目次 i 第1章 一般商品売買等 第1節 三分割法(三分法)による商品売買の会計処理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ①-2 第2節 割戻の処理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ①-3 第3節 割引の処理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ①-3 第4節 売上の認識基準 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ①-6 第5節 商品有高帳 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ①-7 第6節 売上原価の算定・商品の期末評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ①-9 第7節 売上原価対立法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ①-17 第8節 サービス業の会計処理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ①-20 第2章 現金預金 第1節 現金 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ②-2 第2節 当座預金(銀行勘定調整表) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ②-8 第3章 債権債務 第1節 手形の不渡り ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ③-2 第2節 手形の更改 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ③-5 第3節 営業外受取手形・営業外支払手形 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ③-8 第4節 債務の保証 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ③-10 第5節 クレジット売掛金 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ③-12 第6節 電子記録債権・電子記録債務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ③-14 第4章 有価証券 第1節 有価証券の分類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ④-2 第2節 有価証券の購入と売却 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ④-3 第3節 配当及び利息 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ④-6 第4節 端数利息 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ④-7 第5節 決算時の会計処理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ④-12 第6節 時価評価を行った有価証券の決算後の会計処理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ④-34
ii 第5章 固定資産 第1節 有形固定資産の取得 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑤-2 第2節 減価償却 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑤-7 第3節 有形固定資産の売却 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑤-15 第4節 買換え ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑤-22 第5節 除却・廃棄 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑤-23 第6節 滅失 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑤-25 第7節 資本的支出(改良)と収益的支出(修繕) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑤-29 第8節 無形固定資産 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑤-31 第9節 圧縮記帳 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑤-34 第 10 節 リース取引 