• 検索結果がありません。

アプリケーションプロセッサを用いた画像ソリューションの構築

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "アプリケーションプロセッサを用いた画像ソリューションの構築"

Copied!
10
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

あ ら ま し アプリケーションプロセッサを用いた画像ソリューションとは,富士通の得意とする 画像処理技術を生かし,ソフトウェアや評価ボードを含めたアプリケーションプラット フォームを顧客に提供する形態である。このプラットフォームを使用することにより, セットメーカである顧客は多機能な新製品を短期間に開発し,市場へ投入することがで きる。本プラットフォームはイメージングプロセッサMilbeautと組み合わせることで, 高性能の画像処理システムを実現し,他セットメーカに対して優位性をアピールするこ とが可能となる。 本稿では,アプリケーションプロセッサ「MB86S62」を用いた画像アプリケーションプ ラットフォームの事例を紹介する。 Abstract

The imaging solutions using application processors is a form of providing customers with an application platform including software and evaluation boards by taking advantage of image processing technology at which Fujitsu excels. By using this platform, customers who are assembly manufacturers can develop multifunctional and new products in a short time and bring them to market. This platform realizes a high-performance image processing system when combined with the Milbeaut imaging processor, and manufacturers can use it to emphasize their superiority over other assembly manufacturers. This paper presents examples of imaging application platforms that use application processor MB86S62.

●須賀敦浩   ●中原英利   ●兵頭正人   ●瀧本伸一

画像ソリューションの構築

(2)

ま え が き 今日のスマートフォン,およびタブレットは劇 的なほど進化しており,数年前には不可能だった 機能やアプリケーションを動作させることにより, あらゆるビジネスや生活の場の中心的存在になり つつある。この背景としては,アプリケーション プロセッサを中心にして,端末側で十分な処理速 度を維持できるようになったことに加え,LTE(1) を中心とする通信のインフラが整うことにより, 多くのインターネットアクセスがストレスなく実 現できていることに起因する。そのため,様々な サービスが,端末側のアプリケーションとクラウ ドとの連携で実現できつつある。 スマートフォンやタブレットに採用された高度 なユーザインタフェースは今後様々な製品へ応用 されていくと予想され,アプリケーションプロセッ サにより実現される画像処理はますます重要と なっていく。 一方で市場が要求する新製品を実現するための アプリケーションプロセッサと他社との差異化を 実現するためには,最先端のプロセステクノロジー を用いる必要がある。しかし,40 nmプロセステ クノロジー以降のLSIの開発は検証工数やレイアウ トの難易度が爆発的に増加することで,従来のテ クノロジーを採用する場合に比べて,多くの開発 期間と開発費が必要となる。この結果,先端テク ノロジーを用いたLSIの開発は,リスクが増大して おり,セットメーカの個別商品開発においてROI (Return On Investment)を悪化させる大きな要 因となり新規の開発をより一層困難なものにして いる。 このことは,40 nmプロセステクノロジー以降顧 客の負担(開発コスト,ソフトウェア開発増)に 対して新たなソリューションを提供することによる 新たなビジネスチャンスがあることを示している。 このような背景の中,アプリケーションプロセッ サを開発している各半導体メーカは,スマートフォ ンやタブレット市場をターゲットにしていること はもちろんのこと,車載やデジタル家電市場にも 参入する意思を示している。この一方で顧客であ るセットメーカは新規に独自のLSIを開発するより 既製品のアプリケーションプロセッサを用いてシ ま え が き ステムインテグレーションを行うことで開発コストやリスクを低減する方向に向き始めている。こ のことが,ASICビジネスを得意とする富士通に, 変革を促す一つのきっかけとなっている。 このような状況から,富士通は得意とする画像 処理技術を生かす応用にフォーカスし,ソフトウェ アや評価ボードを含めたアプリケーションプラッ トフォームを顧客に提供することで,アプリケー ションプロセッサベースの開発でありながら,顧 客の独自ロジックを融合して従来のASICのような 独自機能を実現できるソリューションを実現した。 更にイメージングプロセッサMilbeautと組み合わ せることで,ほかのアプリケーションプロセッサ ベンダとは異なる切り口で画像プラットフォーム として使用することが可能となる。 本 稿 で は, ア プ リ ケ ー シ ョ ン プ ロ セ ッ サ 「MB86S62」を用いて構築した画像アプリケーショ ンプラットフォームの事例を紹介する。

