分行が行い, 地方の計画委員会, 進出 口 管理委員会との調整を 経て総行より認可される。 個別貸付は認可の範囲 内 で管理権限に基づいて分 行が審査し, 認可, 実行, 回 収をはかることとなった。 このような地方の分 行への権限への委譲は, 外貨獲得, 外資導入政策を金融面から支援しようと するものであった。 金融面からの諸改革が促進 さ れるなかで, 中国銀行の役 割は重要性を帯びて き たが, とくに外資調達・運用の多様化はめま ぐ るしい ものであった。 つ ぎにいくつかの点から検討してみよう (23) 0 (1)国際金融市場への参画。 中国銀行の業務のなかでとりわけ目立った活動. をは じめたのは, 国際金融市場への進出である。 第 1 は, 国際 シ ンジケ ー ト ロ. ー. ン ヘの参画しは じめたこと。 定 款では, 上述したように, 国際銀行団に. よる融資の組織あるいはそれへの参加が規定されたが, 外国企業の債券 引 き 受けの実績としては, たとえば 1980年 8 月末に フ ラ ン スの国有銀行ク レデ ィ • リ ヨ ネ ガ ア ジ ア ダ ラ ー市場で発行した 3 , 000万 ド ルの債券の引 き 受け 幹事 団に初めて加わったし <24> 受け幹事行. (3, 000万 ド ルのうち中国銀行香港支店が共同引 き. Co-Manager として200万米 ド ル) , またシ ン ガ ポ ー ル市場で発. 行する 2, 500万米 ド ルの ド ル建て債の 引 き 受け幹事団にも参加している (25) 。 第2は,. フ ァ イ ナ ン スカ ン パニ ー 等への 参画である。 定 款では外国,. 香. 港, 澳門などの地区への投資および銀行, 財務公司, その他企業との 合弁経 営が規定 されたが, すでに実績としてつ ぎの 2つの合弁金融機関の設立に参 画している。 いずれも香港が本店で, 外資運用, 調達の多様化を目的として いる。 中芝興業財務有限公司. (CCIC フ ァ イ ナ ン ス。 1980年 7 月資本金 1 , 000. 万香港 ド ルで設立。 出資比率中国銀行30彩, 日本興業銀行 30%,. F. N. Chi­. cago 30%, 華潤公司<香港 >10% 。 日米の中国進出企業への仲介融資, 金 融面での ノ ウ ハ ウ の提供などが主要業務) 。 金東財務有限公司(資本金250万 閾 (24). 同上書, 138頁。 「日経産業新聞」. (25) 「日本経済新聞」. 1980年 9 月 3 日。 1980年 9 月 1 日。 -52 ( 366) -.

(19) 香港 ド )レ, 出 資比率中国銀行15%, 東京銀行50彩, 金城銀行35彩, 東南ア ジ ア 地域の中進国向 け融資. 中国へ 進 出 する合弁企業への融資, 貿易金融等を 主要業務) 。 第 3 は外貨建債券およ び その他の有価証券の発行である。 これも定款に規 定され, 中国銀行の債券発行による資金調達の道が開かれたが, 実績は未だ ない。 (2)外貨借款, 中国は過去において外国からの借款には慎重な 態度でのぞん できたが, 1978年以来積極的に受け入れるようにな っ た。 日 本をはじめ 欧米 先進国との借款交渉が進み. 中国銀行が この分野でも大きな 役割をにな っ て いる。 したが っ て こ こで, 日 本からの借款 問題に視点をあて瞥見 し ておきた い。 中国が1978年に 「 外国から借款, 投資, 援助は受け入れない」 との 3 原則 を全面的に撤 回 し ていらい, 日 本からもい く つかの融資ル ー ト が準備されて きた。. 一. 般に資金協力の形態と し ては, (1)輸 出者が供与する延ぺ払い信用 ,. (2)市中銀行の資金供与, (3)輸 出 入銀行の融資, (4)政府借款の供与, が考え ら れるが, 日 本からの融資につ いても これら各種の形態が考慮された。 交渉が 積み重 ねられた結果, 1979年末に至 っ て 各種の 金融協力 が 具体的に実現 し た。 日 本側からみての各種協力の状況であるが, まず民間 ベ ー ス での金融協力 である。 対中 プ ラ ン ト ・ 技術輸 出 は これ まで, 中国側は ド )レ建てOECD ガ イ ド ラ イ ン (期 間 2 - 5 年, 年利7 . 25彩, 5 年を超える場合 7 . 5形)並みの金 利条件を主張 し , 日 本側は円 建てを主張 し たた め 双方の合意が得られず, 多 く は現金払いで契約されてきた。 し か し 日 中長期貿易取り決め では, 原則と し て延べ払い信用 で扱われる ことが同 意された。 市中銀行による対中協調融資は1979年 5 月 に調 印された。 この融資は, 日 中長期貿易取り決 め に基づ く 対中 輸 出 の決済資金にあてられるもので, 邦銀 ゜. 22行が総額20億 ド ルを 期間 4 年半, 金利は 6 カ月 物ユ ー ロ ド ル金利 フ ラ ス -53. ( 367 ) -.