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑤-39 第6章 引当金 第1節 引当金 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑥-2 第2節 貸倒引当金 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑥-2 第3節 修繕引当金 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑥-9 第4節 賞与引当金 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑥-11 第5節 退職給付引当金 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑥-13 第6節 商品保証引当金 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑥-15 第7節 売上割戻引当金 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑥-17 第8節 返品調整引当金 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑥-19 第7章 株式会社会計 第1節 株式会社会計 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑦-2 第2節 株式会社の純資産およびその内訳 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑦-3 第3節 株式の発行 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑦-7 第4節 増資(新株の発行)の具体的手続 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑦-10 第5節 合併と買収 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑦-12 第6節 剰余金の配当及び処分 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑦-18 第7節 株主資本の計数の変動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑦-25 第8節 損失処理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑦-26 第9節 役員賞与引当金 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑦-27 第 10 節 研究開発費 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑦-29 第8章 外貨建取引 第1節 外貨建取引 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑧-2 第2節 外貨建取引の換算 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑧-3 第3節 為替予約 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑧-8
目次 iii 第9章 税金 第1節 株式会社の税金 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑨-2 第2節 税金の会計処理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑨-2 第3節 課税所得の計算 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑨-9 第 10 章 決算 第1節 簿記の一巡の全体像 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑩-2 第2節 簿記の一巡の具体例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑩-2 第3節 損益計算書および貸借対照表の作成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑩-13 第4節 株主資本等変動計算書の作成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑩-34 第5節 月次決算 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑩-38 第 11 章 本支店会計 第1節 本支店会計 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑪-2 第2節 