マクロファージ指向性HIVウイルスのEnvelope蛋白
の構造・機能解析
著者
服部 俊夫
1■一・.r一一一●
'乱.
■■ ノ ′マクロファージ指向性HⅣウイルスのEnvelope蛋白の構造・機能解析
(課題番号14370159)
平成1 4年度∼平成1 6年度科学研究費補助金(基盤研究(ら) (2))研究成果報告書
平成1 7年5月研究代表者服部俊夫
(東北大学大学院医学系研究科教授)
研究組織
研究代表者:服部 俊夫 (東北大学大学院医学系研究科 教授) 研究分担者:佐野公仁夫 (東北大学大学院医学系研究科 助教授) 研究分担者:芦野 有情 (東北大学病院 助手) (研究協力者:宇佐美 修)直接経費 亊I
ィニ
N
合計
平成14年度 釘ツ經 0 釘テS 平成15年度 釘テ 0 釘テ 平成16年度 テ蔦 0 テ 総計 免ツテC 0 免ツテC研究発表
ア 学会姑等1.Ling H, Zhang X, Usami0and Hattori T.: Advation of gp120 of human
inmunodeficiency virus bytheir V3 loop derived peptides. Biochem. Biophys. Res. Commun. 297:625・631, 2002
2. Okada S, nuchi M, Hasegaふa H,Ishikawa M, 0lmo Ⅰ, m止u M,and EafEgiri _T.:Delayed recovery ofeffector memory CD4+ T cens by highly active
antiretroviraltherapyina patientwithHIVl infection. Tbhoku J. Exp. Med.,
196:213・218, 2002
3.Ling H, Usami0, Xiao P, Gu H・Gand HattoriT.:The N-terminalofthe V3 loop
inHⅣ1 gp120 is responsible for its COnformation・dependentinteractionwith
cen surface molecule(S)AlDS Res. Hum. Retrovir. 20(2):213・218, 2004
4.Ling H, Xiao P, Usami0and Hattori T.:Thrombinactivates envelope
glycoproteins of humanimmunodeficiency virus type 1 (HIVl)and enhances fusion. Microbesand lniTection. 6(5): 414・420, 20045. H. IJing, T. Hattori, H-Ⅹ Gu,.I.Ashin0, Y・CLiu, CLiu.:SuⅣeinance ofhumoral immune responses to tuberculosisglycohpidantigen (TBGL)inTBand HⅣ
infectedindividualS. XV IntemationalAIDS Conference E710L77812: 53・56,
2004
6・ Usami0, Ⅹko P,Ling H, Lui I, Nakasone T,and HattoriT ・:Properties ofanti・
gp41 core structureantibodies, which competewithsera of HIVl infected
patients Microbesand Infectioninpress
イ 口頭発表
1・ Hong L, XuY, HattoriT.:jhalysis ofHIV・l entry using derived peptides.第22
回東北免疫研究会、仙台、 2002年3月1日
2・_.宇佐美 修、凌虹、服部俊夫: HⅣ感染におけるgp41の立体構造変化を認識す る抗体の特性 第16会日本エイズ学会シンポジウム9 感染成立とその防御、名
古屋、 2002年11月29日
3.服部俊夫:免疫再構築症候群一現状と考察・第16会日本エイズ学会シンポジウム11 ⅠⅡ皿une Reconstitution Syndromeにどう対するか、名古屋、 2002年11月29
日
4.凌虹、服部俊夫:第16会日本エイズ学会一般演題 v3ループペプチドによる gp120の活性化機構、名古屋、 2002年11月29日
5・Liu Y, Usami0, HattoriT.:V3 IJWP Peptides Enhance HIVll Entry. ¶le Second Co皿aborative鮎search Semh虻On HⅣand other VTlralEntry lnhibitors, NY,
May 3・5, 2002
6・ HattoriT.'・Tuberculosisand retrovirus diwases(HIVand HTiN 1)inJapan. The