(20) 0 . 596の条件で中国銀行に貸 し 付ける長期金融と, 邦銀31行が 期 間 6 カ月 , 金利は 6 カ月 物ユ ー ロ ド ル金利 プ ラ ス 0 . 2596の条件で総額60億 ド ルを 貸 し 付 ける短期 貿易金融の 2 本立てにな っ ている。 政府ベ ー ス の金融協力については, 日 本輸 出 入銀行の対中資源開発融資が 市中銀行融資と時期 を 同 じ く し て合 意・調 印 された 。 この融資は, 中国が将 来 日 本な どに輸 出 する石油 • 石炭の資源開発を促進させるため のもので, 中 国銀行に約20億 ド ルを限度とする円建て融資 を 行う ことになっ た。 年6 . 2596 の固定金利で融資期 間は約10年の長期となろう。 2 国間の資源開発関係のア ン タ イ ド ・ ロ ー ン と し て, また政府系金融機関の中国向 け融資と し て世界最 初のものであ っ た。 具体的 プ ロ ジ ェ ク ト と し ては石炭共同 開発があり, 1985 年に石炭1 , 000万 ト ン の対 日 輸 出 を 実現すべ く , 中国の 7 鉱山(西 曲 , 蒋庄, 飽店, 馬蘭, 鎮城底, 銭家営. 四台溝)を対象に毎年 2 億 ド ル, 5 年で計10 億 ド )レの開発 ロ ー ン 供 与を決めている。 融銀融資につ づいて1979年末には大型の政府間借款が実現 し た。 この借款 は中国が, 輸銀資金よりも融資条件の緩やかな海外経済協力基金による 円 借 款 を要請 し て きたものである 。 これを受け て 日 本は, 中国のつ ぎの 6 項 目 の プ ロ ジ ェ ク ト に 対 し て総額 3,300億 円 (約15億 ド ル)の 円 借款 を供与す る こ とに した。 (1)石 臼所港建設(山 東省, 協力資金2 .2億 ド ル) , (2)尭州一石 臼所 間 鉄道建設(山東省, 同1 . 65億 ド ル) , (3)北京一秦皇島間 鉄道拡充電化(北 京市, 河北省, 同3.75億 ド ル) , (4)京広線衡陽一広州間の複線化工事(湖南 省, 広東省, 同1 .06億 ド ル) , (5)秦皇島港拡充(河北省, 同1 . 04億 ド )レ) , (6) 五強淡水力発電所建設(湖南省, 同 5 .30億 ド ル) 。. 条件は金利が年率3 % ,. 償還は10年据え 置き期 間を含 む30年である。 借款協定調印では, 機器調達に 国際競争入札方式がとられる ことにな っ た。 必要費用 はすべての借款分から 支払われる ことが公布 (26) されている。. 凶. この円 借款により中国は,. 「人民 日 報」 1980年 7 月 16 日 。 -54. C 368 ) -. ィ ンフ ラ.

