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超軽微低体温との併用療法

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Academic year: 2021

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(1)● シンポジウム 3 脳梗塞病態と新規治療開発. 超軽微低体温との併用療法 神谷 達司1, 2. 要 旨 近年,脳梗塞急性期の治療方針としては,まず脳血流の改善を目的として rt-PA の静脈内投与による血栓溶 解療法が行われている.一方,脳保護薬としてフリーラジカルスカベンジャーが 2001 年 6 月 1 日より世界初 の脳保護薬としてわが国で認可され,臨床実地の場で使用されている.この脳保護薬による急性期脳梗塞治療 をさらに有益にするためには,さまざまな方法が考えられる.複数の脳保護薬の併用などが考えられるが,相 互作用等懸念される.そこで脳卒中における急性期脳保護として,脳保護薬と低体温療法の併用は,保護作用 が増強されるなど多くの利点があり,近年注目を集めており,臨床応用が期待される.本稿では,ラット局所 脳虚血モデルにおける脳保護療法と超軽微低体温の併用療法の効果と作用機序を概説する.将来,これらの動 物モデルでの実験結果を参考にして,脳保護薬と低体温療法の併用を目指した臨床研究が行われることが望ま れる. (脳循環代謝 26:83~91,2015). キーワード : 低体温,脳保護薬,併用療法,虚血性神経細胞死,動物モデル. 「人工的に低体温の状態に置かれていた」とされてい. はじめに. る.これは脳低体温療法と呼ばれ,低体温療法は,注 目をされてきている.かつてのサッカー日本代表監督. 脳梗塞急性期の治療方針としては,脳血流の改善と. だったイビチャ・オシム氏も,2007 年に脳梗塞で倒れ. 脳保護という二つの柱がある.脳血流の改善を目的と. ながら,この療法で復活を果たしたとされる.このよ. する治療としては,わが国でも 2005 年 10 月 1 日より. うに強力な脳低体温療法を脳保護薬と併用すると脳梗. rt-PA の静脈内投与による血栓溶解療法が行われてい. 塞急性期の病態が劇的に改善する可能性が考えら. る.一方,脳保護に関してはフリーラジカルスカベン. れる.. ジャーが 2001 年 6 月 1 日より世界初の脳保護薬とし. 本稿では,脳梗塞急性期の脳保護療法について低体. てわが国で認可され ,臨床実地の場で使用されてい. 温療法との併用療法について概説する.. 1). る.脳卒中における急性期脳保護とは,脳虚血による. 脳虚血急性期の病態. 神経細胞死をきたす各種の傷害因子またはその傷害過 程を阻止して虚血巣の拡大を防ぐような方策を行い, 脳を傷害から護ることである.一方低体温療法は,. 脳はエネルギーの予備能がほとんどないため,脳虚. 2013 年 12 月にスキー事故で重傷を負い,こん睡状態. 血に陥ると神経細胞へのブドウ糖と酸素の供給が失わ. が続いていた元 F1 ドライバーのミハエル・シュー. れ,その結果急速にエネルギー代謝障害と ATP の枯. マッハ氏が,事故から約半年経った 2014 年 6 月,こ. 渇が起こる.虚血により細胞内のエネルギー源である. ん睡から目覚めたと報じられた.シューマッハ氏は. ATP が枯渇すると,Na+, K+-ATPase の活動が停止し, 細胞内に Na + の蓄積が起こり,Na + の電気化学的勾配. 日本医科大学大学院医学研究科神経内科学分野 神谷医院神経内科 〒 340-0017 埼玉県草加市吉町 3-1-3 TEL: 048-922-2616 FAX: 048-922-2806 E-mail: tkami1tkami2@trad.ocn.ne.jp. 1 2. の低下からグルタミン酸は逆に細胞膜を介して細胞外 に放出されるようになる.この大量に放出されたグル タミン酸は,シナプス後神経細胞のグルタミン酸受容 体と結合し活性化され,電位依存性 Ca2+ チャンネルお ─ 83 ─.

