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関孝和の点竄術と天元術について-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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(1)

59

関孝和の点寛術と天元術について−

伸 樹

1 はじめに 中国で宋時代紅創められた天元術が我が国に伝ってきたのは,元ゐ朱世傑が 著した算学啓蒙(1299)によっ「〔であると言われている。注1天元術は問題を解 くとき,未知数を立でて1元の代数方程式をつくり,算木と算盤を用いて解く のであるが,その際未知数に当たるものを】 ̄天元ノー■・■!とよぷところにその名 が由来していると思われる。天元ノー・とは,関孝和の解隠題之法紅l ̄天元者, 立天元一也_iとして右の図があるとおり,太極の下に.−∴を立てること を言う。この太極とは周易緊辞上伝に.ある t ̄是故易有太極,是生両 ○姦 儀,両儀生田象,四象生八卦」の陰陽末生以前の根源としての太極注2 である。即ち未知数をこの根源としての太極に㌧見立てたのである。 この天元術では,未知数は1個に限られる。しかし,問題によっては補助の 未知数をとって多元適宜方程式をまずつくり,この適宜方程式から補助の未知 数を消去して1元の方程式を導き,そ・の後,天元術でこの方程式を解くのが便 利なことがある。未知数の数が2個以上になると,算木を用いた天元術では表 わすことができない。そこで関孝和(寛永19年,1642ごろ一宝永5年,1708)註3 ほ.未知数を表わすのに文字を用い,算木によらないで撃簸で必要な計算をする 方法を創めた。これが点算術誼4である。 点葺術は筆界であるので,天元術と異なり文字方程式を扱うことができる。 また,点葺術でほ未知数がすべて天元ノー・に.なる訳でない。価を求めるため紅 天元ノー・にえらぶと限った訳でもない。現在,,方について整屯する,或は.γにつ いての方程式をつくる,ということがあるが,その場合の・㌃や.γ紅当たるもの が天元ノー紅なるのである。これは下の例で明らかになる。 この小論でほ,孝和の点蔚術及び彼が改良した天元術による方程式の解法 を,現在の代数記号を用いないで,なるべく当時の表現形式のままで検討する

(2)

林 伸 樹 60 こ.とによって,和好と現在の数学の.立ち場や考え方の相違をみることに.した い。 順序として,和算での数と式の表わし方を最初に示しておく。 3 4 5 6 7 S 9 − 0 2 − 2 30 40 50 60 70 80 90

⊥ 土 主 ±

こ.の第1段の数字は更に眉■,万,百万,……の位の数字を表わすために,第 2段の数字は千,十万,千万,一…の位の数字を表わすために用いられる。従

って,たとえば8,032,059ほ mO川=○妻mで表わす。ここに○は空位を

表わす記号である。小数点はないので,その都度判断しなければならない。負 数を表わすには\をつける。たとえば帽32は…≠で表わす。以上は筆記する 際の例であるが,天元術で穿盤を使用する際に.は,正数,負数は算木をそれぞ れ赤と黒で区別した。 点筑術での式については,甲十乙,甲一乙,甲×乙,32甲×乙,甲2,甲8,

1/甲,訝甲ほそれぞれ

甲1乙 巨!十乙l甲乙 ヨい化

或は 或は l甲 l甲 】乙 斗乙 で表わす。等号に.相当する記号はなく,甲=乙を表わすには,】 ̄甲卜乙ハ相消 ス_l或ハ】 ̄相消シテ式ヲ得_lと表現する。方程式,たとえば 甲十2乙∬十丙 ∬2=0或は甲一−・2乙・方十丙・方8=0は,定数項,1次の項,2次の項, の 係数(これをそれぞれ,実,方,廉, という)を上から書き 甲 乙 丙 甲 乙 丙 −≠○ − ま 甲 乙 丙 で表わす。従って

(3)

関孝和の点塩術と天元術について 61 は,甲ヰ乙+丙を表わすときと,甲ヰ・乙.ガ+■丙・芳2=0を表わすときがあり,更 に甲十乙丙一十丙ズ2を表わすこともある。そのちがいぼ前後から判断される。 2 点鼠術について,発微算法から まず具体的に㌧延宝2年(1674)紅孝和が出版した】 ̄発傲算法_】の例をみるこ とにする。これほ天元術軋精通したといわれる沢口一之の古今算法記(寛文11 年,1671)の遺題15問に.,孝和が【 ̄其ノ微意ヲ発シ,術式ヲ註シ」荘6たもので ある。 第1問ほ3元の連立方程式をつくり,これから2個の未知数を消去して6次 方程式を導いている。舞2問は2元の適宜方程式から同じく9次方程式を,第 8問は4元の連立方程式から27次方程式な導いている。以下同類であるが,算 1,第2,第5問に.ついては全集注8或は平山諦氏著関孝和註7に解説があるの で,ここでは108次方程式を導いている弟4問を検討することに.する。 和静香の雰囲気を知るため紅,暫く原文牡8の漢文を書き下すことにする。な お()の中にその直前の原文の用語等を現代の紅改めたり或は説明を加えた りする。 四 今甲乙丙立方(立方体)各一骨り。只云ク,甲横(甲の体積)ト乙積卜 相併セタ共二寸ノ立積十三万七千三百四十坪,又乙積卜丙積卜相併セテ共二寸 ノ立横1−ニ万千七百五十坪。別工甲方面寸ヲ実卜為シ平方二開クノ見商寸(甲 の1辺の平方根)ト乙方面寸ヲ実卜為レ立方二閑クノ見商寸(立方根)ト及ピ 丙方面寸ヲ実卜為シ三乗ノ方二開クノ見商寸(4乗根)ト各三和シテ(3つを 加えて)一尺二寸。甲乙丙方面各幾何卜問ク。 各日,左ノ術二依テ丙方面ヲ実卜為シ,三乗ノ方 二開クノ見商数ヲ得。(内の1辺の4東根が得られ る) 術日,天元ノーヲ立テ,丙方面ヲ実卜為シ三乗ノ 方二関クノ見菌数卜為シ(後に出てくる式では丙の1辺を「丙方_lと書いてい るから,それによると専丙育を未知数にとるの意)別二云数(問にある用Uニ

