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MANET上のGeocastを用いたマルチキャストメンバ管理方式におけるデータ送信手法の評価

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Academic year: 2021

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図 1 Geocast 概念図 図 2 制御パケットの送信

MANET における Geocast を用いた

マルチキャストメンバ管理方式におけるデータ送信手法の評価

三木 遼† 白石 陽‡ 高橋 修‡ 公立はこだて未来大学大学院† 公立はこだて未来大学‡

1.はじめに

Mobile Ad-Hoc Network(MANET)とは,無線通 信機能を搭載した端末(ノード)が,自律的に 構築するネットワーク形態である.MANET では, ノード同士が通信する際に,送受信ノード以外 のノードを介してパケットを転送するので,イ ン フ ラ が 不 要 と い う 特 徴 を 持 つ . そ の た め , 様々な利用方法が提案され,それに適応するル ーティングプロトコルが活発に検討されている. Geocast[1]は,MANET における位置情報を用 いたマルチキャストデータ送信手法である.こ の手法では,送信元がGeocast Region(GR)と呼ば れる領域を定義し,データ送信を行う(図 1). マルチキャストグループは,GR 内に存在するノ ードによって構成される.なお,各ノードの位 置情報は,GPS 等を用いて取得する. しかし,GR の外に出た受信者に対してデータ パケットの送信を継続する必要があるアプリケ ーションを想定した時,既存の Geocast では GR 外のマルチキャストメンバに対するデータの送 信は不可能なため,実現することができない. そこで著者らは,Geocast を利用したマルチキ ャストメンバ管理方式を提案している[2].本稿 では,提案するメンバ管理手法におけるデータ 送信アルゴリズムの,メンバ数とデータパケッ ト数の関係について比較評価実験を行い,その 結果を示す.

2.Geocast を用いたメンバ管理方式

本マルチキャストメンバ管理方式は,大きく 分けて以下の処理に分類される.  マルチキャストセッションの広告  マルチキャストグループへの参加  マルチキャストグループ参加状態の維持  マルチキャストグループからの離脱 提案手法では,マルチキャストセッションの 広告パケットを送信するために,Geocast を用い る.広告を行うエリアを,Advertise Region(AR) と呼ぶ.AR 内にて広告パケットを受信したノー ドは,アプリケーションやユーザからの要求に 応じて,マルチキャストグループへの参加と, 参加状態の維持を行う.この処理は,自らの ID と位置情報を含む参加・維持パケットを,デー タの送信元へ定期的に送信することで実現する. 送信元は,参加・維持パケットの情報を管理す ることで,マルチキャストメンバの ID と位置情 報を保持する.グループの離脱は,メンバが送 信元へ離脱パケットを送信し,送信元が該当す る情報を削除することで実現する. 提案手法では,送信元へ制御パケットを送信 する際に,広告パケットに含まれる経路情報と AR 情報を用いる.具体的には,広告パケットを 受信したノードは送信元までの経路を保持して おり,AR 外のノードは AR 内のノードにパケッ トの転送依頼を行い,送信元へパケットを転送 する(図 2).提案手法はメンバ管理にフラッデ ィングを行わないという特徴を持つ.

3.データパケット送信アルゴリズム

本マルチキャストメンバ管理方式では,取得 したメンバ ID と位置情報を用いて,データパケ ットの送信を行う.データ送信アルゴリズムに は,メンバの位置情報を用いてマルチキャスト 木を構築する Location-Guided Multicast (LGM)[3]

Evaluation of Data Transfer Algorithm for Geocast-Based Multicast Membership Management Algorithm for MANET Ryo Miki†, Yoh Shiraishi‡, Osamu Takahashi‡

† Graduate School of Future University Hakodate ‡ Future University Hakodate

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図 3 参加メンバ数とデータパケット転送回数 と,送信者と受信者の間の経路を構築するノー