(2) 脳循環代謝 第 26 巻 第 2 号. Fig.1 Cerebral Ischemia Anaerobic glycolysis. ATP Depletion. pH↓. Cell membrane ion pump failure. Glutamate release Metabolic Receptor Stimulation Mitochondria dysfunction Bcl family down-regulation↓ AAV vector-mediated Bcl-2 gene therapy Cytochrome C release. Glutamate Receptor Stimulation. Cell Membrane Depolarization (VSCC) Influx of Ca2+ into cells Nimodipine Calcineurin ↑ FK-506 2+. MK-801 YM-872. Rise in Intracellular Ca (50~100nM → 1mM) Ca2+/Calmodulin dependent proteinkinase↑. NOS↑ NOS Inhibitor. Protease↑ (Calpains). Protein phosphorylation. PLA2↑. DNA damage. Production of free radicals Free radical scavenger (Edaravone) PARP activation. Apoptosis Necrosis. Casepase family activation↑ z-DEVD. Rho kinase↑ Rho kinase Inhibitor (Fasudil). PARP Inhibitor (KCL-440). Cell Death Fig. 1.虚血性神経細胞死のメカニズムと脳保護薬の作用機序. よびアゴニスト作動性 Ca2+ チャンネルを介した Ca2+. 胞内プロセスの一部やそれ以上を選択的にブロックす. の細胞内流入をもたらす.そして Ca の流入による細. ることが可能である4).このように脳保護薬は,isch-. 胞内 Ca2+ 濃度の上昇は,Ca2+ -ATPase(Ca2+ pump)の活. emic penumbra では,血流の改善なしに神経細胞の救. 性化をもたらし,一酸化窒素(NO)やフリーラジカル. 命を増強させうる可能性がある.. を産生し,神経細胞死へ導かれる(Fig. 1).これらの. 今まで動物実験では有効性が示された脳保護薬は数. 虚血細胞障害惹起物質に対して神経細胞を保護し,脳. 多くあるが(Fig.1),臨床治験では有効性が示せなかっ. 虚血巣の拡大を防ぐような働きをする薬剤を脳保護薬. たり,その薬の持つ副作用により臨床の現場で使用で. と呼び,各種の脳保護薬が開発されている(Fig. 1).. きる脳保護薬はなかった.NMDA antagonist5),Ca 拮. 一方,脳梗塞急性期のような局所脳虚血において特. 抗薬6, 7),Na チャネル拮抗薬,GABA 作動薬,オピオ. 徴的なことは,虚血による脳血流の低下が,重度の虚. イド拮抗薬,抗炎症薬(抗 ICAM1 抗体),神経成長因. 血部位(側副血行から最も遠い部位)と中等-軽度の虚. 子(bFGF 受容体作動薬),細胞膜安定化薬等,数多く. 血部位(側副血行から最も近い部位)を生じることであ. の脳保護薬が臨床応用を試みられたが,臨床試験にお. る.前者は ischemic core と呼ばれ,虚血により閉塞し. いてその有効性を示せなかった.その中で,ラジカル. た血管の支配領域の中心部に存在し,後者は ischemic. 除去薬(抗酸化薬)は脳虚血モデルでも脳梗塞体積や脳. penumbra と呼ばれ,虚血中心部の ischemic core を取り. 浮腫8)に有効で,臨床試験でもその有用性が示される. 囲んで障害血管領域の辺縁部を占める2, 3).. 薬剤が数種類認められ,世界初の脳保護薬(フリーラ. 2+. ジカルスカベンジャー)は本邦より 2001 年 6 月 1 日に. 脳保護療法. 誕生した.エダラボン(ラジカット®)は本邦開発で世 界初の脳保護薬であり,脳虚血-再開通時に産生さ. 虚血が中等度や軽度の虚血領域である ischemic pen-. れ,細胞膜障害や脳浮腫を引き起こすフリーラジカル. umbra では,十分な濃度の薬剤が速やかに傷害組織に. を除去して脂質過酸化を抑制する作用により脳神経細. 到達できるので,グルタミン酸受容体拮抗薬(NMDA. 胞の酸化的障害を抑制し脳保護作用を示す1, 8).. antagonist)やフリーラジカルスカベンジャーに代表さ. 脳卒中合同ガイドライン委員会より作成された脳卒. れる脳保護薬の薬剤治療法により,傷害を惹起する細. 中治療ガイドライン 2009 においても「脳保護作用が期. ─ 84 ─.

