平成21年度
富岡市
地域新エネルギービジョン
平成22年2月
ߪ ߓ ߦ
⑳ ߚ ߜ ߪ ޔ ߎ ࠇ ߹ ߢ ⼾ ߆ ߥ ↢ ᵴ ࠍ ㅊ ᳞ ߒ ޔ ߹ ߚ ⛽ ᜬ ߔ ࠆ ߚ ޔ ᄢ ㊂ ߩ ൻ ⍹ Ά ᢱ ࠍ ᶖ ⾌ ߒ ߡ ߈ ߹ߒߚޕ ߘ ߩ ⚿ ᨐ ޔ ൻ ⍹ Ά ᢱ ߩ ᶖ ⾌ ߦ ࠃ ࠆ Ⅳ Ⴚ ߳ ߩᓇ㗀ߪޔ⇇⊛ߥ⺖㗴ߣߥߞߡ߅ࠅޔਛߢ߽ޔ ൻ ⍹ Ά ᢱ ߩ ᶖ ⾌ ߦ ࠃ ࠅ ⊒ ↢ ߔ ࠆ ੑ ㉄ ൻ ⚛ ߪ ޔ ᷷ ᥦ ൻ ߩ ⷐ ࿃ ߩ ৻ ߟ ߢ ࠆ ߎ ߣ ߆ ࠄ ޔ ߘ ߩ ᷫ ߦ ะ ߌ ޔ ⇇ ⊛ ߦ ข ⚵ ߹ ߥ ߌ ࠇ ߫ ߥ ࠄ ߥ ༛✕ߩ⺖㗴ߣߥߞߡ߹ߔޕ ߎ ߩ ࠃ ߁ ߥ ਛ ޔ ᐕ ߦ ੩ ㇺ ߢ 㐿 ߐ ࠇ ߚ ╙ 㧟 ࿁ ᳇ ᄌ േ ᨒ ⚵ ᧦ ⚂ ✦ ⚂ ࿖ ળ ⼏ ߢ ߪ ޔ వㅴ࿖ࠍߪߓߣߒޔෳടฦ࿖ߩ᷷ቶലᨐࠟࠬឃᷫ⋡ᮡࠍቯߚ੩ㇺ⼏ቯ ᦠ߇ᛕಎߐࠇޔࡌ࡞ߢߩข⚵ߺ߇ㅴࠄࠆߎߣߣߥࠅ߹ߒߚޕ ࠊ߇࿖ߢߪޔ᷷ቶലᨐࠟࠬᷫߦะߌޔ⍹ᴤޔ⍹ߥߤߩൻ⍹Άᢱߦᦧࠊࠆޔ ࠢࡦࠛࡀ࡞ࠡߩ↪ផㅴࠍߪߓޔ⥄ὼࠛࡀ࡞ࠡ߳ߩォ឵߿ᓴⅣဳ␠ ળߩ᭴▽╬ߩ᭽ޘߥᣉ╷߇ㅴࠄࠇߡ߹ߔޕ ᧄᏒߦ߅߈߹ߒߡ߽ޔ⼾߆ߥ⥄ὼⅣႺࠍᰴઍߦ⛮ᛚߔࠆߚޔޟ✚ว⸘↹ޠ ࠍߪߓޟⅣႺၮᧄ⸘↹ޠޔޟࡃࠗࠝࡑࠬ࠲࠙ࡦ᭴ᗐޠߦ߅ߡޔᄥ㓁శ⊒㔚߿ ࡑ ࠗ ࠢ ࡠ ᳓ ജ ⊒ 㔚 ࠍ ߪ ߓ ߣ ߒ ߚ ၞ ᣂ ࠛ ࡀ ࡞ ࠡ ߩ 㐿 ⊒ ߿ ࡃ ࠗ ࠝ ࡑ ࠬ ࠛ ࡀ ࡞ࠡߩᵴ↪ߥߤߦࠃࠅޔၞߩᵴᕈൻߦข⚵ߎߣߣߒߡ߹ߔޕ ࿁╷ቯࠍߚߒ߹ߒߚޟንጟᏒၞᣂࠛࡀ࡞ࠡࡆ࡚ࠫࡦޠߪޔᧄᏒߩ ၞ․ᕈ߿↪น⢻ᕈࠍࠄ߆ߦߒޔᣂࠛࡀ࡞ࠡߩዉߦะߌߚᣇะ߿⚵ߺ ࠍ␜ߒߚ߽ߩߢߔޕ ᓟޔᧄࡆ࡚ࠫࡦࠍၮᧄᜰ㊎ߣߒߡޔᣂࠛࡀ࡞ࠡߩലᵴ↪ߦࠃࠆޔⅣႺ ㇺᏒޟߣߺ߅߆ޠߦ߰ߐࠊߒ߹ߜߠߊࠅࠍⓍᭂ⊛ߦㅴߡ߹ࠅߚߣ⠨߃ ߡ߅ࠅ߹ߔޕ ᦨᓟߦޔᧄࡆ࡚ࠫࡦߩ╷ቯߦᒰߚࠅޔ߅ᔔߒਛߏℂ⸃ߏදജࠍߚߛ߈߹ ߒߚޟၞᣂࠛࡀ࡞ࠡࡆ࡚ࠫࡦ╷ቯᆔຬޠߩ⊝᭽ࠍߪߓޔ㑐ଥ⠪ߩ⊝᭽ߦ ᔃ߆ࠄᓮ␞↳ߒߍ߹ߔޕ ᐔᚑ㧞㧞ᐕ㧞ንጟᏒ㐳
ᲢፙӸᲣ
目 次
1.新エネルギービジョン策定の背景と目的 ... 1 1.1 新エネルギービジョン策定の背景 ... 1 1.2 新エネルギービジョンの目的及び位置づけ ... 4 1.3 富岡市における現在までの取り組み ... 6 2.富岡市の概要 ... 7 2.1 富岡市の概要及び地勢 ... 7 2.2 土地利用状況 ... 8 2.3 人口及び世帯 ... 9 2.4 住宅数 ... 10 2.5 経済状況 ... 11 2.6 運輸の状況 ... 13 2.7 農業の状況 ... 14 2.8 林種別面積 ... 15 2.9 気象状況 ... 16 3.新エネルギーの種類と概要 ... 22 4.エネルギー使用実態の調査 ... 30 4.1 エネルギー消費構造と二酸化炭素排出量 ... 30 4.2 エネルギー消費構造と二酸化炭素排出量の将来推計 ... 36 5.新エネルギー賦存量・利用可能量の調査 ... 39 5.1 賦存量と利用可能量の定義... 39 5.2 対象とする新エネルギー... 39 5.3 賦存量・利用可能量... 40 5.4 エネルギー種別の賦存量・利用可能量の推計... 43 6.市民アンケート調査結果 ... 72 6.1 アンケート概要 ... 727.新エネルギー導入可能性 ... 88 7.1 基礎調査の結果による新エネルギー導入可能性... 88 7.2 新エネルギー導入可能性の個別評価 ... 90 7.3 新エネルギー導入可能性の総合評価 ... 91 7.4 利用可能量を目標にした場合の二酸化炭素削減量 ... 92 7.5 新エネルギー導入の基本方針 ... 93 7.6 重点プロジェクト ... 96 7.7 重点プロジェクトの推進予定 ... 103 8.計画の推進体制 ... 104 9.参考資料 ... 105 9.1 エネルギーの単位 ... 105 9.2 エネルギー消費構造推計方法 ... 106 9.3 富岡市地域新エネルギービジョン策定委員会設置要綱 ... 111 9.4 富岡市地域新エネルギービジョン策定委員名簿 ... 113 9.5 策定委員会開催の経緯 ... 114 9.6 先進地視察調査報告 ... 115 9.7 新エネルギー関係補助金一覧 ... 119
富岡市地域新エネルギービジョン
1.新エネルギービジョン策定の背景と目的
1.1 新エネルギービジョン策定の背景 (1)計画策定の背景 現在、私たちは地球環境問題やエネルギー問題など、地球規模で緊急な対策 を要する大きな課題に直面していますが、特に地球温暖化を防止するための CO2(二酸化炭素)排出量の削減は急務であり、その排出の大きな要因となってい る化石燃料の利用について見直すことは、エネルギー資源の「海外依存」や「枯 渇問題」への対応としても重要となっています。 これらの問題を解決するためには、私たち一人ひとりの大量生産、大量消費 型のライフスタイルを変えていくという個人としての取り組みに加えて、市 民・事業者・行政が一体となって、地域レベルから環境負荷の少ない資源循環 型社会の構築を図り、地球環境の保全に努める必要があります。そのためには、 省エネルギー対策のみならず、自然エネルギーをはじめとした未利用の地域エ ネルギーの有効活用を図ることが、極めて重要となっています。 (2)エネルギー及び地球環境問題の動向と地域新エネルギービジョン 1997 年 12 月に京都で開かれた COP3(気候変動枠組条約第 3 回締約国会議)の 目標を踏まえ、わが国も、温室効果ガスについて「2008 年から 2012 年までの期 間において 1990 年の水準から 6%削減する」ことを約束しました。京都議定書の 発効を受け、2005 年 4 月 28 日に「京都議定書目標達成計画」(以下「達成計画」 という)が閣議決定されました。達成計画は、「地球温暖化対策推進大綱」を引 き継ぐものとして、京都議定書の 6%削減約束の達成に向けた国の対策・施策を 明らかにし、これに基づき地球温暖化防止に向けて取り組みを強化しようとし ています。 2005 年に立ち上がった「クリーン開発と気候に対するアジア太平洋パートナ ーシップ(APP)」ではエネルギー需要、気候変動問題等への対応を目指し、日本、 米国、オーストラリア、中国、インド及び韓国の 6 ヵ国が参加しており、1992 年 5 月に国連総会で採択された「気候変動枠組条約」と整合しているほか、京 都議定書を代替するものではなく、これを補完するものと位置づけています。 京都議定書に批准していない米国、オーストラリア(2007 年に批准)及び適用対 象外の中国、インドが参加しており、これら 6 ヵ国の温室効果ガスの排出量は富岡市地域新エネルギービジョン また、2007 年 12 月 3 日から 14 日まで、インドネシアのバリ島で国連気候変 動枠組条約第 13 回締約国会議(COP13)及び京都議定書第 3 回締約国会合 (COP/MOP3)が開催されました。この中で、2012 年で期限が切れる京都議定書に 続く新たな温暖化対策の枠組みをどのようにつくっていくのか、その道筋を示 す「バリ・ロードマップ(行程表)」が合意されました。「バリ・ロードマップ」 では、先進国のさらなる約束に関する作業部会に加え、途上国を含めたすべて の国が参加する新たな作業部会を条約のもとで設置し、温暖化の緩和(温室効果 ガスの削減、抑制)、温暖化への適応、そのための技術開発や移転、投資資金の あり方などを盛り込んだ新たなスキーム(枠組み)を 2009 年までに採択すること になりました。 日本では、京都議定書の約束を達成するために、様々な取り組みが開始され ています。具体的には、平成 10 年(1998 年)6 月には、地球温暖化対策推進 本部において、平成 22 年(2010 年)に向けた「地球温暖化対策推進大綱」が 決定、平成 11 年(1999 年)4 月には「地球温暖化対策の推進に関する法律」 が施行、平成 17 年(2005 年)4 月には「京都議定書目標達成計画」が策定、 平成 20 年 3 月には同目標達成計画が改訂されています。 京都議定書目標達成計画(改訂版)では、温室効果ガスの排出削減対策・施 策として、「住宅・建築物の省エネ性能の向上」「トップランナー機器等の対策」 「自動車の燃費の改善」等とともに、「新エネルギー対策の推進」が挙げられて います。 このように、世界的な枠組みにおける声明及び宣言において、気侯変動や環 境保全、地球温暖化に関する内容が中心となっている状況の中、新エネルギー はその導入により、エネルギー安定供給の確保、地球環境問題への対応が図れ ることから、積極的な導入が必要とされています。加えて、昨今の原油価格の 高騰に伴う様々な石油製品の値上がりから、経済的な面からも新エネルギーの 活用が期待されています。 しかし新エネルギーである太陽光、風力やバイオマスなどといった自然エネ ルギーは、いまだ十分に利用されているとはいえない状況です。 自然エネルギーの開発利用は、その地域特性を十分に活かすことにより、エ ネルギー源を確保し地球温暖化防止に役立つこと、独立電源の確保といった防 災上優れた機能があること、加えて地域の環境教育にも貢献できるというメリ ットがあります。 自然エネルギー導入に際しては、地域が自ら考え、その役割を十分認識し取 り組むことが必要であり、その意味においては、市が率先して新エネルギーを 導入することが求められます。このことより、「地域新エネルギービジョン策定 等事業」は、地域特性にあった新エネルギー導入における計画づくりのために