本店・支店の業績把握(本店・支店の会計帳簿) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑪-3 第3節 合併財務諸表の作成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑪-11 第 12 章 Ⅰ 連結会計(資本連結) 第1節 連結財務諸表の基礎概念 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑫Ⅰ-2 第2節 連結財務諸表の作成方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑫Ⅰ-3 第3節 連結財務諸表の表示 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑫Ⅰ-5 第4節 資本連結の基礎 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑫Ⅰ-8 第5節 資本連結の具体的処理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑫Ⅰ-20 第6節 子会社の配当金 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑫Ⅰ-48 第7節 連結精算表 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑫Ⅰ-57 第 12 章 Ⅱ 連結会計(成果連結) 第1節 内部取引の相殺 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑫Ⅱ-2 第2節 未実現損益の消去の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑫Ⅱ-6 第3節 棚卸資産に係る未実現損益 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑫Ⅱ-7 第4節 土地に係る未実現損益 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑫Ⅱ-17 第5節 債権・債務の相殺消去に伴う貸倒引当金の修正 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑫Ⅱ-19 第6節 連結会社が振り出した手形を他の連結会社が割引に付した場合 ・・・・・・・・・・・・ ⑫Ⅱ-22
iv
1.三分割法
(1) 三分割法の会計処理 三分割法とは,商品売買取引を「仕入」勘定(費用),「売上」勘定(収益),「繰越商品」勘定(資産)で 処理する記帳方法をいう。 三分割法の期中仕訳 (1) 商品 1,500 円を掛けで売買した。 (2) 上記商品の内 120 円が品違いであったため返品した。(返品された。) (3) 上記商品の一部が破損していたため 60 円の値引を受けた。(値引を行った。) <仕入側> <販売側> 借 方 貸 方 借 方 貸 方 (1) 仕 入 1,500 買 掛 金 1,500 (1) 売 掛 金 1,500 売 上 1,500 (2) 買 掛 金 120 仕 入 120 (2) 売 上 120 売 掛 金 120 (3) 買 掛 金 60 仕 入 60 (3) 売 上 60 売 掛 金 60 (2) 諸掛りに関する会計処理(当社負担) ① 仕入諸掛り 引き取り費用などの仕入諸掛りは,仕入原価に加算されるため,「仕入」勘定(費用)に含めて処理する。 ② 売上諸掛り 発送費用などの売上諸掛りは,販売費として処理するため,「発送費」などの勘定(費用)で処理する。 諸掛りの処理(当社負担) (1) 商品 1,500 円を掛けで仕入れた。なお,引取費用 100 円を現金で支払っている。 (借) 仕 入 1,600 円 (貸) 買 掛 金 1,500 円 (〃) 現 金 100 円 (2) 商品 4,000 円を掛けで売り上げた。なお,発送費 50 円を現金で支払っている。 (借) 売 掛 金 4,000 円 (貸) 売 上 4,000 円 (借) 発 送 費 50 円 (貸) 現 金 50 円 ≪重要ポイント!! 商品売買≫ 返品・値引・・・・「売上」・「仕入」の取り消しとして処理する。 仕入諸掛り・・・・仕入原価に算入する。 売上諸掛り・・・・販売費として処理する。第1節
三分割法(三分法)による商品売買の会計処理
具体例 具体例1.割戻
割戻E わりもどし Aとは,一定期間に一定額以上の商品を購入してくれた購入者に対して支払う報奨金(リベート)の ことである。2.売上割戻の会計処理
売上割戻を行った場合には,売上値引に準じ,売上の計上を取り消す処理を行う。 例)当社はA社に対し,商品を掛けで販売しているが,今月のA社への販売量が一定額を超えたため, 100 円の割戻し(リベート)を行った。 (借) 売 上 100 円 (貸) 売 掛 金 100 円3.仕入割戻の会計処理
仕入割戻が行われた場合には,仕入値引に準じ,仕入の計上を取り消す処理を行う。 例)当社はB社から,商品を掛けで仕入れているが,今月のB社からの購入量が一定額を超えたため, 100 円の割戻し(リベート)を受けた。 (借) 買 掛 金 100 円 (貸) 仕 入 100 円1.割引とは