(3) 超軽微低体温との併用療法. 待されるエダラボンは脳梗塞(血栓症,塞栓症)患者の. eNOS を上昇させ,脳血流を増加させることや,血管. 治療法として推奨される」としてグレード B と記載さ. 平滑筋の収縮を抑え,微小循環の改善作用などの血流. れている .また,2007 年の 6 月 1 日付で米国の脳梗. の面での保護作用や好中球の遊走を抑制による抗炎症. 塞急性期における治療ガイドライン(Guidelines for the. 作用が考えられている17, 18).免疫抑制薬(FK506)は,. Early Management of Adults With Ischemic Stroke)の中の. タクロリムス(プログラフ®)として,臨床において心. XIV. Neuroprotective Agent (1685–1687)の項で「A small. 臓移植・肝臓移植など臓器移植の分野やアトピー性皮. clinical trial found that edaravone might improve out-. 膚炎等,さらには神経内科領域では重症筋無力症に対. 9). comes.」とエダラボンが初めて推奨されていて ,また. して現在使用されている免疫抑制薬であり,脳虚血モ. 海外のレビューでもエダラボンの有用性が報告されて. デルにおいてカルシニューリンを抑制することによ. いる .. り,脳梗塞縮小,脳浮腫縮小,神経徴候改善などの強. 10). 11). い脳保護作用を示している19, 20).. 脳低体温療法. 実験のプロトコールを示した(Fig. 2A, B).雄性 SD ラット(250~350 g)を用いて左中大脳動脈を塞栓子に. Miami の Ginsberg グループによる Busto らが,34° C. より 120 分閉塞後再灌流させる.薬剤は脳保護薬とし. の低体温療法が細胞外の興奮性アミノ酸の上昇をほぼ. て rho-kinase (エリル)の実験では,3, 10 mg/kg もしく. 完全に抑えることを報告した論文 が 1989 年 Stroke. は Vehicle を 虚 血 開 始 直 後 か ら 60 分 持 続 投 与 し. 誌に発表されると,脳梗塞に対する低体温療法の臨床. (n=6),エダラボンや FK506 の実験では,エダラボン. 応用が期待されるようになった.低体温療法は,幅広. 3 mg/kg,FK506 0.3 mg/kg もしくは Vehicle は.120 分. 12). ,期待. 閉塞後再灌流時に静脈内投与した.その後 24 時間再. は膨らんだが,心停止後の全脳虚血や蘇生時仮死に対. 灌流させ,神経徴候を判定した後,H-E 染色にて脳梗. する複数のランダムか比較試験を経てその有効性を確. 塞体積や脳浮腫体積を皮質,線条体に分け測定し,一. 認されているが,脳梗塞等の局所脳虚血ではその有効. 方では,免疫組織学的検討を行い,Tunnel 陽性細胞と. 性は十分確認されていない.その理由としては,何よ. Bcl-2 と Bax の発現を比較検討した.低体温療法の併. り 34° C 以下とする低体温療法は鎮静,気管内挿管の. 用実験は,虚血中 35° C を維持する低体温群と虚血中. 必要があり,人工呼吸器装着等の管理が必要になり,. 37° C を維持する常温群に分けて検討した.低体温療. 一般の脳梗塞患者では,覚醒してそこまで十分な管理. 法の導入は,標的温度へ達する時間が遅いほど,治療. が行われていないことが大きな障害となっている.そ. 効果の発現が遅れてしまう恐れがあるため,冷却ブラ. こで鎮静,気管内挿管,人工呼吸器装着等の煩わしい. ンケットを用い 30 分で 35° C に cooling し,復温は,. く細胞障害のメカニズムを抑制できるため. 13, 14). 管 理 が 必 要 に な い 35° C の 超 軽 微 低 体 温(extra-mild. 急速に行うと頭蓋内圧が一気に上昇するリバウンド現. hypothermia)を選択した.実際,局所脳虚血の動物実. 象や体に負担がかかるため,60 分かけてゆっくり 35. 験モデルのメタ解析論文でも体温低下と脳梗塞体積減. ° C から 37° C に rewarming した(Fig. 2C).また脳血流. 少には正の相関 (p<0.001)が見られるものの,35° Cの. の変化はその後の脳梗塞体積や神経兆候に重大な影響. 軽微低体温でも脳梗塞体積の減少を有意で認めるとそ. を与えるため Laser-Doppler Flowmetry で測定し,両群. の有効性が報告されている .. 間に差がないことを確認した(Fig. 2D).. 15). 結果はいずれの脳保護薬と超軽微低体温の併用は,. 脳保護薬と超軽微低体温との併用療法. 脳梗塞体積や脳浮腫体積を減少させ,神経兆候を改善 した(Fig. 3B~D).また免疫組織学的検討では,Tun-. 今回,脳保護薬として,フリーラジカルスカベン. nel 陽性細胞と Bax の発現を減少させ,Bcl-2 を up-reg-. ジャーであるエダラボン,Rho-キナーゼ抑制薬である. ulate していた(Fig. 4, 5, 6).とくに FK506 の実験では. エ リ ル(AT-877), 免 疫 抑 制 薬 で あ る タ ク ロ リ ム ス. 以前の therapeutic time window の実験19)で有効性を認. (FK506)と実臨床の現場で使われ,その有効性を示し. めなかった虚血 120 分後(Fig. 3A)に,投与量として単. ている薬を選択し,鎮静,気管内挿管,人工呼吸器装. 独で効果がなかった 0.3 mg20)を選択し,低体温効果が. 着等の煩わしい管理が必要でない 35° C の超軽微低体. なければ有効性が示せない厳しい実験状況を選択した. 温(extra-mild hypothermia)を選択した.エダラボンは. にもかかわらず,FK506 と超軽微低体温の併用は,. 前述したとおり,フリーラジカルを除去して脂質過酸. FK506 単独や 35° C の超軽微低体温単独では有効性を. 化を抑制する作用により脳神経細胞の酸化的障害を抑. 示さなかったが,併用では有効性を示していた (Fig.. 制 し 脳 保 護 作 用 を 示 す8, 16).Rho-kinase (エ リ ル)は. 3B~D).また,虚血後の Neuro-Vascular Unit の崩壊. ─ 85 ─.