ド が デ ー タ パ ケ ッ ト を 送 信 す る On-Demand Multicast Routing Protocol (ODMRP)[4]が挙げられ る. LGM に は , Location-Guided K-ary(LGK) と Location-Guided Steiner(LGS)の二種類のアルゴリ ズムが存在する. 3.1.Location-Guided K-ary LGK では,まず物理的な距離がパケットの送 信者に近いメンバを k 個選択し,グループの代 表とする.次に,残りのメンバのグループ分け を行う.グループを選択する基準は,選択した 代表との距離であり,最も短いものを選択する. パケットの送信者は,k 個のグループの代表に, それぞれのグループ情報を付加したデータパケ ットを送信する.パケットの受信者は上記を繰 り返す事で,マルチキャストを実現する. 3.2.Location-Guided Steiner LGS では,送信元がマルチキャスト木を決定 する.マルチキャスト木の作成は,まず送信元 と最も距離が短いメンバを探し,その二つのノ ードのペアを「枝」として決定する.次に,残 りのメンバの中から「枝」との距離が最も短い ノードを探し,新たな「枝」を追加する.この 処理を,全てのメンバが「枝」に含まれるまで 繰り返すことで,マルチキャスト木を作成する. 3.3.On-Demand Multicast Routing Protocol

ODMRP は,データパケットの転送を行うノー ド集合をForwarding Group (FG)として定義する. FG に参加する条件は,メンバが送信元に送る制 御パケットを転送する事である.提案手法では, 参加・維持パケットがこれにあたる.送信元は, データパケットをブロードキャストによって送 信する.FG に属するノードは,同様にブロード キャストを用いてパケットを転送する.

4.評価実験

送信アルゴリズムの比較実験として,マルチ キャストメンバとネットワーク上に送信される データパケット数の関係を評価した.シミュレ ータにはNetwork Simulator 2[5]を用いる.メンバ 管理方式には 2 章で述べたメンバ管理方式を用 い,データ送信アル ゴリズムに 3 章で述べた LGK,LGS,ODMRP の 3 つを使用する.加えて, フラッディングによるデータパケット送信数の 理論値を比較評価の対象とする.ただし,フラ ッディングではメンバ管理を行わない. ネットワークエリアは 1000m 四方とし,ノー ド数は送信元を含めて 100 ノードとする.すべ てのノードはランダムに配置し,移動しないも のとする.以上の環境で,マルチキャストメン バ数を 10 から 99 ノード(送信元以外全て)ま で増加させていき,ネットワーク内でデータパ ケットが送信される回数を計測した.評価結果 を図3 に示す. フラッディング以外のアルゴリズムでは,メ ンバ数が増大するにつれてパケット転送回数が 増加していく.その中でも ODMRP は特に少な い転送回数でデータパケットの送信を実現して いる.これは,ODMRP がデータパケットの転送 にブロードキャストを利用し,同時に複数の宛 先にパケットを送信することができるためだと 考えられる.

5.おわりに

本研究では,Geocast によるデータ送信の問題 点であるマルチキャストメンバの移動制限の問 題を解決するために,Geocast を用いたメンバ管 理方式を提案している.本稿では,本管理方式 で用いるデータ送信手法の評価の一環として, メンバ数とデータパケットの関係について比較 評価実験を行った.評価結果で,ODMRP は送信 元以外のすべてのノードがマルチキャストグル ープに参加している環境でも,フラッディング のおよそ 32%のパケット送信回数でマルチキャ ストを実現することを示した. 今後はノードが移動する環境におけるパケッ トの到達率や,各ノードが受信するパケットの 遅延等について比較評価を行う予定である. 参考文献

[1]Y. B. Ko and N. H. Vaidya, “Flooding-based geocasting protocols for mobile ad hoc networks”, Mobile Networks and Applications, pp. 471-480, (2002).

[2]三木遼,白石陽,高橋修, MANET における Geocast を用いたマルチキャストメンバ管理方式の提案と実 装, DPSWS 2009 論文集.pp.7-12, (2009)

[3]K. Chen and K. Nahrstedt, “Effective Location-Guided Tree Construction Algorithms for Small Group Multicast in MANET”, Proc. of IEEE INFOCOM 2002, (2002). [4]S.-J. Lee, M. Gerla, and C.-C. Chiang, “On-Demand

Multicast Routing Protocol for Ad-Hoc Networks”, Proc. of IEEE WCNC’99, pp 1298-1302, (1999).

[5]ns-2, “The Network Simulator version 2”, http://www.isi.edu/nsnam/ns/

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参照

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