掛代金を支払期日前に決済した場合には,その利息に相当する部分が免除される(免除する)ことがある。 このような取引を 割引わ り び きという。第2節
割戻の処理
第3節
割引の処理
割引の取引
2.売上割引
売上掛け代金を支払期日よりも早く受け取ったために,その一部の支払いを免除した場合には,「売上う り あ げ 割引 わ り び き 」勘定(費用)で計上する。売上割引は,支払利息と同様の性格である。 例)売掛金 500,000 円について支払期日の 40 日前に受け取り,売上割引を 5,000 円行った。 (借) 現 金 495,000 円 (貸) 売 掛 金 500,000 円 (〃) 売 上 割 引 5,000 円3.仕入割引
仕入掛け代金を支払期日よりも早く支払ったために,その一部の支払いを免除された場合には,「仕入し い れ 割引 わ り び き 」勘定(収益)で計上する。仕入割引は,受取利息と同様の性格である。 例)買掛金 500,000 円について支払期日の 40 日前に支払い,仕入割引を 5,000 円受けた。 (借) 買 掛 金 500,000 円 (貸) 現 金 495,000 円 (〃) 仕 入 割 引 5,000 円 ≪重要ポイント!! 割引≫ 割引は,実質「利息」であるため,「売上」・「仕入」の取り消しとして処理しない。 仕入割引・・・収益として計上する。 売上割引・・・費用として計上する。 具体例≪重要ポイント!! 商品売買≫ <返品,値引,割戻,割引の会計処理のまとめ> 取引 会計処理 返品 「売上」勘定,または「仕入」勘定の取り消し 値引 割戻 割引 「売上割引」勘定(費用),または「仕入割引」勘定(収益)の計上 <財務諸表計上額> 売上高:総売上高 - 売上戻り - 売上値引 - 売上割戻 当期商品仕入高:総仕入高(仕入諸掛含む)- 仕入戻し - 仕入値引 - 仕入割戻 次の取引について,必要な仕訳を示しなさい。 (1) 仕入先A商店から商品 5,000 円を「30 日後払い,ただし 10 日以内に支払うときは3%引き」の条件で 仕入れた。 (2) (1)の買掛金 5,000 円について,割引有効期間内に支払いにつき,3%の割引を受けた上で,残額を小切 手を振り出して支払った。 (3) 得意先B社に対して,商品 10,000 円を「40 日後払い,ただし 20 日以内に支払うときは2%引き」の条 件で販売した。 (4) (3)の売掛金 10,000 円について,割引有効期限内に支払いを受け,2%の割引を行い,残額を小切手で 受け取った。 借方科目 金額 貸方科目 金額 (1) (2) (3) (4) 例題1 割引の処理
解答 解説 (単位:円) 借方科目 金額 貸方科目 金額 (1) 仕 入 5,000 買 掛 金 5,000 (2) 買 掛 金 5,000 当 座 預 金 4,850 仕 入 割 引 150 (3) 売 掛 金 10,000 売 上 10,000 (4) 現 金 9,800 売 掛 金 10,000 売 上 割 引 200 1.割引額の計算 ※ 仕入割引:5,000 円×3%=150 円 ※ 売上割引:10,000 円×2%=200 円
1.販売基準
売上の認識基準とは,「売上」勘定(収益)をいつ計上するかというルールである。具体的には,実現主義 を採用している。実現主義は販売基準とも言われ、商品の販売時に収益を認識する方法である。 販売基準には,出荷し ゅ っ か基準き じ ゅ んと 引渡ひきわたし基準き じ ゅ んの2つがある。 (1) 出荷基準 出荷基準とは,商品を出荷した時点で売上を計上する方法である。 例)7月1日に商品 1,000 円を得意先へ出荷し,7月5日に得意先へ商品が到着し,引き渡しが完了した。 7/1 (借) 売 掛 金 1,000 円 (貸) 売 上 1,000 円 7/5 仕訳なし (2) 引渡基準 引渡基準とは,商品を引き渡した時点で売上を計上する方法である。 例)7月1日に商品 1,000 円を得意先へ出荷し,7月5日に得意先へ商品が到着し,引き渡しが完了した。 7/1 仕訳なし 7/5 (借) 売 掛 金 1,000 円 (貸) 売 上 1,000 円第4節
売上の認識基準
検収基準 商品の売上取引は,「出荷」→「引渡し(到着)」→「検収」という過程を経て成立する。そのため,販売基 準には,出荷基準と引渡基準の他に, 検収けんしゅう基準き じ ゅ んもある。検収基準とは,得意先にて,納品された商品の検 収が終了した時点(検収時点)で売上を計上する方法である。
1.商品有高帳とは
商品有高帳とは,商品の種類ごとに商品の受け入れ,払い出しの都度,数量・単価・金額を記入し,払出 金額及び手許有高を記録する補助簿である。2.払出単価の決定方法