(4) 脳循環代謝 第 26 巻 第 2 号. A. C. Materials and Methods㻌. 㻭㼚㼕㼙㼍㼘㼟㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌:㻌㻹㼍㼘㼑㻌㻿㼜㼞㼍㼓㼡㼑㻙㻰㼍㼣㼘㼥㻌㻔㻿㻰㻕㻌㻾㼍㼠(㻞㻡㻜㻙㻟㻜㻜㼓)㻌(㻌㼚㻩㻢㻘㻌㼑㼍㼏㼔㻌)㻌 㻭㼚㼑㼠㼔㼟㼑㼟㼕㼍㻌:㻌㻝%㻌㼔㼍㼘㼛㼠㼔㼍㼚㼑(㻟㻜%㻻㻞㻛㻣㻜㻑㻺㻞㻻)㻌 㻵㼟㼏㼔㼑㼙㼕㼍㻌 㻌㻌:㻌㻝㻞㻜㻌㼙㼕㼚㼟㻌㼙㼕㼐㼐㼘㼑㻌㼏㼑㼞㼑㼎㼞㼍㼘㻌㼍㼞㼠㼑㼞㼥㻌㼛㼏㼏㼘㼡㼟㼕㼛㼚㻌㻗㻌㻞㻠㻌㼔㼞㼟㻌㼞㼑㼏㼕㼞㼏㼡㼘㼍㼠㼕㼛㼚㻌 ACA 㻌㻌㻌㻌㻌㼎㼥㻌㼡㼟㼕㼚㼓㻌㼍㼚㻌㼕㼚㼠㼞㼍㼘㼡㼙㼕㼚㼍㼘㻌㼟㼡㼠㼡㼞㼑㻌㼠㼑㼏㼔㼚㼕㼝㼡㼑㻌㻌 㻰㼞㼡㼓㼟㻌 㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌:㻌㻺㼑㼡㼞㼛㼜㼞㼛㼠㼑㼏㼠㼕㼢㼑㻌㻌㼐㼞㼡㼓㼟㻌㼠㼞㼑㼍㼠㼑㼐㻌㻌㻦㻌㻺㼑㼡㼞㼛㼜㼞㼛㼠㼑㼏㼠㼕㼢㼑㻌 㻌 㻵㻚㻌㼂㻚㻌 MCA 㻌㻌㻌㻌㻌V㼑㼔㼕㼏㼘㼑㻌㼠㼞㼑㼍㼠㼑㼐㻌㻦㻌㼂㼑㼔㼕㼏㼘㼑㻘㻌㼟㼍㼙㼑㻌㼢㼛㼘㼡㼙㼑㻘㻌㻵㻚㼂㻚㻌㻌 PCA 㼀㼑㼙㼜㼑㼞㼍㼠㼡㼞㼑㻌 :㻌㻌㻺㼛㼞㼙㼛㼠㼔㼑㼞㼙㼕㼏㻌37℃ 㼂㻿㻌㻌㻌㻴㼥㼜㼛㼠㼔㼑㼞㼙㼕㼏㻌35℃㻌㻌 㼀㼞㼑㼍㼠㼑㼐㻌㻳㼞㼛㼡㼜㼟:㻌㻌㻌(I) Vehicle. + 37℃. ICA. ⇨ Vehicle group 㻌. thread. 㻌㻌㻔㻵㻵㻕㻌㼂㼑㼔㼕㼏㼘㼑㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻗㻌35℃㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌⇨㻌㻴㼥㼜㼛㼠㼔㼑㼞㼙㼕㼍㻌㼓㼞㼛㼡㼜㻌㻌 㻌VA 㻌㻌㻔㻵㻵㻵㻕㻌㻺㼑㼡㼞㼛㼜㼞㼛㼠㼑㼏㼠㼕㼢㼑㻌㼐㼞㼡㼓㼟㻌㻗㻌37℃ ⇨ 㻺㼑㼡㼞㼛㼜㼞㼛㼠㼑㼏㼠㼕㼢㼑㻌㼓㼞㼛㼡㼜㻌. 㻟㻥. Temperature (°C). BA. Post Ischemic Temperature-FK506-. 38 37. -2. -1. 0. D. Time (min). Edaravone (3mg/kg) FK506 (0.3 mg/kg). 37℃. Hypothermia : 35℃ Ischemia 120 min. Preparation. 0. - 30. Cerebral Blood Flow (%baseline). 37℃. Reperfusion 360 min. 120. 180. Laser-Doppler Flowmetry / MBP-Monitoring. 1. 2. 3. 4. 24. 5. Time of reperfusion (hours). Study Flow Diagram㻌 Fasudil (3 or 10 mg/kg). n=5. 35. 㻌㻌㻔㻵㼂㻕㻌㻺㼑㼡㼞㼛㼜㼞㼛㼠㼑㼏㼠㼕㼢㼑㻌㼐㼞㼡㼓㼟㻌㻗㻌35℃ ⇨ 㻯㼛㼙㼎㼕㼚㼑㼐㻌㼓㼞㼛㼡㼜㻌㻌. B. n=5. 36. 34. CCA. V+37℃ FK+35℃. 24 hrs. 480. Cerebral Blood Flow-FK506▲. 160 ▲. 120. V+37℃. n=5. FK+35℃. n=6. ▲ ▲. ▲. ▲. ▲. ▲ ▲. 80 40 ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲. 0. pe r 0. 40. 80. 120 160. 200 240. Time (min). Infarct Volume Edema Volume. Department of Neurology, Okayama University Graduate School of Medicine. Fig. 2.脳保護薬と超軽微低体温の併用療法の実験プロトコール A, B:実験プロトコール.雄性 SD ラットを用いて左中大脳動脈を塞栓子により 120 分閉塞後再灌流させた.薬剤は脳保護 薬として rho-kinase(エリル)の実験では,3, 10 mg/kg もしくは Vehicle を虚血開始直後から 60 分持続投与し(n=6),エダラ ボンや FK506 の実験では,エダラボン 3 mg/kg,FK506 0.3 mg/kg もしくは Vehicle は 120 分閉塞後再灌流時に静脈内投与 した.