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[報文]散孔材4樹種の相対湿度の変動による寸法変化: 沖縄地域学リポジトリ

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Title

[報文]散孔材4樹種の相対湿度の変動による寸法変化

Author(s)

林, 弘也

Citation

南方資源利用技術研究会誌 = Journal of the society tropical

resources technologists, 7(1): 1-5

Issue Date

1991-03-30

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/14032

(2)

VoL7 No.1 1991

報 文

散孔材4樹種の相対湿度の変動による寸法変化

散孔材

4

樹種 の相対湿度の変動 による寸法変化

林 弘 也 * (琉球大学農学部)

Dimensional changesoffourdiffuseporouswoodsduetorelativehumidity HiroyaHAYASHI*

ColhgeofAgrialaLre,tJniuersめ,ofdZeRyLkDuS S

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Variationofreladvehumi dityinduced dimensional changesin tangential direction offour diffuseporoushard woods;normaland straightgrain woods ofISUNOKI(Cerc物 hylhLm

jqp仇icum),KATSURA

(

D

is砂h:urnremlがuTn),TABUNOKI(Persia duLnbergii),andEGONOKI

(SちraXjqpのicum).TheInvesdgatedrangeofrelabvehumiditywastherangeofthemoisture

contentofwoodfrom 8%atsurfaceabsorbed waterto 30% atfibersaturation point.By staticconditioningmethodwith rrnnystepsinreladvehumidity,Woodsswelledinadesorption processand shraLnk in an adsorption process ata limited humi dity condidon.This was providedontheconditionthatacondidoningprocesswaschanged from desorption process andviceversa.At仇iscondition,Woodequilibrium moisturecontentinanadsorptionprocess wasalowerthan thatinadesorpdonprocessinspite ofincreaslng relativehumidity.And

woodsshrinkageatahigh errela丘vehumiditylnanadsorptionprocesswasgreaterthanthat atalowerreladvehumidityinadesorptionprocess.

Key words:Equilibrium moisture content,Adsorption,Desorption,Shrinkage, Swelling, Diffuseporouswood. キーワー ド:平衡含水率,吸着,脱着,乾縮,膨潤, 緒 言 木材 は周Bflの相対蒸気圧 と平衡状態を保つた めに,空気中の水分を吸収 したり,空気中に水 分を排出す る.木材のこの性質 は,空気中の水 分の吸収,木材中の水分の脱着を繰 り返 し生 じ これにより木材 は膨潤 と乾縮を繰 り返す ことに なる. このことが使用中の木材の寸法安定性の 問題を引 き起 こし,実用上の問題 となる.また, 木材中の水分 は材の物理的性質 に大 きな影響を 与えるので,材中の水分の存在状態や含水率の 管理 は重要 な問題である. 相対湿度 と木材の平衡含水率 との関係 は等温 線で示 されているが,等温線 は温度 に影響 され 散孔材 ると同時に水分の吸着過程 と脱着過程では異なっ た等温線を措 き, ヒステ リシスを示す5).また 生材状態か らの脱着過程の平衡含水率 は非常 に 高い値を示 し,一度全乾状態で平衡に達 した材 の脱着過程の平衡含水率 とは異なった含水率を 示す3).木材が吸着過程か ら脱着過程への移行 を したときに示 される平衡含水率 は吸着等温線 か ら脱着等温線 に緩やかに移行 し,生材状態か らの等温線 と一致す る2).移行 の状態 は相対湿 度の調整方法によって も変動を示 し,関与す る 因子 も多 く,一義的に決定 されるものではない. しか し,移行状態に置 ける両等温線の関係 は材 の寸法変化を知 る上で重要な意味を持 っている

(3)

林 弘 也 ので,木材の寸法安定の観点か ら検討する必要 がある.本報告では,材の接線方向に於ける相 対湿度 と膨潤量,乾縮量の関係を表面吸着水の 含水率領域か ら繊維飽和点 (以後

F,

S,

P.

とす る)近傍の含水率範囲について検討 した. 材料及び方法 供試材には生長輪内に細胞構成が比較的均質 である広葉樹散孔材を用いた.通直木理を持っ 散孔材からイスノキ (Cerc友和hylbLm jp iaLTn), カツラ(蝕 砂h'um recm zauTn),タブノキ (Persea dzLLnbe

r

gii),エゴノキ (Sか ・axjq)cnica)の 4 樹種を選定 した.カツラ材 は市販材 であるが, 他の3樹種は沖縄県名護市にある北明治山で伐 採 し,試験片の作成までの間水中に保存 し,坐 材状態を維持 した.試験片 は地上高 1.0mの部 位か ら採取 した材の辺材部か ら作成 した.試験 片は材の接線方向に約