商品の仕入単価が異なる場合において,商品有高帳の払出欄に記入する払出単価は,一定の仮定計算に基 づいて決定しなければならない。払出単価の決定方法には,以下のような計算方法がある。 (1) 先入先出法 先入先出法E さきいれさきだしほう A とは,先に仕入れた商品から順次払い出しがおこなわれたと仮定し,払出単価を決定する方 法である。 (2) 移動平均法 A E移動E い ど う AAE 平均法E へいきんほう Aとは,単価の異なる商品を受け入れた都度,平均単価を計算し,平均単価をもって払出単 価とする方法である。 (3) 総平均法 AE 総平均法E そうへいきんほう Aとは,一定期間の平均単価を計算し,平均単価をもって払出単価とする方法である。第5節
商品有高帳
平均単価 = 期首の金額 + 期中の仕入金額 期首の数量 + 期中の仕入数量 参 考以下の取引に基づき,当月の商品有高帳の記入を行い,売上高・売上原価及び売上総利益を示しなさい。 なお,払い出し単価の計算は総平均法により行う。 商品有高帳 日付 摘 要 受 入 払 出 残 高 数 量 単 価 金 額 数 量 単 価 金 額 数 量 単 価 金 額 売上高 66,600円 売上原価 40,000円 売上総利益 26,600円 解答 解説 (単位:円) 商品有高帳 日付 摘 要 受 入 払 出 残 高 数 量 単 価 金 額 数 量 単 価 金 額 数 量 単 価 金 額 4/1 前月繰越 40 100 4,000 40 100 4,000 4/8 仕 入 180 110 19,800 220 4/15 売 上 160 114.8 18,368 60 4/22 仕 入 280 120 33,600 340 4/26 売 上 300 114.8 34,440 40 114.8 4,592 4/30 次月繰越 40 114.8 4,592 500 57,400 500 57,400 例題2 総平均法 4/1 前月繰越あ 40 個あ @100 円 4/8 仕入 あ180 個あ @110 円 4/15 売上 160 個あ @200 円 (売価) 4/22 仕入 280 個あ @120 円 4/26 売上 300 個あ @210 円 (売価) 売上高 95,000 円 売上原価 52,808 円 売上総利益 42,192 円
1.各金額 総平均単価:57,400 円(受入金額合計)÷500 個(受入数量合計)=@114.8 円 売上高:160 個×@200 円+300 個×@210 円=95,000 円 売上原価:18,368 円+34,440 円=52,808 円 または,4,000 円(月初在庫)+53,400 円(当月仕入合計)-4,592 円(月末在庫)=52,808 円 売上総利益:95,000 円-52,808 円=42,192 円 2.記入の順序 総平均法では,商品を受け入れた場合,受入欄の各欄の記入および残高欄の数量欄の記入を行う。しかし, 商品を払い出した場合には,払出欄および残高欄の数量欄の記入は行うが,その単価欄および金額欄の記入 は行わない。 そして,一定期間経過後,一定期間の平均単価を求めてから,これを用いて,過日の払出欄の単価欄およ び金額欄の記入を行う。
1.売上原価の算定
(1) 売上原価の計算 売上原価の算定式は以下のとおりである。 売上原価 = 期首商品棚卸高 + 当期商品仕入高 - 期末帳簿棚卸高(=期末商品棚卸高) ここで,期末き ま つ帳簿ち ょ う ぼたなおろし棚卸高だ かは,商品有高帳の記録に基づいて,「商品有高帳における記録上の在庫数量(= 帳簿 ち ょ う ぼ 棚卸 たなおろし 数量 すうりょう )」に,「商品の取得単価(=取得原価)」を乗じて算定する。 期末帳簿棚卸高 = 帳簿棚卸数量 × @取得原価 (2) 売上原価を集計する勘定 売上原価は決算整理仕訳において算定するが,そのための決算整理仕訳の方法として,①「仕入」勘定(費 用)で集計する場合と②「売上原価」勘定(費用)で集計する場合の2つがある。第6節
売上原価の算定・商品の期末評価
① 仕入勘定で売上原価を集計する場合 <決算整理仕訳> (借) 仕 入 ××× (貸) 繰 越 商 品 ××× (借) 繰 越 商 品 ××× (貸) 仕 入 ××× <仕入勘定の記入> 仕入 当期商品仕入高 期末商品棚卸高 売上原価 期首商品棚卸高 仕入勘定での売上原価の算定 具体例
② 売上原価勘定で売上原価を集計する場合 <決算整理仕訳> (借) 売 上 原 価 ××× (貸) 仕 入 ××× (借) 売 上 原 価 ××× (貸) 繰 越 商 品 ××× (借) 繰 越 商 品 ××× (貸) 売 上 原 価 ××× <仕入勘定及び売上原価勘定の記入> 仕入 売上原価 当期商品仕入高 当期商品仕入高 期末商品棚卸高 売上原価 期首商品棚卸高 売上原価勘定での売上原価の算定 具体例
2.商品の期末評価
