ハイレベルな物流現場を維持する7つのコツ
荷主企業・物流企業にとっての「ハイレベルな現場」を作り
その現場を持続していくコツ
ハイレベルな物流現場とは?
物流現場というのは、ひと目見ると概ねその現場のレベルがわかり、ひと回りすると、全容が把握できます。 優れている現場とはいったいどういった現場でしょうか。 製造現場では計画や改善が徹底されているが、物流現場にはそのノウハウが浸透されていない事はよくある事です。 ではなぜ物流現場に「計画」や「改善」が、製造現場のように伝わらないのでしょうか。 それは、製造現場に見られる「生産計画」を基にした「人員配置」や「生産性向上」のための活動が、物流現場においては 「終わり仕舞い」という概念の定着により改善活動の定着が図り辛い環境であることが、大きな要因と考えられます。 物流現場に不可欠な入荷や出荷の情報は、生産計画程の精緻な事前情報はなく、受動的な性質の業務といえます。 生産には、必ず計画に基づいた業務の始まりがあり、能動的な性質が高いことが業務の安定にも繋がります。 自らが計画を立てられない物流現場は、「受動的」であり「非計画」な要素の極めて高い職場であるので、その管理者に 求められる能力は必然的に相違します。荷主企業・物流企業にとっての「ハイレベルな現場」を作り、その現場を持続していくコツを解説。
高品質 (間違いが無く在庫管理精度 も高い事を指す) 全スタッフが品質向上・ コスト逓減に向かっている ≪優れている物流現場の条件≫ 製造業が建築した倉庫(配送センター)と、運輸業が建築した倉庫(配送センター)では、施設の設計やその仕様が大きく 異なります。 物流現場の非正社員化が進み、社員からパート・アルバイトや人材派遣、更には外部業者へのアウトソーシング化など、 物流現場に従事しているスタッフの雇用形態は様々な時代です。 本来、ローコストであり持続した改善活動を行っていくには、直接雇用施策が最適です。特に、多くのパートさんを雇用し 永く勤めて頂くには職場としての最適化が求められます。その中でも、『更衣室』と『化粧室』はとても大きな要因です。 保管料の対象でもなく、作業スペースでもない従業員のための施設ですが、気持ち良く『仕事』に従事してもらうには職場 環境の向上が品質の向上やコスト逓減に関係してくるものです。
7つのコツ その1 「更衣室と化粧室」
更衣室 個別の鍵付きロッカー 清潔な化粧室 仕事後にスーパーや子どもの お迎えなど人に会うので、 恥ずかしくない服装に着替えたい お財布や携帯電話などの 貴重品を管理したい 冬はコートなどかさばる ものをしまいたい 製造業が建築した倉庫(配送センター) •『更衣室』や『休憩室』が完備 •元来従業員が勤務する事を前提として建築した 工場施設の延長にあるため 運輸業が建築した倉庫(配送センター) •『休憩室』はあっても『更衣室』は案外無い事が多い •営業目的で作られた倉庫のため投資に対しての 回収見込みを十分に得れる為の設計であるため どこの物流現場でも「整理整頓」や「5Sの徹底」などの看板やポスターなどを見ることが多いです。 しかし、実際にその掲示のように現場のスタッフ全員が「整理整頓」の意識を持って日々の作業に従事しているかと言うと、 その限りではありません。 人の意識の大きさが、行動に反映するものですので、看板やポスターだけでそれが実行されるようなものでは無いと思います。 小学生の頃、「給食当番」「掃除当番」などの係りを全員で持ち回りで行っていましたが、物流現場の「整理整頓」も同様に、 全従事者が平等に役割を分担して「整理整頓」に対する意識レベルの維持・管理に努める事が肝要です。
作業リーダーのみが、物流現場の品質管理を行うのではなく、全従事者が品質の維持・管理を担う現場こそが、
ハイレバルな物流現場を持続できるコツのひとつです。
7つのコツ その2 「整理整頓係り」
Aさん Bさん Cさん Dさん Eさん 「整理整頓」に対する 意識レベルの維持・管理 現場の見学時に、スタッフの方からの“いらっしゃいませ”、“こんにちは”などの『挨拶』は、外部からの訪問者にはとても 感じの良い職場に感じられます。それとは逆に、スタッフからの声がけが全く無い職場は寂しさと活気の無さを感じます。 職場ですので、各スタッフは自身に課せられた仕事を真面目に行っていればそれで良いとの考えもあります。 しかし、チームや仲間を意識しない職場は、全体の品質や生産性向上には不向きではないでしょうか。 ただ、「挨拶の励行」といっても各スタッフへその方法や内容を明確に指示しておかないと個人差が出てしまい、一体化とは なりません。 『現場の見える化』を実行し、平準化した業務フローを構築するには、その現場に適した「業務マニュアル」が必須となります。 その「業務マニュアル」の第一項が「挨拶の励行」となり、どのタイミングで何と言って外部からの訪問者に応対するかがポイ ントです。
朝の“おはようございます”が、良い現場を持続する第一歩です。
7つのコツ その3 「挨拶の励行」