2

0

nJn,放射方向に約

2

-3

m皿,織推軸方向に約

6

0

mの板 目板であ り, エンドマ ッチ状態で3個の試験片を採取 した. 日切れの無い試験片2個を選定 し,実験に供 し Airpump 南方資源利用技術研究会言志 た.実験 は試験片履歴が一定になるように試験 片の取扱いに注意 して行 った.生材状態の試験 片を温度

2

5

℃,相対湿度

6

5±4%

で気乾状態 に調湿 した.膨潤乾縮測定用の直角ス トレーン ゲージ (共和電業製

,K-1

0-B4-

ll)を 試験片に材の接線方向 と繊維軸方向に一致する ように接着 した.試験片の調湿は塩の飽和溶液 で詞湿 した空気をエアーポンプで試験片調湿槽 (デシケータ)中を循環 させて行 った.調湿に 使用 した塩の飽和溶液は

Ta

b

l

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lに示 した.調 湿の順序 は相対湿度

6

5%

か ら約

1

8%

まで低下 させ,次に約

1

8%

か ら約

1

0

0

%

まで増加させた. 各相対湿度 の調湿時間 は

1

0

時間 と した.必要 なときにはこのサイクルを数回繰 り返 した.材 の含水率は試験終了後に試験片を熱風乾燥機で 全乾にし,計算によって求めた.膨潤乾縮重 は ス トレーンメータ (新興通信工業製

,DAS-

6

0

1B型動歪計

,PS7-LT

型静歪計 )で測定 し た.測定装置の ブロックダイヤグラムをFig.

1

に示 した. 吸着,脱着過程の等温線 は生材状態か らの最

Fi

g.

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(4)

-2-VoL7 Nm1 1991 初の脱着過程では相対湿度が約50%までは全乾 状態を経験 した材に比較 して平衡含水率が高 く, 異なった等温線を示す

2

)

.そこで今回実施 した 実験では,試験片が生材状態からス トレーンゲー ジを貼付けるまでの過程,更に約

9%

の含水率 になるまでの脱着過程は生材状態の影響があり, 木材が特異な挙動をするものとして除外 して考 えた.すなわち約

9%

の含水率か らほぼF.S.

P.

の含水率までの膨潤過程以後の過程 を膨潤, 乾縮過程 として対象 とした. 結果及び考察 木材の等温線は温度 と相対湿度によって決定 されるが材の樹種によって変動することが認め られている.また全ての環境集件が同一であっ ても,木材が吸着過程にあるか,脱着過程にあ るのかによっても等温線は異なっている.すな わち同一の試験片が等温線 ヒステ リシスループ を描 くことになる.等温線の脱着過程に対する 吸着過程 の平衡含水率の比 は,Whitespruce が0.83,Klinkipineが0,78であ り`),吸着過 程の平衡合致率は脱着過程の平衡含水率に比較 し約15-22%低 い値 とな り, ヒステ リシスを 確認できる.Fig.2には,生材状態か ら全乾状 一U a Iu

O

U a } n 一 S 10 u LLJ n JJ q ≡ n b u Relatiye hurTlidity Fig-2 lsothemldiagram 散孔材4樹種の相対湿度の変動による寸法変化 態までの脱着等温線(1)と全乾状態か ら飽水状態 までの吸着等温線(2)およびF.S.P.以下の含水 率領域の脱着及び吸着等温線(3)を示 し, F.S. P.以下の含水率範囲の等温線 はF.S.P.以上 の含水率領域を含む完全な等温線 と異なって

る1). この等温線 は図中にABCDEで示すよ うに

2

つの生材状態を含んだ完全な等温線の中 間に位置する.木材寸法が,材の含水量に影響 されて膨潤乾縮す ることを考慮すると相対湿度 に対する膨潤量,乾縮量の関係 も等温線 と同様 のヒステ リシスを示す5).木材 の寸法変化 は, 理論上はF.S.P.以下 の含水率範囲 に限 られ, 寸法に明確な最小点 と最大点があることが等温 線 と異 な った特徴である.相対湿度が0%と 100%の範囲にあり,寸法変化量 は相対湿度0 %と100%のF.S.P.時の変化量の範囲にある. ある相対湿度範囲で吸着,脱着過程を繰 り返 し たときに材の平衡含水率は両過程で異なるので, やはりヒステ リシスループを示すことが予想 さ れる.Fig.3に寸法変化量 と相対湿度の関係 を 示 したが,エゴノキ材,カツラ材は上述 したこ とを示 している.ダブノキ材には脱着過程か ら 吸着過程に移行 したときに,相対湿度が増加 し たにも係わ らず収縮 している現象が認められた. 等温線の ヒステ リシスループは,材の平衡含水 率が,脱着過程では,到達最大平衡含水率か ら 減少 し,平衡含水率が増加す ることは考え られ ていない.また吸着過程では,到達最小含水率 か ら増加 し,減少す ることは考えられていない. これはFig.2に示 した園のように, 1は完全な 等温線 とある相対湿度か らの脱着等温線 (BC DE)を示 したものであり, この脱着等温線 は 高い相対湿度状態 と低い相対湿度状態を交互に 設定 し,材の含水率が自律的に調整されたとき の等温線である.材を調湿するときの相対湿度 が段階的に変更 され,平衡含水率を小幅に調湿 して行 く場合には,Fig.4に示 した様 になる. 吸着等温線か ら脱着等温線 に移行す る過程で, 調湿する相対湿度がFr点か らCr点 よ りも低 い Dr点に設定 され ると,典型的な通常 の脱着等