(1) 商品の期末評価とは 「商品有高帳における記録上の在庫数量」よりも,「実際に企業が保有している在庫数量」が減少している 場合が多い。また,商品の「取得原価」よりも,「時価」が下落している場合がある。 その場合に,決算整理仕訳において,期末帳簿棚卸高の金額を修正し,貸借対照表に計上する期末商品の 金額を決定することを商品の期末評価という。商品の期末評価は,数量面における評価と価格面における評 価とがある。 (2) 会計処理 ① 数量面における評価(棚卸減耗) 企業は,期末に棚卸しを行う。この実地棚卸による 実地じ っ ちたなおろし棚卸すうりょう数量は,紛失・盗難等を原因として, 帳簿棚卸数量(商品有高帳上の期末在庫数量)より減少している場合が多い。この減少のことを「棚卸たなおろし減耗げ ん も う 」という。 棚卸減耗が生じている場合には,資産が減少していることを意味するため,「繰越商品」勘定(資産)を 減らすとともに,「棚卸たなおろし減耗費げ ん も う ひ」勘定(費用)を計上する。 棚卸減耗費 =(帳簿棚卸数量-実地棚卸数量)× @取得原価 (借) 棚 卸 減 耗 費 ××× (貸) 繰 越 商 品 ××× ※ 「棚卸減耗費」勘定ではなく,「棚卸減耗損」勘定を用いることもある。 ② 価格面における評価(商品評価損) 正味E し ょ う み AA E売却E ばいきゃく AAE 価額E か が く Aとは,売価から見積販売直接経費を控除したものをいい,その商品を売却することでの 現金の増加額を意味する。また,時価と表現されることもある。 正味売却価額 = 売価 - 見積販売直接経費 ※ 見積販売直接経費とは,当該商品を販売する都度かかる費用のことである。 商品は,取得原価をもって貸借対照表価額とする。しかし,期末における正味売却価額が取得原価(帳 簿価額)よりも下落している場合には,当該正味売却価額をもって,貸借対照表価額とする。 取得原価よりも正味売却価額のほうが低い場合には,「繰越商品」勘定(資産)を減らすとともに,商 品の収益性の低下による簿価切下額を,「商品しょうひん評価損ひょうかそん」勘定(費用)を計上する。 取得原価 < 正味売却価額・・評価益を計上せずに,取得原価を貸借対照表価額とする。 取得原価 > 正味売却価額・・評価損を計上し,正味売却価額を貸借対照表価額とする。商品評価損 =(@取得原価-@正味売却価額)× 実地棚卸数量 (借) 商 品 評 価 損 ××× (貸) 繰 越 商 品 ××× ≪重要ポイント!! 商品の期末評価≫ <分析図> <決算整理仕訳及び勘定記入> 商品売買に係る決算整理仕訳は,下記の順序で行う。 ① 売上原価の算定 1.期首在庫に関する処理 2.期末在庫に関する処理 ② 商品の期末評価 1.数量面における評価 2.価格面における評価 <財務諸表計上額> ① 損益計算書 棚卸減耗費:(帳簿棚卸数量-実地棚卸数量)× @取得原価 商品評価損:(@取得原価-@正味売却価額)× 実地棚卸数量 ② 貸借対照表 商品:実地棚卸数量 × @正味売却価額 ※ 取得原価 > 正味売却価額 の場合 ①-2 仕入 (期末帳簿棚卸高) ②-1 棚卸減耗費 繰越商品 前期繰越 ①-1 仕入 ②-2 商品評価損 貸借対照表計上額 商品評価損 棚卸減耗費 貸借対照表計上額 取得原価 正味売却価額 実地棚卸数量 帳簿棚卸数量 帳簿棚卸高
次の資料にもとづいて必要な決算整理仕訳を示し,財務諸表の作成を行いなさい。 1.決算整理前残高試算表の一部 2.決算整理事項の一部 商品の期末棚卸高は次のとおりである。 (1) 帳簿棚卸数量 10,000 個 (2) 原 価 @250 円 実地棚卸数量 9,500 個 正味売却価額 @240 円 借方科目 金額 貸方科目 金額 貸借対照表 損益計算書 商 品 ( ) 売 上 原 価 ( ) 売 上 ( ) 商品評価損 ( ) 棚卸減耗費 ( ) 解答 解説 (単位:円) 借方科目 金額 貸方科目 金額 仕 入 3,000,000 繰 越 商 品 3,000,000 繰 越 商 品 2,500,000 仕 入 2,500,000 棚 卸 減 耗 費 125,000 繰 越 商 品 125,000 商 品 評 価 損 95,000 繰 越 商 品 95,000 貸借対照表 損益計算書 商 品 2,280,000 売 上 原 価 8,500,000 売 上 12,000,000 商品評価損 95,000 棚卸減耗費 125,000 例題3 商品の評価 残 高 試 算 表 平成×1 年3月 31 日 (単位:円) 借 方 勘 定 科 目 貸 方 3,000,000 繰 越 商 品 8,000,000 仕 入 売 上 12,000,000
1.分析図 2.勘定記入 3.解答の金額 商品:9,500 個(実地棚卸数量)×@240 円(正味売却価額)=2,280,000 円 売上原価:3,000,000 円(期首帳簿棚卸高)+8,000,000 円(当期仕入)-2,500,000 円(期末帳簿棚卸高) =8,500,000 円 棚卸減耗費:{10,000 個(帳簿棚卸数量)-9,500 個(実地棚卸数量)}×@250 円(取得原価)=125,000 円 商品評価損:9,500 個(実地棚卸数量)×{@250 円(取得原価)-@240 円(正味売却価額)}=95,000 円 @250 円 @240 円 95,000 円 125,000 円 2,280,000 円 2,500,000 円 9,500 個 10,000 個 商品評価損 棚卸減耗費 貸借対照表計上額 取得原価 正味売却価額 実地棚卸数量 帳簿棚卸数量 帳簿棚卸高
1.売上原価対立法とは
売上原価対立法とは,商品売買の会計処理の 1 つである。具体的には,「商品」勘定(資産),「売上原価」 勘定(費用)及び「売上」勘定(収益)を用いる会計処理方法である。売上原価対立法は,商品を販売する 都度売上原価を算定するため,決算整理仕訳を行わない点が特徴である。2.売上原価対立法の会計処理