(4)

林 仲 村 62 甲方面寸ヲ‥ 1尺2寸_⊇を指す)ヲ滅汐テ余リヲ子位二番ス(飾一対丙芳 を子とおく)丙方面ヲ実卜為レ三乗ノ方ニ・閑クノ見商数ヲ列レ(封南方をとり) 三タビ之ヲ自乗シ(む丙芳を4乗し)丙方面(丙の1辺)卜為レ,再ビ之ヲ自 乗レテ(丙の1辺を3乗して)丙積卜為レ,以テ又云数(問に・あるl ̄又乙積卜 丙積卜……十二万千七百五十坪_トな指す)ヲ減ジ余リヲ乙積卜為シ下位二零ス (又・−丙方8=乙積を丑とおく)。先云数(問で最初に・のぺた値,即ち】 ̄只云ク 甲積卜乙積ト・・十三万七千三宮四十坪」を指す)ヲ列シ,内丑位ヲ減ジデ余 リヲ甲殻卜為レ寅位二番ス(先−・丑=甲殻を寅とおく)。子位一一十三自乗三十六 段(子の14乗の36倍,即ち36子14)子位幕(子2)寅位幕(寅2)相乗九段(9 子2寅2),右ノニ位相併セテ得ル数ヲ卯位二寄ス(86子14十9子父寅2を卯とお く)。子位四乗罪丑位相乗二百五十二段(252子6丑)子位七乗暮寅位相象一山百二 十六段(126子ぎ寅),右二億二相併七得ル数ヲ辰位二番ス(252子6丑+126子8寅 を辰とおく)。 以上は原文を忠実紅たどったのであるが,以下説明を加えながら現代的に簡 単に式を用いてのべることにする。但し念のため最初から寄き改める。 弟4問,甲乙丙3つの立方体がある。甲乙丙の体積をそれぞれ甲責,乙資, 丙資,1辺の長さをそれぞれ甲方,乙方,丙方,先云数,又云数,別云数をそ れぞれ先,又,別と書くと 甲喜一+乙茸=先 (1) 乙責寸丙資=又 (2) ノ甲方・+甘乙方+ か丙方=別 (3) なる関係がある。甲,乙,丙各1辺を求めよ。 解 天元ノー即ち未知数.γとして即丙芳をとる。 別・−.方== 子 (4)とおく。 方4=丙方,丙方8=丙讃 となる。 又・一丙貴=乙去=丑 (5) 先−・丑(=先−・乙貴)=甲資〒寅 (6)とおく。 36子14十9子2寅2=卯 252子6丑+126子8寅二辰 (ここ迄が原文に従ってきたとこ

(5)

関孝和の点患術と天元術について ろである) 126子10寅=巳 9子16−ト72子7丑十18子丑寅十86子4寅2=年 子18十84子8寅2十丑2=末 2子9丑・」・168子8丑寅十84子12寅十寅8=申 63 とおく。 寅2卯8十3寅2卯辰2・十3寅卯己申+3寅卯年未十3寅辰巳未 十3寅辰午申+寅己8・+3寅巳午2一十未8十3未申2 をつくりl−左二番スー_;即ちおいておく。 3寅2卯2辰一十寅2辰8・十3寅卯巳末十3寅卯年申 十3寅辰巳申十3寅辰年未十3寅巳9午十寅年$ 卜3末2申・十申8 …(7) …(8)をつくり 王 ̄左二番セタルト相消シテ開方式(方程式)ヲ得ル_l (7)=(8)で方程式が得られたというのである。この方程式は両辺とも卯乃至 申で表わされており,卯乃至申ほ子,丑,寅で表わされており,子,丑,寅は (4),(5),(6)からわかるように.尤‥で表わされる。従ってこの方程式は.方即ち 斗丙芳についての方程式になっている。更に後でのぺるように.方に.ついて108 次の方程式になっているのである。しかし,このようなことは全然説明してい ない。ただ」−一∴自七東方ノ翻法二之ヲ開ク」即ち108次方程式の解法に.よって 解くとl【丙方面ヲ実卜為シ三乗ノカニ閑クノ見歯数(封両方)ヲ得。侃チ前術 ヲ推シテ甲乙丙方面ヲ得,各問二合ク」で術が終っている。 発散算法の序文にl■其ノ演段精微ノ極二至テノ、文繁多ニシタ事混雑セルニ依 テ之ヲ省略ス」とある。上の例で見る通り,何故に子,乃至申のようにおいた のか,ことに卯乃至申の係数ほ如何に.して定めたのか,戒ほ最後の方程式をつ くるとき(7)㈲ほ如何にしてつくったのか.何故この両者が「相消ス」のか等, 肝腎の点の説明は一切されていない。これは和算の伝統として「秘して関門の 徒もその主に入らざればこれを聞くを得ず」注9の状態にしてあったからで,之 が和算は学にあらずして芸なり餌0と言われる理由でもあ った。