その後 24 時間再灌流させ,神経徴候を判定した後,脳梗塞体積や脳浮腫体積を皮質,線条体に分け測定し,免疫組 織学的検討を行った. C:虚血後の復温.60 分かけてゆっくり 35° C から 37° C に rewarming した. D:虚血後の脳血流.Laser-Doppler Flowmetry で測定し,両群間に差を認めなかった.. に重要な役割をもつ,MMP-9 の検討では,FK506 と. ず 2010 年中止が決定した.Rho-キナーゼ抑制薬(AT-. 超軽微低体温の併用は,MMP-9 活性を抑制し血液脳. 877)17, 18)も塩酸ファスジル(エリル®)として,現在臨. 関門の障害を抑制していた.. 床の現場でもくも膜下出血後の血管攣縮の予防の適応 を持ち,くも膜下出血治療薬として最も使用されてい. 脳保護薬の現状. るが,1997 年塩酸ファスジルの Rho-キナーゼの抑制 作用が発見され,日本の臨床試験において一度は急性. その後,新しい脳保護薬として期待された免疫抑制. 期脳梗塞での有用性が示されたが,厚生労働省より症. 19, 20) 薬(FK506) ,アストロサイト活性化抑制薬(ONO-. 例を増やして再試験をするよう言われ,脳梗塞急性期. 2506) ,Rho-キナーゼ抑制薬(AT-877). ,が次々. の新規脳保護薬として臨床試験第 2 相・第 3 相が開始. と臨床試験を行った.免疫抑制薬(FK506)は,米国で. さ れ た が,2010 年 末 有 効 性 が 示 せ ず 開 発 は 中 止 と. は臨床試験が開始されたが,現在はその副作用 (腎毒. なった.. 21). 17, 18). 性)で中止となっている.また,アストロサイト機能. 今後期待される脳保護薬の治療法. 改善薬(ONO-2506)は,S-100β を抑制することにより アストロサイトの異常活性化を抑え,脳梗塞発症後の 梗塞領域(ischemic penumbra)の拡大を防ぐとされ,動. 臨床応用が期待された各種の脳保護薬(NMDA 受容. 物実験では強力な脳保護効果を認めており21),日本で. 体拮抗薬,AMPA 受容体拮抗薬やカルシウム拮抗薬). 臨床試験第 2 相・第 3 相が開始されたが有効性を認め. 等が臨床試験に失敗し,免疫抑制薬(FK506,タクロ. ─ 86 ─.

(5) 超軽微低体温との併用療法. A. Edema Volume-FK506- Cortex - Striatum -. C. 150. *. *. NS. * :p<0.05 Edema Volume ( mm3 ). Infarct Volume (mm3). 200. 100 50 0. Vehicle. FK506. FK506. (30min). FK506. (60min). (120min). NS. P<0.001. NS. Edema Volume ( mm3 ). Effect of FK506 on Infarct Volume in Cortex. 75. *. 50. 25. 0. Vehicle. FK506. 75. 50. *. 25. 0. Hypothermia FK506+ Hypothermia (35℃). Vehicle. FK506. (35℃). B. Hypothermia FK506+ Hypothermia (35℃) (35℃). D. Infarct Volume-FK506-. NS. P<0.0001. 200. NS. NS. H3CO. CH3 H3C. 150. 100. N. *. 50. Vehicle. FK506. Hypothermia FK506+ Hypothermia (35℃) (35℃). OH. O O OH O. O H3C. *. 100. O O. P<0.01. 200. 150. 0. Infarct Volume ( mm3 ). NS. HO. - Striatum -. - Cortex Infarct Volume ( mm3 ). P<0.001. NS. CH3 CH3. . H2O. 50 0. H3CO Vehicle. FK506. OCH3. Hypothermia FK506+ Hypothermia (35℃) (35℃). Fig. 3.FK506 の therapeutic time window,脳梗塞体積,脳浮腫体積 A:以前の therapeutic time window の実験19)で 3 mg の投与では虚血 120 分後投与で有効性を認めなかった (文献 19 を改変) . B:24 時間後の脳梗塞体積.投与量として単独で効果がなかった 0.3 mg20)を選択し,低体温効果がなければ有効性が示せ ない厳しい実験状況を選択したにもかかわらず,FK506 と超軽微低体温の併用は,FK506 単独や 35° C の超軽微低体温単独 では有効性を示さなかったが,併用では有意な脳梗塞体積の縮小を認めた. C:24 時間後の脳浮腫体積.