(21) ス ト ラ ク チ ャ 一 部門 (鉄道, 港湾, 水力 発電な ど) を整備 し , 生産力上昇の 基盤をつ く ろ う と している。 深刻なア ン バ ラ ン ス を調整中の中国に と っ て, 日 本が政府 レベルでの資金協力に乗り出 した こ と の意義はきわ めて大きか っ た。 すなわち借款供 与 と いう形で 日 本政府が中 国の近代化に深 く 関与 した こ と になる と いう意味にお いてである。 わが 国は1979年の初年度分500億 円 に次いで80年の第 2 年度分560億 円の政 府 借款供与を上記 6 プ ロ ジ ェ ク ト につ いて約 束 し てきた。 こ のうち華南地区 の鉄道 ト ン ネ ル (大瑶山 ト ン ネ ル) と 水力 発電 ダ ム (五強淡 ダ ム ) の 2 件分. 435 億 円 は, 上海宝 山 製鉄所第 1 期工事分と 大慶石油化学 プ ラ ン ト の 2 つの プ ロ ジ ェ ク ト 建設のための国内資金充当 用 と して, 商 品借款に転用 す る こ と にな っ た 。 ま た81年の第 3 年分と し て 600億円 借款供与が合意され,. これで. 3 年分1 , 660億 円 の政府開発援助供与枠が設定された こ と になる (27) 。 と こ ろが中 国の経済建設に対する 日 本の資金協力は, その後中国側の借り 入れ需要が低調の た め 足踏みを続けた。 これ ま での契約承認分は60数億 円 に す ぎ ず (1981年 末現在) , 実際に支 出 さ れた 消 化額は その半分にも 満たな い。 これ ほ ど著 し い状況は発展途上国のなかでも異例に属 し よう。 上記の, 民間銀行団が中国銀行向 けに設定 し た合計80億 ド ルの融資わ く も殆 ど利 用 さ れていない。 海外経済協力基金による円 借款も, ご く 少額 し か使われていな い。 日 本輸 出 入銀行による資源開 発 向 け 借款は比較的順調に進んできたもの ゜. の, 同 行の輸 出延べ払い金融にはかげりが み えている。 各種フ ロ ジ ェ ク ト の 全般的な遅れや , 新規 プ ラ ン ト 建設の抑制, 契約済みのプ ラ ン ト 輸入の中止 にみられる経済調整の動きを反映 し たものであ っ た。 (3)海外支店網の拡充。 中国銀行は香港, シ ン ガ ポ ー )レ, ロ ン ド ン に支店を もち, 海外での営業活動の拠点 と してきたが, 1979年には)レ ク セ ン プ ル グに 支店を新設, 外資調達, 運用 , 有利な起債市場での活動を策 している。 1980. 岡. 「 日 本経済新聞」 1981年12月 18 日 。 『毎 日 新聞」 1981 年12月 1 5 日 。. -55. ( 369 ) -.

(22) 年には東京に駐在員事務所を開設,. ニ. ューヨ. ー. クでは情報の収集活動が行わ. れている。 中国銀行は, 香港を営業基盤とする中国系銀行, すなわ ち交通銀 行, 中南銀行, 金城銀行など 12の銀行と姉妹銀行の関係にあり, こ れらの銀 行は香港内に 140余の支店を設置して 中国系企業を中心に, 地場企業をも取 引 対象として地歩を固めている。 中国銀行としての今後の問題点としては, 大幅な自主裁量権のなかにあっ て, 国家為替管理総局, 中国国際信託投資公司など, 新しい強力な国家機関 との関係であ ろ う。 さらに財政部は依然として監督の役割を演じており, 中 国銀行と こ れら機関との調整も今後の課題であ ろ う。 頂. 中 国 人民建設銀行 の 業 務改革. 中国人民建設銀行 (People's Construction Bank of China) は, 固定資 産の投資を取り扱う専門銀行で, 基本建設の予算支出, 決算および財務の管 理, 基本建設資金の支出, 貸付け業務, 企業の潜在力発掘 ・ 改造資金, つ ま り技術者のために使う資金の管理を行うなど, 銀行と財政の二重の役割・ 機 能をもつ (28) 。 同銀行はすでに, 1954年 9 月に設立されており, 主要な各省・市・自治区 に分行を設置していた。 国家基本建設に関係する財政資金供給機関として, 徐 々 にその組織と業務範囲は拡大されてきたが, 1978年 ま では, 実体的には 財政部の下部機関として. 単なる政府の基本建設の支出予算と財務を管理す る権限を有するにすぎなかった。 しかし 1979年以降, 中国の経済建設事業の発展と経済管理体制の改革に伴 い, 他の金融機関が機能を拡大するのに対応して, 中国人民建設銀行も業務 の大改革を実行した。 すなわ ち固定資産投資に対する管理を強化するため, 上述したように国家の基本建設財政資金と潜在力発掘 ・ 改造用資金の管理責 (28) 劉礼欣 「 中国人民建設銀行の役割と業務 内 容」 「 日 中経済協会会報」 1981 年 1 月 号, 14頁。. -56. C 370 ) -.