(6)

64 林 伸 樹 3 点数術について,発散算法演段諺解から

発微算法の術について,ある程度解説を加えたのが孝和の高弟建部賢弘の

「発散穿法涜段諺解」(貞享2年,1685)である。その序に「発散穿法二悉ク

涜段ヲ述シ……・抑此演段ハ和漠ノ静者未ダ発明セゲル所ナリ。誠二師ノ新患ノ

妙旨古今二冠絶セリト謂べシ」とあるが,これ紅よって,孝和が創めた点箭術

の演段,即ち方程式の解法,とく紅多元連立方程式において,未知数を消去し

て1元の方程式軋直す方法が世間に知られるようになったのである。注11

諺解において上の第4問の術を解説しているところを見てみよう。これによ

って孝和の点窟術,演段が如何なるものかをうかがうことができる。

第四涜段,「甲方平方二開クノ商,乙方立方二開クノ商工和アリ」 即ら

ノ申芳十甘乞青(=別−か丙芳)=和 とすることから始まる。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「甲方アリ,乙方アリ,天元ノーーヲ立タグ甲南卜凋医王」以下この小論で

は」−__−.」の申は全体を90度廻乾させて一番いてある。本術即ち発傲算法の術

では天元ノ・−・として訂丙芳をとってある。ここでは補助の未知数として甲南即

ち′甲芳をとったのである。そしてv/申方を消去するため紅√中寿についての

式をつくる。

レ申育を.γとおくこと紅する。

† ̄ ̄−  ̄  ̄− ̄  ̄  ̄ ̄1 1== l l _ 「之ヲ再ピ自乗シテ乙方卜為ス」 「  ̄ ̄−■■ ̄ ̄■ ̄■− ̄−■ 一−− ■ ̄− ● ̄■ ̄■ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「 ニ ニニ・・∴ ニ 一− ≡ ≡ −ナー】 」 __ _ _ _ _ _ _ _ __ __」 (1) (2)

(1)は 訂−−∴γ でこれほ釘三芳であるから,これを3乗した 和$叫3和2.γ一+

3和・γ2−∴γ8 即ち(2)が乙方であるということである。 「又再ピ之ヲ自乗シテ乙横卜為ス」 ト■−−◆■ ﹂ 3 TI−−−−J

こ巨

諾⋮

彗覇

毒ぺ豪ヰ1呑彗 ヱ訂Jl

←け−

1】l】 これを「左二番ス.」。この計算のし方は次の4でのべる。現代風に.は.(1)の

(7)

関孝和の点鼠術と天元術に.ついて b5 和一.γを3乗して(2)即ち 和8−3和2.γ十3和ク2−グ$ これを3乗して 和○・−9和8.γ十36和7一γ2一−・84和¢.γ8十126和6グ4叫・126和4プ6 +84和8.γQ−・36和2.γ7十9和.γ8−.γ9 (4) を得たことに・なる。これが(3)である。これをl−左二番ス」,即ち一応おいてお く。之が乙真に.等しいから l−乙貴ヲ列シ,左二番スト相消シテ式ヲ得ル_j これが次の(5)である。この 式の各項紅,そ・の横に番いてある演算(6)を行う。 「 ̄ ̄l ̄ ■ l 音†く

糾匪

鋸卜⋮

郎芳川

組卜=一

副㌃一

聖川

琵⋮

定巨

完ナ

品謡”乗シ

○ 晶㌶”乗ン 乗シ

○項”

ン ロ項 シ 。卵㍍摘 ロ方 ○実 ○

晶㌶”乗シ

甲方三ヲ衆シ 実二加ウ

甲方舟ヲ乗シ 英二加ウ

l そうすると次の式(7)になる。

7肝茎和圭l

T■若君≡T㌍愕摘

二 和再 ヰJ ・. (7) 利︰ 丁−

二、、\−て−l

この第1段目ほ「実_=即ち未知数ツを含まない項で,貨2段目ほ「方」即ちグ についての1次の項の係数である。こうしてv/申芳即ち.γについての帰除式即 ち1次式が得られた。 上の(5)から(7)を導くのは.(5)即ち −乙貴十和9−・9和8グ十36和7.γ2−84和¢一γ8十ほ6和6グ4 −126和4JJ6十84和8グ¢−36和2一γ7十9和、y8一−グ9=0

(8)