富岡市地域新エネルギービジョン 設けられた支援事業であり、計画策定により新エネルギー関連産業の創出、育 成といった効果も期待されるものです。 (3)エネルギー問題 エネルギー起源の CO2 排出量の増加が、地球温暖化に大きな影響を及ぼして いることから、エネルギー問題と地球温暖化問題には密接な関係があります。 国内における最終エネルギー消費量は、産業部門では平成 2 年(1990 年)以 降ほぼ横ばいで推移していますが、平成 2 年(1990 年)を 100 とした場合、平 成 19 年度(2007 年度)は、民生・業務部門(139.9)、運輸・旅客部門(133.3)、 民生・家庭部門(129.0)で増加率が高くなっており(図 1-1)、こうした部門に おけるエネルギー消費量の抑制により、CO2 排出量の削減、地球温暖化防止へと つなげていくことが重要です。 また、日本国内にはエネルギー資源がほとんどなく、大部分を輸入に依存し ていることから、安定供給という側面からのエネルギー問題への対応も課題と なっています 図 1-1 部門別最終エネルギー消費量の指数推移 (1990 年(平成 2 年)を 100 とした場合の指数) 80 90 100 110 120 130 140 150 160 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 指数(1990年=100) 102.3 産業部門 135.0 民生部門 129.0 民生・家庭部門 139.9 民生・業務部門 114.2 運輸部門 93.5 運輸貨物部門 133.3 運輸・旅客部門
富岡市地域新エネルギービジョン 1.2 新エネルギービジョンの目的及び位置づけ (1) 新エネルギーとは 新エネルギーとは、「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法」により 定められたものであり、自然の力や未利用資源を有効に利用したクリーンなエ ネルギーです。 既存のエネルギーの代替として新エネルギーを導入することで、エネルギー 起源の CO2 排出量を削減し、温室効果ガスの排出削減が可能になるほか、地産 地消のエネルギー利用・環境と経済の両立という視点から地域活性化を誘発す る可能性もあります。 その一方で、既存のエネルギーと比較した場合、「経済性に劣る」「出力が不 安定」「原料の収集・運搬コストが高い」等のマイナス面が挙げられます。 平成 20 年(2008 年)4 月の政令改正により、新エネルギーの定義が一部変 更され、「太陽光発電」「太陽熱利用」「風力発電」「バイオマス発電・熱利用・ 燃料製造」「雪氷熱利用」「温度差熱利用」「中小水力発電」「地熱発電」「バイオ マス由来廃棄物発電・熱利用・燃料製造」が新エネルギーとして定義されてい ます。また、「クリーンエネルギー自動車」「天然ガスコージェネレーション」「燃 料電池」は、新エネルギーの定義から外れ、革新的なエネルギー高度利用技術 と位置づけられました。(図 1-2 参照) 図 1-2 再生可能エネルギー・新エネルギー・革新的な エネルギー高度利用技術の区分
富岡市地域新エネルギービジョン (2) 新エネルギービジョンの目的と位置づけ 新エネルギービジョンは、地域の自然的・社会的条件を踏まえ、地域レベル で新エネルギーを導入推進していくための方向性を示す計画であり、都道府県 及び市町村が策定するものです。 富岡市では、合併により広域となった新たな市域を対象とした「富岡市環境基 本計画」を平成 19 年 11 月に策定しており、本計画の中で、「エネルギーの循 環システムの構築」を掲げ、具体的な取り組みの一つとして「自然エネルギー の普及促進」を挙げています。 また、市の事務及び事業活動により排出される温室効果ガス削減に関する計 画として「新・富岡市地球温暖化対策推進実行計画」が平成 19 年 3 月に策定 されており、省エネルギーの実践及び新エネルギー導入推進に向けた取り組み が着実に実行されています。 さらに、バイオマスの利活用による循環型社会の構築に向けた「富岡市バイ オマスタウン構想」が平成 20 年 12 月に策定され、家庭系・事業系生ごみの堆 肥化や廃食用油の燃料化などバイオマスを利用した取り組みが行われています。 本ビジョンは、こうした関連計画との整合を十分に図りつつ、市民・事業者・ 行政が協働で新エネルギー導入を推進するための指針として、策定するもので す。 第1次富岡市総合計画 平成20年3月策定 ~人と自然と歴史が織りなす 豊かなまち とみおか~ 富岡市環境基本計画 平成19年11月策定 ~豊かな自然と歴史を育む 生命力みなぎる鏑の地 とみおか~ 富岡市地域新エネルギービジョン 新・富岡市地球温暖化対策実行計画 平成19年3月 富岡市バイオマスタウン構想 平成20年12月 第1次富岡市総合計画 平成20年3月策定 ~人と自然と歴史が織りなす 豊かなまち とみおか~ 第1次富岡市総合計画 平成20年3月策定 ~人と自然と歴史が織りなす 豊かなまち とみおか~ 富岡市環境基本計画 平成19年11月策定 ~豊かな自然と歴史を育む 生命力みなぎる鏑の地 とみおか~ 富岡市地域新エネルギービジョン 新・富岡市地球温暖化対策実行計画 平成19年3月 富岡市バイオマスタウン構想 平成20年12月
富岡市地域新エネルギービジョン 1.3 富岡市における現在までの取り組み 本市では、新給食調理場や特別養護老人ホーム妙義等にヒートポンプを導入し ています。また、公用車に天然ガス自動車を導入し、新エネルギーの利活用を 推進しています。 表 1-1 本市における新エネルギー導入実績 導入箇所名 導入機器・数量 エネルギー種別 導入年度 かのさと 太陽熱利用システム1 式 太陽熱 平成10 年 特別養護老人 ホーム妙義 ヒートポンプ1 式 蓄熱 平成19 年 新給食調理場 ヒートポンプ1 式 蓄熱 平成21 年 市公用車 LNG 車 9 台 クリーンエネルギー 平成13 年~平成 16 年 清掃センター ソーラー街灯 2 基 太陽光 平成14 年
富岡市地域新エネルギービジョン
2.富岡市の概要
2.1 富岡市の概要及び地勢 本市は、群馬県の南西部に位置し、東京からは約 100km圏の距離にあり、上 信越自動車道及び関越自動車道によって、東京練馬インターチェンジと約1時 間で結ばれています。 県庁所在地である前橋市からは約 30km、高崎市からは約 20kmに位置して います。 また、本市は平成 18 年 3 月 27 日に旧富岡市と隣接する旧妙義町が合併し、 新富岡市となりました。合併後の面積は 122.90k㎡、平成 21 年 4 月 1 日現在の 人口は 53,523 人となっています。 地勢は、東は関東平野に続く平坦地で、西には上毛三山の一つである妙義山、 南には稲含山、北は丘陵地帯であり、中央部を鏑川とその支流である高田川が 流れ、その流域に平地が開け、市街地・集落を形成しています。 気候は、内陸地形でありながら、年間平均気温は 14℃前後、年間降水量は 1,100mm 前後であり、降雪もほとんどなく、年 200 日以上は晴天という、年間を 通じて温暖な気候に恵まれています。 図 2-1 富岡市の位置(出典:第 1 次富岡市総合計画)富岡市地域新エネルギービジョン 2.2 土地利用状況 平成 20 年の土地利用状況では、本市の総面積 122.90k㎡のうち、雑種地等(公 衆用道路、水路、公園等)を除くと、山林面積が市全体の 22.5%と最も多く、次 いで畑の 17.8%、宅地の 9.3%、田の 7.2%という状況となっています。 平成 16 年と比較した場合、田、畑が減少傾向にあるのに対して、宅地、山林 は増加傾向となっています。 図 2-2 地目の推移(出典:平成 20 年度 富岡市統計書) 9.1% 9.1% 9.2% 9.3% 9.3% 7.3% 7.3% 7.3% 7.3% 7.2% 18.1% 18.0% 17.9% 17.9% 17.8% 22.4% 22.6% 22.6% 22.6% 22.5% 40.4% 40.2% 40.3% 40.3% 40.3% 2.8% 2.8% 2.8% 2.8% 2.8% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 宅地 田 畑 山林 原野 雑種地等