MB86S62

を用いた画像アプリケーション プラットフォーム 画像アプリケーションプラットフォームのコン セプトを図

-1

に示す。 富 士 通 の 従 来 有 す るASICの 実 現 技 術 と, Milbeautをはじめとする画像処理技術を活用し, 先端のCPU/GPUをベースとしたソフトウェア・ ハードウェアを搭載することによる電力・性能・ 面積(コスト)の優位性に加え, ・センシング ・解析・加工 ・圧縮・伸張 ・表示・出力 などの一連の画像処理機能に対しては,競争力の あるマルチメディアフレームワークへ対応するこ とにより,使い勝手の良いプラットフォームを提 供することが基本的なコンセプトである。これに より,顧客に対し, ・画像系ASSPへのPF基盤活用によるコスト低減, デリバリ加速 ・既存ビジネス強化,高付加価値商品創出への貢献 ・新規ビジネスへの貢献 といった価値を提供することが可能となる。 本プラットフォームの構成を図

-2

に示す。アプ リケーションプロセッサをベースとしたSoCに加

MB86S62

を用いた画像アプリケーション プラットフォーム

(3)

リケーションを構築することで,容易にシステム 開発を行うことができる。

以下に本プラットフォームのハードウェアおよ びソフトウェアの構成とその特徴を示す。

え,Linux(2)とAndroid(3)のBSP(Board Support

Package),および富士通の画像処理機能であるマ ルチメディアプラットフォームから構成される。 顧客は,このLinuxとAndroid BSP上に独自のアプ オプション Kernel Generic Platform Specific(V4) Google供給 拡張 ライブラリ アプリケーション フレームワーク 拡張部 テスト アプリケーション 電源制御 デバイスドライバ 標準 ドライバ ディスプレイドライバ アプリケーションフレームワーク 標準ライブラリ セットメーカ開発部 アプリケーション マルチメディアフレームワーク Audio

HAL Display HAL StandardHALs

FSL ISP部 ISP

HAL (OthersHALs)

FSL ISP部 そのほかの ドライバ GPU ドライバ ARM供給部 OpenGL ES Lib Linux BSP High bandwidth Connectivity コンピュートサブシステム CPU

Cluster ClusterGPU

H ig h B an dw id th in te rc on ne ct w ith Q oS DRAM I/F DRAM イメージング サブシステム ⇔USB ⇔SATA ⇔GMII/Ether ⇔PCIe ←Clock ←Reset ⇔I2C ⇔UART ⇔GPIO ⇔UART ⇔I2C ⇔SPI ⇔I2S CSI → DSI ← DSI ← HDMI ← HDMI ←

Cache coherent interconnect

ハードウェアアーキテクチャ System control low bandwidth Connectivity ISP Codec Post proc. disp audio Android BSP 図-2 MB86S62のプラットフォーム構成 画像アプリケーションプラットフォーム 画像アプリケーションプラットフォーム用SoC マルチメディアフレームワーク(画像・音を含む環境全般) センシング 解析・加工 圧縮・伸張 表示・出力 CPU GPU DSP アクセラレータ connectivity 高効率アーキテクチャ (電力・性能・面積・使い勝手) 富士通の画像技術 既存ビジネス強化 高付加価値商品 創出への貢献 画像系ASSPへの PF基盤活用による コスト低減, デリバリ加速 新規ビジネスへの 貢献 ドライバ層での高効率化の実現 Linux O/S オープン環境で競争力のある マルチメディアフレームワーク の実現 ターゲットシステムアプリを 容易に実現できるAPIの提供 図-1 画像アプリケーションプラットフォームのコンセプト

(4)

MB86S62

MB86S62のブロックダイアグラムを図

-3

に,主 な機能仕様を表

-1

に示す。本プラットフォームで は徹底した低消費電力化とハイパフォーマンスな 画像処理に注力しており,ハードウェア上での取 組みと主な特徴を以下に挙げる。 (1) 低消費電力プロセスの使用 最先端の45 nm Low Powerプロセスを採用し, 低消費電力化とローコスト化を実現している。 (2) ARM社CortexTM-A8プロセッサを搭載 組込み型プロセッサとして代表的なARMコア を搭載し,最大1 GHz動作を実現している。一次 キャッシュはIDともに32 Kバイト,二次キャッ シュは256 Kバイトのメモリを搭載している。 (3) 強力・充実したマルチメディア機能 二つのカメラ入力インタフェースを持っており, 表-1 MB86S62の主な機能仕様 項目 仕様