併用では有意な脳浮腫体積の縮小を認めた. D:典型的なラット脳標本:併用では脳梗塞の縮小と脳浮腫の縮小を認めている.. リムス),アストロサイト活性化抑制薬(ONO-2506)や. おわりに. Rho キナーゼ抑制薬(AT-877,塩酸ファスジル)もすべ て失敗に終わっており,現在ではフリーラジカルスカ ベンジャーのエダラボンしか脳保護薬が残っていない. 35° C の長軽微低体温を併用することによる脳保護. 現状であるが,この軽微低体温療法を併用することで. 療 法 の 可 能 性 に つ い て 概 説 し た. 脳 卒 中 を“Brain. 脳保護薬の有効性が示せる可能性はあり,臨床試験が. Attack”と捉え,ischemic penumbra が大きい状態で,早. 再び行われることを願っている.. 期に,的確に診断し,therapeutic window の時間内に脳. これらの脳保護薬が臨床応用されるようになると今. 保護療法や軽微低体温や血栓溶解療法や血管内治療法. 後脳保護薬を選択することができ,治療法の選択肢が. 等有効な治療を行うことが大切で,単独の治療法の限. 拡大する.また,いままでは神経細胞死のメカニズム. 界を理解し,複数の治療法をうまく併用してその有効. によるアポトーシス等の死のシグナル(cell death path-. 性を高める検討が重要である.そのためにも早期に集. way)を防ぐことに脳保護薬はターゲットが当てられて. 中して診断・治療が十分できるよう Stroke Care Unit. きたが(Fig. 1),現在神経細胞を生存させるシグナル. (SCU)のさらなる設立が望まれる.さらには,将来脳. (cell survival signaling pathway)を活性化させることに. 梗塞を発症した時,救急車の中で先に脳保護薬を投与. より神経細胞を保護する基礎研究も盛んに行われてき. され therapeutic window を延長し,その間に SCU に搬. ており,今後は神経細胞を生存させるシグナルを活性化. 入し超軽微低体温療法や rt-PA 等の血栓溶解療法を行. する神経再生を促す新規脳保護薬の誕生が待たれる .. う時代が来ることを筆者は切に希望している.. 22). ─ 87 ─.

(6) 脳循環代謝 第 26 巻 第 2 号. A *(p<0.01). * 400. *(p<0.01). *. 300. 200. 40. 100. 20. 0. FK506. 0 vehicle. hemisphere. FK506. vehicle. peri-infarct area (/mm3). SS DNA expression. B 㼟㼟㻰㻺㻭㻌. 㻮㼏㼘㻙㻞㻌. 㼟㼟㻰㻺㻭㻛㻮㼏㼘㻙㻞㻌. 㻰㻭㻼㻵㻌. 㼟㼟㻰㻺㻭㻛㻰㻭㻼㻵㻌. Department of Neurology, Okayama University Graduate School of Medicine. C 㼟㼟㻰㻺㻭㻌. 㻮㼍㼤㻌. 㼟㼟㻰㻺㻭㻛㻮㼍㼤㻌. 㻰㻭㻼㻵㻌. 㼟㼟㻰㻺㻭㻛㻰㻭㻼㻵㻌. Department of Neurology, Okayama University Graduate School of Medicine. Fig. 4.FK506 の免疫組織学的検討 A 左:SSB 細胞数を梗塞側皮質内でカウントし,3 切片について行い平均値を産出,比較検討した.結果,FK506 群では 135.8±45.7,vehicle 群では 345.3±43.7 であり,FK506 群で有意に少ない傾向が認められた. A 右:境界領域に設定した 1 mm 四方の ROI 内の SSB 細胞数をカウントし,3 切片について行い平均値を産出,比較検討 した.結果,FK506 群では 16.3±2.6,vehicle 群では 36.4±3.4 であり,FK506 群で有意に少ない傾向が認められた. B:抗 ssDNA 抗体と抗 Bcl-2 抗体を用い,二重染色を行った.境界領域では SSB 陽性細胞は Bcl-2 発現が小さい細胞に発 現している傾向があった.逆に Bcl-2 発現が大きい細胞では ssDNA の発現は認められなかった. C:抗 ssDNA 抗体と抗 Bax 抗体を用い,二重染色を行った.境界領域では SSB 陽性細胞は Bax 発現が大きい細胞に発現し ている傾向があった.すなわち,Bcl-2 発現が少なく Bax 発現が多い細胞が ssDNA 陽性である傾向があり,Bcl-2/Bax の発 現比によって ssDNA 発現が規定されている可能性が示唆された. ─ 88 ─.