富岡市地域新エネルギービジョン 2.3 人口及び世帯 本市の人口は平成 10 年までは増加を続けていましたが、以後は減少傾向とな り、群馬県統計資料によると平成 21 年 4 月 1 日では 53,770 人となっています。 世帯数は平成元年より増加傾向が続いており、平成 21 年 4 月 1 日では 19,147 世帯となっています。 また、平成 21 年における年齢構成を群馬県と比較すると、0 歳~14 歳の年少 人口及び生産人口の割合が低く、65 歳以上の高齢人口の割合が高くなっていま す。 図 2-3 本市の人口及び世帯数の推移 (出典:平成 20 年度 富岡市統計書) 表 2-1 富岡市と群馬県の年齢構成比較(平成 21 年 4 月 1 日) 総 数 15 歳未満 15~64 歳 65 歳以上 人 53,770 7,186 33,338 13,246 富岡市 % 100.0 13.4 62.0 24.6 人 2,013,104 284,729 1,274,922 453,453 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 平 成 元 年 2 年 3 年 4 年 5 年 6 年 7 年 8 年 9 年 1 0 年 1 1 年 1 2 年 1 3 年 1 4 年 1 5 年 1 6 年 1 7 年 1 8 年 1 9 年 2 0 年 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 50,000 55,000 60,000 世帯数 人口 (世帯) (人)
富岡市地域新エネルギービジョン 2.4 住宅数 富岡市統計書における住宅数(旧富岡市分のみ)は 15,490 戸であり、建て方 別では、一戸建が 82.2%(12,740 戸)と高い数値となっており、次いで共同住 宅の 14.2%(2,200 戸)となっています。 図 2-4 本市の建て方別住宅割合 (出典:平成 20 年度 富岡市統計書) 表 2-2 本市の住宅数(旧富岡市分のみ) (戸) 一戸建 共同住宅 構造 総数 1 階建 2 階建以上 長屋建 1・2 階建 3 階建以上 その他 住宅総数 15,490 2,430 10,310 500 1,430 770 50 (出典:平成 20 年度 富岡市統計書) 長屋建 3.2% その他 0.3% 共同住宅 14.2% 一戸建 82.2%
富岡市地域新エネルギービジョン 2.5 経済状況 本市は、明治5年の官営富岡製糸場の創業以来、製糸業を中心として発展を してきましたが、戦後の高度成長期とともに製糸業が衰退し、代わって自動車 関連産業を中心とした田園工業都市へと移行してきました。 これに併せて、第1次産業である農業についても、養蚕業を中心とした農業 経営から、野菜、花き栽培を中心とした農業形態へと移行しています。 産業別就業人口比率では、平成2年と平成17年を比較すると、第1次産業 である「農林漁業」及び第2次産業である「製造業」の割合が減少しており、 逆に第3次産業である「サービス業」の割合が高くなっています。 県内での産業別比率では、平成17年における本市の県計に占める人口割合 約 2.7%に対して、農業、工業は共に高い水準にありますが、商業は人口割合で 比較した場合、低い水準にあります。 図 2-5 本市及び群馬県の産業別割合(出典:国勢調査) 15.9% 12.0% 10.3% 9.3% 6.6% 44.6% 43.4% 43.2% 40.2% 33.0% 39.5% 44.6% 46.5% 50.5% 60.4% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 平成2年 平成7年 平成12年 平成17年 群馬県 平成17年 第1次産業 第2次産業 第3次産業
富岡市地域新エネルギービジョン 表 2-3 群馬県との経済比較表 指 標 単位 本市 群馬県 合 計 県計に占める 本市の割合 資 料 人 口 人 53,765 2,024,135 2.7 % 平成 17 年国勢調査 農家数 戸 2,378 62,715 3.8 % 農 業 専業農家数 戸 451 10,601 4.3 % 平成 17 年群馬県統計課 農林業センサス 事業所数 ヵ所 291 6,482 4.5 % 従業員数 人 7,978 210,793 3.8 % 工 業 製造品出荷額等 億円 2,754 82,599 3.3 % 平成 20 年群馬県統計課 工業統計調査 商店数 店 636 24,771 2.6 % 従業員数 人 3,503 169,896 2.1 % 商 業 年間販売額 億円 702 68,300 1.0 % 平成 19 年群馬県統計課 商業統計調査 観 光 観光入込数 万人 228 6,298 3.6 % 平成 20 年群馬県観光国 際課統計調査
富岡市地域新エネルギービジョン 2.6 運輸の状況 本市における平成 20 年度の自動車保有状況は、軽自動車を除いた自動車は 25,101 台で、平成 16 年に比べると 1,383 台の減少となっています。 一方、軽自動車は近年増加しており、平成 20 年では 17,294 台と平成 16 年に 比べると 1,647 台の増加となっています。 図 2-6 本市の自動車保有状況 (出典:平成 20 年度 富岡市統計書) 25,101 25,505 25,910 26,191 26,484 15,647 15,752 16,515 17,152 17,294 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 自動車 (軽を除く) 軽自動車 (台)
富岡市地域新エネルギービジョン 2.7 農業の状況 (1)耕地面積の推移 本市の耕地面積は、大きな変動はありませんが、近年やや減少傾向にありま す。平成 14 年に比べ、平成 18 年では田で 22ha、畑で 90ha の減少となってい ます。 図 2-7 本市の耕地面積の推移(出典:平成 20 年度 富岡市統計書) (2)米の収穫高 米の作付け面積では、近年増減を繰り返しており、平成 18 年における収 穫高は 1,740t となっています。 図 2-8 本市の耕地面積の推移(出典:平成 20 年度 富岡市統計書) 793 776 774 774 771 2,040 1,993 1,965 1,954 1,950 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 田 畑 (ha) 1,588 1,459 1,770 1,832 1,740 0 500 1,000 1,500 2,000 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 (t)
富岡市地域新エネルギービジョン 2.8 林種別面積 本市の林種別面積は、大きな変動はありませんが、広葉樹林が平成 15 年に比 べ平成 19 年では 16ha 減少し、その他(竹林、伐採跡地、未立木地、更新困難 地等)は 17ha の増加となっています。 また、針葉樹林については、平成 17 年以降大きな変動はありません。 図 2-9 本市の林種別面積の推移 (出典:平成 20 年度 富岡市統計書) 2,440 2,437 2,438 2,438 2,438 2,013 1,996 1,997 1,997 1,997 241 258 258 258 258 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 針葉樹 広葉樹 その他 (ha)
富岡市地域新エネルギービジョン 2.9 気象状況 (1)気温 気象庁上里見測候所の気象観測データによると、過去 5 年間の年平均気温 は 14.1℃となっています。また、過去 30 年間の平均気温の推移を見ると、若 干上昇傾向にあります。 表 2-4 月別平均気温 (℃) (出典:気象庁ホームページ 気象情報統計) 図 2-10 月別平均気温(平成 16 年~平成 20 年) (出典:気象庁ホームページ 気象情報統計) 区分 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 平均 平成16年 2.5 4.8 7.1 14.0 18.0 22.4 26.8 24.9 22.6 15.1 12.1 5.9 14.7 平成17年 2.4 3.0 5.9 13.2 16.3 22.9 24.2 26.2 22.8 16.8 9.4 2.3 13.8 平成18年 1.7 4.1 6.8 11.5 17.2 21.2 24.1 26.3 21.6 17.4 10.9 5.7 14.0 平成19年 3.7 5.1 7.3 11.6 17.9 22.0 22.9 27.0 23.2 16.0 9.8 5.4 14.3 平成20年 2.5 1.9 8.1 12.7 17.1 20.3 25.6 25.0 22.0 16.4 9.5 5.6 13.9 平均 2.6 3.8 7.0 12.6 17.3 21.8 24.7 25.9 22.4 16.3 10.3 5.0 14.1 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 (℃)