(23) 任 を負 う こ と に な っ た 。 基本建設投資を財政支 出 か ら 逐 次同 銀行の貸付け に 改 め . 建設融資項 目 は すべて. 国 家財政で 予算支 出 と し て 同 銀行 に 交付 さ れ る こ と に な っ た (第 5 期全人代第 3 回会議 に お い て 1981年 よ り 全面的 に推進 す る 旨 決定) 。 中 国人民建設銀行 は そ れ を貸 付基金 と し て 融資で き る よ う に な っ た 。 同 時 に 同銀行 の 国務 院 の 直属 機関 に 改 め , 財政部 と 国家基本建設委 員 会が代わ っ て管轄す る こ と に な っ た 。 つ ま り 独立採算制 を 実行 し . 業務収 入 が あ り . 返済能力 の あ る 部 門, た と え ば工業, 交通運輸, 農林, 畜産, 水産. 商業. 観光, 文 化 な ど, 各事業体 の 基本建設資金は す べ て 中 国人民建設銀行 か ら 貸 し 付け る こ と に な っ た の で あ る (政府行政支 出 . 国防, 科学研究. 文 化 ・ 教育, 医療 ・ 衛生な ど の 資金は依然 と し て 財政部か ら 支給 さ れ る ) 。 こ の よ う に 1981年 か ら は . 同 銀行 は 完全 に独立 し て. 国 家計画 に 組み入れ ら れ た基本建設 プ ロ ジ ェ ク ト に融資す る 権 限 を 持 ち , 各企業へ の 強 力 な 察権. ”. も 有 し た 。 資金を合理的 に 節約 し て 使用 し ,. ‘. 査. 投資効 果を あ げ る た め. に . 建設銀行 は 国 家が批准 し た基本建設計画. 順序. 財政予算 と 工事進捗度 に 照 ら し て資金を供給 し . 事前の監督 と 事 後 の 検査 を 実行す る 。 ま た各省 ・ 市 ・ 自 治 区 な ど地方の 建設項 目 に つ い て も . 地方政府 か ら 建設銀行 の 分 行 に 交 付 さ れ た資金を, 分行が責任を も っ て管理す る (29) 。 な お 財政資金の 融資期 間 は , 原則 と し て 4 年 (例外で も 6年 を超え な い) . 率は. 一. 般事業 が月 0 . 33%, エ ネ ルギ. ー. 償還期 限30-40年 で利. , 木材節約設備 は 同 0 . 21形 と い う 厳格. な 融資基準が 明 ら か に さ れ て い る 。 な お 中 国各地 に 専 門 公 司 . 経済連合企業体が設立 さ れ て い る が. 中 国人民 建設銀行 も 他機関 と 共 同 出 資 し て 連合企業をつ く る 事 例 が 増え は じ め て い る 。 た と え ば. 国家建築工事総局 と 共同 で北京 に 設立 さ れ た 中 国家屋建設開 発 公 司 が そ れで あ る cso). c社会化 さ れ た 生産方式に よ り 家屋を建設す る 連合. 企業で. 都市計画 ま た は 地域計画 に 基 づ い て土地を購入 し , 家屋建設の設計 (29) 日 中経済協会, 前掲書, 1 50頁。 (:Jl) 新華社=中国通信, 1981年 3 月 8 日 。. -57. (371 )-.