チームや仲間を 意識 協調性や柔軟性の 統一 指示命令系統の 強化 コミュニケーションが 円滑に ≪挨拶のメリット≫ 現場を運営する上で、最も重視されるのはセンター長のマネジメント力と思われます。 日々変化のある物量を事前に把握し、適切な人員の配置及び当日における工程毎の作業進捗管理など、現場に関わる多 くの情報を把握しなくてはなりません。 センター長とは、その現場における「収益責任者」でもある訳ですから、過剰な人員は収益を悪化させ、人員不足は業務に 影響を与えます。 現場スタッフがその工程やセンター全体を運営しているという自覚と、与えられた職責に対する自意識をいかに定着できる かが、センター長のマネジメント力となります。
一人一人の意識の高さが、センター全体の士気となり、品質として表れて良い現場としての循環が成されます。
7つのコツ その4 「計画・進捗・報告と掲示板」
①「作業計画」 生産の現場であれば、必ず「生産計画」に基づいて 人員や時間を算出しコストを明確に事前管理 「作業計画」が十分に成されていない現場は、 高品質な物流サービスの実行は困難に ≪センター長がすべきこと≫②「作業進捗管理」 リアルタイムで、計画通りに進んでいるか、 余剰人員や遅延している工程の確認 波動の多い物流現場で、事態の遅れは 即出荷業務に影響する ≪センター長がすべきこと≫③「報連相」の体制構築 日々の計画は、掲示板やミーティングにて全体で 共有する 全ての現場の状況を把握するために必要 ≪センター長がすべき事≫ 現在の物流センターでは、社員・パート・アルバイト・人材派遣など多くの雇用形態による従事者が混在して働いています。 荷主企業の自家運営でも物流企業の運営でも、組織としての役割や活動内容には違いは無いはずです。 センター長の役割として、荷主直営の場合と物流企業では業務に対する意識やその目的がいくらか違った形となって現わ れます。 よくある事例:荷主企業直営の物流センターではその日の数量や件数などが、一部の社員以外は全く知らされない。 成功している事例として、「意見箱」の設置があります。 「意見箱」そのものがベストという事ではなく、広く意見を聞きます、というセンター側の姿勢が重要となります。
目的・目標に向けて一体化を図り「改善」の風土を培うには、そこで働く全ての人の意識向上を行い、
7つのコツ その5 「意見箱の設置」
・その日の出荷を全て 終わらせることがゴール ・コスト削減の結果:年間 を通じて 荷主企業 の運営 ・その日の削減コスト= その日の利益 ・コスト削減の結果:当日 (数値化される) 物流企業 の運営 現場で働く従業員及びスタッフ の意識に違いが現れる 与えられた仕事の実施。 時間の経過だけが 関心ごと 職場の「一体感」や目的・ 目標に対する「共通化」 が行なわれない 生産性や品質向上に 限界が見える 物流センター全員の「意識 向上」が結果として品質や コスト逓減に繋がっていく 物流センターにおいて、「情報の共有」と「ベクトルの一致」は欠かせないものです。今日やるべき事も然ることながら、今週・ 今月といった未来に関わる情報も出来るだけセンターに従事するスタッフへ開示すべきです。 情報の開示には、掲示板や回覧による文書によるものと、朝礼・昼礼などの直接的な伝達方法があります。 しかし、物流現場の最繁忙時であります夕刻には、点呼やミーティングなどのちょっとした集まりでさえ避けている現場が多 いのではないでしょうか。実はこの最も忙しくなる時間帯こそが、センター内での「情報の共有」が必要であり、それぞれのス タッフ間の連絡を密に取るべき時なのであります。 何故、スタッフの手を止めてでも集まる必要があるのかを、センター責任者が自覚しなくては、意義の無いものになってしま います。
多くの人が従事する物流センターでは、「朝礼・昼礼・夕礼」は『点呼(確認)』と『情報共有(発信)』の二つを
兼ね備えた有意義な工程でもあります。
7つのコツ その6 「朝礼・昼礼・夕礼」
• 主戦力のパートさん⇒フルタイム、残業対応者、新しく勤務に就く スタッフ 引継ぎ • 時間当たりの生産性 • 稼働率 ※15時~17時は著しい労働力の低下が予想される 必要な情報の把握(センター長) • 遅れ・余剰工程を全員で把握 • 一致団結 ピークを乗り切る体制作り ≪夕礼をすべき理由≫ 物流のアウトソーシングは、今後さらに進みその市場規模は年々拡大されるでしょう。 改善・利益のシェアに重要になる「SLA」。 日々のオペレーションを、構築したシステムと同じようにルーチン化して取組めば、両社にとって大きな改善は望めません。 ルーチンとして捉えるのではなく、「改善の宝箱」と定め、契約両社が結果を求めて改善活動に取り組むと、より早期の結果 が出ます。 そこで、契約時に、 ①基本契約書 ②料金等に関する覚書 ③SLA(サービス・レベル・アグリーメント) の3点を結ぶことを オススメします。 SLAはマイナーな契約事項ですが、重要な指標となり、結果をシェアするためには欠かせないツールとなります。インセン ティブは、日本の物流契約には馴染みも実績も薄いものと思われますが、どちらか一方だけが利する契約は、結果的に両 社の繁栄とはならず、永続的な取引も困難となります。