富岡市地域新エネルギービジョン 図 2-11 平均気温の推移(昭和 53 年~平成 20 年) (出典:気象庁ホームページ 気象情報統計) (2)降水量 降水量は 7 月から 10 月にかけての 4 ヵ月間が多く、冬季の 11 月から 3 月にかけて少ない傾向が見られます。ただし、近年は平成 16 年 10 月や平 成 18 年 7 月のように、記録的な大雨が一時期に集中するなど、降水パター ンが不規則になる傾向が見られます。 また、過去 30 年間の年降水量では、年間降水量が 1,500mm を越える年が 約 10 年ごとに出現しています。 表 2-5 月別降水量 (mm) 区分 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 平均 合計 平成16年 0.0 15.0 45.0 46.0 220.0 86.0 129.0 198.0 210.0 385.0 49.0 32.0 117.9 1415.0 平成17年 54.0 29.0 45.0 40.0 37.0 89.0 308.0 284.0 103.0 85.0 38.0 6.0 93.2 1118.0 平成18年 18.0 60.0 38.0 61.0 85.0 185.0 387.0 186.0 165.0 200.0 89.0 88.0 130.2 1562.0 平成19年 18.0 13.0 33.0 56.0 112.0 107.0 369.0 185.0 410.0 126.0 18.0 32.0 123.3 1479.0 10.0 11.0 12.0 13.0 14.0 15.0 昭和55年 昭和60年 平成元年 平成5年 平成10年 平成15年 平成20年 (℃)
富岡市地域新エネルギービジョン 図 2-12 月別平均降水量(平成 16 年~平成 20 年) (出典:気象庁ホームページ 気象情報統計) 図 2-13 年総降水量の推移(昭和 53 年~平成 20 年) (出典:気象庁ホームページ 気象情報統計) 0.0 50.0 100.0 150.0 200.0 250.0 300.0 350.0 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 (mm) 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 昭和55年 昭和60年 平成元年 平成5年 平成10年 平成15年 平成20年 (mm)
富岡市地域新エネルギービジョン (3)風速 本市における過去 5 年間の平均風速は 1.6m/s で、月別では、2 月の 2.2m/s が最も大きく、7 月~9 月の 1.2m/s が最も小さくなっており、過去 30 年間 においても大きな変動がなく、比較的穏やかです。 表 2-6 平均風速 (m/s) (出典:気象庁ホームページ 気象情報統計) 区分 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年間平均 最大風速 平成16年 2.3 2.3 1.8 2.1 1.3 1.3 1.5 1.3 1.2 1.2 1.6 1.9 1.7 9.0 平成17年 2.1 2.2 2.1 1.9 1.7 1.4 1.2 1.2 1.2 1.2 1.7 2.2 1.7 9.0 平成18年 1.9 1.9 2.2 1.8 1.3 1.2 0.9 1.1 1.0 1.4 1.5 1.7 1.5 11.0 平成19年 1.8 2.0 2.1 1.6 1.8 1.2 0.9 1.2 1.2 1.3 1.5 1.7 1.5 8.0 平成20年 1.9 2.4 1.9 1.8 1.6 1.3 1.3 1.2 1.3 1.6 1.7 2.1 1.7 7.9 平 均 2.0 2.2 2.0 1.8 1.5 1.3 1.2 1.2 1.2 1.3 1.6 1.9 1.6 --0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 (m/s)
富岡市地域新エネルギービジョン 図 2-15 年平均風速の推移(昭和 53 年~平成 20 年) (出典:気象庁ホームページ 気象情報統計) (4)日照 過去 5 年間の年平均日照は 1,939.7 時間で、平成 16 年と平成 18 年では 年間約 400 時間以上の差があります。また、月間の日照時間は、1 月~4 月 に約 200 時間と長くなっており、梅雨期の 6 月~7 月に短くなっています。 表 2-7 日照時間 (h) (出典:気象庁ホームページ 気象情報統計) 平成15年 208.9 193.1 206.1 165.7 139.3 94.4 56.8 111.6 140.0 155.4 129.8 203.4 178.4 1804.5 平成16年 219.1 221.3 203.8 238.6 134.9 144.3 192.5 159.0 117.8 130.2 172.0 194.5 155.6 2128.0 平成17年 196.7 189.5 198.8 220.4 187.7 103.1 114.9 150.3 141.8 125.4 198.0 199.0 172.3 2025.6 平成18年 189.7 164.1 211.3 166.4 118.1 62.5 48.4 157.0 117.7 160.8 165.2 169.9 158.8 1731.1 平成19年 195.4 213.1 222.7 168.5 219.8 118.3 54.0 192.0 137.7 160.6 152.1 174.9 137.9 2009.1 平均 202.0 196.2 208.5 191.9 160.0 104.5 93.3 154.0 131.0 146.5 163.4 188.3 160.6 1939.7 区 分 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 12月 年平均 年間 合計 8月 9月 10月 11月 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 昭和55年 昭和60年 平成元年 平成5年 平成10年 平成15年 平成20年 (m/s)
富岡市地域新エネルギービジョン 図 2-16 月別平均日照時間(平成 15 年~平成 19 年の平均値) (出典:気象庁ホームページ 気象情報統計) 0.0 50.0 100.0 150.0 200.0 250.0 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 (h)
富岡市地域新エネルギービジョン
3.新エネルギーの種類と概要
(1)太陽光発電 太陽光発電は、シリコンなどの半導体に光が当たると起電力が発生する 光電効果を応用して、太陽光から直接電気を発生させる技術です。この電 気は直流なので、通常はインバータで交流の電気に変換する必要がありま す。 全国における平成 17 年末までの導入実績は 142 万 kW で、世界の総設備 容量 370 万 kW の約 38%を占めています(出典:太陽光発電協会ホームペー ジ)。 ただし、平成 16 年の導入実績で、日本(27 万 kW)は初めてドイツ(36 万 kW)に抜かれており、より一層の導入促進対策が求められるところです。 (出典:NEF ホームページ) 図 3-1 太陽光発電利用システム 図 3-2 太陽光発電の原理富岡市地域新エネルギービジョン (2)太陽熱利用 太陽熱利用とは、太陽の熱エネルギーを給湯などに利用するシステムです。 エネルギー変換効率が高く、新エネルギーの中では設備費用も比較的安価な ので、費用対効果の面でも優れています。現在までの技術開発により、自然 循環式や高性能な強制循環式の温水器が開発され、用途も給湯に加え、暖房 や冷房にまで広がっています。 太陽熱利用システムにはいろいろなタイプがありますが、その利用形態か らソーラーシステムと太陽熱温水器(自然循環型)に大別できます。ソーラ ーシステムは水式と空気式があり、水式は集熱器を屋根に乗せ、蓄熱槽を地 上に設置するのが一般的であり、集熱器と蓄熱槽の間を配管することで集熱 回路を作ります。集熱回路には不凍液などを熱媒として用いる密閉式と、利 用水をそのまま熱媒として用いる開放式があります。太陽熱で集熱器が一定 の温度に達すると集熱ポンプが自動的に運転され、集熱回路の中の熱媒を循 環させ、蓄熱槽にお湯を蓄えます。 一方、空気式は、ガラス付き集熱面などにより高温に達した空気を、小屋 根裏部に設置した送風機ユニットで床下に送風し、床下の蓄熱材(コンクリ ート)に蓄熱させた後で、室内に入れ直接暖房する方式(ソーラーウォール、 OM ソーラー)や、蓄熱槽の中に蓄えた水を、送風機ユニット内などの熱交換 器により温めてお湯にする方式があります。 また、太陽熱温水器は、集熱器の上部に貯湯槽が接続されており、水栓よ り高い位置の屋根上に設置します。 貯湯槽に給水された水は、下部の集熱器 へ流れ込み、太陽熱で暖められることで比重が軽くなって貯湯槽へ戻り、お 湯が蓄えられます。 この循環を動力を使わないで行うため、自然循環型太陽 熱温水器と呼ばれています。 導入実績は平成 15 年末で、ソーラーシステムが約 60 万台、太陽熱温水器 が約 641 万台となっています。(出典:資源エネルギー庁ホームページ)
