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高速液体クロマトグラフィー(HPLC)

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Academic year: 2021

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(1)

高速液体クロマトグラフィー(HPLC)

の基礎と操作法

分子機能解析化学研究室

M2 池田

(2)

互いに混じり合わない二つの相、

固定相

とそれと接し

ながら流動する

移動相

とで構成された系の中で、物質

を分離する方法のこと。

移動相

に液体を用いた方法が

液体クロマトグラフィー

(liquid chromatography LC)である。

クロマトグラフィーとは?

(3)
(4)

HPLCで測定できること

UV-Visスペクトル図 数種類の物質 λmaxが近接 波長 (nm) 吸光度 UV-Vis スペクトルから 物質の濃度を定量 各物質のピークが重なり、 定量できない。分離が必要!

(5)

相互作用 小 中 大

高速液体クロマトグラフィー (HPLC) クロマトグラフィーでは、各物質の 固定相や移動相への親和性の違い

(6)

装置の構成

溶離液槽 溶媒フィルター ポンプ 圧力計 マニュアル インジェクタ UV検出器 廃液槽 クロマトグラフ 固定相 カラム

(7)
(8)

HPLCによる分離は

固定相-試料成分

の吸着だけでなく、

固定相-移動相溶媒

の吸着も競合する

固定相-移動相溶媒の

極性

に大きな差が生じないと試料

成分の分離が不完全になる

固定相の極性>移動相の極性

固定相の極性<移動相の極性

移動相と固定相の選択

順相クロマトグラフィー 逆相クロマトグラフィー

(9)

疎水性相互作用について

O H H O H H O H H O H H O H H O H H O H H 油 油 O H H O H H O H H O H H O H H O H H O H H 親水系での疎水性物質同士の集合効果 =疎水性相互作用 親水性溶媒の組成が下がると、疎水性相互作用はおこりづらい 親水性溶媒の組成が下がると、疎水性相互作用はおこりづらい 油 油

(10)

分離の原理

親水性溶媒+有機溶媒 固定相-試料の相互作用の程度を調整 親水性溶媒+有機溶媒 固定相-試料の相互作用の程度を調整 油:固定相、分離したい試料A、B

ODS

固定相 移動相:水+アルコール A B カラム内の図 固定相と試料との相互作用が弱 いものから溶出する B B B A A A A B

(11)
(12)

HPLC操作手順

溶媒選択、脱気 カラム平衡化 試料inject 分析 カラム洗浄、保存

(13)

溶媒選択

移動相

水と有機溶媒を混合させて用いる メタノール アセトニトリル PRTR指定

特性

・試料を適度に溶解させ、化学変化させないこと ・カラムに負担をかけないこと ・試料の吸収帯において、溶媒自身の吸収が見られないこと メタノール、アセトニトリルの吸収特性

(14)

脱気操作

・移動相の流量が変動による 保持時間の変化 ・気泡の光吸収によるクロマト グラ ム上のノイズ

脱気・・・気泡の除去

異なる溶媒を混合することで、気泡が発生!! 水、メタノール混合液

発熱

溶存空気が気泡として発生 水、アセトニトリル混合液

吸熱

室温で暖められて気泡が発生

(15)

カラムの平衡化

ODS ODS ODS ODS 溶媒の比率やカラムの長さによって 平衡化に要する時間は異なる 水分子 固定相と親水性溶媒はなじみずらい 試料の分離能が良くない 数十分間、移動相を流すことで馴染ませる

カラムの平衡化

(16)
(17)

クロマトグラム

1~7の成分は同じ濃度 同じ濃度でも試料によって ピーク面積が異なる クロマトグラムの例:カテキン類 1.EGC 2.C 3.Caffeine 4.EGCg 5.EC 6.ECg 7.Cg

カラム 移動相 流速 カラム温度 検出設定 CAPCELL PAK C18 CH3 OH / 0.5vol% H3 PO4 ,H2 O / =1/4 0.8mL/min 40℃ UV 280nm HPLC Condition

(18)

濃度(mM) 0.04 0.08 8.0 6.0 4.0 2.0 Cg ECg GCg EGCg (+)C EC 0 HPLC ピーク面積 (× 10 5 )

検量線の作成

算出式:[ピーク面積]=傾き×[試料の濃度]

(19)
(20)

ODSカラムの洗浄

そのままにしておくと、次回の分析時に影響(保持 時間のずれ、安定化に長時間かかる)がでる。 ODS充填剤表面の物質を洗い流す、洗浄という作 業が重要 HPLC分析を行った後のODS充填剤表面には、 分析に用いた物質が吸着している

(21)

ODSカラム洗浄

移動相に緩衝液を含む場合 移動相に緩衝液を含まない場合 同じ混合比率の有機溶媒と 酸性水で置換 有機溶媒比率を高めた酸性 洗浄液で洗浄する 分析で用いた移動相よりも極性の低く、 やや酸性にした洗浄液で洗う 洗浄液に過塩素酸ナトリウムを加え洗浄

(22)