(1) 購入時の仕訳 購入した商品の購入原価を「商品」勘定(資産)の借方に記入する。 例)商品 1,100 円を掛で購入した。 (借) 商 品 1,100 円 (貸) 買 掛 金 1,100 円 (2) 販売時の仕訳 販売した商品の販売価格を「売上」勘定(収益)の貸方に記入する。そして,販売した商品の売上原価を「商 品」勘定(資産)の貸方に計上し,「売上原価」勘定(費用)の借方に記入する。 例)上記商品のうち,800 円を 1,200 円で掛により販売した。 (借) 売 掛 金 1,200 円 (貸) 売 上 1,200 円 (借) 売 上 原 価 800 円 (貸) 商 品 800 円 (3) 決算整理仕訳 「商品」勘定の決算整理前残高は期末在庫の金額を意味し,「売上原価」勘定の決算整理前残高は売上原 価の金額を意味するため,決算整理仕訳は必要ない。 <決算整理仕訳> 仕 訳 な し第7節
売上原価対立法
以下の取引について,売上原価対立法を採用した場合の期中仕訳及び財務諸表計上額を示しなさい。 (1) 前期繰越高 27,000 円 (2) 商品を 55,900 円で掛仕入した。 (3) 商品を 91,200 円で掛販売(売上原価 66,380 円)した。 (4) 期末帳簿棚卸高 16,520 円 借方科目 金額 貸方科目 金額 (2) (3) 商品 円 売上高 円 売上原価 円 解答 解説 (単位:円) 借方科目 金額 貸方科目 金額 (2) 商 品 55,900 買 掛 金 55,900 (3) 売 掛 金 91,200 売 上 91,200 売 上 原 価 66,380 商 品 66,380 商品 16,520 円 売上高 91,200 円 売上原価 66,380 円 1.商品の勘定記入 商 品 前 期 繰 越 27,000 売 上 原 価 66,380 買 掛 金 55,900 次 期 繰 越 16,520 82,900 82,900 例題4 売上原価対立法の会計処理
1.サービス業とは
物品を販売する業種を小売業・卸売業というのに対し,物品を販売するのではなくサービスを提供し対価 を得る業種をサービス業という。2.サービス業の会計処理
(1) 代金の前受時 サービス業の多くは代金を前受けするという形態をとっている。サービスを提供する前に代金を受け取っ た場合には「前受金」勘定(負債)として処理する。 例)当社は学習塾を経営している。1年分の受講料 12,000 円を現金で受け取った。 (借) 現 金 12,000 円 (貸) 前 受 金 12,000 円 (2) 役務費用の支払時 商品売買の場合には,商品の仕入原価が売上に対応する費用となる。対して,サービス業の場合には仕入 という概念がないため,人件費やサービスに関連する費用が収益に対応する費用となり,これを役務費用と いう。役務費用を払った場合には,「仕掛品」勘定(資産)として処理する。 例)講師の人件費および教材制作費を合わせて 4,000 円現金で支払った。 (借) 仕 掛 品 4,000 円 (貸) 現 金 4,000 円 (3) 決算時 当期にサービスを提供した分について,「前受金」勘定(負債)から「役務収益」勘定(収益)に振り替える。 また,当該収益に対応する費用は,「仕掛品」勘定(資産)から「役務原価」勘定(費用)に振り替える。 例)決算に際して調べたところ,受講の7割が終了していることが判明した。また,当期に提供したサー ビスに対する費用は 2,800 円である。 (借) 前 受 金 8,400 円 (貸) 役 務 収 益 8,400 円 (借) 役 務 原 価 2,800 円 (貸) 仕 掛 品 2,800 円第8節
サービス業の会計処理
当社は学習塾を経営している。以下の取引について,各仕訳および財務諸表計上額を示しなさい。 (1) 1年分の受講料 300,000 円が普通預金に入金された。 (2) 講師の人件費および教材制作費を合わせて 200,000 円を普通預金から支払った。 (3) 決算に際して調べたところ,受講の4割が終了していることが判明した。また,当期に提供したサー ビスに対する費用は 80,000 円である。 借方科目 金額 貸方科目 金額 (1) (2) (3) <財務諸表計上額> 役務収益 円 役務原価 円 解答 解説 (単位:円) 借方科目 金額 貸方科目 金額 (1) 普 通 預 金 300,000 前 受 金 300,000 (2) 仕 掛 品 200,000 普 通 預 金 200,000 (3) 前 受 金 120,000 役 務 収 益 120,000 役 務 費 用 80,000 仕 掛 品 80,000 <財務諸表計上額> 役務収益 120,000 円 役務原価 80,000 円 1.役務収益の財務諸表計上額 300,000 円(1年分の受講料)×40%=120,000 円 役務費用の処理について 役務収益が発生する時期と役務費用が発生する時期にほとんど差がない場合には「仕掛品」勘定(資 産)を経由せずに,直接「役務原価」勘定(費用)を計上することになる。 <役務原価の支払時> (借) 役 務 原 価 ××× (貸) 現 金 ××× 例題5 サービス業の会計処理 参 考