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10~15年後を見据えたIoTアーキテクチャの要件と展望

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Academic year: 2021

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(1)

10

~15年後を見据えた

IoT

アーキテクチャの要件と展望

大 岩 寛

産業技術総合研究所

情報技術研究部門

2016-03-07

(2)

IoT

の趨りと興り

• 1982

年 =

31

年前

– Carnegie-Mellon 大学でコーラの自販機を 学内ネットワークでモニタ可能に

• 1993

年 =

22

年前

– Cambridge 大学がコーヒーサーバーを インターネットで全世界に公開

• 1999

年 =

16

年前

– MIT Auto-ID Labs の設立者が

「Internet of Things」の語を提唱

• 2012

年=

3

年前

起業家が “Trillion Sensors Universe” を提唱

• Trillion = 1,000,000,000,000 = 1一兆センサー

この辺りから急激に世間の注目を集めるように

(3)

IoT

の興り

なぜ今 IoT / CPS が盛り上がるのか?

いくつかの技術的・環境的背景

通信インフラの広範な普及

データ源側の大幅な省力化・低コスト化

デバイス製造・センサー技術の発展

実世界との接点の低コスト化

データ処理技術の大幅な発展

ビッグデータ解析による「膨大な無整理データ」 からの新たな知見・ルール・性質の発見が可能に – 「使い方より先にまずデータを採る」意味が出てきた大規模データ処理を支える計算基盤の発展 – クラウドによる大規模計算インフラの実用化・低コスト化

(4)

「インターネット」に「モノ」を繋げば

「モノのインターネット」なのか?

巷にあふれる「IoT 商品」

電力消費量のリアルタイム監視

(スマートメーター)

サーモスタットの遠隔監視・省エネ制御

庭のスプリンクラーの簡単遠隔操作化

アメリカでは重大な問題なんだそうです

通販直結の消耗品注文ボタン

どれも今現在の単体としてはいい製品ですが…

(5)

クラウド サービス

寂しいIoT

(

もどき?)

のデータモデル

データ取って、クラウドで処理して、

データを「返す」

センサーが倍になると、データの価値が

倍(以下)になるモデル

スケールメリット皆無「30年前の自動販売機と変わっていない?」 データ データ データ データ

(6)

今のIoTのボトルネック

各IoT事業者のセンサー群が 独自に閉じたインフラ設計 • センサー間・事業者の横連携が 取れないモデル • 「とりあえずクラウドへ」の データモデル – センサーが増えても、 ボトルネックが増えるだけで 規模の増大のメリットが生じない • 端末間通信を許さないNW設計 – セキュリティ対策のための ネットワークの「引きこもり」化 “Internet of Intranets”

– 長期的な視点での 情報連携の大きな障害 Internet センサー群1の閉域ネットワーク センサー群2の閉域ネットワーク クラウド・プラットフォーム業者(Google, GE 等) データの囲い 込み・局在化 通信の集中 ボトルネック 無駄な通信

(7)

我々の目指すべき目標点は?

ただ「接続していること」に

価値のある世界はつまらない。

インターネットの

質的転換

接続することで新たなことができること

」に

価値のある世界

「データを混ぜること」「流通させること」で

新たな価値が生まれる世界

• AI

・ビッグデータの潮流をきちんと生かす世界

(8)

我々の目指す世界:

2030

年のIoTのイメージ

世界中に広く分布する「共通センサーインフラ」と、

そこから必要な情報を入手して作る「IoTサービス」

一兆(Trillion Sensors)規模の巨大センサーインフラ • ありとあらゆるセンサーが繋がる基盤 – 複数事業者の構築したインフラが密に結合するモデル • センサー基盤全体のインフラ化・共用化 – 既存センサーへの新たな利用目的の追加複数事業者間の情報の自在な流通による 新サービス・イノベーションの創出(規模の効用の増加) – IoTサービスは、今あるセンサーから必要な情報を入手し、 そこに新たな価値を見いだしてユーザーに提供 • センサーが「そこにある」ことが新たな価値創造の可能性を生む • 規模が増えれば増えるほど、市場の価値が加速的に増える世界

(9)

The Internet of Things

IoT

インフラの将来像

インフラとして インターネット上に 広くばらまかれた センサー群 必要な センサー情報を 取得し利用 一般サービス 利用者へ 情報として提供 効率的な商品・ サービス提供 移動の最適化 インフラ運営 移動支援・健康介護 効率的な工業生産 センサー 提供者 (官・民) センサー 提供者 (官・民) センサー 利用者 (官・民) センサー 利用者 (官・民) 動的割り当て 資源管理 セキュリティ管理 エネルギーの 効率的供給

(10)

Motivating Example

自らデータを収集し判断

する自動運転車

行き先を指定すると経路上にあるセンサーを探索走行の過程で、近づいた街頭センサーや 対向車と自動的に連携 – 曲がり角の先から飛び出す子供など、 車上センサーでは捕らえられない情報も動的に獲得 – 人間では防げない事故も、センサーがあれば大丈 夫!」 ……くらいのことが出来ないと、IoT の存在意義が悲しい。 • A社のカメラでは捕らえていたが、 B社の車ではネットが違うのでデータが使えなかった、 などでは技術者としてとても悲しい

(11)

15

年後のIoTへの技術的課題

データ量の暴力

データ処理の一極集中の招く問題の顕在化

数の暴力

一兆個のセンサーと、それに見合った

サービスの生むダイナミックな状況変化

セキュリティ・サービス管理の破綻

大量の流れに対して、制御できる力が圧倒的に不足今の管理者主体のセキュリティ管理の限界

今のインターネットの技術では、

2030

年の膨大なセンサーを捌けない。

(12)

15

年後のIoTへの技術的課題

端的に今、何ができていないか?