カラムの保存

• 充填剤やカラムに負担のない溶媒で置換する • 中の溶媒が揮発しないように密栓し、一定温度で保存 カラム固定相の劣化の原因 ①結合相の脱離(とくに酸性条件) ②シリカの溶解(中性、アルカリ性条件) ③移動相および試料中の成分の吸着

(23)
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(25)
(26)

電気陰性度: 原子が結合電子対を引き寄せる力 電気陰性度の差 小→電荷の偏りがほとんど見られない(無極性) 電気陰性度の差 大→電荷の偏りが生じる (極性) アルキル基 (炭素差が長いほど疎水性大)、ベンゼン環 ヒドロキシル基(-OH)、カルボキシル基(-COOH)など C-C、C-H結合を有する分子 H O δ- δ+ 3.5 2.1 OH結合 逆相系HPLCでは疎水性が分離の駆動力 固定相は無極性分子は保持されやすく、 極性分子は保持されにくい

分子構造と保持力の関係

(27)

シリカゲル表面 シラノール基 にODS化剤 を結合する O-Si O-Si CH3 CH3 CH3 CH3 極性が低く表面積が大きい

逆相クロマトグラフィーで用いられる固定相の状態

Si C18H37 CH3 O CH3 Cl

(28)

カラム圧力の違い

水:メタノール=1:1の時 水素結合がもっとも密になる

(29)

クロマトグラム模式図

保持時間 (retention time, tR) ピーク幅 (W) 半値幅 (W1/2) ピークの高さ (h ) 物質が注入されてから溶出されるまでに要し た時間 ピークの両側の変曲点に接線を引き、それ らがベースラインと交わった2点間の距離 ピーク頂点からクロマトグラムのベースライ ンまでの距離 hの1/2の位置(h/2)のピーク幅 保持比(capacity factor, k’) : カラムへの保持の度合い 分離係数(α) : 分離の程度を表す尺度 0 0 1 1' t t t k = − 0 0 2 2' t t t k = − ’ ’ = α 1 2 k k

(30)

1)理論段数(number of theoretical plate, N) 2 16 ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ = W t N R 2 2 / 1 545 . 5 ⎟⎟ ⎠ ⎞ ⎜⎜ ⎝ ⎛ = W t N R a)高理論段数 b)低理論段数

HPLCの評価

2)理論段相当高さ(height equivalent to a theoretical plate, HETP,

H) 1理論段数あたりのカラム長さ H = L/N カラムの分離効率を表すパラメー ター (カラム長さ:L) 保持時間 :tR ピーク幅 :W 半値幅 :W1/2

(31)

⎜ ⎜ ⎝ ⎛ ⎟⎟ ⎠ ⎞ + ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ ' 1 ' 1 -4 Rs 2 2 k k N   α α = 3)分離度(Rs) 2成分のピークがどの程度分離しているかを示すパラメーター a)分離良 b)分離やや不良 c)分離不良 ( 完全分離 : Rs > 1.5 ) 保持比(capacity factor, k’) : カラムへの保持の度合い 0 0 1 1' t t t k = − 0 0 2 2' t t t k = − 分離係数(α) : 分離の程度を表す尺度 ’ ’ = α 1 2 k k

(32)

a)正常ピーク b)フロンティング c)テーリング ・インジェクション容量が多すぎる/サンプル濃度が高すぎる (サンプルのオーバーロード)、平衡化が不十分 ・移動相に対して、サンプルを溶解している溶媒が強すぎる フロンティング テーリング ・インジェクターの問題 (バルブが動かない、バルブの液漏 れ、ニードルのつまり、ニードルの破損、インジェクションポー トのつまり) ・カラムまたはガードカラムの汚れ ・カラムまたはガードカラムの汚れ

ピーク形状とその理由

(33)

疎水性相互作用で保持されている成分の洗浄

• 極性の低い溶媒を使う

• 移動相に緩衝液を用いていた場合、塩の析出に

注意

緩衝液/有機溶媒の分析移動相を用いている場合 ①同比率の水/有機溶媒でカラムや流路を置換 ②有機溶媒の比率を上げる 疎水性相互作用

(34)

酸性の洗浄液を用いて、孤立電子対に水素を 配位させ水素結合を抑制

水素結合で吸着している成分の洗浄

• リン酸や酢酸を加え、やや酸性にした洗浄液を用いる

ODS充填剤表面には僅か にシラノール基が存在して おり、窒素上の孤立電子対 などと水素結合を形成する。 (弱酸性~中性移動相下) R-NH2 R-NH3+

(35)

イオン結合で吸着している成分の洗浄

• 半径の大きなマイナスイオンである過塩素酸イオンを(過塩 素酸ナトリウムとして)0.1M程度入れた酸性洗浄液を用いる 水和が弱くなるため マイナスイオンが近 づきやすい テトラブチルアンモニウ ムのように,イオン半径 の大きなプラスイオンの 場合 、解離したシラノー ルのマイナス電荷とイオ ン結合が起こる 電荷密度の高さから水和 が何重にも生じてマイナ スイオンが近づきにくい (無機塩にも拘わらずメタノールやアセトニトリル100%にも溶 解し析出が起こりにくい)

参照

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