Third NationalSem血on Diagnosisand Therapy of nlberculosis, China,
Jllne 16・22, 2002
7・Ling H, Usami0, HattoriT.:Possible Involvement of N・Tbrm血s of Synthetic V3 loop peptidesinTheir Direct Binding to °en Surfh伐 US・JapanAIDS
Meeting March 20・23, 2003. Okinawa Japan
8・ Usami0,Ling H, HattoriT Activation ofHⅣ env conformationalchange of
gp41 US・JapanAlDS Meeting March 20・23, 2003・ Okinawa Japan
9・ u皿g H, Usami0, HattoriT・ The N-trminalof HⅣl gp120 V3 loop may be
responsiblefor its conformation・dependentinteractionswithcen surhce
molecules(S). 2003 Keystone Symposia HⅣ vaccine development: Banff,
March 29・Aprn 4, 2003
10・ T・ Hattori, P・ jGao, 0・ Usami, H・ ung・: Thrombinactivates envelope
glycoproteins of HIV・1and enhances fusion. XV Internadonal AlDS
Conference, Bangkok, Tbahd, 11・16 July 2004
\ll.宇佐美修、服部俊夫第52回 日本ウイルス学会 2004年11月21-24日 パ シフイコ横浜HⅣl IIIB持続感染細胞H9nIIB表面に発現するエンベロープ蛋白 gp41の抗原解析
12. H.Ling, T. Hattori, H.X. Gu, Y.Ashin0, Y.C.Liu.: Humoralimmune responses
to Tuberculosis GlycolipidAntigen (TBGL)inTB patientsandinHⅣ posidve ノ individualS in Hedong)1ang province, China. XV IrLternadonal AIDS
Conference, Bangkok, Thailand, 1 1116 July 2004
ウ 出版物
1;服吾『俊夫:エイX,わかりやすい内科学第2版, 371・373, 2002
2.服部俊夫、宇佐美修:止Ⅳ感染と免疫異常, Modern Physician, Vol.22 No.3
269・271, 2002
3.服部俊夫、西巻雄司:ウイルスによる気道感染THE LUNG,Vol.10 No.2 83・86, 2002
4.宇佐美修、凌虹、服部俊夫: HⅣ感染症のメカニズム,化学療法の領域, Ⅵ)1.18
No.4 36-42, 2002
5.服部俊夫:カリニ肺炎, Modem Physician, Vol.22 No.6 821・822, 2002,
6.服部俊夫: HⅣ感染症の分子メカニズム,内科, 90巻第1号, 2002 7.服部俊夫、岡田信司、宇佐美修:ヒトレトロウイルス感染症,日本昏事新報, No.4091 1-8, 2002 8.服部俊夫: HⅣと免疫異常,ウイルス,第52巻第2号, 245・249, 2002 9.服部俊夫、凌 虹、岡田信司、芦野有情、宇佐美修:免疫再構築症候群-,日本エイ ズ学会誌, Ⅵ)1.5 No.1 33・41, 2003 10.服部俊夫:研究の周辺から,呼吸, 23巻4号, 2004
ll.宇佐美修、服部俊夫: HIVllエンベロープ蛋白gp41 core structure
マクロファージ指向性HI VウイルスのEnve 1 op e蛋白の
構造・機能解析
服部俊夫、佐野公仁夫、芦野有情、宇佐美修
(東北大学大学院医学系研究科 感染症・呼吸器病態学分野)要旨