CPU ARM CortexTM-A8,∼ 1 GHz

ビデオ 1080 p @30 fpsエンコーディング: MPEG-4,H.264(720 pデュアルエンコーディング) 1080 p @30 fpsデコーディング: MPEG-2/4,H.264,VC-1,RV8.9.10,H.263モードサポート/ Divxストリーミング

グラフィックス OpenGL2.0/OpenVG1.1(30 MPoly/s,400 Mpixel/s) ディスプレイ (24ビットRGB or MIPI DSI/3D De-Interlacer)XGA LCD I/F&デュアルLCDサポート カメラ デュアルカメラ(8 M&3 M)

インタフェース

USB Host×1,OTG×1 PHY内蔵

MPEG-2 TS RX×2&SPI×3,SmartCard I/F×2 SD/MMC/SDIO/SDHC I/F SATAII/HDMI パッケージ 19 mm×19 mm620ピンFBGA(0.65ピッチ) CortexTM-A8 (1 GHz) オーディオ インタフェース 外部 ペリフェラル インタフェース グラフィックス 2D/3D セキュリティ システム コントロール ユニット カメラ インタフェース ディスプレイ ユニット フルHDビデオ プロセッサポスト ストレージ コントローラ メモリ コントローラ HDMI Tx USB 2.0 Host & OTG MPEG-2 TS

Rx I/F X2 Smart Card

I/F X2

(5)

載されており,DRAMは外付け対応となる。実装 基板上の省スペース化,および更なる低消費電力 化に向け,図

-4

の例のような多チップスタック化 によるSiP(System in Package)を開発中である。 ● 評価環境 【MB86S62評価キット(DTK)の概要】 DTKは,MB86S62周辺デバイスおよび各種イン タフェースを備えており,必要な機能を容易に実 現できる。 MB86S52の開発用評価ボードを図

-5

に示す。同 図(a)がドライバミドルウェアなどのソフトウェ ア開発用のDTK,同図(b)がアプリケーション開 発用のタブレットである。タブレットは拡張ボー ドを接続することにより,DTKとほぼ同等なデバッ グ環境を構築することもできる。 ソフトウェアに関しても,市場要求度の高い LinuxおよびAndroidシステムに対応できるよう に,それぞれBSPを準備しており,顧客は下位層 をほぼ意識することなく,商品仕様に直結する上 位層の開発に注力することができる。 【DTKの基本機能】 ・LCD:800×480 pixel ・DDR Capacity:512 Mバイト(System),256 M バイト(Media) ・NAND:8 GバイトMLC ・USB(13)OTGコンバータケーブル ・Non-crossシリアルケーブル ・ステレオスピーカ ・5 V/2 Aアダプタ ・3.7 Vシングルバッテリ(Max:4.2 V) メインはMIPI CSIまたは8ビットパラレルインタ フェースで8 Mpixel,サブは8ビットパラレルイン タフェースで3 Mpixelまで対応している。 またビデオコーデックは,MPEG-2(4)やH.264,(5) VC-1(6)などの複数の映像規格に対応しており,フ ルHDサイズの1080 p/30 fpsのエンコード/デコー ド,および720 pでのデュアルエンコードに対応し ている。オーディオコーデックについてはMP3(7) やAACなどの様々なオーディオ規格,I2S(8) SPDIF(9)などのインタフェースに対応している。 (4) 3Dグラフィックスエンジンを搭載 2D/3Dのグラフィックスハードウェアアクセラ レ ー タ を 搭 載 し,OpenVG1.1,(10) OpenGL ES2.0

をサポートしている。デュアルコアを搭載し, 30 MPoly/s,400 Mpixel/sの処理能力を持っている。 (5) 3画面表示およびXGA,対応のディスプレイ 機能 24ビットRGBおよびMIPI(11)DSIインタフェー スを持ち,XGAサイズ(1024×768)LCDインタ フェース対応やデュアルLCDをサポートしている。 また,デュアルLCDと,HDMI,(12) またはTV(NTSC/ PAL)での三つのディスプレイへの表示が対応可 能である。 (6) 電源管理による低消費電力化 システム制御ユニットを搭載しており,各種パ ワーモード(Normal/Idle/Stop/Sleep/Deep Sleep) 設定,クロックゲーティングによる動作電流の抑 制,およびそれぞれの機能マクロに対するパワー ゲーティング(リーク電流も抑制される)により, 低消費電力化を図っている。 MB86S62は,19 mm角のFBGAパッケージに搭 FLIP-CHIP 省スペース サイズ:12 mm角 高さ:1.5 mm以下 メモリを4個積層 配線負荷容量低減に よるローパワ−化 図-4 SiPの構成例