(24) ・ 施行を行い, 家屋の販売 ・ 賃貸を営む) 。 基本建設資金の融資に対する建設銀行の具体的な管理 と 監督 は, 主 と して つぎの 4 つの手段を経て行われる。 劉礼欣中国人民建設銀行総行副行長の説 明 (al) (1980年 10月来日,. 「中国人民建設銀行長期投資訪日考察組」) から記. 述する。 (1) 国家計画に基づく融資。 建設銀行は 国家計画に組み入れられている工事. にのみ資金を供給し計画外のものには 供給しない。 計画の実行過程で新たな ア ンバ ラ ンスが生じるこ と もあるが, 建設銀 行 は 全国の建設現場に分行, 支 行を設けており, 基本建設の進展状況を機敏に報告し, 計画中の問題点をみ つけて解決策の提案をする。 建設銀行は建設部門および建設単位 と 協力して 建設を行い, 国家の投資を重点項目に優先的に使う。 また建設の進展状況に 照らして適時投資バラ ンスを調整し, 改善する。 調査研究をも と に計画部門 と 主管部門に対して, 計画の調整 と 次年度計画についての提案も行 う 。 (2)某本建設の順序に基づく資金の提供。 基本建設の順序 は 5 段階である。 すなわ ち, プロジェク ト の計画任務書を制定し, 初歩的に設計をし, 施工の ための青写真を 作り, 建設施工し, テストを行ってから生産を 開 始する。 プ ロジェクト計画任務書の段階では, 建設銀行は 実地調査, 設計に必要な資金 提供をする以外 は 資金を提供するこ と はない。 初歩的計画の段階では, 建設 前期の準備活動に必要な各項目の費用を支払うだけである。 施工の青写真が 批准されて, 建設施工が開 始されてから工事費を支払う。 また同時に建設銀 行 は 設計書類にある概算 (予算) の審査をして, 建設資金を節約し, 基本建 設 の 経済計算をする。 (3) 財政予算に基づく資金の提供 。 建設銀行は 国家が査定した予算の範囲内. で資金を提供する。 建設銀行は建設単位を助けて資金バ ラ ンス を保 ち 資金の 潜在力を掘りおこすこ と によって基本建設の財務計画を作成する。 また建設. (31) 劉礼欣, 前掲論文, 15�16頁。. -58 C 372)-.

(25) 銀行系 列の上下のつなが り を通 じて, 各部の基本建設財務計画を審査 ・ 批准 し , 甚本建設予算を編成する。 (4)工事の進展に応 じた資金の提供 。 建設単位と建築企業の間では等価交換 の原則に基づいて決算処理をする。 双方は工事の完遂量を計算 し , 批准 さ れ た予算価格に基づき竣工価値を計算 し , 建設銀行を 通 し て決算をする。 国家建設プ ロ ジ ェ ク ト に海外から導入 し た技術・設備を利 用 する場合も多 く , し たが っ て中国人民建設銀行は, つ ぎのような海外関連業務も併せ行 っ ている (32) 。 (1)外国から技術 ・ 設備の導入のた め に外資を利 用 して,. 国家財. 政 からその返済が行われる場合, 建設銀行は財政部から委託を受け, その案 件を審査 し 認可する。 その後に, 外国と導入契約が結ばれる。 (2)導入する技 術 ・ 設備につ いて国内で資金を支払う場合は, 建設銀行が その資金を提供, あるいは貸付ける。 (3)中国銀行, 中国国際信託投資公司と提携 して, 中国の 企業が外国企業と中小型の補償貿易を行う場合, そのために工場設備を改造 し た り 設置 した り するときは資金を貸付ける。 (4)中外合資経営企業の中国側 の資金を 貸 付ける。 ( 5)海外での建築業務を請け負う中国海外建築公司に, 生 産資金と流動資金を提供する。 (6)経済特別区 (蛇 口 )の基本建設に対 し , 資 金の提供, あるいは貸付ける。 (7)海外輸 出 用の工業製品を生産する企業に資 金を提供. 貸 出 しを行い, これらの企業が生産を増加 し , 品質を 向上 さ せ, 品種を豊富に して包装技術を改善 し , 輸 出 能力を高め. 国際貿易を発展 さ せ るよう援 助する。 外資導入部 門と しての中国人民建設銀行の役割 は どうであ ろうか。 これに つ いて注 目 す べきは, 同銀行の傘下に中国投資銀行が, 1981年12月 23 日 に新 設 さ れた ことである (33) 。 同 行設立の 目 的は,. 中国国内での投融資のた め 外. 資を専門的に導入する ことにあ り , 資本金は40億元である。 すなわち, これ まで人民建設銀行が 一手に引 き受けていた国内各企業への各種中 • 長期貸 し (:W 同上論文, 18頁。 (33) 新華社=中国通信, 1981 年12月 25 日 。 -59. C 373 ) -.