HIVの感染機構の解析ために、 BH-10株のgp120のV3領域の細胞膜結合部位をN端 と決定した。炎症組織でのトロンビンを含むプロテアーゼによる感染促進作用を明ら かlsするために、 H9/H IB細胞を種々のプロテアーゼで処理して、` gp120/41の機能エ ピトープの発現をFACSで解析した。その中でトロンビンはV 3の反応性を減少させる とともにgp120の補受容体結合部位、 CD4結合部位及びgp41の中和エピトープの反応 性も増加させた。 H9/IIIB細胞とMAGI細胞の融合をもトロンビンは促進させた。これ らのことは血中の炎症由来分子であるトロンビンはgp120を活性化させることにより HIVの感染を促進させたと思われる。またpost-fusogenic gp41を認識するモノクロ ーナル抗体(50. 69と98. 6)陽性gp41が細胞険上でraftと挙動をともにすることを明 らかにした。また、 50. 69と、 98. 6がH9/ⅠHB細胞表面で特徴的な一方通行の競合を 示すことを明らかとし、 sCD4処理によるエピトープの変化によってH9/ⅠⅠIB表面のエ ンベロープ蛋白にheterogeneityが存在することを示した。カリニ肺炎患者伊CP)と 長期生存患者(LTS)血清が50.69、 98.6、ならびにgp41三量体特異的抗体T26とど のように競合するのかを検討し、 PCPは50.69、 98.6抗体とよく競合する一方、 T26 のH9/日IB細胞への結合を促進することを示した。gp120のV3ループの細蜘
HIVが標的細胞に感染する際の二つの受容体とエンベロープ蛋白の時空変化の詳細 を明らかにするためにgp120のV3ループの細胞膜結合静或をV3ループの種々のエピトープを認識する抗体で解析した。ペプチドは、前回の報告書に記載した合成ペプチ
ドを使用した。V3 loopの様々なエピトープを認識するモノクローナル抗体(NIBSC, UK)を使用し、 T細胞味である、 CEM , CEM.CCR5, HOSおよびHOS.C‡CR4に結合したV3ペ
プチを検出した。細胞をV3-BHIO, V3-BHIO/CA ,NNT24,及びV3-ADA, -89. 6でそれ
ぞれ37Co 1時間処理した後に、洗浄し、細胞膜表面上のペプチドを種々の抗体と反
応させ、結合した抗体は. FITC結合第2抗体で検出した。溶液中のV3ペプチドを
ELISAで検出するために、 PBSにl FLMの濃度で溶解したペプチドを96穴のELISA
系で反応させ、 PBS-T (PBS含0.05% tween 20)で洗浄した後に37Co 1時間0.5%BSA
含有PBSでブロックした。その後,モノクロナル抗体を加え37Coで2時間反応させ
た。結合した抗肘まhorseradish peroxidase一結合抗ヒトあるいはマウス抗体で検出 し、 OPDで発色させた後に測定した。
結果(図1)
種々のウイルス由来ビオチン化†3ペプチドの細胞膜への括合 我々は以前ビオチン化V3ペプチド(BH-10)がT細胞陳、末梢単核球、マクロファージのみならず、アストログリア細胞(U87)に結合するがピオチン化V3ペプチド
AI)Aは殆ど結合しないことを報告した。 V3のチップを認識する抗体を用いた方法によ ると、 V3-BHIOとV3-BHIO/CAの結合ばかりでなく、 V3-89. 6の結合が観察された。 V3-BmO/CAの結合はV3lBIIIOのそれよりも低く、 V3-NNT24やV3-ADAの結合はみら れなかった。これらのV3 loopの結合はやはりT細胞にとどまらず、補受容体の発現 していない細胞(U87, mos)にもみられた。 †3 loopのⅣ端が折合に役立つV3 loopのどの領域が細胞険に結合するかを検索した。 mAb IIIB-V3-21を除くす
べての抗体が細胞暁表面に結合した。結合の程度は様々であるがループのチップに反 応するmAb IIIBIV3-13が最もよく反応する。 V3-BHIO/CAの結合はV3-BHIOのそれ
にくらべて低く、 V3-NNT24は殆ど検出できなかった。 ELISAプレート上のペプチドに
は全ての抗体が反応した。
我々は昨年V3ペプチドがそれが由来するウイルスのg p 1 2 0を活性化し、感染を
促進することをみいだした(Ling et al. BBRC)。ここでは‡4とR5‡4のHIV
(v3-BHIOとV3-89. 6)由来のV3ループがCD4や補受容体の発現にかかわらずに、細 胞険表面に結合することを見出した。標的分子の一部はプロテアーゼ様分子や、 CICR4 が関与すると思われるが、それ以外の分子は不明である。その結合は立体構造に依存 していた、しかしR5 HIV由来のV3lADAは殆ど結合しなかった. V3 loopの結合領域 はmAb IIIB-V3-21で規定されるN一端であることが想定された。 50. 69、 98. 6抗納負性gp41の細胞膜存由様式 HIV-1エンベロープ蛋白gp41はHIV-1が標的細胞に感染細胞に感染する際に立体構 造変化を起こす。その立体構造変化をエピトープの変化として捉えることと、 gp41の core structureに対する抗体である50.69、 98. 6さらにgp41三量体特異的抗体T26 の特性を解析することはgp41の立体構造変化の解析の手掛かりとなる。我々は、 HIV-1 ‖IB strain持続感染細胞株H9/H IB表面に発現するエンベロープ蛋白の立体構造を 上記の抗体とFACSによって解析した。
括果