(5)

南方資源利用技術研究会言志 0 0 0 0 6 山「 o 0 0 G 0 O <■ o o o o o 0 2 0 8 6 止「 つ▲ I u / u

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T o Ll ) 8 6 e l u EJ LI S Je !-6 M B 1 ( u / M u m -O L X ) a B e -」 1 S l遥 u 鼓 u e l CD() ⋮ ⋮ 200 9 20 110 60 80 100 RelatLVehurnidity (%) 0 20 40 60 80 100 ReLativehumidity ( % )

Fig.3 Schrinkage and swemng ofdifhse porouse woodsto relative humidity.

温線を示すが,Fr点 とCr点 の中間の相対湿度 に設定,調湿され ると,等温線 はCeよ りも高 くなる. この時には相対湿度は低下 して も平衡 含水率はCe点よりも高 くなる.同 じことは脱 着等温線か ら吸着等温線に移行するときにも起 こり,相対湿度が減少 して も平衡含水率が高 く なる現象が生 じることになる.Fig.5に示 した

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Lu n T Iq Fl! n b 山 EJr Cr Br Fr ReLatlvehumidity Fig.

4

Transition ofisotherm diagram from

adsorpt10nProcesstOdosorptlonprocess.

相対湿度 と膨潤量,乾縮量の図では,吸着過程 では,相対湿度100%付近で調湿 された試験片 の含水率がF.S.P.に遺 していないとき,図中 脱着過程の平衡含水率Cr点 よ りも高 く,調整 された吸着過程 の平衡含水率Er点 よ りも低 い 調湿環境にさらされたとき,寸法変化 は膨潤過 程の寸法曲線か ら乾縮過程の寸法曲線に移行す 8 U 3 6 E! J u ! J LJ S tC !I u a B u e 1 cr Br Er Relative humidItY

Fig.5 Schema七c diagram ofshrinkage and swellingto re一ative humidibr.

(6)

-4-VoL7 No.11991 るが, この時相対湿度の差で試験片の含水率が 増大 し,試験片の寸法が膨脹す る状態 になる. この状態 は調湿する相対湿度のステップを小 さ くす ることで生 じる相対湿度の変化によって起 こる.本実験では調湿する含水率を細か く区分 し,各区分 の調湿時間 は約

1

0

時間行 い,試験 片には水分傾斜がない十分な平衡状態にあった ときのデータすなわち静的な状態のデータであっ たと考え られる.含水率 は等温線上で考え られ る吸着等温線か ら脱着等温線あるいはその逆の 状態に移行 したときの平衡含水率の差で生 じる であろうと考え られる.相対湿度の設定を細か く調整するならば,いずれの樹種でも発生す る ことが可能であろう. 結 論 約8-30%の含水率範囲で広葉樹散孔材 の 膨潤乾綿を測定 し相対湿度 と膨潤乾縮重の関係 について検討 し,次のような結論を得た. 1,静的な相対湿度の調整では,脱着過程で 膨脹 し,吸着過程で収縮する相対湿度領域 がある.

2

, この現象 は脱着過程の乾縮曲線か ら吸着 過程の膨潤曲線へ,またはこの逆過程で曲 線を移行 した場合に,平衡含水率が増減す るために生 じる. 参考文献 1)北原覚- (1966)木材物理,森北 出版 , 東京,33.

2)OkohK.Ⅰ.A andSkaarC.(1980)Moisture sorpdonisotherrTBOf仇ewoodandinnerbark

often sou仏em US hard woods,Wood Fiber,12:98-

1

1

1

.

3)SpaltH.A.(1958)Thefundamentalsof water vapor sorpdon by wood, Forest Prods.J_,8:288-295.

4)Starrm A.T.(1964)Woodandcellulose science,Ronaldpress,New York,549. 5)渡辺治人 (1978)木材理学総論,農林 出

版,東京

,232

.

参照

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