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日本の個人投資家のリスク資産投資:金融リテラシーの種類や情報源の違いはどのような影響を与えるのか?【要旨】

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Academic year: 2021

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経営財務研究 Vol.39 No.1・2(2019.12) 86

日本の個人投資家のリスク資産投資

金融リテラシーの種類や情報源の違いはどのような影響を与えるのか?

顔 菊馨

(一橋大学)

白須 洋子

(青山学院大学)

近藤 隆則

(京都橘大学)

三隅 隆司

(一橋大学)  本稿は,サーベイ調査によって得たデータから,金融リテラシー(特に投資に直接関連する応用的 リテラシー)や投資家が依拠する情報源が,個人投資家のリスク資産の保有や投資リターンにどのよ うな影響を与えるかを分析した。本稿の結論としては,第一に,応用的リテラシーとリスク資産の保 有は密接な関係がある。第二に,専門家の助言を情報源とする個人投資家は投資信託の保有確率が高い。 第三に,金融リテラシーの高さや専門家の助言が投資リターンをプラスにする確率を高める傾向にあ る。 キーワード:個人投資家,金融リテラシー,情報源,投資リターン 要 旨

1 はじめに

日本の家計の金融資産に占める預貯金の割合の高さは何に起因するのか,それを明らかにするに は,日本の個人投資家のリスク資産の選択やその投資リターンがどのような要因によって決定される のかについての理論的,実証的な解明が不可欠である。個人投資家のリスク資産選択や投資リターン の決定要因については,様々なタイプの先行研究が存在するが,日本の個人投資家についての明快な 知見は必ずしも豊富とはいえない。 一般的に,個人の金融商品選択は,年齢や教育といった個人属性,所得額や金融資産額といった経 済要因が主要な決定要因とされてきたが,近年の研究では標準的な金融理論で提示されているリスク 回避度や,行動ファイナンス理論で提示されている自信過剰といった心理的要因にも影響されること が明らかにされている1)。さらに,心理的要因の中でも,「金融リテラシー」がリスク資産の保有や 投資の成果にとって重要な役割を果たしていることが認識されつつある。 本稿では,金融リテラシーについて,海外の先行研究がその重要性を意識しているものの,日本で は未だ研究の少ない以下の点に焦点を当てて分析を行う。 第一は説明変数に関して,金融リテラシーの中でも,基礎的リテラシーと応用的リテラシーのどち らが日本の個人投資家に大きな影響を持っているのか,という点である。これに関連する先行研究に ■大会特集論文

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