林 伸 樹 66 から.γの偶数次と奇数次の項をまとめて γ2=甲方 であることから(7)即ち 9甲カ4和」一84甲方明日$十126甲方2和5+36甲方和7十和9・・−・乙責 十(−甲方4−一36甲方8和2一…126甲方2和4・−84甲方和0…9和8).γ=0(8) を得たにすぎない。そ・れが上の(6)のように.いちいち繁雑な指示を必要とし た。和静に.おいては式といっても表記されているのほ.係数だけで,天元ノー 1/耳元即ち.γほ表記されていないし,係数も並んでいるだけで,それら相互を つなぐ記号がなかった。特に尊号を欠いていたが為に,式変形,とくに.移項の ようなことは,自ら式から導かれるものでなく,法則的なものとして改めて把 握しておき,その法則に.あてはめてするしかなかったのであろう。演段諺解に 序の次にl ̄演段起例_;として,その法則をのべてある。そ・の一条 】 ̄本術二何某巾卜出テ潰段ニ,何其卜立ルトキノ、,右二得タル式ノ初廉(2 次の項の係数)ヨリ,次発二何其巾,何其三乗巾,何基五乗巾等ヲ以テ,隅迄 (最高次の項の係数まで)相乗ジテ,実卜方トヘ加テ帰除式トナ・シテ,実自乗 シテ左・ニ番セ,方巾二何其巾ヲ乗汐相消シテ,後正負ヲ分テ左二番ル数卜柏消 ス数トヲ求メテ本術ヲ起ス_蔓 の】 ̄実一方トヘ加テ帰除式トナ・シテ_‡までのところの何其をレ′百方でおきかえ ると,そのまま上の例に・あてほ.まっている。 この涜段起例にのべていることは,法則的なものであるが,それはむしろ計 算の方法に重点がおかれていて,原理的な説明はなされていない。これが和昇 は術であると言われる一周である。謹12 この起例の1 ̄実自乗シ・テ左二審セ_l.以下を(7)に.対して行う。即ち(7)紅対し て,今後ほl ̄実自乗シテ左二番セ,方巾三甲方ヲ乗シ左卜相消ス」のである。 従って(7)即ち(8)の.γの項を移項して,然る後左右両辺を自乗することになる のであるが,和簸では等号がない為かそうはしていない。この両辺に当たる項 を次のように改めてつくっていくのである。しかし,これでt・/申育が消去され る見込みはついた。 「甲南,乙商二和アリ庭園子位」 この和が本術即ち発微算法の術で子とおいたものである。

(9)

関孝和の点窺術と天元術紅ついて. b7 l ̄乙横アリ陸封丑軋甲横アリ厘萄寅位」 ここで改めて 「 ̄−■− ̄「 ! ̄天元ノーヲ立テ甲方卜為スLq二_∫」 即ちここで又,甲の1辺を未知数にとるのである。これをZで表わすことにし よう。そして(7)の実を甲方を未知数とした式即ちZについての式紅書き改め る。これは甲即ちZを消去するためである。 ﹁■■︼ 詰く 壷二こ 毒芝 毒憲 , + 岸

蒜ト巨

=≠=⊥ _ _ _ (9) 」.__ 即ちZについて:整屯して _ _−」 ー・乙資・+・和0+36和7Z十126和6Z2十84和$Z臥+9和4 (10) この(9)は(7)の第1段を甲方が今度は未知数であることに注目すれば,横紅.並 べて書いてあるものを縦紅並べかえるだけで,直ちに書き直せたと思うのであ るが,演段諺解でほ次のような手続きをふんでいる。

1 ̄天元ノーづ立テ甲方卜為レ三タビ之ヲ自乗シテ

「− ̄▲ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄’ ̄.こ.− 瀾 音ノ 以 ヲ H 末﹂ 乗− 汐 テ 「 ̄ ̄ ̄ ̄  ̄▼●与「 九段如月9旦甲方再乗馴和再来馴相乗シテ八十四段∃00 1ル 」 し.._ ▼__■ _ 一 とV・、うように,つぎつぎに[撃」まで(9)の5つの項を改めてつくり,閥 五位相併セテ得ル内乙真一段ヲ減シテ余り是実ナリ」として(9)の式をつくっ てV、る。 ここでは.じめて(9)王 ̄ヲ自乗シテ㌧  ̄  ̄  ̄  ̄▲■ ■▲− −− −− −■ − − −−・− − −・− ■−■−− −− −■■− −− − m▲− − − − −−▼一 ▲− − −− ■ 壱÷ニノ量÷∴≠壱斗‥責÷1秦・卓 喜一ノ 責1ヰ 妄川 音言

= 巨≡ ○ = トー

l →l== 川l =l ノ書扇宇戸 l →川 I l l1 1 →】】 一川I l 毒く 毒1く 壱宣 壱意 J‡ニ J岸・J葦:1J笹 ≠ ≠ ≠ 巨窒 =歳苧 : J宇=三−−−」1==l→ L__仙_____ ⊥蔓∴−___−___ ___岬.___.____」 之を「左・ニ寄ス」。一方(7)の方に当たる式を,(9)をつくったのと同じように.

(10)

林 68 改めてつくりなおして,その自乗と甲方の積をつく る。 + ㌫ニ瑚 L∼ 一.一.i ■ 秦+芋蔓・+=ト壱1−】 0 −− 馴E州≡ニー

ニ〇ニー

聖帖巨±

㌍−巨±

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・Ⅷ一“川一・・

↓= 」 」 “ _【… _..,._ _ −_ 【 一“ _ _ _.._ _ ___ _ _ … _.−−._ _ ___■ ∬ これと「左二億スト相消シテ式ヲ得_=即ちレ申芳を消去した次の方程式価を 得て,然る後,前の(6)と同じような演昇11劫を行う。 T 暫⋮ ↓ ==.二 1−■そ・・丁ヽ トー 】l l−K・・ J麟 青」rj ÷ 音 更昨 一一﹂ヤJ 彊 ・十 隠 Y畔 秦再