(26) 付けの う ち, 外資関係部 門を分離 して, 投資銀行が独自に受け持つ こ とにな っ た。 投資銀行の業務 内 容は,. すでに対中融資が決定 し た世銀資金(U) な ど. 国際金融機関, およ び その他の資金チ ャ ン ネ ル(外国の民間銀行な ど)から 中 • 長期資金を 受け入れ, 主と して 国 内 中小企業の 技術改良 向 けに融資す る。 同 行は また合弁事業に対 して人民元, 外資によ る 融資や中国側の出資も 引 き受ける。 投資銀行の新設はいずれ, 中国の外資導入, 管理の中心機関に 成長する可能性がある。 その場合, 中国銀行との分野調整もひとつの課題と な っ て こ よう。. IV. 国 際信託投資公 司 の設立 と活動. 財 政 • 金融部門 に新たに登場 し てきたのが信託投資公司であるが, 設立の 背景は中外合資経営企業法にある。 中央の国 際 信託投資公 司 (China Inter­ national Trust and Investment Corporation, 中国では 「 中国国際信 托投 資公司 」 と表記 さ れる)は, 1979年 7 月 に設立(正式発足は同年10月 ) さ れ た。 同 時期に成立 し た進 出 口 管理委員会, 外国投資管理委員 会とともに, 対 外経済 ・ 貿易関係を統轄する国務院直属の機構とな っ たが, 1981年11-12月 の第 5 期全人代第 4 回会議で, 同 公司と外資管理委員会な ど 貿易 ・ 為替に関 連 し た 9 つの部門は国家進 出 口管理委員会(進出 口 管理委員会からの名 称変 更)の指導 • 監督下に置かれる こ とにな っ た。 し か し 同 公 司 は対外貿易部 な ど国務院の管轄下にある各部とは同格 またはそれ以上の地位にあり, 合弁事 業投資な ど実務面で重要な役割を果た している。 同 公司の理事会(董事会)は44人の理事(董事) で構成 さ れ, 理事長(董 ⑳ 対中融資額は 1 億 ド ル ( 5 年の据え置 き を含む期間20年, 金利年9 . 6%), ま た 国 際開発協会 ( I D A, 第 2 世銀) も 1 億 ド )レ ( 5 年の据え 置 き を含む期間50年, 無 利子, た だ し年0 . 75彩の手数料) 憩資す る 。 総計 2 億 ド ル は 中国の高等教育開発プ ロ ジ ェ ク ト で, 総事業費 2 億9 , 500万 ド ル と見積 ら れて い る も の (9 ,500万 ド ル は 中 国政府の調達) (「 日 本工業新聞」 1981年 6 月 26 日 ) 。. -60 C 374 ) -.