(6)

・MIPIスレーブ:MIPIカメラボード

・Micro SATA(15):External 1.8インチSATA HDD

・D-TVコネクタ:D-TVボード (4) 表示・操作系 表示および操作キーとして以下の機能を有する。 ・タッチパネル:7インチLED LCD ・ホーム,メニュー,バック,ボリューム-アップ/ ダウン (5) 入出力端子 入出力端子として以下の機能を有する。 ・マイク・ライン入力 ・ヘッドフォン出力 ・ステレオスピーカ(8 Ohm) ・CVBS Out ・SPDIF ・HDMI (6) スイッチ関連 リセットおよび動作モード選択用のスイッチを 有する。 ・パワースイッチ ・リセットスイッチ ・CPUリセットスイッチ ・Bootモード設定スイッチ 【DTKの機能詳細】 (1) 電源関連 メ イ ン の 電 源 ス イ ッ チ お よ びPower Indicate LEDを有する。 電源の供給経路としては下記2種類に対応して いる。 ・AC supply(5 V) ・3.7 V Single-Cell Battery (2) 評価関連 下記の手段によりメインボードからデバッグボー ド経由でPCと接続し,評価を行うことができる。 ・Ethernet ・JTAG ・RS-232C ・USB (3) 外部デバイス関連 外部デバイスへの接続手段として以下の機能を 有する。 ・NAND ・UART1 ・SD(14)Ch0/Ch1 ・USB Host:USBホストコネクタ ・カメラインタフェース0:パラレルカメラボード ・カメラインタフェース1:パラレルカメラボード 表面 裏面 (a)ソフトウェア開発用DTK (b)アプリケーション開発用タブレット 図-5 MB86S52の開発用評価ボード

(7)

層で,ハードウェアとAndroidシステムを分離して いる。 (5) Linuxカーネル Linuxカーネルを採用することにより,デバイス ドライバは,Linux用として開発されたものをその まま利用することが可能となる。 Androidシステムの導入のメリットとして,開発 ツールが提供されているという点がある。

・Android SDK(Software Development Kit) ・Android NDK(Native Development Kit)

商品の要求仕様に合わせ,上述の2種類の開発 ツールを選択し,使用することができる。 本プラットフォームは,組込み機器向けの汎用 メディアフレームワークである,マルチメディア ラ イ ブ ラ リ(OpenMAX/GStreamer),(16) 2D/3Dグ ラフィックスライブラリ(OpenVG/OpenGL ES) をベースとした画像処理ライブラリを構築するこ とができる。 これらのマルチメディアライブラリは,ハード ウェアシスト機能をフルに活用することにより, 低消費電力で所望の動画性能を実現することがで きる。 顧客は上述のようなAndroidシステムを導入する ことにより,標準のAPIをベースにしたアプリケー 【ソフトウェア構成】 本プラットフォームは,使用用途としてタブレッ トを含む携帯端末,およびそれらと同等の機能を 有するデジタル機器を想定している。システムの OSおよびフレームワークとしては,Androidと Linuxを基本と考えている。 Androidシステムの基本構成を図

-6

に示す。レイ ヤ構成は以下の5層となる。 (1) アプリケーション Androidアプリケーションはこのレイヤで動作 する。 (2) アプリケーションフレームワーク Androidアプリケーションに様々なサービスを提 供する。 (3) ライブラリ/Android Runtime 以下の基本的なライブラリ群で構成している。 ・SQLite ・Libc ・Webkit ・OpenGL ES ・CoreLibrary

・Dalvik Virtual Machine (4) ハードウェア抽象化 ハードウェアを抽象化したレイヤであり,この アプリケーション アプリケーションフレームワーク ライブラリ Androidランタイム ハードウェア抽象化 Linuxカーネル GPS Bluetooth

Graphics Audio Camera Wi-fi ・・・

コア・ライブラリ 仮想マシン(Dalvik VM) Libc

Surface

Manager FrameworkMedia SQLite

・・・

OpenGL ES ManagerAudio FreeType

Contacts

Home Browser Media Player ・・・

Content Providers Active

Manager ManagerWindow ResourceManager ・・・

Shared Memory Driver

Display Driver Camera Driver Bluetooth Driver BinderDriver(IPC) Audio Drivers

USB Driver Key Driver Wifi Driver ManagementPower

(8)