(7) 超軽微低体温との併用療法. C. Infarct Volume-Fasudil- Cortex - Striatum -. - Bax-. - Bcl-2 -. ★. P<0.001. 300 P<0.05. *. 100. 0. 37℃ Fasudil. 35℃ Vehicle. 37℃ Vehicle. B. N.S.. 150. ***. 50. P<0.01 P<0.01. 200. ***. 150. Bcl-2 positive cells/ 0.13 mm2. 200. 3. 250. Infarct Volume ( mm3 ). Infarct Volume ( mm3 ). 250. 100. **. **. 37℃ Fasudil. 35℃ Fasudil. 50 0. 35℃ Fasudil. 35℃ Vehcle. 37℃ Vehicle. *. 3. *. Bax positive cells/ 0.13 mm2. N.S.. P<0.001. P<0.001. P<0.001. 300. - TUNEL-. P<0.001. ★. 60. TUNEl positive cells/ 0.13 mm2. A. ( 1.9±0.7 ). 2. 1. 0. *. ( 1.9±0.7 ). 2. ★ 1. 0. 40. ★ 20. 0. Rho- Vehicle Mann-Whitney kinase. ( 63.61±12.01 ) Rho- Vehicle Mann-Whitney kinase. ( 63.61±12.01 ) Rho- Vehicle Fisher,Scheffe,Dunnett kinase. Edema Volume-Fasudil-. 150 125. N.S.. - Striatum Edema Volume ( mm3 ). Edema Volume ( mm3 ). - Cortex 150. P<0.05 P<0.05. 125. 100. N.S.. N.S.. N.S.. 100. 75. *. 50. *. 25. 75. 50 25. 0. 0 35℃ Vehcle. 37℃ Vehicle. 37℃ Fasudil. 35℃ Vehcle. 37℃ Vehicle. 35℃ Fasudil. 37℃ Fasudil. 35℃ Fasudil. Department of Neurology, Okayama University Graduate School of Medicine. Fig. 5.塩酸ファスジルの脳梗塞体積,脳浮腫体積,疫組織学的検討 A:24 時間後の脳梗塞体積.塩酸ファスジルは単独でも有効性を示したが,超軽微低体温の併用では,皮質においてさら に有意な脳梗塞体積の縮小を認めた(p<0.05). B:24 時間後の脳浮腫体積.塩酸ファスジルは単独でも超軽微低体温の併用でも皮質の有意な脳浮腫体積の縮小を認めた. C:24 時間後の免疫組織学的検討.Tunnel 陽性細胞と Bax の発現を減少させ (down-regulate) ,Bcl-2 を up-regulate していた.. B. Effects of Edaravone on Infarct Volume, Edema Volume, and Neurological Symptons. A. HE Staining. Neurological Symptoms. Score. hemiparesis *. 3 2 1 0. vehicle edaravone. Infarct Volume 400. *. 300 200 100 0. total. 200. *. 100. cortex. vehicle edaravone. Edema Volume. control edaravone-treated. * striatum. 0. control edaravone-treated. * * total. cortex. *. TUNEL positive apoptotic 8 neurons (/field). abnormal posture. *. Bax immunosta ining 4 score. *. Bcl-2 immunostaini ng score 4. 6. 3. 3. 4. 2. 2. 2. 1. 1. * 0. striatum. V. E. TUNEL. 0. V. Bax. E. 0. V. Bcl2. E. Amemiya S, Kamiya T et al., Eur J Pharmacol, 2005. Fig. 6.エダラボンの脳梗塞体積,脳浮腫体積,疫組織学的検討 A:24 時間後の脳梗塞体積,脳浮腫体積,神経兆候.エダラボンの投与は脳梗塞体積,脳浮腫体積を有意に縮小させ,神 経兆候も有意に改善する. B:24 時間後の免疫組織学的検討.Tunnel 陽性細胞と Bax の発現を減少させ(down-regulate),Bcl-2 を up-regulate していた (文献 16 を改変).. ─ 89 ─.

(8) 脳循環代謝 第 26 巻 第 2 号. 11) Lapchak PA: A critical assessment of edaravone acute. 文 献. ischemic stroke efficacy trials: is edaravone an effective. 1) Edaravone Acute Infarction Study Group: Effect of a. neuroprotective therapy? Expert Opin Pharmacother 11:. novel free radical scavenger, edaravone (MCI-186), on. 1753–1763, 2010. acute brain infarction. Randomized, placebo-controlled,. 12) Busto R, Globus MY, Dietrich WD, Martinez E, Valdés I,. double-blind study at multicenters. Cerebrovasc Dis 15:. Ginsberg MD: Effect of mild hypothermia on ischemia-. 222–229, 2003. induced release of neurotransmitters and free fatty acids in. 2) Pulsinelli W: Pathophysiology of acute ischaemic stroke. Lancet 339: 533–536, 1992. rat brain. Stroke 20: 904–910, 1989 13) Olsen TS, Weber UJ, Kammersgaard LP: Therapeutic. 3) Pulsinelli WA, Jacewicz M, Levy DE, Petito CK, Plum F:. hypothermia for acute stroke. Lancet Neurol 2: 410–416,. Ischemic brain injury and the therapeutic window. Ann N Y Acad Sci 835: 187–193, 1997. 2003 14) Yenari MA, Han HS: Neuroprotective mechanisms of. 4) Kamiya T, Jacewicz M, Nowak TS, Pulsinelli WA: Cere-. hypothermia in brain ischaemia. Nat Rev Neurosci 13:. bral blood flow thresholds for mRNA synthesis after focal ischemia and the effect of MK-801. Stroke 36: 2463–. 267–278, 2012 15) van der Worp HB, Sena ES, Donnan GA, Howells DW,. 2467, 2005. Macleod MR: Hypothermia in animal models of acute. 5) Davis SM, Lees KR, Albers GW, Diener HC, Markabi S,. ischaemic stroke: a systematic review and meta-analysis.. Karlsson G, Norris J: Selfotel in acute ischemic stroke : possible neurotoxic effects of an NMDA antagonist.. Brain 130: 3063–3074, 2007 16) Amemiya S, Kamiya T, Nito C, Inaba T, Kato K, Ueda M,. Stroke 31: 347–354, 2000. Shimazaki K, Katayama Y: Anti-apoptotic and neuropro-. 