(27) 事長) に栄毅仁(投資公司 総経理, 中国銀行常務理事) ,. 副理事長に雷任民. (投資公司 総経理, 対外貿易部顧問) が それぞれ就任 した。 注 目 されるのは 理事の中に香港・澳門の中華総商会の有カ メ ン バ ー が 5 氏も名を連ねている ことである。 理事会は投資公司 の最高決定機関である 。 同 公 司 定款第12条には. 理事会 の任務を 7 項 目 につ いて規定 している。 (1)国務院の指示の精神に基づいて, 公司の短期 およ び長期の経営方針と計画を制定する。 (2)総経理と副 総経理の 任命は, 国務院の批准を要する。 (3)総経理が提 出 した公司 の業務機構と中国 内外の支社機関の設立と解散を審査決定する。 (4)総経理が提 出 し た限度額以 上の投資項 目 を審査決定する。 (5)総経理が提出 した年度の財務報告と利潤の 分配案を審査決定する。 (6)総経理が行う業務報告を受理 し , 審査する。 ( 7)公 司 の重要な業務活動を国務院に報告する。 この規定にみるように, 理事につ いては国務院直属の機関と し ての強い権 限が付与されている ことがわかる。 また総経理の任務も同公司定款第13条に 規定されている。 (1)理事会は制定 し た経営方針と計画を貫徹執行する。 (2)公 司の業務機構と中国内外の支社を 組織 し , それに対 し 責 任を負う。 公 司の重 要 な 業務ス タ ッ フ と外国人専 門 家の任免を行い, あわせて理事会に報告 し 記 録にと どめる。 (3)投資項 目 を審査決定する。 限度額以上の投資項 目 につ いて は理事会の審査・批准を受ける。 (4)理事会に対 し年度の財務報告と利潤分配 案を提 出 する。 ( 5)定期的に理事会に対 し 総括報告を行う。 つ ぎに国際信託投資公司の概要を定款に沿 っ て述べてみよう。 定款は第1 章総則(第1 - 5 条) から第 5 章第19条 まで業務, 組織, 経営管理等を規定 している。 まず 同 公 司は, 国務院直接指導下の社会主義国営企業である(第 1 条) 。 その任務も中外合資経営企業法お よ び その他の関連法令, 条例にもと づき, 外国資金の調達, 運用, 先進技術の紹介, 先進設備の導入, 建設投資 の促進を行い, 社会主義近代化建設を速 める(第 2 条) ことにある。 資本金 の 2 億元(第 3 条) は, 全額政府 出 資, 利潤はすべて国家に納入される。 業. -61. C 375 ) -.

(28) 務 内 容 の な かで と く に 目 立つ の は , 資金調達 の た め外国で 起債, 株式の発行 権限を与え ら れ (第 8 条) た こ と で あ ろ う 。 新 中 国成立以来の 画期 的 な こ と で あ り , 中 国 が 国 際資本市場 に 初 め て 乗 り 出 す 方針を示 し た も の と い え よ う 。 業 務 内 容 を み る と . ま ず 外国の企業そ の 他経済単位 あ る い は 個人 の 委託を 受 け て, 中 国 国 内 の 各地方, 各部 門 お よ び企業 と の 長 ・ 短期 の合弁事業 の 協 議や契約 を 行 い , さ ら に合弁企業 と 技術 協 力 を 進 め る た め の 役務提供 を行 う (第 6 条) 。 ま た反対 に ,. 中 国 の 各地方 • 各 部門 お よ び こ の所属公司, 企業. あ る い は そ の 他 の経済組織 の 委託を 受 け て , 外 国 の 公 司 , 企業, そ の 他 の 経 済 組餓 あ る い は 個人 と の 長 ・ 短期 の 合弁事業 を 組織 し , 合弁企業 と 技術協力 を 進め る た め の 役務提供 を も 行 う こ と がで き る (第 7 条) 。 合弁企業 ば か り で な く , 委託加工. ・. 補償貿易,. リ. ー. ス. ・. レ ン タ )レ,. 委託販売な ど も 斡旋す. る 。 さ ら に 投資公 司 は , 合弁事業 の 増 資, 国外で の 債券発行, 株式募集あ る い は 代理業務 も 行 う (第 8 条) こ と は 上述 し た 。 ま た投資 に 関 す る 法律, 税 制, 外国為 替管理, 労働賃金, 財務等 の 情報や サ ー ビ ス を提供す る こ と (第 9 条) , 必要 に 応 じ 国 内 外で 合弁事業あ る い は 単独で 投資業務を行 う こ と が で き る (第11条) と し て い る 。 