富岡市地域新エネルギービジョン (出典:ソーラーシステム振興協会ホームページ) 図 3-3 ソーラーシステム 図 3-4 太陽熱温水器(自然循環型) (3)風力発電 風力発電は、風力エネルギーを電気エネルギーに変換して利用するもの であり、変換の過程としては、風の運動エネルギーを風車により回転とい う動力エネルギーに変え、発電機を動かし、電気エネルギーへと変換する ものです。風力発電は、風力エネルギーの最大 40%程度を電気エネルギー に変換でき、比較的効率の高いものです。風車の形状は、数種類あります が、特にプロペラ型の発電効率が高く、実用化も進んでいます。一般に、 高度が上がるほど風は強くなるため、風車は高くて大きい方が発電効率は 良くなります。プロペラ型で定格出力 2,300kW の場合、タワーの高さは約 80m、風車の直径は約 90mとなります。 国内の導入実績は、平成 18 年時点の累 積出力は約 1,394MW で、世界第 13 位とな っています。 しかし、経済産業省の総合資源エネル ギー調査会「新エネルギー部会報告書」 (2001 年 6 月)で定めた国の導入目標で ある「2010 年度までに約 300 万 kW」に対 してはほぼ半分となっています。 図 3-5 プロペラ型風力発電機 (出典:ソーラーシステム振興協会ホームページ)
富岡市地域新エネルギービジョン (4)中小水力発電 水力エネルギーとは、水の位置・運動エネルギーのことであり、この水 力エネルギーを電力エネルギーに変換する水力発電は、戦前から全国各地 で行われてきました。大型の水力発電の適地は、国内ではほとんど開発さ れつくしたものの、中小規模ならば大いに余地があると考えられています。 中小規模の水力エネルギーを中小水力エネルギーと呼び、出力 30,000~ 10,000kW 以下が中水力、1,000kW 以下が小水力、100kW 以下がマイクロ水 力と区分されています。 水力発電量は、次式によって算出されます。 発電電力(kW)=重力加速度(9.8m/s2)×水流量(m3/s)×落差(m)×効率 発電に必要な水量や落差を得るために、河川から直接取水し、河川勾配 により落差を得る方法や、調整池または貯水池から水を引き込んで、ダム の高さにより落差を得る方法があります。技術的には既に成熟しており、 中小規模の河川や農業用水路においても、小水力発電やマイクロ水力発電 が導入されるようになってきています。 (出典:「マイクロ水力発電導入ガイドブック」(NEDO))
富岡市地域新エネルギービジョン (5)バイオマス関連 バイオマスエネルギーとは、生物由来の資源をエネルギー利用するもの で、もとは太陽エネルギーが植物により変換され蓄えられたものであるた め、化石資源とは異なる再生可能なエネルギーと位置づけられています。 バイオマスの転換技術は、原料の種類と用途に合わせて様々な方法があり、 直接燃焼、熱分解・部分酸化によるガス化、メタン発酵、エタノール化、 さらに従来行われている植物から植物油を抽出して改質するような方法 (BDF)等があります。そのうち、従来からある直接燃焼による熱利用、蒸気 タービンシステムによる発電、メタン発酵などは技術的には成熟していま すが、その他のガス化や液化については、まだ実証段階のものもあります。 図 3-7 バイオマスエネルギーの利用技術体系 (出典:日本エネルギー学会「バイオマス・ニッポン総合戦略策定緊急調査報告書」(2002)他) 燃 焼 直接燃焼 混 焼 固形燃料化 熱化学的変換 ガ ス 化 低音流動層ガス化 溶 融 ガ ス 化 部分酸化ガス化 超臨界水ガス化 メタノール合成 液 化 炭 化 急速熱分解 スラリー燃料化 エステル化 (BDF製造) 生物化学的変換 メタン発酵 エタノール発酵 二段発酵 湿式メタン発酵 乾式メタン発酵 燃 焼 燃 焼 直接燃焼直接燃焼 混 焼 混 焼 固形燃料化 固形燃料化 熱化学的変換 熱化学的変換 ガ ス 化ガ ス 化 低音流動層ガス化 低音流動層ガス化 溶 融 ガ ス 化 溶 融 ガ ス 化 部分酸化ガス化 部分酸化ガス化 超臨界水ガス化 超臨界水ガス化 メタノール合成 メタノール合成 液 化 液 化 炭 化 炭 化 急速熱分解 急速熱分解 スラリー燃料化 スラリー燃料化 エステル化 エステル化 (BDF製造) 生物化学的変換 生物化学的変換 メタン発酵メタン発酵 エタノール発酵 エタノール発酵 二段発酵 二段発酵 湿式メタン発酵 湿式メタン発酵 乾式メタン発酵 乾式メタン発酵
富岡市地域新エネルギービジョン 表 3-1 バイオマスエネルギー利用技術の開発状況 分 類 技 術 の 概 要 開 発 状 況 直接燃焼 ・製材工場等端材などの直接燃焼による熱を利用する。また はボイラー発電を行う。コージェネレーションシステムの 利用が増えている。 成熟した技術である。 現状ではエネルギーの利用効 率が 10~20%と低いものが多 い。 混焼 ・石炭火力発電所などで石炭などとチップやペレットといっ た木質バイオマスを混合燃焼する技術。 現在、実証中であるが技術的 な問題は少ない。 燃焼 固形燃料化 ・ペレットはおが粉や樹皮を加圧し、成型固化したもの。近 年ペレットの生産拠点が増えている。 基本的には、技術は成熟して いる。 溶融ガス 化 ・400℃~600℃で熱分解ガス化を行い、可燃性ガスを発生さ せ、更に焼却灰を 1300℃以上の高温で溶融処理する技術。 ごみの処理施設では実用機が 導入されている。 部分酸化 ガス化 ・部分酸化により生成ガスを製造する。熱利用、発電のほか、 調整により一酸化炭素と水素を得やすく、これらを触媒を 用いてメタノールに変換することも期待される。 現在実証中である。 低温流動 層ガス化 ・600℃程度でガス化する技術であり、そのガスを用いて発電 や熱利用を行う。 タールの生成によるメンテナ ンス性が技術的問題となって いる。 ガ ス 化 超臨界水 ガス化 ・超臨界水中で加水分解を起こし、効率的にガス化する技術。 効率の改善と高温高圧条件の ためのエネルギーの回収が課 題。 急速 熱分解 ・500℃~600℃へ急速に加熱し、熱分解させ、油状生成物を 得る技術。 輸送用燃料への変換のため、 生産コストの低減が課題。 液 化 スラリー 燃料化 ・高温高圧の熱水で改質し、炭化して粉砕後、水と混ぜてス ラリー化する。木酢液状成分が副産物として得られる。 実証段階である。 炭化 ・古くから利用されているが、最近は土壌改良、床下調湿、 水質浄化などマテリアルとしての利用も増加。 基本的には成熟した技術であ る。 熱化学的変換 エステル化 (BDF) ・廃食用油などをメタノールと反応させてエステル化し、デ ィーゼル燃料とする技術。京都や滋賀等では自動車燃料と して利用している。 技術的な課題は少なく、廃食 用油からの燃料として、近年 急速に増加している。 湿式 ・家畜排せつ物や、食品廃棄物を嫌気性発酵させるもの。 実証段階である。 メタン 発酵 乾式 ・低水分でもメタン発酵を行う微生物を利用している。 実用機が導入されている。 エタノール 発酵 ・でんぷん、糖系では実用化されている技術であり、発酵に よりエタノールを作る。 難分解性である木質バイオマ スではセルロース部分を糖化 する技術を開発している。実 生物化学的変換
富岡市地域新エネルギービジョン (6)地熱発電 地熱は、水力発電とともに純国産の再生可能な貴重なエネルギー資源で あり、極めて高い供給の安定性を有することから、国としても積極的に開 発を推進すべきものとしています。 さらに近年、地球温暖化等の環境問題がクローズアップされており、地 熱発電は火力発電にくらべ、単位発電量当たりの二酸化炭素排出量が約 20 分の 1 と少ないため、地球にやさしいクリーンエネルギーとしても、その 重要性が再認識されています。 また、地熱は発電のほかにも、浴用、施設園芸、道路融雪など多目的の 熱水利用の熱源として地域開発にも役立っています。 (出典:資源エネルギー庁) 図 3-8 地熱発電のイメージ図
富岡市地域新エネルギービジョン (7)温度差熱利用 温度差エネルギーとは、年間を通じて温度変化の少ない河川水や海水、 地下水、中・下水等と外気との温度差(夏は外気よりも冷たく、冬は外気 よりも暖かい)や大気中の温度差を利用してヒートポンプの原理等を用い て、冷暖房、給湯等を行う技術であり、一般に未利用エネルギー(今まで あまり利用されてこなかった熱の利用)と呼ばれるものの一つです。 回収された熱エネルギーは、温水槽や冷水槽等の蓄熱槽に蓄えることで、 貯蔵、輸送、需要地への供給が可能となるとともに、電力の負荷平準化に も有効です。地域特性にあわせて、これらのエネルギー源を組み合わせる ことにより、低温域から高温域にわたる幅広い利用が可能となり、より効 率的な活用を行うことができます。 (8)雪氷熱利用 雪氷熱利用は、降雪地域において冬季に降り積もった雪や、寒冷地域で 冷気を利用して作った氷を夏季まで貯蔵・保存し、その冷熱エネルギーを 建物等の冷房や農作物等の保存に利用するものです。 断熱材で覆われた貯蔵庫に雪や氷を蓄え、鮮度保持に欠かせない適度な 湿度を保った冷気を利用して生鮮食品を貯蔵するものや、雪の融解水を汲 み上げ、熱交換器で循環水を冷却し冷房に使うものがあります。
富岡市地域新エネルギービジョン
4.エネルギー使用実態の調査