品璃州”衆ジ

削レ⋮

○椚璃刑”乗ジ

頚需讐高話碩ジ

≠伸ニ △廉

陸離珊アブ方

。実

巨 卜/− I I −ナー ○ △ ジ

品摘

甲賓再ヲ釆ジ 実二加り 甲黄巾ヲ乗ジ 廉二加ウ 里賓ヲ乗ジ 廉二加ウ 」 _ __....、.鵬 _._ __ _ _ _】 演算(1分から最後紅方程式を得るまでの演算は,演段起例に前に引用した箇 条に続いてある次の法則によっている。 「本術二何某再乗巾卜出テ,演段二何基卜立ル時ノ、石工得クル式ノ次廉ヨリ 次第二何某再乗巾,何某五乗軋 何其八乗巾等ヲ以テ隅迄相乗シテ,実卜方卜 初廉トへ加エ,平方式(2次式)トナシテ,実再自乗,方再乗巾ニイ可其再乗巾 ヲ相乗レ,廉再乗巾ニ・何某五乗巾ヲ相乗シ三位併セテ左二番ス。実力廉相乗二 何某再乗巾ヲ相乗レ,之ヲ三タビレテ相消シテ後正卜負トヲ分デ,本術ノ左・ニ 寄ル数卜相消ス数トヲ得ル」

(11)

関孝和の点驚術と天元術について この規則の前半紅従い演界(12)を行うと

斗引」描輿購珊輿購

bd 3 nH †し 一不.丁ノ 和斗七甲賓 1 Tl 乙鶉巾ニ n‖∵lh エ∧﹁コJ 一大﹂﹂−﹁.1 Ⅷ州 ‖‖。\ 藁T﹂ノ 乙肯

⊥一 乙讃 ●.︼ +ヾ丁, 一 ‖こlト ﹁ 和三 甲貫巾 T﹁ ≡ 一 山 丁l 董 利.=. 甲貿巾 m 利仇仁 乙買 ≠ 崖十 和七 甲 T﹁ ニ ここほ.現在ならば次のように書くところである。甲方をZとおくと(7)即ち (8)は 9和Z4ヰ・84和$Z$・十126和6Z2十36和7Z十和8・−乙貴 十(・−・Z4Ju36和2Z8−・126和4Z2−−84和¢Z−9和8)グ=0 であるから一γの項を移項して,然る後両辺を自乗する。.γ2=㍉Zであるので.γ を消去して (9和Z4十84和8Z$・+126和6Z2十36和7Z十和9一−乙貴)2 =(Z4十36和2Z8十126手口4Z2十84和¢Z十9和8)2Z とする。この自乗を計算して再びすべての項を1辺に.集めてZについて盤屯し て (・−2乙責2和叫■乙貴2十和18)・+(一−72乙安和7一−9和1¢)Z 十(−252乙安和6十36和14)Z2・十(・岬・168乙貴和8・−・84和12)Z8 十(−・18乙賓和・十126和10)Z4一叫126和8Z6十84和¢Z¢・−36和塵Z7 十9和2Z8−・Z虻=0 (id) を得る。これが(11)である。ところがZ8ニ甲積であるから,Z8をすべて甲貴と 書き改めると(用は次のようなZについての2次方程式に.なる。 和18十乙資2+・84甲責2和8 ・−(2乙貴和9・+84甲安和12一+168甲茸乙音和8 十甲資8) 十り26甲安和10 −▲叫(36甲賀2和4十18甲茸乙安和十72乙責和7十9和lり〉Z 十(9甲貴2和2十36和14・−(126甲賀和8十252乙安和6〉Z2=0 (15) これが(13卜である。

(12)

林 伸 樹 70 さて,この(13)即ち(15)を得てみると,本術即ち発微静法の術において,卯乃 雪中のようなおき方をした理由がわかる。そ・れは(15)で 和1S十乙責2・十84甲責2不‖6=未 126甲茸和10=巳 9甲責2和2一+86和14=卯 2乙責和臥+84甲責和12十168甲茸乙安和8十甲茸$=申 36甲式2和4+18甲貴乙責和十72乙茸和7十9和18==午 126甲講和8一・十252乙責和5=辰 となっていることが確められるからである。従って(15)ほ 未 巳 卯 申 年 辰 + 十 l・− す16J 即ち (・−申十未)十(一年十巳)Z一+(・一一辰十卯)Z2=0 に.なっている。これが上に.引用した演段起例のト…・平方式トナシテ_卜のとこ ろである。漁段起例のこれにつづく「実再自東,方再乗巾ニ…∵」以下を適用 して今度ほZを消去するのである。この起例ほ

a+b十C=0 ならば a8十b8十C8=3abc

であるからであるが,このような論理的な理由にほ全くふれていない。 さて,方程式(16)で, 実=・−申十未,方=・−午+巴,廉=・−辰十卯 であるので,これから 実8・十方8Z8一十廉サZ¢」即ち (・−L申十未)8十(・一年+巳)8甲責・十(・−・辰十卯)8甲賀2 を計算し,本術のように甲式を寅と書くと −申8・−3申未2+3申2未十未8十(・・−午8−3午巳2十3午2巳」一・巳$)寅 +・(−辰さ・十3辰2卯−・3辰卯2・十卯8)寅2 コ7) を得てl ̄左二各ス_】 一・方,3実方廉巳8即ち3(・−申・十未)(・−一年十巳)(・岬辰十卯)甲責を計穿 すると

(13)