こ の よ う に 投資公 司 の 権限 は 広範囲 に わ た り 大 き な も の と な っ た が,. 同 公 司 が 独立採算制を と り (第14条) , 理事 会 で の. 承認事項や報告等すべ て が 明 確 に さ れ た o 国際信託投資公 司 の 活 動 を み る と , 1980年末 ま で に 外国 か ら 資金調達 し た 項 目 は 4 件 (小寺溝 モ リ プ デ ン 銅鉱, 中 原 モ リ プ デ ン 公 司 , 晋寧 リ ン鉱, 合 肥炭素棒工場) , 投資総額1 ,600万 ド ル と な る 。 ま た 同 公 司 は , 東京資本市場 で 野村証券. 東京銀行,. 大和証券 の 引 き 受 け に よ り 100億 円 の 私募債を発行. す る こ と に な っ て い る 。 こ の 債券 は 一般 に 公 募 は せ ず , 債券市場 に 流通 さ せ る も の で も な く , 記名方式を と り , 少数 の 投資機関 に 引 き 受 け さ せ る 。 ま た こ れ は 中 国 が発行す る 初 め て の 外貨建て債券で あ り , 国際金融界か ら 注 目 さ れ た も の で あ る (35) 。 (35). 「朝 日 新聞」 1981年11月 26 日 。 「市場」 1981年12月 7 日 。 -62. ( 376 )-.

(29) 上述の公司定款第 8 条にある 合弁事業, は, 日 本のオ リ エ ン ト に中国東方租賃(リ. ー. ・. リ. ー. リ. ー. ス 業務に つ いては.. ス , 北京市機電設備公司 と の合弁で1980年 1 月 この合弁 リ ー ス は中外. ス ) 有限公 司を設立 し た (36) 。. 合資経営企業法にも と づ く 金融 本からの輸入繊維設備の リ. ー. 同公司. ・. サ. ー. ビ ス 業界では世界初のもので. 主に日. ス 業務を行う。 出 資比率は国際 信託投資公司が. 20忽 北京市機電設備公 司が30彩. オ リ エ ン ト. ・. リ. ー. ス が50形である。. 国際信託投資公司は このほか国家物資総局 と 連合 して, 中国国内に1981年 7 月 , 中国租賃公司 (China Leasing Co., Ud) を設立 し 業務を開始 してい る (37) 。. この公 司 は.. 中 国 国 際信託投資公 司 と 中国第一機電設備公司と の法. 人企業で登録資本 1 ,000万人民元 , 初の国内出資による リ. ー. ス 公 司であ る 。. 当面は主 と して金融性賃貸業務を営み, 国 内 外のユ ー ザ ー にさ ま ざ ま な生産 設備を提供する こ と になる。 外国企業が中国への投資活動を進める場合に,. コ. ン サル タ ン ト 業務を行う. 中国側の企業 と して, 1981年10月30 日 , 中 国 国 際経済諮詢公司が北京で設立 された。 国際信託投資公司が早 く から設立をよびかけていたもので, 定款に よる と , 同 公司は国内外の機構, 企業, その他の経済組織 と 個人の委託をう けて, 投資事業の対象. 方法, 実行可能性理論, 生産. 経済管理, 財務, 会 計, 法律面の コ ン サル タ ン ト 業務を 行う こ と になる。 資本金は1 , 000万人民 元。 同 公 司の設立で外国企業の中国投資活動に重要な )レ ー ト ができた こ と に なる (38) 。. 地方分権化に伴 い, 国際信託投資公司に対応し た形の, 類似の名称の公司が 地方で設立されている。 中国銀行も 国内外の分行の多 く に信託部を設置 し た ほか, 地方省市の信託投資公司が設定されている。 上海市投資信託公 司 , 北 京経済建設総公司 , 福建省福建投資公司 . 天津市国際信託投資公司 , 浙江省 閲 「毎 日 新聞」 ほ か各紙, 1980年 1 月 30 日 。 罰 新華社=中国通信, 1981年 7 月 29 日 。 (38) 「世界経済導報」 1 681年11月 23 日 。 新華社=中国通信, 1981年1 1月 5 日 。. -63 ( 377 )-.

参照

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