4.1 エネルギー消費構造と二酸化炭素排出量 (1) エネルギー消費構造の推計方法 ①エネルギー最終消費区分(需要側) エネルギー最終消費の大分類は、国のエネルギー統計と同様に、産業、民 生、運輸の 3 部門としました。また、中分類として、産業は農業、建設業、 製造業に、民生は家庭と業務に、運輸は旅客と貨物に、それぞれ分割しまし た(表 4-1)。 表 4-1 エネルギー最終消費区分(需要側) 大分類 中分類 概 要 製造業部門 建設業部門 第二次産業におけるエネルギー消費 産業部門 農林業部門 第一次産業におけるエネルギー消費 家庭部門 一般家庭におけるエネルギー消費 民生部門 業務部門 第三次産業の業務(ホテル、病院、スーパー等店舗、飲食店、 事務所等)におけるエネルギー消費 旅客部門 乗用車、バス、タクシー等でのエネルギー消費 運輸部門 貨物部門 貨物自動車、トラック等でのエネルギー消費 ※分類については、「地球温暖化対策地方公共団体実行計画(区域施策編)」による ②エネルギーの種類(供給側) 供給エネルギーの区分は、本市の地域特性を踏まえつつ、国のエネルギー統 計に準じて、石炭・石炭製品、電力、都市ガス、LPG、LNG、石油製品とし、石 油製品は、ガソリン、灯油、軽油、重油(A、C)に区分しました。富岡市地域新エネルギービジョン ③推計対象 ①と②より、エネルギー消費構造の推計対象は以下のとおりとします(表 4-2)。 表 4-2 エネルギー消費構造の推計対象
製造業
農業
建設業
家庭
業務
○
-
-
-
-
-○
○
○
○
○
-○
-
○
○
○
-○
-
-
○
○
--
-
-
-
-
○
ガソリン
○
-
-
-
-
○
灯油
○
○
○
○
○
-軽油
○
○
○
-
-
○
A重油
○
○
○
-
○
-C重油
○
○
○
-
-
-石
油
製
品
電力
都市ガス
LPG
LNG
民生
産業
石炭・石炭製品
運輸
※○が推計対象
富岡市地域新エネルギービジョン (2) エネルギー消費構造の推計結果 ①本市のエネルギー消費構造 平成 19 年度(2007 年度)の本市の総エネルギー消費量を、地球温暖化対 策地方公共団体実行計画(区域施策編)策定マニュアル(平成 21 年 6 月、環 境省)に基づき、電力二次エネルギー換算で推計すると、5,766.0TJ となり ます。 エネルギー源別では、電力が 42.3%で最も多く、次いでガソリン 25.8%、 軽油 8.8%、A 重油 6.4%、灯油 5.7%となっています。 消費部門別では、産業部門が 40.5%で最も高く、次いで運輸部門 35.9%、 民生家庭部門 12.9%、民生業務部門 10.7%となっています(表 4-3)。 【本市のエネルギー消費量の推計結果】 エネルギー消費量 (平成 19 年)
5,766.0 TJ
図 4-1 本市のエネルギー消費構造(左図:エネルギー源別・右図:消費部門別) 0.7% 42.3% 4.9% 2.7% 1.8% 25.8% 5.7% 8.8% 6.4% 0.9% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 石炭・石炭製品 電力 都市ガス LPG LNG ガソリン 灯油 軽油 A重油 C重油 運輸 35.9% 民生業務 10.7% 民生家庭 12.9% 産業 40.5%富岡市地域新エネルギービジョン 表 4-3 本市のエネルギー消費構造 ◎上記データを原油換算すると、本市の年間エネルギー消費量は、ドラム缶 (200ℓ)約 75 万本にあたる量です。市民1人当たり、ドラム缶約 14 本分 のエネルギーを消費していることになります。 ②全国とのエネルギー消費構造等の比較 全国のエネルギー消費構造と比較すると、本市は、エネルギー源別構成で は、電力と石油製品の消費量の割合が高く、消費部門別構成別では、運輸部 門の割合が高く、民生部門の割合が低くなっています。 新エネル ギー 10% 石炭 6% 電力 18% LPG等 4% 石油 41% 石炭製品 21% 電力 42.3% LPG等 9.4% 石油 47.6% 石炭製品 0.7% 単位:TJ 製造業 農業 建設業 家庭 業務 42.4 - - - 42.4 1,648.7 13.3 18.9 426.2 333.2 - 2,440.3 125.0 - 0.009 131.1 27.5 - 283.6 72.5 - - 72.7 10.3 - 155.5 - - - 101.8 101.8 ガソリン 2.3 - - - - 1486.9 1,489.2 灯油 41.1 8.4 31.9 111.2 134.4 - 327.0 軽油 7.0 3.1 14.2 - - 482.5 506.8 A重油 172.8 72.3 12.9 - 108.8 - 366.8 C重油 45.5 6.3 0.8 - - - 52.6 2,157.3 103.4 78.7 741.2 614.2 2,071.2 5,766.0 石 油 製 品 エネルギー消費構造 LPG LNG 民生 石炭・石炭製品 電力 都市ガス 産業 合 計 ※電力二次換算 合計 運輸
富岡市地域新エネルギービジョン ③本市の二酸化炭素排出量 これまでに推計した本市のエネルギー消費量をもとに、平成 19 年度(2007 年度)における本市の二酸化炭素排出量を推計しました。その方法は、エネ ルギー消費量に各エネルギー源別の二酸化炭素排出原単位(表 4-4)を乗じ ることで計算しました。 この結果、平成 19 年度(2007 年度)における本市の二酸化炭素排出量 は、594,741.8t-CO2 と推計されました。消費部門別では、産業部門が 50.8% で最も高く、次いで、運輸部門が 23.2%、民生家庭部門が 14.2%、民生業 務部門が 11.8%となっています(表 4-5)。なお、平成 18 年度(2006 年度) に富岡市役所では、富岡市地球温暖化対策実行計画を策定しており、計画策 定時における温室効果ガス排出量は 23,140t-CO2となっています。 【本市の二酸化炭素排出量推計結果】 二酸化炭素排出量 (平成 19 年)
594,741.8 t-CO
2 表 4-4 使用した二酸化炭素排出係数 電力 0.000555 t-CO2/kWh 石炭・石炭製品 0.0245 t-C/GJ 都市ガス 0.0138 t-C/GJ LPG 0.0163 t-C/GJ LNG 0.0135 t-C/GJ ガソリン 0.0183 t-C/GJ 灯油 0.0185 t-C/GJ 軽油 0.0187 t-C/GJ A 重油 0.0189 t-C/GJ C 重油 0.0195 t-C/GJ ※二酸化炭素排出量の算出は、 「各エネルギー消費量×排出係数×44/12」 で算出。 ※電力は、東京電力による平成19 年度(2007 年度)販売電力量当たり排出係数は 0.000425 t-CO2/kWh ですが、平成 19 年 3 月に策定した富岡市地球温暖化対策実行計画では上記 数値を用いており、整合を図るために、この係数を使用。(出典:「地球温暖化対策の推 進に関する法律施行令第三条」(平成18 年 3 月 24 日一部改正)・「温室効果ガス排出量 算定・報告マニュアル(平成19 年 6 月:環境省・経済産業省)」富岡市地域新エネルギービジョン 表 4-5 本市の二酸化炭素排出量 製造業 農業 建設業 家庭 業務 3,808.9 - - - 3,808.9 0.6% 254,174.6 2,050.4 2,913.8 65,705.8 51,368.3 - 376,212.9 63.4% 6,325.0 - 0.5 6,633.7 1,391.5 - 14,350.6 2.4% 4,333.1 - - 4,345.0 615.6 - 9,293.7 1.6% - - - 5,039.1 5,039.1 0.8% ガソリン 154.3 - - - - 99,771.0 99,925.3 16.8% 灯油 2,788.0 569.8 2,163.9 7,543.1 9,116.8 - 22,181.5 3.7% 軽油 480.0 212.6 973.6 - - 33,083.4 34,749.6 5.8% A重油 11,975.0 5,010.4 894.0 - 7,539.8 - 25,419.2 4.3% C重油 3,253.3 450.5 57.2 - - - 3,760.9 0.6% 287,292.1 8,293.6 7,002.9 84,227.6 70,032.1 137,893.5 594,741.8 100.0% 48.2% 1.4% 1.2% 14.2% 11.8% 23.2% 100.0% LNG 石 油 製 品 合 計 石炭・石炭製品 電力 都市ガス LPG 構成比 単位:t-CO2 CO2排出量 産業 民生 運輸 合計 構成比
