第3学年 組 理科 学習指導案
1 単 元 「物体の運動」 2 指導観 ○ 物体が時間の経過とともにその位置を変える「運動」は、私たちが日常的に目している自然現象 のひとつである。その運動は「速さ」と「向き」の2つの要素で表され、物体に働く力によって速 さや向きが変化する。そのため、自分の意のままに物体の運動をコントロールするには、物体にど のような力を加えるかが重要となる。逆に、力が働いていなければ、その運動や状態を保ち続けよ うとし、その性質(慣性)が急ブレーキや急ハンドルによる事故の原因となることもある。このよ うに、運動の様子にはその物体に働く力が深く関わっている。 本単元は、物体に働く力がその運動にどのような影響を及ぼしているのかについて学習していく ものである。学習内容は、速さの記録方法と表し方、等加速度運動、自由落下運動、等速直線運動、 慣性の法則、作用・反作用などである。 小学校で風やゴムを利用してものを動かすことや振り子の運動を学習し、中学1年生で力のはた らきについて学習してきた生徒にとって、本単元の学習は、それらの既習内容を統合していくもの であり、様々な情報を関連付けながら考察する力を育むうえで意義が深いと考える。また、次の単 元で学習する「力学的エネルギー」の基礎となる知識・技能を含んでおり、自然事象をエネルギー の視点で見たり考えたりすることのできる概念(エネルギー概念)を形成していく上でも重要な単 元であると考える。 ○ 本学級の生徒は、理科の授業に対する意欲が高く、約7割の生徒が理科の観察や実験を「楽しい」 「どちらかというと楽しい」と答えている。しかし、理科を「得意」「どちらかというと得意」と 答える生徒の割合は約3割であり、考察の難しさをその理由に挙げる生徒が多い。 力や運動の学習に関しては、力を矢印で表すことができない生徒が2名、時間と距離から速さを 求めることができない生徒が2名いたが、例を挙げながらアドバイスすればできるようになる程 の定着度であった。 「教材との対話」に関しては、自分の考えを持つことはできるが、それを文章や言葉で的確に表 現できる生徒が少ないため、考えを表出させる手立てが必要である。「他者との対話」に関しては、 教材との対話で自分の考えを表現できないことが要因となり、活発な意見交流ができない班が多 い。しかし、他者の考えに対する関心は高いため、教材との対話で自分の考えを表出させることが できれば、あるいは教具等を活用して自分の考えを表出させることができれば、他者との対話が促 されると考える。「自己との対話」に関しては、学習してきたことを自分の言葉でまとめることが 苦手な生徒や、自分の考えに自信を持てない生徒が多いため、教科書や他者が書いたものを写そう とする傾向が見られる。また、まとめ方を知らない生徒も多いため、自分の言葉でまとめる機会を 多く設け、練習させる必要がある。 ○ そこで本単元では、運動の様子を記録する方法を習得させ、様々な運動について調べる実験を通 して、物体に働く力と運動の様子についての規則性を見いださせることを主なねらいとする。 まず、運動の様子を記録する方法として、記録タイマーの使い方を習得させる。その際、「速さ =単位時間あたりの移動距離」を再確認させることで、記録タイマーがその考え方を利用した速度 測定機であることに気づかせる。次に、物体に力が働き続ける運動について調べさせる。ここでは、 斜面を下る台車の運動や落下運動の様子を調べさせることで、力が働き続ける運動が等加速度運 動であることに気づかせる。そして、物体に力が働かない運動について調べさせる。ここでは、水 平面上を移動する台車の運動の様子を調べさせることで、力が働かない運動が等速直線運動であ ることに気づかせる。その際、慣性の法則にも触れる。最後に、2つの物体間でお互いに力を及ぼ し合う運動について考えさせる。ここでは、浮いた磁石の重さを考えさせることを通して、2つの 物体間には作用・反作用の関係が成り立っていることに気づかせる。 「教材との対話」に関しては、一定の形式にあてはめて文章を書かせたり、言葉だけでなく図やモデルを用いて説明させたりするなど、自分の考えを表出しやすくする手立てを取り入れていく。 「他者との対話」では、話し合いの目標やルール(手順)を決めることで意見を出し合う必然性を つくりだし、考えの交流を促していく。また、ホワイトボードを活用してお互いの考えが見えるよ うにすることでも、交流の活性化を図る。