関孝和の点欝術と天元術に.ついて 71 −3申年辰寅・十3未午辰寅・十3申巳辰寅・叩3未巳辰寅 +3申年卯寅・−8未午卯寅−3申巳卯寅十3未巳卯寅 (18) に.なる。これと】 ̄左二審」せたのと! ̄相消シづ㌧ 即ち(17)=(18)から.方即ち本術 尉丙青=。方 についての方程式が得られるのである。諺解には全然説明がない が,後でこのことを確めておくこと紅する。 諺解では最後に演段起例の引用した最後のヨ ̄正卜負トヲ分テ_lに.従って符号 をそろえて 8申2未十末8十8年2巳寅十巳8寅十3辰2卯寅2・十卯8詞2十8申午辰寅 十3未巳辰寅十3未年卯寅十3申巳卯寅 (19) をF ̄左二寄._1せ ・…・申8−3申未2・−午$寅−3年巳2卦−辰S寅2一−3辰卯確言2 −3未午辰寅・−3申巳辰寅一・3申年卯寅−・3未巳卯寅 (20) の「負−・十億相併七相消ス_トで終って\いる。即ち(19ト+(20)=0で本術での最後 の方程式が得られたとしている。 以上のように・諺解は発徽算法の術の解説であるが,それでもこの方程式が何 を未知数紅した方程式なのか,或は1元の方程式になっているのか等につい て,−・見してそれとわかるようなものでもなく,又説明もしていない。 念のために,この最後の方程式に表われる寅乃至申をしらべてみると,寅は 本術の(6)にあるよ.うに甲貴を指しており,卯乃至申は(15)と止6)の問の式から 和,甲貴及び乙責で表わされてし、るので,結局この方程式ほ,和,甲茸及び乙 讃で表わされていることに.なる。この間題の条件から 和=/百方十ぎ言方=別一㌣両方 甲貴二寅二先−乙責=卦−(又−・丙京)=姐・−−又一+ミ丙芳12 乙蛋七又・・一/丙貴=又・−−さ丙芳12 これらを卯乃至申に代入すると,申8が専両方の108次で最高次の項であるの で,この方程式は亀有芳についての108次の方程式であることが確められる。 不便な表記法の下で,はじめの連立方程式から,甲,乙を消去して毛丙方 だけの方程式に導いたすぐれた計罫カと,洞察力の鋭さが改めて偲ばれるので ある。

(14)

林 伸 樹 72 4 式の計算について,解隠題漬から 解隠題法(貞事2年,1685)は孝和の著作で式の計静のし方,方程式のつく り方と解き方を説明している。ここでは式の乗法に・ついてだけ記すことに・す る。 多項式の乗法の説明をみると, l ̄相乗ハ其式ヲ左右二置キ左ヲ以デ上級ヨリ下級二到り逐デ遍ク右二乗ジ同 名(同符号)相乗ノ、正卜為シ異名(異符号)相乗ハ負卜為ス乃チ空級二当リテ 乗者空卜為ス各相併七式ヲ得,自乗ハ之二準ズ.▲璽 次に次数の定め方として 「見乗ハ其式ノ乗数ヲ置ク乃チ帰除空平方一立方ニ(1次式2次式3次式の乗 数はそれぞれ0,1,2)上ヲ以テ之二傲ウ。自乗ハ之ヲ倍シー鵬・ヲ加ウ再乗 (3乗)ハ之ヲ三シ(8・倍し)ニヲ加ク三乗(4乗)ハ之ヲ四シ三ヲ加ク次第 之二傲イ乗数卜為ス。相乗ノ\両式,乗数ヲ相併七一ヲ加工乗数卜為ス(例・方2 ×がでは両式の乗数は1と4だから1十4=5, 5十1==6従って六乗式 (即ち7次式)∬7に.なる)」 つづいて例をあげている

「仮如(タトニバ)「匡]∃1之ヲ自乗ス。見乗数ハ帰除空ニー小細工一一一

」_______」 ヲ得平方式卜為ス_l即ち0・十.ガを自乗すると,上の法則から,これは1次式で あるから,0に.1を加えて1,従って2次式に.なる,というのである。そして 算木を用いての実際の計静のし方を説明している。 待 併 ノⅠ

≡ニー一宇こニー章二 三

これは 0十.方の自乗を(0,1)×(0,1)として下の計算をしているので ある。

(15)

73 関孝和の点寛術と天元術について 0,0 ………… 01………… (1) (2) 0,0,1…‥・……(3) いま」一つ例を引いておく r ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄一 ̄  ̄■ ̄  ̄ ̄‘ ̄ l 【 ;之ヲ相私見乗数ハ平方・−・一立方三相併セ ̄づ加 [ 】 ト 1…仮如∴ 】:\J し____________」

ェ四ヲ得四乗方式卜為ス_=叩ち・−一方は2次式であるから1,他方ほ8次式であ

るから2,この1と2の和に.1を加えて4,従って四衆力式(即ち5次式)に

なる,と説明した後,実際の計静法を示している。 右W帖=﹂﹁ /〃〆州 左T≠=

右常州=≠

ん丁≠=

右¶刷=ヰ

弄 丁≠= (1) (2) (3) (4) これは(一−・7十4∬十2が一−・が)×(61−・8∬十2が)を下のように計算 しているのである。 −7

123 4

668 血 酬 2り〟一4一 l l l 叩 血 41 り一り一 −・42, 十 −42, 45,一−14,−4 5 天元術について,聞方算式から

聞方算式(貞享2年,1685?)は孝和の著で,数係数の方程式の解法を説明

している。そこに.は課商(解の見当のつけ方)からはじまって,一種の方程式

論を展開しているが,註13ここでは,ほじめの課商と窮商の項だけを見ることに

(16)