富岡市地域新エネルギービジョン 4.2 エネルギー消費構造と二酸化炭素排出量の将来推計 本市の平成 19 年度(2007 年度)エネルギー消費構造をもとに、京都議定書 における第 1 約束期間の最終年である平成 24 年度(2012 年度)のエネルギー 消費量及び二酸化炭素排出量を推計しました。京都議定書では、先進国全体の 温室効果ガス排出量を 1990 年に比べ 5%削減、日本においては 6%削減するこ とを約束しています。 (1) 推計手順 平成 17 年 3 月に発表された総合資源エネルギー調査会需給部会の「2030 年のエネルギー需給展望」の中で、国の平成 22 年度(2010 年度)に向け た需給見通しが、レファレンスケース、現行対策推進ケース、追加対策ケー スの 3 つのケース(表 4-6)を想定して推計されています。 この中から、レファレンスケースに準じた場合の平成 12 年度(2000 年 度)から平成 22 年度(2010 年度)までの部門別年平均伸び率を当てはめ(表 4-7)、本市における平成 24 年度(2012 年度)の消費構造を推計しました。 なお、レファレンスケースは、新たな対策を実施しなかった場合を想定し た値ですが、本市では、本ビジョンを契機として、今後さらなる地球温暖化 対策を実行していくことを目指しており、新たな取り組みにより、レファレ ンスケースで推計されたエネルギー消費量の増加分をどれだけ減少させて いくことができるかが今後の課題となります。 表 4-6 各ケースの考え方 ① レファレンス ケース 現行の技術体系と既に実施済の施策を前提とした上で、経済社会や人口構造、 マーケットや需要家の嗜好、民間ベースの取り組みが、今後ともこれまでの 趨勢的変化で推移した場合の見通し。 ② 現行対策推進 ケース 現行の地球温暖化対策推進大綱に掲示された対策を、今後着実に講じた場合 に実現が期待される見通し。 ③ 追加対策ケース 2010 年度時点において、追加対策を講じた場合に実現が期待されるエネル ギー起源CO2 排出量の見通し。
富岡市地域新エネルギービジョン 表 4-7 平成 22 年度(2010 年度)の需給見通し(レファレンスケース)と年平均伸び率 平成 2 年度 (1990 年度) 平成 12 年度 (2000 年度) 平成 22 年度 (2010 年度) 2010/2000 年 平均伸び率/年 最終消費計 344 413 420 0.17% 産業 172 195 190 -0.26% 合計 89 117 126 0.74% 家庭 43 55 59 0.70% 民生 業務 46 63 66 0.47% 運輸 83 101 106 0.48% ※数値単位は、原油換算で百万kl (2) 平成 24 年度(2012 年度)の本市のエネルギー消費構造 平成 24 年度(2012 年度)における本市のエネルギー消費量は 5,828.3TJ と推計され、平成 19 年度(2007 年度)と比較した場合、1.01%増加する と推計されます。 また、エネルギー源別では、都市ガス、ガソリン、灯油等の増加率が高く なっています。 表 4-8 平成 24 年度(2012 年度)の本市のエネルギー消費構造 単位:TJ 製造業 農業 建設業 家庭 業務 41.9 - - - 41.9 0.7% 1,627.4 13.1 18.7 441.3 341.9 - 2,442.4 41.9% 123.4 - 0.0 135.8 28.2 - 287.4 4.9% 71.6 - - 75.3 10.6 - 157.4 2.7% - - - 104.3 104.3 1.8% ガソリン 2.3 - - - - 1,522.9 1,525.2 26.2% 灯油 40.6 8.3 31.5 115.1 137.9 - 333.4 5.7% 軽油 6.9 3.1 14.0 - - 494.2 518.2 8.9% A重油 170.6 71.4 12.7 - 111.6 - 366.3 6.3% C重油 44.9 6.2 0.8 - - - 51.9 0.9% 2,129.4 102.1 77.7 767.5 630.2 2,121.4 5,828.3 100.0% 36.5% 1.8% 1.3% 13.2% 10.8% 36.4% 100.0% 将来推計H24 産業 民生 運輸 合計 構成比 ※電力二次換算 LNG 石 油 製 品 合 計 構成比 石炭・石炭製品 電力 都市ガス LPG
富岡市地域新エネルギービジョン 表 4-9 平成 19 年度と平成 24 年度の本市のエネルギー消費構造の比較(エネルギー源別) (3) 平成 24 年度(2012 年度)の本市の二酸化炭素排出量 平 成 24 年 度 ( 2012 年 度 ) に お け る 本 市 の 二 酸 化 炭 素 排 出 量 は 、 598,989.2t-CO2 と推計され、平成 19 年度(2007 年度)と比較した場合、 0.71%増加すると推計されます(表 4-10)。 表 4-10 平成 24 年度(2012 年度)の本市の二酸化炭素排出量 平成 19 年 消費量(TJ) 平成 24 年 推計消費量(TJ) 平成 24/19 石炭・石炭製品 42.4 41.9 0.988 電力 2,440.3 2,442.4 1.001 都市ガス 283.6 287.4 1.013 LPG 155.5 157.4 1.012 LNG 101.8 104.3 1.025 ガソリン 1,489.2 1,525.2 1.024 灯油 327.0 333.4 1.020 軽油 506.8 518.2 1.022 A 重油 366.8 366.3 0.999 石油製品 C 重油 52.6 51.9 0.987 合 計 5766.0 5828.3 1.011 製造業 農業 建設業 家庭 業務 3,764.0 - - - 3,764.0 0.6% 250,887.5 2,023.9 2,876.1 68,038.0 52,707.3 - 376,532.7 62.9% 6,243.2 - 0.4 6,869.1 1,427.8 - 14,540.5 2.4% 4,277.0 - - 4,499.3 631.6 - 9,407.9 1.6% - - - 5,161.2 5,161.2 0.9% ガソリン 152.3 - - - - 102,188.6 102,340.9 17.1% 灯油 2,751.9 562.4 2,135.9 7,810.8 9,354.4 - 22,615.5 3.8% 軽油 473.8 209.8 961.1 - - 33,885.1 35,529.7 5.9% A重油 11,820.2 4,945.6 882.4 - 7,736.4 - 25,384.5 4.2% C重油 3,211.2 444.6 56.5 - - - 3,712.3 0.6% 283,581.0 8,186.4 6,912.3 87,217.1 71,857.5 141,234.9 598,989.2 100.0% 47.2% 1.4% 1.2% 14.6% 12.0% 23.6% 100.0% 合 計 電力 都市ガス LPG LNG 石炭・石炭製品 将来CO2排出 産業 石 油 製 品 民生 運輸 合計 構成比 構成比 単位:t-CO2
富岡市地域新エネルギービジョン
5.新エネルギー賦存量・利用可能量の調査
5.1 賦存量と利用可能量の定義 賦存量及び利用可能量の定義は以下のとおりです(図 5-1)。 図 5-1 賦存量・利用可能量の定義 ※利用可能量の推計に際しては、稼動時間や稼動条件等は想定値を使用しています。 ※なお、賦存量及び利用可能量は、施設設置コストや資源の回収方法等、現実的な問題を考慮していない 数値であり、実際の導入に際しては、費用面等を十分に検討する必要があります。 5.2 対象とする新エネルギー 賦存量及び利用可能量の推計にあたり、対象とする新エネルギーは、本市の 地域特性を踏まえ、下表のとおりとしました(表 5-1)。 なお、需要サイドのエネルギーについては、賦存量・利用可能量という概念 が当てはまりませんが、どのくらいの量を導入すれば既存のエネルギー消費量 をどの程度削減できるのかという観点で、クリーンエネルギー自動車の導入に よる期待削減量を推計しました。 表 5-1 対象とする新エネルギー エネルギー区分 エネルギー種別 太陽エネルギー(太陽光発電・太陽熱利用) 風力エネルギー(風力発電) バイオマスエネルギー(農業資源(農業廃棄物)、畜産資源(畜産廃 棄物)、木質資源、し尿・浄化槽汚泥、廃食用油) 供給サイド マイクロ水力発電 需要サイド クリーンエネルギー自動車 新エネルギー賦存量 利用可能量 利用の可否に関係なく、理論的に算出しうる潜在的なエネルギー量 賦存量 賦存量にエネルギー転換効率等の制約を考慮したエネルギー量 利用可能量 新エネルギー賦存量 利用可能量 利用可能量 利用の可否に関係なく、理論的に算出しうる潜在的なエネルギー量 賦存量 利用の可否に関係なく、理論的に算出しうる潜在的なエネルギー量 賦存量 賦存量にエネルギー転換効率等の制約を考慮したエネルギー量 利用可能量 賦存量にエネルギー転換効率等の制約を考慮したエネルギー量 利用可能量富岡市地域新エネルギービジョン 5.3 賦存量・利用可能量 本市における新エネルギーの賦存量と利用可能量の推計をまとめたものが、 表 5-2 となります。発電利用・熱利用ともに、太陽エネルギーが最も多くなっ ています。 風力発電については、大型風車を 1 基設置したと仮定した数値です。実際の 導入に際しては、事前に詳細な風況データを収集するとともに、周辺住民の理 解を得ることや、周辺環境への影響を考慮することが不可欠であるため、本市 にとって導入推進の優先度が高い新エネルギーであるとは言い切れない面があ ります。 しかし、小型の風力発電システム(マイクロ風力発電システム)はカットイ ン風速(発電を開始する風速)が小さいため、太陽光発電と並列に用いるハイ ブリッド発電システムは発電量は少ないものの、導入しやすいと考えられます。 また、バイオマスエネルギーの中では、木質資源の利用可能性が比較的多く なっています(図 5-2)。