・オートフォーカスなど追加機能の対応 などの商品仕様を特徴付ける個別機能の最適化に 十分時間を費やすことができる。 上述のように,DTKを開発のプラットフォーム として使用することにより,容易に統合システム の構築が可能であり,これまでの開発ではシステ ム全体に配分する必要があった工数を,画像・画 質調整などの各社の独自性を強調する部分に集中 できるようになる。 今後の展開 MB86S62は基本的にはコンピュートサブシステ ム部分は他社同等製品と差異はない。他社と明確 な差異化をするためには下記のことを推進する必 要がある。 (1) 非競争領域に対する対応 ・デバイステクノロジーおよびCPUコアを他社製 品と同世代あるいは一世代先のテクノロジーの 実装 ・LinuxやAndroidなどのOS,Khronos社標準API, OpenCLやOpenCV(17)など,最新バージョンへ の速やかな対応 (2) 差異化領域の強化 ・低消費電力化を中心にしたデバイステクノロジー ・画像処理技術 ・容易なシステムインテグレートを実現するソフト ウェア資産の構築 これらを実現するためのプラットフォームおよ び商品展開を図

-8

に示す。基本プラットフォーム {同図(a)}はコンピュートサブシステムおよび画 像フレームワークで構成され,本プラットフォー ム チ ッ プ 単 体 で もLinuxやAndroidを 搭 載 し た 1チップソリューションとして提供可能な構成とす る。本チップをベースにアプリケーション個別部 分を組み込んだプラットフォーム{同図(b)},お よび広帯域で接続可能なインターコネクトで接続 されプラットフォームチップ,コンパニオンチッ プの2チップ構成のプラットフォーム{同図(c)} の3種類を提供予定である。 上 記 の 対 応 を 行 っ た プ ラ ッ ト フ ォ ー ム 開 発 環 境 を 整 備 し,2013年 度 に は28 nmプ ロ セ ス, CortexTM-A15搭載,画像処理は4 Kクラスの動画処 理を行う製品を投入予定である(図

-9

)。 今後の展開 ションの開発に注力できる。 更に,OpenGL ES/OpenMAXというオープンな フレームワークを利用することにより,SoC固有技 術のAPIをベースにしたソフトウェア資産の構築を 避けることができ,開発期間短縮と開発工数削減 などのメリットを享受できる。 応 用 事 例 本章では,DTKを使用した応用事例として,富 士通の画像処理に関する独自技術であるイメージ ングプロセッサMilbeautとの統合システムを紹介 する。 ハードウェア的な接続方法としては,パラレル インタフェースが2 ch,そしてMIPIスレーブイン タフェースが1 chの計3系統の中から応用商品の ニーズに合わせ選択できる。 実際の構成を図

-7

に示す。 ソフトウェアの対応としては,Androidを導入す ることにより非常に簡単になり,基本的にはデバ イスドライバのみを準備するだけである。 プレビュー動作,またシャッタ動作に伴う映 像の取込みなどのカメラを扱うための機能は, AndoridにAPIが用意されているため,作成者は使 用するデバイスを意識することなく,Androidアプ リケーションを作成することでカメラ基本機能を 実現できる。 カメラ基本機能を構築した後に, ・パフォーマンスの検討 ・画質調整 応 用 事 例 カメラ パラレルI/F カメラ MIPI I/F Milbeaut イメージング プロセッサ 図-7 DTKを使用した応用事例

(9)

ディスプレイシステムが家庭や公共施設,オフィ スなどで様々な形態で広く普及すると想定される。 富士通は最先端のデバイステクノロジーを駆使し, 20 nm以降の世代でも同様のプラットフォームを 開発して画像処理ソリューションを展開していく 予定である。 む  す  び 本稿では,MB86S62を用いた画像アプリケー ションプラットフォームを紹介した。今後の映像 ソリューションとしてはタブレット端末に代表さ れるクラウド連携した高機能なインタラクティブ む  す  び (a)基本プラットフォーム (b)カスタムプラットフォーム 顧客仕様ハードウェア コンピュート サブシステム イメージングサブシステム Inter-chip DDR I/F (c)2チップ構成 コンパニオン ASIC Inter-chip ドライバ カーネル ドライバ カーネル マルチメディアフレームワーク ドライバ ミドルウェア ドライバ カーネル マルチメディアフレームワーク ドライバ ミドルウェア マルチメディアフレームワーク ミドルウェア アプリケーション固有追加部分 プラットフォーム提供部分 ペリフェラル コンピュート サブシステム イメージングサブシステム Inter-chip DDR I/F ペリフェラル コンピュート サブシステム イメージングサブシステム Inter-chip DDR I/F ペリフェラル 図-8 プラットフォームおよび商品展開