林 伸 樹 74 する。 方程式を解くには次のHoI・nOI・の方法と同じ方法によっている。たとえば 〃0・十α1.尤十α2が・+α8がに.変換.方==γ+αを行ってAo十Al.γ十A2JJ2・+A8グ8 を得たとすると,Ao=α0・+αlα・+・α2α2十α8α$,Al=αl+・2(72α・十3α8α2, A2ニα2十3α8α,A8=α8であるので,もし月0=0に.なるならばαは方程式 α0十α1.芳十α2が十α8∬8=0 の解であることになる。 このAo,Al,A2,A8の計静は機械的に下のように.しでできる。 α) α2 α8 α8α α0 (Zl α1α一+α2α2十α8α8 α2α・十α8α2 α0十α1α・+α2α2一十α8α8 α1十α2α十α8α2 α2α+2α8α2 α2十α$α α8 α8α α1十2α2α十3α8α$ α2十2α8α α8 α8α α21十3α8α α8

この、仰のところがそれぞれAo,Al,A2,A$になって1、る。

まずt ̄’課商_巨をみよう。 【 ̄是商位ヲ考ル也凡ソ最初ノ商ヲ鼻ル者ハ適数ヲー般二得ル考工難キ有り。故 三成ノ\先ツ山簡数(即ち1)ヨリ起レ或ハ題数二属シテ其ノ倍数ヲ額イ皆商数 ヲ立テ下ヨリ命ジテ之ヲ除ク。実余レバ則チ商汐バズ故三共ノ数ヲ逐増ス乃チ 多少不定任意二之ヲ増ス。之ヲ開キ若シ誤リテ商太二過レバ則チ諸級反覆シテ 同名之後商得難シ。故二異名商ヲ立テ之ヲ開ク‥い… …_lと一・般法則をまずのべ ている。そ・して実例に㌧入る。  ̄ 「伽平方(2次方程式)「千醇二1(16・−8…2=0)」 l l l _ __.._ __ __ _._._.__ _」 を考える。 「先ズ正商・一ヲ立テ靡ヨリ之ヲ命汐(掛けて)英二至リア之ヲ除ク,余正九 「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄■■「

下ヨリ之ヲ命糊ニ至リテ相減汐,余負六L巨ヒ(9・−・6…2ニ0)0

是商少シ,而シテ実ノ余り太ダ多シ,故二又商三ヲ立テ前ノ如ク之ヲ開ク,実 尽ク_】

(17)

関孝和の点蕊術と天元術にンついて これほ,まず1を立てこて 75 1  ̄ 丁……… (1ユ −・6 1‥… ‥‥(2) 即ち16・鵬8一方・+が=0 に変換一方=.γ+1 を行って 9−6.γ十γ2=0 を得たのであるが,l ̄商_.璽(即ち1)が少なすぎたので実の余りが9になりま だ多い。そこで董 ̄商_;を多くして3にして再び変換.γニ㍉Z十8を行ってこみると

31

9 −6 1 −−・9 3 0・−3 1…‥・1・1川 (3) 3

0 1………

値) 即ち Z2ニ0 になった。定数項は0になった。「実尽キ方亦空卜為り,変

「 :是二於テ南無レ,敬二立ツ所二次(2回商を立てた)正 」

】 式ヲ得1 」 商相併七四ヲ得(1十3=4)定商卜為ス也(4が解である)」 以上の計算を簸盤上で鈴木を用いて計辞すると次のように・なる。まず昇盤は 、 1図のようになっている。ここへ算木をおいて ll l ____」 百 分 庫 商 実 プJ 舶 隅 一打 十 分 伸 商

T

実 間 力 l 廉 隅 正■.数と負数の区別は鈴木では色の赤と黒で区別するが,印刷の都合上ここでは 筆記の時と同じように表わして−おく。l ̄正商一・ヲ立テ廉ヨリ之二命ジ実紅至リ デ除ク余正九」算盤上でこの計算をして上の(1)を表わしたのが3図,次に(2) を得たのが4図,そ・こで今度は, この9・・−6.γ十γ2=0(5図)をもとにし て「商_】3を立て,逐次(3),他)を得たところが6図,7図である。

(18)

林 伸 樹 76 次に3次方程式 578.640625・−192.1875.方十22.7.ガ2−−∬$=0 を解いている。これは算盤上では次のように表わされる。 r lモf■ −・l うナ 厘 二も 糸 四 ′じ▲ヽ 微 商

l冊 ±。 m● ⊥ 洲

T = 突 l 主 m 1T ∴ ≠ プ〕 m 土 … 廉 十 隅 まず課商のところの一一・般法則! ̄戎ハ題数二属シテ其シ位ヲ窺イ_】により, 「商」の見当をつけて,「切線_】5を立てる。(未知数をすべて・方で表わすと) 61.458125・【89.6875方・−7.75∬2−.ガ8=0 を得る。1 ̄是初商数少シ,而シテ実余ル,故二又後商正五ヲ立テ,之ヲ開キ・‥ …_=叩ち更に5を立てこて ・−68.234875−37.1875方・−7.25∬2・−・∬8=P を得る。「後商大工過グ,而シテ諸級皆負二変ジ正商得難レ。故二反リテ負商 −・ヲ立ツ」即ち商に∴・−・1 を立てる。 ・−・87.296875・−25.6875.方・−4.25が・−∬8=0 を得る。「此負商未ダ及バズ式中又正商得難シ故二再ビ負商ニヲ立テ」即ち 「商」に−2を立て 5078125・−20.6875.方十1.75.方2・一一が=0 を得る。「是二於テ諸級正負悉ク旧二役スー】実は小さくはなったがまだ残って いる。1 ̄放二此ノ方ヲ以テ仮二実ヲ約シ_! 実十方=5.078125÷20.6875=0.24…