「自己との対話」では、班で考察させたことをまとめさ せたり、穴埋め形式の作文でまとめさせたりするなど、まとめるための手立てを取り入れること で、自分の言葉でまとめることに慣れさせていく。 3 目 標 ○ 物体の運動の様子について、その物体にはどのような力が働いているのか、という視点で捉え ることができるようにする。 ○ 物体に働く力によってその運動の様子が異なることに気づかせ、力と運動の規則性を見出すこ とができるようにする。 ○ 記録タイマーを用いて、物体の速さや速さの変化の様子を正確に調べ、記録することができる ようにする。 ○ 物体に力が働いている場面や物体が運動している場面について、その後の物体の運動の様子を 説明することができるようにする。 4 計 画(全体12時間) ※別紙参照 5 本 時 平成 年 月 日(金) 第 校時 6 本時の指導観 生徒はこれまでに、物体に力がはたらき続けていた場合と力が働いていない場合に、物体がどのよ うな運動をするかについて学習してきている。本時は、反発して浮いた磁石の重さについて考える活 動を通して、物体間で相互に働く力(作用と反作用)の存在に気づかせ、それらの力によって、物体 がどのような運動を行うかを予測できるようにすることがねらいである そこでまず、反発して浮いた磁石の重さについて発問し、自分の考えをつくらせる。その際、自分 の考えの根拠を明記させるため、考えられる3つの結果の中から予想させ、それを選んだ理由を学習 プリントに記入させる。次に、その考えを班の中で交流させる。ここでは、他者との対話を活性化さ せるため、班で1つの考えをつくることを交流の目標に設定する。そして、実際に磁石の重さを測定 させ、その結果について班で考察させる。ここでは、予想と結果を比較させ、予想の段階で足りなか った考え方は何か、なぜそのような結果になるのか等の視点で考えを交流させる。最後に、本時の学 習をふり返らせるため、浮いた磁石の重さが変わらない理由について説明させる。その際、班で考察 した内容を自分の言葉でまとめさせることで、自分の学習の深まりを認識させる。 7 主 眼 ○ 反発して浮いた磁石の重さが変化しない理由について考える課題を通して、物体間に働く力 (作用・反作用)の存在に気づかせる。
8 展 開 学習活動・内容 留意点 形 態 配時 1 本時の課題を知り、めあてを確認する。 ・浮いた磁石の重さ ○ 本時の学習に対する興味・関心を高める ため、体重測定で実際よりも表示を小さく する方法がないか問いかける。 ○ 本時の課題をつかませるため、2個の磁 石がくっついた状態と反発して浮いた状 態のイラストを提示し、重さに違いがある か考えさせる。 全 体 5 めあて 反発して浮いた磁石の重さについて考えよう 2 磁石の重さを予想する。 (1)自分の考えをつくる。【教材との対話】 < = > ○ 全員が自分の考えを持てるよう、考えら れる3つの結果の中から予想させ、それを 選択した理由を書かせる。 個 人 5 (2)班の考えをつくる。【他者との対話①】 ・予想とその根拠 ○ 考えの交流を活発にするため、班で考え を1つにまとめることを目標に設定する。 その際、多数決ではなく、全員の納得度の 高さで決めるよう指示する。 班 10 3 磁石の重さについて考える。 (1)重さを量り、結果を確認する。 ・くっついた磁石=反発して浮いた磁石 ○ 誤差が小さくなるよう、複数回の測定と ゼロ点調整を行うことを指示する。 班 5 (2)結果を考察する。【他者との対話②】 ・磁石にはたらいている力 :磁石の反発力 :磁石の重力 はかりが表示する のは、下の磁石に はたらく2つの力 ○ 考察する内容を明確にするため、次の視 点を提示する。 ・なぜ浮いて静止? ・なぜ磁石2個分の重さを表示? ○ 試行錯誤しながら議論できるよう、文章 は用いずに、ホワイトボード上でイラスト や記号を用いて考察させる。 ○ 予想と結果が異なっていた班は、どのよ うな考え方が間違っていたのかも考察す るよう指示する。 班 ↓ 全 体 15 4 本時の学習を振り返る。 (1)全体の重さが変わらない理由について まとめる。 【自己との対話】 ○ 自分の言葉でまとめやすいよう、考察に 用いたホワイトボードや黒板を見ながら 学習プリントにまとめさせる。 個 人 5 まとめ 下の磁石から押されて浮いた磁石は、同じ大きさの力で下の磁石を 押しているので、浮いていても全体の重さは変わらない。 (2)作用・反作用について説明を聴く。 ○ 語句を紹介する程度にとどめ、次時で詳 しく学習することを告げる。 全 体 5 くっついた磁石 反発して浮いた磁石