2012

2013

2014

2015

MB86S7x

計画中 20 nm Next CPU multi-core OpenGL ES,OpenVG,OpenCL

OpenSL ES, OpenCV 8K4K 対応

MB86S62

開発完了 45 nm CortexTM-A8 @1 GHz H.264 full HD Codec OpenGL ES,OpenVG Full HD対応

MB86S64

開発中 28 nm CortexTM-A15 dual @2 GHz

CortexTM-A7 dual @1 GHz OpenGL ES,OpenVG,OpenCL

4K2K 対応

MB86S6x

計画中 28 nm CortexTM-A7 quad @1 GHz OpenGL ES,OpenVG,OpenCL

OpenSL ES,OpenCV 4K2K 対応 高機能用途向 け ローパワー /モバイ ル用途向け 図-9 開発ロードマップ

(10)

(9) International Electrotechnical Commission. http://www.iec.ch/

(10)The Khronos Group: Connecting Software to Silicon. http://jp.khronos.org/ (11)MIPI Alliance. www.mipi.org (12)HDMI Licensing, LLC. http://www.hdmi.org/

(13)USB Implementers Forum, Inc. http://www.usb.org/home

(14)SDアソシエーション. https://www.sdcard.org/jp/home

(15)Serial ATA International Organization. http://www.serialata.org/ (16)freedesktop.org. http://gstreamer.freedesktop.org/ (17)OpenCV. http://code.opencv.org/embedded/opencv/index.html 須賀敦浩(すが あつひろ) 富士通セミコンダクター(株) アドバンストプロダクト事業本部 所属 現在,画像用アプリケーションプロセッ サの開発に従事。 著 者 紹 介 兵頭正人(ひょうどう まさと) 富士通セミコンダクター(株) アドバンストプロダクト事業本部 所属 現在,画像用アプリケーションプロセッ サの開発に従事。 中原英利(なかはら ひでとし) 富士通セミコンダクター(株) アドバンストプロダクト事業本部 所属 現在,画像用アプリケーションプロセッ サの開発に従事。 瀧本伸一(たきもと しんいち) 富士通セミコンダクター(株) アドバンストプロダクト事業本部 所属 現在,画像用アプリケーションプロセッ サの開発に従事。 参 考 文 献

(1) The 3rd Generation Partnership Project. http://www.3gpp.org/ (2) Linux. http://www.kernel.org/ (3) Android Developers. http://developer.android.com/index.html (4) MPEG LA. http://www.mpegla.com/main/default.aspx (5) International Telecommunication Union

Telecommunication Standardization Sector. http://www.itu.int/en/pages/default.aspx

(6) Society of Motion Picture and Television Engineers. http://www.smpte.org/

(7) International Organization for Standardization. http://www.iso.org/iso/home.html

(8) NXP Semiconductors.

http://www.classic.nxp.com/acrobat_download2/ various/I2SBUS.pdf

参照

関連したドキュメント

7IEC で定義されていない出力で 575V 、 50Hz

婚・子育て世代が将来にわたる展望を描ける 環境をつくる」、「多様化する子育て家庭の

インクやコピー済み用紙をマネキンのスキンへ接触させな

ライセンス管理画面とは、ご契約いただいている内容の確認や変更などの手続きがオンラインでできるシステムです。利用者の

これはつまり十進法ではなく、一進法を用いて自然数を表記するということである。とは いえ数が大きくなると見にくくなるので、.. 0, 1,

200 インチのハイビジョンシステムを備えたハ イビジョン映像シアターやイベントホール,会 議室など用途に合わせて様々に活用できる施設

ユース :児童養護施設や里親家庭 で育った若者たちの国を超えた交 流と協働のためのプログラム ケアギバー: 里親や施設スタッフ

ASTM E2500-07 ISPE は、2005 年初頭、FDA から奨励され、設備や施設が意図された使用に適しているこ