6) Gelmers HJ, Hennerici M. Effects of nimodipine on acute. tective effects of edaravone following transient focal isch-. ischemic stroke. Pooled results from five randomized trials. Stroke 21 (12 Suppl): IV81–84, 1990. emia in rats. Eur J Pharmacol 516: 125–130, 2005 17) Moskowitz MA: The 2006 Thomas Willis lecture: the. 7) Horn J, Limburg M: Calcium antagonists for ischemic. adventures of a translational researcher in stroke and. stroke: a systematic review. Stroke 32: 570–576, 2001. migraine. Stroke 38: 1645–1651, 2007. 8) Abe K, Yuki S, Kogure K: Strong attenuation of ischemic. 18) Toshima Y, Satoh S, Ikegaki I, Asano T: A new model of. and postischemic brain edema in rats by a novel free radi-. cerebral microthrombosis in rats and the neuroprotective. cal scavenger. Stroke 19: 480–485, 1988. effect of a Rho-kinase inhibitor. Stroke 31: 2245–2250,. 9) 篠原幸人,小川 彰,鈴木則宏他編集.脳卒中合同 ガイドライン委員会:脳梗塞急性期.1–5.脳保護. 2000 19) Arii T, Kamiya T, Arii K, Ueda M, Nito C, Katsura KI,. 薬.脳卒中治療ガイドライン 2009 pp57–59, 2009. Katayama Y: Neuroprotective effect of immunosuppres-. 10) Adams HP, del Zoppo G, Alberts MJ, Bhatt DL, Brass L,. sant FK506 in transient focal ischemia in rat: therapeutic. Furlan A, Grubb RL, Higashida RT, Jauch EC, Kidwell C,. time window for FK506 in transient focal ischemia. Neu-. Lyden PD, Morgenstern LB, Qureshi AI, Rosenwasser. rol Res 23: 755–760, 2001. RH, Scott PA, Wijdicks EF; American Heart Association;. 20) Nito C, Kamiya T, Ueda M, Arii T, Katayama Y: Mild. American Stroke Association Stroke Council; Clinical. hypothermia enhances the neuroprotective effects of. Cardiology Council; Cardiovascular Radiology and Inter-. FK506 and expands its therapeutic window following. vention Council; Atherosclerotic Peripheral Vascular Dis-. transient focal ischemia in rats. Brain Res 1008: 179–185,. ease and Quality of Care Outcomes in Research Interdisci-. 2004. plinary Working Groups: Guidelines for the early manage-. 21) Tateishi N, Mori T, Kagamiishi Y, Satoh S, Katsube N,. ment of adults with ischemic stroke: a guideline from the. Morikawa E, Morimoto T, Matsui T, AsanoT: Astrocytic. American Heart Association/American Stroke Association. activation and delayed infarct expansion after permanent. Stroke Council, Clinical Cardiology Council, Cardiovas-. focal ischemia in rats. Part II: Suppression of astrocytic. cular Radiology and Intervention Council, and the Athero-. activation by a novel agent (R)-(-)-2-propyloctanoic asid. sclerotic Peripheral Vascular Disease and Quality of Care. (ONO-2506) leads to mitigation of delayed infarct expan-. Outcomes in Research Interdisciplinary Working Groups:. sion and early improvement of neurologic deficits. J Cereb. the American Academy of Neurology affirms the value of this guideline as an educational tool for neurologists.. Blood Flow Metab 22: 723–734, 2002 22) Chan PH. Future targets and cascades for neuroprotective. Stroke 38: 1655–1711, 2007. strategies. Stroke 35 (11 Suppl 1): 2748–2750, 2004. ─ 90 ─.

(9) 超軽微低体温との併用療法. Abstract Combination therapy with extra-mild hypothermia Tatsushi Kamiya1, 2 1Department of Neurological Science, Graduate School of Medicine, Nippon Medical School, Tokyo, Japan 2Department of Neurology, Kamiya Clinic, Saitama, Japan Many experimental data from animal stroke have showed strong neuroprotective effects, nevertheless clinical trials of neuroprotective agents was failed to clinical useful therapeutic strategy. A free radical scavenger, edaravone is the first clinical drug for neuroprotection in the world which has been used in almost many ischemic stroke patients in Japan from 2001. Although it is especially useful in neuroprotective therapy with edaravone, we still need the newly more effective neuroprotective drugs which can be applied to many ischemic stroke patients. Although immunosuppressant, FK506, suppressant of astrocyte activation, ONO-2506, and rho-kinase Inhibitor, fasudil has strong neuroprotective agents for stroke, the results of the clinical trial with FK506, ONO-2506, or fasudil has been announced for failure. Now, we review and describe the future neuroprotective strategies in the combination therapy with extra-mild hypothermia. Key words: hypothermia, neuroprotective agents, combination therapy, ischemic cell death, animal model. ─ 91 ─.

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