50. 69、 98. 6抗榊掛軸鵬lの換出 実験を始めるにあたり、 50. 69、 98. 6抗体エピトープの細胞局在を検討することと した。 50. 69、 98. 6抗体陽性gp41がsCD4を添加される以前のH9/IIIB細胞上に存在 することをFACSと間接蛍光抗体法を用いて示した。ホルマリンで固定し、 saponin処 理したH9/H IB細胞に50. 69、 98. 6抗体を加えて37℃で一時間インキュベ-ト後、wash L、ビオチン化抗ヒト抗体につづいてストレプトアピジンAlexa568で染色した。 H9/ⅠⅠIB細胞表面にRed蛍光を認め、この蛍光はコントロール陰性抗体では認められ なかった。また、 gp41細胞内ドメインと結合しするchessie8を50.69と多重染色し たところ、 chessie8の蛍光が存在する細胞膜近傍と、 50. 69の蛍光は一致した。 Rafts をコレラトキシンFITCで蛍光し、50. 69と二重染色したところ、両者は一致した。50. 69 抗体を用いた研究では細胞内でgp41が集合している領域にfus ion coreが存在するこ とを示した。また、同様の結果が、 98.6とchessie8に関しても得られた。また、細 胞表面にはraftと呼ばれる領域が存在し、 raftにはgagとエンベロープ蛋白が集合し、この部位からウイルスが出芽することが知られている。これは、gp41のfusion core
がraftsに集中していることをしめしており、 pos卜fusogenic formgp41がraftsに 存在していることを示すものである。 HIV-1の感染にはgp120とgp41の立体構造とそ の変化を勘案しながら、より詳細な研究が必要である。 Post-fusogenic抗体を認識す るgp41を認識する抗体がraftに存在するgp41に反応することより、その意義につい て更なる研究が必要である。 50. 69、 98. 6抗体の一方的な汝合と、 PCP、 LTS血清との競合(図2ab, 3) 50. 69と98. 6はH9/H IB結合に際して特徴的な十方通行の競合を示した。 sCD4処理 によって、 H9/IHB表面gp41の立体構造変化を誘導すると、 50. 69、 98. 6、 T26エピト ープは協調的に変化した。またHIV-1感染にもかかわらずHAARTなどによって増殖が 抑えられている長期生存患者(LTS)、 HIV-1陽性カリニ肺炎患者(PCP)血清を用いて、 FACSによる患者血清と抗core structure抗体の競合実験を行い、血清中の抗core structure抗体価そ定量した。 PCPはLTSよりも有意ではなかったが高い% Inhibition を示した。また、 T26のPCP/LTS比は50. 69、 98. 6抗体に比べて高い値を示した。 50. 69 と98. 6は一方通行の特徴的な競合を示し、抗core structure抗体の特殊性を示した。 このような一方通行の競合はまれな現象であり、インフルエンザウイルスの抗エンベ ロープ蛋白抗体でも幸陪されていることから原因としてアフイニティーの差と立体構 造の影響が想定される。また、 50.69、 98.6陽性gp41はH9/ⅠⅠ柑表面に高率に発現 していることから、膜融合反応終了後のgp41を認識する抗体としては特異的でない可 能性がある。まねかなりの%のH9/IIIBが2カラーFACS解析において50. 69陽性T26
陰性分画や98. 6陽性T26陰性分画に存在することから、このようなgp41がH9/IIIB 表面に発現している可能性があり従来の立体構造モデルでは説明不可能であるため、 今後さらに検討する必要がある。抗T26抗体のPCP/LTS比が高かったことから、抗 ol igomeric gp41免疫や抗six-hel ix bundle免疫と病態は相関している可能性がある。
今後は、抗core structure抗体のエピトープをさらに解析し、他の抗gp41抗体と比 ノ 較検討することで、 gp41立体構造と抗gp41免疫反応との関係を評価していく予定で
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目v
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) ⅡB _ BI38 ⅡIB_ 447_V3_21 V3_1 3 52D
mAbs anti・V3 loop
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3● 3■ ㌻ 3● 3 V V V V V ■ □ 0 ム 694_ ⅡIB_ 98D V3_0 l図1
\Fig. 2 Detection of celI・ bound V3 peptides by mAbs agahst various regions Of V3 loop
Fig. 3 Detectioh Of
plate・bound V3 peptides by TnAbs
against various regIO血S
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