富岡市地域新エネルギービジョン 表 5-2 本市の新エネルギー賦存量・利用可能量(供給サイド) 利 用 可 能 量 種 別 賦 存 量 発電利用 (MWh/年) 熱利用 (GJ/年) 電力使用量換算 (世帯) ■太陽エネルギー 太陽光発電 13,209.9 - 2,083 太陽熱利用 52,924,372.2 GJ (14,701,215 MWh) - 62,954.2 - ■風力エネルギー 風力発電 8,172.5 GJ 567.5 - 90 ■バイオマスエネルギー 農業資源(農業廃棄物) 27,000.6 GJ 131.3 1,890.0 21 畜産資源(畜産廃棄物) 30,289.8 GJ 121.2 1,744.7 19 木質資源:合計 1,484.5 21,376.6 234 :林地残材 65.2 939.4 10 :製材残材 829.4 11,943.4 131 :廃ほだ木 149.7 2,155.3 24 :剪定枝 84.8 1,220.4 13 :建設発生木材 154,381.0 GJ 355.4 5,118.1 56 し尿・浄化槽汚泥 2,268.0 GJ 126.0 1,814.4 20 合 計 53,146,484.1 GJ 15,640.4 89,779.9 2,466 ※電力使用量換算(1 世帯)は、各新エネルギーの利用可能量を全て導入したと仮定した場 合、電力としてどれだけの世帯数が賄えるかを推計した数値です。なお、1 世帯あたりの 年間平均電力消費量は、エネルギー消費構造調査での家庭電力消費量をもとに推計した 6,341.5kWh を使用しました。
富岡市地域新エネルギービジョン 発電利用(MWh) 熱利用(GJ) 図 5-2 本市の新エネルギー利用可能量 13,209.9 567.5 131.3 121.2 1,484.5 65.2 829.4 149.7 84.8 355.4 126.0 0 5,000 10,000 15,000 太陽光発電 風力発電 農業廃棄物 畜産廃棄物 木質資源 (林地残材) (製材残材) (廃ほだ木) (剪定枝) (建設発生木材) し尿・浄化槽汚泥 62,954.2 1,890.0 1,744.7 21,376.6 939.4 11,943.4 2,155.3 1,220.4 5,118.1 1,814.4 0 20,000 40,000 60,000 80,000 太陽熱利用 農業廃棄物 畜産廃棄物 木質資源 (林地残材) (製材残材) (廃ほだ木) (剪定枝) (建設発生木材) し尿・浄化槽汚泥
富岡市地域新エネルギービジョン 5.4 エネルギー種別の賦存量・利用可能量の推計 5.4.1 太陽エネルギー 【賦存量・利用可能量の考え方】 賦存量 本市の宅地部分全てに太陽光パネルを設置したと仮定した場合の理論上のエネルギー量 利用可能量 ①太陽光発電:戸建住宅の23%に 3.5kW、公共施設 20 ヵ所に 10kW の太 陽光発電を設置したと仮定した場合のエネルギー量 ②太陽熱利用:戸建住宅の26%に集熱面積 6m2、貯湯量300 リットルの強 制循環型ソーラーシステム、公共施設 20 ヵ所に集熱面積 18m2、貯湯量 900 リットルの強制循環型ソーラーシステム を設置したと仮定した場合のエネルギー量 [太陽光発電] 【概要】 ①利用形態 ○太陽の光エネルギーを直接電気に変換する発電方法です。 ○太陽の光を受けた太陽電池は、直流の電気を発生させます。それをインバ ータで交流の電気に変換し、商用電力(電力会社から買う電気)と同様に、 家庭等で使用します。 ○発電した電気が余れば電力会社に電気を売り、足りない場合には通常どお り電力会社から買うこともできます。
富岡市地域新エネルギービジョン ②太陽電池の種類 ○太陽電池は、使われる半導体によっていろいろな種類があり、シリコン系 と非シリコン系(化合物系、有機物系等)に大別されます。現在の主流は シリコン系であり、シリコン系の半導体には結晶系と薄膜系があります。 薄膜系は大きな面積のものを大量に作ることができますが、変換効率や信 頼性の面でまだ結晶系に劣っています。 ○非シリコン系では、銅、インジウム、セレン等を原料とした薄膜太陽電池 である CIS 系、ガリウムヒ素など特別な化合物半導体の基板を使った高効 率化合物半導体等の開発が進められています。 図 5-4 太陽電池の種類(出典:NEDO HP) ③経済性 ○一般住宅に 3.5kW の太陽光発電を導入する場合は、必要な敷地面積:35 ㎡、年間発電量:約 3,680kWh、耐用年数:20 年程度、設置費用:約 250 万 円(工事費込み)となります。 ○発電単価は平成 6 年度(1994 年度)は 140 円/kWh 程度だったものが、 最近では 60 円台/kWh にまで低減しています。ただし、一般住宅におけ る平均電灯単価(23.3 円/kWh)と比較すると、高い水準にあります。 ○非住宅用での平成 14 年度(2002 年度)NEDO 産業用等 PVFT 事業におけ る設置価格によると、標準型は全体平均で約 90 万円、新形態利用型で 149 万円となっています。 ○非住宅用は、設置場所や形態が多岐にわたるので、住宅用と比較した場合、 システム設置コストに占める設置工事費の割合が高くなっています。発電 コストは、約 70~80 円/kWh と試算されていますが、公共施設等における 平均電力単価(約 15~16 円/kWh)の約 5 倍程度となっています。
富岡市地域新エネルギービジョン ④導入効果 ○家庭の屋根や学校の屋上など、あまり使われていないスペースを有効活 用できます。 ○山小屋や自然公園など、電気を通しにくい地点の電源としても有効です。 ○日中の発電による電力消費のピークカットが期待できます。 ○市民、事業者等への普及・啓発効果が期待できます。 ⑤課題 ○発電に際しては、日射量・日照時間に依存するため、出力が不安定である ことから、安定的な電力供給を確保するためには、調整電源や蓄電池との 組み合わせが重要です。 【推計結果】 賦存量 14,701,215 MWh (52,924,372.2 GJ) 利用可能量 13,209.9 MWh ※1kWh=3.6MJ 【推計方法】 賦存量は、年間水平面における日射量に富岡市の宅地面積(一般住宅や公共 施設面積を含む)を乗じる事により算出されます。 賦存量 =年間水平面日射量×富岡市の宅地面積 利用可能量は、出力や施設数、設置可能率(公共施設は 100%とする)、必要 面積、最適傾斜角平均日射量、補正係数、年間日数(365 日)を乗じ、戸建住宅、 公共施設ごとの数値を合計することにより算出されます。 利用可能量 =出力×施設数×設置可能率×必要面積×最適傾斜角平均日射量
富岡市地域新エネルギービジョン 【計算使用数値】 賦存量 項 目 数値・単位 出典・備考 年平均水平面日射量 3.53kWh/m2・日 NEDO システム「MONSOLA05(801)」より、過去 30 年 間の月平均値 年間日数 365 日 - 宅地面積 11.41 km2 富岡市統計(H20 年版) 利用可能量 項 目 数値・単位 出典・備考 出力:戸建住宅 3.5kW - :公共施設 10kW - 施設数:戸建住宅 18,405 戸 富岡市統計(H20 年版) :公共施設 20 施設 小中学校 17 校、市役所庁舎、生涯学習センター、あ い愛プラザ 設置意向率 23% アンケート調査において太陽光発電を「既に設置し ている」2.3%と、「今の家に設置してみたい」20.7% を足した 23%と仮定。 必要面積(1kW パネル面積) 9m2/kW 新エネルギーガイドブック 2008 最適傾斜角平均日射量 4.12kWh/m2・日 NEDO システム「MONSOLA05(801)」より、最適傾斜 角時の日射量 補正係数(機器効率や損失等) 0.065 新エネルギーガイドブック 2008 年間日数 365 日 - ※日射量の数値は、市内には計測地がないため、近隣の計測地である上里見の数値を利用しました。 【参考】 観測地点:群馬-上里見の水平面日射量及び最適角・日射量 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 平均 水平面日射量 2.71 3.32 3.96 4.34 4.82 4.01 3.96 4.24 3.11 2.99 2.59 2.33 3.53 kwh/m2・day 最適傾斜角 61.1 50.8 36.7 19.9 8 3 4.7 13.6 24.6 42.9 57 62 32.03 度 その日射量 4.51 4.63 4.67 4.42 4.48 3.64 4.11 3.27 3.73 3.94 3.92 4.08 4.12 kwh/m2・day ※NEDOシステム「MONSOLA05(801)」より、過去30年間の月平均値