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画像計測に基づいた歴史建造物のデジタルアーカイブに関する研究

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Academic year: 2021

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画像計測に基づいた歴史建造物の

デジタルアーカイブに関する研究

望 月 宏 祐*

Kosuke…MOCHIZUKI

研究実績の概要  本研究では、歴史建造物を3次元コンピュータグラ フィックス(3DCG)でデジタルアーカイブするために必 要な反射特性や表面特性を画像から推定する手法の 開発してきた。研究の対象は長野県小諸市にかつて 存在した小諸城とし、小諸城周辺の地形を含めた建 造物を主な対象とする。小諸城は1487年に築城され た城である。現在は観光地として利用されており、石垣 や空堀、そして大手門と三之門などが残っている。特 に門は重要文化財に指定されている。また、小諸城は 「穴城」と呼ばれるほどに城周辺を含めた地形に特徴 がある。城を囲む空堀においても高低差20mにも及ぶ 深い谷が使われているなどといった特徴も小諸城の価 値となっている。…  この小諸城を対象とした物体表面の光反射モデル を構築して光反射特性を定量化できれば、高い質感 をもった3次元コンピュータグラフィックス(3D…CG)と して映像再現できる。このように再現された3DCGの 特徴は鑑賞者の視点や照明方向を自由に変化させ ながら城の姿を鑑賞できることである。本研究の成果 により開発した技術は、小諸城のみではなく他の大型 の歴史建造物に対しても応用が可能である。そして 3DCG化する対象物体に対して詳細な質感のデジタ ルアーカイブが計測ベースで可能となり、これらの映 像再現精度を大幅に高められる。また、得られた光反 射特性から、まだ材質等の情報が明らかになっていな いものに対しての材質の推定や、地域や時代特有の文 化を明らかにすることに繋がり、歴史・文化を対象とし た研究への貢献が期待できる。  本研究では、まず建造物や石垣、谷など部分ごとの 光反射モデルを構築するためにかつて小諸城が存在 したとされる小諸懐古園の建造物や石垣の材質の空 間的な分布を画像計測した。このとき地上からの画像 計測に加え、谷や崖など立ち入ることが困難な場所は ドローンを用いた。このドローンで計測対象物体に近 づき搭載されたカメラで画像計測をした。これらにより 建造物に関しては複雑な装飾が施されている部分を 含め多くの箇所を高解像度の画像情報として計測で きた。また、険しい谷の岩肌など地上からの観測が困 難な部分も含めて計測できた。  次に、3DCG化する際に必要となる建造物や石垣、 谷、樹齢500年以上といわれる欅などの3次元形状の 情報を獲得するためのレーザー計測を行った。これら により、一部の3次元形状を詳細に復元できた。さら に、小諸城は存在した当時の情報が示されている古 文書が多く保存されている。また当時の地形の状態が 示されている復元図(延宝2年1674年)も存在する。 これらの情報の調査することで当時と今回計測した現 在の状況を比較しながら復元を進めた。そしてこれら の情報を統合して形状情報を復元してきた。本研究の 成果の一部は、日本色彩学会画像色彩研究会にて発 表した。  以上のように、本研究では小諸城を対象とした 3DCG復元に関する一定の成果が得られた。しかしな がら次の課題が残った。まず今回は材質ごとの詳細な 光反射モデルの構築には至らなかった。このためには、 これまでの計測手法に加え物体表面に対して入射角 や受光角を変化させた際に生じる光反射の特性を計

(準備研究)

企業情報学部准教授* −…37…− 長野大学紀要 第40巻第2号  37—38頁(95−96頁)2018

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測することで質感の再現精度が高い光反射モデルの 構築に繋がると考えられる。また今回の計測ではまだ 小諸城全体を対象とすることができておらず、今後は 計測していない部分も対象として進める必要がある。 現在すでに存在しない部分においては古文書等の情 報を詳細に調査する必要がある。次に再現精度の高 い光反射モデルを実装した3DCGは生成に膨大な計 算コストがかかり、自由な視点や照明環境下の鑑賞が 困難になることが予想されるため、今後は3DCGの高 速な生成システムの開発が必要であると考えられる。 謝辞  3次元形状のレーザー計測について株式会社みす ず綜合コンサルタント増澤宗様には多大なるご支援 を賜りました。ここに深く感謝いたします。 研究発表(平成29年度の研究成果)  〔学会発表〕 計( 1 )件 発 表 者 論  文  標  題 小井土和宏,望月宏祐, 田中法博 小諸城周辺の地形情報の3DCG…再現 学 会 等 名 発表年月日 発表場所 日本色彩学会画像色彩研究会 2018年3月2日 国立新美術館 長野大学紀要 第40巻第2号    2018 −…38…− 96

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