情報の流れの制御が、サービスの変化に追いつけないセキュリティや通信の制御は管理者主体 – 新しいサービスを追加するには - 管理者を呼んできて通信設定を書き換える か、 - 最初から誰とでも通信できるようにしておくか、しかない • 通信インフラが通信を最適化できない – 瞬発的通信も、長期間通信も、同じ仕組みでしか扱えていない – 貧弱なセキュリティ対策が通信の自由度・効率を制限する • 悪者の影響を軽減できない – DoS 攻撃など小電力デバイスには特に脅威になる

★ アーキテクチャレベルの再設計

が必要

「Webインフラとしてのインターネット」の延長上には無い • 15年後のためには、今から取り組まないと間に合わない

(13)

我々の取り組む技術

サービスの情報に基づく

インターネット制御の自動化・広域連携化

インフラがサービスを時々刻々と把握

サービス連携の状況から

これから起こる情報の流れを把握

通信制御やセキュリティ設定の自動化

サービスの情報から「今後起こる通信」を計算先回りしてネットワークの挙動を動的に制御ネットワーク間で制御を分担・連携

これまでの固定ポリシーや feed-back 型の制御では

実現できないサービスインフラを実現する

(14)

工場・インフラのネットワーク (Industry 4.0) 街中の様々なセンサーネットワーク

今のインターネットの

セキュリティ機構

固定的な設定の 「城塞型イントラ」 ・通信を一方向に(↑方向)制限 ・ 中からやられると崩壊 ほぼ無法地帯の 広域インフラ 城塞国家モデル クラウドへ一方向の 強制された情報の流れ →: データの流れ

(15)

広域・分散管理のネットワーク 工場・インフラのネットワーク (Industry 4.0) 街中の様々なセンサーネットワーク GW GW GW GW GW GW GW GW GW GW セキュリティ 制御の連携

目指す技術の方向性

センサー・ エッジ間の 直接通信・連携 サービス毎に適した 自由なデータの流れ 「メタ情報」の流通情報の流れの 動的設定の ゲートウェイ ↑ NWコントローラ ↑ インフラ全体での 状況把握・分散管理 GW GW →: データの流れ →: サービス情報の流れ

(16)

我々の取り組む技術

この技術で実現すること

サービスの要求に応じた

最適化された通信インフラを提供

サービス毎の特性に応じた帯域や接続性の提供

現状の固定設定以上のセキュリティ

サービス変化に自動的にセキュリティ設定が追従デバイスの特性に応じた最適なセキュリティ保護 – 小電力デバイスなどに合わせて保護や暗号化を自動設定 – サービス毎の専用通信路の自動的提供なども可能 • 不正通信の検知と抑圧 – DoS 攻撃や感染端末の影響を軽減・局在化

現状より柔軟で確実な状況モニタリング

起こるべき通信をインフラが常時把握状況を的確に把握して管理者にフィードバック

(17)

研究の内容とスケジュール感

主な課題

インフラ制御に注目したサービス連携機構

サービスとネットワーク側の要求の摺り合わせ

大規模・大容量インフラでの細粒度通信制御

複数管理者・事業者間での制御の連携・調停

想定スケジュール

– 2030

年の実用化を目指す

• 2018~19年までに最初の実証実装部分的にも利用可能な形で徐々に技術展開サービス連携プラットフォームとの連携広域環境への普及には5~8年は必要

(18)

他に考えるべきこと

常に変化し続けるIoT世界から必要な情報を

見つける仕組み

全世界規模の「センサーのカタログ」データ形式・手続きの統一化・柔軟さも重要

センサーなどのソフトウェア自体の強化

ソフトウェア検査(関西センター) ソフトウェア検証(つくば)

プライバシーの保護

– IoTの生む機微なデータを自動で流通させるため、 • プライバシーそのものを AI が判断できる技術 • プライバシーが漏れない計算(暗号)技術 などが必要に

産総研自身の研究や外部連携などで取り組んでいきます

(19)

まとめ(今後の抱負)

「ただ情報機器をインターネットに繋ぐ」

だけでは IoT の価値は増大しない。

複数の情報があれば、

組み合わせることが新たな価値を生む

という考え方を技術で現実化したい。

サービス連携からセキュリティまでを

俯瞰した新しい IoT インフラを提案

今より柔軟で安全な環境を

2030

年までに提供することが目標

一兆センサーのスケール感を技術で後押ししたい

参照

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