(19)

関孝和の点欝術と天元術に.ついで 77 紅なるので,次にi ̄商_iO.2を立てると 1.002625・−−20.1075.ガ・十1.15が…∬8=0 を得る。この計算の進め方は上にあげた−・▲般的な法則につづいて.「各級ノ正負 旧二役スヲ倹チ,亦同名商ヲ立テ之ヲ開ク。実首巳二除去スト雌モ其ノ数未ダ 尽キザレバ則チ方ヲ代テ仮二実ヲ約シ,次位ヲ視テ其ノ数ヲ次商工立テ之ヲ開 ク。‖・‥」 とあるのに従っているのである。ここで又この式の

実÷方=1.002625÷20.1075=0.0498…≒0.05

商0.05を立てると 0・−20.方十∬2・−∬$ニ0 を得る。故にほじめの方程式の解として 5十5・−一1・−2一+0.2ヰ0.05=7.25(正七箇二分五瞳) を得る。以上が!’‘課商_‡ということである。これをすべて算盤上で算木で計数 をしている。では実がなかなか0にならない場合軋はどうするか。之が次に.の ぺるt ̄窮敵_lである。音 ̄是商数崎零之微(小数点以下の小さい数)ヲ究ムル 也_lである。  ̄ −;(11+8.ガ+・.方2=0) l ̄ ̄ ̄■ ̄ ̄ ̄

「仮如,平方(2次方程式)L工巨

先ヅ負商一箇(−1)ヲ立テ之ヲ開クト「 】 l ._ ___⊥ (4・+・6・方寸が=0) ヲ得,次二負商七分(一−0.7)ヲ立デ之ヲ開クF し__−______J 十∬2ニ0)此ノ如ク尽キゲル有り。故二正方四箇六分ヲ以テ正実二分九厘ヲ 除シ 負六蝮三宅ヲ得_】即ち 実÷方=0.29÷・4.6=0.063…(負とする)1 ̄関 南(一−トー・0り7)に併セテ(−・1・−0.7一叫0.068)負一箇七分六三ヲ得_l次にこ の−ノ1.763をき ̄次商_き として原式11十8.方・十∬2=0 を開くと 0.004169ヰィ4.474・γ十∬早=0 を得る。 実÷方ニ0.004169÷4.474=0.0009318…・(負とする) そこで・−・1.763−0.0009318=・−・1.7689318 をl ̄三商」として,又原式を 閃くと

(20)

林 伸 樹 78 0.00000099505124+4.4721364.方一一卜.方2=0 を得る。 実÷・方ニ0.00000099505124÷4.47飢864 =0.00000022250020(負とする) 次にまた ・・−・1.7639318・−0.POOOOO22250020 =−1.76893202250020を! ̄四商」とする。 この最後のところほ 「負−−・箇七分六.≡九三ニ○ニニ五00ニ○ヲ得,四商卜為スートそして「逐チ此 ノ如クレテ,其ノ微ヲ究ムル也」。これが窮商ということである。 この窮商の方法も最初に・−・般的な法則を示している。即ちl−是窮商ノ、数ノ崎 零之徽ヲ究ムル也_トにつづいて1 ̄実数ヲ開ク尽キゲル者有り聞出ノ位数二随イ 方ヲ以テ実ヲ除シ,乃チ同名ノ除ハ定▲メテ負数ヲ得異名ノ除ハ定メテ正数ヲ得 ル也。其ノ数ヲ以デ正負二依テ開キクル商二加減シ次商卜為シ,之ヲ.以テ原式 ノ隅ヨヅ命汐チ実二至リテ之ヲ加減レ,亦隅ヨリカ二重り之ヲ加減レ,其ノ方 ヲ.以テ次商ノ位数紅随テ其ノ実ヲ除キ,得ル数ヲ以テ次商工加減レ三商卜為 ス。・……次第此ノ如クエシテ各級定商ヲ得ル也」 これがNewtonの近似解法と一致していると言われるところである。たし かに.ノ(ズ)ニニβ一+∂・方+C∬2=0 に・おいて最初に立てた「商_蔓(近似解) を αとすると/(α)=実,ノソ(α)=方になるから「次商_【(次の近似解)と してNewtonの方法と同じく α−ノてα)/./ソ(α)をとったことに.なつている。 しかし上の例は代数方程式の場合であって,これを以て孝和がNewtonの近 似解法そのものを既に発見して1、たとすることは出来ないであろう。ここ紅思 い至った道程に.ついては和算書は何も語っていない。 註 1加藤平左工門 日本数学史上 P131,槙轟店1971 2 高田真治・後藤基己 易経下 P245 岩波竃店1975 3 平山諦・下平和夫・広瀬秀雄 関孝和全集,序P15 大阪教育図宙1974 4 点窓術なる名称は後に.松永.良弼が主君内藤政樹の意に従ってつけたもので,孝和当時 は帰原姿法といっていた。註9,PlO6

(21)

関孝和の点忍術と天元術について 7q 5 発散算法の序から 6 註3,関孝和全集 大阪教育図書1974 7 平山諦 関孝和 P67∼71恒星社厚生閣1974 8 以下の原文はすぺて註3の関孝和全集による。 9 遠藤利点 増修日本数学史 PlO9 恒星社厚生閣1960 10/ト倉金之助 日本の数学 PlO5 岩波書店1940 11註7,P14 12 註10,Pl19 13 正根負根或は根の個数等については開方雛変之法(点字2年,1685)でのべているが 誤りもある。註7,P94

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